説明

アイキャッチラベル用粘着シート

【課題】ラベル貼付工程後の搬送や梱包工程、特にラベルに機械的な押力が生じる工程において、剥がれの生じにくいアイキャッチラベル用粘着シートを提供する。
【解決手段】23±2℃、50±5%RHの環境下で、前記粘着剤層面に、ポリプロピレンフィルムを2kgローラーで、圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で圧着し、1分後に剥離速度10m/minで180度方向に剥離した際に、スリップスティック現象が生じない粘着シートにより、貼付工程時に即座に優れた接着性能を示し、アイキャッチラベルに適用した際に、ラベル貼付後に搬送や梱包の工程、特にラベルに機械的な押力が生じる工程があった場合にも剥がれが生じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種の包装容器や製品に貼付されるアイキャッチラベル用の粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧品、トイレタリー用品又は食品等の各種商品、あるいは、イベントや催物などにおける広告宣伝表示において、商品等を目立たせるために、人目を引くためのアイキャッチラベル(アテンションシール、ポップラベル、ポップシート)が貼付されることが行われている。従来のアイキャッチラベルとしては、例えば、シリコン系の低粘着層を有するポップシートが開示されている(特許文献1参照)。このような低粘着層のポップシートは、再剥離性を有するため、イベント等の期間終了後や、繰り返し使用する場合などに容易に剥離や張替えが可能である。
【0003】
一方で、化粧品やトイレタリー用品などの大量に生産、流通する商品は、アイキャッチラベルを貼り付けた後に、搬送や梱包の過程を経て箱詰め等が行われることも多い(特許文献2〜4参照)。しかし、上記したような低粘着層のポップシートでは、ラベル貼付後の搬送や梱包の過程、あるいは、流通過程において剥がれが生じる問題があるため、アイキャッチラベルとしては、貼付工程時に被接着体と良好に接着し、その後の搬送や梱包の過程、あるいは流通の過程において、容易に剥離しないものが望まれる。
【0004】
耐剥がれ性に優れる粘着フィルムとしては、例えば、アクリル系共重合体と粘着樹脂とを含有し、特定の物性値を有するアクリル系粘着剤組成物を使用した粘着フィルムが開示されている(特許文献5参照)。当該粘着フィルムは、特定の物性値を満足するアクリル系粘着剤組成物を使用することにより、貼付して一定時間経過した後の耐剥がれ性に極めて優れる粘着フィルムである。
【0005】
しかしながら、上記の耐剥がれ性に優れる粘着フィルムであっても、極短時間の貼付時間では、貼付直後に一定の機械的押力が働くと、剥がれが生じる場合があった。このため、ラベルの貼り付け工程から時間を経ずに、連続して搬送や梱包の工程が行われる場合には、貼り付けたラベルに剥がれが生じる問題があった。特に、アイキャッチ効果を高めるために、被接着体と貼付されない領域を設ける場合や、容器の外周から突出した部位を設ける場合(特許文献6参照)においては、被接着部や突出部を押す工程などの機械的な接触工程が生じるため、剥がれの問題は無視できないものであった。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3109351号公報
【特許文献2】特開平6−156706号公報
【特許文献3】特開平10−139006号公報
【特許文献4】特開平11−147503号公報
【特許文献5】特願2004−138753号公報
【特許文献6】特開2000−230161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ラベル貼付工程後の搬送や梱包工程、特にラベルに機械的な押力が生じる工程において、剥がれの生じにくいアイキャッチラベル用粘着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、23±2℃、50±5%RHの環境下で、前記粘着剤層面に、ポリプロピレンフィルムを2kgローラーで、圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で圧着し、1分後に剥離速度10m/minで180度方向に剥離した際に、スリップスティック現象が生じない粘着シートが、貼付工程時に即座に優れた接着性能を示し、アイキャッチラベルに適用した際に、ラベル貼付後に搬送や梱包の工程、特にラベルに機械的な押力が生じる工程があった場合にも剥がれが生じないことを見出し、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、再剥離性を有すると共に、貼付工程時に即座に優れた接着性能を有することから、アイキャッチラベルに好適に適用できる。本発明のアイキャッチラベル用粘着シートからなるアイキャッチラベルは、ラベル貼付後に搬送や梱包の工程、特にラベルに機械的な押力が生じる工程があった場合にも剥がれが生じないため、多量のラベル貼付や、貼付後の連続した搬送、梱包工程が必要な化粧品やトイレタリー用品、あるいは食品等の大量生産品のアイキャッチラベルとして極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、基材の片面の少なくとも一部に粘着剤層を有する粘着シートからなり、23±2℃、50±5%RHの環境下で、前記粘着剤層面に、ポリプロピレンフィルムを2kgローラーで、圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で圧着し、1分後に剥離速度10m/minで180度方向に剥離した際に、スリップスティック現象が生じないものである。
