せん断補強筋と配筋構造
【課題】配筋作業が簡単で、鉄筋量が削減でき、地震時の履歴エネルギー吸収性能が従来の配筋構造と同等なせん断補強筋とせん断補強筋の構造を提供する。
【解決手段】並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、第一と第二のせん断補強筋を組み合わせる。第一のせん断補強筋Aは、鋼棒の一端に主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部2を有し、他端側には、主筋または配力筋に十分係止できる面積を有するプレートを固定してある。第二のせん断補強筋BはU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えている。
【解決手段】並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、第一と第二のせん断補強筋を組み合わせる。第一のせん断補強筋Aは、鋼棒の一端に主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部2を有し、他端側には、主筋または配力筋に十分係止できる面積を有するプレートを固定してある。第二のせん断補強筋BはU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、せん断補強筋と、そのせん断補強筋を使用した配筋構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
阪神大震災以降、コンクリート標準指方書などの諸指針が改定され、横方向鉄筋や中間帯鉄筋の構造細目では、鋭角フックか半円形フックを用いることが標準とされている。
また、直角に形成したフックを使用することも考えられる。
さらにナットのような機械継手を用いる方法、あるいは部材の中間をラップさせて定着する方法も考えられる。
また鉄道のボックスカルバートトンネルの壁部材では、数本の主鉄筋を囲い込んだコ字形状の「せん断補強筋」とフック側の定着、拘束効果を補完するためのコ字形状「かぶせ鉄筋」との組み合わせが多く用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した従来のせん断補強筋にあっては、次のような問題点がある。
1) 既に組立てられた縦、横鉄筋に対し、両端に鋭角曲げ加工を施したせん断補強鉄筋や中間帯鉄筋を、係合することは困難である。なぜなら狭い範囲に多数本の鉄筋が複雑に配置してあるのだから、その間隔をぬって鈎状に形成した鋭角のフックを挿入すると、周囲の鉄筋にひっかかりやすく、作業がきわめて煩雑になるからである。
2) また、直角に形成したフックであると、将来、もし被りコンクリートが剥離した場合に、長い範囲の鉄筋が露出してしまい、靭性が低下する可能性が高い。
3) またナットのような機械継手を用いたものは、継手ごとに特殊な加工が必要となるから非常に高価なものとなる。
4) 部材の中間をラップさせ、ラップ部分を結束して定着する方法にあっては、鉄筋量が増加するだけでなく、鉄筋を相互に拘束する結束作業量も増加して施工性に劣り、不経済なものである。
5) 図5に示す鉄道のボックスカルバートトンネルの壁部材のように、主鉄筋Xを囲い込んだコ字形状の「せん断補強筋」Yと、フック側の定着、拘束効果を補完するためのコ字形状「かぶせ鉄筋」Zとの組み合わせの場合には、せん断補強筋とかぶせ鉄筋のフックとフックが反対方向に絡みあうために、鉄筋の配筋作業が煩雑であり、鉄筋量が増加するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記のような課題を解決するために、本発明のせん断補強筋は並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなるせん断補強筋を特徴とするものである。
【0005】
さらに本発明のせん断補強筋の配筋構造は、並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなり、第一のせん断補強筋は、そのフック部を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状し、そのプレートを二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、第二のせん断補強筋は、そのU字状の底部を、前記した、第一のせん断補強筋のフック部を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈する、せん断補強筋の配筋構造を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のせん断補強筋は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1> 多数本の鉄筋が輻輳している構造物であっても、容易に配筋することができる。
<2> 従来の同等の構造物と比較して、鉄筋量を大幅に減少させることができる。
<3> 従来の配筋の構造と同等の地震時の履歴エネルギー吸収性能を確保することができる。
<4> 小さい面積のプレートで鉄筋に係合するから、迅速に係合することができ施工性に優れている。従来のせん断補強筋のようにフックが両側に形成してあると、狭い空間に挿入する場合に周囲の鉄筋に引っ掛かりやすく、配筋することが困難である。
<5> 以上の効果によって、工期を短縮することができ、鉄筋量を減らすことと相まってきわめて経済的な施工が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0008】
