説明

はしご型コポリマー

本発明は、はしご構造の脚/側部として働く2つの主鎖を有する故に、はしご型コポリマーと呼ばれるコポリマーに関する。2つの主鎖の1つが核酸若しくは核酸様ポリマーであるこれらの2つの主鎖は、はしごの脚/側部が横桟により相互に連結されているので、相互に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連した出願とのクロスリファレンス
本願は、2003年5月29日に出願された仮出願60/473,915からの優先権を主張する。その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府実施許諾権
本願で行われた実験は、Office of Naval Research、補助金交付番号N00014−98−1−0093、National Institute of Health、補助金交付番号GM−29554、National Science Foundation、補助金交付番号CHE−0079702、DMI−0210844、EIA−0086015、DMR−01138790及びCTS−0103002並びにDARPA/AFSOR、補助金交付番号F30602−01−2−0561により部分的に支持された。合衆国政府は、本発明における支払い済の実施許諾を有しそして上記補助金交付により与えられた合理的な条件で他者に実施許諾することを特許所有者に要求する権利を限定された状況において有する。
【0003】
発明の背景
技術分野
本発明は、2つの主鎖(backbones)(はしごの脚又は側部)の1つが核酸又は核酸様ポリマーから形成される、はしご型コポリマー(ladder copolymers)に関する。
【0004】
関連技術の説明
過去半世紀の間、核酸の知られた機能は、遺伝子情報キャリアー及びメッセンジャーから多数の細胞プロセスの触媒作用及び調節を含むまでに広がった。更に、医学的用途、触媒的性質及び前生物化学的含蓄を有する多くの核酸をベースとする構造が開発された(Pearson,2003;Dennis,2002;Couzin,2002)。注目すべき例は、アンチセンス剤(Uhlmann et al.,1990)、例えば、ペプチド核酸(PNA)(Nielsen,1999)、デオキシヌクレイックグアニジン(deoxynucleic guanidine)(DNG)(Barawkar et al.,1999)、及びロックされたDNA(locked DNA)(LNA)(Vester et al.,2002;Demidov,2003)である。触媒能力を高めるために官能化されたヌクレオチジル基を有するDNAザイム(DNAzymes)が開発された(Santoro et al.,2000;Thum et al.,2001;Lermer et al.,2002)。TNA、(3’,2’)−α−L−トレオース核酸が、RNA及び/又はDNAの進化前駆体として示唆された(Schoening et al.,2000;Chaput et al.,2003)。
【0005】
本発明者の目標は、新規な核酸をベースとする物質を開発して、DNAナノ技術(Seeman,1999)の用途及び範囲を広げることである。定められた配列及び独特の構造モチーフを有する慣用のDNA分子から、多数のトポロジカルな標的、物体、デバイス及び二次元アレー(2D arrays)が製造された(Seaman,2003;U.S.Patent No.5,386,020;U.S.Patent No.6,072,044;U.S.Patent No.6,255,469)。これらの構造の類似したDNA/有機ポリマーコンジュケートは、実用的興味を与える。例えば、DNA二次元アレー(Winfree et al.,1998)は、ナノメートル精度を有する分子エレクロニックデバイスをアセンブルするためのプラットホームとして役立ち、又は有機物質の安定性及び他の有利な性質を享受する非DNAポリマー二次元ネットワークを合成するためのテンプレートとして役立つことができる。一本鎖DNAは、不自然な連結を有するDNAオリゴの重合を指向するために使用された(Li et al.,2002;Scmidt et al.,1997;Seitz et al.,2001)。本発明の目的は、二次及び三次DNA構造モチーフの両方に依存するDNAナノ技術の全パワーを利用して、独特の構造を有する有機物質をアセンブルすることであり、そして本発明のアプローチは、非DNA実体間の部位特異的化学(regio−specific chemistry)も含む。
【0006】
本明細書におけるいかなる文献の引用も、このような文献が、適切な先行技術であること及び本願の特許請求の範囲の特許性に対して考慮される文献であることを承認することを意図しない。いかなる文献の内容または日付に関するいかなる記述も、出願の時点で出願人に入手可能な情報に基づいており、そしてこのような記述の正しいことに関する承認を構成するものではない。
【0007】
発明の要約
本発明は、はしごの横桟(rungs)として働く主鎖間の連結部を有するはしごの側部又は脚としての2つの主鎖を有するはしご型コポリマーを提供する。2つの主鎖の1つは、核酸又は核酸様主鎖である。はしご型コポリマーは、一般式(I):
【0008】
【化7】

【0009】
[式中、
Aは、O、S、Se及びTeよりなる群から選ばれる第VI族の元素であり、
G、J、L、M、Qは、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)、−O−、−S−、カルボニル、カルボキシル、−SiR−及び−OSiRO−よりなる群から選ばれるリンカー基であり、
Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基であり、
Eは、CR、N、NR+、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスホルアミド、ホスホンアミド及びホスフィンアミドよりなる群から選ばれる対称原子中心又は不斉原子中心であり、
Rは、H、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)よりなる群から選ばれる末端基であり、
対X−Y、W−Zは、有機合成の技術により、XがYとの化学結合を形成することができるような結合部位であるか、又はWがZとの化学結合を形成することができるような結合部位であり、
Sは、リボース若しくはすべての修飾されたリボースであるか、又はDNA様構造と関連した同様な環状若しくは非環状構築ブロックである]
を含む構造を有する。
【0010】
本発明は、更に、はしご型コポリマーを製造する方法及び安定なアンチセンス分子としてはしご型コポリマーを使用することによりmRNAによりコードされたポリペプチド又はペプチドの製造を阻害する方法を提供する。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、はしご構造の脚/側部として働く2つの異なる主鎖ポリマーを有するので、はしご型コポリマーと呼ばれるコポリマーを指向する。2つの主鎖の1つが核酸又は核酸様ポリマーである、これらの2つの主鎖は、はしごの脚/側部がはしごの横桟により互いに連結されているので、互いに連結されている。「核酸」という用語は、DNA及びRNAの両方及びこれらのハイブリッドを表す。更に、核酸主鎖構造は、理論的に天然から製造されうるいかなるものにも似せる必要はない。
【0012】
本発明のはしご構造の一般的構造は、一般式(I)として下記に示される。
【0013】
【化8】

