のりばり袋用糊塗布装置
【課題】袋底部の寸法変更に短時間で対応可能で、コストが低廉で済み、不良品の発生数が減少して生産効率が向上するのりばり袋用糊塗布装置の提供。
【解決手段】糊貼袋となる筒体を閉鎖予定端部を開いた状態で、筒体の幅方向と平行に搬送する袋搬送装置と、ノズルの先端を閉鎖予定端部に向けて配置され、ノズルへの糊供給路を開閉するバルブを有する多数の糊吐出ガン2と、筒体が糊吐出ガン2の設置領域に達したことを検出する袋検出装置と、袋検出装置及び糊吐出ガン2に接続された制御装置を備え、糊吐出ガン2は、閉鎖予定端部の中心線cの両側に、搬送方向の一側において中心線cに接近すると共に、他側に向かって次第に中心線cから遠ざかる2列に配置され、制御装置は、袋検出装置からの検出信号を受けて糊吐出ガン2を作動させると共に、閉鎖予定端部の寸法に応じて設定されているタイミングで必要な糊吐出ガン2のバルブを開く。
【解決手段】糊貼袋となる筒体を閉鎖予定端部を開いた状態で、筒体の幅方向と平行に搬送する袋搬送装置と、ノズルの先端を閉鎖予定端部に向けて配置され、ノズルへの糊供給路を開閉するバルブを有する多数の糊吐出ガン2と、筒体が糊吐出ガン2の設置領域に達したことを検出する袋検出装置と、袋検出装置及び糊吐出ガン2に接続された制御装置を備え、糊吐出ガン2は、閉鎖予定端部の中心線cの両側に、搬送方向の一側において中心線cに接近すると共に、他側に向かって次第に中心線cから遠ざかる2列に配置され、制御装置は、袋検出装置からの検出信号を受けて糊吐出ガン2を作動させると共に、閉鎖予定端部の寸法に応じて設定されているタイミングで必要な糊吐出ガン2のバルブを開く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糊吐出ガンを備えたのりばり袋用糊塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糊貼袋は、袋の両端に形成された開口部の一方又は両方を接着剤で底閉じして形成されている。
糊貼袋(片底袋及び両底袋)の糊付けには、従来、糊付けパッドを交換可能に取り付けた糊付けローラを有する糊付け装置が用いられていた(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の糊付け装置で糊付けを行なうには、袋幅及び底幅のサイズに合った糊付けパッドを糊付けローラに取り付けて、糊付けパッドを送袋速度と等速で回転させ、糊タンク内の糊を中継ぎローラを介して糊付けパッドに付着させ、底折ドラムで送られる袋の底部に糊付けパッドを押しつけて、糊付けパッドに付着した糊を糊付けパッドの形どおりに袋へ転写していた。
【0003】
しかし、糊付けパッドを用いる糊付け装置は、次のような欠点があった。
1.袋のサイズが変わるたびに糊付けパッドを取りかえる必要があり、交換に要する手間と時間が無駄であった。
2.袋サイズに合わせて多種類の糊付けパッドを用意しなければならず、糊付けパッドの保管場所や管理の手間も必要で経費増大の要因となっていた。
3.袋は通常多層袋であって厚みに凹凸があるため、糊の塗布厚にむらができやすい。
4.製袋速度が高速の場合は、糊飛びが生じたり、糊付けローラと袋とのタイミングがずれることにより、また、低速の場合には糊垂れにより、糊が底折りローラや袋の糊付け部分以外の場所に付着して、不良品増加等のトラブルの原因となっていた。
5.糊付け作業が終わると糊が固化するため、作業終了後に糊付けパッド、中継ローラ、その他の周辺部品を洗浄する必要があり、コストアップにつながっていた。
【0004】
また、従来、糊材噴射ノズルを用いて袋に糊材を塗布する製袋方法も知られている(特許文献2参照)。
しかし、この方法は、袋内部に口元補強紙を張り付けるための糊材を塗付する方法であって、袋底を閉じるための糊を塗布する方法ではなく、袋幅及び底幅に合わせて袋底部の適正な位置に糊を塗布することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−91009号公報
【特許文献2】特開2004−249484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、糊付けパッドとその保管場所及び管理の手間が不要であり、袋幅及び底幅の変更に短時間で対応可能で、コストが低廉で済み、不良品の発生数が減少して生産効率が向上するのりばり袋用糊塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明ののりばり袋用糊塗布装置は、糊貼袋となる筒体を、その閉鎖予定端部を開いた状態で、且つ、前記筒体の幅方向と平行に搬送する袋搬送装置と、それぞれノズルの先端を前記閉鎖予定端部に向けて配置されると共に、前記ノズルへの糊供給路を開閉するバルブを有する多数の糊吐出ガンと、前記筒体が前記糊吐出ガンの設置領域に達したことを検出する袋検出装置と、該袋検出装置及び糊吐出ガンに接続された制御装置とを備え、前記多数の糊吐出ガンは、前記筒体の搬送方向に沿う前記閉鎖予定端部の中心線を挟んで、且つ、搬送方向の一側において前記閉鎖予定端部の中心線に接近すると共に、他側に向かって次第に前記閉鎖予定端部の中心線から遠ざかる2列に配置され、前記制御装置は、前記袋検出装置からの検出信号を受けて前記糊吐出ガンを作動させると共に、前記閉鎖予定端部の寸法に応じて予め設定されているタイミングで必要な糊吐出ガンのバルブを開く。
内部へ給排水可能で、前記糊吐出ガンの列に対応した2列のパイプの周面に前記糊吐出ガンのノズル先端部をそれぞれ抜挿可能な多数の孔を形成して成る洗浄装置を、前記糊吐出ガンの設置位置と前記糊吐出ガンから退避した位置との間を移動可能に設けるとよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、袋の底部寸法に合わせた糊付けパッドが不要なので、袋の種類が変わるたびに糊付けパッドを交換する必要がなく、このため、袋寸法の変更に短時間で対応可能であり、交換の手間も省けるだけでなく、糊付けパッドの保管場所も不要となり、底貼りに要するコストを削減できる。