【0011】
[基材]
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートに使用する基材としては、特に限定されるべきものではないが、例えば、プラスチック系フィルム、セルロース系フィルム、不織布、紙、布、又は金属箔等が挙げられる。
【0012】
プラスチック系フィルムとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネイト、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリビニルアルコール等が挙げられ、セルロース系フィルムとしては、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等が挙げられる。また、不織布としては、パルプ、レーヨン、マニラ麻、アクリロニトリル、ナイロン、ポリエステル等が挙げられ、紙としては、上質紙、樹脂コート紙等が挙げられる。特に、片面粘着シートの場合は、再剥離時に基材シートの切断を防止するために、基材としてプラスチック系フィルムを使用することが好ましい。
【0013】
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートの厚さは、使用目的や状況に応じて適宜定めればよいが、片面粘着シートの場合は、貼付作業性や耐反発性の観点から、15〜250μmであることが好ましく、25〜115μmであることがより好ましく、35〜95μmであることが一層好ましい。一方、両面粘着シートの場合は、30〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましく、さらに、坪量は10〜100g/mであることが好ましく、15〜50g/mであることがより好ましい。
【0014】
中でも、本発明のアイキャッチラベル用粘着シートの基材としては、特に35〜55μmのポリエステルフィルム、あるいは35〜85μmのポリプロピレンを主成分とするフィルムが望ましい。
【0015】
(基材の表面処理)
また、基材の上に積層する層(粘着剤層や印刷層など)との密着性を向上させることを目的に、基材シートの片面または両面に、コロナ処理、プラズマ処理、粗面化処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理、オゾン照射処理、紫外線照射処理を施したり、アンカーコート剤を塗布しても良い。特に、粘着剤を積層する側の基材表面に、コロナ処理やアンカーコート処理を施すことにより、粘着剤層が基材の表面から剥離し難くなり、本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを被着体に貼着した後の再剥離性が向上し、被着体に粘着剤層が残留することを一層防止することができる。
【0016】
[粘着剤層]
本発明においては、粘着剤層の物性値、特に動的粘弾性を好適な範囲に調整することにより、上記条件下でもスリップスティック現象を生じないアイキャッチラベル用粘着シートを実現できる。
【0017】
(粘着剤層の動的粘弾性特性の規定方法)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを構成する粘着剤層の動的粘弾性特性は、特定周波数、及び特定温度における、動的粘弾性スペクトルの損失正接、又は損失正接及び貯蔵弾性率により規定し、さらに、特定周波数における動的粘弾性スペクトルの損失正接のピークを示す温度等により規定することができる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。試験片は厚み0.5〜2.5mmの粘着剤を単独で平行円盤の間に挟んでも良いが、基材と粘着剤の積層体を幾重にも重ねて平行円盤の間に挟んでも良い。なお、後者の場合は粘着剤のみの厚さが前記の範囲となるように調整する。粘着剤としての厚さを上記の範囲に調整すると、中間に基材が挟まっていても粘着剤の動的粘弾性スペクトルに影響はないことを本発明者等は確認している。
【0018】
(損失正接曲線のピークを示す温度)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを構成する粘着剤層は、その損失正接曲線のピークを示す温度が、周波数1Hzにおいて、−20℃以下であることが好ましく、−25℃以下であることがより好ましく、−30℃以下であることが特に好ましい。この範囲に制御することにより、本発明のスリップスティック現象が起こり難くなる。さらに詳しくは、この範囲内であれば、貼着時に粘着剤層が被着体表面の微視的な凹凸面に十分に流動し易く、その結果、被着体との接着力が十分となり、浮き剥がれが発生し難い。特に、アイキャッチラベル貼付時のラベルに対する機械的な負荷への抵抗力が増大する。さらに、再剥離する際に、断続的な抵抗感が出たり、ビリビリといった剥離音が発生し難く、スムーズな剥離作業を行うことができる。
