はんだを用いない電子組立品およびこれらの製造方法
電子部品の組立品を提供する方法およびこれを踏まえた組立品であって、電子部品は部品端子を有する。第1の面および第2の面を有する導電性天板が提供される。次に部品端子は異方性導体を用いて天板の第1の面に接続される。パターンは天板の第2の面に印刷される。天板の残りの部分が部品端子を相互接続する電子回路を形成するように、パターンに基づいて天板の部分が取り除かれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2007年7月10日に出願された米国仮出願番号60/959,148、および2007年7月31日に出願された米国仮出願番号60/962,627から生じる利益を要求し、したがってこれら全てに参照として加える2008年7月9日に出願された米国出願番号12/170,426の継続出願である。
【0002】
(著作権の帰属および許諾)
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象になっている要素を含んでいる。著作権の所有者は、公式な届出および記録に見られるように、いかなる者による特許文書または特許開示の模倣提示も拒絶していないが、この要素を除く全ての著作権を確保する。
【0003】
本発明は、一般的には電子組立品の分野に関し、限定はされないが、特には、はんだを用いない電子製品の製造および組立に関する。
【背景技術】
【0004】
歴史的に、ほとんどの電子製品ははんだ素材を用い、はんだ工程によって組み立てられている。これは常にあるいくつかの不利を有し、多くの新しい動向がほかの不利点を明らかにし、または増幅させている。
【0005】
ある不利点ははんだ素材自身に関する。電子産業の初期から、スズ/鉛型はんだ(例えば、Sn63/Pb37)は広く使用されてきた。スズおよび特に鉛はいずれも深刻な化学的不利点を有している。これら2つの金属に関しては、鉱石を採掘すること、精製すること、製造する間精製された金属を用いて作業すること、製造された製品中の材料に曝露されること、これらの製品寿命が終わった製品を処分することは全て人間の健康および環境を害する恐れがある。
【0006】
最近、人間の健康と環境のスズ/鉛はんだに関する問題から、欧州連合において電子・電気機器含有特定危険物使用制限に関する指令(一般には、危険物制限またはRoHSと呼ばれる)が作成された。この指令は、様々な形態の電子および電気機器を製造する際での、鉛を含む、6つの危険物質の使用を制限している。この指令は、廃電気・電子製品に関する指令(WEEE)2002/96/EUに密接に関係している。この指令は、電子品を対象とした収集、再利用、および回収を定めている。これらの指令はともに、電子デバイスの浪費の問題を解決するために世界的に広がっている立法府による発案の一部である。
【0007】
ある程度電子産業は常にスズ/鉛の実用的な代替品を探してきており、上記のような立法府による発案は多くの変化を起こさせるきっかけになっている。今日、普及しているスズ/鉛型はんだの代替品はSAC型はんだの種類であり、スズ(Sn)、銀(Ag)および銅(Cu)を含む合金である。採掘、精製、製造する間の作業、製造された製品からの曝露、および処分は未だに全てスズ、銀、および銅の問題である。よって、はんだなどの、いくつかの物質の必要以上の使用は電子組立品に概して望ましくないといえば十分である。
【0008】
電子製品のはんだベースの組立品のほかの不利点は、高温の工程が本質的に要求されることである。多くの電子部品の上および周囲で熱源を使用することはどの場合でも望まれない。一般的な原則として、電子部品を熱することはこれらの欠陥率を増加させ、ある段階を超えると完全に破損する。スズ/鉛はんだは比較的低温で溶解し、これらの使用は一般的に多くの部品にとって許容できていた。しかし、ずっと高い温度(例えば、〜40℃またはそれ以上)で溶解するSAC型はんだに関しては高い頻度で状況が同じでない。SAC型はんだを使用した場合、部品の破損の可能性はずっと高く、組立品において製造後の試験に合格しないこと、および現場での欠損を結果として生じさせる。加えて、製造中の熱の生成と管理は、エネルギー、安全性、および他の更なる損失を生む。よって、はんだ付けなどの加熱ベースの製造工程も電子組立品に概して望ましくないといえば十分である。
【0009】
さらに、電子製品のはんだベースの組立品のほかの不利点は材料の「追加」にますます関係している。はんだなどの材料が2つの部品の間に加えられ、これらの部品を互いに固定する場合、付加的な材料は本質的にいくらかのスペースを占める。製造において、液状のはんだなどの液状材料の使用はしばしば導線、端子、およびパッドの周囲に余分なスペースを必要とする。これは、製品および工程の設計のどちらも液体が容易に流れ、よって他の導線、端子、パッドなどとショートする可能性があることを考慮しなければならないからである。液体の表面張力効果はこのような設計において主要な検討事項であり、液状のはんだは高い表面張力を有する。よって、これら全ては設計者にとって電子組立品を小型化するためにますます困難を強いられる要素となる。よって、生産された組立品および生産工程においてはんだなどの付加的な材料の過度な使用は、それにより作製される電子組立品において通常望ましくない。以下の図はこれらの点のいくつか説明するのに役立つ。
【0010】
図1(従来技術)は、プリント配線板(PCB102)および部品パッケージ104を含む従来のはんだベースの組立品100の垂直断面図である。パッケージ104は、ガルウイング状の端子または導線108(1つの導線108が示されている)を有する電子部品106を含む。はんだ接合部110は導線108をPCB102上の端子パッド112に接続している。PCB102上のほかの場所の絶縁材料114ははんだ接合部110からの材料がほかのはんだ接合部、導線、および端子パッドとショートする場所に流れるのを防ぐ。示されている特殊な例では、PCB102は、貫通孔116を満たしている導体が端子パッド112を1つかまたは複数の導体配線118に接続している多層型である。
【0011】
この従来技術の手段は、多くの不利点を有している。これははんだを使用していて、このはんだは望ましくない材料(例えば、鉛)を含んでいる可能性があり、人の手による製作工程(すなわち、はんだ付け)を必要とする。上記のことが意味するように、はんだ接合部110からはんだが流れ出る可能性があり、よってはんだ接合部110がほかのはんだ接合部、導線、または端子パッドとショートするのを避けるため、絶縁材料114および様々な付加的な設計を使用せざるを得なくなる。これはPCB102の外部構造と内部構造のどちらも複雑にする。その上、はんだ接合部100におけるはんだは本質的にいくらかのスペースを占め、この存在は組立品100全体の高さを増加させる。
【0012】
図2(従来技術)はプリント配線板(PCB202)および異なる部品パッケージ204を含むほかの従来のはんだベースの組立品200の垂直断面図である。パッケージ204は、電子部品206、導線208(1つの導線208が示されている)、支持材210、および絶縁基板212を含む。PCB202は、端子パッド214、絶縁材料216、および端子パッド214を1つかまたは複数の導体配線220に接続している貫通孔218を含む。
【0013】
はんだ球222は導線208を端子パッド214に接続している。しかし、あらゆる点、特にすでに組立品100に関して議論した不利点を含む点で、組立品200は概して同じである。
【0014】
