説明

しわの外観を減少させるための方法および組成物

【課題】皮膚特に顔の皮膚の深いしわを減少させるための組成物の提供。
【解決手段】化粧品上許容できる媒体、および皮膚の深いしわの外観を減らすのに有効な量の1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を含む化粧品組成物。該ギャップ結合阻害剤が、Gap27ペプチド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のイソ型、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれ、コリントランスアセチル化阻害剤が、ステノラマ・チュウサナ、ポルチュラカ・オレラセア、ジノステマ・ペンタフィリウムおよびモリンダ・シトリフォリアを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を有する化粧品組成物に関する。さらに特に、本発明は、顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スペリヒユ(Purslane)科の植物は、ポルチュラカ・オレラセア(Portulaca oleracea)(「グリーン・スベリヒユ」)、ポルチュラカ・サチバ(Portulaca sativa)(「ゴールデン・スベリヒユ」)およびアトリプレックス・ポルチュラコイデス(Atriplex portulacoides)(「ハマアカザ」)を含む。
【0003】
植物ポルチュラカ・オレラセアは、気候が穏やかな地方から温暖な地方に普通に繁茂しているスクレント・アンニュラス属に属し、そしてスベリヒユ、アカザ、ムンエロー(munyeroo)、ツウコウロー(thukouro)、リファ(lifa)、クーピア(coupier)、リトル・ホグウィード(little hogweed)、およびパーパイン(perpine)を含む。この植物からの搾り液および水性抽出物は、種々の病気、例えば腫脹、ひょう疽、打撲症、せつ、耳痛、歯痛、膿瘍(局所)を治療するのに用いられてきており、そして駆虫薬および利尿薬(Okwuasabaら)としても用いられてきている。
【0004】
ゴールデン・スベリヒユは、黄色の葉をもつスベリヒユ科の変種であって、グリーン・スベリヒユより固くないが、同じ品質を有する。個々の植物の種子から緑色と黄金色との両方の葉がでることが知られている。スベリヒユ科植物の他の種は、ハマアカザ(アトリプレックス・ポルチュラコイデス)を含み、それは、通常、英国およびアイルランドの海辺に沿って見いだされる。ポルチュラカ・オレラセアの民俗に関する記録のレビューおよび科学的な使用は、この種が以下のような多くの医学上の用途を有することを示している。例えば顕著な抗炎症およびアレルギー作用(Chanら、2000年)、抗変異原生(Yetら、2001年)、抗カビ性(Ohら、2000年)、避妊薬(Vermaら、1982年)、ガンおよび心臓疾患の低下(Mohamedら、1994年)、腸の虫、寄生虫の駆除(Quinlanら、2002年)並びに有痛排尿困難、乾性咳、息切れ、過度の渇き、炎症および痛み、アグ(ague)熱、睡眠不足、熱による頭部の動きのすべての痛み、および逆上(GrieveのA Modern Herbal)、ガンの治療(特許文献1)、抗菌活性剤および抗かび活性剤(特許文献2)、および非ステロイド性の化粧品清涼剤(特許文献3)、天然の源からのサンスクリーン剤(特許文献4)、血糖レベルをコントロールする抗糖尿病剤(特許文献5)。そしてそれは化粧品清涼剤としての使用が示されている(特許文献6)。
【0005】
しかし、これらの特許のいずれも、細かいすじおよびしわの治療におけるポルチュラカ・オレラセアの使用を開示していない。さらに、筋肉弛緩剤としてのポルチュラカ・オレラセアの性質は、また研究されているが(Okwuasabaら、1986年、Okwuasabaら、1987年(1)、Okwuasabaら、1987年(2)、Okwuasabaら、1987年(3)、Parryら、1987年(1)、Parryら、1987年(2)、Parryら、1988年、Parryら、1993年、Habtemarinら、1993年、Radhakrishnanら、2001年)、これらの研究のいずれも、本発明が目指す顔のすじおよびしわについてポルチュラカ・オレラセアを使用することを報告していない。
【0006】
ボツリヌス毒素(商品名Botox(商標)、Allergen、Irvine、カリフォルニアとしても知られている)は、現在、しわおよび細かいすじを治療するのに普及しており、そして神経細胞における神経伝達を特異的に阻害し、それにより収縮した筋肉を弛緩させることにより筋肉の痙縮の状態に作用する(例えば、A.Blitzerら、1993年、特許文献7)。この毒素は、皮下に注射されたとき、眉間のしわに作用することが分かっている(J.D.Carruthers、1992年、特許文献8参照)。
【0007】
しかし、ボツリヌス毒素およびこの物質を含む製品または治療の長期の使用に関する副作用の完全な程度は、なお十分に確立されていない。ボツリヌス毒素の治療は、一過性の疲労、嚥下障害、頚部の弱さ、嗄声および局所的な痛みを含む多数の副作用を伴う。その上、ボツリヌス毒素に最初反応した多くの患者は、次第に治療に反応しなくなるか、または治療部位での筋肉の補充を示し(一連の筋肉の麻痺が、その麻痺に対抗する試みで他の筋肉の群の補充を招く)、それによりしわを実際にさらに顕著にさせるようになる(例えば、Becker、2002年、特許文献9参照)。
【0008】
特許文献10は、細かいすじおよびしわの治療を含む、スベリヒユ植物を有する組成物を使用して皮膚の審美的外観を改善する組成物および方法を記述している。
エイジングの皮膚科学的徴候を治療、予防、減少、阻止および/または改善する組成物の安全および有効性は、皮膚に対する治療および製品の処方にとり有益であろう。それゆえ、深いしわの外観を減少できる組成物および方法についてコンシューマー製品および化粧品企業において需要が存在する。
