説明

はんだ上がり防止帯の形成方法および形成材料

【課題】はんだ付けされる端子部と接点部を持つ電子部品に対して、溶融はんだ処理時に接点部にはんだが濡れ広がることを防ぐ幅1mm以下、幅のばらつき0.1mm程度の精細なはんだ上がり防止帯を効率的に形成するための形成方法と形成材料を提供すること。
【解決手段】はんだ上がり防止帯はインクジェットヘッドより射出可能な光硬化型の形成材料61の硬化塗膜62により形成され、且つ光硬化型の形成材料61を塗布する前に、はんだ上がり防止帯を形成する箇所にインクジェットヘッドより射出可能なシランカップリング剤を含む密着性改良剤51を塗布することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点部とはんだ付けされる端子部を持ち電気接点として用いられる、例えばコネクタ製品、スイッチ製品等の電子部品の溶融はんだを用いた接合処理(以下溶融はんだ処理と称す)時に、はんだが前記接点部に濡れ拡がることを防ぐはんだ上がり防止帯を形成方法と形成材料のに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気接点として用いられるコネクタ製品、スイッチ製品等の電子部品は概略次の様な工程を経て製造されている。
【0003】
すなわち、銅合金や鉄合金の金属素材に全面的または選択的にめっきを施す第一工程(以下めっき工程と称す)と、めっきを施された素材をプレス加工する第二工程と、次いで当該部材をインサート成形する第三工程と最終製品に組み立てる第四工程である。なお、電子部品の製造工程では前記めっきを施す第一工程と前記プレス加工する第二工程が逆になる場合もある。ここで、本発明は第四工程の改善に係るものである。
【0004】
また、めっき工程は次のように細分化される。すなわち、銅合金や鉄合金の金属素材に選択的または全面的に下地ニッケルめっきを施す工程と、接点部表面に選択的に仕上げめっきを施す工程と、端子部表面に選択的に仕上げめっきを施す工程である。めっきが施される金属素材が鉄系合金材、ニッケル系合金材、ステンレス材の場合、下地めっきを省略する場合もある。接点部表面に施される仕上げめっきには金めっきが施されるが、パラジウム、パラジウム合金、銀、錫、はんだ(錫合金)、錫銅合金めっきが施される場合もある。接点部表面に施される仕上げめっきには金めっきまたははんだめっきが施されるが、パラジウム、パラジウム合金、銀、錫、はんだ(錫合金)、錫銅合金めっきが施される場合もある。
【0005】
上記第四工程においてめっきが施され所定に形に成形された素材は、他部品との接合のために端子部にはんだ付けが成されて最終製品として完成するが、このはんだ付け時に次のような問題が発生する。すなわち、金めっきおよびはんだめっき表面は溶融はんだ処理前に塗布されるフラックスにより溶融はんだと大変濡れ易い状態となっている。このため、溶融はんだは接点部の金めっき表面まで濡れ拡がってしまい、接点部としての機能を損なう不具合を発生させる。前記の理由のため、電気接点として用いられるコネクタ製品、スイッチ製品等の電子部品では接点部へのはんだの濡れ拡がりを防止するために、はんだ上がり防止帯を端子部表面の一部に設けている。
【0006】
はんだ上がり防止帯の表面は溶融はんだの濡れ拡がりを遮るために溶融はんだとの濡れが悪くなければならず、はんだ上がり防止帯自身が溶融はんだまたはフラックスと濡れ難い材料で形成されなければならない。従来、素材に施されたニッケルめっき皮膜を活用する方法と、めっきを施された素材の表面上に溶融はんだおよびフラックスの濡れを遮断する材料を付加または塗布する方法が知られている。
【0007】
はんだ上がり防止帯として素材に施されたニッケルめっき皮膜を活用する方法では以下の通り、4通りの防止帯の形成方法がある。すなわち、素材前面にニッケルめっきを施した後、はんだ上がり防止帯とする箇所にはんだめっきや金めっき皮膜が生成しないようにマスキングする方法(以下「マスキング法」称する)、めっき液面を制御してはんだ上がり防止帯となる箇所を大気中に出し、めっき皮膜を必要とする箇所にのみはんだめっきや金めっきをし、はんだ上がり防止帯にニッケルを残す方法(以下「液面制御法」称する)、更に、はんだめっきや金めっきを施した後にはんだ上がり防止帯とする箇所のはんだめっき、金めっきを除去し下地ニッケルめっきを露出させる方法(以下「除去法」と称する)、はんだめっきや金めっきを施した後にはんだ上がり防止帯とする箇所の表面を物理的に改質する方法(以下「改質法」と称する)がある。
【0008】
また、はんだ上がり防止帯としてめっきを施された素材の表面上に溶融はんだおよびフラックスの濡れを遮断する材料を付加または塗布する方法として以下の方法が2通りの提案されている。すなわち特許に示されている、はんだめっきや金めっきを施した後にはんだ上がり防止帯とする箇所にインクジェット方式により紫外線硬化樹脂の塗布する方法(以下「インクジェット法」と称する)、および特許に示されているはんだめっきや金めっきを施した後にはんだ上がり防止帯とする箇所にディスペンサ方式により紫外線硬化樹脂の塗布する方法(以下「ディスペンサ法」と称する)である。
【0009】
【特許文献1】特開2005−243468
【特許文献2】特開2004−335327
【特許文献3】特開2005−246424
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、電子部品は従来に増して小型化が進み、はんだ上がり防止帯を1mm以下の幅で、幅のばらつきの精度を0.1mm程度の精度で作製することが強く求められている。
【0011】
しかしながら、上記のようなはんだ防止帯の形成方法においては、以下のような問題がある。
【0012】
