説明

すべり軸受

【課題】異物排出性が良好なすべり軸受を提供する。
【解決手段】すべり軸受1は、一対の半割り軸受11、12の突き合わせ面11A、12Aを付き合わせて円筒状に形成されている。上記突き合わせ面11A、12Aの内周縁4に隣接する摺動面3には、すべり軸受1の軸方向に対して傾斜させた2本の異物排出溝5、5’が形成されている。摺動面3に潤滑油が供給された際に、該潤滑油に混入した異物6は上記異物排出溝5、5’によって捕捉され、その後、端面7、8に開口した端部5A、5B(5A’、5B’)からすべり軸受1の外部へ排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はすべり軸受に関し、より詳しくは、一対の半割り軸受を突き合わせて円筒状に構成されたすべり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の半割り軸受を突き合わせて円筒状に構成されるとともに、上記各半割り軸受の突き合わせ面の内周部に面取り部とクラッシリリーフを備えたすべり軸受は公知である(図7参照)。このような切欠き部としてのクラッシリリーフを備えたすべり軸受においては、図7に示すように、クランクシャフトの油穴から潤滑油が供給される際に、該潤滑油に混入する異物は上記クラッシリリーフで捕捉された後に該クラッシリリーフや上記面取り部の両側部の開口から外部へ排出されるようになっている。
そして、従来、潤滑油に混入される異物を捕捉して外部へ排出するために、摺動面の所要箇所に異物排出溝を形成したすべり軸受が提案されている(例えば特許文献1〜特許文献4)。
特許文献1のすべり軸受においては、下方側の半割り軸受の摺動面に周方向全域にわたって油溝を設けるとともに、該油溝から分岐させて半割り軸受の両軸方向端面に開口する一対の異物排出溝を形成している。
また、特許文献2のすべり軸受においては、複数の円弧状パッドによって回転軸を軸支するように構成されており、各円弧状パッドの摺動面に異物を捕捉するためのT字溝を形成し、かつ該T字溝における軸方向溝の底部にマグネットを設置している。そのマグネットによって軸方向溝内に異物を吸着して捕捉するようになっている。
また、特許文献3のすべり軸受においては、下方側の半割り軸受における突き合わせ面の近傍に、軸方向に沿って複数の直線状の異物排出溝を形成している。
さらに、特許文献4のすべり軸受においては、半割り軸受の突き合わせ面の内周縁に断面三角形の軸方向溝を設けるとともに、該軸方向溝に隣接させて摺動面の所定範囲に円周方向溝を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平02−116028号公報
【特許文献2】実開昭58−046805号公報
【特許文献3】特開平5−202936号公報
【特許文献4】特開2009−174697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1から特許文献4に開示されたすべり軸受は、それぞれ次のような問題があった。
つまり、特許文献1のすべり軸受においては、半割り軸受における摺動面の周方向全域に油溝が設けられて、そこから異物排出溝を分岐させているので、異物が油溝内を循環しやすくなり、異物排出溝によって異物を確実に捕捉するのが困難であり、異物が効率的に排出されにくいという欠点があった。
また、特許文献2のすべり軸受においては、上記各円弧状パッドにおける摺動面の中央にT字形溝が形成されているので、摺動面全体の面積が減少する結果となり、すべり軸受の負荷容量が低下するという問題がある。
また、特許文献3のすべり軸受においては、異物排出用の複数の軸方向溝は、荷重が掛かる下方側の半割り軸受のみに形成されているので、異物を効率的に排出しにくいという欠点があった。
さらに、特許文献4のすべり軸受は、上記円周方向溝で捕捉した異物を軸方向溝を経由して外部へ排出させているので、異物を効率的に排出しにくいという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、上方側の半割り軸受と下方側の半割り軸受の突き合わせ面を相互に突き合わせて円筒状に形成されて、上記両半割り軸受の内周面からなる摺動面によって回転軸を回転自在に軸支するようにしたすべり軸受において、