<1>二種類のせん断補強筋。
本発明のせん断補強筋は、二種類の形状のせん断補強筋から構成する。
すなわち、第一のせん断補強筋Aと、第二のせん断補強筋Bである。
【0009】
<2>第一のせん断補強筋A。
本発明の第一のせん断補強筋Aは、鋼棒の一端に形成したフック部と、他端に固定したプレートとによって構成する。
【0010】
<3>フック部。
鋼棒1は、その一端側をU字状に形成したフック部2を有している。
鋼棒1の長さは、係合対象の二本の主筋C間の所定の間隔よりやや長く形成する。
鋼棒1の径は現場で曲げ加工する必要がないため太径のものであってもよい。
なお、主筋Cのほかに配力筋を対象とする場合もあり、以下の実施の形態においても同様である。
【0011】
<4>プレート。
プレート3は、補強筋としての所定の強度を確保できるだけの板厚と、主筋C、配力筋に十分に掛止できるだけの面積を有する板である。
その形状は角形、円形、楕円形などの種々の形状を採用できる。
鋼棒1の端とプレート3との取り付けは、通常の溶接、回転摩擦圧接、加圧圧接、フラッシュ圧接など公知の固定方法を利用できる。
例えば摩擦圧接部は鉄筋母材と同等の引張強度を具備している。
鋼棒1とプレート3の取り付け位置は、プレート3の中心に取り付けることも可能であるが、中心から外れた位置に取り付けることもできる。
プレート3が主筋Cに係合した場合に、鋼棒1がプレート3の中心から外れた位置に取り付けてあると、プレート3はその中心の位置で主筋Cや配力筋に係止することができる。
【0012】
<5>第一のせん断補強筋Aの取り付け。
本発明の第一のせん断補強筋Aを主筋Cや配力筋への取り付ける順序は次の通りである。
1)補強筋の鋼棒1を持ってフック部2を主筋Cに掛止する。
2)鋼棒1を持っている手を離す。
3)するとプレート3の重量で補強筋は振り子のように弧を描いて回転し、係合すべき他の主筋Cの外側へ滑りこみ、そのまま係合する。これで取り付け作業は完了する。
【0013】
<6>第二のせん断補強筋B。
第二のせん断補強筋Bは、鋼棒1を二本の並行する鋼棒1間を、底部4の鋼棒を介して連結して「U字」状に形成したものである。
並行する二本の鋼棒1の長さは、前記した第一のせん断補強筋Aの鋼棒1の長さより短く構成する。
さらにU字状を呈する二本の鋼棒1の自由端には、各々フック部2を形成する。
このフックの方向は、次のような構成が可能である。
【0014】
<7>フック部の方向。
第二のせん断補強筋Bの鋼棒1の線端に形成した両側のフック部2は、相互に向き合う方向、すなわち相互に相対向する方向に向けて形成することができる。
すなわち、一方のフック部2が内側へ向けたJ字状であると、他方のフック部2が内側へ向けてかつJ字を裏返しに描いた形状である。(図)
あるいは両側のフック部2を外側へ向けて、相反する方向に形成することができる。
すなわち、一方のフック部2が外側へ向けたJ字状であると、他方のフック部2が外側へ向け、かつJ字を裏返しに描いた形状である。(図)
あるいは両側のフック部2を同一の方向に向けて形成することができる。
すなわち、一方のフック部2が外側へ向けたJ字状であると、他方のフック部2が内側へ向けたJ字状である形状である。(図)
【0015】
<8>配筋構造。
並行した二本の主筋Cまたは配力筋がすでに組み立てられている状態において、上記の第一のせん断補強筋Aと、第二のせん断補強筋Bを後から挿入して組み合わせた配筋構造について説明する。
前記したように、第一のせん断補強筋Aは、一端側には主筋Cの一方に係止するためのフック部2を有し、他端側には、主筋Cに十分係止できる面積を有するプレート3を固定した形状を呈する。
一方、第二のせん断補強筋Bは、U字状を呈する鋼棒1の自由端にフック部2を備えた形状を呈する。
この第一のせん断補強筋Aのフック部2を、並行した二本の主筋Cの内の1本に係合する。この場合の係合の方法は、前記したようにまず1本の主筋Cにフック部2を係合し、その後に手を離せばプレート3が簡単に他の主筋Cに係合する。
こうして、第一のせん断補強筋Aはそのフック部2とプレート3を二本の主筋C又は配力筋に係合する。
こうしてまず第一のせん断補強筋Aを、二本の主筋Cに取り付けた後に、第二のせん断補強筋Bを、そのU字状の底部4を、第一のせん断補強筋Aのフック部2を係合した主筋Cに係合する。
こうして二種類のせん断補強筋を組み合わせた配筋構造が完成する。
【0016】
<9>他の配筋構造との比較。
上記した構成の配筋構造は、偶然に選択した構造ではなく、通常の設計の段階で当業者なら誰でも選択する程度の構造ではない。
なぜなら、上記の配筋構造によって始めて、せん断補強筋の取り付け作業がきわめて簡単であり、鉄筋量を減らすことができて、他の配筋構造と比較して耐力や靭性率、主筋Cおよびコアコンクリートの拘束効果、履歴エネルギー吸収性能が確保できるという効果が達成できるからである。
そこで他の配筋構造と比較して、本発明の配筋構造の優れた効果を説明する。
【0017】
<10>比較例。
比較例として図5に示すような、鉄道構造物で従来から広く利用されている配筋例(鉄道標準配筋)を選定して本発明の配筋構造と比較する。
すなわち、本発明に記載した第二のせん断補強筋によって、複数本の主鉄筋を上からと下から取り囲んだ構成である。
実験では図5に示す「鉄道標準配筋」のコンクリート壁体と、図4に示す本発明の配筋のコンクリート壁体を製造した。
この壁体(高さ200cm、幅106cm、奥行き60cm)をコンクリートの床に一体に構築して、高さ170cmの位置において水平方向から交番荷重を載荷した。
水平加力載荷パターンは図8に示す通りであり、降伏変位±δy手前までは荷重制御、その後は変位制御とした。
水平加力はフック側先行引張を正とし、パターンは±δyの整数倍変位で3回づつ繰り返して行った。