マスキング法ではマスキングの部材として接着性のあるテープをはんだ上がり防止帯の形成箇所に貼り付ける方法がある。接着性のあるテープを用いる方法では、テープの素材が伸縮性をもつ樹脂製のフィルムであるため、1mm以下の幅に精度よく加工し、素材の所定の位置に精度よく貼り付けることは難しい。また、素材がプレス加工され複雑な形状を持つ場合、テープ貼り付けの作業は困難さを増してしまう。
【0013】
液面制御法ではめっき液の表面張力により素材の所定部分より上にめっき液が這い上がり、1mm以上のめっきの滲みが発生してしまい、幅1mm以下というはんだ上がり防止帯の要求には応えられない。
【0014】
除去法では金めっきまたははんだめっきを除去する方法として、薬剤でエッチング除去する方法、およびレーザー光線を照射して所定の箇所のめっきを蒸発除去する方法がある。薬剤でエッチング除去するためには除去したい箇所をのぞき、他の部分にはマスキングを施す必要があり、更にはエッチング後マスキング部材を除去する必要もある。このため、工程は複雑となりコストが重要視される電子部品の製造方法としては不向きである。また、素材がプレス加工され複雑な形状を持つ場合ではマスキング作業が困難となる。レーザー光線を照射して所定の箇所のめっきを蒸発除去する方法の場合、薄い表面金めっき皮膜を正確に除去するのは困難であり、ニッケルめっきも除去してしまい素材金属の露出が起こる可能性がある。また、レーザー光線の照射により除去される周辺の箇所も高熱となり、加熱による相互拡散は避けられなく、脆い金属間化合物が生成し機械的強度が劣化してしまう欠点もある。改質法は除去法を応用したものであり、例えば特開2005−243468に示されるようにレーザー光線による素材金属あるいは下地めっきの皮膜と仕上げめっきの皮膜とを相互熱拡散させて、改質層を形成しこれをはんだ上がり防止帯としている。この場合、改質層は金属間化合物であるので、機械的強度が脆く劣化してしまう欠点を抱えている。
【0015】
インクジェット法によるはんだ上がり防止帯の形成については特開2004−335327にて周知であり、形成材料として紫外線硬化樹脂が挙げられているが、その内容は一般的は記載に留まるのみであり、インクジェット法に適用される材料の物性要求、特に粘度、表面張力、処方されるモノマーの分子量等の実質的な問題は残されたままであり、且つ処方されるモノマーの構造、処方、硬化性および硬化時の塗膜物性等、はんだ上がり防止帯としての具体的な要求に対しても、実質的な問題として残されたままである。ディスペンス法は特開2005−246424にて周知であり、やはり形成材料として紫外線硬化樹脂が挙げられているが、その内容については一般的な記載に留まるのみであり、処方されるモノマーの構造、処方、硬化性および硬化時の塗膜物性等、はんだ上がり防止帯としての具体的な要求に対して、具体的な解決策としての例は示されていない。
【0016】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は幅1mm以下、幅のばらつき0.1mm程度の精細なはんだ上がり防止帯を効率的に形成するための形成材料とはんだ上がり防止帯の形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明では以下の手段を講じる。尚、本発明における光硬化とは紫外線、可視光線、赤外線その他放射線の照射により液体状態から固体状態に変化する特性を意味する。更に光重合性とは紫外線、可視光線、赤外線その他放射線の照射によりモノマー中の官能基が重合反応する性質を意味する。
【0018】
はんだ付けされる端子部と接点部を持つ電子部品4に対して、溶融はんだ処理時に接点部にはんだが濡れ広がることを防ぐはんだ上がり防止帯の形成方法であって、はんだ上がり防止帯はインクジェットヘッドより射出可能な光硬化型の形成材料61の硬化塗膜62により形成され、且つ光硬化型の形成材料61を塗布する前に、電子部品4のはんだ上がり防止帯を形成する箇所にインクジェットヘッドより射出可能な[I]式の構造を持つシランカップリング剤0.1〜3.0重量%を含む密着性改良剤51を塗布することを特徴としている。

【0019】
すなわち、ピエゾ駆動型インクジェットヘッドからの射出が可能な光硬化型の形成材料の塗布により、電子部品に対して、より微小な領域に版を用いず非接触で形成材料のパターニングが可能となる。このため、パターニングされる塗膜の形状も単純な直線だけでなく、点線、曲線、更にこれらを組合わせた任意の形状の塗膜をパターニングでき、プレス加工され複雑な形状を持つ状態の電子部品に対してもの塗膜の形成が可能となる。更に形成材料は光硬化型としているため、熱に比べ低いエネルギー効率で形成材料を硬化させることが可能である。また、レーザー光線のように素材に高熱を加えることがないため、素材そのものに物理的、化学的ダメージを与えることもない。更にインクジェットヘッドが持つ微小液滴射出の能力により1mm以下、幅のばらつき0.1mm以下の微小且つ精度の良い防止帯を形成することが可能となる。
【0020】
更に、はんだ上がり防止帯を形成する前の電子部品4に対して、光硬化型の形成材料61を塗布する前に、ピエゾ駆動型インクジェットヘッドから密着性改良剤51が塗布される。この密着性改良剤51は、光硬化型の形成材料の硬化塗膜62と電子部品表面の密着性を向上させるためのものである。電子部品の表面の多くは金メッキ処理が施されており、一般的に他の金属表面に比べ印刷インキ、接着剤等にふくまれるバインダー樹脂との密着性が劣る。また、溶融はんだ処理の際には金メッキ表面のはんだ付けされる箇所にフラックスが塗布される。フラックスは、はんだと金メッキ表面の密着性を向上させるために塗布されるので、金めっきに対しても濡れ易くなるような化合物の組成となっている。このため、密着性改良剤51を塗布せず直接金メッキ表面に光硬化型の形成材料による硬化塗膜62を形成しても、フラックスが接着界面に侵入し塗膜を膨潤させ、溶融はんだ処理時に金めっき表面から剥離し易くなる状態となってしまう。ここで、表面改質剤51を塗布することにより、フラックスの侵入を防ぎ、溶融はんだ処理時にも塗膜が保たれ、はんだ上がり防止帯として十分に機能させることができる。
