説明

アイメリアに対する免疫応答を強化する組成物および方法

TRAPポリペプチドを含むワクチンおよびTRAPポリペプチドを含むサルモネラ・エンテリティディスベクターが提供される。前記ワクチンはまたCD4Qと結合することができるCD154ポリペプチドを含むことができる。さらに、アピコンプレックス門寄生虫に対する免疫応答を強化する方法およびアピコンプレックス門寄生虫の感染に関連する罹病率を低下させる方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本出願は、米国仮特許出願60/984,612号(2007年11月1日出願)(前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)の優先権を主張する。
(連邦政府支援研究に関する記述)
無し。
【0002】
(緒言)
コクシジウム症(アピコンプレックス門原生動物寄生虫であるアイメリア属(Eimeria)によって引き起こされる家禽、ブタおよびウシの伝染性疾患)は世界的に蔓延する問題である。コクシジウム症は、家禽産業におけるその経済的な影響に関して十指に入る家禽の伝染性疾患である。プラスモジウム属(Plasmodium)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)およびトキソプラズマ属(Toxoplasma)を含む、アピコンプレックスファミリーの他のメンバーもまた疾患を引き起こし、前記はそれぞれマラリア、クリプトスポリジウム症およびトキソプラズマ症の原因因子である。アイメリア属に対して従来利用可能なワクチンは、本質的には完全な病毒性を有するが薬剤感受性であるアイメリア寄生虫の低管理用量を基本にしている。従来のアイメリア系ワクチンによるワクチン免疫は、実質的なワクチン反応による有病状態およびワクチン接種群における経済的損失を生じる。したがって、アイメリアに対する効果的な低病毒性ワクチンが希求される。アイメリアに対して有効なワクチンはまた他のアピコンプレックス門寄生虫に対するワクチンとしても有用であることが立証されよう。
【0003】
(概要)
TRAPポリペプチドまたはその免疫原性フラグメントをコードする第一のポリヌクレオチドを含むワクチンが開示される。TRAPポリペプチドは配列番号:1、配列番号:2もしくは配列番号:3またはその免疫原性フラグメントを含むことができる。前記ワクチンは場合によってさらに、CD40と結合することができるCD154をコードする第二のポリヌクレオチド配列を含む。CD154ポリペプチドは50未満のアミノ酸を含み、アミノ酸140−149または前記のホモローグを含む。
本発明のワクチンはベクター(例えばウイルス、細菌またはリポソーム)内に包含され得る、ある特徴では、TRAPポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドを含むサルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)を含むワクチンが提供される。
さらに別の特徴では、本発明は、本発明のワクチンを投与することによって対象でアピコンプレックス門寄生虫に対する免疫応答を強化する方法を含む。
さらに別の特徴では、本発明は、本発明のワクチンを投与することによって対象でアピコンプレックス門寄生虫の感染に関連する罹病率を低下させる方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】サルモネラ・エンテリティディスにおいて位置特異的変異を導入するための手順を示す。
【図2】lamBポリヌクレオチドのloop9へTRAPおよびTRAP-CD154を挿入するために用いられるオーバーラップ伸張PCR法の設計手順を示す。
【図3】表示のアイメリアTRAP配列を発現するサルモネラベクターの接種後にアイメリア・マキシマ(E. maxima)を感染させて5日後のパーセント罹病率を示す棒グラフである。
【0005】
(発明を実施するための形態)
組換えDNA技術は多くの細菌およびウイルス種の比較的容易な操作を可能にする。いくつかの細菌およびウイルスは病原性が低いかまたは病原性をもたないが、強力な免疫応答を引き起こすことができる。これらの細菌およびウイルスは、抗原に対する免疫応答を誘引するための好ましいワクチンを構成する。細菌またはウイルス性ワクチンは自然感染を模倣し、強力で長期間持続する粘膜免疫をもたらすことができる。ワクチンは、しばしば製造および投与において比較的安価である。さらにまた、そのようなベクターはしばしば2つ以上の抗原を保持することができ、複数の感染因子に対する防御を提供することができる。
ある特徴では、TRAPポリペプチドまたはその免疫原性フラグメントをコードする第一のポリヌクレオチドを含むワクチンが提供される。TRAPポリペプチドは配列番号:11または配列番号:11の免疫原性フラグメントを含むことができる。ワクチンは、ポリペプチドに対する免疫応答を誘引することができる前記抗原性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む任意の組成物を含む。別の特徴では、アイメリア属または他のアピコンプレックス門寄生虫(例えばプラスモジウム属(マラリアの原因因子)、トキソプラズマ属およびクリプトスポリジウム属)に対するワクチン接種および免疫応答の惹起を目的とするベクター(例えば細菌ベクター)の使用が開示される。サルモネラ株は、変異または弱毒化させて感染動物または免疫動物に対する病原性が低いかまたは病原性がないが免疫原性は維持する細菌を作製することができるので適切なベクターを構成する。
【0006】
アイメリア・マキシマ(Eimeria maxima)の高分子量無性生殖期抗原(EmTFP250)は、この原生動物寄生虫に感染しためんどりの卵を孵化させることによってもたらされる母体移行抗体の標的であることが示された。この抗原のアミノ酸配列の分析によってTRAP(トロンボスポンジン関連未特定タンパク質)ファミリーの新規メンバーが明らかになった。前記は16のトロンボスポンジン1型リピートおよび31の表皮増殖因子様カルシウム結合ドメインを含む。EmTFP250またはTRAPはまた、グルタミン酸およびグリシン残基に富む2つの低複合性親水性領域およびトランスメンブレンドメイン/細胞質ゾルテール(アピコンプレックス門の短系タンパク質内で高度に保存されている寄生虫の滑走運動性と密接に関係する)を含む。いくつかの潜在的エピトープが選別され、配列番号:1−3および11で実体が確認されている。この抗原の保存された性状のために、ベクターによるこれらのエピトープの発現は複数のアピコンプレックス門の寄生虫に対して防御免疫を誘発する可能性がある。
サルモネラ属は宿主の胃腸管で生存し、粘膜免疫応答を立ち上げることができるのでサルモネラは有用なベクターを提供する可能性がある。サルモネラベクターを用いる経口ワクチンは強力な粘膜免疫応答を生じ、動物および人間の両方に比較的容易に投与される。しかしながら、従来の弱毒化サルモネラワクチン株の多くは、病毒性が強いそれらの対応株と比較したとき、強力な防御免疫応答の発生において同じような有効性を示さない。病毒株は強力な免疫応答を提供するが、ワクチン接種動物に対して顕著な有病状態もまた引き起こす可能性がある。有効な粘膜(例えば経口)ワクチン免疫に使用することが可能なサルモネラ株は、1つまたは2つ以上の病原性因子(例えばアピコンプレックス門寄生虫)に対して対象に容易にワクチン免疫を付与するために使用することが可能なベクターを提供しよう。
【0007】
ベクターとして有用なサルモネラ・エンテリティディス株およびこの株を用いて作製した種々の組換えベクターが記載される。特に、外因性TRAPポリペプチドを発現することができるサルモネラ・エンテリティディス13A(SE13A)が提供される。さらにまた、対象で免疫応答を強化するワクチンおよび前記ワクチンを投与することによって対象で免疫応答を強化する方法が開示され、前記ワクチンは、TRAPポリペプチドをコードするTRAPポリヌクレオチドおよびCD40と結合することができるCD154のポリペプチドまたはそのホモローグをコードするCD154ポリヌクレオチドを含む。前記ワクチンを用いて、アイメリア属または別のアピコンプレックス門寄生虫(例えばプラスモジウム、トキソプラズマまたはクリプトスポリジウム)に対する免疫応答を強化することができる。