【0009】
【特許文献1】米国特許5869060
【特許文献2】米国特許6338855
【特許文献3】米国特許6153208
【特許文献4】米国特許5824312
【特許文献5】日本特許63、208531(1988年8月30日)
【特許文献6】米国特許4985459
【特許文献7】米国特許6344461B1
【特許文献8】米国特許6344461B1
【特許文献9】米国特許2002/00812914
【特許文献10】米国特許20040126352A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明で記述するとき、本発明は、深いしわの治療に有効な有益な方法および組成物を提供する。
本発明は、スキンケアおよびパーソナルケア組成物を含むがこれらに限定されない種々のパーソナルケア製品に適用できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を有する化粧品組成物を提供するのが本発明の目的である。
顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させる方法を提供するのが本発明の他の目的である。
【0012】
コリントランスアセチル化阻害剤、例えばステノラマ・チュウサナ、ポルチュラカ・オレラセア、ジノステマ・ペンタフィリウムおよびモリンダ・シトリフォリアを化粧品および/またはコスメシューチカルの局所付与に用いて、コリンアセチルトランスフェラーゼ酵素の活性の低下により顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させるのが、本発明の他の目的である。
【0013】
ギャップ結合阻害剤、例えばGap27ペプチド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のイソ型、およびこれらの任意の組み合わせを化粧品および/またはコスメシューチカルの局所付与に用いて、緩んだ顔の骨格筋により顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させるのが、本発明の他の目的である。
【0014】
ギャップ結合阻害剤(CAT)およびコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を化粧品および/またはコスメシューチカルの局所付与に用いて、顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させるのが、本発明の他の目的である。
【0015】
1つ以上のGap27ペプチド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のイソ型、ステノラマ・チュウサナ、ポルチュラカ・オレラセア、ジノステマ・ペンタフィリウムおよびモリンダ・シトリフォリアを任意の組み合わせで使用して、顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させるのが、本発明の他の目的である。
【0016】
顔の骨格筋を緩めそれにより深いしわの外観を減少させることのできる化粧品例えばスキンケアおよびパーソナルケア製品を提供するのが本発明の他の目的である。
本発明は、1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を有する化粧品組成物を提供する。
【0017】
従って、本発明は、化粧品上許容できる媒体、および皮膚の深いしわの外観を減少するのに有効な量で、本発明により1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を有する化粧品組成物を提供する。
【0018】
本発明は、また、皮膚の深いしわの外観を減少する方法を提供する。この方法は、皮膚の深いしわの外観を減少させるのに十分な量および期間で、化粧品上許容できる媒体、および1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を有する化粧品組成物を皮膚に局所的に付与する段階を含む。
【0019】
本発明のこれらおよび他の目的および利点は、化粧品およびパーソナルケア製品において本発明による化粧品組成物を使用して顔の骨格筋の弛緩および深いしわの外観の有効な減少をもたらすことによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、顔の骨格筋を緩めることにより深いしわの外観を減少させるための化粧品組成物およびその化粧品組成物を使用する方法を提供する。
化粧品組成物は、化粧品上許容できる媒体、および有効な量の1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を含む。
【0021】
本発明は、以下のものを用いる。
(1)コリンアセチルトランスフェラーゼ酵素の低下した活性により、化粧品および/またはコスメシューチカルの局所適用で、顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させるための、ステノラマ・チュウサナ、ポルチュラカ・オレラセア、ジノステマ・ペンタフィリウムおよびモリンダ・シトリフォリアを含むがこれらに限定されないコリントランスアセチル化阻害剤、および/または(2)化粧品および/またはコスメシューチカルの局所付与において顔の骨格筋を緩めそして深いしわの外観を減少させるための、Gap27ペプチド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のイソ型を含むがこれらに限定されないギャップ結合阻害剤。
【0022】
Gap27ペプチドは、選択性ギャップ結合ブロッカーであるコネキシン43から由来する。Gap27ペプチドは、生体内Ach誘導動脈弛緩を減衰させそして上皮未処理血管におけるK仲介平滑筋再分極を低下させる。