また、袋搬送速度の影響を受けにくく、糊飛び、糊垂れ等による不良品の発生や周辺装置の汚れを防止できるので、生産効率が向上する。
請求項2に係る発明によれば、糊塗布作業が終了した後に、糊吐出ガンのノズル先端部を自動的に洗浄できるので、洗浄に要する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例を示すのりばり袋用糊塗布装置の側面図である。
【図2】本発明の実施例に係るのりばり袋用糊塗布装置において、各装置の関係を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るガン支持枠及び糊吐出ガンの平面図である。
【図4】本発明の実施例に係るガン支持枠及び糊吐出ガンの正面図である。
【図5】本発明の実施例を示すのりばり袋用糊塗布装置の糊塗布作業終了時における平面図である。
【図6】本発明の実施例を示すのりばり袋用糊塗布装置のノズル洗浄時における正面図である。
【図7】本発明の実施例に係る糊吐出ガンの斜視図である。
【図8】本発明の実施例に係る糊吐出ガン及び押えプレートの側面図である。
【図9】本発明の実施例に係るバックアッププレート、筒体、糊吐出ガン及び押えプレートの断面図である。
【図10】糊貼り袋を示し、(イ)は片底袋、(ロ)は両底袋の平面図である。
【図11】糊塗布具体例であって、(イ)は閉鎖予定端部の糊塗布パターンを示し、(ロ)はバルブの開閉タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明ののりばり袋用糊塗布装置は、糊貼袋を自動製造する製袋機の底糊付け部に設置され、図1及び図2に示すように、糊貼袋となる適宜長さの扁平な筒体aを、その閉鎖予定端部を開いた状態で、筒体aの幅方向と平行に搬送する袋搬送装置1と、袋搬送装置1の側方に配置され、閉鎖予定端部に向かって糊を吐出する多数の糊吐出ガン2と、袋搬送装置1で搬送される筒体aが糊吐出ガン2の設置領域に達したことを検出する袋検出装置3と、袋検出装置3及び糊吐出ガン2に接続された制御装置4と、制御装置4に糊塗布設定条件を入力するための入力装置40とを備える。
【0011】
なお、片底袋を製造する製袋機では、図10の(イ)に示すように筒体aの一端部に底部bが形成されるため、底部bとなる閉鎖予定端部に糊を吐出する糊吐出ガン2が袋搬送装置1の一側に設置される。これに対して、両底袋を製造する製袋機では、図10の(ロ)に示すように、筒体aの一端部に底部bが、他端部に口部b’がそれぞれ形成されるため、底部b及び口部b’となる閉鎖予定端部に糊を吐出する糊吐出ガン2が袋搬送装置1の両側に設置されている。
また、袋搬送装置1で搬送される筒体aには、前工程において両側部が内側へ折り込まれて襞が形成され、図11の(イ)に示すように、筒体aの閉鎖予定端部が搬送方向へ沿う中心線c(底開き線)から展開されて、中心線cの両側に内側フラップd及び外側フラップeが形成されている。
【0012】
袋搬送装置1は、水平に倒した筒体aを上下から挟んで移送する送袋ベルトより成り、筒体aの底部b或いは口部b’となる閉鎖予定端部は袋搬送装置1の外側に起立した状態で搬送される。
また、袋搬送装置1には、袋搬送装置1の搬送速度を検出する速度検出装置6が取り付けられる。速度検出装置6は制御装置4に接続され、速度検出装置6が検出した搬送速度が制御装置4に送られて数値化される(図2)。
【0013】
各糊吐出ガン2は、図7に示すように、先端が袋搬送装置1で搬送される筒体aの閉鎖予定端部に向くノズル9、及び、ノズル9への糊供給路を開閉するバルブ10を有する。糊吐出ガン2は信号線5を介して制御装置4に接続され、糊吐出ガン2の糊吐出動作、糊吐出圧、及びバルブ10の開閉は制御装置4によって制御される。
また、これら糊吐出ガン2は、図1、図3及び図4に示すように、ガン支持枠11に取り付けられ、袋搬送装置1で搬送される閉鎖予定端部の中心線cの両側に2列に配置される。糊吐出ガン2の列は、搬送方向の一側(図に示す例では、搬送方向の下流側)において中心線cに接近すると共に、他側(搬送方向の上流側)に向かって次第に中心線cから遠ざかるよう略ハ字状に傾斜している。
【0014】
本実施例では、各列に24個の糊吐出ガン2を並べてあり、最も搬送方向下流側の接近した糊吐出ガン2間の距離は約101mmである。また、糊吐出ガン2の上下の列は、それぞれ中心線cに対して取付角度14度で傾斜し、最も搬送方向上流側の離間した糊吐出ガン2間の距離が約430mmとなっている。
なお、糊吐出ガン2の上下列の取付角度は、充填物の種類、糊貼袋の寸法、品質要求精度等に応じて適宜調節することができる。
【0015】
図2及び図7に示すように、各糊吐出ガン2の糊供給路は、糊供給パイプ7及び圧送ポンプ12を介して糊タンク13に接続されている。
また、圧送ポンプ12は電空変換装置8を介して制御装置4に接続され、制御装置4は、速度検出装置6が検出した袋搬送装置1の搬送速度を数値化して電気信号として電空変換装置8へ送る。
電空変換装置8の出力は搬送速度に比例するため、電空変換装置8の出力によって制御される圧送ポンプ12の回転数も搬送速度と比例し、この結果、圧送ポンプ12による糊吐出ガン2への糊供給量は搬送速度に応じて増減されるため、搬送速度に関係なく糊吐出ガン2の糊吐出量を一定化できる。
【0016】
なお、通常、袋搬送装置1の搬送速度及び圧送ポンプ12による糊供給量は、のりばり袋用糊塗布装置の運転開始時点から次第に増大し、一定時間が経過した後は一定速度及び一定量で推移し、運転を停止する際に次第に減少する。
