説明

アクセス収容ノード、アクセス収容ネットワーク、及びアクセス区間二重化経路切替方法

【課題】アクセス収容ノードが故障した場合でも経路切り替えができ、中継ネットワークとユーザ端末の通信を回復できる手段及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】アクセス収容ノード201は、上位リング250に含まれる隣接する2つのノードとのインタフェースである2つの上位リングポート302と、ユーザ端末203がアクセス区間204を介して接続されるアクセス収容ポート303と、2つの上位リングポート302から上位リング250の故障を検知したときにアクセス収容ポート303を閉塞させ、検知された上位リング250の故障を通知する故障通知メッセージを受信し、故障通知メッセージを通知した中継ノード202と予め設定されている中継ノード202とが一致したときにアクセス収容ポート303を疎通させるポート制御回路350と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リングネットワーク内の全経路においてノード冗長を伴う経路冗長を実現可能とするための、アクセス収容ノード、アクセス収容ネットワーク、及びアクセス区間二重化経路切替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、広域イーサネット(登録商標)サービス等に用いられる中継ネットワークは、リングプロトコルを用いることにより、冗長経路を確保しつつ、経済的に構築することが可能となっている。リングプロトコルを用いた中継ネットワーク内では、各リングをノード冗長接続する事により中継ネットワーク内全体でノード故障耐性を備えた冗長経路を構築可能であり、中継ネットワーク内のいずれのノードが故障した場合においても経路切替が行われ通信の正常性が確保される。このとき、ユーザ端末と中継ノードを接続するアクセス区間においては、アクセス区間および中継ネットワーク全体で冗長経路を備える必要があるため、リングプロトコルをサポートしていないユーザ端末を中継ノードへ冗長経路を伴って接続する必要がある。
【0003】
従来は、アクセス区間を二重化する方法として、単一の光加入者線単極装置(OLT:Optical Line Terminal)により集中制御を行うことで、二つの光加入者線終端装置(OSU:Optical Subscriber Unit)と二つの光ネットワーク終端装置(ONU:Optical Network Unit)によって構成されるアクセス区間の切替を実施する方法があった(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
特許文献1の構成では、リングプロトコルをサポートしていないアクセス区間のノードにおいても、アクセス区間を二重化することが可能であるが、切替に集中制御が必要なことから、OLTがノード分散できず、OLT故障時には二重化したアクセス区間が双方とも通信断となってしまうことと、OSUを同一の設置場所に配置しなければならず、物理的な経路を含めた冗長経路の構築が難しいということが大きな課題であった。
【0005】
そこで、上記課題を解決するため、アクセス区間と中継ネットワークの接続点となるアクセス収容ノードにおいて、アクセス区間の導通状態を監視し、一方のアクセス区間をフレーム疎通状態とし、他方のアクセス区間をフレーム疎通不可状態とするように制御する方法がある(例えば、非特許文献1を参照。)。
【0006】
図1〜図4に非特許文献1に記載の方式の構成を示す。図1は基本的なネットワーク構成である。アクセス収容ノード101−1および101−2が、それぞれユーザ端末102−1および102−2とアクセス区間103−1および103−2を介して接続されている。アクセス収容ノード101−1および101−2同士は中継区間104を介して接続され、また、それぞれ中継区間105−1および105−2を介して中継ネットワーク106に接続される構成となっている。
【0007】
このとき、図2にあるように、アクセス区間103−1および103−2が正常な状態である場合には、アクセス収容ノード101−2は、閉塞箇所107−2を配置することで、アクセス区間103−2に対してフレーム疎通不可状態とするよう設定している。
【0008】
図3にあるように、アクセス区間103−1が故障した場合には、アクセス収容ノード101−1はアクセス区間103−1をフレーム疎通不可状態とするための閉塞箇所107−1を配置すると共に、故障検出メッセージ108をアクセス収容ノード101−2へ送信する。故障通知メッセージ108を受信したアクセス収容ノード101−2は、閉塞箇所107−2を開放し、アクセス区間103−2をフレーム疎通可能状態とすることで、経路切替が完了する。
【0009】
しかしながら、図4にあるように、アクセス収容ノード101−1が故障した場合は、故障通知メッセージをアクセス収容ノード101−2に通知することができず、結果として閉塞箇所107−2が開放されないため、アクセス区間103−1および103−2の両方ともフレーム疎通不可状態となり、経路切替が完了しないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特願2008−32958
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Recommendation ITU−T G.8032/Y.1344, “Ethernet(登録商標) Ring Protection Switching (2010/03)”, Appendix XI.3, “Access Resiliency”.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記図4にあるように、アクセス収容ノード間で故障通知を行うことによりアクセス区間の経路切替を実施する非特許文献1に記載の方式には、アクセス収容ノード故障では経路切替が完了せず、中継ネットワークとユーザ端末の通信が回復できないという課題がある。
【0013】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明は、アクセス収容ノードが故障した場合でも経路切替ができ、中継ネットワークとユーザ端末の通信を回復できるアクセス収容ノード、アクセス収容ネットワーク、及びアクセス区間二重化経路切替方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、故障通知によるアクセス区間の経路切替に加え、リングプロトコルで冗長経路が確保される上位リングにアクセス収容ノードを組み込み、上位リングのリング状態に応じて、アクセス区間の経路切替を実施することとした。
【0015】
具体的には、本発明に係るアクセス収容ノードは、複数の中継ノードとともに中継区間でリング状に接続されて上位リングを形成するアクセス収容ノードであって、前記上位リングに含まれる隣接する2つのノードとのインタフェースである2つの上位リングポートと、ユーザ端末がアクセス区間を介して接続されるアクセス収容ポートと、前記上位リングの他のアクセス収容ノードに隣接する前記中継ノードが予め設定されており、2つの前記上位リングポートから前記上位リングの故障を検知したときに前記アクセス収容ポートを閉塞させ、検知された前記上位リングの故障を通知する故障通知メッセージを受信し、前記故障通知メッセージを通知した前記中継ノードと予め設定されている前記中継ノードとが一致したときに前記アクセス収容ポートを疎通させるポート制御回路と、を備える。
【0016】
アクセス収容ノードが故障しても上位リングに含まれる他のノードが対となるアクセス収容ノードへ故障通知を行うので経路切替が可能である。従って、本発明は、アクセス収容ノードが故障した場合でも経路切替ができ、中継ネットワークとユーザ端末の通信を回復できるアクセス収容ノードを提供することができる。
【0017】
本発明に係るアクセス収容ノードの前記ポート制御回路は、前記上位リングポートを通じて前記上位リングの故障を検知する上位リングポート故障状態検知部と、前記上位リングポート故障状態検知部が故障を検知したときに前記上位リングポート故障状態検知部が検出した故障を前記故障通知メッセージとして前記上位リングポートから送信するとともに、前記上位リングを構成するノードからの前記故障通知メッセージを前記上位リングポートを介して受信する上位リングポート状態通知送受信部と、前記上位リングの他のアクセス収容ノードに隣接する前記中継ノードを含む前記上位リングの構成が予め設定されたアクセス冗長設定テーブルと、前記上位リングポート故障状態検知部が検知した内容及び前記上位リングポート状態通知送受信部が受信した前記状態通知メッセージの内容を記録する上位リング状態記録テーブルと、前記アクセス冗長設定テーブルと前記上位リング状態記録テーブルとの比較状況に応じて前記アクセス収容ポートの閉塞及び疎通を制御するアクセス冗長制御部と、を有する構成で実現できる。