【0023】
Gap27ペプチドは、C601011517の式および1304.55の分子量を有しさらにSer−Arg−Pro−Thr−Glu−Lys−Thr−Ile−Phe−Ile−Ileのペプチド配列を有する(Chaytorら、「Central role of heterocellular gap junctional communication in endotheliumdependent relaxation of rabbit arteries」J.Physiol.508、561(1998);Koら、「Biochemical and functional characterization of intercellular adhesion and gap junction in fibroblasts」Am.J.Physiol.Cell Physiol.279、C147(2000);Richardsら、「Suppresion of K−induced hyperpolarization by phenylephrine in rat mesenteric artery:relevance to studies of endothelium−derived hyperpolarization factor」Br.J.Pharmacol.134,1(2001)参照)。
【0024】
グリシルリジン酸(グリシルリジン)は、サポニングリコシドであって、甘草の根の抽出物から得ることのできる化合物の1つである。この分子は、その抗炎症の能力について、伝統医学で数千年間周知である。
【0025】
古いギリシャの医師は、甘草が咳、風邪および喘息の症状を治すことを記録した最初の人々であった。ドイツでは、現在、医師は、咳をコントロールするのに茶およびシロップの形で甘草を日常的に薦めている。
【0026】
喘息を治す甘草の根の主な医学的成分は、グリシルレチン酸またはグリシルリジンである。
副腎性ホルモンコルチゾルと同じく、グリシルレチン酸は、喘息およびアレルギーの反応を治療するのに抗炎症剤として作用する。
【0027】
グリシルレチン酸は、C3046の分子式および470.64の分子量を有する。
グリシルレチン酸のハーブの源は、甘草の乾燥した根および稈である。典型的には、グリシルレチン酸は、抽出物として得られそして98%純粋な物質として得ることができる。
【0028】
用語「イソ型」は、本明細書では、グリシルレチン酸、その種々の保護された形およびグリシルレチン酸に転換されうる種々の化合物例えばグリシルリジン酸およびグリシルリジン(グリシルレチン酸に肝臓でまたは加水分解により転換できる)を含むカルボン酸の誘導体例えばエステルおよびアミドを含む、特定の化合物の「誘導体」をいう。
【0029】
グリシルリジンは、肝臓でグリシルレチン酸に変化する。これらの化合物の両者は、能力のある天然に存在する抗ウイルス化合物であるインターフェロンの活性化を促進する。一度インターフェロンが活性化されると、白血球もキラーT細胞とともに活動するようにされて、ウイルスに対する闘いを助ける。これは、どのように甘草が風邪ウイルス、単純ヘルペスIそして恐らくHIVにその作用を働かすかということの説明である。甘草は、また、いくらかの抗菌性を示すが、これらはグリシルリジンよりフラボノイドによる。
【0030】
加水分解により、グリコシドは、アグリコンであるグリシルレチン酸に転換される。グリシルリジン酸は、抗ウイルス性を有する。インターフェロンの活性化を促進しそしていくつかのDNAおよびRNAウイルスの成長を阻害する。
【0031】
グリシルリジン酸の抗ウイルス活性は、ウイルスの蛋白構造と相互反応しそしてそのサイクルと干渉する能力による。それは、ウイルスの細胞変性の成長および活性を阻害し、そのため健康な細胞をそれが攻撃することを妨げる。
【0032】
グリシルリジン酸は、熱的損傷の患者におけるカンジタ・アルビカンスに対する宿主抵抗を強化する。これは、恐らく、CD4 T細胞を導入することによるものであり、それは、火傷に伴う損傷で生成する2型サイトカインを抑制する。
【0033】
特徴的な神経筋肉結合で、神経インパルスは、アセチルコリン(AcH)の放出を引き起こす。AcHは、筋肉を収縮させる電気シグナルを伝達する。AcHの過剰な放出は、多動性の筋肉収縮を生じさせる。多動性による顔の筋肉の連続または過剰な刺激は、エイジングの進展の徴候(例えば、眉間のすじ、目尻のしわおよび他の深いしわ)を増大させる。
【0034】
コリントランスアセチル化阻害剤は、また、本発明の組成物で使用するのに好適である。
アセチルCoAおよびコリンからのAcHの合成は、コリンアセチルトランスフェラーゼにより接触化される。この経路の阻害は、電気インパルスの伝達を阻害し顔の筋肉の収縮を緩める手段として働いて、しわの形成を低下させる。
【0035】
好ましいコリントランスアセチル化阻害剤は、ステノラマ・チュウサナ、ポルチュラカ・オレラセア、ジノステマ・ペンタフィリウムおよびモリンダ・シトリフォリアを含む。コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤は、コリンアセチルトランスフェラーゼの阻害に有効な量で化粧品組成物に存在し、そして一般に組成物の全重量の約50重量%以内の量で存在する。
【0036】
好ましくは、コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤は、化粧品組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約20重量%である。さらに好ましくは、コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤は、化粧品組成物の全重量に基づいて約0.001重量%から約10重量%で存在する。最も好ましくは、コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤は、化粧品組成物の全重量に基づいて約0.01重量%から約3重量%で存在する。
