説明

おにぎりの包装機

【課題】海苔とおにぎりを別々に収容した包装体を得るおにぎりの包装機を提供する。
【解決手段】2枚の帯フィルムにシート状の海苔を挟んでその周囲が部分シールされた帯状のフィルムFが、貯留箱42につづら折り状に積層されて収容される。貯留箱42から引出される帯状のフィルムFは、搬送中に水平姿勢から垂直姿勢に転換されて供給コンベヤ12の側方を立った状態で下流側に搬送される。製袋手段16で横U字状に成形された帯状のフィルムF中に、供給コンベヤ12からおにぎり10が海苔の収容位置に合わせて落下供給される。製袋手段16の下流側において一側部で合掌状に重合して得た筒状のフィルムFの重合端縁部に縦シール手段20により連続的にシールし、またフィルムFに供給した各おにぎり10,10の前後位置を横シール手段22で横シールすると共に切断し、おにぎり10の包装体を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おにぎりを密封包装する包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
おにぎりの包装に関しては、異物混入や衛生上の観点および生産の効率化その他の観点から、所定長さにカットされたフィルムシートによっておにぎりの外周を包み込んで包装するようにした従来の包装形態に代えて、密封包装でき、帯状のフィルムから連続的に包装品を得ることが可能な横形製袋充填機による包装が採用されるに至っている。横形製袋充填機では、原反ロールから引出されて筒状に成形されたフィルム中におにぎりを所定間隔毎に供給し、その筒状のフィルムに縦シールを施すと共に、おにぎりを挟む前後位置においてフィルムの搬送方向と交差する方向に横シールを施すことで、おにぎりがピロー包装袋に収容された包装体を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−36296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
横形製袋充填機では、これまでのピロー包装袋内に収容されるおにぎりの対象が、海苔が予め巻き付けられた状態の、所謂海苔の直巻きおにぎりに限られており、乾燥した海苔をおにぎりと別々に収容した手巻きおにぎりとしての包装をなし得るものとはなっていない。このことから、横形製袋充填機によっておにぎりを食する際の開封時点まで、海苔の乾燥状態を維持可能な手巻きおにぎりの包装形態を得るようにしたものが希求されていた。
【0005】
すなわち本発明は、前述した包装形態の包装体を得ることができるおにぎりの包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るおにぎりの包装機は、
長手方向に連続する2枚の帯フィルムに所定間隔毎にシート状の海苔を挟んで収容した帯状のフィルムをつづら折り状に重ねて貯留するフィルム貯留部と、
該フィルム貯留部から引出された前記帯状のフィルムを横U字状に成形する製袋手段と、
前記製袋手段で横U字状に成形された帯状のフィルムにおける上下のフィルム間に位置し、三角形状のおにぎりをその底辺が搬送方向に沿う寝た姿勢で載置し前記製袋手段を越える位置まで搬送して前記フィルム中の海苔の収容位置に上方から移載する供給コンベヤと、
前記製袋手段で成形されて側方で重合するフィルムの長手方向に沿う重合端縁部を連続的にシールする縦シール手段と、
該縦シール手段でシールして得られた筒状のフィルム中に前記供給コンベヤで供給したおにぎりの前後位置で横シール・切断する横シール手段と、
該横シール手段による横シール位置を挟む前後のおにぎりと横シール位置との間で、筒状のフィルムの一側を内方に向けて折込む折込み形成手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記供給コンベヤは、前記おにぎりをその底辺が前記横U字状に成形されるフィルムの側壁に対向した姿勢で供給するものであって、その搬送始端がフィルムの搬送路外に位置すると共に搬送終端がフィルム中に位置するようフィルムの搬送ラインに対して傾斜して配設され、また搬送終端から前記フィルム中に供給されるおにぎりの底辺が前記フィルムの側壁に近接する位置に設定したことを要旨とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記帯状のフィルムは、フィルム貯留部に上下に重なるつづら折り状に積層されて貯留され、該貯留部から引出された帯状のフィルムの搬送経路中に、該帯状のフィルムの搬送姿勢を90度転換して立てた状態とする方向転換手段を配設したことを要旨とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記縦シール手段によるシールに先立ち、一側方で重合して搬送されるフィルム端縁部の外側から海苔の収容部に向けて気体を充填する気体充填手段を設けたことを要旨とする。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記フィルム貯留部は、帯状のフィルムをつづら折り状にして収容する複数の貯留箱を移動可能に備え、何れか一つの貯留箱から引出し中の帯状のフィルムの終端部に、他の何れかの貯留箱に収容されている帯状のフィルムの始端部を接合して、引出し中の帯状のフィルムが尽きるのに伴って新たな帯状のフィルムが引出されるよう構成したことを要旨とする。
【0011】
請求項6に係る発明では、前記供給コンベヤは、横U字状に成形された帯状のフィルム中に搬送終端が位置し、前記おにぎりを前記フィルム上に上方から移載する第1ベルトコンベヤと、該第1ベルトコンベヤの搬送速度より低速に設定され、第1ベルトコンベヤの上流側に接続する第2ベルトコンベヤから構成したことを要旨とする。
【0012】