【0018】
本発明に係るアクセス収容ノードの前記アクセス冗長制御部は、前記アクセス冗長設定テーブルと前記上位リング状態記録テーブルとの比較において、前記状態通知メッセージを送信した前記中継ノードと前記アクセス冗長設定テーブルに設定された前記中継ノードとを比較し、一致する場合に前記アクセス収容ポートを疎通させることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るアクセス収容ノードの前記アクセス冗長制御部は、前記上位リングポート故障状態検知部が双方の前記上位リングポートを介して前記上位リングの故障を検知した場合に前記アクセス収容ポートを閉塞させることを特徴とする。
【0020】
本発明に係るアクセス収容ネットワークは、中継ネットワークと複数のユーザ端末との間でフレームの伝送を担うアクセス収容ネットワークであって、複数のアクセス収容ノード及び複数の中継ノードが中継区間を介してリング状に接続され、リングプロトコルで経路冗長が確保される上位リングと、前記ユーザ端末を前記アクセス収容ノードに接続するアクセス区間と、を備える。
【0021】
アクセス収容ノードが故障しても上位リングに含まれる他のノードが対となるアクセス収容ノードへ故障通知を行うので経路切替が可能である。従って、本発明は、アクセス収容ノードが故障した場合でも経路切替ができ、中継ネットワークとユーザ端末の通信を回復できるアクセス収容ネットワークを提供することができる。
【0022】
本発明に係るアクセス区間二重化経路切替方法は、ユーザ端末がアクセス区間を介してアクセス収容ポートに接続される2つのアクセス収容ノードと複数の中継ノードとを中継区間でリング状に接続して上位リングを形成し、前記アクセス収容ノードは、それぞれ前記中継区間が接続されて前記上位リングを形成するための上位リングポートを2つ備えており、一方の前記アクセス収容ノードが、双方の前記上位リングポートの故障、双方の前記上位リングポートに接続する前記中継区間の故障、又は一方の前記上位リングポートに接続する前記中継区間の故障と他方の前記上位リングポートの故障、を検知したときに一方の前記アクセス収容ノードの前記アクセス収容ポートを閉塞し、一方の前記アクセス収容ノードに隣接する前記中継ノードを他方の前記アクセス収容ノードに予め設定しておき、検知された前記上位リングの故障を通知する故障通知メッセージを他方の前記アクセス収容ノードが受信し、前記故障通知メッセージを通知した前記中継ノードと予め設定されている前記中継ノードとが一致する場合、他方の前記アクセス収容ノードの前記アクセス収容ポートを疎通することを特徴とする。
【0023】
アクセス収容ノードが故障しても上位リングに含まれる他のノードが対となるアクセス収容ノードへ故障通知を行うので経路切替が可能である。従って、本発明は、アクセス収容ノードが故障した場合でも経路切替ができ、中継ネットワークとユーザ端末の通信を回復できるアクセス区間二重化経路切替方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、アクセス収容ノードが故障した場合でも経路切替ができ、中継ネットワークとユーザ端末の通信を回復できるアクセス区間二重化経路切替方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】非特許文献1に記載のアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図2】非特許文献1に記載のアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図3】非特許文献1に記載のアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図4】非特許文献1に記載のアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図5】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図6】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図7】本発明に係るアクセス収容ノードを説明する図である。
【図8】アクセス冗長設定テーブルの設定例である。
【図9】アクセス冗長設定テーブルの設定例である。
【図10】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図11】本発明に係るアクセス区間二重化経路切替方法を説明する図である。
【図12】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図13】アクセス冗長設定テーブルの設定例である。
【図14】アクセス冗長設定テーブルの設定例である。
【図15】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図16】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図17】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図18】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図19】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図20】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図21】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図22】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図23】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図24】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図25】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図26】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図27】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図28】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図29】アクセス冗長設定テーブルの設定例である。
【図30】アクセス冗長設定テーブルの設定例である。
【図31】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図32】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図33】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図34】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図35】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図36】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図37】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図38】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図39】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図40】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図41】本発明に係るアクセス収容ネットワークを説明する図である。