【0014】
[式中、
Aは、O、S、Se及びTeよりなる群から選ばれる第VI族の元素であり、
G、J、L、M、Qは、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)、−O−、−S−、カルボニル、カルボキシル、−SiR−及び−OSiRO−よりなる群から選ばれるリンカー基であり、
Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基であり、
Eは、CR、N、NR+、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスホルアミド、ホスホンアミド及びホスフィンアミドよりなる群から選ばれる対称原子中心又は不斉原子中心であり、
Rは、H、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)よりなる群から選ばれる末端基であり、
対X−Y、W−Zは、有機合成の技術により、XがYとの化学結合を形成することができるような結合部位であるか、又はWがZとの化学結合を形成させることができるような結合部位であり、
Sは、リボース若しくはすべての修飾されたリボースであるか、又はDNA様構造と関連した同様な環状若しくは非環状構築ブロックである]。
【0015】
添字、例えば、1、2、n等は、コポリマーを形成する単位(括弧)の鎖における配列を示すのみならず、文字、例えば、B、W、Z、X、Y等により示される部分が単位ごとに同じであっても同じでなくてもよいことも示す。
【0016】
対X−Y及びW−Zは、好ましくは、アミド、エステル、ホスホエステル、又は例えば、環状電子反応からのアルケン結合を形成する。対X−Y及びW−Zは同じ結合を有することができるけれども、それらは好ましくは異なる結合である。最も好ましくは、X−Y対は、アミド結合を形成し、そしてW−Z対は、下記する好ましい態様から明らかなとおり、核酸主鎖に存在するホスホエステル結合を形成する。
【0017】
核酸主鎖は、単一の連続的リボース−リン酸又はデオキシリボースリン酸主鎖を有する必要はない。ポリヌクレオチドのセグメント間に簡単な無機若しくは有機部分又はポリマースペーサ−を使用することができる。スペーサー、例えば、ポリエチレン、ポリビニルポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリペプチド(酵素、抗体等)、ペプチド核酸(PNA)、多糖(デンプン、セルロース等)、シリコーン、シラン及びコポリマー等を使用することができる。このようなハイブリッド構造の例は、一端にホスホルアミダイトを有するドデカジオールである。この構造は、4つのTヌクレオチドの代わりに共有結合により挿入されて、それが置換するヌクレオチドと同様な方式でヘアピンループを形成する。「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、これらの構造のすべてを包含することを意図する。
【0018】
更に、W−Z対は、最も好ましくは、ホスホエステル結合を形成するが、特定のW−Z対がホスホエステル結合を形成しない、核酸主鎖に沿った場所もありうることは認識されるべきである。単一の連続的なリボース−リン酸又はデオキシリボースリン酸主鎖がないこの非均一性は、「核酸様」と呼ばれる主鎖又はポリマーをもたらす。「核酸様」であるこのような修飾された主鎖のいくつかの例は、Freier et al.(1997)の研究において与えられ、その全体の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
核酸又は核酸様ポリマー主鎖ストランド(strand)は、標準の5種のもの、即ち、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)及びウラシル(U)以外の塩基(B)を使用することができる。誘導体化された/修飾された(例えば、メチル化された)及び他の格別の塩基、例えば、イソグアニン、イソシトシン、アミノアデニン、K、X、pi、イノシン並びにプリン及びピリミジンの他の誘導体を使用することができる。誘導体化された/修飾された塩基のいくつかの例は、Freier et al.(1997)に与えられる。塩基の選択における好ましい特徴は、該塩基がそれらに対向する塩基と相互作用して特異的に対形成性引力を形成することができるということである。天然のDNA及びRNAでは、水素結合がこの相互作用を形成する。しかしながら、反対のイオン電荷、疎水性相互作用及びファンデルワールス力も相互作用の受け入れられうる形態でありうる。これらの相互作用は、天然に存在する塩基に対する選択を広げて、物理的性質のより広い取り合わせを与える。
【0020】
特定のストランド内では、複素環塩基は、糖部分から完全に欠失していてもよい。これは、ストランドが曲がっている場合、接合部を形成している場合、又はストランドを一緒に保持するのにより少ない力が望まれる場合に、特に望ましいことがありうる。
【0021】
Sは、リボース若しくはいかなる修飾されたリボース、又はDNA様構造と関連した同様な環状若しくは非環状構築ブロック(例えば、PNA及びモルホリノ主鎖)を表す。リボース、修飾されたリボース及び同様な構築ブロック単位の非限定的例は、下記に与えられる。
【0022】
【化9】

【0023】
修飾されたリボース/糖の追加の非限定的例は、Freier et al.(1997)に与えられる。
【0024】
核酸主鎖におけるW−Z結合の均一性の優先は、X−Y結合にも当てはまる。しかしながら、本発明は、核酸又は核酸様主鎖と反対側の主鎖における非均一なX−Y結合の存在を包含することも意図する。X−Y対形成体(X−Y pairings)を有する反対側の主鎖上に側鎖の存在が望ましいことがあることも認識されるべきである。例えば、金粒子を反対側の主鎖に、即ち、DNAターン当たり一回、結合させることを望むならば、金粒子との結合を形成することができるスルフヒドリル側鎖を含有する様々なジアミノ又はジカルボキシル基を、適切な位置で主鎖に挿入することができる。
【0025】
本発明のはしご型コポリマーの1つの好ましい態様では、核酸、核酸様主鎖と反対側にある反対側主鎖が、ポリアミド主鎖であり、そしてはしご型コポリマーは一般式(II):
【0026】
【化10】

【0027】
[式中、
Aは、O、S、Se及びTeよりなる群から選ばれる第VI族の元素であり、
L、M、は、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された又は置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)若しくはハロゲン置換を有する)、−O−、−S−、カルボニル、カルボキシル、−SiR−及び−OSiRO−よりなる群から選ばれるリンカー基であり、
Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基であり、
Rは、H、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された又は置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)若しくはハロゲン置換を有する)よりなる群から選ばれる末端基であり、
W−Zは、有機合成の技術により、WがZとの化学結合を形成することができるような結合部位であり、そして
Sは、リボース若しくはすべての修飾されたリボースであるか、又はDNA様構造と関連した同様な環状若しくは非環状構築ブロックである]
を含む。
【0028】
本発明のはしご型コポリマーの第2の好ましい態様では、主鎖の1つは核酸主鎖でありそしてはしご型コポリマーは、一般式(III):
【0029】
【化11】