サルモネラ属の野生型単離株のサルモネラ・エンテリティディス13A(SE13A)(アメリカ菌培養収集所(ATCC)に2006年9月13日に寄託、寄託番号PTA-7871)を、ニワトリで粘膜上コロニー形成および粘膜下移転を引き起こすことができるその並外れた能力により選択した(前記能力は養鶏用ニワトリにおいて結合させた抗原またはエピトープの強力な提示を可能にする)。重要なことには、この野生型サルモネラ単離株は養鶏用ニワトリにおいて臨床的に検出され得る症状または外観を引き起こすことがなく、このことはこの野生型サルモネラには脊椎動物での発症潜在能力がほとんどないことを示している。
【0008】
SE13A単離株は、実験室外または製造条件外での細菌の持続的複製のために必要な少なくとも1つの遺伝子を不活化することによってさらに弱毒化することができる。ベクターとして用いることができるサルモネラ株は下記で述べる。SE13Aを用い、ワクチンを開発しまたは免疫応答を強化させるための弱毒化サルモネラ株を作製した。SE13Aは家禽に対して侵襲性で非病原性であり、検出可能な有病状態を引き起こさない。これらの特色は、非侵襲性細菌ベクターと比較して免疫応答の強化をもたらす。細菌の拡散能力を制限する遺伝子の変異によるSE13Aの弱毒化によってワクチンの安全性を高めることができる。aroAおよび/またはhtrAに変異を有するSE13Aは免疫応答を生じさせる能力を保持するが、宿主での複製は制限された。したがって、前記弱毒化は免疫原性を損なうことなくベクターの安全性を高める。
変異は他のサルモネラ属の多様な遺伝子で実施することができる。前記遺伝子にはcya、crp、asd、cdt、phoP、phoQ、ompR、外膜タンパク質、dam、htrAまたは他のストレス関連遺伝子、aro、pur、およびguaが含まれるが、ただしこれらに限定されない。実施例で示すように、aroAおよびhtrAの変異はSE13Aを弱毒化することが見出された。aro遺伝子はシキミ酸合成経路またはアロマターゼ経路に必要な酵素であり、aro変異体は、芳香族アミノ酸のトリプトファン、チロシンおよびフェニルアラニンを必要とする栄養素要求株である。htrAは、異常なタンパク質を分解するペリプラズムプロテアーゼをコードするストレス応答遺伝子である。htrAの変異体もまた弱毒化され、過酸化水素に対する感受性の増加を示す。
【0009】
実施例で述べるaroAおよびhtrAの変異は欠失変異であるが、前記変異は多様な方法で実施することができる。適切には、変異は、単一工程では修復することができない非復帰変異である。適切な変異には欠失、倒置、挿入および置換が含まれる。ベクターは2つ以上の変異を含むことができる。例えば、ベクターはaroAおよびhtrAの両方に変異を含むことができる。そのような変異を導入する方法は当分野では周知である。
TRAPポリペプチド抗原および多数の病原性生物由来の他の抗原をコードするポリヌクレオチドをベクター(例えばSE13A)に挿入し、当該細菌によって発現させることができる。ベクターによるこれらポリヌクレオチドの発現は、当該対象の免疫に続く抗原性ポリペプチドの生成を可能にするであろう。前記ポリヌクレオチドは当該細菌の染色体に挿入してもよいが、プラスミドまたは他の染色体外DNAでコードさせてもよい。ベクター(例えばサルモネラ)でポリヌクレオチドを発現させるための多数の方法論が存在することは当業者には理解されよう。ポリヌクレオチドは、当業者に公知の方法によって作動できるようにプロモータ(例えば構成的プロモータ、誘導性プロモータなど)に連結することができる。適切には、TRAP抗原をコードするポリヌクレオチドは発現される細菌性ポリヌクレオチドに挿入される。適切には、前記細菌性ポリヌクレオチドはトランスメンブレンタンパク質をコードし、前記TRAP抗原をコードするポリヌクレオチドは前記細菌性ポリヌクレオチド配列に挿入されて細菌の表面でTRAP抗原の発現を可能にする。例えば、TRAPをコードするポリヌクレオチドはトランスメンブレンタンパク質の外部ループ領域をコードする領域で前記細菌性ポリヌクレオチドにインフレームで挿入され、そうすることによって前記細菌性ポリヌクレオチド配列をインフレームで維持することができる(実施例1を参照されたい)。
【0010】
また別には、TRAP抗原をコードする第一のポリヌクレオチドは分泌されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに挿入してもよい。TRAP抗原をコードするポリヌクレオチドを多様な細菌性ポリヌクレオチドに挿入して、TRAP抗原の発現および当該ワクチンで処置された対象の免疫細胞への提示を提供できることは当業者には理解されよう。実施例では、TRAPポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドはSE13AのlamB遺伝子のループ9に挿入された。TRAP抗原をコードするポリヌクレオチドは単一コーピーとしてまたは2つ以上のコピーとして含まれ得る。lamBのループ9に挿入されたTRAP抗原の複数コピーを含む細菌ベクターもまた作製することができる。あるいは1つのエピトープの複数コピーを細菌ベクターの2つ以上の位置に挿入してもよい。
適切には、第一のポリヌクレオチドはTRAPポリペプチドの一部分または完全なTRAPポリペプチドをコードする。前記ポリヌクレオチドをベクターに挿入することができる。実施例では、3つのポリペプチド(配列番号:1−3)がSE13Aに組み入れられる。適切には、ベクターに挿入されるTRAPポリペプチドの部分は免疫原性フラグメントである。免疫原性フラグメントは、細胞性または液性免疫応答を誘引することができるペプチドまたはポリペプチドである。適切には、TRAPの免疫原性フラグメントは、完全長のタンパク質配列の連続する6つ以上のアミノ酸、10以上のアミノ酸、15以上のアミノ酸、または20以上のアミノ酸であり得る。
ベクター内にTRAPを含むワクチンに取り入れることができる他の適切なエピトープには他のアイメリア関連ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれるが、ただし前記に限定されない。多様な配列を任意の他の抗原と組み合わせて用いることができること、および免疫刺激ペプチドをコードするポリペプチド(例えばCD154のポリペプチド)と結合させて用いることができることは当業者には理解されよう。
【0011】
下記でさらに詳しく述べるように、ベクターを含むワクチンは、対象のCD40と結合し、前記ベクターおよびその結合抗原に対する前記対象の応答を刺激することができるCD154ポリペプチドを含むことができる。樹状細胞(DC)の関与は強力な免疫応答の開始に必須である。なぜならば、樹状細胞はナイーヴT細胞を活性化してT細胞の増員およびエフェクター細胞への分化を引き起こす固有の能力を有するからである。DC(身体の実質的に全ての組織で見出される抗原提示細胞(APC))の役割は、抗原を捕捉し、それらを関連する類リンパ組織に輸送し、続いてそれらをナイーヴT細胞に提示することである。DCによって活性化されたとき、T細胞は増員し、エフェクター細胞に分化し、二次免疫器官から出て抹消組織に入る。活性化された細胞傷害性T細胞(CTL)は、ウイルス感染細胞、腫瘍細胞または細胞内寄生虫(例えばサルモネラ)に感染したAPCさえも破壊する能力を有し、ウイルス感染に対する防御において必須であることを示した。CD40はTNF-レセプターファミリー分子のメンバーであり、多様な細胞タイプ(専門的抗原提示細胞(APC)、例えばDCおよびB細胞を含む)で発現される。CD40とそのリガンドCD154との相互作用は、液性および細胞性免疫の両方において極めて重要でそれらを刺激する。DCの表面で発現されるCD40を介するDCの刺激は抗CD40抗体によって刺激され得る。しかしながら身体では、前記事象は、活性化T細胞の表面で発現されるCD40の天然のリガンド(すなわちCD154)との相互作用により生じる。興味深いことには、CD145のCD40結合領域の実体が確認された。CD154のCD40結合領域は、ベクター(例えばサルモネラベクター)の表面で発現させることができ、一緒に提示されるペプチド配列に対する免疫応答の強化をもたらす。
