説明

アクチュエーターおよびその製造方法

【課題】小型で、高速応答性に優れ、大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供すること、このようなアクチュエーターを容易に製造可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のアクチュエーターは、複数の電極11と、複数のカチオン交換樹脂膜12と、複数のアニオン交換樹脂膜13と、の積層体で構成され、カチオン交換樹脂膜12とアニオン交換樹脂膜13とが交互に積層されており、カチオン交換樹脂膜12およびアニオン交換樹脂膜13は、それぞれ、2つの電極11で挟持されており、隣り合うカチオン交換樹脂膜12とアニオン交換樹脂膜13との間の電極11が、同じ極性となるように電圧が印加されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエーターおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野やマイクロマシン分野等において、小型のアクチュエーターの必要性が高まっている。
このような小型のアクチュエーターは、小型であるとともに、低電圧で駆動することが求められている。このような低電圧化を実現するために種々の試みが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来より知られている小型アクチュエーターは、イオンの移動により材料が収縮・膨潤するイオン交換膜を用いたものが主流である。
このようなアクチュエーターにおいて、変位量を大きくするためにイオン交換膜の厚さを大きくすると、イオンの拡散速度により動作が支配されるため、高速応答性が得られないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−79129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、小型で、高速応答性に優れ、大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供すること、このようなアクチュエーターを容易に製造可能な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクチュエーターは、複数の電極と、
複数のカチオン交換樹脂膜と、
複数のアニオン交換樹脂膜と、の積層体で構成され、
前記カチオン交換樹脂膜と前記アニオン交換樹脂膜とが交互に積層されており、
前記カチオン交換樹脂膜および前記アニオン交換樹脂膜は、それぞれ、2つの前記電極で挟持されており、
隣り合う前記カチオン交換樹脂膜と前記アニオン交換樹脂膜との間の前記電極が、同じ極性となるように電圧が印加されることを特徴とする。
これにより、小型で、高速応答性に優れ、大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供することができる。
【0007】
本発明のアクチュエーターでは、前記カチオン交換樹脂膜の平均厚さは、20μm以上1000μm以下であることが好ましい。
これにより、応答速度をより速いものとしつつ、変位量をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエーターでは、前記アニオン交換樹脂膜の平均厚さは、20μm以上1000μm以下であることが好ましい。
これにより、応答速度をより速いものとしつつ、変位量をより大きくすることができる。
【0008】
本発明のアクチュエーターでは、前記カチオン交換樹脂膜は、フッ素系イオン交換樹脂で構成されていることが好ましい。
これにより、応答速度をより速いものとすることができる。
本発明のアクチュエーターでは、前記アニオン交換樹脂膜は、炭素系イオン交換樹脂で構成されていることが好ましい。
これにより、応答速度をより速いものとすることができる。
【0009】
本発明のアクチュエーターでは、被覆膜で被覆されていることが好ましい。
これにより、アクチュエーターの耐久性をより高いものとすることができる。
本発明のアクチュエーターでは、前記被覆膜の平均厚さは、0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。
これにより、アクチュエーターの応答性を阻害することなく、アクチュエーターの耐久性をより高いものとすることができる。
【0010】
本発明のアクチュエーターでは、前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々は第1の端部、第2の端部、前記第1の端部の側の厚みの方向に対向する第1面および第2面、前記第2の端部の側の厚みの方向に対向する第3面および第4面を含み、前記第1面と前記第2面との間隔は前記第3面と前記第4面との間隔より短く、
前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々は第3の端部、第4の端部、前記第3の端部の側の厚みの方向に対向する第5面および第6面、前記第4の端部の側の厚みの方向に対向する第7面および第8面を含み、前記第5面と前記第6面との間隔は前記第7面と前記第8面との間隔より短く、
前記複数の電極のうちの第1電極は前記第1面および前記第3面に配置され、
前記複数の電極のうちの第2電極は前記第2面および前記第4面に配置され、
前記複数の電極のうちの第3電極は前記第5面および前記第7面に配置され、
前記複数の電極のうちの第4電極は前記第6面および前記第8面に配置され、
前記第2電極と前記第3電極とは前記第2の端部および前記第4の端部の側で接し、
前記複数の電極のうちの第5電極は前記第1の端部および前記第3の端部の側で前記第2電極と前記第3電極との間に配置されることが好ましい。
