説明

かき揚げ用ナベ

【課題】本発明は20cm前後の厚いかき揚げを、3個以上同時に揚げることが容易に可能となると共に、かき揚げの揚げる時間が短縮可能となるかき揚げ用ナベを提供することを目的とする。
【解決手段】深さを有したナベ本体1に、円筒状の火炎筒2を複数立設させ、該火炎筒2の下部はナベ本体1の底部11と一体に固着されると共に火炎筒2の上部はナベ本体1の開口部12よりも突出して、火炎筒2が立設される構造とする。また火炎筒2をナベ本体1の中央の周囲に立設させるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特開2001−245611で得られる20cm前後の厚いかき揚げ(以降、厚手のかき揚げという)を効率良く揚げることが出来るかき揚げ用ナベに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に20cm以上の厚いかき揚げを揚げるためには、20cm以上の深さを有したナベが必要であり、且つ、従来の1cm〜2cm前後のかき揚げよりも容量が10倍以上もあるため、上記ナベに入れた油中に、かき揚げ用原料を入れると、油の温度が下がってしまい、まとめて揚げることは出来ないと共に20cm以上の高さを確保することは一般に困難であった。このため、本発明者が提案した実用新案登録第3071500号の天ぷら用ナベと、それに具備した筒状のかき揚げ用の器具とを使用して、厚手のかき揚げを複数個同時に揚げることが可能となった。
【0003】
しかしながら、上記天ぷら用ナベを使用しても厚手のかき揚げは、2個〜3個を同時に揚げることがやっと可能になる状態であった。このため、上記天ぷら用ナベでは3個以上を同時に揚げるには加熱力(かき揚げを揚げるための熱量)が不足し、厚手のかき揚げをまとめて効率良く揚げることは難しいのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−245611号公報
【特許文献2】実用新案登録第3071500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は厚手のかき揚げをまとめて効率良く揚げることが可能となるかき揚げ用ナベを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、ナベ本体に、円筒状の火炎筒を複数立設させ、該火炎筒の下部はナベ本体の底部に固着すると共に火炎筒の上部はナベ本体の開口部よりも突出して火炎筒が立設される構造とする。また火炎筒をナベ本体の中央の周囲に立設させると良い。
【発明の効果】
【0007】
請求項1のようにナベ本体(1)に、円筒状の火炎筒(2)を複数立設させ、該火炎筒(2)の下部はナベ本体(1)の底部(11)に固着され、火炎筒(2)の上部はナベ本体(1)の開口部(12)よりも突出させて火炎筒が立設することにより、ナベ本体(1)の加熱力を増加させることが可能となり、従来品よりも厚手のかき揚げをまとめて、例えば、同時に5つ以上の厚手のかき揚げを効率良く揚げることが出来るものとなった。また前記火炎筒(2)がテーパーを付けない円筒状に形成されることにより、底部(11)を広く使用でき、多くの厚手のかき揚げ用器具(4)を投入することが可能となる。従って、食事時に複数の顧客の注文に対しても対応できると共に、待ち時間も短縮することが可能となった。また火炎筒(2)の形状が単純な円筒であるため、ナベの製作が容易なものとなる。
【0008】
請求項2のように火炎筒(2)をナベ本体(1)の中央の周囲に立設させることにより、火炎筒(2)が中央にないため、ナベ本体(1)内部の油を均一に加熱できる位置に火炎筒(2)が複数配置し易くなり、厚手のかき揚げ用器具(4)を投入する数も多く且つ作業し易いスペースの確保が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の断面を示す説明図である。
【図2】本実施形態の上面を示す説明図である。
【図3】本実施形態で使用するかき揚げ用器具を示す斜視図である。
【図4】本発明の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は厚手のかき揚げを効率良く揚げるという目的を、ナベ本体の加熱力を増加させるために、火炎筒(2)を複数立設させることにより実現した。
【実施例1】
【0011】
図1、図2は本発明の実施形態を示す図であり、この図に基づいて説明する。(1)は深さが有る天ぷら用のナベ本体であり、該ナベ本体(1)の材質としては鋼,鉄,ステンレスなどを用いると良く、その大きさとしては、直径が40cm〜90cm前後で、深さとしては約30cm前後のものが好ましい。
【0012】
(2)はナベ本体(1)の中央の周囲に立設された3つの火炎筒であり、該火炎筒(2)の下部はナベ本体(1)の底部(11)と一体に固着され、火炎筒(2)の上部はナベ本体(1)の開口部(12)よりも約10cm前後高く突出している。また前記火炎筒(2)の上下は開口されて、該火炎筒(2)の材質はナベ本体(1)と同じものを用いれば良い。尚、前記火炎筒(2)の数は3つに限定されるものではなく、ナベ本体(1)の大きさによって決定されるが、2つ以上は必要である。
【0013】
(3)は取手であり、(4)はナベ本体(1)の内部に投入して厚手のかき揚げを作るためのかき揚げ用器具であり、該かき揚げ用器具(4)は上下が開口した円筒状に形成され、外周面には多数の穴(41)が穿設され、その下部には複数の切欠(42)が設けられている。又、かき揚げ用器具(4)の材質としては鋼,鉄,ステンレスなどを用いると良いが、好ましくはステンレスを用いる。
【0014】
次に本発明品の使用方法について説明する。先ず始めにナベ本体(1)の内部に食用油を入れて火に掛ける。すると火はナベ本体(1)の底部(11)から加熱すると共に複数の火炎筒(2)の側壁からも加熱されるので、従来品よりも油を加熱させる加熱力が大きくなるのである。そして、かき揚げ用器具(4)を注文数に応じてナベ本体(1)の内部に入れる。
【0015】
次にかき揚げの食材をころもに付け、それを油中のかき揚げ用器具(4)の内部に入れる。すると油の温度は多少下がるが、複数の火炎筒(2)の側壁からも加熱力が加わるので、熱の対流が生じると共に従来のものよりも油の温度は早く上昇し、次のころもが付けられた食材を更に入れても油の良好な温度は維持し続けることが出来るものとなる。従って、油の温度差が極めて小さくなり、所定範囲の温度が確保された状態で、連続して複数個のかき揚げの原料を入れても上手に揚げることが可能となると共に、かき揚げの揚げ時間が短縮でき、且つ、多数のかき揚げ用器具(4)を入れることによって、多数のかき揚げを次々に揚げることが可能なものとなる。この時の厚手のかき揚げを揚げる要領は、特開2001−245611で開示した手順で行えば良い。
【符号の説明】
【0016】
1 ナベ本体
11 底部
12 開口部
2 火炎筒


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともナベ本体(1)に、円筒状の火炎筒(2)を複数立設させ、該火炎筒(2)の下部は前記ナベ本体(1)の底部(11)に固着され、前記火炎筒(2)の上部は前記ナベ本体(1)の開口部(12)よりも突出して、前記火炎筒(2)が立設されたことを特徴とするかき揚げ用ナベ。
【請求項2】
前記火炎筒(2)が、前記ナベ本体(1)の中央の周囲に立設された請求項1記載のかき揚げ用ナベ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−254932(P2011−254932A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130677(P2010−130677)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(300005529)
【Fターム(参考)】