図3(従来技術)は、発明者Greenによる米国特許第6,160,714号明細書によるはんだを使用せず接続した組立品300の垂直断面図である。この構造では、回路基板302は部品パッケージ304を支持している。パッケージ304は、ICまたはほかの互いに分離している部品などの電子部品(図示されていない)を含む。回路基板302を覆っているのは絶縁材料306である。回路基板302の反対側に導電性ポリマー薄膜のインク308がある。伝導性を高めるために、銅めっきの薄膜310がポリマー薄膜のインク308上に施されている。ビアホールがパッケージ304から回路基板302を貫通して延びている。ビアホールは伝導性の接着剤314で満たされている。パッケージ304が接着剤314に接触している点316は可溶性のポリマー薄膜のインク、銀ポリマー薄膜導電性のインク、または市販のはんだペーストで作られていてもよい。この従来技術組立品300の1つの不利点は、隆起部318によって示されるように、接着剤314によって厚みが増すことである。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明の目的は電子部品の改良された組立品およびこれらの製造法を提供することにある。
【0016】
本発明の望ましい実施形態は、簡単に述べると、電子部品の組立品を提供する方法であって、この電子部品は部品の端子を有している。第1の側面と第2の側面を有する導電性の天板が提供される。部品の端子は天板の第1の側面に異方性の導体とともに接続される。パターンは天板の第2の側面に印刷されている。天板の残りの部分が電子部品の部品端子を相互接続している電子回路を形成するように、パターンに基づいて天板の部分が取り除かれる。
【0017】
本発明のほかの望ましい実施形態は、簡単に述べると、電子部品の組立品であって、この電子部品は部品の端子を有している。複数の導体が提供され、異方性の導体を用いて部品端子をそれぞれの複数の導体に接続し、部品端子を相互接続する電子回路を形成する。
【0018】
さらに、本発明のほかの望ましい実施形態は、簡単に述べると、電子部品の部品端子を有し、複数の導体が提供されて複数の導体のそれぞれの間に電流が流れる型の、電子部品の改良された組立品である。改良は、異方性導体材料を使用して部品端子を複数の導体のそれぞれに電気的に接続して、部品端子を相互接続する電子回路を形成することを含む。
【0019】
本発明の利点は、電子組立品内のはんだ材料の過度の、さらには全ての使用、したがってはんだ材料の使用に関する全てのそれに伴う化学的な留意事項および人への安全性および環境への被害に関する問題を避けることである。
【0020】
本発明のほかの利点は、電子組立品において室温よりも高い温度ベースの工程を、したがって電子部品上および製造環境への高温による直接的、間接的な弊害をもたらす効果を避けることを可能にすることである。
【0021】
さらに、本発明のほかの利点は、材料の追加、したがって本発明によって作製された電子組立品の過度の寸法の肥大を避けることを可能にすることである。
【0022】
本発明のこれらのおよび他の目的および利点は、記述され、描かれた図に示されている望ましい実施形態の、本発明を実行する、現在明らかである最もよい方法および産業上の利用可能性の説明によって当業者に明らかになるであろう。
【0023】
本発明の目的と利点は添付された図と併せて以下の詳細によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(従来技術)プリント配線板(PCB)および部品パッケージを含む従来のはんだベースの組立品の垂直断面図である。
【図2】(従来技術)PCBおよび異なる部品パッケージを含むほかの従来のはんだベースの組立品の垂直断面図である。
【図3】(従来技術)発明者Greenによる米国特許第6,160,714号明細書によるはんだを使用せず接続した組立品の垂直断面図である。
【図4】本発明を説明する典型的な組立品の一部の垂直断面図である。
【図5】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図6】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図7】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図8】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図9】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図10】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図11】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図12】図5から図6に示されている段階は変更されていて、図7から図11にかけて示されている段階は同じ可能性もあり、同じでない可能性もある製造中の組立品の垂直断面図である。
【0025】
描かれている様々な図において、同様の参照記号が同様のまたは似通った素子またはステップを意味するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の望ましい実施形態は電子部品の組立品である。様々な図、特に図4および図11で説明されているように、本発明の望ましい実施形態は全般的な参照記号400、500で示される。
【0027】
図4は本発明を説明する典型的な組立品400の一部の垂直断面図である。組立品400は、電子部品404、ハウジング406、支持体408、絶縁基板410、および導線412(1つが示されている)を含んでいるランドグリッドアレイ(LGA)型部品パッケージを含む。組立品400はさらに、導体414の回路(1つの導体414が示されている)、上部カバー材料416、および底部カバー材料418を含む。導体414の回路は1つまたは複数の接続点420(1つの接続点420が示されている)を有し、導線412と導体414の回路の間に異方性の導体422が提供されている。
【0028】
部品パッケージ402の詳細のほとんどは特に明らかにされていない。例えば、部品パッケージ402はLGAであるから、ハウジング406、支持体408および基板410が存在する。しかし、現在議論しているように、ほかの型の部品パッケージまたは単純にほかの型の電子部品の場合、これらは除外される可能性がある。表面実装(SMT)デバイス、ガルウイングまたはほかのICパッケージ構造、ボールグリッドアレイ(BGA)、または事実上全ての型の電子部品を図4に示してあるLGAと置き換えることが可能であることが以下の議論で明らかになるだろう。ここでいくつかの要点は、電子部品404が存在していて、これは電気的に導体414の回路に導線412を有していることである。完成した組立品400の信頼性をより確実にするために、使用される部品が使用前にすでに十分試験され、バーンインされていることも重要である。
【0029】
異方性導体422を使用して電子部品404の導電性の導線412と回路の導電性導体414を接続する。異方性導体の特性は、方向的に固有の様態で電流が流れることであり、ここでは電子部品404の導線412と回路の導体414の間を電流が垂直方向に流れ、ほかの導線または導体へ電流が水平方向に流れないように用いられる。
【0030】