【0021】
密着性改良剤はピエゾ駆動型インクジェットヘッドからの射出が可能であるため、電子部品に対して、より微小な領域に版を用いず非接触で形成材料のパターニングが可能となる。このため、実際にはんだ上がり防止帯とする光硬化型の形成材料と同じ形状がパターニングできる。インクジェットヘッドが持つ微小液滴射出の能力と上記の特長を合わせることにより、塗布量が精密に制御でき材料の使用効率は版を用いた手法より向上する利点を有する。
【0022】
本発明では、密着性改良剤51は[I]式の構造を含むシランカップリング剤が0.1〜3.0重量%含まれる組成物であることを特徴としている。

【0023】
ここで、[I]式中R1はアルキル基である。R2、R3は水素またはアルキル基またはアルコキシ基である。Xはアルキル鎖またはエーテル鎖である。Yはメタクリロイル基、またはアクリロイル基、またはエポキシ基、またはオキセタン基、またはビニル基である。
【0024】
シランカップリング剤は分子中のアルコキシ基が水または湿気により、加水分解され、シラノール基となる。このシラノール基が金属表面のヒドロキシル基と縮合反応を起こし、化学結合を形成する。
【0025】
更に[I]式に示される構造を持つシランカップリング剤は、はんだ上がり防止帯の形成材料61に使用される光重合性化合物の種類に合わせて、同じ重合のタイプの官能基を持つことができるため、光重合性化合物とも化学結合を形成することができる。このため、光硬化型の形成材料はシランカップリング剤により間接的に金属表面と化学結合を形成することとなる。このため、接着界面は強固なものとなり、フラックスの侵入による硬化塗膜の膨潤を防ぎ、溶融はんだとの接触時にも剥離を起こさず、電子部品に対する密着を維持しはんだ上がり防止帯として十分に機能させることができる。
【0026】
本発明で使用されるシランカップリング剤は、密着性改良剤の全体の組成の内0.1〜3.0重量%より好ましくは、0.5〜2.0重量%とすることにより効果を発揮する。0.1重量%以下では化学結合による効果が低くなり、3.0重量%では形成材料61の密着性が逆に低下する。
【0027】
密着性改良剤の残りの組成はシランカップリング剤を溶解させる溶剤で占められる。但し水はアルコキシ基の加水分解と化合物同士の重合を促進してしまうため好ましくない。より好適なものはアルコール系溶剤、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、等である。更に乾燥時間を増大させず、且つ密着性を低下させない範囲で粘度及びノズルの乾燥を防止するための添加剤を含有させることが可能である。
【0028】
[I]式に示される構造を持ち、密着性改良剤に使用できるシランカップリング剤として例えば、(メタ)アクリロイル系シランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。また、エポキシ系シランカップリング剤としては例えば、β−(3,4エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。更にオキセタン系シランカップリング剤として例えば3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン等を挙げることができ、ビニル系シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等を挙げることが出来る。本発明における密着性改良剤中のシランカップリング剤は異なる2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
【0029】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のはんだ上がり防止帯の形成方法に使用される、はんだ上がり防止帯を形成するための光硬化型の形成材料61はインクジェットヘッドより射出可能な光重合性化合物の組成物と光重合開始剤からなる組成物であり、更に前記光重合性化合物の組成物の内、重合反応を行う官能基をモノマー分子中に2個以上含む化合物が、形成材料全体の組成の内20重量%以上含有されていることを特徴としている。
【0030】
すなわち、光重合性化合物として、ラジカル重合型の反応機能を持つ(メタ)アクリレート化合物、カチオン重合型の反応機構を持つエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物が使用を使用することができる。
【0031】
具体的な例を挙げると、本発明に使用できる光重合性の(メタ)アクリレート化合物の単官能のものとして、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチルなどの置換基を有する(メタ)アクリレート化合物類、アクリロイルモルホリン、等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
また、本発明に使用できる光重合性の(メタ)アクリレート化合物の多官能のものとしては、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリレート化合物類が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