上記上方側の半割り軸受もしくは下方側の半割り軸受の少なくとも一方における上記突き合わせ面の内周縁に隣接する摺動面に、すべり軸受の軸方向に対して傾斜させて、かつ、軸方向の端面の少なくとも一方に端部が開口する異物排出溝を形成したものである。
【発明の効果】
【0006】
このような構成によれば、潤滑油中に含まれる異物は上記異物排出溝に捕捉され、その後、回転軸の回転に伴って傾斜した異物排出溝内を通ってすべり軸受の外部へ排出される。したがって、従来と比較して異物排出性が良好なすべり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施例を示すすべり軸受とクランクピンの断面図。
【図2】図1に示したすべり軸受における一側の要部を拡大した斜視図。
【図3】図1の要部に異物を含んだ潤滑油が供給された状態を示す模式図。
【図4】図2に示した異物排出溝の設置範囲を示す要部の正面図。
【図5】図2に示した異物排出溝の円周方向における設置範囲を示す図。
【図6】図4のVI―VI線に沿う要部の断面図。
【図7】従来のすべり軸受の要部を示す正面図。
【図8】本発明の第2実施例を示す要部の斜視図。
【図9】本発明の第3実施例を示す要部の斜視図。
【図10】本発明の第4実施例を示す要部の斜視図。
【図11】本発明の第5実施例を示す要部の斜視図。
【図12】本発明の第6実施例を示す要部の斜視図。
【図13】本発明の第7実施例を示す要部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図2において、1は図示しないコンロッドに設けられたすべり軸受である。このすべり軸受1は、半円筒状をした上下一対の半割り軸受11、12からなり、それら両半割り軸受11、12の突き合わせ面11A、12Aを相互に突き合わせることで、全体として円筒状に構成されている。このすべり軸受1は、両半割り軸受11、12の内周面である摺動面3によってクランクシャフトのクランクピン2(回転軸)を回転自在に軸支している。
図示しないオイルポンプからクランクシャフトに向けて潤滑油が吐出されると、該潤滑油はクランクシャフトに設けられた図示しない潤滑油通路とそれに接続されたクランクピン2の給油孔2A内に供給されるようになっている。そして、この給油孔2A内に供給された潤滑油は、クランクピン2が矢印方向(図1の時計方向)に回転されることに伴って両半割り軸受11、12の内周面である摺動面3に供給されるようになっている。それにより、すべり軸受1の摺動面3の潤滑が行なわれるようになっている。
【0009】
しかして、本実施例は、突き合わせ面11A、12Aの内周縁4とそこに隣接する摺動面3に異物排出溝5、5’を設けたものであり、潤滑油に混入された異物6を異物排出溝5、5’によって捕捉して摺動面3の外部へ排出できるようにしたものである。
すなわち、図2に示すように、すべり軸受1の一側である突合せ面11A、12Aの内周縁4に隣接する摺動面3には、2本の直線状の溝が相互に交差するように形成されている。そして、一方の直線状の溝によって第1の異物排出溝5が構成されており、他方の直線状の溝によって第2の異物排出溝5’が構成されている。
【0010】
両方の異物排出溝5、5’の幅と深さは同一に設定されており、それら両方の異物排出溝5、5’は、内周縁4における軸方向の中央部4Aで相互に交差するようにすべり軸受1の軸方向に対して傾斜させて配置されている。つまり、内周縁4を挟んだ上下の半割り軸受11、12の摺動面3にわたって、相互に交差するように2本の異物排出溝5、5’が形成されている。
第1の異物排出溝5における上記回転方向の上流側となる端部5Aは、上方側の半割り軸受11における軸方向の一方の端面8に開口しており、異物排出溝5における上記回転方向の下流側となる端部5Bは、下方側の半割り軸受12における軸方向の他方の端面7に開口している(図2、図4参照)。第2の異物排出溝5’における上記回転方向の上流側となる端部5A’は、上方側の半割り軸受11における端面7に開口し、異物排出溝5’における上記回転方向の下流側となる端部5B’は、下方側の半割り軸受12における端面8に開口している。
このように、異物排出溝5、5’は、内周縁4の軸方向の中央部4Aを通ってすべり軸受1における軸方向の端面7、8に端部5A、5B(5A’、5B’)が開口するように形成されている。両方の異物排出溝5、5’の幅Wと深さDは、予め想定した最大の異物6を収容して通過させることが可能な寸法に設定されている。図6に拡大して示すように、両方の異物排出溝5、5’の断面形状は、深さDよりも幅Wが少し大きな台形となっている。また、この図6に示すように、両異物排出溝5、5’は、底部から上端開口部にわたって徐々に拡開された台形状の断面をしているので、左右の側壁5C、5Cは、それらに隣接する摺動面3に対して傾斜した傾斜面となっている。