降伏変位±δyは、引張側鉄筋のひずみの平均が降伏値に達した時点お降伏変位とした。
その結果、次の結論が得られた。
【0018】
<11>比較の結論。
1) 載荷初期から部材が終局に至るまでの個々の事象の発生時期や程度などには若干の差はあるものの、バラツキの範囲にあると思われる。すなわち総じて部材の耐力や変形性能については有意義の差は認められなかった。(図6.7)
2) 各ケースともに終局時の部材の靭性率は約8程度、部材の変形角では約1/30程度と優れた変形性能を有していた。また実験で得られた部材の非線形特性(M−θ関係など)は「鉄道構造物設計標準・耐震設計」による計算値とよく整合していた。
3) 各供試体の変形角で無次元化して求めた単位変形角あたりの履歴吸収エネルギーを比較しても、各ケース間では有意義の差は認められなかった。(図9)
4) 以上の結果により、せん断補強筋の定着性能、主鉄筋の座屈抑止効果、およびコアコンクリートに対する拘束効果などを含む総合的な耐震性能について、本発明のせん断補強筋は、従来の構造の一例としての鉄道標準配筋と比較して、同等の性能を備えていることが実験によって確認された。
【0019】
<12>他の組み合わせ例。
以上の実験の第一、第二のせん断補強筋の組み合わせは図4に示すものであった。
前記したように第二のせん断補強筋のフック部の向きは三種類の形状が考えられる。(図10のa、b、c)
一方、第一のせん断補強筋を2本組み合わせた場合にはそのフック部の向きも三種類の生み合わせが考えられる。(図10のp、q、r)
図4の組み合わせは、第二のせん断補強筋の(a)と、第一のせん断補強筋の(p)とを組み合わせたものであった。
したがって、第一と第二のせん断補強筋の組み合わせは、9種類の構造を考えることができる。
【0020】
<13>第一せん断補強筋の他の実施例。
以上の実施例の第一せん断補強筋は、鋼棒の一端にはフック、他端にはプレートを有する構成であった。
しかし図11に示すように、鋼棒の両側にプレート3を有する第一のせん断補強筋Aを使用することもできる。
すなわち、第一のせん断補強筋Aは、鋼棒1の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に十分係止できる面積を有するプレート3を有し、前記の鋼棒1の他端にもまた、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレート3を有する構成である。
一方、第二のせん断補強筋Bは、底部4の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部2を備えた構成である。
この第一と第二のせん断補強筋A、Bとを組み合わせて、第一のせん断補強筋Aは、その一方のプレート3を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状し、他のプレート3を二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、第二のせん断補強筋Bは、そのU字状の底部4を、前記した、第一のせん断補強筋Aのプレート3を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈するせん断補強筋の配筋構造を採用することもできる。
上記のような、鋼棒の両側にプレート3を有する第一のせん断補強筋Aと、第二のせん断補強筋Bとの組み合わせは、図12に示すように(a、b、c)と(s)とを組み合わせた3種類の構成が考えらえる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一のせん断補強筋の実施例の説明図
【図2】第二のせん断補強筋の実施例の説明図
【図3】両せん断補強筋を組み合わせた状態の実施例の説明図
【図4】本発明の配筋構造の実施例の説明図
【図5】比較の配筋構造の実施例の説明図
【図6】本発明の配筋構造の荷重と水平変位を示す図
【図7】従来の配筋構造の荷重と水平変位を示す図
【図8】水平加力載荷パターンを示す図
【図9】単位変位角当たりの履歴エネルギー吸収性能を比較した図
【図10】第一と第二のせん断補強筋の組み合わせの説明図
【図11】第一のせん断補強筋の他の実施例の説明図
【図12】他の実施例のせん断補強筋の組み合わせの説明図
【符号の説明】
【0022】
A:第一のせん断補強筋。
B:第二のせん断補強筋
1:鋼棒
2:フック部
3:プレート
4:底部
【技術分野】
【0001】
本発明は、せん断補強筋と、そのせん断補強筋を使用した配筋構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
阪神大震災以降、コンクリート標準指方書などの諸指針が改定され、横方向鉄筋や中間帯鉄筋の構造細目では、鋭角フックか半円形フックを用いることが標準とされている。
また、直角に形成したフックを使用することも考えられる。
さらにナットのような機械継手を用いる方法、あるいは部材の中間をラップさせて定着する方法も考えられる。
また鉄道のボックスカルバートトンネルの壁部材では、数本の主鉄筋を囲い込んだコ字形状の「せん断補強筋」とフック側の定着、拘束効果を補完するためのコ字形状「かぶせ鉄筋」との組み合わせが多く用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した従来のせん断補強筋にあっては、次のような問題点がある。
1) 既に組立てられた縦、横鉄筋に対し、両端に鋭角曲げ加工を施したせん断補強鉄筋や中間帯鉄筋を、係合することは困難である。なぜなら狭い範囲に多数本の鉄筋が複雑に配置してあるのだから、その間隔をぬって鈎状に形成した鋭角のフックを挿入すると、周囲の鉄筋にひっかかりやすく、作業がきわめて煩雑になるからである。