本発明に使用できる光重合性のエポキシ化合物の単官能のものとして、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
また、光重合性のエポキシ化合物の多官能のものとして、例えば、多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル3,4−エポキシシクロヘキシサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等があげられる。これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドがより好ましい。
【0035】
本発明に使用できる光重合性のオキセタン化合物の単官能のものとして、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−(4−ブロモブトキシメチル)−3−メチルオキセタン、(3−メチルオキセタン−3−イル)メチルベンゾエート等が挙げられる。
【0036】
また、光重合性のオキセタン化合物の多官能のものとして、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ビフェニル、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ(3−(4−ブロモブトキシメチル)−3−メチルオキセタン)、N−オキセタン−2−イルメトキシメチルアクリルアミド、3,5−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)安息香酸、3,5−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)安息香酸メチルエステル、5−(3−エチル−3−オキセタニル)イソフタル酸、1,1,1−トリス[4(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)フェニル]エタンなどを例示することができ、これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
本発明に使用できる光重合性のビニルエーテル化合物の単官能のものとして、例えば、例えば、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
また、光重合性のビニルエーテル化合物の多官能のものとして、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
本発明の光硬化型の形成材料61に優れた硬化性を付与するため、多官能の光重合性化合物として、上記の例の他、末端に重合反応を行う官能基を持ち、骨格構造中に特定の構造を繰り返し単位として1以上有していて、分子量500〜50000の範囲の比較的高い分子量を持つオリゴマー化合物を含むことができる。オリゴマーの例として、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0040】
これらオリゴマー化合物は、本発明の光硬化型の形成材料61の粘度、硬化性の点から、形成材料の組成全体に対して、3〜10重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0041】
また本発明の光硬化型の形成材料では、官能基が異なる化合物を配合しても良く、その配合は形成材料が使用される工程上の要請、素材上の要請から決定される。
【0042】
本発明に使用する光重合開始剤は、光重合性化合物の組成物を硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。
【0043】
ラジカル重合型の光重合性化合物に使用する光重合開始剤として、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどを併用しても良いし、更に水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィドなども併用できる。
【0044】
カチオン重合型の光重合性化合物に使用する光重合開始剤として、光を照射したときにルイス酸を放出するオニウム塩が好ましく用いられる。そのようなオニウム塩の例としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩な度を上げることができる。具体的には、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロホウ酸トリフェニルフェナシルホスホニウム、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジ4’−ヒドロキシエトキシフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロホウ酸ジフェニルヨードニウム、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル] ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート等が挙げられる。
【0045】
また上記の光重合開始剤に対し、感度を向上させ、重合反応の速度を増す効果のある増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、光重合性化合物の組成物への溶解性に優れ、光の透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0046】
光重合開始剤と増感剤は光硬化型の形成材料61の組成全体に対して0.1〜20重量%、好ましくは、5〜15重量%の範囲で用いる。光硬化型の形成材料61は、インクジェットヘッドから射出され、素材への塗布後、選択された波長の光照射に曝される。