【図42】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【図43】上位リング状態記録テーブルの記録情報の例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。また、枝番号を付さずに説明している場合は、当該符号の全ての枝番号に共通する説明である。
【0027】
図5及び図6は、本実施形態のアクセス収容ネットワークの例を示す図である。
【0028】
図5及び図6のアクセス収容ネットワークは、中継ネットワーク207と複数のユーザ端末203との間でフレームの伝送を担うアクセス収容ネットワークであって、複数のアクセス収容ノード201及び複数の中継ノード202が中継区間205を介してリング状に接続され、リングプロトコルで経路冗長が確保される上位リング250と、ユーザ端末203をアクセス収容ノード201に接続するアクセス区間204と、を備える。
【0029】
図5に示す通信ネットワークは、アクセス収容ノード201−1、201−2、中継ノード202−1〜202−6、ユーザ端末203−1、203−2、アクセス区間204−1、204−2、中継区間205−1〜205−8、206−1、206−2、中継ネットワーク207から構成される。
【0030】
アクセス収容ノード201−1、201−2は、後述する図7に示すような構成である。中継ノード202−1〜202−6は、アクセス収容ノードと同様の構成もしくは、図7に示すアクセス収容ノードの構成から、アクセス区間を制御する機能(308〜313)を除外した構成である。
【0031】
アクセス収容ノード201−1、201−2、中継ノード202−1〜202−6は、中継区間205−1〜205−8により接続され、ユーザ端末203−1、203−2は、それぞれアクセス区間204−1、204−2を介してアクセス収容ノード201−1、201−2に接続される。中継ノード202−2、202−3は、それぞれ中継区間206−1、206−2を介して中継ネットワーク207へ接続される。
【0032】
このとき、アクセス収容ノード201−1、201−2、中継ノード202−1〜202−6は、ITU−T勧告G.8032/Y.1344イーサネット(登録商標)リングプロテクションに規定されているような、リングプロテクションを用いた経路冗長が行われている。
【0033】
図6に示す通信ネットワークは、図5に示す通信ネットワークにおいて、アクセス収容ノード201−1が、中継区間205−1を介してアクセス収容ノード201−2と直接接続される場合である。
【0034】
なお、本発明における通信ネットワークの形状は、図5や図6にあるような形状のみに限定されるものでは無く、中継ノードおよびアクセス収容ノードがリング形状に接続され、リングプロトコルにより経路冗長を確保されているネットワークにおいて、複数のアクセス収容ノードにそれぞれ複数のユーザ端末接続され、それらを結ぶアクセス区間が二重化されていればよい。
【0035】
図7は、本実施形態における二重化経路切替を実現するアクセス収容ノード201の構成要素を示す図である。アクセス収容ノード201は、上位リング250に含まれる隣接する2つのノードとのインタフェースである2つの上位リングポート302と、ユーザ端末203がアクセス区間204を介して接続されるアクセス収容ポート303と、上位リング250の他のアクセス収容ノードに隣接する中継ノード202が予め設定されており、2つの上位リングポート302から上位リング250の故障を検知したときにアクセス収容ポート303を閉塞させ、検知された上位リング250の故障を通知する故障通知メッセージを受信し、故障通知メッセージを通知した中継ノード202と予め設定されている中継ノード202とが一致したときにアクセス収容ポート303を疎通させるポート制御回路350と、を備える。
【0036】
ポート制御回路350は、上位リングポート302を通じて上位リング250の故障を検知する上位リングポート故障状態検知部306と、上位リングポート故障状態検知部306が故障を検知したときに上位リングポート故障状態検知部306が検出した故障を故障通知メッセージとして上位リングポート302から送信するとともに、上位リング250を構成するノードからの故障通知メッセージを上位リングポート302を介して受信する上位リングポート状態通知送受信部307と、上位リング250の他のアクセス収容ノード201に隣接する中継ノード202を含む上位リング250の構成が予め設定されたアクセス冗長設定テーブル312と、上位リングポート故障状態検知部306が検知した内容及び上位リングポート状態通知送受信部307が受信した状態通知メッセージの内容を記録する上位リング状態記録テーブル313と、アクセス冗長設定テーブル312と上位リング状態記録テーブル313との比較状況に応じてアクセス収容ポート303の閉塞及び疎通を制御するアクセス冗長制御部308と、を有する。ポート制御回路350は、図7において符号304〜313の要素を含む。
【0037】
アクセス収容ノード201は、上位リングポート302−1、302−2、アクセス収容ポート303、上位リング制御部304、上位リングポート閉塞部305−1、305−2、上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2、上位リングポート状態通知送受信部307−1、307−2、アクセス冗長制御部308、アクセス区間閉塞部309、アクセス区間故障検知部310、アクセス区間状態通知送受信部311−1、311−2、アクセス冗長設定テーブル312、上位リング状態記録テーブル313から構成される。上位リングポート302−1、302−2は、上位リングに接続されるインタフェースである。アクセス収容ポート303はアクセス区間を介してユーザ端末と接続されるためのインタフェースである。
【0038】
このとき、上位リング制御部304、上位リングポート閉塞部305−1、305−2、上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2、上位リングポート状態通知送受信部307−1、307−2は、リングプロテクション動作を行うために用いられる。
【0039】
例えば、上位リング制御部304は、上位リングポート故障状態検知部306−1もしくは306−2において中継区間等における故障を検知した際に、上位リングポート閉塞部305−1もしくは305−2に対して、上位リングポート302−1もしくは302−2におけるフレームの送受信を停止する指示を行い、上位リングポート状態通知送受信部307−1および307−2に対して、上位リングポート故障状態検知部306−1もしくは306−2で故障を検知している旨の通知メッセージ(上位リングポート故障検知メッセージ)を、上位リングポート302−1もしくは302−2を介して送信する指示を行う。また、上位リング制御部304は、上位リングポート302−1もしくは302−2を介して上位リングポート状態通知送受信部307−1もしくは307−2が他のアクセス収容ノードもしくは中継ノードから上位リングポート故障検知メッセージを受信した場合、上位リングポート閉塞部305−1もしくは305−2に対して、上位リングポート302−1もしくは302−2におけるフレームの送受信を再開する指示を行う。
【0040】
アクセス冗長制御部308は、アクセス区間故障検知部310においてアクセス区間等における故障を検知した際に、アクセス区間閉塞部309に対して、アクセス収容ポート303におけるフレームの送受信を停止する指示を行い、アクセス区間状態通知送受信部311−1および311−2に対して、アクセス区間故障検知部310で故障を検知している旨の通知メッセージ(アクセス収容ポート故障検知メッセージ)を、上位リングポート302−1もしくは302−2を介して送信する指示を行う。また、アクセス冗長制御部308は、上位リングポート302−1もしくは302−2を介してアクセス収容ポート故障検知メッセージを受信した場合、アクセス区間閉塞部309に対して、アクセス収容ポート303におけるフレームの送受信を再開する指示を行う。また、アクセス冗長制御部308は、アクセス冗長設定テーブル312に保持されている設定情報および、上位リング状態記録テーブル313に保持されている上位リング状態情報によって、アクセス区間閉塞部309に対して、アクセス収容ポート303におけるフレームの送受信を停止もしくは再開する指示を行う。
【0041】
