説明

β−ケトエステル化合物の製造方法

本発明は、キノロン系抗生剤の合成に有用な中間体である式(1)のβ−ケトエステル化合物の製造方法に関する。詳しくは、有機ニトリル化合物とモノ−アルキルマロネートの塩を、金属塩存在下で反応させることを特徴とする。前記反応は、吸熱反応であるので反応制御が容易であり、催涙性試薬が無く、再現性が良い。その後、酸水溶液の存在下で同一反応系(in situ)で加水分解させて、式(1)のβ−ケトエステル化合物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記式(1)のβ−ケトエステル化合物を製造する方法に関する。詳しくは、有機ニトリル化合物とモノ−アルキルマロネートの塩を、金属塩の存在下で反応させた後、酸加水分解させて、β−ケトエステル化合物を製造する方法に関するものである:
【0002】
【化1】

【0003】
式中、QはC−H、C−NO2、C−F、C−OMeまたはNを示し、
X、Y及びZはそれぞれ独立してH、ハロゲン原子またはNO2を示し、及び
Rは直鎖または分枝状のC1−C6アルキルまたはベンジルを示す。
【背景技術】
【0004】
式(1)のβ−ケトエステル化合物は、様々なキノロン系抗生剤の合成に使われる有用な中間体である。前記中間体から製造されるキノロン系抗生剤(例えばシプロフロキサシン(Ciprofloxacin)、レボフロキサシン(Levofloxacin)、トロバフロキサシン(Trovafloxacin)及びジェミフロキサシン(Gemifloxacin)など)は強力な抗生作用を示すので、ヒトや動物の細菌感染などの治療用薬剤として有用に使われている。
【0005】
式(1)のβ−ケトエステル化合物は、一般的に3段階工程を通じて合成される(参照:Synthesis, 1993, 290; Org. Prep. Proc. Int., 1997, 29, 231)。
【0006】
このような3段階合成工程は、最近、反応式1のブレーズ(Blaise)反応を用いて、1段階工程に単純化されており、前記工程は触媒量の有機酸で亜鉛を再現性よく活性化させる新規方法について開示している(参照:WO03033469; Synthesis, 2004, 16, 2629)。
【0007】
【化2】

【特許文献1】国際公開第WO03033469号
【非特許文献1】Synthesis, 1993, 290; Org. Prep. Proc. Int., 1997, 29, 231
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような成果にもかかわらず、ブレーズ反応を用いた工程は、(1)高い発熱によって反応熱の制御が難しく、(2)アルキルα−ブロモアセテートの催涙性によって使用上の取扱が難しく、(3)過剰量の高密度亜鉛金属が撹拌を難しくし、時おり反応器の底に沈着し、反応再現性を低くする問題があった。
【0009】
前記問題点を解決するために、本発明は制御不能の高い反応熱を発生させない非催涙性反応物を用いて、再現性良く有機ニトリル化合物から様々なβ−ケトエステル化合物を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
1)下記式(2)の化合物と下記式(3)の化合物とを、金属塩の存在下で反応させる段階;及び
2)段階1)で得られた化合物を、酸水溶液の存在下で加水分解させる段階;
を含む下記式(1)のβ−ケトエステル化合物の製造方法を提供する:
【0011】
【化3】