上部カバー材料416、および底部カバー材料418はともに絶縁材料であり、取り付けは任意であるが、本発明をふまえて作製された組立品の多くの実施形態において望ましいものであろう。上部カバー材料416は硬い(つまり、もろくない)材料であって、電子部品404に使用されている材料と適合する熱膨張係数(CTE)を有することが望ましい。上部カバー材料416は組立品400全体をより強固にしている。図4に示すように、部品パッケージ402のハウジング406を全て覆う必要はなく、その上よりよい熱の取り扱いを提供する。その上、上部カバー材料416が提供された場合、電子部品404の周囲のハウジングを省くことができ、完成した組立品400の輪郭を縮小することができる。底部カバー材料418は、導体414の回路を保護し、したがって電流が流れる作用を機能させるために必要以上に大きく作成する必要がない。とはいえ、底部カバー材料418は(必要な場合に)接続点420への接続を供給する隙間を有することができる。
【0031】
図5から図11は製造の段階を経ている組立品500とみなす、本発明に関する組立品500の一連の垂直断面図である。図5に、天板502、異方性導体504、一連の電子部品506aから506cが提供されている。天板502は電気的に導体、たとえば銅の箔または膜である。異方性導体504は、ここでは天板502にすでに塗布されている異方性導体性接着剤である。議論を容易にするために、組立品500は上部508と底部510を有するとする。
【0032】
図5から図11に示されている電子部品506aから506cは代表的な例であり、発明の組立品500のほかの実施形態ではこれらより多い、または少ない、またはほかの型の部品を使用してもよい。ここでは電子部品506aから506cを含む、部品の全ては、接続、導線、または端子(ここでは端子512)を有することに特徴がある。第1の部品506aはここではLGA、例えば陸式端子512を有するマイクロプロセッサである。第2の部品506bは、パッド型端子512を有する抵抗などの単純なSMT部品である。第3の部品506cは、ガルウイング型端子512を有するNANDゲートICなどのより複雑なSMT部品である。
【0033】
図6では、電子部品506aから506cの端子512はすべて異方性導体504に、したがって天板502にも接続されている。電子部品506aから506cは全て、1または複数の異なる時間における時点で、同時に、または別々に接続することができる。
【0034】
図7では、電気的に絶縁性のある材料の基材514が組立品500の上部508に取り付けられ、電子部品506aから506cは基材514にしっかりと固定されて組み入れられ、組立品500の上部508上の異方性導体504を保護している。これに対して、真空または加圧によって封入されている空気を完全に充填しおよび空気を抜き、よってできる限りの空間を得ることが役に立つこともある。
【0035】
図8では、パターン516が組立品500の底部510に印刷されていて、天板502の取り除く部分518が作られる。
【0036】
図9では、天板502の取り除く部分518を取り除き、組立品の天板502の残った部分520はそのまま残しておく。天板502の取り除く部分518に接した異方性導体504の一部も同時に取り除かれるかもしれない。
【0037】
図10では、パターン516は天板502の残った部分520から取り除かれている。
【0038】
図11では、絶縁カバー522が組立品500の底部510のほとんどを覆うように加えられていて、天板502がむき出しにされている接続部524(1つが示されている)は覆われず残されている。この時点で本発明の組立品500は完成する。天板502は電子回路となり、内部で要望に応じて電子部品506aから506cの端子を接続し、接続部524において外部からこの回路に接続することができる。
【0039】
図5から図11に示されている一連の段階は、本発明の精神から逸脱することなく多くの面で変更することができる。図12は、図5から図6に示されている段階は変更されていて、図7から図11にかけて示されている段階は同じ可能性もあり、同じでない可能性もある製造中の組立品500の垂直断面図である。
【0040】
図12では、端子512が組立品500の上部508上の異方性導体504に接続されるよりも先に、電子部品506aから506cが電気的に絶縁性のある基材514に部分的に組み入れられている。
【0041】
この変形の多くの変形も可能である。例えば、図12では、異方性導体504および天板502は部分組立品として示されているが、これは必要条件ではない。図に示されるように基材514に部分的に組み入れられた電子部品506aから506cを提供することができ、その次に異方性導体504をこれに取り付けることができ、その次に天板502を取り付けることができる。さらにいえば、基材514の中の電子部品506aから506cは(図12に示されている状態に対して)上下裏返しにすることができ、異方性導体504を(例えば、印刷インクの要領で)散布、またはローラーで付けることができ、その次に天板502を取り付けることができる。すでに述べたように天板502は導電性の箔または膜であることができるが、この変形では天板502を導電性層として堆積させることもできる。
【0042】
図5から図12はすべて、異方性導体504を、天板502の片側の面すべてを覆う完全な層として示している。これも必要条件ではない。異方性導体504は電子部品506aから506cの端子512と天板502の残った部分520との間のみで必要である。よって異方性導体504はより少なく付けることができ、例えば、天板502上に電子部品506aから506cを設置する前に、電子部品506aから506cに、または単に電子部品506aから506cの端子512にだけ付けることで少なく付けることができる。さらに異方性導体504は天板502上にマスクとして付けることができ、つぎに電子部品506aから506cを、個別にまたは基材514に組み入れて、天板502に取り付けることができる。
【0043】
図7と図12は、基材514に完全に組み入れられた電子部品506aから506cを示しているが、これも必要条件ではない。1つまたは複数の電子部品506aから506cは完成した組立品500の上部508上の基材514から交互に上方に延ばすことができる。これは、例えば、部品が光、温度またはいくつかのほかの周囲状況を検出するために使用される場合、または部品が信号を放射する場合、例えば、部品が発光ダイオード(LED)または液晶ディスプレイ(LED)である場合に便利である。目的により、基材514は透明な材料で作ることができ、基材514の内部に繊維状のものを含有させて強度を高め(および熱拡散を助け)ることができる。基材514は事実上オプション的なものであるが、発明者は多くの事例において必要とされると思っている。その上基材514は、区分けされた部分同士の間の相互接続を除いて、不連続であってもよいが、基材514の代表的な役割は組立品500をより強固にすることであり、ほかの役割として、組立品500の上部508上にむき出しになっている異方性導体504をカバーしてほこり、湿気などが作業環境において異方性導体504上に付着するのを防ぐこともできる。
【0044】
図8、図9では、パターン516がポジティブパターンとして示されているが、これも必要条件ではない。例えば、図8、図9のパターン516は標準的なフォトエッチング技術を用いて作製されてもよく、パターン516は、天板502の取り除く部分518を取り除いた、天板502の残りの部分520を保護する。しかし、パターン516の材料は、例えば、酸性であることによって、および天板502と長い期間絶えず接触しているために取り除く部分518を分解したことによって、天板502の隣接した部分も取り除く可能性がある。加えて、(レーザーを用いるなど)様々な除去方法または(ローターを用いるなど)機械的な方法を使用して回路のパターンを決定できる。
【0045】