アクセス冗長設定テーブル312は、対となるアクセス収容ノードのノードID、対となるアクセス収容ノードの隣接となるアクセス収容ノードもしくは中継ノードのノードID、対となるアクセス収容ノードとの接続状態、対となるアクセス収容ノードと接続される上位リングポート、の設定情報を保持する。
【0042】
上位リング状態記録テーブル313は、上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2により検出されている故障検知状態および、上位リングポート状態通知送受信部307−1、307−2により送受信されている上位リングポート故障検知メッセージを含む上位リングポート状態通知メッセージの送受信状態を保持する。
【0043】
図8及び図9は、アクセス冗長設定テーブル312の設定情報を示す図である。前述のように、アクセス冗長設定テーブル312は、アクセス区間二重化経路切替を実現するための、アクセス収容ノードと対となるアクセス収容ノードのノードID、対となるアクセス収容ノードの隣接となるアクセス収容ノードもしくは中継ノードのノードID、対となるアクセス収容ノードとの接続状態、つまり、対となるアクセス収容ノードが中継区間を介して直接接続されているか否か、対となるアクセス収容ノードと接続される上位リングポート、つまり、直接接続されている場合は二つある上位リングポートのいずれであるか、の項目により構成される。
【0044】
例えば、図5におけるアクセス収容ノード201−1の場合には、図8に示すように、各設定情報は、「対となるアクセス収容ノードのノードID」が201−2、「対となるアクセス収容ノードの隣接となるアクセス収容ノードもしくは中継ノードのノードID」が202−4と202−5、「対となるアクセス収容ノードとの接続状態」が間接接続、「対となるアクセス収容ノードと接続される上位リングポート」は間接接続のため設定値無し、となる。
【0045】
また、例えば、図6におけるアクセス収容ノード201−1の場合には、図9に示すように、「対となるアクセス収容ノードのノードID」が201−2、「対となるアクセス収容ノードの隣接となるアクセス収容ノードもしくは中継ノードのノードID」が201−1と202−4、「対となるアクセス収容ノードとの接続状態」が直接接続、「対となるアクセス収容ノードと接続される上位リングポート」は302−2、となる。
【0046】
このとき、アクセス冗長設定テーブル312の設定量を削減するため、「対となるアクセス収容ノードのノードID」については、二重化経路切替の動作として利用しないため、省略しても良い。「対となるアクセス収容ノードの隣接となるアクセス収容ノードもしくは中継ノードのノードID」において、当該アクセス冗長設定テーブルを持つアクセス収容ノード自身のノードIDが設定された場合には直接接続、それ以外の場合には間接接続であると自動的に判断し、「対となるアクセス収容ノードとの接続状態」の項目を省略しても良い。
【0047】
図10は、上位リング状態記録テーブル313の記録情報を示す図である。上位リング状態記録テーブル313は、前述のように、上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2により検出されている「故障検知状態」および、上位リングポート状態通知送受信部307−1、307−2により送受信されている上位リングポート故障検知メッセージを含む「上位リングポート状態通知メッセージの送受信状態」を保持する。
【0048】
例えば、図5にあるような通信ネットワークにおいて、アクセス収容ノード201−2に故障が発生した場合には、アクセス収容ノード201−1における上位リング状態記録テーブル313は、「故障検知状態」は検出無し、「上位リングポート状態通知メッセージの送受信状態」は、上位リングポート状態通知送受信部307−1において中継ノード202−4からの故障通知メッセージを受信、上位リングポート状態通知送受信部307−2において中継ノード202−5からの故障通知メッセージを受信、という記録状態となる。
【0049】
図11は、ポート制御回路350の処理内容の一例を示す図である。ポート制御回路350は、一方のアクセス収容ノード201が、双方の上位リングポート302の故障、双方の上位リングポート302に接続する中継区間205の故障、又は一方の上位リングポート302に接続する中継区間205の故障と他方の上位リングポート302の故障、を検知したときに一方のアクセス収容ノード201のアクセス収容ポート303を閉塞し、一方のアクセス収容ノード201に隣接する中継ノード202を他方のアクセス収容ノード201に予め設定しておき、検知された上位リング250の故障を通知する故障通知メッセージを他方のアクセス収容ノード201が受信し、故障通知メッセージを通知した中継ノード202と予め設定されている中継ノード202とが一致する場合、他方のアクセス収容ノード201のアクセス収容ポート303を疎通するアクセス区間二重化経路切替方法を実施する。例えば、図5において、中継区間205−1又は上位リングポート302−1、そして中継区間205−2又は上位リングポート302−2が故障した場合を考える。この場合、アクセス収容ノード201―1の双方の上位リングポート故障状態検知部(306−1、306−2)が故障を検知することになる。このように双方の上位リングポート故障状態検知部(306−1、306−2)が故障を検知しているとき、アクセス収容ノード201―1はアクセス収容ポート303を閉塞する。
【0050】
上位リング内のいずれかのノードもしくは区間に故障が発生もしくは発生中の故障からの回復があった場合(ステップS101)、リングプロテクションにより上位リングの切替が行われる(ステップS102)。同時に、上位リングの状態通知メッセージが各ノード間で送受信され、上位リング状態記録テーブル313が更新される。ここで、アクセス冗長制御部308は上位リング状態記録テーブル313の「故障検知状態」を参照し(ステップS103)、上位リングポート故障状態検知部306−1および306−2の双方で故障を検知しているかどうか判別する(ステップS104)。双方で故障を検知していた場合は、アクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレームの送受信を停止し(ステップS113)、アクセス制御プロセスを終了する。ステップS104において双方で故障を検知していない場合、もしくは一方のみで故障を検知している場合は、アクセス冗長設定テーブル312の「対となるアクセス収容ノードとの接続状態」を参照し(ステップS105)、設定値が間接接続となっているかどうかを判定する(ステップS106)。間接接続である場合、アクセス冗長設定テーブル312の「対となるアクセス収容ノードの隣接となるアクセス収容ノードもしくは中継ノードのノードID」と、上位リング状態記録テーブル313の「上位リングポート状態通知メッセージの送受信状態」を比較し(ステップS107)、設定されたノードIDと故障通知メッセージを送信しているノードIDが一致しているかどうかを判定する(ステップS108)。一致していない場合は、対となるアクセス収容ノードが故障しているかどうかが明確に判別出来ないため、アクセス冗長制御プロセスを終了する。一致している場合は、アクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開し(ステップS114)、アクセス冗長制御プロセスを終了する。なお、既にフレーム送受信が再開済みであった場合には、そのままアクセス冗長制御プロセスを終了する。ステップS106において直接接続である場合、アクセス冗長設定テーブル312の「対となるアクセス収容ノードの隣接となるアクセス収容ノードもしくは中継ノードのノードID」と、上位リング状態記録テーブル313の「上位リングポート状態通知メッセージの送受信状態」を比較し(ステップS109)、設定されたノードIDと故障通知メッセージを送信しているノードIDが一致しているかどうかを判定する(ステップS110)。一致していない場合は、対となるアクセス収容ノードが故障しているかどうかが明確に判別出来ないため、アクセス冗長制御プロセスを終了する。一致している場合は、アクセス冗長設定テーブル312の「対となるアクセス収容ノードと接続される上位リングポート」と上位リング状態記録テーブル313の「故障検知状態」を比較し(ステップS111)、設定された上位リングポートと故障検知状態が一致しているかどうかを判定する(ステップS112)。一致していない場合は、対となるアクセス収容ノードが故障しているかどうかが明確に判別出来ないため、アクセス冗長制御プロセスを終了する。一致している場合は、アクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開し(ステップS114)、アクセス冗長制御プロセスを終了する。