【0019】
(粘着剤層の損失正接)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを構成する粘着剤層の損失正接は、周波数1Hzにおいて、120℃で0.20〜0.55である。120℃での損失正接は0.22〜0.52であることが好ましく、0.27〜0.52であることがより好ましい。また、100℃での損失正接は、0.27〜0.57であることが好ましく、0.27〜0.55であることがより好ましく、0.30〜0.52であることが特に好ましい。更に、70℃での損失正接は、0.30〜0.57であることが好ましく、0.33〜0.55であることがより好ましい。中でも、0.35〜0.52であることが特に好ましい。上記範囲であれば、被着体に貼着された粘着シートを、経時あるいは高温環境下に曝された後に再剥離する作業において、剥がそうとする基材が破れ易くなったり、被着体に粘着剤が残リ易くなることはない。また、被着体に貼付された粘着シートを、経時あるいは高温環境下に曝した際であっても、粘着シートの浮き剥がれが発生し難い。
【0020】
(粘着剤層の貯蔵弾性率)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを構成する粘着剤層は、その貯蔵弾性率が、周波数1Hzにおいて、120℃で9.0×10〜1.4×10(Pa)であることが好ましい。また、100℃での貯蔵弾性率は、1.0×10〜1.6×10(Pa)であることが好ましい。また、70℃での貯蔵弾性率は、2.0×10〜2.1×10(Pa)であることが好ましい。更に、−40℃での貯蔵弾性率は、5.0×10〜2.5×10(Pa)であることが好ましい。
【0021】
(粘着剤層のゲル分率)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートに用いる粘着剤層のゲル分率は、45〜80重量%であることが好ましく、50〜70重量%であることがさらに好ましい。ゲル分率の測定は、まず、粘着シートを25cmの大きさに切断し、その試験片に積層されている粘着剤層の重量を測定する(その重量をG1とする)。次に、その試験片を50mlのトルエンに浸漬した後、23℃で1日放置する。続いて、試験片及びトルエン溶液を濾布で濾過した残渣を105℃で2時間乾燥させ、試験片に積層された粘着剤層の乾燥後の重量、及びトルエン溶液を濾過した残渣の乾燥後の重量を測定する(その合算重量をG2とする)。その後、(G2/G1)×100により、ゲル分率を算出する。尚、基材シートが、トルエンに可溶である場合には、基材シートにポリエチレンテレフタレートを使用し、その上に粘着剤層を積層させたものを試験片とすることが望ましい。
【0022】
(粘着剤層の厚み)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートに用いる粘着剤層の厚みは、片面粘着シートの場合は、乾燥後の厚みで5〜70μmが好ましく、10〜35μmがさらに好ましく、10〜25μmが特に好ましい。また、両面粘着シートの場合は、30〜300μmが好ましく、50〜200μmがさらに好ましい。上記下限値を下回る場合は、得られるアイキャッチラベル用粘着シートの接着性が不十分となり、上限値を超える場合は、印刷やダイカット加工時に粘着剤のはみ出しが発生し易くなる。
【0023】
(粘着剤)
上記特性の粘着剤層は、使用する粘着剤を適宜調整することで得ることができる。粘着剤層に使用する粘着剤としては、公知のアクリル系、ゴム系、ビニルエーテル系、シリコーン系の粘着剤を使用することができるが、それらの中でもアクリル系の粘着剤が耐候性に優れるので好ましい。特に、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル系共重合体が好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート等であり、単独或いは2種以上を併用して用いることができる。中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、又はそれらを併用した単量体を主成分とすることが好ましく、更に、その使用量は粘着剤組成中の50〜99質量%であることが好ましい。また、前記損失正接曲線のピークを示す温度の制御は、粘着剤の主成分となるアクリルモノマーの配合量で制御することができる。ピーク温度を下げるためには、主モノマーとしてn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートの使用量を増加させる。特に、2−エチルヘキシルアクリレートを増加させることが好ましい。
【0024】