図9から図11を再度参照すると、パターン516は完成した組立品500から取り除かれている。しかしこれも概してオプションである。図11では、これにより接続部524が汚染される可能性が生じるが、これは組立品500の中の回路に接続するただ一つの方法である。例えば、基材514の上方に延び、かつ組立品500の上部508から外部に延びる1つまたは複数の端子ブロックを部品として提供できる。絶縁カバー522は単に組立品500の底部510全体をカバーすることができ、パターン516が絶縁カバー522の下に単に残ることができないという理由はなくてもよい。
【0046】
図11を再度参照すると、絶縁カバー522もオプションである。しかし、一般に、ほこり、湿気などが作業環境において発明の組立品500の中の回路上に付着するのを防ぐことも望まれる。
【0047】
要約すると、発明の組立品400、500ははんだを使用する必要がなく、金属はんだ合金の中のスズ、鉛、銀、および銅を回避できる。発明の組立品400、500はまた高温の製造に関係している問題を避けることができる。直接的にはこれは電子部品404、506aから506cへの破損を避ける。間接的にはこれによりすでに試験およびバーンイン試験がなされた部品一式を使用でき、またはこのような部品一式を使用し、最終製品の組立品のさらなる試験およびバーンイン試験を行うことができる。この方法では、不具合による完成した組立品の補修および廃棄は著しく減少する。発明の組立品400、500はまた、部品同士の間のはんだによって増加する空間をなくし、不適切な、はんだが流れる特性および表面張力に関した隆起を、収容するための部品同士の間の間隔を加えることなしに、寸法を小型化できる。その上、単一層構造をこれまで述べてきたが、電子組立品のさらに複雑な実施形態を構成するために、本発明の基本原理を用いて回路パターンの追加の層を積み上げてもよいことを電子技術において熟練した技術者は直ちに理解することができるはずである。
【0048】
これまで様々な実施形態を述べてきたが、これらは例としてのみ示され、発明の広さと範囲は上記のいかなる典型的な実施形態によっても限定されず、次の特許請求の範囲およびこれらに相当する事柄のみにしたがって定義される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2007年7月10日に出願された米国仮出願番号60/959,148、および2007年7月31日に出願された米国仮出願番号60/962,627から生じる利益を要求し、したがってこれら全てに参照として加える2008年7月9日に出願された米国出願番号12/170,426の継続出願である。
【0002】
(著作権の帰属および許諾)
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象になっている要素を含んでいる。著作権の所有者は、公式な届出および記録に見られるように、いかなる者による特許文書または特許開示の模倣提示も拒絶していないが、この要素を除く全ての著作権を確保する。
【0003】
本発明は、一般的には電子組立品の分野に関し、限定はされないが、特には、はんだを用いない電子製品の製造および組立に関する。
【背景技術】
【0004】
歴史的に、ほとんどの電子製品ははんだ素材を用い、はんだ工程によって組み立てられている。これは常にあるいくつかの不利を有し、多くの新しい動向がほかの不利点を明らかにし、または増幅させている。
【0005】
ある不利点ははんだ素材自身に関する。電子産業の初期から、スズ/鉛型はんだ(例えば、Sn63/Pb37)は広く使用されてきた。スズおよび特に鉛はいずれも深刻な化学的不利点を有している。これら2つの金属に関しては、鉱石を採掘すること、精製すること、製造する間精製された金属を用いて作業すること、製造された製品中の材料に曝露されること、これらの製品寿命が終わった製品を処分することは全て人間の健康および環境を害する恐れがある。
【0006】
最近、人間の健康と環境のスズ/鉛はんだに関する問題から、欧州連合において電子・電気機器含有特定危険物使用制限に関する指令(一般には、危険物制限またはRoHSと呼ばれる)が作成された。この指令は、様々な形態の電子および電気機器を製造する際での、鉛を含む、6つの危険物質の使用を制限している。この指令は、廃電気・電子製品に関する指令(WEEE)2002/96/EUに密接に関係している。この指令は、電子品を対象とした収集、再利用、および回収を定めている。これらの指令はともに、電子デバイスの浪費の問題を解決するために世界的に広がっている立法府による発案の一部である。
【0007】
ある程度電子産業は常にスズ/鉛の実用的な代替品を探してきており、上記のような立法府による発案は多くの変化を起こさせるきっかけになっている。今日、普及しているスズ/鉛型はんだの代替品はSAC型はんだの種類であり、スズ(Sn)、銀(Ag)および銅(Cu)を含む合金である。採掘、精製、製造する間の作業、製造された製品からの曝露、および処分は未だに全てスズ、銀、および銅の問題である。よって、はんだなどの、いくつかの物質の必要以上の使用は電子組立品に概して望ましくないといえば十分である。
【0008】
電子製品のはんだベースの組立品のほかの不利点は、高温の工程が本質的に要求されることである。多くの電子部品の上および周囲で熱源を使用することはどの場合でも望まれない。一般的な原則として、電子部品を熱することはこれらの欠陥率を増加させ、ある段階を超えると完全に破損する。スズ/鉛はんだは比較的低温で溶解し、これらの使用は一般的に多くの部品にとって許容できていた。しかし、ずっと高い温度(例えば、〜40℃またはそれ以上)で溶解するSAC型はんだに関しては高い頻度で状況が同じでない。SAC型はんだを使用した場合、部品の破損の可能性はずっと高く、組立品において製造後の試験に合格しないこと、および現場での欠損を結果として生じさせる。加えて、製造中の熱の生成と管理は、エネルギー、安全性、および他の更なる損失を生む。よって、はんだ付けなどの加熱ベースの製造工程も電子組立品に概して望ましくないといえば十分である。
【0009】
さらに、電子製品のはんだベースの組立品のほかの不利点は材料の「追加」にますます関係している。はんだなどの材料が2つの部品の間に加えられ、これらの部品を互いに固定する場合、付加的な材料は本質的にいくらかのスペースを占める。製造において、液状のはんだなどの液状材料の使用はしばしば導線、端子、およびパッドの周囲に余分なスペースを必要とする。これは、製品および工程の設計のどちらも液体が容易に流れ、よって他の導線、端子、パッドなどとショートする可能性があることを考慮しなければならないからである。液体の表面張力効果はこのような設計において主要な検討事項であり、液状のはんだは高い表面張力を有する。よって、これら全ては設計者にとって電子組立品を小型化するためにますます困難を強いられる要素となる。よって、生産された組立品および生産工程においてはんだなどの付加的な材料の過度な使用は、それにより作製される電子組立品において通常望ましくない。以下の図はこれらの点のいくつか説明するのに役立つ。
【0010】
図1(従来技術)は、プリント配線板(PCB102)および部品パッケージ104を含む従来のはんだベースの組立品100の垂直断面図である。パッケージ104は、ガルウイング状の端子または導線108(1つの導線108が示されている)を有する電子部品106を含む。はんだ接合部110は導線108をPCB102上の端子パッド112に接続している。PCB102上のほかの場所の絶縁材料114ははんだ接合部110からの材料がほかのはんだ接合部、導線、および端子パッドとショートする場所に流れるのを防ぐ。示されている特殊な例では、PCB102は、貫通孔116を満たしている導体が端子パッド112を1つかまたは複数の導体配線118に接続している多層型である。