【0051】
図12〜図27は、図5の通信ネットワークにおいて、上位リングに故障が発生した際のアクセス区間二重化経路切替方法の例を示す図である。
【0052】
図12にあるように、故障が発生していない通信ネットワークにおいては、上位リングでは、中継ノード202−3の中継区間205−5側を閉塞し、フレームの送受信ができない状態となっている。二重化アクセス区間においては、アクセス収容ノード201−1側を運用系、201−2側を非運用系とするため、アクセス収容ノード201−2のアクセス区間204−2側を閉塞し、フレームの送受信ができない状態となっている。このとき、上位リング内で故障が発生した際には、上位リングを構成するリングプロトコルにより冗長切替が行われ、冗長経路が確保されることになる。また、アクセス区間204−1もしくはユーザ端末203−1で故障が発生した際には、アクセス収容ノード201−1が当該故障を検出可能であるため、アクセス収容ノード201−2へ故障を通知し、201−2が閉塞箇所に対してフレームの送受信を再開させるため冗長切替が完了する。
【0053】
このとき、アクセス区間二重化経路切替を行うための、アクセス収容ノード201−1および202−2におけるアクセス冗長設定テーブル312は、通信ネットワーク構成である図12より、それぞれ図13および図14のように設定される。
【0054】
図15にあるように、アクセス収容ノード201−1で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。なお、アクセス冗長ノード201−1は故障状態であるため、この状態のアクセス区間二重化経路切替はアクセス冗長ノード201−2のみで実施されることとなる。まず、アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図16のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図14より、参照値は間接接続であることから、プロセスS107を実行する。S107においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS108、図14および図16より、参照値は一致していることから、プロセスS114を実行する。S114においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開し、アクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0055】
図17にあるように、アクセス収容ノード201−2で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。なお、アクセス冗長ノード201−2は故障状態であるため、この状態のアクセス区間二重化経路切替はアクセス冗長ノード201−1のみで実施されることとなる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図18のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図13より、参照値は間接接続であることから、プロセスS107を実行する。S107においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS108、図13および図18より、参照値は一致していることから、プロセスS114を実行する。S114においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開するが、アクセス収容ノード201−1は運用系のアクセス区間204−1と接続されており、既にアクセス収容ポート303のフレームの送受信が再開されている状態であるため、そのままアクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0056】
図19にあるように、中継ノード202−2で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図20のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図13より、参照値は間接接続であることから、プロセスS107を実行する。S107においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS108、図13および図20より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図21のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図14より、参照値は間接接続であることから、プロセスS107を実行する。S107においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS108、図14および図21より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0057】
図22にあるように、中継区間205−1および205−2で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図23のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出があるため、プロセスS113へ進むこととなる。S113においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を停止し、アクセス区間二重化経路切替が完了する。アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図24のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図14より、参照値は間接接続であることから、プロセスS107を実行する。S107においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS108、図14および図24より、参照値は一致していることから、プロセスS114を実行する。S114においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開し、アクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0058】
図25にあるように、アクセス収容ノード201−1で発生していた故障(図15の状態)が回復した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図26のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図13より、参照値は間接接続であることから、プロセスS107を実行する。S107においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS108、図13および図26より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図27のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図14より、参照値は間接接続であることから、プロセスS107を実行する。S107においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS108、図14および図27より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。また、このとき、アクセス収容ノード201−1および201−2は、上位リングを介して通信可能な状態に回復しているため、通常の経路切替および復旧手段を用いてアクセス区間二重化経路切替が可能となる。これにより、経路の切戻をはじめとした、初期状態である図12の状態への復旧を行うことができる。
【0059】
上記故障からの回復は図15の状態からの回復の状況と等価であるが、図17、図19および図22においても同様の動作となる。
【0060】