【0030】
[式中、
Aは、O、S、Se及びTeよりなる群から選ばれる第VI族の元素であり、
G、J、Qは、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)若しくはハロゲン置換を有する)、−O−、−S−、カルボニル、カルボキシル、−SiR−及び−OSiRO−よりなる群から選ばれるリンカー基であり、
Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基であり、
Eは、CR、N、NR+、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスホルアミド、ホスホンアミド及びホスフィンアミドよりなる群から選ばれる対称原子中心又は不斉原子中心であり、
Rは、H、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)よりなる群から選ばれる末端基であり、そして
X−Yは、有機合成の技術により、XがYとの化学結合を形成することができるような結合部位である]
を含む。
【0031】
本発明のはしご型コポリマーの他の好ましい態様として、2つの主鎖は核酸主鎖及びポリアミド主鎖である。最も好ましい態様は、一般式(IV):
【0032】
【化12】

【0033】
(式中、Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基である)を含む。かくして、式(IV)のはしご型コポリマーは、リボース環の2’−位置を介してポリアミド主鎖に共有結合で連結されたDNA主鎖を有する。連結部(はしごの横桟)は各ヌクレオチドについて存在し、そして連結されたヌクレオチド当たり1つのアミド基が存在する。式(III)及び(IV)に示されたポリアミド主鎖は、ナイロン−5,7の均等物に似る。他の適当なポリアミド又はナイロン主鎖を、本発明のはしご型コポリマーにおいて使用することができる。ポリアミド(一般)及び繊維中のポリアミドに関しては、例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,4th ed.,editors J.I.Kroschwitz and M.Howe−Grant,John Wiley & Sons,New York,volume 19,pages 454〜559を参照されたい。これらの全体の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
本発明は、DNA主鎖を有する本発明のはしご型コポリマーを形成/製造する方法も指向する。この方法は、2’−β−置換されたホスホルアミダイトを合成し、次いで、合成された2’−β−置換されたホスホルアミダイトから張り出した基(pendent group)を有するオリゴヌクレオチドを合成し、次いで、張り出した基をカップリングさせてはしご型コポリマーを製造することを含む。式(IV)では、カップリングされる張り出した基はアミン基及びカルボキシレート基である。はしご型コポリマーを製造するためのスキームは、図1に示される。
【0035】
本発明に従うはしご型コポリマーは、DNA又はRNAとの二本鎖又は三本鎖形成の安定性を維持し又は高めながらヌクレアーゼ消化に対する安定性を与えることが予想される。更に、核酸様主鎖を有するはしご型コポリマーまでもがそうではないが、核酸主鎖を有するはしご型コポリマーは、一本鎖DNA若しくはRNA又は他のはしご型コポリマーとの組み合わせにおいてA型らせんを形成することも予想される。反対側の主鎖は、二本鎖又は三本鎖形成において塩基対形成を妨害しない、塩基の対形成機能部から遠く離れた、らせんの外側に位置していることが更に予想される。従って、はしご型コポリマーは、アンチセンス技術に対する有利な性質を与えるのに役立つことができる。例えば、はしご型コポリマーは、標的センスmRNAと安定な二本鎖を形成して、標的正規(normal)又はセンスmRNAを不活性及び翻訳不可能にする塩基配列を有するようにデザインすることができる。故に、本発明は、アンチセンスオリゴマーとして働く本発明に従うはしご型コポリマーを標的mRNAと接触させ、該標的mRNAにはしご型コポリマーがアニーリング/ハイブリダイゼーションして安定な二本鎖を形成して、コードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害することにより、mRNAによりコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害する方法も提供する。
【0036】
はしご型コポリマーは、独特の分子トポロジーを有する、所望のポリマー、即ち、工業用ポリマーの製造を指向するために使用することもできる(Gartner et al.,2002)。DNAノット(DNA knot)(図2の2A)は、独特の分子トポロジ−の非限定的例である(Mueller et al.,1991;Du et al.,1992;Seeman,1992;Wang et al.,1993;Seeman et al.,1993;Du et al.,1994 Du et al.,1995)。独特な分子トポロジーが有利でありうる繊維ポリマーの例として所望のポリマー、即ち、ナイロンとのはしご型コポリマーのアセンブリー(図2の2B及び2C)をテンプレートする(template)のにDNA(ノット)が使用されるならば、DNAを除去して、ノット構造(図2の2D)を保持している所望のポリマーを残すことができる。やはり、例としてナイロンを使用して、DNAから張り出しているナイロン成分を連結することにより、ナイロンをベースとするDNA鎖メール様構造(DNA chain mail−like structures)を形成することができる。DNAを除去すれば、顕著な強度を示す鉄鎖メール(iron chain mail)の分子類似体であるナイロン鎖メール(nylon chain mail)が得られるであろう。
【0037】
本発明を一般的に説明してきたが、本発明は下記の実施例を参照してより容易に理解されるであろう。これらの実施例は本発明を説明するために与えられたものであり、本発明を限定することを意図しない。
【0038】
実施例
ここで、本発明者は、DNA主鎖が有機ポリマー、ナイロンに共有結合で連結されている第1の核酸をベースとする構造を報告する。合成は、3つの工程:2’−β−置換されたホスホルアミダイトの製造、アミン基及びカルボキシレート基を付けたオリゴヌクレオチド(ODNs)の合成、及び張り出した基をカップリングさせて、各ヌクレオチド対において共有結合で連結されたオリゴアミドストランドを形成して、ナイロン−DNAはしご型コポリマー(図1)を得ることにより達成された。このストラテジーは、一般的でありそして様々なナイロンベースの材料を発生さるのに使用することができ、又は他の有機ポリマーのアセンブリーを指向するのに使用することができる。
【0039】
物質及び方法
すべての化学薬品及び溶媒は、種々の商業的ソースからの要求された純度のものであった。CHCl及びCHCNは、CaHと還流することにより乾燥させた。すべての反応をアルゴンガス保護下に行い、脱水条件は必要に応じて行使された。H NMR、13C NMR、31P NMR及びH COSYデータは、Varian Gemini−200又は300MHz分光計で記録した。ポジティブモードでのマトリックス介助レーザーデソープションイオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量スペクトルは、マトリックスα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(CHCA)を使用して、Kratos MALDI−I分光計で測定した。ネガティブモードでのMALDI−TOF質量スペクトルは、マトリックスとしてトリヒドロキシアセトフェノン(THAP)を使用しそして共マトリックスとして酒石酸アンモニウムを使用して、Bruker OmniFLEX分光計で測定した。化合物2’−デオキシ−2’−S−(4−メトキシベンジル)ウリジン(Divakar et al.,1982)及び1a(Zhu et al.,2002)は、文献の方法により製造した。化合物1a及び1bの合成は下記する。
【0040】
2−(2’−フタロイルエチル)−4−フタロイル−1−ブテン(B1)
THF(3.0mL)及びジブロモメタン(0.2mL)中の亜鉛ダスト(0.89g、13.7ミリモル、326メッシュ)の懸濁液を15分間加熱還流した。次いでトリメチルシリルクロリド(0.5〜0.7mL)を混合物に加え、そしてアルゴン下に5分間超音波処理した。溶媒を乾固するまで真空下に除去した。活性化された亜鉛に、アルゴン下に無水DMSO(5.0mL)を加えた。次いで、THF(20mL)中に予め溶解したN−ブロモメチルフタルイミド(3.0g、12.5ミリモル)を一滴ずつ加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、そして放置して過剰の亜鉛を沈殿させた。有機亜鉛化合物の透明な溶液を、THF(40mL)、CuCN(0.9g、10ミリモル)、LiCl(1.0g、23.6ミリモル)及び3−ヨード−2−ヨードメチルプロペン34(2.5ミリモル)の溶液に、−60℃で注射器により一滴ずつ加えた。混合物を室温で72時間激しく攪拌し、飽和NHCl溶液(150mL)でクエンチした。有機層を分離し、水性相をエチルエーテルで3回抽出した。有機層を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下に濃縮した。粗生成物を、最初に9:1ヘキサン/酢酸エチルを使用し、次いで極性を8:2ヘキサン/酢酸エチルに増加させ、シリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて生成物0.68g(71%)を得た。
【0041】
【表1】