2) また、直角に形成したフックであると、将来、もし被りコンクリートが剥離した場合に、長い範囲の鉄筋が露出してしまい、靭性が低下する可能性が高い。
3) またナットのような機械継手を用いたものは、継手ごとに特殊な加工が必要となるから非常に高価なものとなる。
4) 部材の中間をラップさせ、ラップ部分を結束して定着する方法にあっては、鉄筋量が増加するだけでなく、鉄筋を相互に拘束する結束作業量も増加して施工性に劣り、不経済なものである。
5) 図5に示す鉄道のボックスカルバートトンネルの壁部材のように、主鉄筋Xを囲い込んだコ字形状の「せん断補強筋」Yと、フック側の定着、拘束効果を補完するためのコ字形状「かぶせ鉄筋」Zとの組み合わせの場合には、せん断補強筋とかぶせ鉄筋のフックとフックが反対方向に絡みあうために、鉄筋の配筋作業が煩雑であり、鉄筋量が増加するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記のような課題を解決するために、本発明のせん断補強筋は並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなるせん断補強筋を特徴とするものである。
【0005】
さらに本発明のせん断補強筋の配筋構造は、並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなり、第一のせん断補強筋は、そのフック部を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状し、そのプレートを二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、第二のせん断補強筋は、そのU字状の底部を、前記した、第一のせん断補強筋のフック部を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈する、せん断補強筋の配筋構造を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のせん断補強筋は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1> 多数本の鉄筋が輻輳している構造物であっても、容易に配筋することができる。
<2> 従来の同等の構造物と比較して、鉄筋量を大幅に減少させることができる。
<3> 従来の配筋の構造と同等の地震時の履歴エネルギー吸収性能を確保することができる。
<4> 小さい面積のプレートで鉄筋に係合するから、迅速に係合することができ施工性に優れている。従来のせん断補強筋のようにフックが両側に形成してあると、狭い空間に挿入する場合に周囲の鉄筋に引っ掛かりやすく、配筋することが困難である。
<5> 以上の効果によって、工期を短縮することができ、鉄筋量を減らすことと相まってきわめて経済的な施工が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0008】
<1>二種類のせん断補強筋。
本発明のせん断補強筋は、二種類の形状のせん断補強筋から構成する。
すなわち、第一のせん断補強筋Aと、第二のせん断補強筋Bである。
【0009】
<2>第一のせん断補強筋A。
本発明の第一のせん断補強筋Aは、鋼棒の一端に形成したフック部と、他端に固定したプレートとによって構成する。
【0010】
<3>フック部。
鋼棒1は、その一端側をU字状に形成したフック部2を有している。
鋼棒1の長さは、係合対象の二本の主筋C間の所定の間隔よりやや長く形成する。
鋼棒1の径は現場で曲げ加工する必要がないため太径のものであってもよい。
なお、主筋Cのほかに配力筋を対象とする場合もあり、以下の実施の形態においても同様である。
【0011】
<4>プレート。
プレート3は、補強筋としての所定の強度を確保できるだけの板厚と、主筋C、配力筋に十分に掛止できるだけの面積を有する板である。
その形状は角形、円形、楕円形などの種々の形状を採用できる。
鋼棒1の端とプレート3との取り付けは、通常の溶接、回転摩擦圧接、加圧圧接、フラッシュ圧接など公知の固定方法を利用できる。
例えば摩擦圧接部は鉄筋母材と同等の引張強度を具備している。
鋼棒1とプレート3の取り付け位置は、プレート3の中心に取り付けることも可能であるが、中心から外れた位置に取り付けることもできる。
プレート3が主筋Cに係合した場合に、鋼棒1がプレート3の中心から外れた位置に取り付けてあると、プレート3はその中心の位置で主筋Cや配力筋に係止することができる。
【0012】
<5>第一のせん断補強筋Aの取り付け。
本発明の第一のせん断補強筋Aを主筋Cや配力筋への取り付ける順序は次の通りである。
1)補強筋の鋼棒1を持ってフック部2を主筋Cに掛止する。
2)鋼棒1を持っている手を離す。
3)するとプレート3の重量で補強筋は振り子のように弧を描いて回転し、係合すべき他の主筋Cの外側へ滑りこみ、そのまま係合する。これで取り付け作業は完了する。
【0013】
<6>第二のせん断補強筋B。
第二のせん断補強筋Bは、鋼棒1を二本の並行する鋼棒1間を、底部4の鋼棒を介して連結して「U字」状に形成したものである。
並行する二本の鋼棒1の長さは、前記した第一のせん断補強筋Aの鋼棒1の長さより短く構成する。
さらにU字状を呈する二本の鋼棒1の自由端には、各々フック部2を形成する。
このフックの方向は、次のような構成が可能である。
【0014】
<7>フック部の方向。
第二のせん断補強筋Bの鋼棒1の線端に形成した両側のフック部2は、相互に向き合う方向、すなわち相互に相対向する方向に向けて形成することができる。