【0012】
式中、QはC−H、C−NO2、C−F、C−OMeまたはNを示し、
X、Y、Zはそれぞれ独立してH、ハロゲン原子またはNO2を示し、
Rは直鎖または分枝状のC1−C6アルキルまたはベンジルを示し、及び
Mはアルカリ金属を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を反応式に基づいて詳細に説明する。但し、下記反応式は本発明の理解を助けるためにだけであって、これらが本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0014】
式(2)の化合物の製造
式(2)の化合物は市販されており、EP0333020 A2に記載された方法のような公知の方法によって合成することができる。式(2)の化合物は分離された状態で、次の反応に使用されるか、又は使用前に同一反応系(in situ)で合成され得る。式(2)の化合物を分離せずに、次の反応に使用する場合、式(2)の化合物は溶液として使用できる。式(2)の化合物を溶解させるための溶媒は、好ましくは次の反応に使われる溶媒と同じである。従って、溶解用溶媒が次の反応に悪影響を及ぼさない限り、特に制限されない。しかし、溶解用溶媒として1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリジノンよりなる群から選択される1種以上を使用することがより好ましい。1,2−ジクロロエタンが反応性及び収率面でさらに好ましい。
【0015】
また、式(2)の化合物で、XがF、Y及びZがCl、QがNである式(4)の化合物は、皮膚に刺激的であるので、分離された状態で取扱うことが非常に難しい。従って、下記反応式2で示されるような式(5)の化合物を塩素化させて得られた式(4)の化合物を、次の反応でin−situで使用することが好ましい。
【0016】
【化4】

【0017】
前記反応式2は、EP0333020 A2号に記載されている。具体的に、式(5)の化合物の塩素化のために用いられる試薬は、オキシ塩化リン、五塩化リン、またはその組み合わせであり、好ましくはオキシ塩化リン及び五塩化リンの組み合わせである。塩素化剤の量は特に制限されず、反応条件を考慮して通常的に使われる範囲内で選択することができる。例えば、塩素化剤がオキシ塩化リン及び五塩化リンの組み合わせの場合に、オキシ塩化リン及び五塩化リンの使用量はそれぞれ、式(5)の化合物に対して、2〜10倍モル量及び1〜10倍モル量であり、好ましくは4〜5倍モル量及び3〜5倍モル量である。本反応は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは80〜120℃での還流温度で遂行される。
【0018】
式(1)の化合物の製造
式(2)の化合物から式(1)の化合物を製造する方法を、下記反応式3に示す:
【0019】
【化5】