【0047】
本発明における光硬化型の形成材料61には素材との区別を明確にするため、顔料または染料等の色材を含有させることが可能である。
【0048】
更に、本発明の光硬化型の形成材料61は重合反応を行う官能基をモノマー分子中に2個以上含む化合物が、形成材料全体の組成の内20重量%以上より好ましくは40重量%以上含有されていることにより、硬化塗膜の架橋密度が上がるため、硬化塗膜の耐熱性が向上し、溶融はんだに接触しても電子部品に対する密着を維持しはんだ上がり防止帯として十分に機能させることができる。重合反応を行う官能基をモノマー分子中に2個以上含む化合物が形成材料全体の組成の内20重量%より低い場合、硬化塗膜の耐熱性が低く、溶融はんだに接触した場合電子部品に対する密着を維持できず剥がれてしまい、はんだ上がり防止帯として十分に機能させることができない。
【0049】
本発明における光硬化型の形成材料は液状の状態で表面張力が25〜32mN/mであり、且つ液体状態の粘度が25℃で5〜50mPa・sであることが望ましい。
【0050】
すなわち、液状の状態の形成材料では表面張力が25〜32mN/mであり且つ、液体状態の粘度が25度で5〜50mPa・sであるため、インクジェットヘッドからの射出は安定した状態となり、プレス加工された状態の素材に塗布しても形状のエッジ部分まで塗布された状態が得られる。表面張力が32mN/m以上の場合、表面張力が高過ぎるため、プレス加工された状態の素材の形状エッジ部分を濡らして塗布することは困難となり好ましくない。また、表面張力が25mN/m以下の場合、表面張力が低過ぎるため、インクジェットヘッドのノズルプレートを材料が濡らしてしまうため、メニスカス形成が上手くいかずインクジェットヘッドからの安定した射出が困難となるため好ましくない。液体状態の粘度が25℃で5mPa・s以下の場合、粘度が低すぎるためインクジェットヘッドからの射出が安定せず、液滴量が目論見より低くなってしまうため好ましくない。液体状態の粘度が25℃で50mPa・s以上の場合、ヘッドを60℃程度加熱しても射出に適した粘度例えば20mPa・s以下にすることは困難であるため好ましくない。
【0051】
請求項3に記載の発明では請求項1または2の何れかに記載のはんだあがり防止帯の形成方法において、電子部品4の所定箇所に密着性改良剤51を塗布するためのインクジェットヘッド1と光硬化型の形成材料61を塗布するためのインクジェットヘッド2と、前記形成材料61を硬化させるための光照射手段3を備え、密着性改良剤51の塗布から硬化型の形成材料61を塗布後、光照射手段3による硬化までを連続的に行う構成をとり、且つインクジェットヘッド1及び2はピエゾ駆動型とすることを特徴としている。
【0052】
すなわち、電子部品4は通常長い帯状のフープ材の状態で、連続的に仕上げめっきの状態まで加工されていく。このため、に密着性改良剤51を塗布するためのインクジェットヘッド1と光硬化型の形成材料61を塗布するためのインクジェットヘッド2と、前記形成材料61を硬化させるための光照射手段3を連続的に工程内に固定した状態で配置し、この下を電子部品のフープ材が連続的に通過し、密着性改良剤51の塗布から硬化型の形成材料61を塗布後、光照射手段3による硬化までを連続的におこなう構成とすれば、従来の生産工程とそれに伴う製造装置の配置、フープ材の処理速度の変更を大きく変更することなくはんだ上がり防止帯を電子部品に形成することが可能となる。
【0053】
特に、インクジェットヘッドからの材料の塗布速度は一般的なフープ材の搬送速度5〜10m/分に十分対応でき、またはんだ上がり防止帯は光硬化型の形成材料であるため、塗膜硬化は瞬時に行わる、このため、密着性改良剤51および硬化型の形成材料61の塗布と、硬化塗膜62の形成は工程のボトルネックにはなりえない。
【0054】
また、密着性改良剤51は溶剤が含まれる組成物であるが、インクジェットヘッドにより塗布される量は非常に微小であるため、自然乾燥または簡単な熱風乾燥によって容易に乾燥でき、装置構成のスペースを大きくとることはない。
【0055】
また、請求項3の発明において密着性改良剤51および光硬化型の形成材料61が上記ヘッドより射出される射出量は10〜100plとし、その塗布ピッチは10〜100μmであることが望ましい。
【0056】
すなわち、インクジェットヘッドから密着性改良剤51および射出される光硬化型の形成材料61の射出量を10〜100plとした場合、幅1mm以下、幅のばらつき0.1mm以下の微小且つ精度の良いはんだ上がりの形成材料の塗布が可能でありひいては1mm以下、幅のばらつき1mm以下の微小且つ精度の良い防止帯を形成することが可能となる。射出量を10pl以下とすると塗布ピッチを極端に小さく、例えば10μm以下にしなければはんだ上がり防止帯として所定の箇所を均一に覆うことが困難となり、一回の塗布で均一な塗膜になり難くなる欠点が生じる。また、この欠点を回避するためにヘッドの数を増やすとヘッドノズルの高密度化、アセンブリ化等装置が複雑化し装置コストが増大する欠点が生じてしまうため、射出量を10pl以下にすることは好ましくない。射出量を100pl以上とするとドットの円形状がはんだ上がり防止帯のパターンに残る、所定の幅から液のはみ出しが多くなり微細な領域例えば0.1mm単位の幅のはんだ上がり防止帯形成が困難となる等の欠点が生じる。更に、射出量の増大は密着性改良剤51の乾燥時間の増大を招く。このため、射出量を100pl以上にすることは好ましくない。更に、上記の射出量に対応する塗布ピッチは10〜100μmとした場合、光硬化型の形成材料61ドットの円形状が硬化塗膜62に残ることなく、幅のばらつきが少ない精細なパターンとすることができる。
