説明

アクチュエータ制御装置、アクチュエータシステム、アクチュエータ制御方法及び制御プログラム

【課題】アクチュエータを構成する機械要素の支障を検出する。
【解決手段】制御装置10は、アクチュエータが正常に駆動するとみなされる場合の基準タイミングと、その基準タイミングにおいてモータ32に流れる電流値(基準電流値)とを対応付けた診断基準データを生成する。また、制御装置10は、支障診断時にアクチュエータが駆動する場合の検出タイミングと、その検出タイミングにおいてモータ32に流れる電流値(検出電流値)とを対応付けた診断対象データを生成する。更に、制御装置10は、同一タイミングである検出タイミングと基準タイミングとに対応づけられた検出電流値と基準電流値との差分の絶対値を算出し、その算出値が差分閾値より大きい場合には、検出タイミングにおけるスライダの位置を支障位置として算出し、機械要素の支障を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ制御装置、アクチュエータシステム、アクチュエータ制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の作業の自動化に寄与する産業用ロボットは、一般的にアクチュエータを有する。このアクチュエータは、駆動源として例えばモータを備える。アクチュエータの制御装置には、モータの過負荷を防止するために、モータの駆動時の電流値に基づいてモータの発熱量を算出し、そのモータの発熱量が閾値を超えた場合に警告を発する機能を有するものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2006/001479号
【特許文献2】特開2004−264208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アクチュエータの駆動が繰り返されると、アクチュエータを構成するスライダ、ボールねじ、ベアリング、ガイド等の機械要素は、劣化したり、異常が生じることがある。また、アクチュエータの製造時において、機械要素が仕様に合致していない可能性がある。しかしながら、従来は、このようなアクチュエータを構成する機械要素の支障を検出することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アクチュエータを構成する機械要素の支障を検出可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るアクチュエータ制御装置は、
移動体を有するアクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置であって、
前記アクチュエータが正常に駆動しているとみなされる場合の所定のタイミングと、前記所定のタイミングにおいて前記アクチュエータ内のモータに流れる電流の基準値とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記アクチュエータの駆動時における前記所定のタイミングにおいて前記モータに流れる電流の検出値を取得する検出電流値取得手段と、
前記記憶手段に記憶された前記所定のタイミングに対応する前記電流の基準値と、前記検出電流値取得手段により前記所定のタイミングにおいて取得された前記電流の検出値とを比較する比較手段と、
前記比較手段により前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記所定のタイミングにおける前記移動体の位置を検出する位置検出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記比較手段により前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記アクチュエータを構成する機械要素の支障を通知する通知手段を備えるようにしてもよい。
【0008】
前記検出電流値取得手段は、前記移動体が始点から終点まで移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得するようにしてもよい。
【0009】
前記検出電流値取得手段は、前記移動体が始点から終点までの間の所定区間を移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得するようにしてもよい。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るアクチュエータシステムは、
アクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する本発明の第1の観点に係るアクチュエータ制御装置と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点に係るアクチュエータ制御方法は、
移動体を有するアクチュエータを制御するアクチュエータ制御方法であって、