図28は、図6の通信ネットワークにおいて、上位リングに故障が発生した際のアクセス区間二重化経路切替方法の例を示す図である。
【0061】
図28にあるように、故障が発生していない通信ネットワークにおいては、上位リングでは、中継ノード202−3の中継区間205−5側を閉塞し、フレームの送受信ができない状態となっている。二重化アクセス区間においては、アクセス収容ノード201−1側を運用系、201−2側を非運用系とするため、アクセス収容ノード201−2のアクセス区間204−2側を閉塞し、フレームの送受信ができない状態となっている。このとき、上位リング内で故障が発生した際には、上位リングを構成するリングプロトコルにより冗長切替が行われ、冗長経路が確保されることになる。また、アクセス区間204−1もしくはユーザ端末203−1で故障が発生した際には、アクセス収容ノード201−1が当該故障を検出可能であるため、アクセス収容ノード201−2へ故障を通知し、201−2が閉塞箇所に対してフレームの送受信を再開させるため冗長切替が完了する。
【0062】
このとき、アクセス区間二重化経路切替を行うための、アクセス収容ノード201−1および202−2におけるアクセス冗長設定テーブル312は、通信ネットワーク構成である図28より、それぞれ図29および図30のように設定される。
【0063】
図31にあるように、アクセス収容ノード201−1で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。なお、アクセス冗長ノード201−1は故障状態であるため、この状態のアクセス区間二重化経路切替はアクセス冗長ノード201−2のみで実施されることとなる。まず、アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図32のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1で故障状態の検出があり、上位リングポート故障状態検知部306−2で故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図30より、参照値は直接接続であることから、プロセスS109を実行する。S109においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図30および図32より、参照値は一致していることから、プロセスS111を実行する。S111においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図30および図32より、参照値は一致していることから、プロセスS114を実行する。S114においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開し、アクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0064】
図33にあるように、アクセス収容ノード201−2で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。なお、アクセス冗長ノード201−2は故障状態であるため、この状態のアクセス区間二重化経路切替はアクセス冗長ノード201−1のみで実施されることとなる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図34のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1で故障状態の検出があり、上位リングポート故障状態検知部306−2で故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図29より、参照値は直接接続であることから、プロセスS109を実行する。S109においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図29および図34より、参照値は一致していることから、プロセスS111を実行する。S111においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図29および図34より、参照値は一致していることから、プロセスS114を実行する。S114においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開するが、アクセス収容ノード201−1は運用系のアクセス区間204−1と接続されており、既にアクセス収容ポート303のフレームの送受信が再開されている状態であるため、そのままアクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0065】
図35にあるように、中継ノード202−2で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図36のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図29より、参照値は直接接続であることから、プロセスS109を実行する。S109においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図29および図36より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図37のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図30より、参照値は直接接続であることから、プロセスS109を実行する。S109においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図30および図37より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0066】
図38にあるように、中継区間205−1および205−2で故障が発生した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図39のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出があるため、プロセスS113へ進むこととなる。S113においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を停止し、アクセス区間二重化経路切替が完了する。アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図40のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1で故障状態の検出があり、上位リングポート故障状態検知部306−2で故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図30より、参照値は直接接続であることから、プロセスS109を実行する。S109においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図30および図32より、参照値は一致していることから、プロセスS111を実行する。S111においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図30および図32より、参照値は一致していることから、プロセスS114を実行する。S114においてアクセス区間閉塞部309でアクセス収容ポート303のフレーム送受信を再開し、アクセス区間二重化経路切替が完了する。
【0067】