【0037】
本発明の組成物で使用するには、種々の成分および/または活性構成成分は、精製した形、半精製した形または未精製の形である。好ましい態様では、成分は、好適な溶媒例えば水性溶媒および/または有機溶媒による抽出によって得られた抽出物の形である。
【0038】
ステノロマ・チュウサナは、東南アジアで見いだされる多年生のハーブである。この植物からの抽出物は、風邪、インフルエンザ、気管支炎、火傷、切り傷および皮膚の痛みを治療するのに使用されることが知られている(A.Barefoot、Doctor’s Manual、Running Press、Philadelphia、Pa.,638ページ参照)。その皮膚の色を淡くする効果は、米国特許20040115146A1に記載されており、その内容は、参考として本明細書に引用される。
【0039】
好ましくは、ポルチュラカ・オレラセアは、スベリヒユ植物から由来する抽出物である。その内容が本明細書で参考として引用される前記の米国特許20040126352A1は、当業者に周知の方法に従ってスベリヒユ植物から製造されるスベリヒユ抽出物の製造を記述している(そのなかの実施例1参照)。
【0040】
別のものとして、「合成」の抽出物すなわち天然の源のスベリヒユ植物の抽出物の組成および/または活性に実質的に真似るように組み合わされた周知のスベリヒユ植物の成分および/または構成成分の種々の組み合わせも使用できる。
【0041】
植物または天然の抽出物は、最も好ましくは、ポルチュラカ・オレラセア植物から由来する。
上述のように、本発明で使用して好ましい成分は、ポルチュラカ・オレラセア植物からのものである。しかし、スベリヒユ植物群の他のものも、同様に等しく働き、ポルチュラカ・サチバおよびアトリプレックス・ポルチュラコイデスを含むが、これらに限定されない。
【0042】
本発明の組成物で使用するには、スベリヒユ植物または他の成分および/または活性構成成分は、好ましくは植物から直接由来する。
抽出物は、さらに、1つ以上の追加の抽出物、例えばポルチュラカ・サチバ抽出物、アトリプレックス・ポルチュラコイデス抽出物およびこれらの種々の組み合わせを有することができる。
【0043】
ジノステマ(Gynostemma)は、キュウリ科の1員である。それは、また、5葉人参、ジアオグラン(Jiaogulan)および南人参として知られている。皮膚、髪および爪の審美的外観を改善するその使用は、米国特許20030124205A1に記載されており、その内容は、参考として引用される。
【0044】
ジノステマは、伝統的に、中国の南部中心部の山岳地帯に成長する。このハーブは、通常人参として知られているものとは異なる植物である。それは、「ジペノシド」といわれるサポニンの豊富な源であり、ジペノシドは、人参に見いだされるジンセノシドに類似しそしていくつかの場合には同じであるが、人参に見いだされるものより数倍高いレベルで見いだされる。これらのサポニンは、抗酸化または細胞保護の作用を有することが示されている。ジノステマ(Jiaogulan)は、粉末の形で買うことができる。
【0045】
本発明の化粧品組成物では、ジノステマ・ペンタフィルム(pentaphyllum)が好ましい。
モリンダ・シトリフォリアの抽出物は、ヤエヤマアオキ(Indian Mulberry)植物から由来する。モリンダ・シトリフォリアは、米国特許6387370に記述されているように、哺乳動物の血液中のオキシステロールの形成を減少させそしてコレステロールおよび血圧を正常化する組成物中使用されている。モリンダ・シトリフォリアの精油を抽出し精製する方法は、米国特許6417157に開示されている。モリンダ・シトリフォリアの皮膚の色を淡くする使用は、上記の米国特許20040115146A1に記載されている。
【0046】
好ましくは、上述の植物抽出物は、組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約20重量%の量で存在する。さらに好ましくは、抽出物は、組成物の全重量に基づいて約0.001重量%から約10重量%の量で存在する。最も好ましくは、抽出物は、組成物の全重量に基づいて約0.01重量%から約3.0重量%の量で存在する。
【0047】
化粧品組成物は、ギャップ結合阻害に有効な量で1つ以上のギャップ結合阻害剤、例えばGap27ペプチド、グリシルレチン酸およびグリシルレチン酸のイソ型を有する。好ましくは、ギャップ結合阻害剤の全量は、組成物の全重量の約50重量%以内である。さらに好ましくは、ギャップ結合阻害剤は、化粧品組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約40重量%である。最も好ましくは、ギャップ結合阻害剤は、化粧品組成物の全重量に基づいて約0.1重量%から約10重量%で存在する。
【0048】
好ましくは、ギャップ結合阻害剤は、組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約10重量%の量で存在する。
ギャップ結合阻害剤は、グリシルレチン酸および/または1つ以上のグリシルレチン酸のイソ型である。好ましくは、グリシルレチン酸および/またはグリシルレチン酸のイソ型は、組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約10重量%の量で存在する。
【0049】
好ましい態様では、本発明による化粧品組成物は、(1)1つ以上のコリントランスアセチル化阻害剤および(2)1つ以上のギャップ結合阻害剤の両者を有することができる。この場合、1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤および1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤の全量は、組成物の全重量の約50重量%以内である。
【0050】
