説明

ふぐの皮から抽出するコラーゲン及びその製造方法

【課題】家庭でも簡単に出来て手軽に活用ができる「とらふぐ」の皮から抽出するコラーゲン及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ふぐの皮から「とげ」を取り除いて細断し、そのふぐ皮を煮沸した後、冷水に浸してゼラチン状にし、乾燥させ、粉砕した後、粉末または顆粒状としたふぐの皮から抽出したコラーゲンである。そしてこのふぐの皮は、「とらふぐ」の皮を用いることを特徴としている。そしてその製造方法は、ふぐの皮から「とげ」を取り除いた後、湯引き処理する工程と、湯引きしたふぐ皮を冷水に入れて冷した後、細断する工程と、細断したふぐ皮をボイルした後、冷水に浸してゼラチン状とする工程と、このゼラチン状のふぐ皮を水で洗い、冷蔵庫で水に浸して一夜寝かす工程と、一夜寝かしたふぐ皮を自動乾燥機で熱風乾燥した後、粉砕し粉末または顆粒状にする工程とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふぐ皮から抽出したコラーゲンを化粧品、入浴剤、健康食品等に容易に利用できるようにしたコラーゲン粉末または粒状物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚皮からコラーゲンを取り出す手段がいろいろと開示されている。例えば、特許文献1は、魚皮を水と混合した有機溶剤または塩溶液に浸して魚皮の膨潤を抑え、酸化剤を作用させて処理する手段を開示する。特許文献2は、さめ等の魚皮に界面活性剤を添加し、温水に浸し、微量の硫化物を加え、さらに石灰漬けした後、ドラム回転処理する手段を開示する。特許文献3は、ふぐ皮をアルコール含有の水溶液で煮沸して抽出する手段を開示する。また特許文献4は、魚鱗、魚皮、魚骨の原料素材を水洗、乾燥、破砕した後、塩系加水溶液に浸し、加熱してコラーゲンを抽出する手段を開示している。
【特許文献1】特開2006―213624号公報
【特許文献2】特開2003―301144号公報
【特許文献3】特開平8―283665号公報
【特許文献4】特開2006―152108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然しながら従来の方法は何れも処理工程が複雑で装置も必要でコストが懸かる等の問題があった。本発明は家庭でも簡単に出来て手軽に活用ができるとらふぐの皮から抽出するコラーゲン及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ふぐの皮から「とげ」を取り除いて細断し、そのふぐ皮を煮沸した後、冷水に浸してゼラチン状にし、乾燥させ、粉砕した後、粉末または顆粒状としたふぐの皮から抽出したコラーゲンである。そしてこのふぐの皮は、「とらふぐ」の皮を用いることを特徴としている。
【0005】
そしてその製造方法は、ふぐの皮から「とげ」を取り除いた後、湯引き処理する工程と、湯引きしたふぐ皮を冷水に入れて冷した後、細断する工程と、細断したふぐ皮をボイルした後、冷水に浸してゼラチン状とする工程と、このゼラチン状のふぐ皮を水で洗い、冷蔵庫で水に浸して一夜寝かす工程と、一夜寝かしたふぐ皮を自動乾燥機で熱風乾燥した後、粉砕し粉末または顆粒状にする工程とからなる。
【発明の効果】
【0006】
前述のように本発明のふぐ皮利用のコラーゲンは、特別な生産設備や薬品など処理剤を用いること無く、家庭で容易に作れるという特徴がある。また粉末または顆粒状としたのでみそ汁、煮物料理、鍋物等にそのまま利用できる。またアミノ酸、食塩、乳糖などを添加し混合させた粉末を顆粒状に成形すれば顆粒状のとらふぐコラーゲンができあがる。
【0007】
粉末なのでお湯を少し注ぐだけで透明の純度の高い良質なゼラチン状のコラーゲンが出来上がり、自分で作る安心安全なゼラチンコラーゲンを飲んだり食べることで手や足の関節通またリューマチなどをやわらげる効果がある。またふぐ皮のゼラチン状コラーゲンは吸収性が良いのでそのままお肌に塗るとお肌の保湿力抜群に保たれるなどの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、ふぐの皮から「とげ」を取り除いて細断し、そのふぐ皮を煮沸した後、冷水に浸してゼラチン状にし、乾燥させ、粉砕し、粉末または顆粒状としたふぐの皮から抽出したコラーゲンである。そしてこのふぐの皮は、「とらふぐ」の皮を用いることを特徴としている。
【実施例1】
【0009】
約120gの「とらふぐ」の粉末コラーゲンを作るには、先ず活きた中位の「とらふぐ」14匹を準備し、それを捌くと約1kgのふぐ皮が取れる。その「とらふぐ」の皮から「とげ」を包丁でそぎ切りして取り除き、次ぎに殺菌と不純物を取り除くため油引き処理を行う。この湯引き処理は、ふぐ皮を5枚ずつ6回に分け、80度の温度で約35秒づつ湯引きする。1回にまとめて湯引きすると温度が下がりすぎて後がうまくいかない。
【0010】
湯引きしたふぐ皮を直ちに冷水に入れて冷す。そして冷したふぐ皮を冷水から取り出し1cm幅に細断する。そしてカットしたふぐ皮を35度のお湯で約30秒間ボイルする。次にボイルしたふぐ皮をマイナス1度の冷水に入れてゼラチン状にする。このゼラチン状態のふぐ皮を水道水で約30分間さらし、その後冷蔵庫で水に浸して一夜寝かすと約2倍に膨張する。これらの処理を通じてふぐ皮のあくぬきができコラーゲンを抽出するときの臭いが半減する。
【0011】
一夜、水に浸して寝かしたふぐ皮を自動乾燥機で40度の温度で4時間熱風乾燥する。その後、殺菌のため65度の温度で約1時間乾燥する。そして乾燥したふぐ皮を粉砕し粉末にする。かくして粉末状の「とらふぐ」コラーゲンができあがる。
【0012】
この「とらふぐ」コラーゲン粉末の約5g(小スプーン2杯)に380℃〜400℃の沸騰したお湯を注ぎ入れ、その後冷えるまで4〜5回軽くかき混ぜ、冷えてから冷蔵庫で一夜寝かすと、純度の高いとらふぐ皮から抽出された良質なゼラチン状のコラーゲンができる。またこのゼラチン状のコラーゲンを毎日、約10g(小スプーン2杯)食べると手や足の関節痛を和らげる効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ふぐの皮から「とげ」を取り除いて細断し、そのふぐ皮を煮沸した後、冷水に浸してゼラチン状にし、乾燥させ、粉砕した後、粉末または顆粒状としたふぐの皮から抽出したコラーゲン。
【請求項2】
ふぐの皮から「とげ」を取り除いた後、湯引き処理する工程と、湯引きしたふぐ皮を冷水に入れて冷した後、細断する工程と、細断したふぐ皮をボイルした後、冷水に浸してゼラチン状とする工程と、このゼラチン状のふぐ皮を水で洗い、冷蔵庫で水に浸して一夜寝かす工程と、一夜寝かしたふぐ皮を自動乾燥機で熱風乾燥した後、粉砕し粉末または顆粒状にする工程とからなるふぐの皮から抽出するコラーゲンの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のふぐの皮が、「とらふぐ」の皮である粉末または顆粒状のコラーゲン。

【公開番号】特開2008−162991(P2008−162991A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518(P2007−518)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(306045693)
【Fターム(参考)】