【0042】
2−(2’−フタロイルエチル)−4−フタロイル−ブタノール(B2)
THF(5.8mL、5.8ミリモル)中のBHの1.0M溶液を、THF(50mL)中のB1(2.0g、5.3ミリモル)の溶液に0℃で20分間にわたりゆっくりと加えた。混合物を0℃で更に15分間攪拌し、次いで30%過酸化水素(2.0mL)により、それを水素の発生が止まるまで一滴ずつ加えて、クエンチした。溶液を30%NaOH4〜5mLでアルカリ性にし、15分間攪拌した。混合物に、水(150mL)及びエチルエーテル(150mL)を加えた。有機層を分離し、水性相をエチルエーテルで3回抽出した。有機層を一緒にし、MgSO上で乾燥し、ろ過した。溶媒を真空下に除去し、残留物をシリカゲル(9:1CHCl:エチルエーテル)でクロマトグラフィーにかけて、生成物1.18g(57%)を得た。
【0043】
【表2】

【0044】
2−(2’−フタロイルエチル)−4−フタロイル−1−ヨード−ブタン(1a)
化合物B2(39.0mg、0.1ミリモル)、トリフェニルホスフィン(79.0mg、0.3ミリモル)、ヨウ素(56.0mg、0.3ミリモル)及びイミダゾール(21.0mg、0.3ミリモル)をTHF(1.0mL)に溶解した。溶液を室温で1時間攪拌し、その間多くの白色沈殿が生成した。溶液をCHClと水に分配した。有機層を水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。真空下に溶媒を除去した後、残留物をCHCl/酢酸エチル(20/1〜1/1)でクロマトグラフィーにかけて、純粋な化合物1a(49.1mg)を98%の収率で得た。
【0045】
【表3】

【0046】
4−オキソピメリン酸ジベンジル(B3)
γ−ケトピメリン酸(3.5g、20ミリモル)を無水DMF(80mL)に溶解した。DIEA(14mL、80ミリモル)及びベンジルブロミド(5.3mL、44ミリモル)を次いで加えた。溶液を80℃で20時間加熱した。真空下に溶媒を除去した後、それをEtO(200mL)と水(100mL)とに分配した。有機層を水(2×50mL)で洗浄しそしてNaSO上で乾燥した。溶媒を除去し、4−オキソピメリン酸ジベンジルを、EtO/石油エーテルから94%収率で再結晶させた。
【0047】
【表4】

【0048】
4−メチレンヘプタン二酸ジベンジル(B4)
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(536mg、1.5ミリモル)を無水THF(1.0mL)中に−5℃で懸濁させた。NaHMDS(1.0M、1.5mL、1.5ミリモル)のTHF溶液を、一滴ずつ加えて、温度を0℃以下に保った。混合物を0℃で0.5時間攪拌し、次いで−78℃に冷却した。このイリド溶液に、THF(1.0mL)中の4−オキソピメリン酸ジベンジル(354mg、1.0ミリモル)の溶液を一滴ずつ加えて、温度を−50℃以下に保った。温度を、添加の後攪拌しながら1.5時間で室温に上昇させた。次いで、反応混合物を氷水(25mL)中に注ぎそしてEtO(2×25mL)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄しそしてNaSO上で乾燥した。溶媒を真空下に除去し、残留物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1/10まで)にかけて、化合物B4(197mg)を得た。収率は56%であつた。
【0049】
【表5】

【0050】
4−(ヨードメチル)−ヘプタン二酸ジベンジル(1b)
化合物B4(176mg、0.5ミリモル)を無水THF(0.5mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、BH−THF(2.0M、0.25mL、0.5ミリモル)を注射器により加えた。次いで溶液を室温で1時間攪拌した。メタノール性NaOAc(3.0mL、1.0M、3.0ミリモル)、水性NaI(3.0mL、1.0M、3.0ミリモル)及びメタノール性クロラミン−T(6.0mL、0.5M、3.0ミリモル)を有機ボラン溶液に室温で順次に加えた。反応混合物を室温で10分間攪拌し、次いで水性Na(1.0M)でクエンチした。混合物をEtO(50mL)とHO(50mL)とに分配し、有機層をブライン(30mL)で洗浄し、次いでNaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカクロマトグラフィー(CHCl/ヘキサン、2/100〜7/100)にかけて、化合物1b(85mg)を得た。収率は35%であった。
【0051】
【表6】

【0052】
2’−デオキシ−2’−S−(4−フタルイミジルブチル)ウリジン(化合物2c)
TFA(12.0mL)中の2’−デオキシ−2’−S−(4−メトキシベンジル)ウリジン(1.14g、3.0ミリモル)及びフェノール(423mg、4.5ミリモル)の溶液を還流下に2時間加熱した(浴温度100℃)。冷却した後、溶媒を減圧下に除去した。残留物をCHCN(10mL)と3回共蒸発させ、次いでEtO(2mL)中に溶解した。粗2’−デオキシ−2’−メルカプトウリジンをヘキサン(20mL)の添加により沈殿させそして−20℃で30分間保った。溶液をデカンテーションし、残留物をヘキサン(3×10mL)で洗浄し、次いで真空下に乾燥した(15分)。粗2’−デオキシ−2’−メルカプトウリジンをCHCN(3.0mL)に溶解し、次いでN−(4−ブロモブチル)フタルイミド(846mg、4.5ミリモル)を添加した。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(2.6mL、15.0ミリモル)を激しく攪拌しながら反応混合物に一滴ずつ加えた。溶液を室温で16時間攪拌し、次いで溶媒を減圧下に除去した。残留物をEtOAc(100mL)に溶解し、飽和水性NaHCO(2×50mL)で2回及びブライン(30mL)で順次に洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥した。溶媒を除去し、残留物をシリカクロマトグラフィー(2%CHOH/CHCl)にかけて、2c(1.18g)を得た。収率は85%であった。
【0053】
【表7】