これにより、さらに小型で、高速応答性に優れ、大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供することができる。
【0011】
本発明のアクチュエーターの製造方法は、請求項8に記載のアクチュエーターの製造方法であって、
前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々の前記第1の端部の側の厚みが前記第2の端部の側の厚みより薄くなるよう成形する工程と、
前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々の前記第3の端部の側の厚みが前記第4の端部の側の厚みより薄くなるよう成形する工程と、
前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々の前記第1面および前記第3面、前記第2面および前記第4面に、それぞれ第1電極、第2電極を形成する工程と、
前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々の前記第5面および第7面、前記第6面および前記第8面に、それぞれ第3電極、第4電極を形成する工程と、
前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々と前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々とを、交互に、かつ、前記第3面と前記第8面とが前記第1電極と前記第4電極とを介して、前記第4面と前記第7面とが前記第2電極と前記第3電極とを介して接するように接合する工程と、
前記第1の端部と前記第3の端部の側の、前記第1電極と前記第4電極との間に、および、前記第2電極と前記第3電極との間に、それぞれ、第5電極を挿入する工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、さらに小型で、高速応答性に優れ、大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のアクチュエーターの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に係るアクチュエーターの駆動状態を示す模式図である。
【図3】本発明のアクチュエーターの第2実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明のアクチュエーターの製造方法の一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《アクチュエーターの第1実施形態》
まず、本発明のアクチュエーターの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のアクチュエーターの第1実施形態を示す断面図、図2は、第1実施形態に係るアクチュエーターの駆動状態を示す模式図である。
【0014】
アクチュエーター1は、複数の電極11と、複数のカチオン交換樹脂膜12と、複数のアニオン交換樹脂膜13とが積層した積層体で構成されている。本実施形態では、図1に示すように、4つのカチオン交換樹脂膜12と、3つのアニオン交換樹脂膜13と、8つの電極11とで構成されている。
アクチュエーター1は、図1に示すように、カチオン交換樹脂膜12とアニオン交換樹脂膜13とが交互に積層されている。
【0015】
そして、カチオン交換樹脂膜12とアニオン交換樹脂膜13との間に、1つの電極11が配されている。
また、カチオン交換樹脂膜12およびアニオン交換樹脂膜13は、2つの電極11で、それぞれ挟持されている。
言い換えると、アクチュエーター1は、電極11、カチオン交換樹脂膜12、電極11、アニオン交換樹脂膜13、電極11、カチオン交換樹脂膜12、電極11、…、アニオン交換樹脂膜13、電極11の順に積層されている。
【0016】
電極11は、電源に接続されており、カチオン交換樹脂膜12、アニオン交換樹脂膜13に電圧を印加する機能を有している。
電極11を構成する材料としては、金、白金、イリジウム、パラジウム、ルテニウム等の金属、炭素繊維、各種導電性高分子等が挙げられる。
カチオン交換樹脂膜12は、電圧を印加することにより、電源の正極側に接続した電極11側に屈曲する。これは、カチオン交換樹脂膜12において、負極側への陽イオンの移動にともなって、水分子も移動し、負極側が膨潤し、正極側が収縮することにより生じる。
【0017】
カチオン交換樹脂膜12を構成するカチオン交換樹脂としては、特に限定されないが、フッ素系イオン交換樹脂を用いるのが好ましい。これにより、応答速度をより速いものとしつつ、変位量をより大きくすることができる。
フッ素系イオン交換樹脂としては、例えば、ナフィオン(デュポン社の商品名)、フレミオン(旭硝子社の商品名)等を挙げることができる。
【0018】
このようなカチオン交換樹脂膜12の平均厚さは20μm以上1000μm以下であるのが好ましく、100μm以上500μm以下であるのがより好ましい。これにより、応答速度をより速いものとしつつ、変位量をより大きくすることができる。
アニオン交換樹脂膜13は、電圧を印加することにより、電源の負極側に接続した電極11側に屈曲する。これは、アニオン交換樹脂膜13において、正極側への陰イオンの移動にともなって、水分子も移動し、正極側が膨潤し、負極側が収縮することにより生じる。
【0019】
アニオン交換樹脂膜13を構成するアニオン交換樹脂としては、特に限定されないが、炭素系イオン交換樹脂を用いるのが好ましい。これにより、応答速度をより速いものとしつつ、変位量をより大きくすることができる。
炭素系イオン交換樹脂としては、例えば、アシプレックス(旭化成社の商品名)等を挙げることができる。
【0020】