【0012】
上記で述べたように、CD154ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはベクターの染色体に挿入するか、または染色体外で維持させることができる。CD154ポリペプチドは完全長のCD154タンパク質の部分であっても、または完全なCD154タンパク質であってもよい。適切には、CD154ポリペプチドはCD40と結合することができる。これらのポリヌクレオチドを多様なポリヌクレオチドにインフレームで挿入し、さらにベクターの種々の部分で発現させるか、または分泌させることができることは当業者には理解されよう。TRAPに対する免疫応答を強化することができるCD154ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまたTRAP抗原をコードすることができる。CD154ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをTRAP抗原をコードするポリヌクレオチドと、CD154ポリペプチドおよびTRAP抗原がベクター内で同じポリペプチド上に存在するように連結させることができる。実施例では、CD40と結合することができるCD154ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまたTRAP抗原をコードする(添付の配列表の配列番号:1、2、3および11を参照されたい)。実施例では、TRAP抗原をコードするポリヌクレオチド(配列番号:13−15)およびCD154ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは両者ともにlamB遺伝子のループ9に挿入される。他のトランスメンブレンタンパク質およびlamB遺伝子の他のループをコードする細菌性ポリヌクレオチドもまた用いることができることは当業者には理解されよう。
【0013】
上記で考察したように、抗原に対する免疫応答を強化することができるCD154ポリペプチドをコードするCD154ポリヌクレオチドをワクチンに包含することができる。適切には、CD154ポリペプチドは、長さが50未満のアミノ酸、より適切には長さが40未満、30未満または20未満のアミノ酸である。前記ポリペプチドは、長さが10から15アミノ酸、10から20アミノ酸または10から25アミノ酸である。CD154配列およびCD40結合領域は多様な種の間で高度には保存されていない。ニワトリおよびヒトのCD154配列はそれぞれ配列番号:10および配列番号:4で提供される。
CD154のCD40結合領域は、多数の種(ヒト、ニワトリ、アヒル、マウスおよびウシを含む)で決定され、それぞれ配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、および配列番号:9で示される。CD40結合領域には種間で配列の変動性が存在するが、ヒトのCD154ポリペプチドはニワトリの免疫応答を強化することができた。したがって、種特異的CD154ポリペプチドまたは異種CD154ポリペプチドを用いて本発明を実施することができる。
実施例では、いくつかのSE13A組換え細菌が作製された。TRAPおよびCD154ポリペプチドの両方を含むSE13A株の各々において、TRAPポリペプチドおよびCD154ポリペプチドは同じポリヌクレオチド上でコードされ、さらに互いにおよびサルモネラlamBポリヌクレオチド(それらがその中に挿入されている)とイン-フレームでコードされた。また別の実施態様では、CD154ポリペプチドおよびTRAPポリペプチドを別個のポリヌクレオチドによってコードすることができる。SE13A aro htrA TRAPはaroAおよびhtrAに欠失を含み、lamBのloop9に挿入されたTRAPエピトープ(配列番号:1−3)および場合によってCD154ポリペプチド(配列番号:4)をコードする。
【0014】
弱毒化サルモネラ株および医薬的に許容できる担体を含む組成物もまた提供される。医薬的に許容できる担体はin vivo投与に適した任意の担体である。本組成物での使用に適した医薬的に許容できる担体の例には水、緩衝溶液、グルコース溶液または細菌培養液が含まれるが、ただしこれらに限定されない。本組成物のさらに別の成分には、適切には例えば賦形剤、例えば安定化剤、保存料、希釈剤、乳化剤および滑沢剤が含まれる。医薬的に許容できる担体または希釈剤の例には、安定化剤、例えば炭水化物(たとえばソルビトール、マンニトール、デンプン、シュクロース、グルコース、デキストラン)、タンパク質(例えばアルブミンまたはカゼイン)、タンパク質含有物質(例えばウシ血清または脱脂乳)および緩衝液(例えばリン酸緩衝液)が含まれる。特にそのような安定化剤が組成物に添加されるときは、前記組成物は凍結乾燥または噴霧乾燥に適している。
TRAPポリペプチドおよびCD154ポリペプチド(CD40と結合してCD40を活性化することができる)を含むワクチンを投与することによって対象で免疫応答を強化する方法もまた提供される。CD40と結合することができるCD154ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むワクチンが、前記ワクチンに対する対象の免疫応答を強化するために有効な量で対象に投与される。適切には、前記ワクチンは、ヒトCD154ポリペプチド(配列番号:4)のアミノ酸140−149またはそのホモローグを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。したがって、ある種に由来するアミノ酸140−149のホモローグを用いて別個の種で免疫応答を刺激することができる。
【0015】
いくつかの適切なポリペプチドの実体が本明細書で検証される。適切には、前記ポリヌクレオチドは対象と同じ種に由来するCD154ポリペプチドをコードする。適切には、配列番号:5のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがヒト対象で用いられ、配列番号:6のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがニワトリで用いられ、配列番号:7のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがアヒルで用いられ、配列番号:8のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがマウスで用いられ、配列番号:9のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが乳牛で用いられる。実施例では、ヒトCD154ポリペプチド(配列番号:5)をニワトリワクチンで用い、外来抗原に対する免疫応答を強化することを示した。したがって、CD154と対象との他の異種組合せも本発明の方法で有用であり得る。CD154ポリペプチドを用いて、TRAPポリペプチドに加えてワクチンに存在する任意の外来抗原または抗原性ポリペプチドに対して対象で免疫応答を強化することができる。CD154ポリペプチドを用いて、ワクチンに存在する2つ以上の抗原性ポリペプチドに対する免疫応答を強化し得ることは当業者には理解されよう。
【0016】
CD154由来のポリペプチドは、少なくとも部分的にはそのレセプターであるCD40と結合することによって免疫応答を刺激する。本実施例は、対象の免疫細胞上で発現され、マクロファージおよび他の抗原提示細胞上のCD40レセプターと結合することができるCD154ポリペプチドと相同なポリペプチドを用いた。このリガンド-レセプター複合体の結合はマクロファージ(およびマクロファージ系列細胞、例えば樹状細胞)を刺激して、食作用および抗原提示を強化し、一方、他の局所免疫細胞(例えばBリンパ球)を活性化することが知られているサイトカイン分泌を増加させる。したがって、CD154ペプチドに結合させた分子は免疫応答および抗体産生増加のための優先的標的となる。