前記アクチュエータが正常に駆動しているとみなされる場合の所定のタイミングと、前記所定のタイミングにおいて前記アクチュエータ内のモータに流れる電流の基準値とを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記アクチュエータの駆動時における前記所定のタイミングにおいて前記モータに流れる電流の検出値を取得する検出電流値取得ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された前記所定のタイミングに対応する前記電流の基準値と、前記検出電流値取得ステップにおいて前記所定のタイミングにおいて取得された前記電流の検出値とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップにおいて前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記所定のタイミングにおける前記移動体の位置を検出する位置検出ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0012】
前記比較ステップにおいて前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記アクチュエータを構成する機械要素の支障を通知する通知ステップを含むようにしてもよい。
【0013】
前記検出電流値取得ステップにおいて、前記移動体が始点から終点まで移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得するようにしてもよい。
【0014】
前記検出電流値取得ステップにおいて、前記移動体が始点から終点までの間の所定区間を移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得するようにしてもよい。
【0015】
本発明の第4の観点に係るアクチュエータ制御プログラムは、
コンピュータを、
アクチュエータが正常に駆動しているとみなされる場合の所定のタイミングと、前記所定のタイミングにおいて前記アクチュエータ内のモータに流れる電流の基準値とを対応付けて記憶する記憶手段、
前記アクチュエータの駆動時における前記所定のタイミングにおいて前記モータに流れる電流の検出値を取得する検出電流値取得手段、
前記記憶手段に記憶された前記所定のタイミングに対応する前記電流の基準値と、前記検出電流値取得手段により前記所定のタイミングにおいて取得された前記電流の検出値とを比較する比較手段、
前記比較手段により前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記所定のタイミングにおける前記移動体の位置を検出する位置検出手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アクチュエータを構成する機械要素の支障を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係るアクチュエータシステムの概観を示す図である。
【図2】実施形態1に係るアクチュエータ制御装置の構成を示す図である。
【図3】実施形態1に係る基準値設定の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施形態1に係る基準タイミングと基準電流値との対応関係の一例を示す図である。
【図5】実施形態1に係る診断基準データの構成を示す図である。
【図6】実施形態1に係る機械要素診断の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施形態1に係る診断対象データの構成を示す図である。
【図8】実施形態1に係る検出電流値と基準電流値との比較の第1の例(図8(A))及び第2の例(図8(B))を示す図である。
【図9】実施形態2に係るアクチュエータシステムの概観を示す図である。
【図10】実施形態2に係るアクチュエータ制御装置及びPCの構成を示す図である。
【図11】実施形態2に係る基準値設定の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施形態2に係る機械要素診断の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るアクチュエータシステム1の概観を示す。図1に示されるように、アクチュエータシステム1は、制御装置10、アクチュエータ30、モータケーブル41、及びエンコーダケーブル42を備える。
【0020】
アクチュエータ30は、ハウジング31、モータ32、ボールねじ33、スライダ34、エンコーダ35、ベアリング36及びガイド37を備える。
【0021】
ハウジング31は、内部の各部材を保護する中空の部材である。ハウジング31の内部には、モータ32、ボールねじ33、スライダ34、エンコーダ35、ベアリング36及びガイド37が収容される。
【0022】