このようなアニオン交換樹脂膜13の平均厚さは、20μm以上1000μm以下であるのが好ましく、100μm以上500μm以下であるのがより好ましい。これにより、応答速度をより速いものとしつつ、変位量をより大きくすることができる。
また、アクチュエーター1は、全体が被覆膜で被覆されているのが好ましい。これにより、これにより、各イオン交換樹脂膜内の水分の蒸発を防止することができ、アクチュエーター1の耐久性をより高いものとすることができる。
【0021】
被覆膜を構成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリウレタン、フッ素樹脂、シリコーンゴム等を挙げることができる。
このような被覆膜の平均厚さは、0.1μm以上100μm以下であるのが好ましく、1μm以上10μm以下であるのがより好ましい。これにより、アクチュエーターの応答性を阻害することなく、アクチュエーターの耐久性をより高いものとすることができる。
【0022】
このような構成のアクチュエーター1において、電極に電圧を印加すると、カチオン交換樹脂膜12およびアニオン交換樹脂膜13が同じ方向に屈曲するものとなり(図2の実線)、アクチュエーター1全体が大きく屈曲する。また、薄いイオン交換樹脂を用いているので、イオンの移動速度を低下が生じることが防止され、応答速度を速くすることができる。また、電源の正負を切り替えることにより、図2に示すように、アクチュエーター1は、屈曲方向を変化させることができる。
【0023】
以上、本実施形態のアクチュエーター1について説明したが、本発明のアクチュエーターは、これに限定されない。例えば、上記説明では、アクチュエーター1が、4つのカチオン交換樹脂膜12と、3つのアニオン交換樹脂膜13と、8つの電極11とで構成されているものとして説明したが、カチオン交換樹脂膜12、アニオン交換樹脂膜13、電極11は、複数あればよく、その数は限定されない。
【0024】
《アクチュエーターの第2実施形態》
次に、本発明のアクチュエーターの第2実施形態について説明する。
図3は、本発明のアクチュエーターの第2実施形態を示す断面図である。
本実施形態のアクチュエーター1’は、前述した実施形態と同様に、複数の電極11と、複数のカチオン交換樹脂膜12と、複数のアニオン交換樹脂膜13とが積層した積層体で構成されている。本実施形態では、図3に示すように、4つのカチオン交換樹脂膜12と、3つのアニオン交換樹脂膜13と、14つの電極11とで構成されている。
【0025】
アクチュエーター1’は、前述した実施形態と同様に、カチオン交換樹脂膜12とアニオン交換樹脂膜13とが交互に積層されている。
そして、カチオン交換樹脂膜12とアニオン交換樹脂膜13との間には、前述した実施形態と異なり、2つの電極11が配されている。
すなわち、アクチュエーター1’は、2つの電極11で挟持されたカチオン交換樹脂膜12と、2つの電極11で挟持されたアニオン交換樹脂膜13とが、交互に積層した構成となっている。
このような構成とすることにより、高速応答性に優れ、大きく変位することが可能なアクチュエーター1’を提供することができるとともに、そのようなアクチュエーター1’を容易に製造することができる。
【0026】
《アクチュエーター1’の製造方法》
次に、上記アクチュエーター1’の製造方法の一例について説明する。
図4は、アクチュエーターの製造方法の一例を示す工程図である。
まず、4つのカチオン交換樹脂膜12と、3つのアニオン交換樹脂膜13とを用意する。図中、カチオン交換樹脂膜12の上方を第1の端部、下方を第2の端部ともいい、アニオン交換樹脂膜13の上方を第3の端部、下方を第4の端部ともいう。また、第1の端部の左面を第1面、右面を第2面ともいい、第2の端部の左面を第3面、右面を第4面ともいい、さらに、第3の端部の左面を第5面、右面を第6面ともいい、第4の端部の左面を第7面、右面を第8面ともいう。
【0027】
次に、図4(a)に示すように、各膜の一方の端部(第1の端部および第3の端部)をプレス成形等によって、その一部の厚さが薄くなるように成型する。
次に、4つのカチオン交換樹脂膜12と、3つのアニオン交換樹脂膜13の両面に一対の電極11を形成する(図4(b))。図中、第1面および第3面に配された電極11を第1電極、第2面および第4面に配された電極11を第2電極、第5面および第7面に配された電極11を第3電極、第6面および第8面に配された電極11を第4電極ともいう。
【0028】
カチオン交換樹脂膜12として、ナフィオン(デュポン社の商品名)を用いた場合、例えば、以下のようにして電極11(金メッキ)を形成することができる。
金の錯体であるジクロロフェナントロリン金の水溶液に、上記のように端部の一部を成型したナフィオン(カチオン交換樹脂膜12)を12時間程度浸漬して、イオン交換により、金錯体イオンを膜中に吸着させる。その後、60℃の亜硫酸ナトリウム水溶液に5時間程度浸漬し、還元作用により各膜表面に金をメッキし、電極11を形成する。
【0029】
一方、アニオン交換樹脂膜13として、アシプレックス(旭化成社の商品名)を用いた場合、例えば、以下のようにして電極11(金メッキ)を形成することができる。
金の錯体であるテトラクロロ金(III)酸 (HAuCl)の水溶液にアシプレックス膜(アニオン交換樹脂膜13)を12時間程度浸漬して、イオン交換により、金錯体イオンを膜中に吸着させる。その後、60℃のアスコルビン酸ナトリウム(sodium ascorbate)水溶液に5時間程度浸漬し、還元作用により膜表面に金をメッキし、電極11を形成する。
【0030】