請求項7に係る発明では、前記フィルム貯留部から引出される帯状のフィルムを案内するガイドローラは、海苔の直巻きおにぎり用の帯状フィルムを巻回した原反ロールを装脱可能に構成したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、横形製袋充填機によって、海苔とおにぎりとの夫々が密封包装され、おにぎりを食する際の開封時点まで海苔が乾燥状態を維持可能な包装形態を得ることができる。また、帯状のフィルムをつづら折り状に貯留したフィルム貯留部から引出すようにしているので、フィルムを貯留部から引出す際の抵抗が緩和され、海苔がフィルム内で裂けたり欠損してしまうといった事態が生ずるのを抑制し得る。更に、横U字状に成形された帯状のフィルムにおける上下のフィルムの間を供給コンベヤで搬送されるおにぎりを、該コンベヤからフィルム中の海苔の収容位置に直接上方から移載するようにしたから、海苔が巻かれていないおにぎりであっても、コンベヤからフィルムへの受け渡しに際しフィルムとおにぎり飯とがくっつくことなく良好に受け渡すことができる。更にまた、海苔が収容された個々のシート状袋によっておにぎりを覆い、その方形シート状の袋を三角形状のおにぎりの外周に沿って巻き付けてその端部同士を折り重ねて止着するようにした従来の包装形態を得るための公知の包装機に対して、生産効率を高めることが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、おにぎりをフィルム中に供給する際に、おにぎりの底面を袋の底となる位置に近接する位置まで送り込むことができるから、得られる包装体の上下長さを包装に必要とされる最小限の長さに設定でき、ひいては包材コストを抑制できる。
請求項3に係る発明によれば、帯状のフィルムの姿勢を搬送中に90度転換することで、フィルム供給源について帯状のフィルムをフィルム貯留部につづら折り状で上下に積層して貯留するだけの簡単な構成とすることができる。また、フィルムを貯留部から引出す際に海苔がフィルム内で裂けたり欠損してしまうといった事態が生ずるのを抑制し得る。
請求項4に係る発明によれば、充填した気体によって袋内に収容された海苔とおにぎりを外的圧力から保護できると共に、フィルムと海苔との間の気体層によって海苔がフィルムに密着するのが防止され、袋を開封する際にフィルムと海苔が付着して裂けたり欠損してしまう等の問題を防止し得る。
請求項5に係る発明によれば、フィルム補充のために包装作業を一時的に休止することなく連続してフィルム供給を行なうことができ、生産効率を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、おにぎりを一定間隔毎に切り離して帯状のフィルムの海苔の収容位置に供給することができる。
請求項7に係る発明によれば、海苔を直巻きしたおにぎりの包装と、開封時におにぎりに海苔を密着させる包装との兼用包装が可能な包装機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例に係るおにぎりの包装機を示す概略平面図である。
【図2】実施例に係るフィルム貯留部およびフィルム引出し経路を示す概略正面図である。
【図3】実施例に係るフィルム貯留部およびフィルム引出し経路を示す概略斜視図である。
【図4】実施例に係るおにぎりの包装機をフィルムを一部省略して示す一部破断概略正面図である。
【図5】実施例に係るおにぎりの包装機を示す概略斜視図である。
【図6】実施例に係る製袋手段を示す概略平面図である。
【図7】実施例に係る製袋手段を示す概略正面図である。
【図8】実施例に係る製袋手段を示す上流側から見た概略側面図である。
【図9】(a)は、実施例に係るおにぎりの包装機の要部を示す概略平面図であり、(b)は、帯状のフィルムを示す概略平面図である。
【図10】実施例に係る縦シール手段を示す概略正面図である。
【図11】(a)は、実施例に係るおにぎりの包装機で得られるおにぎりの包装体を示す概略斜視図であり、(b)は、同包装体の概略縦断面図である。
【図12】別実施例に係るおにぎりの包装機の要部を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係るおにぎりの包装機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例】
【0016】
実施例に係るおにぎりの包装機としての横形製袋充填機は、図1に示す如く、三角形状のおにぎり10をベルト式の供給コンベヤ12に載置して所定間隔毎に供給し、フィルム貯留部14から引出された帯状のフィルムFが、その長手方向両端部が上下二つ折り状に折り曲げられて製袋手段16によって側方が開放する横U字状に成形されて、製袋手段16の下流側において一側部で合掌状に重合して得た筒状のフィルムFの重合端縁部18に縦シール手段20により連続的に縦シールが施される。前記供給コンベヤ12によって供給された筒状のフィルムF中の各おにぎり10,10の前後位置で、横シール手段22で横シールを施すと共に切断し、おにぎりを袋詰め包装した包装体24を得るようにしている。また、縦シール手段20による縦シール位置より上流側に、筒状のフィルムFに気体を充填する気体充填ノズル26,28,30が配設されている。
【0017】
