説明

すべり軸受部材

【課題】従来技術において材料の塑性変形を防止することが可能な、それぞれアルミニウム合金を基層とする軸受金属層及び中間層から成る結合材料を改良すること。
【解決手段】保護層と、アルミニウム合金を基層とする中間層と、アルミニウム合金を基層とする軸受金属層とを備えて成るすべり軸受部材において、前記中間層における前記アルミニウム合金を、重量%において少なくとも以下の組成:銅 3.5〜4.5重量%、マンガン 0.1〜1.5重量%、マグネシウム 0.1〜1.5重量%を含むよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護層と、アルミニウム合金を基層とする中間層と、アルミニウム合金を基層とする軸受金属層とを備えて成るすべり軸受部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような軸受部材は、多くの刊行物、例えば特許文献1〜3に開示されている。ベアリングシェルとして形成されたすべり軸受部材は鋼製の保護シェルを備えており、この保護シェル上にはフィルム状の軸受金属層又は負荷層が積層形成(ローラめっき)されている。通常高い割合ですずを含むアルミニウム合金を基層とする軸受金属層は十分な付着力で保護層に付着されないため、この軸受金属層は、まず、中間層と共にフィルム結合部材上に積層形成(ローラめっき)される。
【0003】
ここで、初めは、鋼製の保護層に対して非常に良好な付着性を有する純アルミニウム製の中間層が使用されていた。このようなフィルム結合部材は、複数回にわたる熱処理を伴うか又はこれを伴わないローラ工程において、その厚さを減少させつつ共に鋼製の保護層に貼着される。つづいて、このように加工された結合材料は、打抜き又は切削によってプレート状に加工され、そして、加工結果に応じて、曲げ加工又はローラ変形加工によってラジアル軸受に加工される。
【0004】
ところで、上述の刊行物は、アルミニウムを基層とする軸受金属層の鋼製の保護層への付着性を改善することが可能であるものの、純アルミニウム製の中間層の材料特性について、動作中の結合材料への付着性の耐久性が十分でないという事項に基づいている。
【0005】
そこで、特許文献1には、純アルミニウム製のフィルムの代わりに、硬化可能なアルミニウム合金を基層とする(場合によってはエマージェンシ特性を備えた)中間層を形成することが提案されている。このように形成された中間層の硬さは、約60HV0.5であり、約35〜40HV0.5である負荷層の硬さよりも硬いものとなっている。軸受金属層又は負荷層の方向へ向かって減少する硬さは、耐久性、すなわちすべり軸受の強度及び寿命において有効なものである必要がある。
【0006】
また、特許文献3においても同様の結果であり、ここでもすべり軸受層の硬さは中間層において金属保護層へ向かって大きく形成されており、この中間層の硬さは、25〜60HVとなっている。また、中間層の厚さは、軸受金属層と当該中間層の合計の50〜90%となっている。すなわち、中間層の厚さは軸受金属層の厚さと同様であるか、又はこれよりも大きく設定されている。さらに、この中間層はMn(マンガン),Cu(銅),Zn(亜鉛),Si(ケイ素),Mg(マグネシウム)及びFe(鉄)から選択される合金成分を0.3〜5.0重量%含むアルミニウム合金で形成されている。中間層の硬さの上限である60HVは、エッジ応力の調整、すなわちシャフトと軸受軸の間の不可避の誤差調整に必要な形状適応性により決定される。
【0007】
本発明者らは、従来の軸受においては、動作中に特有の高い負荷が中間層に生じると、中間層材料の軸方向への押しのけが生じるほどの大きな変形が中間層に生じることを突きとめた。すなわち、中間層がすべり軸受シェルの端面から所定量だけ軸方向へ突出することになる。このような現象が図2に示されており、従来技術に基づくこのすべり軸受シェルについては、主に負荷を受ける領域(例えば頂点の近傍)における軸方向の一部が示されている。
【0008】
このようなすべり軸受シェルは、その径方向外側において、鋼製の保護層20、その上にアルミニウムを基層とする中間層22及び更にその上に軸受金属層24を備えている。前記主に負荷を受ける領域において生じる特有の高い負荷により、中間層22は、軸方向(ローラめっきにおいてもほぼ同様)へ流出し始め、保護層20における軸方向の端面部26において軸受から押し出される。また、この中間層22と共に軸受金属層24の一部も軸受から押し出されてしまう。そして、軸受金属及び軸受金属層と保護層の間の結合部の損傷が防がれ、機能の喪失も防止される。