モータ32の回転軸は、機械要素としてのボールねじ33に連結されている。ボールねじ33には機械要素としてのベアリング36が取り付けられている。モータ32は、モータケーブル41を介して制御装置10から供給される電流に応じて、ボールねじ33を回転させる。これにより、機械要素としてのスライダ34が機械要素としての2本のガイド37に沿って始点と終点との間をX軸方向に移動する。ここで、始点とは、スライダ34の移動範囲のうちモータ32に最も近い位置を意味し、終点とは、スライダ34の移動範囲のうちモータ32から最も遠い位置を意味する。スライダ34の位置は、モータ32の回転角と比例する。例えば、スライダ34が、図1に示されるようにモータ32に最も近い位置にある場合、回転角は0°である。この状態からモータが回転することにより回転角が720°となった場合、スライダ34は+X軸方向に例えば2cmだけ移動する。
【0023】
エンコーダ35は、例えば磁気式のロータリーエンコーダである。エンコーダ35は、モータ32が所定角度だけ回転する毎に、パルスを、エンコーダケーブル42を介して制御装置10へ出力する。ここで、エンコーダ35は、モータ32がスライダ34を+X軸方向に移動させる方向に回転する場合には、その回転方向に所定角度だけ回転する毎に+1を示すパルスを出力し、モータ32がスライダ34を−X軸方向に移動させる方向に回転する場合には、その回転方向に所定角度だけ回転する毎に−1を示すパルスを出力する。なお、エンコーダ35は磁気式に限られず、光学式その他の方式のエンコーダであってもよい。
【0024】
制御装置10は、モータ32に電力を供給することにより、モータ32を回転させる。また、制御装置10は、エンコーダ35からのパルスを、エンコーダケーブル42を介して入力される。制御装置10は、アクチュエータ30内の機械要素の支障診断を行う。
【0025】
図2は、制御装置10の構成を示す図である。図2に示されるように、制御装置10は、制御部102、記憶手段としてのメモリ104、モータドライバ回路106、検出電流値取得手段としての電流センサ108、インタフェース(I/F)部110、及び、通知手段としてのLED(Light Emitting Diode)112を備える。
【0026】
制御部102は、例えばマイクロコンピュータにより構成される。制御部102は、メモリ104に記憶されたプログラムを実行し、メモリ104に記憶された各種データを処理することなどにより、制御装置10の全体を制御する。制御部102は、検出電流値取得手段としての電流検出部122と、比較手段としての比較部124と、位置検出手段としての位置検出部126との機能を有する。制御部102は、アクチュエータ30内のエンコーダ35を接続する。メモリ104は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)である。メモリ104は、各種情報を記憶する。
【0027】
モータドライバ回路106は、アクチュエータ30内のモータ32を接続する。モータドライバ回路106は、制御部102の制御により、モータ32に対して電力を供給し、モータ32の駆動を制御する。電流センサ108は、モータ32を接続する。電流センサ108は、アクチュエータ30の駆動時、換言すれば、モータ32の駆動時においてモータ32に流れる電流の値(検出電流値)を取得する。
【0028】
I/F部110は、制御部102の制御により、図示しない外部の機器との間でデータの送信及び受信を行う。LED112は、制御部102の制御により、点灯動作を行う。
【0029】
次に、制御装置10の動作を説明する。図3に示す基準値設定の動作は、アクチュエータ30の設置時や調整時に行われる。制御部102は、アクチュエータ30の動作パターンを設定する(ステップS101)。例えば、動作パターンの情報は、移動開始位置に存在するスライダ34が加速し、次に一定速度で移動し、更に減速して移動終了位置に到達するまでのスライダ34の挙動を示す情報であり、加速時の加速度(立ち上がり加速度)、一定速度及び減速時の加速度(立ち下がり加速度)と、移動終了位置の情報とを含む。本実施形態では、移動開始位置及び移動終了位置は、始点及び終点以外の位置とする。動作パターンの情報は、複数用意されて、メモリ104に記憶されている。制御部102は、作業者による図示しない操作部の操作に応じて、複数の動作パターンの情報の中から1つの動作パターンの情報を選択し、設定する。設定された動作パターンの情報(設定動作パターンの情報)は、メモリ104に記憶される。
【0030】
次に、制御部102は、設定動作パターンの情報に基づいて、電流値を算出し、アクチュエータ30の駆動制御を開始する(ステップS102)。
【0031】