さらに、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基を有するビニル系単量体を、0.01〜15質量%の範囲で添加するのが好ましい。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水マレイン酸カルボキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、N−ビニルカプロラクタム、アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、N―メチロールアクリルアマイド、グリシジルメタクリレート等であり、これらを単独或いは2種以上を併用して使用することができる。中でも、極性基、特にカルボキシル基を含有したビニル系単量体を使用することが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、又はそれを併用した単量体を使用することがより好ましく、更に、その使用量は0.5〜4.0質量%であることが好ましい。特に、再剥離性と湾曲面に対する接着性を向上させるために、アクリル酸とメタクリル酸を併用して使用することが好ましい。特に、アクリル酸とメタクリル酸を粘着剤組成中の1.5〜2.5質量%となる量を使用し、アクリル酸に対するメタクリル酸の割合を質量比で0.5〜2.0とすることが好ましい。
【0025】
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、紫外線照射法、電子線照射法によって共重合させることにより得ることができる。中でも、乳化重合法が好ましい。
【0026】
さらに粘着剤の凝集力を上げ、粘着力又は再剥離性を向上させるために、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等が挙げられる。中でも、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。さらに、オキサゾリン基と反応する単量体として、アクリル酸およびメタクリル酸を使用し、カルボキシル基に対するオキサゾリン基の官能基数比が0.05〜0.025となることが好ましい。また、粘着力を向上させるため、公知の粘着付与樹脂を使用することもできる。
【0027】
また、粘着剤には、例えば、光安定化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等の公知慣用の添加剤を添加することができる。光安定化剤としては、連鎖禁止剤、ハイドロパーオキサイド分解剤、金属不活性剤および紫外線吸収剤等が挙げられる。このような添加剤を使用することにより、上記の耐黄変性を向上させることができる。
【0028】
(粘着剤のタイプ)
粘着剤のタイプとしては、エマルジョン型、溶剤型、無溶剤型等の粘着剤を使用することができるが、本発明のアイキャッチラベル用粘着シートに用いる粘着剤としては、エマルジョン型の粘着剤であることが好ましい。エマルジョン型の粘着剤は、溶剤を使用しないので環境面からも優れていると同時に、上記動的粘弾性スペクトルにおける高温領域の損失正接を目的の範囲に制御し易いことを発明者らは見出している。
【0029】
(エマルジョン型粘着剤の調製)
本発明においてはエマルジョン型、特にアクリル系のエマルジョン型粘着剤を公的に使用できるが、該アクリル系エマルジョン型粘着剤の製造方法は特に限定されるものでなく、従来公知の方法を用いることができる。重合方法としては、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合などを採用でき、重合温度は、例えば20〜100℃程度である。
【0030】
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合安定性を確保するため、アニオン系やノニオン系の乳化剤が適量用いられる。特に乳化剤は限定されず、公知の乳化剤を用いることができる。アニオン系乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられ、ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。以上の乳化剤を単独或いは複数併用して使用することができる。また、アニオン系及びノニオン系のいずれかにおいても、例えばプロペニル基等を導入したラジカル重合性の乳化剤を用いてもよい。
【0031】
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合開始剤が用いられる。特に重合開始剤は限定されず、公知の重合開始剤を用いることができる。具体的に2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾ系、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせや過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせ等からなるレドックス開始剤が用いられる。これらの開始剤は、通常は乳化重合の各段階に所定量を添加して、重合反応を行わせようにすればよい。
【0032】
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、還元剤が用いられる。還元剤として、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物が挙げられる。