また、電空変換装置8には抵抗値を変更操作するための操作部80が設けられ、操作部80を操作して抵抗値を変え、電空変換装置8の出力を変更することにより、糊吐出ガン2の糊吐出量を増減することもできる。
【0017】
図3及び図4に示すように、ガン支持枠11の上端部にはスライダ14が装着され、このスライダ14が、筒体aと平行で、袋搬送装置1の搬送方向と直交するガイド軸15に沿って摺動するようになっている。
また、ガン支持枠11の下端部は、ガン支持枠11を袋搬送装置1に接離させるガン移動シリンダ16に接続されている。
従って、ガン移動シリンダ16が作動すると、糊吐出ガン2のノズル9の先端は、袋搬送装置1で搬送される筒体aの閉鎖予定端部に接離する。なお、ガン移動シリンダ16の作動も制御装置4によって制御される。
【0018】
図9に示すように、袋搬送装置1の外側には、閉鎖予定端部の内側フラップd及び外側フラップeを介して、糊吐出ガン2のノズル9の先端を受けるバックアッププレート17が設置される。
また、図8に示すように、2列の糊吐出ガン2の間には、閉鎖予定端部を外側から押圧する押えプレートが着脱可能に設置されている。押えプレート18の上下端縁は、略ハ字状に並んだ糊吐出ガン2のノズル9の位置を避けるように階段状に形成されている。
このようにバックアッププレート17でノズル9の先端を受けることによって閉鎖予定端部に確実に糊が塗布され、押えプレート18で閉鎖予定端部を押圧することにより、凹凸があっても均一に糊を塗布することができる。
【0019】
図1及び図5に示すように、糊吐出ガン2のノズル9の先端が最も袋搬送装置1から遠ざかった位置よりもやや内側に、ノズル9の先端部を洗浄する洗浄装置19が設けられる。
洗浄装置19は、糊吐出ガン2の列に対応して、搬送方向の一側において中心線cに接近すると共に、他側に向かって次第に中心線cから遠ざかるよう傾斜した2列のパイプ20の内部に、それぞれブラシロール21を設置して成り、洗浄装置支持枠26に取り付けられる。
上列のパイプ20の上端部には給水口22が設けられ、下列のパイプ20の下端部には排水口23が設けられ、上列のパイプ20の下端部と下列のパイプ20の上端部とは連通されており、給水口22及び排水口23を介してパイプ20の内部に給排水できるようになっている。
【0020】
なお、排水口23から排水された水は図示しないタンクに集められ、数回繰り返し使用された後、いったん浄水装置に回収され、浄化してから再度給水口22へ供給されるようになっている。
また、パイプ20の周面(袋搬送装置1と逆側の周面)には、各糊吐出ガン2のノズル9の先端を抜挿可能な孔24が形成されている。
さらに、洗浄装置支持枠26の上部にモータ25が設置され、モータ25の出力軸が上列のブラシロール21の上端部に接続されている。また、モータ25の出力軸の端部には上スプロケット28が装着されると共に、下列のブラシロール21の下端部に下スプロケット29が設けられ、上スプロケット28と下スプロケット29とがローラチェーン30によって接続されている。従って、モータ25を作動させると、上下のブラシロール21が回転する。
【0021】
洗浄装置支持枠26には洗浄装置移動シリンダ27が接続され、洗浄装置移動シリンダ27を作動させると、洗浄装置19が、袋搬送装置1の搬送方向と平行に、糊吐出ガン2の設置位置と糊吐出ガン2から搬送方向一側(本実施例では搬送方向上流側)へ退避した位置との間を移動するようになっている。
従って、糊吐出ガン2のノズル9の先端が最も後退するまで、ガン支持枠11を袋搬送装置1から遠ざけた後、退避位置にある洗浄装置支持枠26を搬送方向下流側へ移動させて、洗浄装置19を糊吐出ガン2の内側に一致させ、その後、ガン支持枠11を袋搬送装置1に僅かに接近させる。
すると、図6に示すように、糊吐出ガン2のノズル9の先端が孔24を通してパイプ20の内部へ挿入される。この状態で、パイプ20の内部に高圧で給水し、ブラシロール21を回転させると、ノズル9の先端部がきれいに洗浄される。
一方、洗浄が終了したら、糊吐出ガン2をいったん僅かに後退させてノズル9をパイプ20の孔24から抜き、次いで、洗浄装置19を搬送方向上流側へ移動させると、再度、糊吐出ガン2を袋搬送装置1へ接近させることができる。
【0022】
本実施例ののりばり袋用糊塗布装置は次のように作動する。
糊貼袋の各部の寸法は製品規格表によって決まっており、糊貼袋の各部の寸法によって、閉鎖予定端部の糊塗布パターンも規定されている。
例えば、図11の(イ)に示す閉鎖予定端部では、外側フラップeには、折り返し線fの外側に、中心線cと平行に3列の糊塗布部gが形成され、内側フラップdには、折り返し線f’の外側に、中心線cと平行な1列の糊塗布部gと、その内側の2列の両側部に糊塗布部gが形成される。
【0023】
この糊塗布パターンに応じて、入力装置40を用いて制御装置4へ、糊塗布に必要な糊吐出ガン2と、そのノズル9を開くタイミングを入力する。また、制御装置4には、糊吐出ガン2の吐出動作(ガン打ち)のタイミングを入力し、吐出時間の長さ及び吐出間隔を調整する。
図11の(イ)に示すように糊塗布部gを形成するには、上列において、中心線cからy1、y2、y3の距離にある3個の糊吐出ガン2、及び、下列において、中心線cからY’1、Y’2、Y’3の距離にある3個の糊吐出ガン2が必要である。
【0024】
そして、図11の(ロ)に示すように、上列の最も下方のy1に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次x1で閉じ、x2で開き、x3で閉じ、x4で開き、x5で閉じる。
また、上列のy2に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次x21で閉じ、x22で開き、x23で閉じ、x24で開き、x25で閉じる。