【0011】
また、図5に示すように、両方の異物排出溝5、5’を設ける円周方向の範囲βは、すべり軸受1にクラッシリリーフ(切欠き部)が設定されない場合は内周縁4の前後25°の範囲内に設定するのが好ましい。一方、すべり軸受1においてクラッシリリーフ(切欠き部)を設定する場合は、そのクラッシリリーフの領域A1、A2内に、上記異物排出溝5、5’が形成されるのが好ましい(図2参照)。
さらに、図4に示すように、すべり軸受1の軸方向に対して両方の異物排出溝5、5’が傾斜する傾斜角度はともに30°に設定されている。なお、この図4においては、突き合わせ面11A、12Aの内周縁4がすべり軸受1の軸方向と平行になっていることを前提として、内周縁4と異物排出溝5、5’とのなす角度として表示している。
また、すべり軸受1における内周縁4の軸方向の中央部4Aは、上記クランクピン2が回転される際における給油孔2Aの先端の移動軌跡上に位置している。そのため、上記クランクピン2が矢印方向に回転される際には、給油孔2Aを介して両異物排出溝5、5’の交点となる内周縁4の中央部4Aに潤滑油が直接供給されるようになっている。そして、供給された潤滑油の中に異物6が混入している際には、いずれかの異物排出溝5、5’によって捕捉されるようになっている(図3参照)。
【0012】
以上のように構成されたすべり軸受1においては、クランクピン2が図1の矢印方向に回転される際に、その給油孔2Aから上記異物排出溝5、5’内にも直接潤滑油が供給され、その後、潤滑油は各異物排出溝5、5’内を介して両方の端面7、8から外部へ排出される。
このように潤滑油が供給される際、図3に模式図で示すように、潤滑油中に異物6が含まれている場合には、該異物6は両異物排出溝5、5’の交点の箇所で捕捉されてからいずれかの異物排出溝5、5’内を通って端面7、8に開口した端部5A、5B(5A’、5B’)からすべり軸受1の外部へ排出される。この時、両方の異物排出溝5、5’は、すべり軸受1の軸方向に対して傾斜させて設けられているので、異物排出溝5、5’内において潤滑油の下方側への流れがその粘性によって生じている。そのため、クランクピン2の回転に伴って異物排出溝5、5’内の異物6は軸方向に対して傾斜された側壁5C、5Cに案内されて迅速、かつ効率的にすべり軸受1の外部へ排出される。
したがって、本実施例によれば、従来と比較して異物排出性が良好なすべり軸受1を提供することができる。
【0013】
次に、図8は本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は、上記第1実施例における一方の異物排出溝5’を省略して、他方の異物排出溝5のみを摺動面3に設けたものである。その他の構成は上記第1の実施例と同じであり、上記第1の実施例と対応する各部には同一の部材番号を付している。
このような第2実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0014】
次に、図9は本発明の第3実施例を示したものであり、この第3実施例は、上記第1実施例の異物排出溝5、5’における内周縁4よりも上方側となる摺動面3の溝を省略して、内周縁4よりも下方側となる直線状の溝を摺動面3に設けたものである。つまり、内周縁4の軸方向の中央部4Aから一方の端面7にわたって第1の異物排出溝5が形成されており、内周縁の軸方向の中央部4Aから他方の端面8にわたって第2の異物排出溝5’が形成されている。両方の異物排出溝5、5’の一端5A、5A’は内周縁4の軸方向の中央部4Aで相互に連通するとともに、第1の異物排出溝5の他端は下方側の半割り軸受12の端面7に開口し、第2の異物排出溝5’の他端は下方側の半割り軸受12の端面8に開口している。
その他の構成は上記第1の実施例と同じであり、上記第1の実施例と対応する各部には同一の部材番号を付している。このような第3実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0015】