【0033】
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合度を調整するために連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤として、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、トリクロロブロモメタン等を上げることができ、これらの群れより選ばれた少なくとも1種以上使用することができる。中でも、単量体成分としてアクリル系の単量体を使用する場合には、アクリル系の単量体100質量部に対し、ラウリルメルカプタンを0.01〜0.2質量部配合することが好ましい。
【0034】
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、乳化重合後、通常、アンモニア等の中和剤を用いて中和処理し、所定のpHに調整することにより、安定なエマルジョン型の粘着剤が得られる。中でも、pH8.5〜9.5の範囲であることが好ましい。
【0035】
[アイキャッチラベル用粘着シート]
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤を積層したものを基本構成とし、片面粘着シートまたは両面粘着シートの形で形成され、必要に応じて粘着剤層上に剥離シートを設ける。いずれの場合においても、基材に積層する粘着剤は、基材の少なくとも一方の面の全面に積層しても良いし、一部でも良い。
【0036】
また、片面粘着シートの場合は、粘着剤層と反対側の基材シートの表面に印刷を行っても良い。さらに、その印刷面を保護したり、意匠性や美観性を高めることを目的に、粘着剤層や接着剤層を介して、透明フィルムやマット調の半透明フィルムを印刷面に積層しても良い。
【0037】
(スリップスティック現象)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で、25mm幅に切断した表面処理の施されていない20μmのポリプロピレンフィルムを、粘着シートの粘着剤層面に、2kgローラーで、圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で圧着し、1分後に剥離速度10m/minで180度方向に剥離した際に、スリップスティック現象が発生しないものである。
【0038】
上記剥離条件における剥離速度は、10m/minという極めて早い速度である。当該剥離速度で剥離を行った際にスリップスティック現象が生じない粘着シートは、高速剥離条件下においても、被着対象との接着面が、一度に且つ急激に剥がれることがない。このため、このような粘着シートは、接着後に一定の機械的押力が加わった場合にも、急激に且つ一度に接着部全面の剥がれが生じにくい。
【0039】
一般に、アイキャッチラベルが貼付されるのは、商品の最外部であるため、貼付後の搬送や梱包工程において、機械的な押力がかかりやすい。特にアイキャッチラベルにおいては、アイキャッチ効果を高めるために被接着体と貼付されない領域を設ける場合や、容器の外周から突出した部位を設ける場合が多い。このような場合であっても、本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、上記特性を有することから、アイキャッチラベル用途に極めて有用である。
【0040】
具体的な搬送工程や、梱包工程としては、特開平6−156706号公報、特開平10−139006号公報、特開平11−147503号公報などに記載された方法が例示できる。本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、粘着シートが、被着体の表面に該粘着層が形成された領域以外の部分が該被着体の端部から突出するように貼付され、該粘着シートの突出部の方向から、該突出部に接触し、その後、該被着体の該端部に接触することにより該被着体を押し出す機能を有する押出手段により該被着体を搬送する方法において好適に使用できる。
【0041】
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、10m/minの剥離速度においてスリップスティック現象が発生しないものであるが、より高速の30m/minの剥離速度においてスリップスティック現象が生じないものが好ましく、50m/minの剥離速度においてスリップスティック現象が生じないものがさらに好ましい。
【0042】
さらには、10〜20m/minの剥離速度範囲でスリップスティック現象が生じないものが好ましく、10〜30m/minの範囲でスリップスティック現象が生じないものがより好ましく、10〜50m/minの範囲でスリップスティック現象が生じないものが特に好ましい。
【0043】
上記条件下で、スリップスティック現象を生じない本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは、粘着剤層の動的粘弾性特性や、粘着力等の物性値を適宜調整することにより実現できる。
【0044】