【0020】
式中、Q、X、Y、Z、R及びMは前記同義であり、HAは無機酸または有機酸を示し、及び金属塩はニッケル塩、銅塩、インジウム塩または亜鉛塩を示す。
【0021】
反応式1では、アルキルα−ブロモアセテートを加える段階で相当の熱が発生されるので、これを調節するために反応熱を観察しながら、アルキルα−ブロモアセテートをゆっくり添加した。しかし、反応式3で起きる式(2)及び(3)の化合物による反応は、温和な吸熱反応である。従って、反応物を混合した後に、反応を保持させるために反応混合物を加熱して還流しなければならない。このように得られたβ−アミノアクリレート中間体を、酸水溶液の存在下で加水分解すると、β−ケトエステルが生成される。
【0022】
有機ニトリル化合物としては、定義された置換基範囲内で様々な芳香族ニトリル化合物が用いられる。一般的に化合物が電子求引性の強い基を有するほど、ニトリル基の反応性が増加される。
【0023】
QはC−H、C−NO2、C−F、C−OMeまたはNを示し、好ましくはNまたはC−H、C−OMeを示し、より好ましくは、Nを示す。Xはハロゲン原子を示し、より好ましくは、Fを示す。Y及びZは好ましくはそれぞれ独立してF、ClまたはBrであり、より好ましくは、独立してFまたはClを示す。
【0024】
式(3)の化合物を、式(2)の化合物に対して1〜2倍モル量、好ましくは、1〜1.5倍モル量用いる。Rは直鎖または分枝状のC1−C6−アルキルまたはベンジルであり、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルまたはt−ブチルであり、最も好ましいのはエチルである。
【0025】
Mはアルカリ金属であり、好ましくはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである。
【0026】
金属塩としては、ニッケル塩、銅塩、インジウム塩または亜鉛塩を使用することができる。好ましくは、前記金属塩は、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、アクリレート、メタクリレート、ステアレート及びアセチルアセトネートを含むが、これらに制限されるものではない。例えばニッケル塩は、塩化ニッケル、臭化ニッケルまたはニッケルアセチルアセトネートを含む。銅塩は、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅または銅アセチルアセトネートを含む。インジウム塩は、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウムを含む。亜鉛塩は、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、亜鉛アクリレート、亜鉛メタクリレート、亜鉛ステアレートまたは亜鉛アセチルアセトネートを含む。この中でも亜鉛塩がさらに好ましく、亜鉛塩の中でも塩化亜鉛が最も好ましい。反応に用いられる金属塩の量は、有機ニトリル化合物の反応性によって調節することができる。一般的に金属塩の量が多いほど反応速度が速くなるが、金属塩は、好ましくは式(2)の有機ニトリル化合物に対して0.01〜1倍モル量、より好ましくは、0.5〜1倍モル量の範囲で使用される。
【0027】
反応式2の反応は、反応に悪影響を及ぼさない任意の溶媒中で遂行され得る。反応溶媒として、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリジノンよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。1,2−ジクロロエタンが、反応性及び収率面で最も好ましい。
【0028】
反応温度は選択された溶媒が還流される範囲内で選択され、反応系が冷却されないように還流を持続させる。
【0029】
β−アミノアクリレート中間体は、通常的に知らされたように、酸水溶液の存在下で加水分解することができる。酸水溶液は酸と水が別々に反応系に添加されるか、水溶液状態で添加されて使用され得る。本発明で使用される酸は限定されず、無機酸または有機酸であり、好ましくは無機酸であり、より好ましくは、塩酸または硫酸である。酸水溶液は、式(2)の化合物に対して1倍モル量以上、好ましくは10倍モル量以上、最も好ましくは3〜5倍モル量で使用する。加水分解を遂行するのに好ましい反応温度は、20℃〜100℃であり、より好ましい反応温度は80℃〜90℃である。
【0030】
このような加水分解反応は、中間体であるβ−アミノアクリレートを分離した後に行うことができるが、反応系に酸水溶液を続けて添加してワンポット工程として進行することが好ましい。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を下記実施例によってより具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の理解を助けるためにだけであって、これらが本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0032】
実施例1:エチル3−(2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−ピリジル)−3−オキソプロパノエートの製造
【0033】
【化6】

【0034】
反応器にオキシ塩化リン(POCl3)207gを入れ、5℃に冷却した後、2,6−ジヒドロキシ−5−フルオロ−3−シアノピリジン20gと五塩化リン(PCl5)205gを入れ、混合物を還流撹拌した。反応完結を確認した後、減圧蒸留してオキシ塩化リンを除去し、反応器を5℃に冷却した後、1,2−ジクロロエタン300mLと水400mLを添加し、有機層を分離した後、塩化亜鉛16g及びマロン酸エチルカリウム48gを添加した後、還流した。反応完結を確認した後、90℃で6N塩酸78mLを混合物に加えた後、90℃で4時間還流撹拌した。TLCで反応完結を確認した後、溶液を20℃に冷却させた後、有機層を分離し、減圧蒸留を通じて乾燥し、エタノール及び水との混合溶媒(7:3,v/v)200mLを添加した後、反応器を0〜10℃に冷却し、1時間放置した。得られた固体を濾過し、同温度のエタノール及び水の混合溶媒(7:3,v/v)100mLで洗浄して表題化合物を48%(35g)の収率で得た。
【0035】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δエノール形態(80%):12.55(s,1H),7.82(d,J=7.6Hz,1H),5.81(s,1H),4.27(q,J=7.2Hz,2H),1.33(t,J=7.2Hz,3H).ケト形態(20%):7.82(d,J=7.6Hz,1H),4.18(q,J=7.2Hz,2H),4.08(s,2H),1.24(t,J=7.2Hz,3H).
Mass(APCI,m/z):278(M−H,43),264(38),232(24),214(100).
【0036】
実施例2:エチル3−(2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−ピリジル)−3−オキソプロパノエートの製造
【0037】
【化7】