本方法で使用される潜在的ベクターには、サルモネラ属(サルモネラ・エンテリティディス)、赤痢菌属、エシェリキア属(大腸菌)、エルジニア属(Yersinia)、ボルデテーラ属(Bordetella)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、バシルス属(Bacillus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ビブリオ属(Vibrio)(コレラ菌(Vibrio cholerae))、リステリア属(Listeria)、アデノウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルスおよびアデノ関連ウイルスが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0017】
さらにまた、アピコンプレックス門の寄生虫に対する免疫応答を強化する方法およびその後のアピコンプレックス門寄生虫感染に関連する罹病率を低下させる方法が開示される。略記すれば、前記方法は、TRAPポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド配列を含むワクチンを有効な量で対象に投与することを含む。前記TRAPポリペプチドは配列番号:1−3および11を含むことができる。ベクターへのTRAPポリペプチドの挿入は当業者に公知の多様な方法(無瘢痕(scarless)位置特異的変異導入システムが含まれるが前記に限定されない)で達成することができる。無瘢痕位置特異的変異導入システムは以下に記載されている:BMC Biotechnol. 2007 Sept., 17:7(1):59, Scarless and Site-directed Mutagenesis in Salmonella enteritidis chromosome(前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。ベクターはまた、上記で考察したように免疫応答を強化することができる他のポリペプチド(例えば配列番号:4および配列番号:10)と一緒にTRAPポリペプチドを発現させるために操作することができる。特に、CD40と結合することができるCD154ポリペプチドをベクターによって発現させ、TRAPポリペプチドに対する対象の免疫応答を強化することができる。場合によって、ベクターは細菌、例えばサルモネラ・エンテリティディスである。
【0018】
投与されるべきワクチンの有用な用量は、対象の齢、体重および種、投与態様およびルート、並びに免疫応答が希求される病原体のタイプにしたがって変動するであろう。組成物は免疫応答を惹起するために十分な任意の投与量で投与することができる。細菌ワクチンの場合、103から1010の細菌、104から109の細菌、または105から107の細菌の範囲の投与量が適切であると考えられる。組成物は1回だけ投与するか、または免疫応答を高めるために2回以上投与できる。例えば、組成物は1週間、2週間または3週間以上離して2回以上投与することができる。細菌は適切には投与前に生存しているが、いくつかの実施態様では細菌は投与前に殺処理することができる。いくつかの実施態様では、細菌は対象内で複製することができるが、一方、他の実施態様では細菌は対象内で複製できない。
動物またはヒトへの投与の場合、組成物は多様な手段で投与することができる。前記手段には鼻内、粘膜、噴霧、皮内、非経口的、皮下、経口的、エーロゾル、または筋肉内投与が含まれるが、ただしこれらに限定されない。点眼投与または飲料水もしくは食物への添加もまた適切である。ニワトリの場合、組成物は卵内に投与することができる。
【0019】
本発明のいくつかの実施態様は対象で免疫応答を強化する方法を提供する。適切な対象には脊椎動物、適切には哺乳動物(適切にはヒト)および鳥類、適切には家禽(例えばニワトリ)が含まれ得るが、ただしこれらに限定されない。他の感染動物モデルもまた用いることができる。免疫応答の強化には、対象の免疫系によって仲介される治療的または予防的効果の誘発が含まれるが、ただし前記に限定されない。特に、免疫応答の強化には、抗体産生の強化、抗体重鎖のクラスの切り替えの強化、抗原提示細胞の成熟、ヘルパーT細胞の刺激、細胞傷害性T細胞の刺激またはTおよびB細胞メモリーの誘発が含まれ得るが、ただしこれらに限定されない。
同じ病原体または異なる病原体に由来するいくつかのエピトープまたは抗原を単一ワクチン内で組み合わせて投与し、複数の抗原に対する免疫応答の強化を生じさせることも考えられる。組換えワクチンは複数の病原性微生物、ウイルスまたは腫瘍関連抗原に由来する抗原をコードすることができる。複数の抗原を発現することができるワクチンの投与は、同時に2つ以上の疾患に対する免疫を誘引するという利点を有する。例えば、生弱毒化細菌、例えばサルモネラ・エンテリティディス13Aは、複数の抗原に対する免疫応答を誘引するために適切なベクターを提供する。
【0020】
細菌性ワクチンは抗原をコードする外因性ポリヌクレオチドを用いて構築することができる。前記ポリヌクレオチドは細菌ゲノムの非本質的な任意の部位に挿入できるが、また別には当分野で周知の方法を用いてプラスミド上で保持させてもよい。ポリヌクレオチドの挿入に適切な1つの部位はトランスメンブレンタンパク質の外部部分内に存在するが、または分泌経路のために外因性ポリヌクレオチドを標的とする配列と結合される。ポリヌクレオチドの挿入のために適切なトランスメンブレンタンパク質の一例はlamB遺伝子である。実施例では、TRAPおよびCD154ポリヌクレオチドがlamB配列のループ9に挿入された。
外因性ポリヌクレオチドには病原性微生物またはウイルスから選択される抗原をコードするポリヌクレオチドが含まれ(ただしこれらに限定されない)、さらに有効な免疫応答を生じる態様で発現されるポリヌクレオチドが含まれる。そのようなポリヌクレオチドは以下の病原性ウイルスから誘導することができる:例えばインフルエンザ(例えばM2e、ヘマグルチニンまたはノイラミニダーゼ)、ヘルペスウイルス(例えばヘルペスウイルスの構造タンパク質をコードする遺伝子)、レトロウイルス(例えばgp160エンベロープタンパク質)、アデノウイルス、パラミクソウイルス、コロナウイルスなど。外因性ポリヌクレオチドはまた、病原性細菌から、例えば細菌性タンパク質(例えば毒素)および外膜タンパク質をコードする遺伝子から入手することができる。さらにまた、寄生虫(例えば他のアピコンプレックス門の寄生虫)由来の外因性ポリヌクレオチドもベクターワクチンで使用するための重要な候補物である。
免疫系の開始に必要なポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、ベクター(例えば生弱毒化サルモネラワクチン)に包含させることができる。前記ポリヌクレオチドは、その刺激性作用について公知の免疫系分子(例えばインターロイキン、腫瘍壊死因子、インターフェロン)をコードすることができるが、前記ポリヌクレオチドは免疫調節に必要とされる別のヌクレオチドであってもよい。ワクチンはまた、免疫応答を刺激することが知られているペプチド(例えば本明細書に記載のCD154ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含むことができる。
以下の実施例は単に例示することを意図し、本発明の範囲または添付の特許請求の範囲について制限しようとするものではない。
【0021】
実施例1:TRAPおよびTRAP/CD154挿入物の構築
株および培養条件:特段の記載がなければ、全てのプラスミドは最初TOP10大腸菌細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)で維持された。サルモネラ・エンテリティディス13Aを変異導入に用いた。サルモネラ・エンテリティディス株13AはUSDA/APHIS/NVSLから入手することができる野外単離株であり、ATCCに寄託番号PTA-7871として寄託された。プラスミドpKD46を保持する細菌は30℃で増殖させた。他の細菌は37℃で増殖させた。プラスミドキュアリングは37℃で実施した。
Luria-Bertani(LB)培地を日常的な細胞増殖に用い、SOC培地(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)はエレクトロポレーション後の表現型発現に用いた。適切な場合には、以下の抗生物質を培地に添加した:100μg/mLのアンピシリン(Amp)、50μg/mLのカナマイシン(Km)および25μg/mLのクロラムフェニコール(Cm)。