次に、図10は本発明の第4実施例を示したものであり、この第4実施例は、上記図9の第3実施例における一方の異物排出溝5’を省略して、単一の異物排出溝5を下方側の半割り軸受12の摺動面3に設けたものである。つまり、この第4実施例においては、内周縁4の軸方向の中央部4Aから端面7にわたって異物排出溝5が形成される。その他の構成は上記第1の実施例と同じである。このような第4実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0016】
次に図11は本発明の第5実施例を示したものであり、この第5実施例は、図8に示す第2実施例において、内周縁4の中央部4Aにおける異物排出溝5の幅を端部5A、5Bよりも幅広にしたものである。より詳細には、中央部4Aにおける異物排出溝5の幅は、端部5A、5Bにおける異物排出溝5の幅の約1.5倍程度になっており、中央部4Aの位置から両方の端部5A、5Bにわたって異物排出溝5の幅が徐々に狭くなっている。なお、上記第1実施例からこの第5実施例においては、異物排出溝5(5’)の深さは全域にわたって同じ深さに設定されている。
その他の構成は、図8に示した第2実施例と同じである。このような第5実施例であっても、上述した各実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0017】
次に図12は本発明の第6実施例を示したものであり、この第6実施例は、図8に示す第2実施例において、内周縁4の中央部4Aにおける異物排出溝5の深さを端部5A、5Bよりも深くしたものである。より詳細には、中央部4Aにおける異物排出溝5の深さは、端部5A、5Bにおける異物排出溝5の深さの約1.5倍程度になっており、中央部4Aの位置から両方の端部5A、5Bにわたって異物排出溝5の深さが徐々に浅くなっている。なお、この第6実施例においては、異物排出溝5の幅は全域にわたって同じ幅に設定されている。
その他の構成は、図8に示した第2実施例と同じである。このような第6実施例であっても、上述した各実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、図示しないが、上述した第5実施例と第6実施例とを併せたもの、すなわち、図8に示す第2実施例において、内周縁4の中央部4Aにおける異物排出溝5の幅を端部5A、5Bよりも幅広にし、かつ、深さを端部5A、5Bよりも深くしたものとしてもよい。
【0018】
次に図13は本発明の第7実施例を示したものであり、この第7実施例は、上記図8の第2実施例において、直線状の異物排出溝5の代わりに曲線状の異物排出溝5を設け、かつ内周縁4の中央部4Aにおける異物排出溝5の幅を端部5A、5Bよりも幅広にしたものである。なお、この第7実施例においては、異物排出溝5の深さは全域において同じ深さに設定されている。
その他の構成は、図8に示した第2実施例と同じである。このような第7実施例であっても、上述した各実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0019】
なお、上述した各実施例においては、突き合わせ面11A、12Bの内周縁4に隣接する摺動面3にクラッシリリーフを備えていないすべり軸受1に異物排出溝5(5’)を設けた場合について説明しているが、突き合わせ面11A、12Bの内周縁4に隣接する摺動面3にクラッシリリーフを備えているすべり軸受1に、上述した各実施例で示した異物排出溝5(5’)を設けても良いことは勿論である。
また、上記各実施例においては、突き合わせ面11A、12Bの内周縁4の面取り部については特に言及していないが、突き合わせ面11A、12Bの内周縁4に面取り部が形成されているか否かに拘わらず、すべり軸受1の摺動面3に上述した本実施例の異物排出溝5、5’を形成することができる。
なお、内周縁4に面取り部を形成する場合は、異物排出溝5(5’)によって異物の排出路が十分に確保されるので、すべり軸受1の面取り量を最小限にすることがエンジンの油圧確保の観点から好ましいと考えられる。
さらに、上述した各実施例は、図1における一側(右側)の内周縁4の箇所に異物排出溝5(5’)を設ける場合を説明しているが、図1における他側(左側)の内周縁4にも上述した各実施例と同様の異物排出溝5(5’)を設けても良いことは勿論である。但し、その場合は回転軸の回転方向に対して上述の図1における一側(右側)と同様の設定となるように、他側(左側)の異物排出溝5(5’)を設定することが肝要である。
【符号の説明】
【0020】
1‥すべり軸受 2‥クランクピン(回転軸)
3‥摺動面 4‥内周縁