前記帯状のフィルムFは、製袋手段16により筒状に成形された際に表面に位置する外側の帯フィルム32と、筒状のフィルムFに収容されたおにぎり10に面する内側の帯フィルム34とを重ね合わせて構成され、乾燥したシート状の海苔36が長手方向に連続する2枚の帯フィルム32,34の間に所定間隔毎に挟まれて収容されている。内外の帯フィルム32,34の夫々は、両面熱溶着性フィルムが採用される。そして、2枚の帯フィルム32,34には、図9(b)に示す如く、各海苔36の長辺(フィルム搬送方向と交差する辺)の外側に近接して長辺の延在方向に向けて所定間隔で両帯フィルム32,34の対向面同士を部分的に熱溶着した複数の横部分シール部(部分シール部)38aと、各短辺(フィルム搬送方向に沿う辺)の外側に近接して短辺の延在方向に所定間隔毎に両帯フィルム32,34の対向面同士を部分的に熱溶着した複数の縦部分シール部(部分シール部)38bとが形成され、これら部分シール部38a,38bによって外周が囲われた各海苔36が位置規制されて配置され、海苔36の収容部40を画成している。このようにして海苔36の収容部40は、これら横部分シール部38a,38aや縦部分シール部38b,38bおよび横部分シール部38aと縦部分シール部38bとの間に形成される空所Sを介して収容部40の外方と連通している。また縦部分シール部38bは、帯状のフィルムFの長手方向の端縁から海苔36の収容部側に向けて隔てた内方位置に設けられる。なお、部分シール部は接着剤によるシール部、その他のシール方式によるものであってもよいことは勿論である。
【0018】
前記帯状のフィルムFを構成する内外の帯フィルム32,34は、ポリプロピレン等を基材とするプラスチックフィルムの熱溶着性のものや、和紙、あるいは擬似和紙等の基材にポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂層が積層された熱溶着性シート材等を用いることができる。また帯状のフィルムFは、おにぎり10の品種毎に品種名や包装デザイン等の所定の印刷が施されたフィルムとなっており、おにぎり10を個々に包装する1包装長分に対するフィルム長さピッチで該印刷が定間隔毎に施され、その印刷位置合わせ用のレジマーク35が1包装長分のフィルムピッチに対応して定間隔毎に設けられている(図9(b)参照)。
【0019】
前記供給コンベヤ12の側方には、図1に示す如く、前記帯状のフィルムFが収容される複数の貯留箱42を備えるフィルム貯留部14が設けられる。貯留箱42は、図3に示す如く、上方に開放する矩形状に形成されており、前記帯状のフィルムFが、所定長さ分毎につづら折り状に折り曲げられて上下方向に積層された状態で収容される。実施例では、図2に示す如く、図視右側の供給位置と図視左側の待機位置との夫々に貯留箱42が配置され、常には供給位置に臨む貯留箱42から帯状のフィルムFが引出し搬送されるよう構成される。そして、供給位置に臨む貯留箱42に収容されている帯状のフィルムFが尽きる前に、該帯状のフィルムFの終端部を、待機位置に臨む貯留箱42に収容されている帯状のフィルムFにおける始端部に粘着テープ等で接続することで、フィルム供給を途切れさせることなく連続供給し得るようになっている。ここで、本発明において「つづら折り状」とは、折れ線のない帯状のフィルムFを、折り返し部分が図3に示す如く湾曲するように折り曲げられたものをいう。
【0020】
また、前記各貯留箱42は移動可能に構成され、帯状のフィルムFが消費されて空になった貯留箱42を供給位置から側方に抜き取って新なた帯状のフィルムFを機外で補充し得ると共に、待機位置の貯留箱42を供給位置に移動し、空いた待機位置に帯状のフィルムFを補充した貯留箱42を位置させ得るようになっている。
【0021】
前記供給位置の上方には、貯留箱42から帯状のフィルムFを引出し案内するガイドローラ43が設けられ、該ガイドローラ43を経て引出されたフィルムFは、搬送方向と交差して略水平に配置される第1の方向転換ガイドローラ44に巻掛け案内されると共に、フィルム引出し方向の下流側に略垂直に配置される第2の方向転換ガイドローラ46に巻掛けられて下流側に向けて搬送される(図1〜図3参照)。また、第2の方向転換ガイドローラ46の下流側のフィルム引出し経路には、帯状のフィルムFを挟持して回転駆動されることでフィルム引出しを行なう一対の繰出しローラ(フィルム引出し手段)48,48が略垂直に配置されており、貯留箱42から繰出しローラ48,48により引出し搬送される帯状のフィルムFが、第1の方向転換ガイドローラ44から第2の方向転換ガイドローラ46に向けて搬送される際に、その姿勢が水平から垂直に90度転換されて立った状態となるよう構成される。第2の方向転換ガイドローラ46に巻掛け案内されて立った状態となって搬送される帯状のフィルムFの上下端縁部を案内するガイド円板46a,46aが第2の方向転換ガイドローラ46に設けられ、90度姿勢転換したフィルムFが下流側に向けて搬送される際の搬送基端上下位置決めを行なうと共に、姿勢転換に伴うフィルムFの惰行を防止するよう構成される。実施例では、第1、第2の方向転換ガイドローラ44,46から方向転換手段が構成される。なお、第2の方向転換ガイドローラ46は、海苔36を直巻きしたおにぎりの包装時において用いられる帯状フィルムを巻回した原反ロールを装填するロール支持部として機能するよう構成されており、海苔の直巻きおにぎりと、海苔36を収容した帯状のフィルムFによる手巻きおにぎりの兼用包装をなし得る。
【0022】
前記製袋手段16のフィルム搬送方向上流側における供給コンベヤ12の一側方には、複数のアイドルローラ50が略垂直姿勢で回転自在に配設されており、前記繰出しローラ48,48により下流側に繰出し搬送される帯状のフィルムFは、立った姿勢で複数のアイドルローラ50に巻掛け案内されて供給コンベヤ12の側方から製袋手段16に向けて搬送されるようになっている(図1,図5参照)。前記繰出しローラ48,48で引出された帯状のフィルムFが複数のアイドルローラ50に巻掛け案内されるフィルムの搬送経路には、帯状のフィルムFに付された前記レジマーク35を検出するマークセンサ(図示せず)が配設されている。
【0023】