すなわち、一方のフック部2が内側へ向けたJ字状であると、他方のフック部2が内側へ向けてかつJ字を裏返しに描いた形状である。(図)
あるいは両側のフック部2を外側へ向けて、相反する方向に形成することができる。
すなわち、一方のフック部2が外側へ向けたJ字状であると、他方のフック部2が外側へ向け、かつJ字を裏返しに描いた形状である。(図)
あるいは両側のフック部2を同一の方向に向けて形成することができる。
すなわち、一方のフック部2が外側へ向けたJ字状であると、他方のフック部2が内側へ向けたJ字状である形状である。(図)
【0015】
<8>配筋構造。
並行した二本の主筋Cまたは配力筋がすでに組み立てられている状態において、上記の第一のせん断補強筋Aと、第二のせん断補強筋Bを後から挿入して組み合わせた配筋構造について説明する。
前記したように、第一のせん断補強筋Aは、一端側には主筋Cの一方に係止するためのフック部2を有し、他端側には、主筋Cに十分係止できる面積を有するプレート3を固定した形状を呈する。
一方、第二のせん断補強筋Bは、U字状を呈する鋼棒1の自由端にフック部2を備えた形状を呈する。
この第一のせん断補強筋Aのフック部2を、並行した二本の主筋Cの内の1本に係合する。この場合の係合の方法は、前記したようにまず1本の主筋Cにフック部2を係合し、その後に手を離せばプレート3が簡単に他の主筋Cに係合する。
こうして、第一のせん断補強筋Aはそのフック部2とプレート3を二本の主筋C又は配力筋に係合する。
こうしてまず第一のせん断補強筋Aを、二本の主筋Cに取り付けた後に、第二のせん断補強筋Bを、そのU字状の底部4を、第一のせん断補強筋Aのフック部2を係合した主筋Cに係合する。
こうして二種類のせん断補強筋を組み合わせた配筋構造が完成する。
【0016】
<9>他の配筋構造との比較。
上記した構成の配筋構造は、偶然に選択した構造ではなく、通常の設計の段階で当業者なら誰でも選択する程度の構造ではない。
なぜなら、上記の配筋構造によって始めて、せん断補強筋の取り付け作業がきわめて簡単であり、鉄筋量を減らすことができて、他の配筋構造と比較して耐力や靭性率、主筋Cおよびコアコンクリートの拘束効果、履歴エネルギー吸収性能が確保できるという効果が達成できるからである。
そこで他の配筋構造と比較して、本発明の配筋構造の優れた効果を説明する。
【0017】
<10>比較例。
比較例として図5に示すような、鉄道構造物で従来から広く利用されている配筋例(鉄道標準配筋)を選定して本発明の配筋構造と比較する。
すなわち、本発明に記載した第二のせん断補強筋によって、複数本の主鉄筋を上からと下から取り囲んだ構成である。
実験では図5に示す「鉄道標準配筋」のコンクリート壁体と、図4に示す本発明の配筋のコンクリート壁体を製造した。
この壁体(高さ200cm、幅106cm、奥行き60cm)をコンクリートの床に一体に構築して、高さ170cmの位置において水平方向から交番荷重を載荷した。
水平加力載荷パターンは図8に示す通りであり、降伏変位±δy手前までは荷重制御、その後は変位制御とした。
水平加力はフック側先行引張を正とし、パターンは±δyの整数倍変位で3回づつ繰り返して行った。
降伏変位±δyは、引張側鉄筋のひずみの平均が降伏値に達した時点お降伏変位とした。
その結果、次の結論が得られた。
【0018】
<11>比較の結論。
1) 載荷初期から部材が終局に至るまでの個々の事象の発生時期や程度などには若干の差はあるものの、バラツキの範囲にあると思われる。すなわち総じて部材の耐力や変形性能については有意義の差は認められなかった。(図6.7)
2) 各ケースともに終局時の部材の靭性率は約8程度、部材の変形角では約1/30程度と優れた変形性能を有していた。また実験で得られた部材の非線形特性(M−θ関係など)は「鉄道構造物設計標準・耐震設計」による計算値とよく整合していた。
3) 各供試体の変形角で無次元化して求めた単位変形角あたりの履歴吸収エネルギーを比較しても、各ケース間では有意義の差は認められなかった。(図9)
4) 以上の結果により、せん断補強筋の定着性能、主鉄筋の座屈抑止効果、およびコアコンクリートに対する拘束効果などを含む総合的な耐震性能について、本発明のせん断補強筋は、従来の構造の一例としての鉄道標準配筋と比較して、同等の性能を備えていることが実験によって確認された。
【0019】
<12>他の組み合わせ例。
以上の実験の第一、第二のせん断補強筋の組み合わせは図4に示すものであった。
前記したように第二のせん断補強筋のフック部の向きは三種類の形状が考えられる。(図10のa、b、c)
一方、第一のせん断補強筋を2本組み合わせた場合にはそのフック部の向きも三種類の生み合わせが考えられる。(図10のp、q、r)
図4の組み合わせは、第二のせん断補強筋の(a)と、第一のせん断補強筋の(p)とを組み合わせたものであった。
したがって、第一と第二のせん断補強筋の組み合わせは、9種類の構造を考えることができる。
【0020】
<13>第一せん断補強筋の他の実施例。
以上の実施例の第一せん断補強筋は、鋼棒の一端にはフック、他端にはプレートを有する構成であった。
しかし図11に示すように、鋼棒の両側にプレート3を有する第一のせん断補強筋Aを使用することもできる。
すなわち、第一のせん断補強筋Aは、鋼棒1の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に十分係止できる面積を有するプレート3を有し、前記の鋼棒1の他端にもまた、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレート3を有する構成である。