【0011】
この従来技術の手段は、多くの不利点を有している。これははんだを使用していて、このはんだは望ましくない材料(例えば、鉛)を含んでいる可能性があり、人の手による製作工程(すなわち、はんだ付け)を必要とする。上記のことが意味するように、はんだ接合部110からはんだが流れ出る可能性があり、よってはんだ接合部110がほかのはんだ接合部、導線、または端子パッドとショートするのを避けるため、絶縁材料114および様々な付加的な設計を使用せざるを得なくなる。これはPCB102の外部構造と内部構造のどちらも複雑にする。その上、はんだ接合部100におけるはんだは本質的にいくらかのスペースを占め、この存在は組立品100全体の高さを増加させる。
【0012】
図2(従来技術)はプリント配線板(PCB202)および異なる部品パッケージ204を含むほかの従来のはんだベースの組立品200の垂直断面図である。パッケージ204は、電子部品206、導線208(1つの導線208が示されている)、支持材210、および絶縁基板212を含む。PCB202は、端子パッド214、絶縁材料216、および端子パッド214を1つかまたは複数の導体配線220に接続している貫通孔218を含む。
【0013】
はんだ球222は導線208を端子パッド214に接続している。しかし、あらゆる点、特にすでに組立品100に関して議論した不利点を含む点で、組立品200は概して同じである。
【0014】
図3(従来技術)は、発明者Greenによる米国特許第6,160,714号明細書によるはんだを使用せず接続した組立品300の垂直断面図である。この構造では、回路基板302は部品パッケージ304を支持している。パッケージ304は、ICまたはほかの互いに分離している部品などの電子部品(図示されていない)を含む。回路基板302を覆っているのは絶縁材料306である。回路基板302の反対側に導電性ポリマー薄膜のインク308がある。伝導性を高めるために、銅めっきの薄膜310がポリマー薄膜のインク308上に施されている。ビアホールがパッケージ304から回路基板302を貫通して延びている。ビアホールは伝導性の接着剤314で満たされている。パッケージ304が接着剤314に接触している点316は可溶性のポリマー薄膜のインク、銀ポリマー薄膜導電性のインク、または市販のはんだペーストで作られていてもよい。この従来技術組立品300の1つの不利点は、隆起部318によって示されるように、接着剤314によって厚みが増すことである。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明の目的は電子部品の改良された組立品およびこれらの製造法を提供することにある。
【0016】
本発明の望ましい実施形態は、簡単に述べると、電子部品の組立品を提供する方法であって、この電子部品は部品の端子を有している。第1の側面と第2の側面を有する導電性の天板が提供される。部品の端子は天板の第1の側面に異方性の導体とともに接続される。パターンは天板の第2の側面に印刷されている。天板の残りの部分が電子部品の部品端子を相互接続している電子回路を形成するように、パターンに基づいて天板の部分が取り除かれる。
【0017】
本発明のほかの望ましい実施形態は、簡単に述べると、電子部品の組立品であって、この電子部品は部品の端子を有している。複数の導体が提供され、異方性の導体を用いて部品端子をそれぞれの複数の導体に接続し、部品端子を相互接続する電子回路を形成する。
【0018】
さらに、本発明のほかの望ましい実施形態は、簡単に述べると、電子部品の部品端子を有し、複数の導体が提供されて複数の導体のそれぞれの間に電流が流れる型の、電子部品の改良された組立品である。改良は、異方性導体材料を使用して部品端子を複数の導体のそれぞれに電気的に接続して、部品端子を相互接続する電子回路を形成することを含む。
【0019】
本発明の利点は、電子組立品内のはんだ材料の過度の、さらには全ての使用、したがってはんだ材料の使用に関する全てのそれに伴う化学的な留意事項および人への安全性および環境への被害に関する問題を避けることである。
【0020】
本発明のほかの利点は、電子組立品において室温よりも高い温度ベースの工程を、したがって電子部品上および製造環境への高温による直接的、間接的な弊害をもたらす効果を避けることを可能にすることである。
【0021】
さらに、本発明のほかの利点は、材料の追加、したがって本発明によって作製された電子組立品の過度の寸法の肥大を避けることを可能にすることである。
【0022】
本発明のこれらのおよび他の目的および利点は、記述され、描かれた図に示されている望ましい実施形態の、本発明を実行する、現在明らかである最もよい方法および産業上の利用可能性の説明によって当業者に明らかになるであろう。
【0023】
本発明の目的と利点は添付された図と併せて以下の詳細によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(従来技術)プリント配線板(PCB)および部品パッケージを含む従来のはんだベースの組立品の垂直断面図である。
【図2】(従来技術)PCBおよび異なる部品パッケージを含むほかの従来のはんだベースの組立品の垂直断面図である。
【図3】(従来技術)発明者Greenによる米国特許第6,160,714号明細書によるはんだを使用せず接続した組立品の垂直断面図である。
【図4】本発明を説明する典型的な組立品の一部の垂直断面図である。
【図5】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図6】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図7】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図8】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図9】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図10】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図11】製造の段階を経ている組立品とみなす、本発明に関する組立品の一連の垂直断面図である。
【図12】図5から図6に示されている段階は変更されていて、図7から図11にかけて示されている段階は同じ可能性もあり、同じでない可能性もある製造中の組立品の垂直断面図である。
【0025】
描かれている様々な図において、同様の参照記号が同様のまたは似通った素子またはステップを意味するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の望ましい実施形態は電子部品の組立品である。様々な図、特に図4および図11で説明されているように、本発明の望ましい実施形態は全般的な参照記号400、500で示される。
【0027】
図4は本発明を説明する典型的な組立品400の一部の垂直断面図である。組立品400は、電子部品404、ハウジング406、支持体408、絶縁基板410、および導線412(1つが示されている)を含んでいるランドグリッドアレイ(LGA)型部品パッケージを含む。組立品400はさらに、導体414の回路(1つの導体414が示されている)、上部カバー材料416、および底部カバー材料418を含む。導体414の回路は1つまたは複数の接続点420(1つの接続点420が示されている)を有し、導線412と導体414の回路の間に異方性の導体422が提供されている。