5、5’‥異物排出溝 6‥異物
7、8‥端面 11‥半割り軸受
11A‥突き合わせ面 12‥半割り軸受
12A‥突き合わせ面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方側の半割り軸受と下方側の半割り軸受の突き合わせ面を相互に突き合わせて円筒状に形成されて、上記両半割り軸受の内周面からなる摺動面によって回転軸を回転自在に軸支するようにしたすべり軸受において、
上記上方側の半割り軸受もしくは下方側の半割り軸受の少なくとも一方における上記突き合わせ面の内周縁に隣接する摺動面に、すべり軸受の軸方向に対して傾斜させて、かつ、軸方向の端面の少なくとも一方に端部が開口する異物排出溝を形成したことを特徴とするすべり軸受。
【請求項2】
上記異物排出溝は、直線状の第1の異物排出溝とこれに交差する直線状の第2の異物排出溝とからなり、上記第1の異物排出溝は、上記内周縁の軸方向の中央部と交差し、かつ、すべり軸受の軸方向の一方の端面と他方の端面に両端が開口するように設けられており、上記第2の異物排出溝は、上記内周縁の軸方向中央部において上記第1の異物排出溝と交差し、かつ、すべり軸受の軸方向の一方の端面と他方の端面に両端が開口するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項3】
上記異物排出溝は、上記内周縁の軸方向の中央部と交差し、かつ、すべり軸受の軸方向の一方の端面と他方の端面に両端が開口するように設けられた直線状の溝からなることを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項4】
上記異物排出溝は、回転軸の回転方向下流側の半割り軸受に形成された第1の異物排出溝と第2の異物排出溝とからなり、上記第1の異物排出溝は、一方の端部が上記内周縁の軸方向の中央部に接続され、他方の端部が軸方向の一方の端面に開口する直線状の溝からなり、上記第2の異物排出溝は、一方の端部が上記内周縁の軸方向中央部に接続され、他方の端部が軸方向の他方の端面に開口する直線状の溝からなり、かつ第1の異物排出溝と第2の異物排出溝とが互いに連通していることを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項5】
上記異物排出溝は、回転軸の回転方向下流側の半割り軸受に形成された直線状の溝からなり、上記異物排出溝は、一方の端部が上記内周縁の軸方向の中央部に接続され、他方の端部が軸方向の一方の端面に開口することを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項6】
上記異物排出溝における内周縁の中央部における溝の幅は、上記両端面に開口した端部における溝の幅よりも幅が広くなっていることを特徴とする請求項3に記載のすべり軸受。
【請求項7】
上記異物排出溝における内周縁の中央部における溝の深さは、上記両端面に開口した端部の溝の深さよりも深くなっていることを特徴とする請求項3または請求項6に記載のすべり軸受。
【請求項8】
上記異物排出溝は、上記内周縁の軸方向の中央部と交差し、かつ、軸方向の一方の端面と他方の端面に両端が開口するように設けられた曲線状の溝からなることを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項9】
上記内周縁に隣接する摺動面には、切欠き部からなるクラッシリリーフが形成されており、上記異物排出溝は、上記クラッシリリーフが形成された領域内に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のすべり軸受。
【請求項10】
上記異物排出溝は、上記内周縁に隣接する摺動面に円周方向の25°の範囲内に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のすべり軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−94746(P2011−94746A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250984(P2009−250984)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000207791)大豊工業株式会社 (152)
【Fターム(参考)】