【0054】
2’−デオキシ−2’−S−(4−エトキシカルボニルブチル)ウリジン(化合物2d)
上記化合物2cの製造に使用された方法に従って、2’−デオキシ−2’−メルカプトウリジンを5−ブロモバレリアン酸エチルでアルキル化することにより、化合物2dを製造した。
【0055】
【表8】

【0056】
化合物2a
上記化合物2cの製造に使用された方法に従って、2’−デオキシ−2’−メルカプトウリジンを化合物1aでアルキル化することにより、化合物2aを製造した。
【0057】
【表9】

【0058】
化合物2b
上記化合物2cの製造に使用された方法に従って、2’−デオキシ−2’−メルカプトウリジンを粗化合物1bでアルキル化することにより、化合物2bを製造した。
【0059】
【表10】

【0060】
5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−S−(4−フタルイミジルブチル)ウリジン(化合物3c)
化合物2c(693mg、1.5ミリモル)を無水ピリジン(12mL)に溶解した。4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(250mg、0.74ミリモル)を加えそして溶液を攪拌しながら室温に保った。4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(258mg、0.76ミリモル)の他のバッチを1時間後に溶液中に加え、混合物を更に1時間攪拌して保ち、次いでCHOH(1mL)によりクエンチした。溶液を更に5分間攪拌し、次いで溶媒を真空下に除去した。残留物をEtOAc(150mL)に溶解し、そして飽和NaHCO(2×50mL)及びブライン(50mL)で順次に洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥した。次いで、溶媒を真空下に除去し、粗生成物を、溶離剤としてTEA0.5%を含有するEtOAc/CHCl(0/100〜4/100)を使用してシリカクロマトグラフィーにかけて、純粋な生成物(937mg)を得た。収率は82%であった。
【0061】
【表11】

【0062】
5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−S−(4−エトキシカルボニルブチル)ウリジン(化合物3d)
上記した化合物3cの製造に使用した方法に従って、化合物2dを5’−O−ジメトキシトリチル化して、化合物3dを得た。
【0063】
【表12】

【0064】
5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−S−[N−(トリフルオロアセチル)−2−アミノブチル]ウリジン(化合物3f)
ヒドラジン(200μL)を化合物3c(937mg、1.2ミリモル)のメタノール性(20mL)溶液に加えた。溶液を還流で3時間攪拌した。冷却した後、溶媒を真空下に除去した。残留物をCHCN(2×10mL)に再溶解し、蒸発させて残留ヒドラジンを除去した。粗脱保護生成物5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−S−(4−アミノブチル)ウリジンを真空乾燥し、次いで乾燥CHOH(7.4mL)に溶解し、次いでトリエチルアミン(TEA)(0.37mL)及びトリフルオロ酢酸エチル(857μl、7.2ミリモル)を加えた。溶液を室温で16時間攪拌し、次いで溶媒を真空下に蒸発させた。残留物をEtOAc(150mL)に溶解し、そして5%NaHCO(2×50mL)及びブライン(50mL)で順次に洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥した。溶媒を真空下に除去した後に、粗生成物を、溶離剤としてTEA0.2%を含有するCHOH/CHCl(0/100〜2/100)を使用するシリカクロマトグラフィーにかけて、純粋な生成物(670mg)を得た。収率は77%であった。
【0065】
【表13】

【0066】
化合物3b
上記した化合物3cの製造に使用した方法に従って、化合物2bを5’−O−ジメトキシトリチル化して、化合物3bを得た。
【0067】
【表14】

【0068】
化合物3e
上記した化合物3cの製造に使用した方法に従って、化合物2aを5’−O−ジメトキシトリチル化して、化合物3aを得た。
【0069】
【表15】


上記した化合物3fを製造する方法に従って、化合物3aから化合物3eを製造した。
【0070】
【表16】

【0071】
3’−O−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)]ホスフィノ−5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−S−(4−エトキシカルボニルブチル)ウリジン(化合物4d)
化合物3d(539mg、0.78ミリモル)を乾燥CHCl(4.7mL)に溶解し、次いで触媒量のDMAP(〜2mg)、TEA(435μL、3.1ミリモル)及び2−シアノエチルクロロジイソプロピルアミノホスホルアミダイト(312μL、1.4ミリモル)を加えた。30分後に、溶媒を真空下に除去し、残留物をEtOAc(100mL)に溶解しそして5%NaHCO(2×30mL)及びブライン(30mL)で順次に洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥した。溶媒を真空下に除去した後、粗生成物をシリカクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、100/0〜100/25、TEA0.25%を伴う)にかけて、純粋な生成物492mgを得た。収率は71%であった。
【0072】
【表17】

【0073】
3’−O−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)]ホスフィノ−5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−S−[N−(トリフルオロアセチル)−2−アミノブチル]ウリジン(化合物4f)
上記した化合物4dを製造するための方法に従って、化合物3fのホスフィチル化(phosphitylation)を行って、化合物4fを得た。
【0074】
【表18】