上列の最も上方のy3に位置する糊吐出ガン2のバルブ10は、袋検出時点sから順次x31で閉じ、x33で開き、x34で閉じる。
【0025】
下列の最も上方のY’1に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次X’1で閉じ、X’2で開き、X’3で閉じる。
また、下列のY’2に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次X’21で閉じ、X’22で開き、X’23で閉じる。
さらに、下列の最も下方のY’3に位置する糊吐出ガン2のバルブ10は、袋検出時点sから順次X’31で閉じ、X’32で開き、X’33で閉じる。
【0026】
糊塗布作業を開始する前に、制御装置4は、糊吐出ガン2を袋搬送装置1に接近させ、圧送ポンプ12で糊タンク13内の糊を糊吐出ガン2に供給しておく。
袋搬送装置1で搬送される筒体aが糊吐出ガン2の設置位置へ達したことを袋検出装置3が検出すると、制御装置4は、袋検出装置3からの検出信号を受けて、設定されている通りに糊吐出ガン2の作動を開始する。
全ての糊吐出ガン2は予め設定されているタイミングで吐出動作を行なうが、設定されている糊吐出ガン2のバルブ10のみが設定されているタイミングで開く。従って、バルブ10が開いている糊吐出ガン2のみが実際に閉鎖予定端部に向かって糊を吐出し、閉鎖予定端部に設定されたパターン通りに糊塗布部gが形成される。
【0027】
この時、筒体aの閉鎖予定端部は、図9に示すように、内側からバックアッププレート17で支持されると共に、外側から押えプレート18で押えられ、起立した状態で確実に搬送される。
また、押えプレート18で押えたことにより、糊吐出ガン2のノズル9の先端と閉鎖予定端部との間に僅かに隙間が形成され、しかも、多層紙を素材とする凹凸のある閉鎖予定端部であっても平らになるので、糊を均一に安定して塗布することができる。
【0028】
なお、制御装置4に入力した設定は、試験的に閉鎖予定端部へ糊を塗布した結果によって適宜修正する。そして、修正後に、決定した設定を番号とともに制御装置4に記憶させておき、次に同じ製品へ糊付けする際には、設定しなおすことなく、番号を入力するだけで、記憶されている設定通りに糊付けを行なうことができる。
また、糊吐出ガン2による糊吐出量が少ない場合は、ノズル9を口径の大きいものと交換し、糊吐出量が多い場合は、ノズル9を口径の小さいものと交換する。
さらに、糊塗布作業中は、袋搬送装置1の搬送速度に応じて糊吐出ガン2への糊供給量を増減することにより、糊吐出ガン2の糊吐出圧力を制御することもできる。
このように、ノズル9の口径及び糊吐出ガン2の吐出圧力を変えることにより、糊の品質や室温に応じて糊塗布量を調整できる。
【0029】
糊塗布作業が終了したら、洗浄モードに切り替え操作することにより、制御装置4がガン移動シリンダ16を作動させ、糊吐出ガン2を袋搬送装置1から遠ざける。
次に、制御装置4は洗浄装置移動シリンダ27を作動させ、洗浄装置19を移動させて、パイプ20の孔24を糊吐出ガン2のノズル9先端の内側に一致させる。
その後、制御装置4は、糊吐出ガン2を少し内側に移動させて、ノズル9の先端部を孔24からパイプ20の内部へ差し込み、次いで、パイプ20内へ給水してブラシロール21を回転させる。
ノズル9の洗浄が終了したら、制御装置4は、パイプ20内の汚れた水を排水させ、糊吐出ガン2を少し外側に移動させてノズル9の先端部を孔24から引き抜き、さらに、洗浄装置19を糊吐出ガン2の移動経路から退避した位置に復帰させる。
【0030】
なお、上記実施例では、ブラシロール21を用いてノズル9の先端部を洗浄しているが、澱粉糊のように水に溶解しやすい糊を塗付した糊吐出ガン2のノズル9は、ブラシロール21を用いずに水あるいは温水で洗浄するだけでよい。
また、糊吐出ガン2の上下列の取付角度を変更した場合は、その取付角度に合った洗浄装置19のパイプ20及び押えプレート18と交換する。
【符号の説明】
【0031】
a 筒体
b 底部
c 中心線
d 内側フラップ
e 外側フラップ
f,f’ 折り返し線
g 糊塗布部
1 袋搬送装置
2 糊吐出ガン
3 袋検出装置
4 制御装置
5 信号線
6 速度検出装置
7 糊供給パイプ
8 電空変換装置
9 ノズル
10 バルブ
11 ガン支持枠
12 圧送ポンプ
13 糊タンク
14 スライダ
15 ガイド軸
16 ガン移動シリンダ
17 バックアッププレート
18 押えプレート
19 洗浄装置
20 パイプ
21 ブラシロール
22 給水口
23 排水口
24 孔
25 モータ
26 洗浄装置支持枠
27 洗浄装置移動シリンダ
28 上スプロケット
29 下スプロケット
30 ローラチェーン
40 入力装置
80 操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、糊吐出ガンを備えたのりばり袋用糊塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糊貼袋は、袋の両端に形成された開口部の一方又は両方を接着剤で底閉じして形成されている。
糊貼袋(片底袋及び両底袋)の糊付けには、従来、糊付けパッドを交換可能に取り付けた糊付けローラを有する糊付け装置が用いられていた(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の糊付け装置で糊付けを行なうには、袋幅及び底幅のサイズに合った糊付けパッドを糊付けローラに取り付けて、糊付けパッドを送袋速度と等速で回転させ、糊タンク内の糊を中継ぎローラを介して糊付けパッドに付着させ、底折ドラムで送られる袋の底部に糊付けパッドを押しつけて、糊付けパッドに付着した糊を糊付けパッドの形どおりに袋へ転写していた。