図41にあるように、アクセス収容ノード201−1で発生していた故障(図31の状態)が回復した際には、図11のプロセスに従ってアクセス区間二重化経路切替が行われる。まず、アクセス冗長ノード201−1では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図42のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図29より、参照値は直接接続であることから、プロセスS109を実行する。S109においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図29および図42より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。アクセス冗長ノード201−2では、上位リングにおける冗長切替の結果(プロセスS101〜103)として、上位リング状態記録テーブル313が図43のようになる。次に、プロセスS104より、上位リング状態記録テーブル313において上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2で共に故障状態の検出がないため、プロセスS105へ進むこととなる。S105においてアクセス冗長設定テーブル312を参照し、プロセスS106および図30より、参照値は直接接続であることから、プロセスS109を実行する。S109においてアクセス冗長設定テーブル312および上位リング状態記録テーブル313を比較し、プロセスS110、図30および図43より、参照値は一致していないことから、何もせずアクセス区間二重化経路切替が完了する。また、このとき、アクセス収容ノード201−1および201−2は、上位リングを介して通信可能な状態に回復しているため、通常の経路切替および復旧手段を用いてアクセス区間二重化経路切替が可能となる。これにより、経路の切戻をはじめとした、初期状態である図28の状態への復旧を行うことができる。
【0068】
上記故障からの回復は図31の状態からの回復の状況と等価であるが、図33、図35および図38においても同様の動作となる。
【0069】
このとき、図12〜図43にあるような通信ネットワークにおいて、リングプロテクションとしてITU−T勧告G.8032/Y.1731を用いた場合、アクセス区間二重化経路切替方法は次のような流れとなる。
【0070】
上位リングポート故障状態検知部306−1、306−2の検知状態により、上位リングポート状態通知送受信部より送受信される上位リングポート状態通知メッセージは、R−APS(Ring Automatic Protection Switching)メッセージを用いる。このとき、R−APSメッセージ内には、当該R−APSメッセージを送信した中継ノードもしくはアクセス収容ノードのノードIDが記録されており、この情報をもとに上位リングでは故障等のリングの状態変化が発生した箇所を特定している。このノードID情報を、上位リング状態記録テーブル313における上位リングポート状態通知メッセージの送受信状態として記録することにより、アクセス区間二重化経路切替を実施することができる。
【0071】
例えば、図12のような通信ネットワークにおいて、図15のような故障が発生したような状況では、上位リング切替により、中継ノード202−1から、ノードIDとして中継ノード202−1のMAC(Media Access Control)アドレスを有するR−APS(SF)メッセージがアクセス区間205−3方向へ送信されている。また、中継ノード202−6から、ノードIDとして中継ノード202−6のMACアドレスを有するR−APS(SF)メッセージがアクセス区間205−8方向へ送信されている。アクセス収容ノード201−2における上位リングポート状態通知送受信部307−1および307−2では、それぞれノードIDとして中継ノード202−6のMACアドレスを有するR−APS(SF)メッセージおよびノードIDとして中継ノード202−1のMACアドレスを有するR−APS(SF)メッセージを受信する。このため、アクセス収容ノード201−2の上位リング状態記録テーブル313における「上位リングポート状態通知メッセージの送受信状態」は、上位リングポート状態通知送受信部307−1において中継ノード202−6のMACアドレスを有するR−APS(SF)メッセージを受信および、上位リングポート状態通知送受信部307−2において中継ノード202−1のMACアドレスを有するR−APS(SF)メッセージを受信となり、図16の状態と一致する。これにより、図11のプロセスを経てアクセス区間二重化経路切替を実施することができる。
【0072】
なお、上記の動作は図12〜図43の全てで適用する事が可能である。
【0073】
以下は、アクセス収容ネットワークの構成要素を説明したものである。
(1)
複数の中継ノードもしくはアクセス収容ノードが中継区間を介してリング状に接続される上位リングと、ユーザ端末が複数のアクセス区間を介してアクセス収容ノードに接続されるアクセスネットワークを備えるアクセス収容ネットワークであって、
一のアクセス収容ノードは、
自己に隣接しかつ前記上位リングに含まれる2個のノードとのインタフェースである2個の上位リングポートと、
自己に隣接しかつ前記ユーザ端末とのインタフェースであるアクセス収容ポートと、
前記上位リングポートを介して、上位リングに含まれるいずれかのノードもしくは中継区間で故障、回復、切替が発生した旨の状態通知メッセージを送受信する上位リングポート状態通知送受信部と、
前記上位リングポートにおいて故障、回復、切替が発生したことを検知する上位リングポート故障状態検知部と、
前記上位リングポートにおいて、リングの状態に応じてフレームの送受信を閉塞もしくは再開する上位リングポート閉塞部と、
前記上位リングポート状態通知送受信部において受信した情報および、上位リングポート故障状態検知部において検知した情報をもとに、上位リングポート状態通知送受信部から状態通知メッセージを送信し、上位リングポート閉塞部においてフレームの送受信を閉塞もしくは再開する事を指示する上位リング制御部と、
前記上位リングポートを介して、アクセス収容ポートもしくはユーザ端末もしくはアクセス区間で故障、回復、切替が発生した旨の状態通知メッセージを送受信するアクセス区間状態通知送受信部と、
前記アクセス収容ポートにおいて、故障、回復、切替が発生したことを検知するアクセス区間故障検知部と、
前記アクセス収容ポートにおいて、アクセスネットワークの状態に応じてフレームの送受信を閉塞もしくは再開するアクセス区間閉塞部と、
前記アクセス区間状態通知送受信部において受信した情報および、アクセス区間故障検知部において検知した情報をもとに、アクセス区間状態通知送受信部から状態通知メッセージを送信し、アクセス区間閉塞部においてフレームの送受信を閉塞もしくは再開する事を指示するアクセス冗長制御部と、
対となるアクセス収容ノード、その隣接となる中継ノード、対となるアクセス収容ノードとの接続性および接続されている上位リングポートを設定するアクセス冗長設定テーブルと、
前記上位リングポート状態通知送受信部および前記上位リングポート故障状態検知部において送受信もしくは検知されている上位リング状態を記録する上位リング状態記録テーブルを備えることを特徴とするアクセス収容ネットワーク。
【0074】
(2)
(1)に記載のアクセス収容ネットワークであって、
前記アクセス収容ノードが、アクセス冗長設定テーブルに設定された内容と上位リング状態記録テーブルに記録された内容を比較し、同じ場合にはアクセス収容ポートにおけるフレームの送受信を再開することを特徴とする、
アクセス収容ネットワーク。
【0075】
(3)
(1)に記載のアクセス収容ネットワークであって、
二つの上位リング故障状態検知部において共に故障を検知している場合に、アクセス収容ポートにおけるフレームの送受信を閉塞することを特徴とする、
アクセス収容ネットワーク。
【0076】
以下は、アクセス収容ノードの構成要素を説明したものである。
(4)
自己に隣接しかつ前記上位リングに含まれる2個のノードとのインタフェースである2個の上位リングポートと、
自己に隣接しかつ前記ユーザ端末とのインタフェースであるアクセス収容ポートと、
前記上位リングポートを介して、上位リングに含まれるいずれかのノードもしくは中継区間で故障、回復、切替が発生した旨の状態通知メッセージを送受信する上位リングポート状態通知送受信部と、
前記上位リングポートにおいて故障、回復、切替が発生したことを検知する上位リングポート故障状態検知部と、
前記上位リングポートにおいて、リングの状態に応じてフレームの送受信を閉塞もしくは再開する上位リングポート閉塞部と、
前記上位リングポート状態通知送受信部において受信した情報および、上位リングポート故障状態検知部において検知した情報をもとに、上位リングポート状態通知送受信部から状態通知メッセージを送信し、上位リングポート閉塞部においてフレームの送受信を閉塞もしくは再開する事を指示する上位リング制御部と、
前記上位リングポートを介して、アクセス収容ポートもしくはユーザ端末もしくはアクセス区間で故障、回復、切替が発生した旨の状態通知メッセージを送受信するアクセス区間状態通知送受信部と、
前記アクセス収容ポートにおいて、故障、回復、切替が発生したことを検知するアクセス区間故障検知部と、
前記アクセス収容ポートにおいて、アクセスネットワークの状態に応じてフレームの送受信を閉塞もしくは再開するアクセス区間閉塞部と、