【0038】
1,2−ジクロロエタン100mLに、2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−シアノピリジン10gと塩化亜鉛3.6g及びマロン酸エチルカリウム11gを添加した後、混合物を還流撹拌した。反応完結を確認した後、6N塩酸50mLを混合物に加えた後、90℃で4時間還流撹拌した。TLCで反応完結を確認した後、溶液を20℃に冷却した後、有機層を分離し、減圧蒸留を通じて乾燥し、エタノール及び水の混合溶媒(7:3,v/v)50mLを添加した後、反応容器を0〜10℃に冷却し、1時間放置した。得られた固体を濾過し、同温度のエタノール及び水の混合溶媒(7:3,v/v)25mLで洗浄して表題化合物を80%(11.7g)の収率で得た。
【0039】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δエノール形態(80%):12.55(s,1H),7.82(d,J=7.6Hz,1H),5.81(s,1H),4.27(q,J=7.2Hz,2H),1.33(t,J=7.2Hz,3H).ケト形態(20%):7.82(d,J=7.6Hz,1H),4.18(q,J=7.2Hz,2H),4.08(s,2H),1.24(t,J=7.2Hz,3H).
Mass(APCI,m/z):278(M−H,43),264(38),232(24),214(100).
【0040】
実施例3:エチル2,4,5−トリフルオロベンゾイルアセテートの製造
【0041】
【化8】

【0042】
1,2−ジクロロエタン10mLに、2,4,5−トリフルオロベンゾニトリル1.0gと塩化亜鉛0.43g及びマロン酸エチルカリウム1.3gを添加した後、混合物を還流撹拌した。反応完結を確認した後、6N塩酸11mLを混合物に加えた後、90℃で1時間還流撹拌した。TLCで反応完結を確認した後、これを20℃に冷却した後、有機層を分離し、減圧蒸留を通じて濃縮した。このようにして生成された残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:エチルアセテート/n−ヘキサン=1/10,v/v)で精製して表題化合物を80%(1.2g)の収率で得た。
【0043】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δエノール形態(75%):12.15(s,1H),7.47(dd,J=7.8Hz,1H),7.04(dd,J=7.8Hz,1H),5.91(s,1H),4.26(q,J=7.2Hz,2H),1.32(t,J=7.2Hz,3H).ケト形態(25%):7.66(dd,J=7.8Hz,1H),7.04(dd,J=7.8Hz,1H),4.16(q,J=7.2Hz,2H),4.10(s,2H),1.21(t,J=7.2Hz,3H).
Mass(FAB,m/z):247(M+H).
【0044】
実施例4:エチルベンゾイルアセテートの製造
【0045】
【化9】

【0046】
1,2−ジクロロエタン100mLに、ベンゾニトリル5.5mLと塩化亜鉛7.2g及びマロン酸エチルカリウム11gを添加した後、混合物を還流撹拌した。反応完結を確認した後、6N塩酸100mLを混合物に加えた後、90℃で1時間還流撹拌した。TLCで反応完結を確認した後、これを20℃に冷却し、有機層を分離した後、減圧蒸留を通じて濃縮した。このようにして生成された残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:エチルアセテート/n−ヘキサン=1/20,v/v)で精製して表題化合物を75%(7.6g)の収率で得た。
【0047】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δエノール形態(19%):12.58(s,1H),7.65〜7.42(m,5H),5.67(s,1H),4.29(q,J=7.2Hz,2H),1.34(t,J=7.2Hz,3H).ケト形態(81%):7.95(m,2H),7.59(m,1H),7.48(m,2H),4.21(q,J=7.2Hz,2H),3.99(s,2H),1.25(t,J=7.2Hz,3H).
Mass(ESI,m/z):193(M+H).
【0048】
実施例5:エチルベンゾイルアセテートの製造
【0049】
【化10】