【0003】
しかし、糊付けパッドを用いる糊付け装置は、次のような欠点があった。
1.袋のサイズが変わるたびに糊付けパッドを取りかえる必要があり、交換に要する手間と時間が無駄であった。
2.袋サイズに合わせて多種類の糊付けパッドを用意しなければならず、糊付けパッドの保管場所や管理の手間も必要で経費増大の要因となっていた。
3.袋は通常多層袋であって厚みに凹凸があるため、糊の塗布厚にむらができやすい。
4.製袋速度が高速の場合は、糊飛びが生じたり、糊付けローラと袋とのタイミングがずれることにより、また、低速の場合には糊垂れにより、糊が底折りローラや袋の糊付け部分以外の場所に付着して、不良品増加等のトラブルの原因となっていた。
5.糊付け作業が終わると糊が固化するため、作業終了後に糊付けパッド、中継ローラ、その他の周辺部品を洗浄する必要があり、コストアップにつながっていた。
【0004】
また、従来、糊材噴射ノズルを用いて袋に糊材を塗布する製袋方法も知られている(特許文献2参照)。
しかし、この方法は、袋内部に口元補強紙を張り付けるための糊材を塗付する方法であって、袋底を閉じるための糊を塗布する方法ではなく、袋幅及び底幅に合わせて袋底部の適正な位置に糊を塗布することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−91009号公報
【特許文献2】特開2004−249484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、糊付けパッドとその保管場所及び管理の手間が不要であり、袋幅及び底幅の変更に短時間で対応可能で、コストが低廉で済み、不良品の発生数が減少して生産効率が向上するのりばり袋用糊塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明ののりばり袋用糊塗布装置は、糊貼袋となる筒体を、その閉鎖予定端部を開いた状態で、且つ、前記筒体の幅方向と平行に搬送する袋搬送装置と、それぞれノズルの先端を前記閉鎖予定端部に向けて配置されると共に、前記ノズルへの糊供給路を開閉するバルブを有する多数の糊吐出ガンと、前記筒体が前記糊吐出ガンの設置領域に達したことを検出する袋検出装置と、該袋検出装置及び糊吐出ガンに接続された制御装置とを備え、前記多数の糊吐出ガンは、前記筒体の搬送方向に沿う前記閉鎖予定端部の中心線を挟んで、且つ、搬送方向の一側において前記閉鎖予定端部の中心線に接近すると共に、他側に向かって次第に前記閉鎖予定端部の中心線から遠ざかる2列に配置され、前記制御装置は、前記袋検出装置からの検出信号を受けて前記糊吐出ガンを作動させると共に、前記閉鎖予定端部の寸法に応じて予め設定されているタイミングで必要な糊吐出ガンのバルブを開く。
内部へ給排水可能で、前記糊吐出ガンの列に対応した2列のパイプの周面に前記糊吐出ガンのノズル先端部をそれぞれ抜挿可能な多数の孔を形成して成る洗浄装置を、前記糊吐出ガンの設置位置と前記糊吐出ガンから退避した位置との間を移動可能に設けるとよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、袋の底部寸法に合わせた糊付けパッドが不要なので、袋の種類が変わるたびに糊付けパッドを交換する必要がなく、このため、袋寸法の変更に短時間で対応可能であり、交換の手間も省けるだけでなく、糊付けパッドの保管場所も不要となり、底貼りに要するコストを削減できる。
また、袋搬送速度の影響を受けにくく、糊飛び、糊垂れ等による不良品の発生や周辺装置の汚れを防止できるので、生産効率が向上する。
請求項2に係る発明によれば、糊塗布作業が終了した後に、糊吐出ガンのノズル先端部を自動的に洗浄できるので、洗浄に要する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例を示すのりばり袋用糊塗布装置の側面図である。
【図2】本発明の実施例に係るのりばり袋用糊塗布装置において、各装置の関係を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るガン支持枠及び糊吐出ガンの平面図である。
【図4】本発明の実施例に係るガン支持枠及び糊吐出ガンの正面図である。
【図5】本発明の実施例を示すのりばり袋用糊塗布装置の糊塗布作業終了時における平面図である。
【図6】本発明の実施例を示すのりばり袋用糊塗布装置のノズル洗浄時における正面図である。
【図7】本発明の実施例に係る糊吐出ガンの斜視図である。
【図8】本発明の実施例に係る糊吐出ガン及び押えプレートの側面図である。
【図9】本発明の実施例に係るバックアッププレート、筒体、糊吐出ガン及び押えプレートの断面図である。
【図10】糊貼り袋を示し、(イ)は片底袋、(ロ)は両底袋の平面図である。
【図11】糊塗布具体例であって、(イ)は閉鎖予定端部の糊塗布パターンを示し、(ロ)はバルブの開閉タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明ののりばり袋用糊塗布装置は、糊貼袋を自動製造する製袋機の底糊付け部に設置され、図1及び図2に示すように、糊貼袋となる適宜長さの扁平な筒体aを、その閉鎖予定端部を開いた状態で、筒体aの幅方向と平行に搬送する袋搬送装置1と、袋搬送装置1の側方に配置され、閉鎖予定端部に向かって糊を吐出する多数の糊吐出ガン2と、袋搬送装置1で搬送される筒体aが糊吐出ガン2の設置領域に達したことを検出する袋検出装置3と、袋検出装置3及び糊吐出ガン2に接続された制御装置4と、制御装置4に糊塗布設定条件を入力するための入力装置40とを備える。
【0011】