一方、第二のせん断補強筋Bは、底部4の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部2を備えた構成である。
この第一と第二のせん断補強筋A、Bとを組み合わせて、第一のせん断補強筋Aは、その一方のプレート3を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状し、他のプレート3を二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、第二のせん断補強筋Bは、そのU字状の底部4を、前記した、第一のせん断補強筋Aのプレート3を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈するせん断補強筋の配筋構造を採用することもできる。
上記のような、鋼棒の両側にプレート3を有する第一のせん断補強筋Aと、第二のせん断補強筋Bとの組み合わせは、図12に示すように(a、b、c)と(s)とを組み合わせた3種類の構成が考えらえる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一のせん断補強筋の実施例の説明図
【図2】第二のせん断補強筋の実施例の説明図
【図3】両せん断補強筋を組み合わせた状態の実施例の説明図
【図4】本発明の配筋構造の実施例の説明図
【図5】比較の配筋構造の実施例の説明図
【図6】本発明の配筋構造の荷重と水平変位を示す図
【図7】従来の配筋構造の荷重と水平変位を示す図
【図8】水平加力載荷パターンを示す図
【図9】単位変位角当たりの履歴エネルギー吸収性能を比較した図
【図10】第一と第二のせん断補強筋の組み合わせの説明図
【図11】第一のせん断補強筋の他の実施例の説明図
【図12】他の実施例のせん断補強筋の組み合わせの説明図
【符号の説明】
【0022】
A:第一のせん断補強筋。
B:第二のせん断補強筋
1:鋼棒
2:フック部
3:プレート
4:底部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、
鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、
前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、
底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなる、
せん断補強筋。
【請求項2】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
内側へ向けて相対向する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項3】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
外側へ向けて相反する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項4】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
一方は内側へ、他方は外側へ、同一の方向に向けて形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項5】
並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、
鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、
前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、
底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなり、
第一のせん断補強筋は、そのフック部を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状し、そのプレートを二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、
第二のせん断補強筋は、そのU字状の底部を、前記した、第一のせん断補強筋のフック部を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈する、
せん断補強筋の配筋構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、
鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、
前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、
底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなり、
第一のせん断補強筋は、そのフック部を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状を呈し、そのプレートを二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、
第二のせん断補強筋は、そのU字状の底部を、前記した、第一のせん断補強筋のフック部を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈する、
せん断補強筋の配筋構造。
【請求項2】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