前記供給コンベヤ12は、フィルムの搬送速度と略同速度で走行するよう設定された第1ベルトコンベヤ52と、該第1ベルトコンベヤ52の上流側に接続され、第1ベルトコンベヤ52の搬送速度より低速に設定された第2ベルトコンベヤ54から構成される。供給コンベヤ12には、図1および図5に示す如く、三角形状のおにぎり10の底辺側が、前記帯状のフィルムFが立った姿勢で搬送される側方を向く寝た姿勢で搬送面に載置される。
【0024】
前記第2ベルトコンベヤ54は一定速で連続走行し、該第2ベルトコンベヤ54の搬送領域の所定位置に、該コンベヤ54で搬送されるおにぎり10を検出可能な検出手段(図示せず)が配設されている。そして、検出手段がおにぎり10を検出する検出間隔に応じて第1ベルトコンベヤ52を変速制御することで、該第2ベルトコンベヤ54から第1ベルトコンベヤ52へおにぎり10を一定間隔毎に送り込むよう構成される。
【0025】
前記供給コンベヤ12の下流側の一側方に設けた複数のアイドルローラ50を経て下流側に搬送される帯状のフィルムFを、他側方に向けて開口する横U字状に成形する前記製袋手段16が、図示しない機台に対して取付けネジ53によって着脱可能に配設される。製袋手段16は、図6〜図8に示す如く、前記供給コンベヤ12によるおにぎり10の搬送路を挟んで上下に離間する一対の支持部材56,56が配設されると共に、上部支持部材56がおにぎり10の厚みに応じ、調整ネジ62と該ネジ62の端部に配設したハンドル64等からなる調節手段66によって高さ調節可能に構成される。各支持部材56には、前記帯状のフィルムFが搬送される側方において他方の支持部材56,56に向けて延出する規制部56aが夫々設けられて、該支持部材56は規制部56aに交わる水平案内部56bとにより略L字状に形成されている。上下の各支持部材56には、フィルム搬送方向の上流側に離間して、該搬送方向の前後に離間する一対の丸棒状の第1案内バー58,59が搬送方向と交差するように水平に配設されると共に、下流側の第1案内バー59と支持部材56の上流端との間に、丸棒状の第2案内バー60が搬送方向と交差するように水平に配設される。そして、これら3本の案内バー58,59,60には、帯状のフィルムFの長手方向に沿う端部が、上流側から下流側に向けて内→外→内の順で互い違いに巻掛けられ、第2案内バー60を通過したフィルムが対応する支持部材56の内側に引込まれるよう構成される。
【0026】
前記各第1案内バー58,59における帯状のフィルムFが横U字状に成形されるフィルムの開口側と反対の側壁に対応する位置に、下流側に向けてフィルム搬送方向に延在する案内部58a,59aが折曲形成されており、上流側の第1案内バー58の案内部58aで横U字状に成形される帯状のフィルムFにおける外側面を案内支持すると共に、下流側の第1案内バー59の案内部59aで前記フィルムFにおける側壁の内側面を下流側に向けた所定範囲に亘り案内支持するよう構成される。そして、下流側の上下の第1案内バー59,59の案内部59a,59aを基点として帯状のフィルムFが水平に折り曲げられて、横U字状に成形されるようになっている。また、第2案内バー60における開放側端部に、上下に延在する案内部60aが折曲形成され、該案内部60aで横U字状に成形したフィルムFの側壁外側面を案内支持するよう構成される(図8参照)。前記供給コンベヤ12の搬送終端部は、製袋手段16の出口より下流側に所定長さ延出して横U字状となった上下のフィルム間に位置し、該供給コンベヤ12の搬送終端からおにぎり10が、該製袋手段16で横U字状に成形されたフィルムFの内方の下側のフィルムにおける前記海苔36の収容位置に対応して順次上方から移載されるように落下供給するようになっている。なお、おにぎり10の高さに応じて変更されるフィルム幅に対応する製袋手段16の左右幅調節は、図示しないが製袋手段16を左右方向に位置調節し得る調節手段を設けることで対応し得る。
【0027】
図4に示す如く、前記製袋手段16の出口から後述する横シール手段22の上流側近傍までに亘り、おにぎり10が供給されたフィルムFを載置して搬送する搬送コンベヤ68が配設されている。該搬送コンベヤ68の上流端部は、前記供給コンベヤ12の搬送終端部の下方に位置して横U字状に成形された下側フィルムの通過を許容する間隔でその載置面が配置されることで、横U字状に成形されたフィルムF中へ供給コンベヤ12の終端から落差を持って受け渡されたおにぎり10を載置して横シール手段22に向けて搬送するよう構成される。なお、前記搬送コンベヤ68の搬送速度は、フィルム搬送速度と略同速度に設定されている。
【0028】
図9(a)または図10に示す如く、前記搬送コンベヤ68によるフィルム搬送路の側方に、帯状のフィルムFの長手方向に沿う両フィルム端縁部70a,70bが合掌状に重合されて筒状に成形されたフィルムFの重合端縁部18に連続的に縦シールを施す縦シール手段20が配設される。この縦シール手段20は、帯状のフィルムFの両フィルム端縁部70a,70bを挟持して回転駆動されることでフィルム搬送を行なう一対の送りローラ72,72と、該送りローラ72,72の下流側において得られた筒状のフィルムFの重合端縁部18を挟んで該重合端縁部18において重合する4枚のフィルムの対向面を夫々加熱溶着する一対のシールローラ74,74とが設けられる。これにより、フィルム搬送方向に沿って連続して密封された縦シールを施すようになっている。
【0029】
前記送りローラ72,72の上流側に近接して、一対のフィルムガイド76,76が上下に対向して配設されている。フィルムガイド76,76は、図10に示す如く、その対向辺が上流側から下流側に向けて相互に近接するよう傾斜し、帯状のフィルムFにおける上側と下側のフィルム端縁部70a,70bが、その傾斜辺76a,76aに案内されて送りローラ72,72の挟持部に向けて引込まれるよう構成される。また各フィルムガイド76は、傾斜辺76aの下流側端部に、図9(a)に示す如く、フィルム搬送方向と交差する外側方に向けて突設される丸棒からなるガイド片76bを備え、帯状のフィルムFにおけるフィルム端縁部70a,70bを略平行に近接した状態で送りローラ72,72に向けて案内し得るようになっている。