【0050】
1,2−ジクロロエタン100mLに、ベンゾニトリル5.5mLと塩化銅3.6g及びマロン酸エチルカリウム11gを添加した後、混合物を還流撹拌した。反応完結を確認した後、6N塩酸100mLを混合物に加えた後、90℃で1時間還流撹拌した。TLCで反応完結を確認した後、これを20℃に冷却し、有機層を分離した後、減圧蒸留を通じて濃縮した。このようにして生成された残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:エチルアセテート/n−ヘキサン=1/20,v/v)で精製して表題化合物を68%(7.0g)の収率で得た。
【0051】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δエノール形態(19%):12.58(s,1H),7.65〜7.42(m,5H),5.67(s,1H),4.29(q,J=7.2Hz,2H),1.34(t,J=7.2Hz,3H).ケト形態(81%):7.95(m,2H),7.59(m,1H),7.48(m,2H),4.21(q,J=7.2Hz,2H),3.99(s,2H),1.25(t,J=7.2Hz,3H).
Mass(ESI,m/z):193(M+H).
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、(1)吸熱反応であるので、反応熱の制御が容易であり、(2)モノ−アルキルマロネートの非催涙性アルカリ金属塩を使用することによって工程が簡単であり、及び(3)本方法は高密度の亜鉛金属に比べ撹拌し易い金属塩を触媒として使用し、反応の再現性が高い、という優れた効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)式(2)の化合物と式(3)の化合物とを、金属塩の存在下で反応させる段階;及び
2)段階1)で得られた化合物を、酸水溶液の存在下で加水分解させる段階;
を含む式(1)のβ−ケトエステル化合物の製造方法:
【化1】

〔式中、QはC−H、C−NO2、C−F、C−OMeまたはNを示し、
X、Y、Zはそれぞれ独立してH、ハロゲン原子またはNO2を示し、
Rは直鎖または分枝状のC1−C6−アルキルまたはベンジルを示し、及び
Mはアルカリ金属を示す。〕
【請求項2】
反応が、ワンポット反応として進行する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応が、1、2−ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリジノンよりなる群から選択される1種以上の溶媒中で遂行される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
Rがメチル、エチル、イソプロピルまたはt−ブチルである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Mがリチウム、ナトリウムまたはカリウムである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
式(3)の化合物を、式(2)の化合物に対して1〜2倍モル量用いる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
式(3)の化合物を、式(2)の化合物に対して1〜1.5倍モル量用いる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
金属塩がニッケル塩、銅塩、インジウム塩または亜鉛塩である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
金属塩が塩化ニッケル、臭化ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、銅アセチルアセトネート、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、亜鉛アクリレート、亜鉛メタクリレート、亜鉛ステアレート及び亜鉛アセチルアセトネートよりなる群から選択される請求項1または8に記載の方法。
【請求項10】
金属塩を、式(2)の化合物に対して0.01〜1倍モル量用いる請求項1または8に記載の方法。
【請求項11】
金属塩を、式(2)の化合物に対して0.5〜1倍モル量用いる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
酸水溶液が、無機酸の水溶液である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
無機酸が、塩酸または硫酸である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
加水分解反応が、20〜100℃の温度で遂行される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
加水分解反応が、80〜90℃の温度で遂行される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
式(2)の化合物が、式(5)の化合物のヒドロキシ基を塩素化させることによって製造される請求項1に記載の方法:
【化2】

〔式中、QはNを、XはFを、Y及びZはClを、それぞれ示す。〕
【請求項17】
塩素化が、式(5)の化合物に対して2〜10倍モル量のオキシ塩化リン及び1〜10倍モル量の五塩化リンの存在下で遂行される請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2009−508851(P2009−508851A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531019(P2008−531019)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/KR2006/003683
【国際公開番号】WO2007/064077
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(502345599)エルジー・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】LG Life Sciences Ltd.
【Fターム(参考)】