【0057】
更に請求項3の発明において、はんだ上がり防止帯形成のための光硬化型の形成材料を硬化させる手段として用いる光の波長は200〜500nmの波長が望ましい。
【0058】
すなわち、インクジェットヘッドから射出される光硬化型の形成材料61の硬化の手段3を200〜500nmの波長域の光の照射とすることにより、光硬化型の形成材料61として使用される光重合性化合物の重合効率が最も高くなる。硬化の手段として200nm以下の波長の光を使用すると、光重合性化合物の塗膜表面で光が散乱してしまい、内部まで光が届かず重合の効率は低くなり好ましくない。また、硬化の手段として500nm以上の波長の光を使用すると、形成材料に含まれる光重合開始剤のラジカル発生効率が低下するため、重合の効率が低くなり好ましくない。200〜500nmの波長域の光ならば、形成材料の配合により複数の波長を硬化反応に利用しても良いし、単一の波長のみを利用しても良い。200〜500nmの波長域の光の照射する具体的な手段としては例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、LED、紫外線レーザー、等が挙げられる。
【0059】
請求項3に記載のはんだ上がり防止帯の形成方法においては、密着性改良剤51及びはんだ上がり防止帯を形成するための光硬化型の形成材料61を、電子部品4の所定の箇所に塗布させるインクジェットヘッド1及び2はピエゾ駆動型のインクジェットヘッドであることを特徴ととしている。すなわち、ピエゾ駆動型のヘッドは他の駆動方式例えば、サーマル型や連続噴射型と比べ高い耐薬品性と、比較的高粘度な材料を射出できる性能を有しているため、ヘッドから射出される密着性改良剤及び光硬化型の形成材料について幅広い材料選択が可能となる。
【発明の効果】
【0060】
本発明により幅1mm以下、幅のばらつき0.1mm程度の精細なはんだ上がり防止帯を効率的に形成することができる。
【実施例】
【0061】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はかかる実施例に限定されるものではない。
【0062】
実施例は第1図に示すような装置構成で行った。第1図において、1及び2はピエゾ駆動型のインクジェットヘッドであり、材料が射出されるノズル数は512個のものを使用した。3は光照射手段であり、実際にはメタルハライドランプを使用した。密着性改良剤51は第1図に示す構成の装置のインクジェットヘッド1に充填し、光硬化型の形成材料61はインクジェットヘッド2に充填して使用した。インクジェットヘッド1及び2と光照射手段3の位置は固定されており、この下をプレス加工後、仕上げ金めっきまで施したフープ材状の電子部品4が搬送される。電子部品4がインクジェットヘッド1の下を通過する際に密着性改良剤が射出され電子部品4の所定の箇所に塗布される。密着性改良剤の溶剤は搬送中に乾燥された後(図示せず)、電子部品4がインクジェットヘッド2の下を通過すると光硬化型の形成材料61が射出され電子部品4の所定の箇所に塗布される。さらに光照射手段2の下に液体の状態の塗膜が通過する際に光硬化型の形成材料は硬化反応を起こし、硬化塗膜62となる。
【0063】
はんだ上がり防止帯を形成する電子部品として、厚み0.1mm、の42アロイを用いた。この金属素材を図2または3に示す形状にプレス加工し、下地めっきとしニッケルめっきを全面に施し、仕上げめっきとし金めっきを施したものを使用した。
【0064】
実施例において調整した光硬化型の形成材料の粘度はブルックフィールド型装置を用いて測定した。また、表面張力はウィルヘルミー方式の装置を用いて測定した。
【0065】
実際のインクジェットヘッドからの射出量は一滴当り40plし、各材料が塗布されるドットのピッチは70.5μmとした。また、はんだ上がり防止帯の幅の狙い目は0.3〜0.5mmとして、幅方向のドット数は4ドットした。更に形成材料の硬化は出力140w/cmで長さ85mm「Aバルブ」を有するインテグレーションテクノロジー社 UVランプによって行った。200〜500nmの領域の積算エネルギーが300mJ/cm2となるように露光した。
【0066】
また、インクジェットヘッド1および2からは連続的に各材料を射出させ、この下を電子部品を通過させた。この方法により密着性改良剤および光硬化型の形成材料は電子部品の表面に対して図2または3に示すような帯形状で且つ、側面にも塗布されるようにした。各材料はノズル3個分の幅で塗布を行った。更に、図3の投影図に示されるように電子部品の一方の面に硬化塗膜62を形成した後反対側の面にも硬化塗膜62を形成し、結果的に電子部品の四周に対して硬化塗膜62の形成を行った。
【0067】
(密着性改良剤の組成)以下に示す配合でラジカル重合性の光硬化型の形成材料用の密着性改良剤a1を作成した。数値は重量%である。
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−5103) 3.0
エタノール 25.0
イソプロピルアルコール 72.0
また、下に示す配合でラジカル重合性の光硬化型の形成材料用の密着性改良剤a2を作成した。数値は重量%である。
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−5103) 5.0
エタノール 23.0
イソプロピルアルコール 72.0
更に、下に示す配合でカチオン重合性の光硬化型の形成材料用の密着性改良剤b1を作成した。数値は重量%である。
β−(3,4エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−303) 3.0
エタノール 25.0
イソプロピルアルコール 72.0