【0009】
ただし、端面部26の近傍には、保護層20と中間層の間の亀裂28が発生している。これにより、軸受金属層及び中間層における突出した材料に関連する動作の継続に際して、剥離が生じ、これに伴い軸受の全損が生じる危険性が高まってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0672840号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1522750号明細書
【特許文献3】米国特許第5,470,666号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題にかんがみてなされたもので、その目的とするところは、上述のような従来技術において材料の塑性変形を防止することが可能な、それぞれアルミニウム合金を基層とする軸受金属層及び中間層から成る結合材料を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、請求項1記載の発明の特徴により達成される。
【0013】
すなわち、上記目的は、保護層と、アルミニウム合金を基層とする中間層と、アルミニウム合金を基層とする軸受金属層とを備えて成る、特に軸受シェルとして形成されたすべり軸受部材において、前記中間層における前記アルミニウム合金を、重量%において少なくとも以下の組成:
銅 3.5〜4.5重量%
マンガン 0.1〜1.5重量%
マグネシウム 0.1〜1.5重量%
を含むよう構成することで達成される。
【0014】
このように、特に銅を多く含んでいるため、特に鋼から成る保護層との結合強度を失うことなく中間層の硬さを調整することが可能である。なお、このような調整は、積層形成時に、圧延前、圧延中及び圧延後の少なくともいずれかにおける熱処理によりなされる。
【0015】
また、最終的に圧延された中間層は、30〜250μmの厚さ(d2)を有し、軸受シェルの壁厚によっては50〜250μmの厚さを有するのが好ましい。また、この中間層は、特に80〜175μmの厚さを有するのが好ましく、さらに、150〜175μmの厚さを有するのが特に望ましい。
【0016】
本発明者らは、このような厚さ及び上記のような組成を有する中間層は、特に大きな硬さを有しているのが、可塑変形性及び十分な形状適合性を得るために適していることを突きとめた。他方、比較的厚い中間層において大きく調整された硬さとすることで、中間層を、可塑変形するにもかかわらず結合材料からはわずかに突出するにとどめることが可能である。
【0017】
そのため、中間層の(微小)硬さを、70〜110HV0.01とするのが好ましく、特に85〜100HV0.01とするのが望ましい。
【0018】
ビッカース式の硬さ試験は、欧州統一規格EN 6507−1に基づき、加工(変形)されたすべり軸受部材の中間層について行われた。このとき、圧子は、すべり軸受部材の試験片において中間層の平面方向に対して押し込まれる。なお、試験片は、準備に当たり特に研磨されている。
【0019】
ところで、中間層におけるアルミニウム合金が0.1〜1.0重量%のケイ素を含んでいるのが好ましい。これにより、アルミニウム合金の強度の向上を図ることが可能である。
【0020】
さらに、中間層におけるアルミニウム合金を、重量%において更に以下の組成:
鉄 0.05〜1.0重量%
クロム 0.05〜0.5重量%
亜鉛 0.05〜0.5重量%
を含むよう構成するのが好ましい。
【0021】
また、中間層におけるアルミニウム合金を、重量%において以下の組成:
マンガン 0.4〜1.0重量%
マグネシウム 0.4〜1.0重量%
ケイ素 0.2〜0.8重量%
を含むよう構成するのが特に好ましい。これらの合金要素により、材料の強度及び硬さの向上を図ることが可能である。
【0022】
また、中間層におけるアルミニウム合金を、それぞれ0.05〜0.25重量%のジルコニウム及びチタンを更に含むよう構成するのが好ましい。
【0023】
また、中間層におけるアルミニウム合金は、個々に0.1重量%を超え、全体として0.25重量%を超える他の金属成分を含まないよう構成されている。
【0024】
また、軸受金属層の厚さd3を、150〜400μmとするのが好ましく、特に200〜400μmとするのが望ましい。
【0025】