なお、片底袋を製造する製袋機では、図10の(イ)に示すように筒体aの一端部に底部bが形成されるため、底部bとなる閉鎖予定端部に糊を吐出する糊吐出ガン2が袋搬送装置1の一側に設置される。これに対して、両底袋を製造する製袋機では、図10の(ロ)に示すように、筒体aの一端部に底部bが、他端部に口部b’がそれぞれ形成されるため、底部b及び口部b’となる閉鎖予定端部に糊を吐出する糊吐出ガン2が袋搬送装置1の両側に設置されている。
また、袋搬送装置1で搬送される筒体aには、前工程において両側部が内側へ折り込まれて襞が形成され、図11の(イ)に示すように、筒体aの閉鎖予定端部が搬送方向へ沿う中心線c(底開き線)から展開されて、中心線cの両側に内側フラップd及び外側フラップeが形成されている。
【0012】
袋搬送装置1は、水平に倒した筒体aを上下から挟んで移送する送袋ベルトより成り、筒体aの底部b或いは口部b’となる閉鎖予定端部は袋搬送装置1の外側に起立した状態で搬送される。
また、袋搬送装置1には、袋搬送装置1の搬送速度を検出する速度検出装置6が取り付けられる。速度検出装置6は制御装置4に接続され、速度検出装置6が検出した搬送速度が制御装置4に送られて数値化される(図2)。
【0013】
各糊吐出ガン2は、図7に示すように、先端が袋搬送装置1で搬送される筒体aの閉鎖予定端部に向くノズル9、及び、ノズル9への糊供給路を開閉するバルブ10を有する。糊吐出ガン2は信号線5を介して制御装置4に接続され、糊吐出ガン2の糊吐出動作、糊吐出圧、及びバルブ10の開閉は制御装置4によって制御される。
また、これら糊吐出ガン2は、図1、図3及び図4に示すように、ガン支持枠11に取り付けられ、袋搬送装置1で搬送される閉鎖予定端部の中心線cの両側に2列に配置される。糊吐出ガン2の列は、搬送方向の一側(図に示す例では、搬送方向の下流側)において中心線cに接近すると共に、他側(搬送方向の上流側)に向かって次第に中心線cから遠ざかるよう略ハ字状に傾斜している。
【0014】
本実施例では、各列に24個の糊吐出ガン2を並べてあり、最も搬送方向下流側の接近した糊吐出ガン2間の距離は約101mmである。また、糊吐出ガン2の上下の列は、それぞれ中心線cに対して取付角度14度で傾斜し、最も搬送方向上流側の離間した糊吐出ガン2間の距離が約430mmとなっている。
なお、糊吐出ガン2の上下列の取付角度は、充填物の種類、糊貼袋の寸法、品質要求精度等に応じて適宜調節することができる。
【0015】
図2及び図7に示すように、各糊吐出ガン2の糊供給路は、糊供給パイプ7及び圧送ポンプ12を介して糊タンク13に接続されている。
また、圧送ポンプ12は電空変換装置8を介して制御装置4に接続され、制御装置4は、速度検出装置6が検出した袋搬送装置1の搬送速度を数値化して電気信号として電空変換装置8へ送る。
電空変換装置8の出力は搬送速度に比例するため、電空変換装置8の出力によって制御される圧送ポンプ12の回転数も搬送速度と比例し、この結果、圧送ポンプ12による糊吐出ガン2への糊供給量は搬送速度に応じて増減されるため、搬送速度に関係なく糊吐出ガン2の糊吐出量を一定化できる。
【0016】
なお、通常、袋搬送装置1の搬送速度及び圧送ポンプ12による糊供給量は、のりばり袋用糊塗布装置の運転開始時点から次第に増大し、一定時間が経過した後は一定速度及び一定量で推移し、運転を停止する際に次第に減少する。
また、電空変換装置8には抵抗値を変更操作するための操作部80が設けられ、操作部80を操作して抵抗値を変え、電空変換装置8の出力を変更することにより、糊吐出ガン2の糊吐出量を増減することもできる。
【0017】
図3及び図4に示すように、ガン支持枠11の上端部にはスライダ14が装着され、このスライダ14が、筒体aと平行で、袋搬送装置1の搬送方向と直交するガイド軸15に沿って摺動するようになっている。
また、ガン支持枠11の下端部は、ガン支持枠11を袋搬送装置1に接離させるガン移動シリンダ16に接続されている。
従って、ガン移動シリンダ16が作動すると、糊吐出ガン2のノズル9の先端は、袋搬送装置1で搬送される筒体aの閉鎖予定端部に接離する。なお、ガン移動シリンダ16の作動も制御装置4によって制御される。
【0018】
図9に示すように、袋搬送装置1の外側には、閉鎖予定端部の内側フラップd及び外側フラップeを介して、糊吐出ガン2のノズル9の先端を受けるバックアッププレート17が設置される。
また、図8に示すように、2列の糊吐出ガン2の間には、閉鎖予定端部を外側から押圧する押えプレートが着脱可能に設置されている。押えプレート18の上下端縁は、略ハ字状に並んだ糊吐出ガン2のノズル9の位置を避けるように階段状に形成されている。
このようにバックアッププレート17でノズル9の先端を受けることによって閉鎖予定端部に確実に糊が塗布され、押えプレート18で閉鎖予定端部を押圧することにより、凹凸があっても均一に糊を塗布することができる。
【0019】
図1及び図5に示すように、糊吐出ガン2のノズル9の先端が最も袋搬送装置1から遠ざかった位置よりもやや内側に、ノズル9の先端部を洗浄する洗浄装置19が設けられる。
洗浄装置19は、糊吐出ガン2の列に対応して、搬送方向の一側において中心線cに接近すると共に、他側に向かって次第に中心線cから遠ざかるよう傾斜した2列のパイプ20の内部に、それぞれブラシロール21を設置して成り、洗浄装置支持枠26に取り付けられる。
上列のパイプ20の上端部には給水口22が設けられ、下列のパイプ20の下端部には排水口23が設けられ、上列のパイプ20の下端部と下列のパイプ20の上端部とは連通されており、給水口22及び排水口23を介してパイプ20の内部に給排水できるようになっている。
【0020】
なお、排水口23から排水された水は図示しないタンクに集められ、数回繰り返し使用された後、いったん浄水装置に回収され、浄化してから再度給水口22へ供給されるようになっている。