【0028】
部品パッケージ402の詳細のほとんどは特に明らかにされていない。例えば、部品パッケージ402はLGAであるから、ハウジング406、支持体408および基板410が存在する。しかし、現在議論しているように、ほかの型の部品パッケージまたは単純にほかの型の電子部品の場合、これらは除外される可能性がある。表面実装(SMT)デバイス、ガルウイングまたはほかのICパッケージ構造、ボールグリッドアレイ(BGA)、または事実上全ての型の電子部品を図4に示してあるLGAと置き換えることが可能であることが以下の議論で明らかになるだろう。ここでいくつかの要点は、電子部品404が存在していて、これは電気的に導体414の回路に導線412を有していることである。完成した組立品400の信頼性をより確実にするために、使用される部品が使用前にすでに十分試験され、バーンインされていることも重要である。
【0029】
異方性導体422を使用して電子部品404の導電性の導線412と回路の導電性導体414を接続する。異方性導体の特性は、方向的に固有の様態で電流が流れることであり、ここでは電子部品404の導線412と回路の導体414の間を電流が垂直方向に流れ、ほかの導線または導体へ電流が水平方向に流れないように用いられる。
【0030】
上部カバー材料416、および底部カバー材料418はともに絶縁材料であり、取り付けは任意であるが、本発明をふまえて作製された組立品の多くの実施形態において望ましいものであろう。上部カバー材料416は硬い(つまり、もろくない)材料であって、電子部品404に使用されている材料と適合する熱膨張係数(CTE)を有することが望ましい。上部カバー材料416は組立品400全体をより強固にしている。図4に示すように、部品パッケージ402のハウジング406を全て覆う必要はなく、その上よりよい熱の取り扱いを提供する。その上、上部カバー材料416が提供された場合、電子部品404の周囲のハウジングを省くことができ、完成した組立品400の輪郭を縮小することができる。底部カバー材料418は、導体414の回路を保護し、したがって電流が流れる作用を機能させるために必要以上に大きく作成する必要がない。とはいえ、底部カバー材料418は(必要な場合に)接続点420への接続を供給する隙間を有することができる。
【0031】
図5から図11は製造の段階を経ている組立品500とみなす、本発明に関する組立品500の一連の垂直断面図である。図5に、天板502、異方性導体504、一連の電子部品506aから506cが提供されている。天板502は電気的に導体、たとえば銅の箔または膜である。異方性導体504は、ここでは天板502にすでに塗布されている異方性導体性接着剤である。議論を容易にするために、組立品500は上部508と底部510を有するとする。
【0032】
図5から図11に示されている電子部品506aから506cは代表的な例であり、発明の組立品500のほかの実施形態ではこれらより多い、または少ない、またはほかの型の部品を使用してもよい。ここでは電子部品506aから506cを含む、部品の全ては、接続、導線、または端子(ここでは端子512)を有することに特徴がある。第1の部品506aはここではLGA、例えば陸式端子512を有するマイクロプロセッサである。第2の部品506bは、パッド型端子512を有する抵抗などの単純なSMT部品である。第3の部品506cは、ガルウイング型端子512を有するNANDゲートICなどのより複雑なSMT部品である。
【0033】
図6では、電子部品506aから506cの端子512はすべて異方性導体504に、したがって天板502にも接続されている。電子部品506aから506cは全て、1または複数の異なる時間における時点で、同時に、または別々に接続することができる。
【0034】
図7では、電気的に絶縁性のある材料の基材514が組立品500の上部508に取り付けられ、電子部品506aから506cは基材514にしっかりと固定されて組み入れられ、組立品500の上部508上の異方性導体504を保護している。これに対して、真空または加圧によって封入されている空気を完全に充填しおよび空気を抜き、よってできる限りの空間を得ることが役に立つこともある。
【0035】
図8では、パターン516が組立品500の底部510に印刷されていて、天板502の取り除く部分518が作られる。
【0036】
図9では、天板502の取り除く部分518を取り除き、組立品の天板502の残った部分520はそのまま残しておく。天板502の取り除く部分518に接した異方性導体504の一部も同時に取り除かれるかもしれない。
【0037】
図10では、パターン516は天板502の残った部分520から取り除かれている。
【0038】
図11では、絶縁カバー522が組立品500の底部510のほとんどを覆うように加えられていて、天板502がむき出しにされている接続部524(1つが示されている)は覆われず残されている。この時点で本発明の組立品500は完成する。天板502は電子回路となり、内部で要望に応じて電子部品506aから506cの端子を接続し、接続部524において外部からこの回路に接続することができる。
【0039】
図5から図11に示されている一連の段階は、本発明の精神から逸脱することなく多くの面で変更することができる。図12は、図5から図6に示されている段階は変更されていて、図7から図11にかけて示されている段階は同じ可能性もあり、同じでない可能性もある製造中の組立品500の垂直断面図である。
【0040】
図12では、端子512が組立品500の上部508上の異方性導体504に接続されるよりも先に、電子部品506aから506cが電気的に絶縁性のある基材514に部分的に組み入れられている。
【0041】
この変形の多くの変形も可能である。例えば、図12では、異方性導体504および天板502は部分組立品として示されているが、これは必要条件ではない。図に示されるように基材514に部分的に組み入れられた電子部品506aから506cを提供することができ、その次に異方性導体504をこれに取り付けることができ、その次に天板502を取り付けることができる。さらにいえば、基材514の中の電子部品506aから506cは(図12に示されている状態に対して)上下裏返しにすることができ、異方性導体504を(例えば、印刷インクの要領で)散布、またはローラーで付けることができ、その次に天板502を取り付けることができる。すでに述べたように天板502は導電性の箔または膜であることができるが、この変形では天板502を導電性層として堆積させることもできる。
【0042】
図5から図12はすべて、異方性導体504を、天板502の片側の面すべてを覆う完全な層として示している。これも必要条件ではない。異方性導体504は電子部品506aから506cの端子512と天板502の残った部分520との間のみで必要である。よって異方性導体504はより少なく付けることができ、例えば、天板502上に電子部品506aから506cを設置する前に、電子部品506aから506cに、または単に電子部品506aから506cの端子512にだけ付けることで少なく付けることができる。さらに異方性導体504は天板502上にマスクとして付けることができ、つぎに電子部品506aから506cを、個別にまたは基材514に組み入れて、天板502に取り付けることができる。
【0043】