内側へ向けて相対向する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項3】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
外側へ向けて相反する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項4】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
一方は内側へ、他方は外側へ、同一の方向に向けて形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項1】
並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、
鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、
前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、
底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなる、
せん断補強筋。
【請求項2】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
内側へ向けて相対向する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項3】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
外側へ向けて相反する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項4】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
一方は内側へ、他方は外側へ、同一の方向に向けて形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項5】
並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、
鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、
前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、
底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなり、
第一のせん断補強筋は、そのフック部を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状し、そのプレートを二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、
第二のせん断補強筋は、そのU字状の底部を、前記した、第一のせん断補強筋のフック部を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈する、
せん断補強筋の配筋構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並行した二本の主筋または配力筋間を連結するせん断補強筋であって、
鋼棒の一端には、前記の主筋または配力筋の一方に係止するためのフック部を有し、
前記の鋼棒の他端には、前記の主筋または配力筋の他方に十分係止できる面積を有するプレートを有する第一のせん断補強筋と、
底部の両側を折り曲げてU字状を呈する鋼棒の自由端にフック部を備えた第二のせん断補強筋とを組み合わせてなり、
第一のせん断補強筋は、そのフック部を、並行した二本の主筋または配力筋の内の1本に係合した形状を呈し、そのプレートを二本の主筋又は配力筋の内の他の1本に係合した形状を呈し、
第二のせん断補強筋は、そのU字状の底部を、前記した、第一のせん断補強筋のフック部を係合した主筋または配力筋に係合した形状を呈する、
せん断補強筋の配筋構造。
【請求項2】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
内側へ向けて相対向する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項3】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
外側へ向けて相反する方向に形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【請求項4】
第二のせん断補強筋の二本の側部の端部に備えたフック部は、
一方は内側へ、他方は外側へ、同一の方向に向けて形成してある、
請求項1記載のせん断補強筋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−9317(P2006−9317A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185427(P2004−185427)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【特許番号】特許第3692461号(P3692461)
【特許公報発行日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【特許番号】特許第3692461号(P3692461)
【特許公報発行日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】
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