【0030】
前記搬送コンベヤ68の側方には、前記シールローラ74,74と筒状のフィルムFにおける海苔36およびおにぎり10の収容位置側との間に、シールローラ74,74で挟持されて外側方へ延出する前記重合端縁部18の下流側への通過を許容し得る所定寸法で上下に離間する一対の保護板78,78が配設される。この保護板78,78は、説明の便宜上図4において一部破断して示し、シールローラ74,74からの熱が筒状のフィルムFならびに海苔36やおにぎり10の収容位置側に伝わるのを抑制すると共に、重合端縁部18を直線状に案内して縦シールを良好に行ない得るように機能する。
【0031】
前記送りローラ72,72とシールローラ74,74との間において、送りローラ72,72の下流側に近接する位置に、筒状のフィルムFにおける前記海苔36の収容部40およびおにぎり10の収容部80とに、窒素あるいは窒素と二酸化炭素の混合ガス等からなる不活性ガス(気体)を充填する気体充填手段としての複数の気体充填ノズル26,28,30が配置されている。複数の気体充填ノズル26,28,30は、海苔36の収容部40に不活性ガスを充填する第1,第2の気体充填ノズル26,28とおにぎり10の収容部80に不活性ガスを充填する気体充填ノズル30であり、各充填ノズル26,28,30は、前記帯状のフィルFの両フィルム端縁部70a,70bが重合する位置において、フィルム搬送路の側方から前記帯状のフィルムFの2枚に重合する各フィルムの間に挿入されて噴出孔がフィルム内方に臨むよう構成される。
【0032】
すなわち、海苔36の収容部40に気体を充填する前記第1の気体充填ノズル26は、筒状のフィルムFにおいて、おにぎり10の下側に臨み重合端縁部18において下側で重合する2枚の帯フィルム32,34の対向面間に挿入されると共に、前記第2の気体充填ノズル28は、おにぎり10の上側に臨み筒状のフィルムFの重合端縁部18において上側で重合する2枚の帯フィルム32,34の対向面間に挿入され、両気体充填ノズル26,28から噴出される不活性ガスは、前記帯状のフィルムFにおける部分シール部38a,38bの間に形成された複数の空所Sを介して海苔36の収容部40に至るように充填される。また前記おにぎり10の収容部80に気体を充填する気体充填ノズル30は、重合する上下のフィルム端縁部70a,70bの間(上下に対向する内側の帯フィルム34,34の間)に挿入されて、該気体充填ノズル30から噴出される不活性ガスがおにぎり10の収容部80に至るように充填される。なお、海苔36の収容部用の前記第1と第2の気体充填ノズル26,28のフィルム端縁部70a,70bに対する挿入部は扁平状に形成され、その挿入長は、前記縦部分シール部38bと干渉しない寸法に設定される(図9(a)参照)。
【0033】
前記各気体充填ノズルは、図10に示す如く、おにぎり用の気体充填ノズル30を挟んでフィルム搬送方向の上流側と下流側とに前記海苔用の第1,第2の気体充填ノズル26,28が夫々近接して配置され、一包装長毎の海苔36とおにぎり10の各収容部40,80に同時に不活性ガスを供給し得る。また3つの気体充填ノズル26,28,30は、前記フィルム端縁部70a,70bの帯フィルム32,34間および両フィルム端縁部70a,70b間に対する挿入位置が、上流側から下流側に向けて順に高くなるよう階段状に配置され、ノズル挿入位置を筒状のフィルムFの重合端縁部18が移動する際に、該重合端縁部18が上下方向に振られることがないよう構成される。
【0034】
なお、気体として窒素ガス等の不活性ガスを用いる実施例では、不活性ガスの無駄な消費を抑制する観点から、気体充填ノズル26,28,30の配設位置に海苔36およびおにぎり10の収容部40,80が到来するタイミングに合わせて、各気体充填ノズル26,28,30から不活性ガスを噴出するよう設定されていることが好ましい。
【0035】
前記気体充填ノズル26,28,30による夫々の収容部40,80への気体の充填量は、海苔36やおにぎり10に対して帯フィルム32,34の全体が密着することなく、少なくとも海苔36やおにぎり10に加わる外圧を緩和し得る値が好ましいが、海苔36の収容部40のみに気体充填する場合にあっては、開封時に袋のフィルムと海苔36が密着して欠損してしまうことが防止できる程度の値に設定される等の適宜充填量であればよい。また、前記第2の気体充填ノズル28は、海苔36の収容部40への気体充填量に応じて必要に応じて配設されるものである。
【0036】
前記送りローラ72,72とシールローラ74,74との間には、図10に示す如く、該シールローラ74の上流側に近接する位置に、送りローラ72およびシールローラ74のローラ径より小径で、筒状のフィルムFの重合端縁部18を挟持するよう配設された一対の補助ローラ82,82が自由回転可能に支持されている。補助ローラ82,82は、筒状のフィルムFの重合端縁部18を挟持した状態でフィルムの搬送力を受けて回転することで、重合端縁部18の蛇行を防止し、またフィルム搬送休止時においてシールローラ74,74がフィルムの挟持を解除する際に前記送りローラ72,72とによって重合端縁部18の重合状態を維持する。
【0037】