図7と図12は、基材514に完全に組み入れられた電子部品506aから506cを示しているが、これも必要条件ではない。1つまたは複数の電子部品506aから506cは完成した組立品500の上部508上の基材514から交互に上方に延ばすことができる。これは、例えば、部品が光、温度またはいくつかのほかの周囲状況を検出するために使用される場合、または部品が信号を放射する場合、例えば、部品が発光ダイオード(LED)または液晶ディスプレイ(LED)である場合に便利である。目的により、基材514は透明な材料で作ることができ、基材514の内部に繊維状のものを含有させて強度を高め(および熱拡散を助け)ることができる。基材514は事実上オプション的なものであるが、発明者は多くの事例において必要とされると思っている。その上基材514は、区分けされた部分同士の間の相互接続を除いて、不連続であってもよいが、基材514の代表的な役割は組立品500をより強固にすることであり、ほかの役割として、組立品500の上部508上にむき出しになっている異方性導体504をカバーしてほこり、湿気などが作業環境において異方性導体504上に付着するのを防ぐこともできる。
【0044】
図8、図9では、パターン516がポジティブパターンとして示されているが、これも必要条件ではない。例えば、図8、図9のパターン516は標準的なフォトエッチング技術を用いて作製されてもよく、パターン516は、天板502の取り除く部分518を取り除いた、天板502の残りの部分520を保護する。しかし、パターン516の材料は、例えば、酸性であることによって、および天板502と長い期間絶えず接触しているために取り除く部分518を分解したことによって、天板502の隣接した部分も取り除く可能性がある。加えて、(レーザーを用いるなど)様々な除去方法または(ローターを用いるなど)機械的な方法を使用して回路のパターンを決定できる。
【0045】
図9から図11を再度参照すると、パターン516は完成した組立品500から取り除かれている。しかしこれも概してオプションである。図11では、これにより接続部524が汚染される可能性が生じるが、これは組立品500の中の回路に接続するただ一つの方法である。例えば、基材514の上方に延び、かつ組立品500の上部508から外部に延びる1つまたは複数の端子ブロックを部品として提供できる。絶縁カバー522は単に組立品500の底部510全体をカバーすることができ、パターン516が絶縁カバー522の下に単に残ることができないという理由はなくてもよい。
【0046】
図11を再度参照すると、絶縁カバー522もオプションである。しかし、一般に、ほこり、湿気などが作業環境において発明の組立品500の中の回路上に付着するのを防ぐことも望まれる。
【0047】
要約すると、発明の組立品400、500ははんだを使用する必要がなく、金属はんだ合金の中のスズ、鉛、銀、および銅を回避できる。発明の組立品400、500はまた高温の製造に関係している問題を避けることができる。直接的にはこれは電子部品404、506aから506cへの破損を避ける。間接的にはこれによりすでに試験およびバーンイン試験がなされた部品一式を使用でき、またはこのような部品一式を使用し、最終製品の組立品のさらなる試験およびバーンイン試験を行うことができる。この方法では、不具合による完成した組立品の補修および廃棄は著しく減少する。発明の組立品400、500はまた、部品同士の間のはんだによって増加する空間をなくし、不適切な、はんだが流れる特性および表面張力に関した隆起を、収容するための部品同士の間の間隔を加えることなしに、寸法を小型化できる。その上、単一層構造をこれまで述べてきたが、電子組立品のさらに複雑な実施形態を構成するために、本発明の基本原理を用いて回路パターンの追加の層を積み上げてもよいことを電子技術において熟練した技術者は直ちに理解することができるはずである。
【0048】
これまで様々な実施形態を述べてきたが、これらは例としてのみ示され、発明の広さと範囲は上記のいかなる典型的な実施形態によっても限定されず、次の特許請求の範囲およびこれらに相当する事柄のみにしたがって定義される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の組立品を製造する方法であって、前記電子部品は部品端子を有する、
第1の面および第2の面を有する導電性の天板を提供することと、
前記部品端子を、異方性導体を用いて前記天板の前記第1の面に接続することと、
前記天板の前記第2の面にパターンを貼り付けることと、
前記パターンに基づき前記天板の分割した部分を、前期天板の分割した部分の残りの部分が前期部品端子と相互接続する電子回路を形成するように、取り除くこと
を備えたことを特徴とする電子部品の組立品を製造する方法。
【請求項2】
前記天板は、金属材料から成る層、箔、または膜であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異方性導体は、前記接続より前に前記天板の前記第1の面の上に提供された異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異方性導体は、前記天板の前記第1の面のすべてを覆う層として提供された異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記異方性導体は、前記接続より前に前記部品端子上に提供された異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記貼り付けることは、前記パターンを前記天板の第2の面に描くことを含むことと、
前記取り除くことは、前記天板の取り除く部分をエッチングによって取り除くことを含むことと
を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記天板の前記第2の面から前記パターンの残りすべてを除去することをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
絶縁基材の中に前記電子部品および前記導電性層の第1の面を組み込むことをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組み込むことは電子部品および前記導電性層の第1の面を前記基材の中に完全に封入することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電子部品は試験またはバーンイン試験の検査を受けていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記導電性層の前記第2の面を絶縁層で覆うことをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法によって作製された電子部品の組立品。
【請求項13】
電子部品の組立品であって、前記電子部品は部品端子を有する、
複数の導体と、
前記部品端子を相互接続する電子回路を形成するために、前記部品端子を前記複数の導体のそれぞれの端子と接続する異方性導体と
を備えたことを特徴とする電子部品の組立品。
【請求項14】
前記異方性導体は異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項13に記載の組立品。
【請求項15】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、絶縁基材の中の前記電子部品が前記第1の面の中に組み込まれている、前記絶縁基材をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の組立品。
【請求項16】
前記絶縁基材は前記第1の面の中に電子部品を封入することを特徴とする請求項15に記載の組立品。