(粘着力)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートの粘着力Fは、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で、25mm幅に切断した表面処理の施されていない20μmのポリプロピレンフィルムを、粘着シートの粘着剤層面に、2kgローラーで、圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で圧着し、1分後に剥離速度10m/minで180度方向に剥離した際に、1.0〜10.0(N/25mm)であることが好ましく、2.0〜9.0(N/25mm)であることがより好ましく、中でも3.0〜8.0(N/25mm)であることが特に好ましい。前記範囲であることにより、粘着シート接着後に一定の機械的押力が加わった場合にも、急激に且つ一度に接着部全面の剥がれがより生じ難くなる。また、再剥離に被着体に粘着剤が残ったり、基材シートが破壊してしまい被着体からの剥離が困難となり難い。
【0045】
(剥離シート)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートには、必要に応じて粘着剤層上に剥離シートを設けることができる。この剥離シートとしては、クラフト紙、グラシン紙及び上質紙等の紙、それらの紙にポリビニルアルコール等の合成樹脂もしくはクレー等を片面もしくは両面にコーティングした紙、又はそれらの紙にポリエチレン樹脂などを片面もしくは両面にラミネートした紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリプロピレン等のプラスチックフィルムに、フッソ樹脂やシリコーン樹脂等の剥離剤を片面もしくは両面にコーティングしたものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に限定されるものではないが、一般に20〜300μmの範囲である。
【0046】
(被着体)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを貼り付ける被着体は、特に制限されないが、化粧品、トイレタリー用品、食品等の容器、あるいは、前記容器を包装するフィルムなどに使用されるポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とする被着体において、本発明の効果が特に発揮される。前記被着体では、粘着シートの接着性が乏しくなるため、本発明の粘着シートの効果である接着後に一定の機械的押力が加わった場合にも剥がれが生じにくいという効果が特に発揮される。さらに、被着体表面に、シリコーン樹脂やフッ素樹脂などの離型剤がコーティングされている被着体において、本発明の効果が発揮される。
【0047】
(貼付環境)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを貼り付ける貼付環境は、特に限定されないが、40度以下、さらには25度以下の環境において、本発明の効果が特に発揮される。貼付環境の低温下に伴い、粘着シートが被着体に接着し難くなるため、本発明の粘着シートの効果である接着後に一定の機械的押力が加わった場合にも剥がれが生じにくいという効果が特に発揮される。ただし、極端に貼付環境を低下させすぎると、粘着剤としての柔軟性が欠如するため、0度以上で貼付することが望ましい。
【0048】
(アイキャッチラベル用粘着シートの製造方法)
本発明のアイキャッチラベル用粘着シートの製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の製造方法に準じて製造することができる。例えば、片面粘着シートの場合は、粘着剤溶液を剥離シートに塗工し、乾燥、熱硬化、もしくは電磁放射線効果等による処理を行った後、基材シートを貼り合わせる方法、あるいは粘着剤溶液を基材シートに塗工し、乾燥、熱硬化、もしくは電磁放射線効果等による処理を行った後、剥離シートを貼り合わせる方法で得られる。また、両面粘着シートの場合は、粘着剤溶液を剥離シートに塗工し、前記処理した剥離シートを基材シートの両面に貼り合わせる方法で得られる。あるいは、粘着剤溶液を直接基材シートに塗工した後前記処理を行い、剥離シートを貼り合わせる方法でも製造することができる。更に、基材シートと粘着剤層の密着性を向上させるために、40℃〜100℃等の高温下で貼り合わせを行っても良い。本発明のアイキャッチラベル用粘着シートは製造工程を選択することによりロール状、テープ状、あるいはシート状として製造できる。
【0049】
(使用例)
このようにして製造されるアイキャッチラベル用粘着シートを使用する場合の形状や寸法は特に限定されるものではなく、用途や目的に応じて適宜設定してロール状、テープ状、あるいはシート状の粘着シートから切り出して使用することができる。特に、片面粘着シートの場合、所望の形状や寸法に切り出す前、あるいは切り出し後に、基材シートの粘着剤層が設けられていない面側に商品名、サービス、又は広告宣伝内容等を表示するための種々の図案や文字などの印刷が行われる。印刷方式としては、特に限定されるものではなく、オフセット印刷方式等の平版印刷法、グラビア印刷方式等の凹版印刷法、フレキソグラフ印刷方式等の凸版印刷法、又はスクリーン印刷方式等の孔版印刷法などの各種印刷方式を用いることができる。