前記送りローラ72,72と補助ローラ81,81との間における気体充填手段の下流側に近接する位置には、筒状のフィルムFの重合端縁部18の一側端縁からおにぎり10の収容部側に向けて所定形状の開封用ノッチ84(図11(a)参照)を形成する切込み手段86が配設されている。この切込み手段86は、図10に示す如く、重合端縁部18を挟んで配設された一対の回転体の一方86aの外周にフィルム搬送方向と交差する方向に向けて所定長さで直線状に延びるように形成された切刃86cが突設されると共に、他方の回転体86bの外周が受け刃となるアンビルローラとして構成される。そして、一対の回転体86a,86bを、フィルムの搬送位置に合わせて所定タイミング毎に回転することで、切刃86cにより海苔36およびおにぎり10の収容位置に対応する重合端縁部18の一側端縁から内方に向けて所定長さで延びる開封用ノッチ84を形成するよう構成される。なお、開封用ノッチ84は、前記縦シール手段20で施される縦方向シール部94における収容部40,80側の端縁より外側に位置して、両収容部40,80の密封性を損なうことはない。
【0038】
前記縦シール手段20より下流側には、一対のシール体88a,88bを備える横シール手段22が配設され、前記搬送コンベヤ68に載置されて搬送されるフィルムFが1包装長分搬送されるタイミングに合わせて筒状のフィルムFに供給された各おにぎり10,10の前後位置で筒状のフィルムFを挟持して横シールを施すと共に、シール体88aに内装したナイフにより切断する。また、シール体88a,88bが筒状のフィルムFを挟持する際に、おにぎり10の底辺側に臨む筒状のフィルムFの一側方に、一対の折込み爪(折込み形成手段)90a,90aでフィルムを内側に折込んで折込み部92,92を成形し、図11に示す如く、袋詰めされたおにぎりの包装体24を得ることができる。なお、横形製袋充填機では、前記供給コンベヤ12におにぎり10が載置供給されていることを条件にフィルムが繰出されて包装するように各装置が作動制御されることが最も好ましい。
【0039】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る横形製袋充填機の作用について説明する。前記供給位置の貯留箱42には、2枚の連続する帯フィルム32,34に所定間隔毎に海苔36を挟み、その海苔36の周囲を部分シールした帯状のフィルムFが、上下に重なるつづら折り状に積層された状態で収容されている。この帯状のフィルムFは、前記繰出しローラ48,48の回転駆動により引出されて、前記ガイドローラ43を経て水平な第1の方向転換ガイドローラ44に巻掛け案内された後に垂直な第2の方向転換ガイドローラ46に巻掛け案内されることで、該帯状のフィルムFは水平姿勢から垂直姿勢に方向転換される(図3参照)。繰出しローラ48,48から繰出し搬送される立った状態の帯状のフィルムFは、前記複数のアイドルローラ50に巻掛け案内されて、前記供給コンベヤ12の側方を下流側に向けて搬送される。貯留箱42から引出される帯状のフィルムFはつづら折り状に積層され、繰出しローラ48,48の上流側のフィルムは複数のガイドローラ43,44,46に巻掛け案内されているのみでフィルムには過度な張力が作用することがないから、フィルムをロール状に巻回した原反ロールから引出す場合に比べて引出時にフィルムや海苔36に加わる抵抗は小さく、該海苔36がフィルム内で裂けたり欠損してしまうといった事態が生ずるのを抑制し得る。前記繰出しローラ48,48によって引出されて搬送されるフィルムFは、マークセンサによりフィルムFに付されたレジマーク35が検出され、その送り量や送り位置が制御される。
【0040】
前記帯状のフィルムFの長手方向に延在する両端部が、前記製袋手段16における上下の第1案内バー58,59および第2案内バー60に巻掛け案内されることで、該両端部は、下流側の第1案内バー59,59の案内部59a,59aで内側面が支持される部位を基点として徐々に前記供給コンベヤ12を上下から包み込むように略水平に折り曲げられ、その幅方向一側の外側面が第2案内バー60,60の案内部60a,60aで支持されて側壁となる。そして、図8に示す如く、帯状のフィルムFは、前記上下の支持部材56,56の内側に引込まれて上下および側壁の外面が支持された状態で下流側に案内されて、帯状のフィルムFの長手方向の両端部が側方に折り曲げられた横U字状に成形される。
【0041】
一定速で連続走行する第2ベルトコンベヤ54の搬送面に、三角形状のおにぎり10の底面が前記横U字状に成形された帯状のフィルムFの側壁を向き、底辺がコンベヤの搬送方向を向く寝た姿勢で載置されたおにぎり10は下流側に連続的に搬送される。おにぎり10が前記検出手段で検出されると、おにぎり10の載置間隔に応じて第1ベルトコンベヤ52が変速制御されて、該第2ベルトコンベヤ54から第1ベルトコンベヤ52へおにぎり10が一定間隔毎に送り込まれる。第1ベルトコンベヤ52に所定間隔毎に載置されて搬送されるおにぎり10は、前記製袋手段16を経て横U字状に成形されたフィルムF中の海苔36の収容位置に合致するよう順次供給される。第1ベルトコンベヤ52で搬送されるおにぎり10は、第1ベルトコンベヤ52の下方を案内されている横U字状に成形されて連続的に搬送されるフィルムFの下側フィルム上に直接上方から移載されるように落下供給され、また受け渡し時において第1ベルトコンベヤ52の搬送速度とフィルムの搬送速度とは略同速となっているので、第1ベルトコンベヤ52から下側フィルムへのおにぎり10の受け渡しは良好に行なわれ、海苔36の収容位置とおにぎり10との位置ずれは防止される。前記第2ベルトコンベヤ54に載置されたおにぎり10の載置間隔が、帯状のフィルムFに挟まれた海苔36の収容間隔と異なることが前記検出手段で検出された際には、前記第1ベルトコンベヤ52の走行とフィルムの搬送動作との夫々が同調して変速制御されるか、あるいは必要に応じて減速後停止して第2ベルトコンベヤ54から第1ベルトコンベヤ52に対して前記帯状のフィルムFにおける海苔36の収容間隔に一致する搬送間隔となるよう移載される。
【0042】
おにぎり10が供給されたフィルムFは、前記搬送コンベヤ68に載置されて搬送され、横U字状となって側方に臨む上下のフィルム端縁部70a,70bが前記フィルムガイド76,76の傾斜辺76a,76aに案内されて近接しつつ前記送りローラ72,72での挟持部まで引込まれ、該送りローラ72,72で合掌状に重合した状態となって下流側へ搬送される。