ギャップ結合は、細胞間の電気的および化学的なカップリングを仲介する。それらは、2つの細胞間に水性のチャンネルを形成するコネキシンとよばれる貫膜蛋白から構築される。
【0051】
どんな理論または体系にも束縛されることを望むものではないが、これらのチャンネル蛋白の1つと配列相同性を含む阻害Gap27ペプチドが、配座の変化を導入することにより作用しそしてグリシルレチン酸および/またはグリシルレチン酸のイソ型が、コネキシンのリン酸化を変えると思われる。これらの変化は、細胞・細胞の連絡の分裂を招き、細胞間の電気的インパルスの伝達を阻害する。これらの変化により生ずる動揺は、チャンネルの閉止および筋肉の弛緩を生ずる。従って、このような顔の骨格筋の弛緩が深いしわの外観を減少させるものと思われる。
【0052】
神経組織におけるAcHの合成の速度制限段階が、転換のためのコリンの利用可能性であることは、一般に認められている。いくつかの方法が、別々の経路、例えばAcHの分裂の増加およびAcHの分泌の阻害に集中して、同じ目的すなわち眉間のすじおよび深いしわの減少を達成する。
【0053】
神経組織では、高親和性コリン輸送システムの活性は、細胞へのコリンの吸収をコントロールする。しかし、胎盤では、AcH合成のための速度制限段階は、アセチル−CoAおよびコリンをAcHへ接触化するCATの活性である。
【0054】
神経系とは異なり、顔の皮膚の場合のように、胎盤を有する細胞は、上皮細胞からなる。もし皮膚におけるAcHの合成が胎盤のように制御されるならば、コリンアセチルトランスフェラーゼにより接触化されるコリンのトランスアセチル化の阻害は、合成の速度を遅らせそして皮膚のAcHのレベルを低下させて、顔の筋肉の弛緩を生ずる。
【0055】
顔の骨格筋を緩める手段としてギャップ結合を使用する細胞・細胞間の連絡の阻害は、科学の文献には記載されていない。従って、本発明は、化粧品上許容できる媒体および有効量のGap27ペプチド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のイソ型、ステノラマ・チュウサナ、ポルチュラカ・オレラセア、ジノステマ・ペンタフィリウムおよびモリンダ・シトリフォリアおよびこれらの任意の組み合わせの1つ以上を有する化粧品組成物を提供する。
【0056】
化粧品組成物は、有機溶媒系、水系であるか、またはそれはエマルションである。これら有機溶媒、水またはエマルション系の組成物は、当業者に周知であり、そのため本明細書ではこれ以上論じない。
【0057】
化粧品組成物は、本発明に従って、化粧品上許容できる媒体を有し、そして有効量の1つ以上のギャップ結合阻害剤および/またはコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を含む。
【0058】
化粧品組成物は、さらに、1つ以上の追加の「化粧品上活性な成分」例えば保護剤、麻酔剤、抗アレルギー剤、抗かび剤、抗菌剤、抗炎症剤、防腐剤、剥離剤、薬品、フィルム形成剤、サンスクリーン、皮膚浸透増強剤、またはこれらの任意の組み合わせを有することができる。
【0059】
好ましくは、化粧品上活性な成分は、化粧品組成物の全重量に基づいて約0.001重量%から約10重量%で存在する。
好ましくは、化粧品上活性な成分は、1つ以上の以下のものであるが、しかしこれらに限定されない。麻酔剤、抗アレルギー剤、抗かび剤、抗菌剤、抗炎症剤、防腐剤、剥離剤、薬品、フィルム形成剤、サンスクリーン、および皮膚浸透増強剤、その任意の誘導体またはこれらの任意の組み合わせ。
【0060】
好ましくは、サンスクリーンは、以下のものの1つ以上である。ジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、スルイソベンゾン、ジオキシベンゾン、メチルアンスラニレート、パラアミノ安息香酸エステル、ベンゾフォン−3、ブチルジベンゾイルメタン、ジメチルシンナメート、オクチルメトキシシンナメート、DEAメトキシシンナメート、オクトクリレン、ドロメトリゾールトリシロキサン、オクチルサルチレート、ホモメンチルサルチレート、オクチルジメチルPABA、TEAサルチレート、4−メチルベンジリデンンカンファー、3−ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファースルホン酸エステル、オクチルトリアゾン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸エステル、テレフタリジエン、ジカンファースルホン酸エステル、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、エチルPABA、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、テレフタリジエンメチレンビス−ベンゾトリアゾイルテトラメチルブチルフェノール、ジエチルヘキシル−2,6−ナフタレート、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ヒドロキシメチルフェニルベンゾトリアゾール、メチレンビス−ベンゾトリアゾイルテトラメチルブチルフェノール、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジベンゾイルメタン、オキサアニリド、ヒドロキシシンナメート、油分散可能な二酸化チタン、油分散可能な酸化亜鉛、シリコーン固定サンスクリーン、パラアミノ安息香酸、サルチル酸、TEAサルチレート、ベンジリデンカンファースルホン酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、テレフタリジエンジカンファースルホン酸、ヒドロキシシンナミン酸、これらの任意の誘導体またはこれらの任意の組み合わせ。
【0061】
好適な添加物の例は、以下のものを含む。