また、軸受金属層におけるアルミニウム合金を、1.0〜3.0重量%のニッケル、0.5〜2.5重量%のマンガン、0.02〜1.5重量%の銅、5〜20重量%の軟質層、通常許容される不純物及び残りを形成するアルミニウムを含むよう構成するのが好ましい。そして、軟質層は、8〜12重量%の比率となっている。例えば、AlSn11.5Ni1.5Cu0.6Mn0.6合金が軸受金属層に適している。
【0026】
なお、軟質層をすず及び/又はビスマスを含んで構成するのが望ましい。
【0027】
また、軸受金属層の硬さを50〜70HBW1/5/30のブリネル硬さ、特に50〜60HBW1/5/30のブリネル硬さとするのが好ましい。
【0028】
さらに、中間層と軸受金属層の間及び/又は中間層と保護層の間に円筒状積層結合部を形成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、中間層を、可塑変形するにもかかわらず結合材料からはわずかに突出するにとどめることが可能である。
【0030】
他の課題、特徴及び効果については、以下の図面に基づく説明において言及する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ベアリングシェルとして形成した本発明によるすべり軸受部材の実施形態を示す斜視図である。
【図2】従来技術におけるベアリングシェルの負荷領域における軸方向断面を示す図である。
【図3】負荷を受けた後の本発明によるベアリングシェルの負荷領域における軸方向断面を示す図である。
【図4】最初の使用時における、負荷を受けているベアリングシェルに沿った周方向の応力状態を示す図である。
【図5】可塑変形後の図4と同様な、負荷を受けているベアリングシェルに沿った周方向の応力状態を示す図である。
【図6】最初の使用時における、負荷を受けているベアリングシェルの最大応力領域近傍の軸方向の応力状態を示す図である。
【図7】可塑変形後の、負荷を受けているベアリングシェルの最大応力領域近傍の軸方向の応力状態を示す図である。
【図8】軸方向の最大応力領域近傍における本発明によるベアリングシェルの可塑変形性と中間層の材料、硬さ及び厚さとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0033】
図1には好ましくは鋼から成る保護層10を備えた、本発明によるベアリングシェルの基本構成が示されており、この保護層10のには、中間層12及び軸受金属層14がこの順に積層形成されている。また、軸受金属層14の内面にはすべり面16が形成されており、このすべり面16は、例えばシャフト(不図示)などの回転部材に直接接触し、すべり接触している。
【0034】
また、シャフトは、間接的にすべり面16に接し、径方向の圧力をすべり軸受部材に作用させるようになっている。通常、このすべり軸受部材はオイル潤滑されているため、シャフトの回転により、シャフトとすべり面16の間に流体力学的な圧力の下でオイルフィルムが形成される。そして、このオイルフィルムにより、シャフトとすべり面16の間の直接的な接触が防止されるようになっている。
【0035】
ところで、生産技術的な理由から、保護層10への積層前に、中間層12と軸受金属層14をあらかじめ積層形成しておくことが考えられる。そして、保護層10への積層後には、本発明によるすべり軸受部材の中間層12は50〜250μm、好ましくは150〜175μmの厚さd2を有しており、軸受金属層14は200〜400μm、好ましくは250〜350μmの厚さd3を有している。
【0036】
図3には、一般的な使用後の本発明によるすべり軸受部材における最大負荷を受ける外周領域の軸方向断面の一部が示されている。図2と比較すると、保護層30上に直接積層された中間層32及び該中間層32上に積層された軸受金属層34は、すべり軸受部材からわずかに押圧されるにとどまる。ここで、理想的には、保護層30と中間層32の間の円筒状積層結合部36及び中間層32と軸受金属層34の間の円筒状積層結合部38は、その状態が維持される。そのため、図2に示す従来の軸受に比して、各層が剥離したり、このような剥離に伴い軸受が全損したりする危険を軽減されることになる。
【0037】
図4には、新規な、すなわち可塑変形がなされていないラジアル軸受部材の周方向における第1回目の一般的な応力状態が矢印40で示されている。また、図6には、同様な軸受部材の軸方向部分、すなわち軸受幅にわたる同様な状態が最大負荷を受ける周囲領域において矢印60で示されている。図4においては、特徴的な最大応力が一点鎖線42で示されており、この応力は、比較的狭い角度範囲にわたって周方向に分散されている。