【0043】
フィルムFの重合端縁部18が送りローラ72,72の挟持部を経て下流側へ搬送される過程において、重合している2枚のフィルム間に気体充填ノズル26,28,30が夫々挿入されて海苔36の収容部40およびおにぎり10の収容部80に夫々不活性ガスを充填する。この気体充填ノズル26,28,30からの噴出は、帯状のフィルムF中に収容した海苔36の位置とおにぎり10の位置とが合致したタイミングとなるようフィルムの送り位置との関係で噴出を所定間隔毎に行なうよう制御することが好ましい。また、前記第1,第2の気体充填ノズル26,28から噴出される不活性ガスは、海苔36を位置規制している前記縦横の部分シール部38a,38b間の空所Sを介して該海苔36の収容部40に至るように充填される。気体充填位置の下流側において、フィルムが1包装長分搬送されるタイミングに合わせて前記切込み手段86の回転体86a,86bが回転することで、切刃86cにより重合端縁部18の一側端から内方に向けて所定長さで延びる開封用ノッチ84が形成される。
【0044】
前記気体充填ノズル26,28,30によって不活性ガスが各収容部40,80に充填された直後の筒状のフィルムFにおける重合端縁部18が、加熱されている前記シールローラ74,74によって挟持されつつ下流側へ搬送されることで、該重合端縁部18において重合する4枚のフィルムの夫々の対向面が加熱溶着して密封された縦シールが施されて連続帯状の縦方向シール部94が形成される。このように、重合端縁部18が加熱溶着によって封止されるので、充填した不活性ガスの筒状のフィルムFの側方への漏れを防止し得る。なお、シールローラ74,74に供給される直前の筒状のフィルムFの重合端縁部18は、フィルムの搬送力を受けて回転する前記補助ローラ82,82で挟持されているから、重合端縁部18の蛇行が防止されると共に、フィルム搬送休止時においてシールローラ74,74がフィルムの挟持を解除する際に前記送りローラ72,72とによって重合端縁部18の重合状態を維持することができる。また、重合端縁部18に形成される前記開封用ノッチ84は、前記縦シール手段20での溶着領域内に設定されており、前記収容部40,80の密封性は確保される。
【0045】
連続搬送されるフィルムが1包装長分搬送されるタイミングで、前記横シール手段22の一対のシール体88a,88bが筒状のフィルムFを挟持して各おにぎり10,10の前後位置で横シールすると共に切断する。また、一対のシール体88a,88bが筒状のフィルムFを挟持する際に、前記折込み爪90a,90bによりおにぎり10の底辺側の上下流位置でフィルムを内側に折り込んで折込み部92,92が形成される。これにより、縦方向シール部94と横方向シール部96,96で海苔36およびおにぎり10の収容部40,80が夫々密封されて、この密封室98,99に別々に海苔36およびおにぎり10が収容されると共に、各密封室98,99に不活性ガスが充填された図11に示す如く袋詰めされたおにぎりの包装体24が得られる。
【0046】
得られた包装体24では、海苔36とおにぎり10との夫々が密封包装され、おにぎりを食する際の開封時点まで海苔36が乾燥状態を維持可能で、封入気体の緩衝性によって海苔36とおにぎり10との夫々について外的圧力から保護できる包装体24を、横形製袋充填機によって連続生産することができる。
【0047】
前記貯留箱42は移動自在に構成されているから、供給位置の貯留箱42に収容されている帯状のフィルムFが尽きる前に、その終端部と、待機位置の貯留箱42に収容されている帯状のフィルムFの始端部とを予め粘着テープ等で接続することで、フィルム供給が途切れることなく生産効率を向上することができる。そして、フィルム貯留部14においては、帯状のフィルムFが尽きて空になった貯留箱42を供給位置から側方に抜き取り、待機位置の貯留箱42を供給位置に移動させる。これにより、抜き取った空の貯留箱42には、外部でつづら折り状に積層された帯状のフィルムFを補充することができ、該貯留箱42を待機位置に設置して次の接続作業を待機する。
【0048】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されず、以下のようにも変更可能である。
(1) 実施例では、貯留箱42に上下方向に折り重なるように収容した帯状のフィルムFを、引出し搬送中に90度姿勢転換して立てた姿勢とするようにしたが、貯留箱42に横方向に折り重なるように帯状のフィルムFを収容することで、帯状のフィルムFを貯留箱42から立てた姿勢で引出す構成としてもよい。
(2) フィルム貯留部14は、貯留箱42を設けることなく、固定式のフィルム載置台等につづら折り状に重ねた帯状のフィルムFを載置して引出すようにする等、その他の各種方式を採用可能である。
(3) 供給コンベヤ12の配置は、搬送コンベヤ68によるフィルム搬送ラインと直線的に整列する関係に限らず、図12に示す如く、その搬送始端がフィルムFの搬送路外に位置すると共に搬送終端が横U字状に成形されるフィルムF中に位置するようフィルム搬送ラインに対して傾斜して配設されると共に、底辺が該フィルムFの側壁に対向した姿勢で搬送されて搬送終端からフィルムF中に供給されるおにぎり10の底辺が該フィルムFの側壁に近接する位置に設定した構成を採用し得る。この場合は、供給コンベヤ12から横U字状に成形された帯状のフィルムFにおにぎり10を受け渡す際に、側壁におにぎり10の底面を近接した状態に送り込むことができ、包装に必要なフィルム幅を最小限に抑制して、フィルムの使用量を減少し得る。
(4) 供給コンベヤは、第1、第2ベルトコンベヤ52,54を配設するようにしたが、1基以上のベルトコンベヤを採用するものや、あるいはベルト方式に代えて、例えばローラコンベヤとする等、その他各種コンベヤを採用し得る。