抗酸化剤、例えばローズマリー抽出物、トコフェロール、トコフェロールの誘導体(トコトリエンを含む)、カロテン、カロチノイド、フェノール性抗酸化剤(フェノール酸を含む)、ビオフラボノイド、植物抽出物、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、カンフォロール、ケルセチン、エピゲニンおよびこれらの任意の混合物。好ましい抗酸化剤は、トコフェロールおよびビオフラボノイド(抗酸化活性を立証しそしてイチョウ、ピコノジルピコゲノイル、ピシオゲノール、ゲニステイン、ダイズチェンを含む)およびこれらの任意の組み合わせである。
【0062】
角質溶解剤、例えばサルチル酸、レゾルシノール、有機酸の過酸化物およびこれらの任意の組み合わせ。
抗炎症剤、例えばステロイド性および非ステロイド性の抗炎症剤および抗炎症活性を示す植物抽出物。
【0063】
ビタミン、例えばビタミンE、レチノール(ビタミンA)、トコフェロールおよびこれらの任意の組み合わせ。
エモリエント、例えばセテアリールオクタノエート、オクチルパルミテート、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、グリセリルモノステアレート、ワセリン、カプリリックトリグリセリド、カプリックトリグリセリド、シアバター、シリコーン油およびこれらの任意の組み合わせ。
【0064】
湿潤剤、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の1つ以上の誘導体およびこれらの任意の組み合わせ。
皮膚浸透増強剤、例えばオゾン、SEPA、ブチレングリコール、不飽和脂肪酸のシス異性体およびこれらの任意の組み合わせ。
【0065】
乳化剤、例えばグリセリルステアレート、セテアリールアルコール、セチルアルコール、PEG−40ステアレートおよびこれらの任意の組み合わせ。
増粘剤、例えばキサンタンガム、カーボマー、粘土、ヒドロキシエチルセルロースおよびこれらの任意の組み合わせ。
【0066】
フィルム形成剤、例えばトリメチルシロキシシリケート、ニトロセルロース、酢酸酪酸セルロース、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、低分子量ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、アリールスルホンアミドアルデヒド樹脂、アリールスルホンアミド樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの任意の組み合わせ。
【0067】
レチノイド、例えばレチノール、レチノールの1つ以上のエステル、レチン酸、レチン酸の1つ以上のエステル、レチノールに類似した化合物およびこれらの任意の組み合わせ。
保存料、例えばアルキルパラベン、アルコール、イミダゾリジニル尿素およびこれらの任意の組み合わせ。
【0068】
着色剤、例えば合成および天然の着色剤。
キレート剤、例えばジナトリウムEDTA。
pH調節剤、例えばpHを約6.5から約7.5に調節し維持する酸、塩基または緩衝剤。
【0069】
他の添加物は、1つ以上の蛋白、着色剤、顔料(ホトクロミックおよび熱クロミック着色剤および顔料を含む)、並びに化粧品の付与に使用して好適な他の適切な物資を含む。
【0070】
本発明の化粧品組成物は、典型的に、媒体を有する。媒体は、化粧品上許容または好適な媒体でなければならない。本発明では、用語「化粧品上許容できる媒体」または「好適な媒体」は、ヒトの組織と直接かつ安全に接触して使用して好適な医薬、化粧品または薬物のための任意の媒体をいう。
【0071】
化粧品組成物の媒体は、好ましくは、ヒトの組織との直接接触を要する付与に使用して適している。組織は、好ましくは皮膚である。媒体は、固体、流体、エマルション、香油、エロゾルまたはポンプスプレーである。
【0072】
固体の媒体は、好ましくは、パッチ、テープまたは粉末である。流体媒体は、好ましくは、液体、ローションまたはゲルである。
化粧品組成物は、好ましくは、例えばボディウォシュ、バー石けん、液体石けん、スキンケア製品、口紅、マスカラ、カラー化粧品、フォーム、ムース、溶液、エマルション、クリーム、ローション、ポマード、香油、スティック、ゲル、ポンプスプレー、エロゾル、スプレー、標的伝達システム、マスク、経皮パッチまたはこれらの任意の組み合わせから選ばれる製品の形のような製品である。
【0073】
さらに好ましくは、化粧品は、クリーム、ローションまたはポマードの形のスキンケア製品である。
本発明は、さらに、皮膚好ましくはヒトの皮膚の深いしわの外観を減少させる方法を提供する。
【0074】
この方法は、化粧品上許容できる媒体および皮膚の深いしわの外観を減少するのに有効な量の有効量の1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を有する化粧品組成物を皮膚に局所的に付与する段階を含む。
【0075】
好ましくは、組成物は、1日1回、2回または2回より多く、好ましくは1日1回付与される。好ましくは、組成物は、皮膚例えば顔の皮膚の深いしわ(特に、「目尻のしわ」並びに上唇の上および口の側面の深いすじを含む)の外観を減少させるのに十分な時間付与される。典型的には、深いしわの外観を減少させるのに十分な時間は、少なくとも1週間、特に少なくとも2週間でありそしてそれより多く、特に3週間以上である。
【0076】
皮膚の深いしわの外観の減少は、多動性の顔のすじ、しわ、ひだまたは重なりの数の減少および/またはこれらの深さの減少により明らかにされる。
本発明による化粧品組成物は、皮膚好ましくはヒトの皮膚の深いしわの外観を減少させる化粧品組成物および方法を提供することによって、化粧品およびパーソナルケア製品において有用性を有する。
【0077】
以下の方法は、本発明の種々の局面の例示である。それらは、本発明を限定するものと決して考えてはならない。
(一般的な方法、コリンアセチルトランスフェラーゼアッセイ)