プラスミド:プラスミドpKD46、pKD13、およびpBC-I-SceIは以前に記載した(Datsenko and Wanner, PNAS 2000, 97:6640-6645;およびKang et al. J Bacteriol 2004, 186:4921-4930、前記両文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。プラスミドpKD46はRedリコンビナーゼ酵素をコードする(前記酵素は侵入する直鎖状DNAと染色体DNAとの相同組換えを仲介する)。このプラスミドはまたアンピシリン耐性遺伝子を含みさらに温度感受性であり、そのために細胞内での維持に30℃を要求する。プラスミドpKD13は、オーバーラップPCRで用いられるKm耐性(Kmr)遺伝子の増幅のための鋳型として供した。プラスミドpBC-I-SceI(細胞内で37℃で維持される)はI-SceI酵素を産生する。前記酵素は以下の18塩基対(稀少認識配列)を切断する:5'-TAGGGATAACAGGGTAAT-3'(配列番号:16)。プラスミドpBC-I-SceIはまたクロラムフェニコール耐性(Cmr)遺伝子を含む。
PCR:PCRに用いた全てのプライマーは表1に列挙されている。典型的には、PCRは、50μLの全体積中にほぼ0.1μgの精製ゲノムDNA、プラスミドDNAまたはPCR生成DNA(Qiagen, Valencia, CA, USA)、1xのクローン化Pfuポリメラーゼ緩衝液、5UのPfuポリメラーゼ(Stratagene LaJolla, CA, USA)、1mMのdNTP(GE Healthcare Bio-Sciemces Corp., Piscataway, NJ)および1.2μMの各プライマーを用いて実施した。DNAエンジンサーマルサイクラー(Bio-Rad, Hercules, CA, USA)を以下の増幅条件で用いた:94℃で2分;1kbにつき94℃で30秒、58℃で60秒、72℃で90秒の30サイクル;および最終伸張に72℃で10分。各PCR生成物をゲル精製し(Qiagen, Valencia, CA, USA)、オーバーラップ伸張PCRで用いる鋳型の調製のためには25μLのEB緩衝液に溶出させるか、またはS.エンテリティディスへのエレクトロポレーションのためには50μLのEB緩衝液に溶出させて、エタノールで沈殿させ5μLのddH2Oに懸濁させた。
【0022】
【表1】

【0023】
表1ではイタリック体のヌクレオチドはlamB遺伝子loop9挿入部位(注釈付き参照配列としてネズミチフス菌(S. typhimurium)を用いるときヌクレオチド1257に対応する)のどちらかの側に対して相補性である。太字体のヌクレオチドはKm-fプライマー内のI-SceI認識部位を表す。
エレクトロポレーション:pKD46 によるS.エンテリティディスの形質転換は、その後に続く変異の組換えの仲介にRedリコンビナーゼを用いることができるように実施される第一の工程であった。プラスミドpKD46を大腸菌BW25113(Datsenko and Wanner, PNAS 2000, 97:6640-6645)からプラスミド調製キット(Qiagen, Valencia, CA, USA)を用いて採集した。続いて、0.5μLのpKD46 DNAをエレクトロポレーション用に調製したS.エンテリティディス13Aの形質転換に用いた(Datsenko and Wanner, PNAS 2000, 97:6640-6645)。略記すれば、細胞を2xのYTブロス10−15mLに接種し、37℃で一晩増殖させた。続いて一晩培養の100μLを再度新しい2xのYTブロス10mLに37℃で3−4時間接種した。pKD46プラスミドで形質転換されるべき細胞を50℃で25分間加熱し、宿主の制限の不活化を促進させた。細胞を5回ddH2Oで洗浄し、60μLの10%グリセロールに再懸濁した。続いて細胞を2400−2450kVで1−6分パルスし、SOCにて2-3時間30℃でインキュベートし、適切な抗生物質を含むLB培地にプレートした。pKD46によるS.エンテリティディスの形質転換体を30℃で維持した。これらの形質転換体を更なるエレクトロポレーション反応のために調製する場合、全ての工程は同じであったが、ただし、洗浄1時間前にRedリコンビナーゼ酵素を誘発するために15%のアラビノースを添加し、さらに細胞を50℃の加熱工程に付すことはなかった。
Loop 9 up-I-SceI/Kmr-loop 9 down構築物:Kmr遺伝子とともにI-SceI酵素認識部位をlamB遺伝子のloop9へ導入する工程は、Redリコンビナーゼシステム(Datsenko and Wanner, PNAS 2000, 97:6640-6645;前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)およびオーバーラップPCR(Horton et al. BioTechniques 1990, 8:528-535;前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)を合体させることによって実施した。前記挿入部位は、注釈付き参照ゲノムとしてネズミチフス菌(S. typhimurium)LT2を用いるときlamB遺伝子のヌクレオチド1257に対応する。最初に、loop9の挿入部位に直接フランキングする上流領域および下流領域(それぞれループ9上部およびループ9下部)を別々に増幅させた。用いたプライマーは、ループ9上部についてはlam-up-fおよびlam-up-rであり、ループ9下部についてはlam-dn-fおよびlam-dn-rであった。続いてpKD13のKmr遺伝子をプライマーKm-fおよびKm-rを用いて増幅した。Km-fプライマーの5'末端に合成によりI-SceI酵素部位を付加し、続いてloop-up-rプライマーに相補的な領域を先行させた。同様に、loop-dn-fプライマーに相補的な領域をKm-rプライマーの5'末端に付加した。これら相補性領域は、1つのPCR反応で鋳型として用いたとき3つ全てのPCR生成物がアニールすることを可能にする。図2aはこの設計手順を示す。loop 9 up-I-SceI/Kmr-loop 9 down配列から成るPCRフラグメント(PCR-A)をS.エンテリティディス細胞(pKD46を保有する)にエレクトロポレーションによって注入し、アラビノースで誘発し、続いてKmを含むLB平板にプレートした。変異の正確な配列の向きを立証するために、Kan4F/lam3fおよびKan4R/lam3rプライマー対を用いてコロニーPCRを実施した(Kan4FおよびKan4RはKmr遺伝子特異的プライマーであり、lam3fおよびlam3rはlamBループ9領域の外側に配置されるプライマーである)。これらのPCRフラグメントをゲル精製し(Qiagen, Valencia, CA, USA)、DNAシークェンシングのために用いた。
【0024】
Loop 9 up-TRAP-CD154-Loop 9 down構築物:最後のオーバーラップPCRフラグメント、PCR-Bは、loop 9 upおよびdown領域によってフランキングされ、CD154配列が結合した付加TRAP抗原を含んでいた(図2b)。結合配列は、配列番号:1−3およびCD154をコードするTRAPポリヌクレオチドポリヌクレオチド配列とともにスペーサー(例えばセリン(Ser)残基)から成っていた。
次のフラグメントの構築のための工程数を少なくするために、TRAP-CD154配列を合成によってlam-dn-fプライマーの5'末端に付加し、さらにloop-up-rプライマーに相補的な領域を先行させた。以前に用いたloop 9 upのためのPCR生成物を新しく構築したPCR生成物(前記にはTRAP-CD154がloop 9 downの5'末端に組み入れられていた)と一緒に用いて、最後のPCR反応を実施することができた。しかしながら、他の挿入配列の場合、loop-up-rプライマーに連結した挿入配列に特異的な付加ヌクレオチドを用いてloop 9 upを増幅するためには挿入配列が長いために余分のPCR工程が必要であった。他の全てのアミノ酸と同様に、Gly(GGT)およびセリン(TCC)のためのコード配列は、大腸菌およびネズミチフス菌タンパク質でもっとも頻繁に用いられるコドンに関する編纂データを基にして選択した。さらに詳細なプライマー設計については表1を参照されたい。