また、パイプ20の周面(袋搬送装置1と逆側の周面)には、各糊吐出ガン2のノズル9の先端を抜挿可能な孔24が形成されている。
さらに、洗浄装置支持枠26の上部にモータ25が設置され、モータ25の出力軸が上列のブラシロール21の上端部に接続されている。また、モータ25の出力軸の端部には上スプロケット28が装着されると共に、下列のブラシロール21の下端部に下スプロケット29が設けられ、上スプロケット28と下スプロケット29とがローラチェーン30によって接続されている。従って、モータ25を作動させると、上下のブラシロール21が回転する。
【0021】
洗浄装置支持枠26には洗浄装置移動シリンダ27が接続され、洗浄装置移動シリンダ27を作動させると、洗浄装置19が、袋搬送装置1の搬送方向と平行に、糊吐出ガン2の設置位置と糊吐出ガン2から搬送方向一側(本実施例では搬送方向上流側)へ退避した位置との間を移動するようになっている。
従って、糊吐出ガン2のノズル9の先端が最も後退するまで、ガン支持枠11を袋搬送装置1から遠ざけた後、退避位置にある洗浄装置支持枠26を搬送方向下流側へ移動させて、洗浄装置19を糊吐出ガン2の内側に一致させ、その後、ガン支持枠11を袋搬送装置1に僅かに接近させる。
すると、図6に示すように、糊吐出ガン2のノズル9の先端が孔24を通してパイプ20の内部へ挿入される。この状態で、パイプ20の内部に高圧で給水し、ブラシロール21を回転させると、ノズル9の先端部がきれいに洗浄される。
一方、洗浄が終了したら、糊吐出ガン2をいったん僅かに後退させてノズル9をパイプ20の孔24から抜き、次いで、洗浄装置19を搬送方向上流側へ移動させると、再度、糊吐出ガン2を袋搬送装置1へ接近させることができる。
【0022】
本実施例ののりばり袋用糊塗布装置は次のように作動する。
糊貼袋の各部の寸法は製品規格表によって決まっており、糊貼袋の各部の寸法によって、閉鎖予定端部の糊塗布パターンも規定されている。
例えば、図11の(イ)に示す閉鎖予定端部では、外側フラップeには、折り返し線fの外側に、中心線cと平行に3列の糊塗布部gが形成され、内側フラップdには、折り返し線f’の外側に、中心線cと平行な1列の糊塗布部gと、その内側の2列の両側部に糊塗布部gが形成される。
【0023】
この糊塗布パターンに応じて、入力装置40を用いて制御装置4へ、糊塗布に必要な糊吐出ガン2と、そのノズル9を開くタイミングを入力する。また、制御装置4には、糊吐出ガン2の吐出動作(ガン打ち)のタイミングを入力し、吐出時間の長さ及び吐出間隔を調整する。
図11の(イ)に示すように糊塗布部gを形成するには、上列において、中心線cからy1、y2、y3の距離にある3個の糊吐出ガン2、及び、下列において、中心線cからY’1、Y’2、Y’3の距離にある3個の糊吐出ガン2が必要である。
【0024】
そして、図11の(ロ)に示すように、上列の最も下方のy1に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次x1で閉じ、x2で開き、x3で閉じ、x4で開き、x5で閉じる。
また、上列のy2に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次x21で閉じ、x22で開き、x23で閉じ、x24で開き、x25で閉じる。
上列の最も上方のy3に位置する糊吐出ガン2のバルブ10は、袋検出時点sから順次x31で閉じ、x33で開き、x34で閉じる。
【0025】
下列の最も上方のY’1に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次X’1で閉じ、X’2で開き、X’3で閉じる。
また、下列のY’2に位置する糊吐出ガン2のバルブ10を、袋検出時点sから順次X’21で閉じ、X’22で開き、X’23で閉じる。
さらに、下列の最も下方のY’3に位置する糊吐出ガン2のバルブ10は、袋検出時点sから順次X’31で閉じ、X’32で開き、X’33で閉じる。
【0026】
糊塗布作業を開始する前に、制御装置4は、糊吐出ガン2を袋搬送装置1に接近させ、圧送ポンプ12で糊タンク13内の糊を糊吐出ガン2に供給しておく。
袋搬送装置1で搬送される筒体aが糊吐出ガン2の設置位置へ達したことを袋検出装置3が検出すると、制御装置4は、袋検出装置3からの検出信号を受けて、設定されている通りに糊吐出ガン2の作動を開始する。
全ての糊吐出ガン2は予め設定されているタイミングで吐出動作を行なうが、設定されている糊吐出ガン2のバルブ10のみが設定されているタイミングで開く。従って、バルブ10が開いている糊吐出ガン2のみが実際に閉鎖予定端部に向かって糊を吐出し、閉鎖予定端部に設定されたパターン通りに糊塗布部gが形成される。
【0027】
この時、筒体aの閉鎖予定端部は、図9に示すように、内側からバックアッププレート17で支持されると共に、外側から押えプレート18で押えられ、起立した状態で確実に搬送される。
また、押えプレート18で押えたことにより、糊吐出ガン2のノズル9の先端と閉鎖予定端部との間に僅かに隙間が形成され、しかも、多層紙を素材とする凹凸のある閉鎖予定端部であっても平らになるので、糊を均一に安定して塗布することができる。
【0028】
なお、制御装置4に入力した設定は、試験的に閉鎖予定端部へ糊を塗布した結果によって適宜修正する。そして、修正後に、決定した設定を番号とともに制御装置4に記憶させておき、次に同じ製品へ糊付けする際には、設定しなおすことなく、番号を入力するだけで、記憶されている設定通りに糊付けを行なうことができる。
また、糊吐出ガン2による糊吐出量が少ない場合は、ノズル9を口径の大きいものと交換し、糊吐出量が多い場合は、ノズル9を口径の小さいものと交換する。