この方法は、生体外で脳組織のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)の活性を測定する。アッセイは、14CアセチルコエンザイムAおよびコリンから14Cアセチルコリンの形成に基づく。方法は、ダウエックスAG1×8(400メッシュ)を使用してカラムクロマトグラフィーにより単離される。参考文献、BallおよびOderfeld−Nowak、J.Neurochemistry、18、935−947(1971)。
【実施例1】
【0078】
表1は、脳組織におけるコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)の活性の生体外測定で得られた結果を要約する。
(表1 コリンアセチルトランスフェラーゼ酵素活性)
化合物(1.0%w/v) 阻害%
ポルチュラカ・オレラセア 72.89
ステノラマ・チュウサナ 70.07
ジノステマ・ペンタフィルム 37.66
モリンダ・シトリフォリア 30.67
【実施例2】
【0079】
植物抽出物の製造の方法。植物抽出物は、有機溶媒抽出法により製造され、それは、典型的に有機溶媒により植物材料を洗いそして抽出することを含む。有機溶媒の例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン、キシレンおよび石油エーテルを含むが、これらに限定されない。抽出機械は、当業者に周知のように有機溶媒抽出に使用できる。
【0080】
有機溶媒抽出は、所望の構成成分例えば種子、針状葉、葉、根、樹皮、球果、茎、根茎、カルス細胞、プロトプラスト、器官および器官系および分裂組織の1つ以上を含む植物から原材料を集める段階を含む。その後、植物材料を砕いて小さい粒子サイズにし、そして測定可能な装入機により原材料用の入口を経て抽出機に入れる。
【0081】
植物の原材料は、植物原材料を前方に徐々に移動する押し出し機により抽出機に押し入れる。有機溶媒例えばエタノールが、廃棄物放出出口の頂部で溶媒の入口を経て機械に加える。重力および平衡における相違によって、溶媒は、原材料の入口に向かって流れ、材料を浸漬し、そして溶媒入口の反対側から流れ出る。
【0082】
植物材料および溶媒が互いに反対の方向に移動するので、植物材料は、低濃度の抽出物を含む溶液に常に浸漬される。平衡の結果、高収量の植物構成成分の1つ以上が、低濃度の溶液に対して植物材料を連続的に抽出することにより達成される。
【0083】
植物構成成分を抽出するのに好適な抽出時間が使用され、典型的に、約1時間から約8時間が好適であり、さらに好ましくは約2時間から6時間であり、そして最も好ましくは約3時間から約5時間である。典型的に、抽出の温度は、約30℃から約90℃であり、好ましくは約40℃から約70℃であり、そしてさらに好ましくは約50℃から約60℃である。
【0084】
集められた抽出物は、次に濾過されて屑を除き、そして直接使用されるかまたは例えば溶媒を蒸留するかまたは他の従来の処理により濃縮できる。典型的な抽出活性物の含量は、約25重量%以上、好ましくは50重量%以上である。抽出物は、また、粉末の形または濃厚な油状の残存物の何れかにより溶媒の蒸発後残存物として提供される。水性エタノール(80/20エタノール/水)が好ましい。
【0085】
水−有機溶媒抽出は、また、所望の構成成分を含む植物、例えば植物の種子、針状葉、葉、根、樹皮、球果、茎、根茎、カルス細胞、プロトプラスト、器官および器官系、および分裂組織(小さい粒子サイズに砕かれる)から最初に原材料を集める段階を含む。砕いた植物材料は、酸性またはアルカリ性(塩基性)の条件下で所望の抽出物の溶解度および安定性に応じて、酸性またはアルカリ性である水溶液に浸漬される。
【0086】
酸性の条件下の抽出では、酸例えば塩酸または硫酸が水に例えば約3%w/vの濃度で添加される。アルカリ性条件下の抽出では、アルカリ例えば水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムが水に添加される。
【0087】
抽出時間および抽出の温度は、典型的に、上記の有機溶媒抽出法で使用されたのと同様である。
抽出物は、次に集められそして濾過されて屑を除く。アルカリ性剤例えばアンモニアまたは酸性剤例えば硫酸を抽出物に添加されて、集めた抽出物の酸度またはアルカリ度に応じて、pHを調節することにより溶液を中和する。
【0088】
水性抽出物は、直接、濃縮または乾燥されて使用される。別の方法として、有機溶媒は、次に中和された溶液に添加されて抽出物を水性相から有機相に移す。
これら有機溶媒の例は、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、キシレンおよびこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0089】
有機溶媒に溶解された移された抽出活性物を有する抽出物は、直接使用されるか、濃縮物として使用されるか、または乾燥される。
混合された抽出アプローチでは、異なる構成成分を含む異なる植物を混合しそして一緒に抽出される。混合された抽出のこの方法は、好ましくは、抽出に使用される溶媒例えばエタノール中で同様な溶解度を有する構成成分を含む植物を抽出するのに使用できる。その後、抽出物の混合物は、前のように濃縮されそして適切な溶媒中に貯蔵できる。
【0090】
前述が本発明の説明に過ぎないことを理解すべきである。種々の改変および変法は、本発明から離れることなく当業者により考えだせるものである。従って、本発明は、請求の範囲の範囲内に入る改変、変法および変化のすべてを包含することを目的とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品上許容できる媒体、および
皮膚の深いしわの外観を減少するのに有効な量の1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤
を含むことを特徴とする化粧品組成物。
【請求項2】