具体的には、制御部102は、スライダ34が、予め定められた基準位置(例えば始点)に存在した後にエンコーダ35から随時入力されるパルスが示す+1又は−1を加算する。次に、制御部102は、パルスが示す値の加算値(パルス加算値)に基づいて、基準位置とスライダ34が現在存在する移動開始位置との距離を算出し、その距離を基準位置に加算することにより、スライダ34の移動開始位置を特定する。次に、制御部102は、スライダ34の移動開始位置と設定動作パターン情報内の移動終了位置との距離を算出する。次に、制御部102は、設定動作パターンの情報内の立ち上がり加速度、一定速度、立ち下がり加速度の情報と、移動開始位置と移動終了位置との距離とに基づいて、スライダ34が移動開始位置から移動終了位置まで移動するために必要な立ち上がり加速度の継続時間、一定速度の継続時間及び立ち下がり加速度の継続時間を算出する。
【0032】
次に、制御部102は、移動開始位置にあるスライダ34が、立ち上がり加速度での算出した継続時間の移動、一定速度での算出した継続時間の移動、立ち下がり加速度での算出した継続時間の移動を順次行って移動終了位置に到達する間での間に、モータ32に流すべき電流値を算出する。更に、制御部102は、算出した電流値をモータドライバ回路106へ出力する。ここで、制御部102は、スライダ34が、移動開始位置から移動を開始してから移動終了位置に到達するまでの間に所定の周期で到来するタイミング(算出タイミング)毎に電流値を算出し、随時、算出した電流値をモータドライバ回路106へ出力する。モータドライバ回路106は、入力された電流値を有する電流をアクチュエータ30内のモータ32に流す処理を行う。これにより、スライダ34が移動開始位置から移動終了位置まで移動する。
【0033】
アクチュエータ30の駆動制御と並行して、制御部102は、基準タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS103)。基準タイミングは、スライダ34が移動開始位置から移動を開始した後に、所定の周期(例えば1〜2msの周期の時間)で到来するタイミング(基準タイミング)である。
【0034】
基準タイミングが到来していない場合には(ステップS103:NO)、制御部102は、再び、基準タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS103)。一方、基準タイミングが到来した場合には(ステップS103:YES)、制御部102は、その基準タイミングと基準電流値とを対応づけた診断基準データを生成し、メモリ104に記憶させる(ステップS104)。具体的には、電流センサ108は、随時モータ32に流れる電流の値を検出し、制御部102へ出力する。制御部102は、基準タイミングが到来すると、電流センサ108からの電流値(基準電流値)を取得し、基準タイミングとその基準タイミングにおける基準電流値とを対応付けた診断基準データを生成する。更に、制御部102は、診断基準データをメモリ104に記憶させる。図4は、基準電流値の時間遷移の一例を示す図であり、図5は、診断基準データの構成を示す図である。診断基準データは、アクチュエータ30が正常に駆動しているとみなされる場合における、基準タイミングと、その基準タイミングにおいてモータ32に流れる電流値との対応を示す情報である。
【0035】
次に、制御部102は、アクチュエータ30の駆動制御が終了したか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部102は、ステップS102において、全ての算出タイミングにおいて算出した電流値をモータドライバ回路106へ出力した場合には、アクチュエータ30の駆動制御が終了したと判定し、それ以外の場合には、アクチュエータ30の駆動制御が終了していないと判定する。
【0036】
アクチュエータ30の駆動制御が終了していない場合(ステップS105:NO)、制御部102は、再び、基準タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS103)。一方、アクチュエータ30の駆動制御が終了した場合(ステップS105:YES)、制御部102は、アクチュエータ30内の機械要素の支障があると見なす際のその検出電流値と基準電流値との差分の閾値(差分閾値)を設定する(ステップS106)。設定された差分閾値は、メモリ104に記憶される。
【0037】
図6に示す機械要素診断の動作は、アクチュエータ30を何度か駆動した後に行われる。なお、以下においては、スライダ34は、当初、図3のステップS102において特定した移動開始位置に存在し、メモリ104には、その移動開始位置の情報が記憶されているものとする。
【0038】
制御部102内の電流検出部122は、機械要素の診断を要求する信号である診断指令信号が入力されたか否かを判定する(ステップS151)。例えば、作業者が機械要素診断の指示を行うために制御装置10内の図示しない操作部を操作した場合、電流検出部122は、操作部からの操作に応じた診断指令信号が入力される。
【0039】