【0025】
I-SceI部位/Kmr挿入変異:第一の変異工程は、PCRフラグメント(PCR-A)の設計を必要とした(前記フラグメントは、lamB部位に挿入されるべきI-SceI部位/Kmrカセットの担体として機能するであろう)。PCR-Aは、Kmr遺伝子に隣接するI-SceI酵素認識部位から成り、その末端のそれぞれにlamBループ9挿入部位の上流および下流領域に相同な約200−300bpのフランキングDNA(それぞれloop 9 upおよびloop 9 down)を有していた。Redリコンビナーゼ酵素を発現するS.エンテリティディス細胞に前記フラグメントを導入し、Kmrコロニーを選別した。数コロニーをコロニーPCRによってスクリーニングした後、所望のように挿入されたI-SceI部位/Kmr配列について陽性であるコロニーのシークェンシングを実施し、実体を検証した変異体を選別しSE164と称した。
【0026】
I-SceI/KmrのTRAP-CD154によるゲノム置換:第二の変異工程はPCR-Bと称され図2Bに示すPCRフラグメントの構築を必要とした。前記フラグメントは最終的な挿入配列、TRAP-CD154(lamBに相同なフラグメントによりフランキングされている)から成る。PCR-Bアンプリコンは選別マーカーをもたず、置換後にSE164における先のI-SceI部位/Kmr変異導入についてゲノム対比選別を実施する必要がある。プラスミドpBC-I-SceIはCmr遺伝子およびI-SceI酵素(SE164のI-SceI部位で当該ゲノムを切断するであろう)をコードする。したがって、pBC-I-SceIをエレクトロポレーションによりPCR-BとともにSE164に導入した。PCR-Bの組換えによりPCR-Aを置換した後、Cm上では増殖するがKm上では増殖しないその能力を基準にして陽性クローンを選別した。変異体のDNAをシークェンシングしてPCR-Bの組換えが達成されたことを確認した後で、この株を配列1、配列2および配列3と称した。TRAP-CD154挿入のそれぞれについて任意の10クローンをlam 3fおよびlam 3rとともにPCRに用い、続いて各挿入配列について固有の制限酵素部位を用いて消化し、消化により試験したクローンの100%が所望の変異配列について陽性であった。シークェンシングの結果は、TRAP-CD154は、各事例において余分なヌクレオチドを付加することなくループ9領域に正確に挿入されたことを示した。TRAP-CD154ワクチンの挿入物は以下のとおりである:TRAP-CD154(配列番号:33);TRAP-US-CD154(配列番号:34);TRAP-DS-CD154(配列番号:35)。
【0027】
実施例2:fTRAP-CD154変異体/挿入体の弱毒化
SE13Aの弱毒化はaroA遺伝子および/またはhtrA遺伝子の欠失変異によって実施された。aroA遺伝子(細菌のコリスミン酸経路の必須遺伝子)の変異は、7つの別個の生化学経路に影響を及ぼす重大な代謝の欠陥をもたらす。htrA遺伝子の変異は、低温および高温、低pH、並びに酸化剤およびDNA損傷剤への暴露に耐える細胞の能力を低下させ、細菌の病毒性を低下させる。
SE13Aの欠失変異を実施するために、S.エンテリティディスの細菌ゲノム中の前記標的遺伝子配列をKm耐性遺伝子配列で置き換えた。これはオーバーラップ伸張PCRおよび前記PCR生成物のエレクトロポレーションを上述のように用いて実施された。対象遺伝子(aroAまたはhtrA)と相同な200−300塩基対をKm耐性遺伝子にフランキングさせることによって、対象遺伝子を含むゲノム領域にKm耐性遺伝子を誘導した。いったんKm耐性変異体を得たら、aroAまたはhtrA欠失変異はDNAシークェンシングによって確認した。類似のaroA-およびhtrA-サルモネラ株はアメリカ菌培養収集所に2006年9月13日に寄託した(それぞれ寄託番号PTA-7872および寄託番号PTA-7873)。弱毒化株は以前にクリアランス時間についてin vivoで検査された。弱毒化株の両方が野生型13A株よりも迅速なクリアランス時間を有したが、両株とも経口感染後にニワトリの肝臓、脾臓および盲腸扁桃でコロニーを形成することができた。TRAP-CD154を含み、かつaroAおよびhtrAの両方を欠く弱毒化株を単離した。
【0028】
実施例3:アイメリア感染後の有病状態からニワトリを防御する
孵化日の雛(n=280)に約1x108 cfuのサルモネラ単離株または食塩水コントロールを接種した。前記サルモネラ単離株は、配列番号:1−3のTRAPポリペプチドをコードする3つの別個のポリヌクレオチドを含んでいた。21日齢で、前記ニワトリに104のアイメリア・マキシマの胞子形成接合子嚢を用いて経口的にチャレンジした。チャレンジ後ニワトリを毎日モニターした。図3に示したように、チャレンジ後5日のニワトリの罹病率は、非ワクチン接種動物と比較して投与ワクチン株に関係なく低下した。罹病率は以下のとおりであった:TRAP(配列番号:1)7/43(16.3%);TRAP US(配列番号:2)1/46(2.2%);TRAP DS(配列番号:3)6/43(11%);コントロール(ワクチン非接種)(配列番号:1)10/46(21.7%)。驚くべきことに、配列番号:2のTRAPポリペプチドを含むサルモネラでワクチン免疫したニワトリは、コントロールのワクチン非接種鶏と比較して顕著で有意な罹病率の低下を示した(P<0.001)。剖検を実施し、全ての有病状態はアイメリア・マキシマ感染に関連していることが示された。
繰り返し実験では、ワクチン接種鶏の罹病率(6/48)はコントロール(17/50)よりも有意に低く、外観はワクチン接種ニワトリでより良好であったがその差は有意ではなかった。
さらにまた、免疫鶏から血清を採集しTRAPについてELISAを実施した。強力なTRAP特異的抗体応答が、TRAP-US(配列番号:2)によるワクチン接種鶏で生じた。
【0029】
実施例4:ワクチン接種に関連する有病状態は限定される
潜在的ワクチン候補としてのTRAP US-CD154(配列番号:34)の有効性を評価するために、同様な実験を実施し、ワクチン接種に関連する有病状態を調べた。ブロイラー鶏を1羽当たり1x108 cfuのサルモネラワクチン(TRAP USおよびCD154挿入物を含む)(配列番号:34)で経口的にワクチン接種するか、または食塩水で偽ワクチン接種した。コクシジウムチャレンジは1羽当たり105のアイメリア・マキシマの胞子形成接合子嚢を用いワクチン接種3週間後に実施した。体重増加および病巣をチャレンジ7日後に判定した。免疫鶏は外観の有意な改善を示した(p<0.01)。免疫鶏はワクチン非接種コントロールと比較して約31%の体重増加を示した。したがって、TRAPポリペプチドおよびCD40と結合できるCD154ポリペプチドを含む、サルモネラをベースにするワクチンを用いるワクチン免疫は、アイメリア感染に関連する罹病率および死亡率から鶏を護ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TRAPポリペプチドまたはその免疫原性フラグメントをコードする第一のポリヌクレオチドを含むワクチン。
【請求項2】
TRAPポリペプチドが配列番号:1、配列番号:2もしくは配列番号:3または配列番号:1の免疫原性フラグメント、配列番号:2の免疫原性フラグメントもしくは配列番号:3の免疫原性フラグメントを含む、請求項1に記載のワクチン。
【請求項3】
CD40と結合することができるCD154ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド配列をさらに含み、前記CD154ポリペプチドが50未満のアミノ酸を含み、さらに配列番号:4のアミノ酸140−149またはそのホモローグを含む、請求項1または2に記載のワクチン。
【請求項4】
CD154ポリペプチドが配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9を含む、請求項3に記載のワクチン。