該1つ以上のコリントランスアセチル化阻害剤が、組成物の全重量の約0.001重量%から約10重量%の全量のステノラマ・チュウサナ(stenolama chusana)、ポルチュラカ・オレラセア(portulaca oleracea)、ジノステマ・ペンタフィリウム(gynostemma pentaphyllum)およびモリンダ・シトリフォリア(morinda citorifolia)を含む請求項1の化粧品組成物。
【請求項3】
該1つ以上の植物抽出物が、組成物の全重量の約0.1重量%から約4重量%である請求項2の化粧品組成物。
【請求項4】
該1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤が、組成物の全重量の約50重量%以内である請求項1の化粧品組成物。
【請求項5】
該ギャップ結合阻害剤が、Gap27ペプチド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のイソ型、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる請求項1の化粧品組成物。
【請求項6】
該ギャップ結合阻害剤が、組成物の全重量の約0.001重量%から約10重量%の量で存在するGap27ペプチドからなる請求項5の化粧品組成物。
【請求項7】
該グリシルレチン酸およびグリシルレチン酸のイソ型が、組成物の全重量の約0.001重量%から約10重量%である請求項5の化粧品組成物。
【請求項8】
該ギャップ結合阻害剤の全量が、組成物の全重量の約50重量%以内である請求項1の化粧品組成物。
【請求項9】
化粧品組成物が、1つ以上のギャップ結合阻害剤および1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤の両者を含む請求項1の化粧品組成物。
【請求項10】
該1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤および該1つ以上のギャップ結合阻害剤の全量が、組成物の全重量の約50重量%以内である請求項9の化粧品組成物。
【請求項11】
化粧品組成物の全重量に基づいて約25重量%以内の1つ以上の麻酔剤、抗アレルギー剤、抗かび剤、抗菌剤、抗炎症剤、防腐剤、剥離剤、薬品、フィルム形成剤、サンスクリーン、皮膚浸透増強剤およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる化粧品上活性な成分をさらに含む請求項1の化粧品組成物。
【請求項12】
化粧品組成物が、ボディー・ウオッシュ、バー石けん、液体石けん、スキンケア製品、口紅、マスカラ、着色化粧品、フォーム、ムース、溶液、エマルション、クリーム、ローション、ポマード、香油、スティック、ゲル、ポンプスプレー、エロゾルスプレー、標的伝達システム、マスク、経皮パッチおよびこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる製品の形である請求項1の化粧品組成物。
【請求項13】
皮膚の深いしわの外観を減少させるのに十分な量および時間で、化粧品上許容できる媒体および有効量の1つ以上のギャップ結合阻害剤および/または1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤を含む化粧品組成物を皮膚に局所的に付与することを特徴とする皮膚の深いしわの外観を減少させる方法。
【請求項14】
該組成物が、少なくとも1週間1日あたり少なくとも1回付与される請求項13の方法。
【請求項15】
皮膚が顔の皮膚である請求項14の方法。
【請求項16】
皮膚の深いしわの減少が、多動性の顔面のすじ、しわ、ひだまたはくぼみの数の減少および/またはその深さの減少により明らかになる請求項13の方法。
【請求項17】
該コリントランスアセチル化阻害剤が、組成物の全重量の約0.001重量%から約10重量%の全量のステノラマ・チュウサナ、ポルチュラカ・オレラセア、ジノステマ・ペンタフィリウムおよびモリンダ・シトリフォリアからなる群から選ばれた1つ以上の植物抽出物を含む請求項13の方法。
【請求項18】
該ギャップ結合阻害剤が、組成物の全重量の約0.001重量%から約10重量%の量のGap27ペプチド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のイソ型、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる請求項13の方法。
【請求項19】
該ギャップ結合阻害剤が、Gap27ペプチドを含む請求項18の方法。
【請求項20】
該1つ以上のギャップ結合阻害剤または該1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤の全量が、組成物の全量の約50重量%以内である請求項13の方法。
【請求項21】
化粧品組成物が、組成物の全重量の約50重量%以内の全量の1つ以上のギャップ結合阻害剤および1つ以上のコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)阻害剤の両者を含む請求項20の方法。
【請求項22】
化粧品組成物の全重量に基づいて約25重量%以内の1つ以上の麻酔剤、抗アレルギー剤、抗かび剤、抗菌剤、抗炎症剤、防腐剤、剥離剤、薬品、フィルム形成剤、サンスクリーン、皮膚浸透増強剤およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる化粧品上活性な成分をさらに含む請求項13の方法。

【公表番号】特表2008−525462(P2008−525462A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548396(P2007−548396)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/046190
【国際公開番号】WO2006/069072
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】