【請求項17】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、前記第2の面の少なくとも一部を覆う絶縁カバーをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の組立品。
【請求項18】
電子部品の改良された組立品であって、
前記電子部品は部品端子を有し、
複数の導体は前記複数の導体のそれぞれの間に電流を流すために提供されることを特徴とする型の電子部品の改良された組立品であり、
改良は、前記部品端子を相互接続する電子回路を形成するために前記部品端子を前記複数の導体のそれぞれに電気的に接続する異方性導体材料を備えたことを特徴とする電子部品の改良された組立品。
【請求項19】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、絶縁基材の中の前記電子部品が前記第1の面の中に組み込まれている、前記絶縁基材をさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の組立品。
【請求項20】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、前記第2の面の少なくとも一部を覆う絶縁カバーをさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の組立品。
【請求項1】
電子部品の組立品を製造する方法であって、前記電子部品は部品端子を有する、
第1の面および第2の面を有する導電性の天板を提供することと、
前記部品端子を、異方性導体を用いて前記天板の前記第1の面に接続することと、
前記天板の前記第2の面にパターンを貼り付けることと、
前記パターンに基づき前記天板の分割した部分を、前期天板の分割した部分の残りの部分が前期部品端子と相互接続する電子回路を形成するように、取り除くこと
を備えたことを特徴とする電子部品の組立品を製造する方法。
【請求項2】
前記天板は、金属材料から成る層、箔、または膜であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異方性導体は、前記接続より前に前記天板の前記第1の面の上に提供された異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異方性導体は、前記天板の前記第1の面のすべてを覆う層として提供された異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記異方性導体は、前記接続より前に前記部品端子上に提供された異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記貼り付けることは、前記パターンを前記天板の第2の面に描くことを含むことと、
前記取り除くことは、前記天板の取り除く部分をエッチングによって取り除くことを含むことと
を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記天板の前記第2の面から前記パターンの残りすべてを除去することをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
絶縁基材の中に前記電子部品および前記導電性層の第1の面を組み込むことをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組み込むことは電子部品および前記導電性層の第1の面を前記基材の中に完全に封入することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電子部品は試験またはバーンイン試験の検査を受けていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記導電性層の前記第2の面を絶縁層で覆うことをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法によって作製された電子部品の組立品。
【請求項13】
電子部品の組立品であって、前記電子部品は部品端子を有する、
複数の導体と、
前記部品端子を相互接続する電子回路を形成するために、前記部品端子を前記複数の導体のそれぞれの端子と接続する異方性導体と
を備えたことを特徴とする電子部品の組立品。
【請求項14】
前記異方性導体は異方導電性の接着剤であることを特徴とする請求項13に記載の組立品。
【請求項15】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、絶縁基材の中の前記電子部品が前記第1の面の中に組み込まれている、前記絶縁基材をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の組立品。
【請求項16】
前記絶縁基材は前記第1の面の中に電子部品を封入することを特徴とする請求項15に記載の組立品。
【請求項17】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、前記第2の面の少なくとも一部を覆う絶縁カバーをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の組立品。
【請求項18】
電子部品の改良された組立品であって、
前記電子部品は部品端子を有し、
複数の導体は前記複数の導体のそれぞれの間に電流を流すために提供されることを特徴とする型の電子部品の改良された組立品であり、
改良は、前記部品端子を相互接続する電子回路を形成するために前記部品端子を前記複数の導体のそれぞれに電気的に接続する異方性導体材料を備えたことを特徴とする電子部品の改良された組立品。
【請求項19】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、絶縁基材の中の前記電子部品が前記第1の面の中に組み込まれている、前記絶縁基材をさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の組立品。
【請求項20】
前記複数の導体は前記組立品の第1の面および第2の面を定義する面に置かれ、前記組立品は、前記第2の面の少なくとも一部を覆う絶縁カバーをさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の組立品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−533383(P2010−533383A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516236(P2010−516236)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/069600
【国際公開番号】WO2009/009639
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(509306292)オッカム ポートフォリオ リミテッド ライアビリティ カンパニー (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/069600
【国際公開番号】WO2009/009639
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(509306292)オッカム ポートフォリオ リミテッド ライアビリティ カンパニー (5)
【Fターム(参考)】
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