【0068】
上記の密着性改良剤a1、a2またはb1を図1に示す構成の装置で電子部品4に塗布後、以下に記述するような光硬化型の形成材料を塗布し硬化塗膜を形成した。
【0069】
(光硬化型の形成材料の組成)
(ベースインクの作成)以下に示す配合でベースインクを作成した。顔料分散は公知の方法のより行った。数値は重量%である。
(ラジカル重合型のベースインク)
(メタ)アクリレート化合物:
イソボルニルアクリレート 93.5
顔料:
カーボンブラック 5.0
分散剤 1.5
(カチオン重合型のベースインク)
エポキシ化合物:
1,2,8,9−ジエポキシリモネン 93.5
顔料:
カーボンブラック 5.0
分散剤 1.5
【0070】
(実施例1)
ラジカル重合型のベースインクに対して、以下の処方で化合物を加え光硬化型の形成材料Aとした。
ベースインク 20.0
イソボルニルアクリレート 25.0
ジプロピレングリコールジアクリレート 25.0
トリプロピレングリコールジアクリレート 20.0
光開始剤:
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5.0
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド 5.0
形成材料Aの25℃での粘度は25mPa・sであり、表面張力は31mN/mであった。インクジェットヘッドを40℃に加温し形成材料Bを射出したところ射出状態は良好なものであった。
【0071】
図1に示す構成の装置を用いて密着性改良剤a1を塗布した電子部品に対して上記の光硬化型の形成材料1を、図1に示す構成の装置を用いて塗布し、硬化塗膜を形成した。この後、電子部品のはんだ付け箇所にフラックスを塗布し、260℃の溶融はんだ浴に30秒浸漬させることによりはんだ処理を行った。
【0072】
(実施例2)
ラジカル重合型のベースインクに対して、以下の処方で化合物を加え光硬化型の形成材料Bとした。
ベースインク 20.0
イソボルニルアクリレート 25.0
ジプロピレングリコールジアクリレート 25.0
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 20.0
光開始剤:
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5.0
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド 5.0
形成材料Bの25℃での粘度は25mPa・sであり、表面張力は32mN/mであった。インクジェットヘッドを40℃に加温し形成材料Bを射出したところ射出状態は良好なものであった。
【0073】
図1に示す構成の装置を用いて密着性改良剤a1を塗布した電子部品に対して上記の光硬化型の形成材料2を、図1に示す構成の装置を用いて塗布し、硬化塗膜を形成した。この後、電子部品のはんだ付け箇所にフラックスを塗布し、260℃の溶融はんだ浴に30秒浸漬させることによりはんだ処理を行った。
【0074】
(実施例3)
カチオン重合型のベースインクに対して、以下の処方で化合物を加え光硬化型の形成材料Bとした。
ベースインク 20.0
(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル3,4−エポキシシクロヘキシサンカルボキシレート 15.0
1,2,8,9−ジエポキシリモネン 34.5
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン 25.0
光開始剤:
テトラフルオロホウ酸ジフェニルヨードニウム、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル] ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート 5.0
2,4−ジエチルオキサントン 0.5
形成材料Cの25℃での粘度は35mPa・sであり、表面張力は30mN/mであった。インクジェットヘッドを50℃に加温し形成材料Bを射出したところ射出状態は良好なものであった。
【0075】
図1に示す構成の装置を用いて密着性改良剤b1を塗布した電子部品に対して上記の光硬化型の形成材料2を、図1に示す構成の装置を用いて塗布し、硬化塗膜を形成した。この後、電子部品のはんだ付け箇所にフラックスを塗布し、260℃の溶融はんだ浴に30秒浸漬させることによりはんだ処理を行った。
【0076】
(比較例1)
電子部品4に密着性改良剤を塗布せず、電子部品表面に光硬化型の形成材料Aを図1に示す構成の装置を用いて塗布後、硬化塗膜を形成した。この後、電子部品のはんだ付け箇所にフラックスを塗布し、260℃の溶融はんだ浴に30秒浸漬させることによりはんだ処理を行った。
【0077】
(比較例2)
ラジカル重合型のベースインクに対して、以下の処方で化合物を加え光硬化型の形成材料Dとした。
ベースインク 20.0
イソボルニルアクリレート 60.0
ジプロピレングリコールジアクリレート 15.0
光開始剤:
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5.0
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド 5.0
形成材料Dの25℃での粘度は25mPa・sであり、表面張力は31mN/mであった。インクジェットヘッドを40℃に加温し形成材料Bを射出したところ射出状態は良好なものであった。
【0078】
図1に示す構成の装置を用いて密着性改良剤a1を塗布した電子部品に対して上記の光硬化型の形成材料Dを、図1に示す構成の装置を用いて塗布し、硬化塗膜を形成した。この後、電子部品のはんだ付け箇所にフラックスを塗布し、260℃の溶融はんだ浴に30秒浸漬させることによりはんだ処理を行った。