(5) 製袋手段16の具体的構成や、縦シール手段20および横シール手段22の構成は、必要に応じて公知のその他の方式を採用することができる。
(6) 気体充填手段は必要に応じて採用されるものであればよく、また海苔36、おにぎり10の何れかの収容部40,80に気体を充填するものであってもよい。なお、気体は、窒素等からなる不活性ガスに代えて、空気その他、食品に無害なその他の気体を噴出するものであってもよく、連続して気体を噴出するよう設定されていてもよい。例えば、気体を乾燥空気とすることで、特に海苔の湿気を助長するようなことがなく、空気の充填によって前記した包装体24を得ることができる。また、海苔用の気体充填ノズル26,28と、おにぎり用の気体充填ノズル30とを異なる気体の供給源に接続することで、海苔36の収容部40およびおにぎり10の収容部80に充填する気体を異ならせる構成を採用し得る。
【符号の説明】
【0049】
10 おにぎり,12 供給コンベヤ,14 フィルム貯留部,16 製袋手段
18 重合端縁部,20 縦シール手段,22 横シール手段
26 第1の気体充填ノズル(気体充填手段)
28 第2の気体充填ノズル(気体充填手段),32 外側の帯フィルム
34 内側の帯フィルム,36 海苔,40 海苔の収容部,42 貯留箱
44 第1の方向転換ガイドローラ(方向転換手段)
46 第2の方向転換ガイドローラ(方向転換手段),52 第1ベルトコンベヤ
54 第2ベルトコンベヤ,70a,70b フィルム端縁部
90a,90b 折込み爪(折込み形成手段),F フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に連続する2枚の帯フィルム(32,34)に所定間隔毎にシート状の海苔(36)を挟んで収容した帯状のフィルム(F)をつづら折り状に重ねて貯留するフィルム貯留部(14)と、
該フィルム貯留部(F)から引出された前記帯状のフィルム(F)を横U字状に成形する製袋手段(16)と、
前記製袋手段(16)で横U字状に成形された帯状のフィルム(F)における上下のフィルム間に位置し、三角形状のおにぎり(10)をその底辺が搬送方向に沿う寝た姿勢で載置し前記製袋手段(16)を越える位置まで搬送して前記フィルム(F)中の海苔(36)の収容位置に上方から移載する供給コンベヤ(12)と、
前記製袋手段(16)で成形されて側方で重合するフィルム(F)の長手方向に沿う重合端縁部(18)を連続的にシールする縦シール手段(20)と、
該縦シール手段(20)でシールして得られた筒状のフィルム(F)中に前記供給コンベヤ(12)で供給したおにぎり(10)の前後位置で横シール・切断する横シール手段(22)と、
該横シール手段(22)による横シール位置を挟む前後のおにぎり(10,10)と横シール位置との間で、筒状のフィルム(F)の一側を内方に向けて折込む折込み形成手段(90a,90b)とを有する
ことを特徴とするおにぎりの包装機。
【請求項2】
前記供給コンベヤ(12)は、前記おにぎり(10)をその底辺が前記横U字状に成形されるフィルム(F)の側壁に対向した姿勢で供給するものであって、その搬送始端がフィルム(F)の搬送路外に位置すると共に搬送終端がフィルム(F)中に位置するようフィルム(F)の搬送ラインに対して傾斜して配設され、また搬送終端から前記フィルム(F)中に供給されるおにぎり(10)の底辺が前記フィルム(F)の側壁に近接する位置に設定した請求項1記載のおにぎりの包装機。
【請求項3】
前記帯状のフィルム(F)は、フィルム貯留部(14)に上下に重なるつづら折り状に積層されて貯留され、該貯留部(14)から引出された帯状のフィルム(F)の搬送経路中に、該帯状のフィルム(F)の搬送姿勢を90度転換して立てた状態とする方向転換手段(44,46)を配設した請求項1または2記載のおにぎりの包装機。
【請求項4】
前記縦シール手段(20)によるシールに先立ち、一側方で重合して搬送されるフィルム端縁部(70a,70b)の外側から海苔(36)の収容部(40)に向けて気体を充填する気体充填手段(26,28)を設けた請求項1〜3の何れか一項に記載のおにぎりの包装機。
【請求項5】
前記フィルム貯留部(14)は、帯状のフィルム(F)をつづら折り状にして収容する複数の貯留箱(42)を移動可能に備え、何れか一つの貯留箱(42)から引出し中の帯状のフィルム(F)の終端部に、他の何れかの貯留箱(42)に収容されている帯状のフィルム(F)の始端部を接合して、引出し中の帯状のフィルム(F)が尽きるのに伴って新たな帯状のフィルム(F)が引出されるよう構成した請求項1〜4の何れか一項に記載のおにぎりの包装機。
【請求項6】
前記供給コンベヤ(12)は、横U字状に成形された帯状のフィルム(F)中に搬送終端が位置し、前記おにぎり(10)を前記フィルム上に上方から移載する第1ベルトコンベヤ(52)と、該第1ベルトコンベヤ(52)の搬送速度より低速に設定され、第1ベルトコンベヤ(52)の上流側に接続する第2ベルトコンベヤ(54)から構成した請求項1〜5の何れか一項に記載のおにぎりの包装機。
【請求項7】
前記フィルム貯留部(14)から引出される帯状のフィルム(F)を案内するガイドローラ(46)は、海苔(36)の直巻きおにぎり用の帯状フィルムを巻回した原反ロールを装脱可能に構成した請求項1〜6の何れか一項に記載のおにぎりの包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−6106(P2011−6106A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151557(P2009−151557)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】