前記アクセス区間状態通知送受信部において受信した情報および、アクセス区間故障検知部において検知した情報をもとに、アクセス区間状態通知送受信部から状態通知メッセージを送信し、アクセス区間閉塞部においてフレームの送受信を閉塞もしくは再開する事を指示するアクセス冗長制御部と、
対となるアクセス収容ノード、その隣接となる中継ノード、対となるアクセス収容ノードとの接続性および接続されている上位リングポートを設定するアクセス冗長設定テーブルと、
前記上位リングポート状態通知送受信部および前記上位リングポート故障状態検知部において送受信もしくは検知されている上位リング状態を記録する上位リング状態記録テーブルを備えることを特徴とするアクセス収容ノード。
【0077】
(5)
(4)に記載のアクセス収容ノードであって、
アクセス冗長設定テーブルに設定された内容と上位リング状態記録テーブルに記録された内容を比較し、同じ場合にはアクセス収容ポートにおけるフレームの送受信を再開することを特徴とする、
アクセス収容ノード。
【0078】
(6)
(4)に記載のアクセス収容ノードであって、
二つの上位リング故障状態検知部において共に故障を検知している場合に、アクセス収容ポートにおけるフレームの送受信を閉塞することを特徴とする、
アクセス収容ノード。
【0079】
以下は、アクセス区間二重化経路切替方法を説明したものである。
(7)
複数の中継ノードもしくはアクセス収容ノードが中継区間を介してリング状に接続される上位リングと、ユーザ端末が複数のアクセス区間を介してアクセス収容ノードに接続されるアクセスネットワークを備えるアクセス収容ネットワークにおいて、上位リングの故障、復旧、切替に応じてアクセスネットワークの切替を行うアクセス区間二重化経路切替方法であって、
(1)〜(3)に記載のアクセス収容ネットワークを用いて、上位リングに故障、復旧、切替が発生した際にアクセスネットワークの切替を行うことを特徴とするアクセス区間二重化経路切替方法。
【0080】
(8)
複数の中継ノードもしくはアクセス収容ノードが中継区間を介してリング状に接続される上位リングと、ユーザ端末が複数のアクセス区間を介してアクセス収容ノードに接続されるアクセスネットワークを備えるアクセス収容ネットワークにおいて、上位リングの故障、復旧、切替に応じてアクセスネットワークの切替を行うアクセス区間二重化経路切替方法であって、
(4)〜(6)に記載のアクセス収容ノードを用いて、上位リングに故障、復旧、切替が発生した際にアクセスネットワークの切替を行うことを特徴とするアクセス区間二重化経路切替方法。
【符号の説明】
【0081】
101−1、101−2:アクセス収容ノード
102−1、102−2:ユーザ端末
103−1、103−2:アクセス区間
104:中継区間
105−1、105−2:中継区間
106:中継ネットワーク
107−1、107−2:閉塞箇所
108:故障通知メッセージ
201、201−1、201−2:アクセス収容ノード
202、202−1〜202−6:中継ノード
203、203−1、203−2:ユーザ端末
204、204−1、204−2:アクセス区間
205、205−1〜205−8:中継区間
206、206−1、206−2:中継区間
207:中継ネットワーク
250:上位リング
302、302−1、302−2:上位リングポート
303:アクセス収容ポート
304:上位リング制御部
305、305−1、305−2:上位リングポート閉塞部
306、306−1、306−2:上位リングポート故障状態検知部
307、307−1、307−2:上位リングポート状態通知送受信部
308:アクセス冗長制御部
309:アクセス区間閉塞部
310:アクセス区間故障検知部
311、311−1、311−2:アクセス区間状態通知送受信部
312:アクセス冗長設定テーブル
313:上位リング状態記録テーブル
350:ポート制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中継ノードとともに中継区間でリング状に接続されて上位リングを形成するアクセス収容ノードであって、
前記上位リングに含まれる隣接する2つのノードとのインタフェースである2つの上位リングポートと、
ユーザ端末がアクセス区間を介して接続されるアクセス収容ポートと、
前記上位リングの他のアクセス収容ノードに隣接する前記中継ノードが予め設定されており、2つの前記上位リングポートから前記上位リングの故障を検知したときに前記アクセス収容ポートを閉塞させ、検知された前記上位リングの故障を通知する故障通知メッセージを受信し、前記故障通知メッセージを通知した前記中継ノードと予め設定されている前記中継ノードとが一致したときに前記アクセス収容ポートを疎通させるポート制御回路と、
を備えるアクセス収容ノード。
【請求項2】
前記ポート制御回路は、
前記上位リングポートを通じて前記上位リングの故障を検知する上位リングポート故障状態検知部と、
前記上位リングポート故障状態検知部が故障を検知したときに前記上位リングポート故障状態検知部が検出した故障を前記故障通知メッセージとして前記上位リングポートから送信するとともに、前記上位リングを構成するノードからの前記故障通知メッセージを前記上位リングポートを介して受信する上位リングポート状態通知送受信部と、
前記上位リングの他のアクセス収容ノードに隣接する前記中継ノードを含む前記上位リングの構成が予め設定されたアクセス冗長設定テーブルと、
前記上位リングポート故障状態検知部が検知した内容及び前記上位リングポート状態通知送受信部が受信した前記状態通知メッセージの内容を記録する上位リング状態記録テーブルと、
前記アクセス冗長設定テーブルと前記上位リング状態記録テーブルとの比較状況に応じて前記アクセス収容ポートの閉塞及び疎通を制御するアクセス冗長制御部と、
を有すること特徴とする請求項1に記載のアクセス収容ノード。
【請求項3】
前記アクセス冗長制御部は、
前記アクセス冗長設定テーブルと前記上位リング状態記録テーブルとの比較において、
前記状態通知メッセージを送信した前記中継ノードと前記アクセス冗長設定テーブルに設定された前記中継ノードとを比較し、一致する場合に前記アクセス収容ポートを疎通させることを特徴とする請求項2に記載のアクセス収容ノード。
【請求項4】
前記アクセス冗長制御部は、
前記上位リングポート故障状態検知部が双方の前記上位リングポートを介して前記上位リングの故障を検知した場合に前記アクセス収容ポートを閉塞させることを特徴とする請求項2に記載のアクセス収容ノード。
【請求項5】
中継ネットワークと複数のユーザ端末との間でフレームの伝送を担うアクセス収容ネットワークであって、
請求項1から4のいずれかに記載の複数のアクセス収容ノード及び複数の中継ノードが中継区間を介してリング状に接続され、リングプロトコルで経路冗長が確保される上位リングと、
前記ユーザ端末を前記アクセス収容ノードに接続するアクセス区間と、
を備えるアクセス収容ネットワーク。
【請求項6】
ユーザ端末がアクセス区間を介してアクセス収容ポートに接続される2つのアクセス収容ノードと複数の中継ノードとを中継区間でリング状に接続して上位リングを形成し、
前記アクセス収容ノードは、それぞれ前記中継区間が接続されて前記上位リングを形成するための上位リングポートを2つ備えており、
一方の前記アクセス収容ノードが、双方の前記上位リングポートの故障、双方の前記上位リングポートに接続する前記中継区間の故障、又は一方の前記上位リングポートに接続する前記中継区間の故障と他方の前記上位リングポートの故障、を検知したときに一方の前記アクセス収容ノードの前記アクセス収容ポートを閉塞し、
一方の前記アクセス収容ノードに隣接する前記中継ノードを他方の前記アクセス収容ノードに予め設定しておき、検知された前記上位リングの故障を通知する故障通知メッセージを他方の前記アクセス収容ノードが受信し、前記故障通知メッセージを通知した前記中継ノードと予め設定されている前記中継ノードとが一致する場合、他方の前記アクセス収容ノードの前記アクセス収容ポートを疎通する
ことを特徴とするアクセス区間二重化経路切替方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2013−58863(P2013−58863A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195329(P2011−195329)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】