さらに、糊塗布作業中は、袋搬送装置1の搬送速度に応じて糊吐出ガン2への糊供給量を増減することにより、糊吐出ガン2の糊吐出圧力を制御することもできる。
このように、ノズル9の口径及び糊吐出ガン2の吐出圧力を変えることにより、糊の品質や室温に応じて糊塗布量を調整できる。
【0029】
糊塗布作業が終了したら、洗浄モードに切り替え操作することにより、制御装置4がガン移動シリンダ16を作動させ、糊吐出ガン2を袋搬送装置1から遠ざける。
次に、制御装置4は洗浄装置移動シリンダ27を作動させ、洗浄装置19を移動させて、パイプ20の孔24を糊吐出ガン2のノズル9先端の内側に一致させる。
その後、制御装置4は、糊吐出ガン2を少し内側に移動させて、ノズル9の先端部を孔24からパイプ20の内部へ差し込み、次いで、パイプ20内へ給水してブラシロール21を回転させる。
ノズル9の洗浄が終了したら、制御装置4は、パイプ20内の汚れた水を排水させ、糊吐出ガン2を少し外側に移動させてノズル9の先端部を孔24から引き抜き、さらに、洗浄装置19を糊吐出ガン2の移動経路から退避した位置に復帰させる。
【0030】
なお、上記実施例では、ブラシロール21を用いてノズル9の先端部を洗浄しているが、澱粉糊のように水に溶解しやすい糊を塗付した糊吐出ガン2のノズル9は、ブラシロール21を用いずに水あるいは温水で洗浄するだけでよい。
また、糊吐出ガン2の上下列の取付角度を変更した場合は、その取付角度に合った洗浄装置19のパイプ20及び押えプレート18と交換する。
【符号の説明】
【0031】
a 筒体
b 底部
c 中心線
d 内側フラップ
e 外側フラップ
f,f’ 折り返し線
g 糊塗布部
1 袋搬送装置
2 糊吐出ガン
3 袋検出装置
4 制御装置
5 信号線
6 速度検出装置
7 糊供給パイプ
8 電空変換装置
9 ノズル
10 バルブ
11 ガン支持枠
12 圧送ポンプ
13 糊タンク
14 スライダ
15 ガイド軸
16 ガン移動シリンダ
17 バックアッププレート
18 押えプレート
19 洗浄装置
20 パイプ
21 ブラシロール
22 給水口
23 排水口
24 孔
25 モータ
26 洗浄装置支持枠
27 洗浄装置移動シリンダ
28 上スプロケット
29 下スプロケット
30 ローラチェーン
40 入力装置
80 操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糊貼袋となる筒体を、その閉鎖予定端部を開いた状態で、且つ、前記筒体の幅方向と平行に搬送する袋搬送装置と、それぞれノズルの先端を前記閉鎖予定端部に向けて配置されると共に、前記ノズルへの糊供給路を開閉するバルブを有する多数の糊吐出ガンと、前記筒体が前記糊吐出ガンの設置領域に達したことを検出する袋検出装置と、該袋検出装置及び糊吐出ガンに接続された制御装置とを備え、前記多数の糊吐出ガンは、前記筒体の搬送経路に沿う前記閉鎖予定端部の中心線の両側に、搬送方向の一側において前記閉鎖予定端部の中心線に接近すると共に、他側に向かって次第に前記閉鎖予定端部の中心線から遠ざかる2列に配置され、前記制御装置は、前記袋検出装置からの検出信号を受けて前記糊吐出ガンを作動させると共に、前記閉鎖予定端部の寸法に応じて予め設定されているタイミングで必要な糊吐出ガンのバルブを開くことを特徴としたのりばり袋用糊塗布装置。
【請求項2】
内部へ給排水可能で、前記糊吐出ガンの列に対応した2列のパイプの周面に前記糊吐出ガンのノズル先端部をそれぞれ抜挿可能な多数の孔を形成して成る洗浄装置を、前記糊吐出ガンの設置位置と前記糊吐出ガンから退避した位置との間を移動可能に設けてあることを特徴とした請求項1に記載ののりばり袋用糊塗布装置。
【請求項1】
糊貼袋となる筒体を、その閉鎖予定端部を開いた状態で、且つ、前記筒体の幅方向と平行に搬送する袋搬送装置と、それぞれノズルの先端を前記閉鎖予定端部に向けて配置されると共に、前記ノズルへの糊供給路を開閉するバルブを有する多数の糊吐出ガンと、前記筒体が前記糊吐出ガンの設置領域に達したことを検出する袋検出装置と、該袋検出装置及び糊吐出ガンに接続された制御装置とを備え、前記多数の糊吐出ガンは、前記筒体の搬送経路に沿う前記閉鎖予定端部の中心線の両側に、搬送方向の一側において前記閉鎖予定端部の中心線に接近すると共に、他側に向かって次第に前記閉鎖予定端部の中心線から遠ざかる2列に配置され、前記制御装置は、前記袋検出装置からの検出信号を受けて前記糊吐出ガンを作動させると共に、前記閉鎖予定端部の寸法に応じて予め設定されているタイミングで必要な糊吐出ガンのバルブを開くことを特徴としたのりばり袋用糊塗布装置。
【請求項2】
内部へ給排水可能で、前記糊吐出ガンの列に対応した2列のパイプの周面に前記糊吐出ガンのノズル先端部をそれぞれ抜挿可能な多数の孔を形成して成る洗浄装置を、前記糊吐出ガンの設置位置と前記糊吐出ガンから退避した位置との間を移動可能に設けてあることを特徴とした請求項1に記載ののりばり袋用糊塗布装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−176499(P2012−176499A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39254(P2011−39254)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(599176698)ニューロング工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(599176698)ニューロング工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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