【請求項5】
ワクチンが第二のポリヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを含む、請求項3−4のいずれかに記載のワクチン。
【請求項6】
第一のポリヌクレオチド配列が第二のポリヌクレオチド配列にインフレームで連結される、請求項3−5のいずれかに記載のワクチン。
【請求項7】
第一のポリヌクレオチドがベクター内に含まれる、請求項1−6のいずれかに記載のワクチン。
【請求項8】
ベクターがウイルス、細菌およびリポソームから成る群から選択される、請求項7に記載のワクチン。
【請求項9】
ベクターが細菌である請求項8に記載のワクチン。
【請求項10】
細菌がその表面にTRAPポリペプチドを含む、請求項9に記載のワクチン。
【請求項11】
細菌が、サルモネラ属(Salmonella)の種、バシルス属(Bacillus)の種、エシェリキア属(Escherichia)の種およびラクトバシルス属(Lactobacillus)の種から成る群から選択される、請求項9または10に記載のワクチン。
【請求項12】
細菌がサルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)である、請求項11に記載のワクチン。
【請求項13】
細菌が、ATCC PTA-7871、ATCC PTA-7872またはATCC PTA-7873として寄託された株から選択されるサルモネラ・エンテリティディスである、請求項12に記載のワクチン。
【請求項14】
第一のポリヌクレオチドがトランスメンブレンタンパク質の外部部分をコードするポリヌクレオチド配列に挿入される、請求項1−13のいずれかに記載のワクチン。
【請求項15】
トランスメンブレンタンパク質がlamBである、請求項14に記載のワクチン。
【請求項16】
ワクチンが第一のポリヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを含む、請求項1−15のいずれかに記載のワクチン。
【請求項17】
TRAPポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド配列を含むサルモネラ・エンテリティディス13Aの変種を含むワクチン。
【請求項18】
TRAPポリペプチドが配列番号:1、配列番号:2もしくは配列番号:3または配列番号:1の免疫原性フラグメント、配列番号:2の免疫原性フラグメントもしくは配列番号:3の免疫原性フラグメントを含む、請求項17に記載のワクチン。
【請求項19】
ワクチンが第一のポリヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを含む、請求項17または18のいずれかに記載のワクチン。
【請求項20】
第一のポリヌクレオチドがトランスメンブレンタンパク質の外部部分をコードするポリヌクレオチド配列に挿入される、請求項17−19のいずれかに記載のワクチン。
【請求項21】
トランスメンブレンタンパク質がlamBである、請求項20に記載のワクチン。
【請求項22】
CD40と結合することができるCD154ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド配列をさらに含み、前記CD154ポリペプチドが50未満のアミノ酸を含み、さらに配列番号:4のアミノ酸140−149またはそのホモローグを含む、請求項17−21のいずれかに記載のワクチン。
【請求項23】
CD154ポリペプチドが配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9を含む、請求項22に記載のワクチン。
【請求項24】
第一のポリヌクレオチド配列が第二のポリヌクレオチド配列にインフレームで連結される、請求項22−23のいずれかに記載のワクチン。
【請求項25】
第二のポリヌクレオチド配列がトランスメンブレンタンパク質の外部部分をコードするポリヌクレオチド配列に挿入される、請求項22−24のいずれかに記載のワクチン。
【請求項26】
トランスメンブレンタンパク質がlamBである、請求項25に記載のワクチン。
【請求項27】
ワクチンが第二のポリヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを含む、請求項22−26のいずれかに記載のワクチン。
【請求項28】
アピコンプレックス門寄生虫に対する対象の免疫応答を強化するために有効な量で請求項1に記載のワクチンを対象に投与することを含む、アピコンプレックス門寄生虫に対する免疫応答を対象で強化する方法。
【請求項29】
ワクチンが、ウイルスおよび細菌から成る群から選択されるベクター内に含まれる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
TRAPポリペプチドが配列番号:1、配列番号:2もしくは配列番号:3または配列番号:1の免疫原性フラグメント、配列番号:2の免疫原性フラグメントもしくは配列番号:3の免疫原性フラグメントを含む、請求項28−29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
CD40と結合することができるCD154ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド配列をさらに含み、前記CD154ポリペプチドが50未満のアミノ酸を含み、さらに配列番号:4のアミノ酸140−149またはそのホモローグを含む、請求項28−30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
CD154ポリペプチドが配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ワクチンが第二のポリヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを含む、請求項31−32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
第一のポリヌクレオチド配列が第二のポリヌクレオチド配列にインフレームで連結される、請求項31−33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
ワクチンを含むベクターがその表面でTRAPポリペプチドを発現させる、請求項29−34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
ベクターが、サルモネラ属の種、バシルス属の種、エシェリキア属の種およびラクトバシルス属の種から成る群から選択される、請求項29−35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
ベクターがサルモネラ・エンテリティディスである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ベクターが、ATCC寄託番号PTA-7871、ATCC寄託番号PTA-7872およびATCC寄託番号PTA-7873から成る群から選択されるサルモネラ・エンテリティディス13Aである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第一のポリヌクレオチドがトランスメンブレンタンパク質の外部部分をコードするポリヌクレオチド配列に挿入される、請求項28−38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
トランスメンブレンタンパク質がlamBである、請求項39に記載のワクチン。
【請求項41】
ワクチンが第一のポリヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを含む、請求項28−40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
ワクチンが、経口、鼻内、非経口および卵内から成る群から選択される方法によって投与される、請求項28−41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