【0075】
化合物4b
上記した化合物4dを製造するための方法に従って、化合物3bのホスフィチル化を行って、化合物4bを得た。
【0076】
【表19】

【0077】
化合物4e
上記した化合物4dを製造するための方法に従って、化合物3eのホスフィチル化を行って、化合物4eを得た。
【0078】
【表20】

【0079】
オリゴヌクレオチド合成のための一般的方法
この研究で使用したホスホルアミダイトを、乾燥CHCNを使用して0.1Mに希釈した。商業的に入手可能なTホスホルアミダイトをApplied Biosystemsから購入し、そして4b、4d〜fホスホルアミダイトの合成は上記する。
【0080】
この研究において記載されたオリゴヌクレオチドは、ルーチンなホスホルアミダイト方法(Caruthers,1985)を使用して、しかし配列が4b、4d、4e又は4fを含有する点で、カップリング時間を30分に増加させて、Applied Biosystems 380B自動DNA合成機で合成された。
【0081】
CPGカラムを用いそしてそれを0.2NNaOH/MeOH中のピペリジン10%(容積/容積)1000μLの入ったエッペンドルフチューブ(Eppendorf tube)に入れることにより、合成支持体からのODNの開裂を行った。このチューブを一夜振とうし、回転させ(spun down)、そして上澄液を加え、890mMトリスHCl、pH8.3、890mMホウ酸、20mMEDTA(10×TBE)、200μLと完全に混合した。溶液を約600μLに蒸発させ、アリコート50μLを2つのMicrospin Sephadex G25カラム(Amersham Biosciences)を通してろ過した。得られる溶液中のDNAを、UV分光法(OD260)を使用して定量した。
【0082】
各カップリング反応の前に、この物質のアリコートを0.5〜1MNHCl中200μLとなるようにした。100%エタノール1000μLを加え、溶液を−78℃に45分間冷却した。溶液を13,000rcfで30分間回転させ、上澄液を捨てそして溶液を0.5〜1MNHCl200μL中に再溶解した。沈殿/回転/再溶解手順を2回繰り返し、ペレットを70%エタノール(−20℃)500μLで洗浄し、乾燥し、次いで水に再懸濁させた。
【0083】
アミド結合形成のための一般的方法
縮合剤4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(13.8mg、0.05ミリモル)をMOPS緩衝液(0.1M、1.0MNaCl、pH7、1.0mL)に溶解した。得られたDMT−MM溶液(50mM、10μL)をアミノ基及びカルボキシル基で修飾されたODN(200ピコモル)を含有するエッペンドルフバイアル(Eppendorf vial)中に加えた。反応混合物をよくボルテックスし、遠心し、次いで室温に48時間保った。水300μLをサンプルに加え、そして溶液をブタノール600μLで抽出した。溶液を1MNH4Clとしそしてエタノール1000μLを加えた。溶液を45分間−78℃に冷却し、次いで13,000rcfで30分間回転させ、上澄液を注ぎとり、そして溶液を水に再溶解した。
【0084】
MALDI−TOF MS分析のための一般的方法
THAP(33mg、0.2ミリモル)をCHCN(0.5mL)及びHO(0.5mL)中に溶解することにより、CHCN/HO(1:1容積:容積)中のTHAPマトリックスストック溶液(0.2M)を調製した。このストック溶液は、−20℃で貯蔵するならば、3週間くらいまで使用することができる。ストック溶液(30μL)と共マトリックス酒石酸アンモニウム溶液(脱イオンHO中の0.1M、70μL)を混合することにより、測定の直前に作業用マトリックス溶液を調製した。ODNサンプル(1〜10ピコモル/μL、0.5μL)を、ボルテックスを使用して作業用マトリックス溶液(5μL)と混合し、不均一混合物を13,000rcfで25秒間回転させた。上澄液1μLを7×7ターゲット上の各ウエルに付着させた。既知の質量を有するウシインシュリン又はODNsを測定における外部カリブラント(caliberants)又は内部カリブラントとして使用した。適正なレーザーパワーをケースバイケースに基づいて適用した。
【0085】
結果
最初の合成プロトコールは、保護されたリボヌクレオシドの2’−OHアルキル化を試みたが、このアプローチはヒンダード求電子試薬については非効率的であった(Zhu et al.,2002)。しかしながら、2’−デオキシ−2’−メルカプトウリジン13を1a及び1bでアルキル化して、独占的に2’−S−アルキル化ヌクレオシドを得た(図3)。2bのトリチル化及びホスフィチル化により修飾されたホスホルアミダイト4bを得た。2つの余分の工程を行って、3aにおける安定なフタルイミジル基をDNA合成機に好都合なトリフルオロアセチル基で置換した(Telser et al.,1989)。得られるヌクレオシド3eのホスフィチル化により、アミノ修飾されたホスホルアミダイト4eを得た。モノアミノ及びカルボキシ修飾されたホスホルアミダイト4d及び4fを同様な方法により製造した。それぞれのヌクレオチジル基は、図4では脱保護された形態で示される。
【0086】
修飾されたホスホルアミダイトは、慣用のODN合成により16マーODNsに組み込まれた。配列は表1に示される。
【0087】
【表21】