【0079】
(比較例3)
図1に示す構成の装置を用いて密着性改良剤a2を塗布した電子部品に対して光硬化型の形成材料Aを、図1に示す構成の装置を用いて塗布し、硬化塗膜を形成した。この後、電子部品のはんだ付け箇所にフラックスを塗布し、260℃の溶融はんだ浴に30秒浸漬させることによりはんだ処理を行った。
【0080】
実施例1、2、3に従い、密着性改良剤を電子部品の所定の箇所に塗布後、この箇所に形成材料A、B、Cによる硬化塗膜を形成したところ、硬化した塗膜はライン幅0.3〜0.5mmの範囲に入っており、幅のばらつきが0.1mm程度に抑えられていた。また、電子部品4の側面にも硬化塗膜が形成していること確認できた。更に形成されたはんだ上がり防止帯は260℃の溶融はんだ浴に浸漬した後も密着を保持し、はんだ上がりを防ぐ効果が確認できた。
【0081】
比較例1に示すように密着性改良剤を塗布せず、光硬化型の形成材料Aを電子部品に直接塗布してはんだあがり防止帯とした場合硬化した塗膜はライン幅0.3〜0.5mmの範囲に入っており、幅のばらつきが0.1mm程度に抑えられていた。しかしながら、溶融はんだ処理を行うと、はんだ上がり防止帯ははんだにより浮き上がり、剥離を起こしてしまったため、はんだ上がりを防ぐことができなかった。
【0082】
形成材料Dを用いて、比較例2に従い、密着性改良剤を電子部品の所定の箇所に塗布後、この箇所に形成材料Cによる硬化塗膜を形成したところ、硬化した塗膜はライン幅0.3〜0.5mmの範囲に入っており、幅のばらつきが0.1mm程度に抑えられていた。しかしながら、はんだ上がり防止帯ははんだにより浮き上がり、剥離を起こしてしまったため、はんだ上がりを防ぐことができなかった。
【0083】
比較例3に示すようにシランカップリング剤を3.0重量%以上含む密着性改良剤a2を塗布した後、光硬化型の形成材料Aを電子部品を塗布してはんだあがり防止帯とした場合硬化した塗膜はライン幅0.3〜0.5mmの範囲に入っており、幅のばらつきが0.1mm程度に抑えられていた。しかしながら、溶融はんだ処理を行うと、はんだ上がり防止帯ははんだにより浮き上がり、剥離を起こしてしまったため、はんだ上がりを防ぐことができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】はんだ上がり防止帯の形成方法を適用した装置構成を示す模式図、及びおよびはんだ上がり防止帯形成のための光硬化型の形成材料が塗布された状態の電子部品の断面模式図
【図2】はんだ上がり防止帯形成のための光硬化型の形成材料を塗布後、硬化塗膜とした電子部品の状態例を示す模式図
【図3】はんだ上がり防止帯形成のための光硬化型の形成材料を塗布後、硬化塗膜とした電子部品の状態例を示す投影図
【符号の説明】
【0085】
1・・・密着性改良剤を塗布するためのピエゾ駆動型インクジェットヘッド
2・・・光硬化型の形成材料を塗布するためのピエゾ駆動型インクジェットヘッド
3・・・紫外線ランプ
4・・・仕上げ金メッキを施された電子部品
51・・・密着性改良剤
61・・・液体状態の光硬化型の形成材料
62・・・硬化塗膜となった光硬化型の形成材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ付けされる端子部と接点部を持つ電子部品4に対して、溶融はんだ処理時に接点部にはんだが濡れ広がることを防ぐはんだ上がり防止帯の形成方法であって、はんだ上がり防止帯はインクジェットヘッドより射出可能な光硬化型の形成材料61の硬化塗膜62により形成され、且つ光硬化型の形成材料61を塗布する前に、電子部品4のはんだ上がり防止帯を形成する箇所にインクジェットヘッドより射出可能な[I]式の構造を持つシランカップリング剤0.1〜3.0重量%を含む密着性改良剤51を塗布することを特徴とするはんだ上がり防止帯形成方法。

([I]式中R1はアルキル基である。R2、R3は水素またはアルキル基またはアルコキシ基である。Xはアルキル鎖またはエーテル鎖である。Yはメタクリロイル基、またはアクリロイル基、またはエポキシ基、またはオキセタン基、またはビニル基である。)
【請求項2】
請求項1に記載のはんだ上がり防止帯の形成方法に使用される、はんだ上がり防止帯を形成するための光硬化型の形成材料61はインクジェットヘッドより射出可能な光重合性化合物の組成物と光重合開始剤からなる組成物であり、更に前記光重合性化合物の組成物の内、重合反応を行う官能基をモノマー分子中に2個以上含む化合物が、形成材料全体の組成の内20重量%以上含有されていることを特徴とするはんだ上がり防止帯形成の形成材料。

【請求項3】
請求項1または2の何れかに記載のはんだ上がり防止帯の形成方法において、電子部品4の所定箇所に密着性改良剤51を塗布するためのインクジェットヘッド1と光硬化型の形成材料61を塗布するためのインクジェットヘッド2と、前記形成材料61を硬化させるための光照射手段3を備え、密着性改良剤51の塗布から硬化型の形成材料61を塗布後、光照射手段3による硬化までを連続的に行う構成を特徴とし、且つインクジェットヘッド1及び2はピエゾ駆動型とするはんだ上がり防止帯の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−161015(P2010−161015A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3683(P2009−3683)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(594003274)株式会社アフィット (11)
【Fターム(参考)】