免疫応答の強化が抗体応答の強化を含む、請求項28−42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
免疫応答の強化がT細胞応答の強化を含む、請求項28−43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
対象が家禽種のメンバーである、請求項28−44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
家禽種がニワトリである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
対象が哺乳動物である、請求項28−44のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
対象がヒトである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
約104から約109コピーのワクチンが対象に投与される、請求項28−48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
約105から約107コピーのワクチンが対象に投与される、請求項28−49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
ワクチンを含むベクターが対象に投与する前に殺処理される、請求項29−50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
ワクチンを含むベクターが対象で複製することができない、請求項29−51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
アピコンプレックス門寄生虫がアイメリア属(Eimeria)、プラスモジウム属(Plasmodium)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)およびクリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)から成る群から選択される、請求項28−52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
TRAPポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド配列を含むサルモネラ・エンテリティディス13Aの変種を、アピコンプレックス門寄生虫に対する対象の免疫応答を強化するために有効な量で投与することを含む、アピコンプレックス門寄生虫に対する免疫応答を対象で強化する方法。
【請求項55】
TRAPポリペプチドが配列番号:1、配列番号:2もしくは配列番号:3または配列番号:1の免疫原性フラグメント、配列番号:2の免疫原性フラグメントもしくは配列番号:3の免疫原性フラグメントを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
サルモネラ・エンテリティディスが第一のポリヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを含む、請求項54−55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
第一のポリヌクレオチドがトランスメンブレンタンパク質の外部部分をコードするポリヌクレオチド配列に挿入される、請求項54−56のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
トランスメンブレンタンパク質がlamBである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
CD40と結合することができるCD154ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド配列をさらに含み、前記CD154ポリペプチドが50未満のアミノ酸を含み、さらに配列番号:8のアミノ酸140−149またはそのホモローグを含む、請求項54−58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
CD154ポリペプチドが配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
第一のポリヌクレオチド配列が第二のポリヌクレオチド配列にインフレームで連結される、請求項59−60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
細菌が、経口、鼻内、非経口および卵内から成る群から選択される方法によって投与される、請求項54−61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
免疫応答の強化が抗体応答の強化を含む、請求項54−62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
免疫応答の強化がT細胞応答の強化を含む、請求項54−63のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
対象が家禽種のメンバーである、請求項54−64のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
家禽種がニワトリである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
対象が哺乳動物である、請求項54−64のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
対象がヒトである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
約104から約109の細菌が対象に投与される、請求項54−68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
細菌が対象に投与する前に殺処理される、請求項54−69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
細菌が対象で複製することができない、請求項54−70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
アピコンプレックス門寄生虫がアイメリア属、プラスモジウム属、トキソプラズマ属およびクリプトスポリジウム属から成る群から選択される、請求項54−71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
アピコンプレックス門寄生虫に対する対象の免疫応答を強化するために有効な量で請求項22に記載のワクチンを対象に投与することを含む、対象でアピコンプレックス門寄生虫の感染に関連する罹病率を低下させる方法。
【請求項74】
アピコンプレックス門寄生虫に対する対象の免疫応答を強化するために有効な量で請求項12に記載のワクチンを対象に投与することを含む、対象でアピコンプレックス門寄生虫の感染に関連する罹病率を低下させる方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−503003(P2011−503003A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532319(P2010−532319)
【出願日】平成20年11月3日(2008.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/082254
【国際公開番号】WO2009/059298
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(500467264)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ アーカンソー (10)
【出願人】(507191005)ザ テキサス エイ・アンド・エム ユニヴァーシティ システム (9)
【出願人】(510121950)ユニヴァーシティー オブ ゲルフ (1)
【Fターム(参考)】