次に、図4(c)に示すように、両面に電極11を形成したカチオン交換樹脂膜12およびアニオン交換樹脂膜13を、交互に接合する。すなわち、第3面と第8面とが第1電極と第4電極とを介して、第4面と第7面とが第2電極と第3電極とを介して接する。この際、上記のように成型したカチオン交換樹脂膜12およびアニオン交換樹脂膜13の一部で形成される空間に、電極11と電源とを接続するための端子14(第5電極)を挿入する。すなわち、第1の端部と第3の端部の側の第1電極と第4電極との間に、および、第2電極と第3電極との間に、それぞれ、第5電極を挿入する。
【0031】
なお、カチオン交換樹脂膜12およびアニオン交換樹脂膜13の接合は、例えば、公知の導電性接着剤を用いて行うことができる。
その後、必要に応じて被覆膜で被覆した後、電源と、端子14(第5電極)とを電気的に接続することにより、アクチュエーター1’を得る。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
1…アクチュエーター 1’アクチュエーター 11…電極 12…カチオン交換樹脂膜 13…アニオン交換樹脂膜 14…端子(第5電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極と、
複数のカチオン交換樹脂膜と、
複数のアニオン交換樹脂膜と、の積層体で構成され、
前記カチオン交換樹脂膜と前記アニオン交換樹脂膜とが交互に積層されており、
前記カチオン交換樹脂膜および前記アニオン交換樹脂膜は、それぞれ、2つの前記電極で挟持されており、
隣り合う前記カチオン交換樹脂膜と前記アニオン交換樹脂膜との間の前記電極が、同じ極性となるように電圧が印加されることを特徴とするアクチュエーター。
【請求項2】
前記カチオン交換樹脂膜の平均厚さは、20μm以上1000μm以下である請求項1に記載のアクチュエーター。
【請求項3】
前記アニオン交換樹脂膜の平均厚さは、20μm以上1000μm以下である請求項1または2に記載のアクチュエーター。
【請求項4】
前記カチオン交換樹脂膜は、フッ素系イオン交換樹脂で構成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアクチュエーター。
【請求項5】
前記アニオン交換樹脂膜は、炭素系イオン交換樹脂で構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアクチュエーター。
【請求項6】
被覆膜で被覆されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアクチュエーター。
【請求項7】
前記被覆膜の平均厚さは、0.1μm以上100μm以下である請求項6に記載のアクチュエーター。
【請求項8】
前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々は第1の端部、第2の端部、前記第1の端部の側の厚みの方向に対向する第1面および第2面、前記第2の端部の側の厚みの方向に対向する第3面および第4面を含み、前記第1面と前記第2面との間隔は前記第3面と前記第4面との間隔より短く、
前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々は第3の端部、第4の端部、前記第3の端部の側の厚みの方向に対向する第5面および第6面、前記第4の端部の側の厚みの方向に対向する第7面および第8面を含み、前記第5面と前記第6面との間隔は前記第7面と前記第8面との間隔より短く、
前記複数の電極のうちの第1電極は前記第1面および前記第3面に配置され、
前記複数の電極のうちの第2電極は前記第2面および前記第4面に配置され、
前記複数の電極のうちの第3電極は前記第5面および前記第7面に配置され、
前記複数の電極のうちの第4電極は前記第6面および前記第8面に配置され、
前記第2電極と前記第3電極とは前記第2の端部および前記第4の端部の側で接し、
前記複数の電極のうちの第5電極は前記第1の端部および前記第3の端部の側で前記第2電極と前記第3電極との間に配置される請求項1ないし7のいずれかに記載のアクチュエーター。
【請求項9】
請求項8に記載のアクチュエーターの製造方法であって、
前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々の前記第1の端部の側の厚みが前記第2の端部の側の厚みより薄くなるよう成形する工程と、
前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々の前記第3の端部の側の厚みが前記第4の端部の側の厚みより薄くなるよう成形する工程と、
前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々の前記第1面および前記第3面、前記第2面および前記第4面に、それぞれ第1電極、第2電極を形成する工程と、
前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々の前記第5面および第7面、前記第6面および前記第8面に、それぞれ第3電極、第4電極を形成する工程と、
前記複数のカチオン交換樹脂膜の各々と前記複数のアニオン交換樹脂膜の各々とを、交互に、かつ、前記第3面と前記第8面とが前記第1電極と前記第4電極とを介して、前記第4面と前記第7面とが前記第2電極と前記第3電極とを介して接するように接合する工程と、
前記第1の端部と前記第3の端部の側の、前記第1電極と前記第4電極との間に、および、前記第2電極と前記第3電極との間に、それぞれ、第5電極を挿入する工程と、を含むことを特徴とするアクチュエーターの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−62964(P2013−62964A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200256(P2011−200256)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】