【0088】
メタノール性NaOHを使用して、ストランドを脱保護しそしてCPG支持体から除去した。慣用の濃水酸化アンモニウム処理は、NHとエステル部分とのアミノリシスにより使用することはできなかった(Berthod et al.,1996)。アクリロニトリルと脱保護されたアミンとのMichael付加の阻止を伴う脱保護(Avino et al.,1994)は、メタノール性NaOH中にピペリジン10%を含ませることにより達成された。酢酸イオン(キャッピングされなかったストランドの5’−アセチル基の加水分解からの)が選択的カップリングパートナーとして競合するのを防止するために、それらはアミドカップリング条件に付される前に3回のエタノール沈殿により除去された。故に、アミノ基とカルボキシル基の同時脱保護及びCPG支持体からのODNsの除去は、この特注のプロトコールにより達成された。ODNsは、MALDI−TOF質量分光法により特徴付けられた(Pieles et al.,1993 and Li et al.,1998)(表1)。
【0089】
ODNを最初にアミドカップリング条件に付した。縮合剤DMT−MM(4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−メチルモルホリニウムクロリド;Kunishima et al.,2001 and Liu et al.,2002)及びEDC(N−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;Schmidt et al.,1997 and Seitz et al.,2001)の両方共が種々の緩衝剤条件下にUとUとのストランド内アミド形成反応を促進するのに有効であることが証明された。DMT−MMが好ましかった。何故ならば、それは残留共有結合付加物を残さなかったからである。カップリング反応の収率は、MALDI−TOF分析により評価された(Sarracino et al.,1996 and Berggren et al.,2002)。からのODN1Cの収率は95%より多いことが評価されたが(図5)、これに対して3つのアミド結合を有する2Cの収率は78%であり(図6)、これは単一アミド結合形成収率を95%以上にする(これらの評価は下限である。何故ならば、スペクトルの少量のナトリウムは出発物質ピークを不明瞭にしそして人工的に膨らませるからである)。において正規T残基がUに取って換っているODNを使用するコントロールカップリング反応は、質量損失を示さなかった。
【0090】
異性体及びをカップリング条件下に処理して、MALDI−TOFにより特徴付けられたとおり、2つのアミド結合が、ホスホジエステル主鎖と新たに形成された脂肪族カルボキサミド構造の両方を含有する2つの融合した21員環を閉じているODNsを得た(表1、図7及び8)。ODNの縮合は、3つのアミド結合を生成させて3つの融合した21員環を有する5C(図9)を形成した。5Cにおいて、あまりありそうもないトポロジカルな異性体が、これらの反応条件下に可能である。スペーサー(図10A及び10B)により分離されたアミノ基とカルボキシル基とのカップリング反応の距離依存性を研究するために、コントロール実験を行った。その場合に、ストランド5’−(dT)(dT)(dT)(x+n+y=14、n=0、1、2、3、6、10)をアミド結合促進条件に付した。カップリング収率はスペーサー(dT)nの長さに高度に依存していることが見出された。n≧2である時は、収率は50%より少なく;n=6又は10であるときは、カップリングした生成物は殆ど検出できなかつた。故に、アミド結合は、隣接したヌクレオチジル残基上のアミノ基とカルボキシル基との間に形成するように片寄らされていた。生成物ストランドのいくつかの構造を図11に示す。線状ポリアミド主鎖は、本質的にナイロン−5,7である。
【0091】
本発明を今や完全に説明したが、広い範囲の均等なパラメーター、濃度、及び条件内で本発明の精神及び範囲から逸脱することなくそして過度の実験なしに、本発明を実施することができることは認識されるであろう。
【0092】
本発明をその特定の態様に関して説明してきたが、更に修正することができることは理解されるであろう。本願は、一般に本発明の原理に従う、そして本発明の属する技術分野内で既知の若しくは慣用の実施内に入るような及び前記の特許請求の範囲に記載の本質的特徴に当てはまりうるような本発明の開示からの逸脱を含む、本発明のいかなる変更、仕様又は適応も包含することを意図する。
【0093】
雑誌論文又は要約、又は公表された若しくは対応するU.S.若しくは外国特許出願、発行されたU.S若しくは外国特許又はいかなる他の文献も含む本明細書で引用されたすべての参考文献は、引用された参考文献に示されたすべてのデータ、表、図及び本文を含めて、本明細書に参照によりそのまま組み込まれる。
【0094】
既知の方法工程、慣用の方法工程、既知の方法又は慣用の方法に関する言及は、本発明のいかなる面も、いかなる説明又は態様も当該技術分野で開示され、教示され又は示唆されていることを、いかなる意味でも承認するものではない。
【0095】
特定の態様の前記説明は、他の人々が、当該技術分野の熟練の範囲内の知識(本明細書に引用された文献の内容を含む)を適用することによって、本発明の一般的概念から逸脱することなく、過度の実験なしにこのような特定の態様を種々の用途に容易に改変し及び/又は適合させることができるように十分に、本発明の一般的性質を示すであろう。故に、このような適合及び改変は、本明細書に与えられた教示及びガイダンスに基づいた、開示された態様の均等物の意味及び範囲内にあることを意図する。本明細書における用語又は語法は、当業者の知識と組み合わせて、本明細書に与えられた教示及びガイダンスに照らして当業者により解釈されるべきであるようなものであり、説明を目的としており、限定を目的としないことは理解されるべきである。
【0096】
【表22】







【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、修飾されたホスホルアミダイトから合成してカップリングしていないストランド(strand)とし、次いでライゲーションしてはしご型オリゴマー/コポリマーを形成するはしご型オリゴマー/コポリマーの合成略図を示す。Rは−DMTrであり、Rは−P(NiPr)(OCHCHCN)であり、灰色及び黒色の点は、それぞれ、カルボキシル基及びアミノ基であり、P及びPは、それらのそれぞれの保護基である。交互の「P」を有する垂直鎖は核酸主鎖を表し、核酸主鎖と反対側の垂直鎖はナイロン主鎖を表し、水平線(まっすぐ)ははしご型オリゴマー/コポリマーの「横桟」を表す。右端の構造は、下記する実施例において構築されたはしご型コポリマーを示す。
【図2】2A〜2Dは、核酸ノット(knot)(2A)及び連結されてはしご型コポリマーを形成することができる(2C)張り出した基を有する核酸ノット(2B)を示す。張り出したコポリマーの連結は、ポリマーが核酸から開放されてもノット構造を保持することを可能とする(2D)。
【図3】図3は、2’デオキシ−2’−アルキルチオウリジンホスホルアミダイトの合成のスキームを示し、図3において、試薬及び条件は下記のとおりである。即ち、(i)RI(1a,1b)又はRBr(1c,1d)、DIEA/CHCN、室温(rt)、10時間、(ii)DMTrCl/ピリジン、室温、2時間、(iii)NHNH/CHOH、還流、3時間、(iv)CFCOEt/CHOH、室温、16時間、(v)ClP(NiPr)(OCHCHCN)/CHCl、TEA、DMAP、室温、30分、(a:R=CHCH(CHCHNPhth)、b:R=CHCH(CHCHCOBn)、c:R=(CHNPhth、d:R=(CHCOEt、e:R=CHCH(CHCHNHCOCF、f:R=(CHNHCOCF)。
【図4】図4は2’−修飾されたヌクレオチジル単位の構造を示す。
【図5】図5は、カップリングしていないODN、5’(dT)(dT)(上部)及びカップリングしたストランド生成物1C(下部)のマトリックス介助レーザーデソープションイオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量分光法スペクトルを示す。
【図6】図6は、カップリングしていないODN、5’(dT)(dT)(dT)(dT)(上部)及びカップリングしたストランド生成物2C(下部)のMALDI−TOF質量分光法スペクトルを示す。
【図7】図7は、カップリングしていないODN、5’−(dT)CC(dT)(上部)及びカップリングしたストランド生成物3C(下部)の MALDI−TOF質量分光法スペクトルを示す。
【図8】図8は、カップリングしていないODN、5’−(dT)NN(dT)(上部)及びカップリングしたストランド生成物4C(下部)の MALDI−TOF質量分光法スペクトルを示す。
【図9】図9は、カップリングしていないODN、5’−(dT)NNCC(dT)(上部)及びカップリングしたストランド生成物5C(下部)の MALDI−TOF質量分光法スペクトルを示す。
【図10A】図10A及び10Bは、カップリング条件下に処理される前(図10A)及び処理された後(図10B)のODN、5’−(dT)(dT)(dT)(x+n+y=14)のMALDI−TOF質量分光法スペクトルを示す。
【図10B】図10A及び10Bは、カップリング条件下に処理される前(図10A)及び処理された後(図10B)のODN、5’−(dT)(dT)(dT)(x+n+y=14)のMALDI−TOF質量分光法スペクトルを示す。
【図11】図11は、DNA−ナイロンコンジュゲート1C3C4C及び5Cの化学構造を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
はしごの横桟として働く主鎖間の連結部を有するはしごの側部又は脚としての2つの主鎖を有するはしご型コポリマーであって、一般式(I)
【化1】