【0038】
一方、軸受幅方向60には、その軸方向両端部にそれぞれ最大応力が生じている(図6参照)。これはいわゆる「エッジ応力」として反映され、このエッジ応力(応力集中)は、回転部材(シャフト又はジャーナル)の負荷を受けることによるたわみ及び/又は負荷を受けることによる軸受ケーシングのたわみを引き起こすものとなる。そして、最大応力により代表される特有の高い負荷により、早い時期での材料の疲労や早い時期でのすべり軸受の全損につながってしまう。
【0039】
そこで、本発明においては、すべり軸受の負荷安定性を改良するために、特に中間層が、所定の動作開始段階後に最大応力が減少するよう十分な可塑変形性を有するよう形成されている。このような状態は図5及び図7に示されており、図5では、図4との比較から分かるとおり、動作開始段階後に、比較的長い外周領域にわたって応力が分散されているとともに、破線42で示す最大応力も減少している。これは、動作負荷下での中間層の変形性によりオイルフィルム圧力のある程度の分散がシャフトとすべり軸受部材の間の隙間においてなされることによるものである。なお、軸受幅方向におけるこのような効果は、図7に示されている。
【0040】
すなわち、軸受は、軸方向の両端部において、軸方向中央部に作用する応力の一部が分散されるほどに可塑変形するようになっている。また、応力最大点72,74は、応力最小点76における応力を増大させるために、なだらかとなっている。軸受に作用する負荷は全体としては同様であるものの、危険な最大応力を生じる点がなくなることから、非常に長期間の使用の後に初めて軸受部材の疲労が生じることになる。
【0041】
図8には本発明によるすべり軸受部材の可塑性すなわち変形性を従来のすべり軸受部材と比較しつつ軸受幅方向(半分のみ)に示した図であり、図示の曲線は、すべり軸受の中央部である0から軸方向端部の9まで示されている。太い直線Aは、硬さ60HV0.01を有するAlMn1Cu合金(EN AW−3003)から成る厚さ75μmの中間層を基層とする従来技術に基づく材料の可塑変形性を示している。このような中間層は、冒頭で述べたように、長時間の負荷の改良に必要な可塑変形性を有しているものの、このような中間層材料を使用する際には、図2を用いて説明した押圧を監視する必要がある。同様の材料を用いても、中間層の厚さの増大のみで、6.7近傍で最小値となる点線Bで示すように、可塑変形性が過大となってしまう。また、中間層の厚さの増大のみでは、中間層材料の複合材料からの押出しを防止することができない。
【0042】
最終的には、3.5〜4.5重量%の銅を含有し、積層形成後(場合によっては熱処理後)、70〜110HV0.01、好ましくは85〜100HV0.01の硬さを有するアルミニウム合金の使用により成功が達成された。このような中間層を有するすべり軸受において、この中間層の厚さを様々に変更して試験した結果、良好な可塑変形性を得るには、中間層の厚さを50〜250μmとするのが好適であることが判明した。特に、中間層の厚さを150μm(図8における線Cを参照)や200μm(同線Dを参照)とするのが好ましく、特に、中間層の厚さを150〜175μmとするのが望ましい(同線Eを参照)。
【符号の説明】
【0043】
10 保護層
12 中間層
14 軸受金属層
16 すべり面
20 保護層
22 中間層
24 軸受金属層
26 端面部
28 亀裂
30 保護層
32 中間層
34 軸受金属層
36,38 円筒状積層結合部
42 (最高点を通過する)破線
62,64 応力最大点
72,74 応力最大点
76 応力最小点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護層(10,20,30)と、
アルミニウム合金を基層とする中間層(12,22,32)と、
アルミニウム合金を基層とする軸受金属層(14,24,34)と
を備えて成るすべり軸受部材において、
前記中間層(12,22,32)における前記アルミニウム合金を、重量%において少なくとも以下の組成:
銅 3.5〜4.5重量%
マンガン 0.1〜1.5重量%
マグネシウム 0.1〜1.5重量%
を含むよう構成したことを特徴とするすべり軸受部材。
【請求項2】
前記中間層(12,22,32)の厚さ(d2)を30〜250μmとしたことを特徴とする請求項1記載のすべり軸受部材。
【請求項3】
前記中間層(12,22,32)の厚さ(d2)を80〜175μmとしたことを特徴とする請求項1記載のすべり軸受部材。