【0050】
さらに、その印刷面を保護したり、意匠性や美観性を高めることを目的に、粘着剤層や接着剤層を介して、透明フィルムやマット調の半透明フィルムを印刷面に積層しても良い。
印刷が施され、各種形状、寸法に裁断された本発明のアイキャッチラベル用粘着シートを使用したアイキャッチラベルは、化粧品、トイレタリー用品、ハウスホールド用品、医薬品、食料品、飲料品、電化製品もしくは文具等の店頭販売される商品などに貼着され、一般消費者に対して購入を促すアイキャッチラベルなどの販売促進資材として使用される。
【0051】
特に、ポリエチレンやポリプロピレンを主成分とする容器などの一般に粘着力が発現し難い容器に貼付した場合に、本発明の効果が一層発揮される。
【実施例】
【0052】
次に、本発明の実施例および比較例を持って詳細に説明する。以下の実施例および比較例中、「部」は質量部を表す。
【0053】
(実施例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水40部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.03部、L−アスコルビン酸0.015部を添加し、続いてアクリル単量体としてアクリル酸2−エチルヘキシル75部、アクリル酸ブチル19部、メタクリル酸メチル2部、酢酸ビニル1部、アクリル酸1.5部、メタクリル酸1.5部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.02部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B(花王社製:有効成分25%)1.6部と脱イオン水15部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョンの一部(4部)を添加し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョンと、t−ブチルハイドロパーオキサイドの水溶液(有効成分1%)15部、L−アスコルビン酸の水溶液(有効成分0.5%)15部を各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて180分間撹拌し、内容物を冷却した後、pHが8.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。ここで得られた水性分散液100部に対して、レベリング剤としてサーフィノール420(エアー・プロダクツ・ジャパン社製)0.8部を添加した。さらに架橋剤として、オキサゾリン系架橋剤エポクロスK−2020E(日本触媒社製)をカルボキシル基含有モノマー(アクリル酸及びメタクリル酸)のカルボキシル基に対するオキサゾリン基がモル比で0.2倍となるように添加した後、100メッシュ金網で濾過してエマルジョン型粘着剤を調製した。
【0054】
次に、ポリエチレンラミネート紙にシリコーン化合物を塗工した剥離シート(王子製紙株式会社製「OKB−105NC」)に、粘着剤を塗工して80℃で90秒間乾燥させて乾燥後の厚み20μmの粘着剤層を得た。次いで、この粘着剤層面上にエステルA4100(東洋紡社製)を貼り合わせ、40℃の雰囲気中で3日間放置後、アイキャッチラベル用粘着シートを得た。本実施例1の粘着剤層の動的粘弾性特性における損失正接のピーク温度は−35度であった。
【0055】
得られた粘着シートについて、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中にて、アイキャッチラベル用粘着シートから剥離シートを剥離し、粘着剤層面に20μmの表面処理が施されていないポリプロピレンフィルムを2kgのローラーで圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で貼り付けた後、1分間放置した。次いで、引っ張り試験機にて、10mm/minの速さで、180度引き剥がし粘着力を測定したところ、2.5(N/25mm)であった。
【0056】
(比較例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル90.3部、酢酸ビニル8部、アクリル酸1.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部と重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル100部に溶解し、80℃で8時間重合してアクリル共重合体溶液を得た。次に、前記アクリル共重合体溶液の固形分100部に対して不均化ロジンエステル(荒川化学社製「スーパーエステルA100」)を10部、および重合ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学社製「ペンセルD135」)を10部添加し、固形分45%となるように酢酸エチルを加えて均一に混合してアクリル共重合体混合溶液を得た。その後、前記アクリル共重合体混合溶液100部に対して、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC−40」)を1.2部添加し、15分間撹拌して溶剤型粘着剤を調製した。粘着剤の調製以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。本比較例1の粘着剤層の動的粘弾性特性における損失正接のピーク温度は−12度であった。