[式中、
Aは、O、S、Se及びTeよりなる群から選ばれる第VI族の元素であり、
G、J、L、M、Qは、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)、−O−、−S−、カルボニル、カルボキシル、−SiR−及び−OSiRO−よりなる群から選ばれるリンカー基であり;
Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基であり、
Eは、CR、N、NR+、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスホルアミド、ホスホンアミド及びホスフィンアミドよりなる群から選ばれる対称原子中心又は不斉原子中心であり;
Rは、H、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)よりなる群から選ばれる末端基であり;
対X−Y、W−Zは、有機合成の技術により、XがYとの化学結合を形成することができるような結合部位であるか、又はWがZとの化学結合を形成することができるような結合部位であり;
Sは、リボース若しくはすべての修飾されたリボースであるか、又はDNA様構造と関連した同様な環状若しくは非環状構築ブロックである]
で示されるはしご型コポリマー。
【請求項2】
対X−Y及びW−Zが、アミド、エステル、ホスホエステル又は環状電子反応からのアルケン結合を形成する、請求項1に記載のはしご型コポリマー。
【請求項3】
Sが、下記:
【化2】


の1種以上よりなる群から選ばれる、請求項1に記載のはしご型コポリマー。
【請求項4】
該主鎖の1つが、ポリアミド主鎖であり、そしてはしご型コポリマーが、一般式(II)
【化3】


[式中、
Aは、O、S、Se及びTeよりなる群から選ばれる第VI族の元素であり;
L、M、は、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)、−O−、−S−、カルボニル、カルボキシル、−SiR−及び−OSiRO−よりなる群から選ばれるリンカー基であり;
Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基であり;
Rは、H、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)よりなる群から選ばれる末端基であり;
W−Zは、有機合成の技術により、WがZとの化学結合を形成することができるような結合部位であり;
Sは、リボース若しくはすべての修飾されたリボースであるか、又はDNA様構造と関連した同様な環状若しくは非環状構築ブロックである]
で示される、請求項1に記載のはしご型コポリマー。
【請求項5】
W−Zは、アミド、エステル、ホスホエステル又は環状電子反応からのアルケン結合を形成する、請求項4に記載のはしご型コポリマー。
【請求項6】
Sが、下記:
【化4】


の1種以上よりなる群から選ばれる、請求項4に記載のはしご型コポリマー。
【請求項7】
アンチセンスオリゴマーとして働く請求項4に記載のはしご型コポリマーを標的mRNAと接触させ、該標的mRNAに該はしご型コポリマーがアニーリングして安定な二本鎖を形成して、mRNAからのコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害することを含む、mRNAによりコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害する方法。
【請求項8】
該主鎖の1つが核酸主鎖であり、そしてはしご型コポリマーが、一般式(III)
【化5】


[式中、
Aは、O、S、Se及びTeよりなる群から選ばれる第VI族の元素であり、
G、J、Qは、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)、−O−、−S−、カルボニル、カルボキシル、−SiR−及び−OSiRO−よりなる群から選ばれるリンカー基であり、
Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基であり、
Eは、CR、N、NR+、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスホルアミド、ホスホンアミド及びホスフィンアミドよりなる群から選ばれる対称原子中心又は不斉原子中心であり、
Rは、H、C〜C18分岐状若しくは直鎖状アルキル基、C〜C24の置換された若しくは置換されていない芳香族及びヘテロ芳香族基(該ヘテロ芳香族基は、1〜3個のヘテロ原子(N、S、O)又はハロゲン置換を有する)よりなる群から選ばれる末端基であり、
X−Yは、有機合成の技術により、XがYとの化学結合を形成することができるような結合部位である)
で示される、請求項1に記載のはしご型コポリマー。
【請求項9】
X−Yは、アミド、エステル、ホスホエステル又は環状電子反応からのアルケン結合を形成する、請求項8に記載のはしご型コポリマー。
【請求項10】
2’−β−置換されたホスホルアミダイトを合成し、
2’−β−置換されたホスホルアミダイトから張り出した基を有するオリゴヌクレオチドを合成し、そして
張り出した基をカップリングさせてはしご型コポリマーを形成する、
ことを含む、DNA主鎖を有する請求項8に記載のはしご型コポリマーを製造する方法。
【請求項11】
アンチセンスオリゴマーとして働く請求項8に記載のはしご型コポリマーを標的mRNAと接触させ、該標的mRNAに該はしご型コポリマーがアニーリングして安定な二本鎖を形成して、mRNAからのコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害することを含む、mRNAによりコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害する方法。
【請求項12】
該2つの主鎖がポリアミド主鎖及び核酸主鎖である、請求項1に記載のはしご型コポリマー。
【請求項13】
一般式(IV)
【化6】


(式中、Bは、U、T、A、G、C及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる核酸塩基である)
で示される、請求項12に記載のはしご型コポリマー。
【請求項14】
2’−β−置換されたホスホルアミダイトを合成し、
該合成された2’−β−置換されたホスホルアミダイトから張り出したアミン基及びカルボキシレート基を有するオリゴヌクレオチドを合成し、そして
張り出した基をカップリングさせてナイロン−DNAはしご型コポリマーを形成する、
ことを含む、DNA主鎖を有する請求項13に記載のはしご型コポリマーを製造する方法。
【請求項15】
アンチセンスオリゴマーとして働く請求項12に記載のはしご型コポリマーを標的mRNAと接触させ、該標的mRNAに該はしご型コポリマーがアニーリングして安定な二本鎖を形成して、mRNAからのコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害することを含む、mRNAによりコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害する方法。
【請求項16】
アンチセンスオリゴマーとして働く請求項1に記載のはしご型コポリマーを標的mRNAと接触させ、該標的mRNAに該はしご型コポリマーがアニーリングして安定な二本鎖を形成して、mRNAからのコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害することを含む、mRNAによりコードされたポリペプチド又はペプチドの産生を阻害する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−532472(P2007−532472A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533480(P2006−533480)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/016870
【国際公開番号】WO2005/001035
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(500350265)ニューヨーク ユニバーシティ (11)
【Fターム(参考)】