【請求項4】
前記中間層(12,22,32)の硬さを70〜110HV0.01としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項5】
前記中間層(12,22,32)における前記アルミニウム合金を、更に0.1〜1.0重量%のケイ素を含んで構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項6】
前記中間層(12,22,32)における前記アルミニウム合金を、重量%において更に以下の組成:
鉄 0.05〜1.0重量%
クロム 0.05〜0.5重量%
亜鉛 0.05〜0.5重量%
を含むよう構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項7】
前記中間層(12,22,32)における前記アルミニウム合金を、重量%において以下の組成:
マンガン 0.4〜1.0重量%
マグネシウム 0.4〜1.0重量%
ケイ素 0.2〜0.8重量%
を含むよう構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項8】
前記中間層(12,22,32)における前記アルミニウム合金を、それぞれ0.05〜0.25重量%のジルコニウム及びチタンを更に含むよう構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項9】
前記中間層(12,22,32)における前記アルミニウム合金を、個々に0.1重量%を超え、全体として0.25重量%を超える他の金属成分を含まないよう構成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項10】
前記軸受金属層(14,24,34)の厚さ(d3)を150〜400μmとしたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項11】
前記軸受金属層(14,24,34)における前記アルミニウム合金を、1.0〜3.0重量%のニッケル、0.5〜2.5重量%のマンガン、0.02〜1.5重量%の銅、5〜20重量%の軟質層、通常許容される不純物及び残りを形成するアルミニウムを含むよう構成したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項12】
前記軟質層を、すず及び/又はビスマスを含んで構成したことを特徴とする請求項11記載のすべり軸受部材。
【請求項13】
前記軟質層を8〜12重量%の比率としたことを特徴とする請求項11又は12記載のすべり軸受部材。
【請求項14】
前記軸受金属層の硬さを、50〜70HBW1/5/30のブリネル硬さとしたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項15】
前記中間層(12,22,32)と前記軸受金属層(14,24,34)の間に円筒状積層結合部を形成したことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項16】
前記中間層(12,22,32)と前記保護層(10,20,30)の間に円筒状積層結合部を形成したことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。
【請求項17】
当該すべり軸受部材をベアリングシェルとして形成したことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のすべり軸受部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−525494(P2012−525494A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507707(P2012−507707)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055530
【国際公開番号】WO2010/125026
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(501014452)フエデラル―モーグル・ウイースバーデン・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (21)
【Fターム(参考)】