【0057】
得られた粘着シートについて、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中にて、アイキャッチラベル用粘着シートから剥離シートを剥離し、粘着剤層面に20μmの表面処理が施されていないポリプロピレンフィルムを2kgのローラーで圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で貼り付けた後、1分間放置した。次いで、引っ張り試験機にて、10mm/minの速さで、180度引き剥がし粘着力を測定したところ、6.5(N/25mm)であった。
【0058】
実施例1及び比較例1にて得られた粘着シートについて、以下の評価、試験を行った。
(スリップスティック現象の評価)
温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中にて、アイキャッチラベル用粘着シートから剥離シートを剥離し、粘着剤層面に20μmの表面処理が施されていないポリプロピレンフィルムを2kgのローラーで圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で貼り付けた後、1分間放置した。次いで、引っ張り試験機にて、3、10、20、30、40、50mm/minの速さで、スリップスティック現象の有無を確認した。
スリップスティック現象が発生しない場合を○、発生した場合を×とした。
【0059】
(押出工程による脱落試験)
図1に示したように、ポリオレフィン樹脂を主成分とする表面を有する練歯磨きチューブの底端部に、縦2cm×横3cm(貼付面積縦1cm×横3cm)の粘着シートを、底端部から縦に1cmのはみだし部分が生じるように、500gのローラーで圧着速さ5m/minで貼り付け、2秒後に、はみだし部分から押出速度30m/minの速さで押し出し、粘着テープの脱落の有無を確認した。
チューブから剥がれ落ちないものを○、チューブから剥がれ落ちたものを×とした。
【0060】

【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施例における脱落試験にて使用したチューブの概略図である。
【符号の説明】
【0062】
1 蓋端部
2 底端部
3 粘着シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の片面の少なくとも一部に粘着剤層を有する粘着シートからなり、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で、前記粘着剤層面に、ポリプロピレンフィルムを2kgローラーで、圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で圧着し、1分後に剥離速度10m/minで180度方向に剥離した際に、スリップスティック現象が生じないことを特徴とするアイキャッチラベル用粘着シート。
【請求項2】
前記粘着剤層の動的粘弾性スペクトルの損失正接曲線のピークを示す温度が、−20℃以下である請求項1に記載のアイキャッチラベル用粘着シート。
【請求項3】
温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で、前記粘着剤層面に、ポリプロピレンフィルムを2kgローラーで、圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で圧着し、1分後に剥離速度10m/minで180度方向に剥離した際の粘着力が、1.0〜10N/25mmである請求項1又は2に記載のアイキャッチラベル用粘着シート。
【請求項4】
前記粘着シートを貼付する被着体が、ポリオレフィン樹脂を主成分とする被着体である請求項1〜3のいずれかに記載のアイキャッチラベル用粘着シート。
【請求項5】
前記粘着剤層が、エマルジョン型のアクリル系共重合体からなる請求項1〜4のいずれかに記載のアイキャッチラベル用粘着シート。
【請求項6】
前記エマルジョン型のアクリル系共重合体が、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、極性基を含有するビニル系単量体とを必須成分としてなるアクリル系共重合体からなる請求項5に記載のアイキャッチラベル用粘着シート。

【図1】
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【公開番号】特開2007−264045(P2007−264045A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85413(P2006−85413)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】