診断指令信号が入力されなかった場合(ステップS151:NO)、電流検出部122は、再び、診断指令信号が入力されたか否かを判定する(ステップS151)。一方、診断指令信号が入力された場合(ステップS151:YES)、制御部102は、図3のステップS101において設定した動作パターンに基づいて電流値を算出し、アクチュエータ30の駆動制御を行う(ステップS152)。具体的には、制御部102は、移動開始位置にあるスライダ34が、設定移動パターン情報内の立ち上がり加速度での算出した継続時間の移動、一定速度での算出した継続時間の移動、立ち下がり加速度での算出した継続時間の移動を順次行って移動終了位置に到達する間での間に、モータ32に流すべき電流値を算出する。更に、制御部102は、算出した電流値をモータドライバ回路106へ出力する。ここで、制御部102は、スライダ34が、移動開始位置から移動終了位置に到達するまでの間に所定の周期で到来するタイミング(算出タイミング)毎に電流値を算出し、随時、算出した電流値をモータドライバ回路106へ出力する。モータドライバ回路106は、入力された電流値を有する電流をアクチュエータ30内のモータ32に流す処理を行う。これにより、スライダ34が移動開始位置から移動終了位置まで移動する。
【0040】
制御部102によるアクチュエータ30の駆動制御と並行して、制御部102内の電流検出部122は、モータ32に流れる電流の検出のタイミング(検出タイミング)が到来したか否かを判定する(ステップS153)。ここで、検出タイミングは、アクチュエータ30の駆動開始後、換言すれば、スライダ34が、移動開始位置から移動を開始した後に、所定の周期(例えば1〜2msの周期の時間)で到来するタイミングであり、上述した基準タイミングと同一のタイミングである。
【0041】
検出タイミングが到来していない場合(ステップS153:NO)、電流検出部122は、再び、検出タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS153)。一方、検出タイミングが到来した場合(ステップS153:YES)、電流検出部122は、電流センサ108からの電流値(検出電流値)を取得し、検出タイミングとその検出タイミングにおける検出電流値とを対応付けた診断対象データを生成し、その診断対象データをメモリ104に記憶させる(ステップS154)。図7は、診断対象データの構成を示す図である。
【0042】
次に、制御部102内の比較部124は、同一タイミングである検出タイミングと基準タイミングとに対応づけられた検出電流値と基準電流値との差分の絶対値(算出差分)を算出する(ステップS155)。具体的には、比較部124は、ステップS154において生成、記憶された診断対象データ内の検出電流値を読み出す。更に、比較部124は、ステップS154において生成、記憶された診断対象データ内の検出タイミングと同一の基準タイミングを特定する。次に、比較部124は、メモリ104に記憶された診断基準データ内の基準電流値のうち、特定した基準タイミングに対応づけられた基準電流値を読み出す。更に、比較部124は、読み出した検出電流値と基準電流値との差分の絶対値を算出する。
【0043】
次に、比較部124は、算出差分が差分閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS156)。算出差分が差分閾値以下である場合、電流検出部122は、再び、検出タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS153)。一方、算出差分が差分閾値よりも大きい場合(ステップS156:YES)、位置検出部126は、支障位置を算出する(ステップS157)。
【0044】
具体的には、位置検出部126は、アクチュエータ30の駆動制御が開始されてからステップS153において到来したと判定された検出タイミングの時までの間にエンコーダ35から随時入力されるパルスが示す+1又は−1を加算している。位置検出部126は、このパルスが示す値の加算値(パルス加算値)に基づいて、移動開始位置とスライダ34が現在存在する位置との距離を算出し、その距離を移動開始位置に加算する。この加算値は、スライダ34が現在存在する位置としての支障位置を示す。
【0045】
次に、比較部124は、アクチュエータ30内の機械要素の支障を通知する処理を行う(ステップS158)。具体的には、比較部124は、LED112を点灯させる制御を行う。LED112は、比較部124の制御に応じて点灯する。LED112が点灯することにより、作業者は、アクチュエータ30内の機械要素に生じた支障を認識することができる。
【0046】
次に、制御部102は、アクチュエータ30の駆動制御が終了したか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部102は、ステップS102において、全ての算出タイミングにおいて算出した電流値をモータドライバ回路106へ出力した場合には、アクチュエータ30の駆動制御が終了したと判定し、それ以外の場合には、アクチュエータ30の駆動制御が終了していないと判定する。アクチュエータ30の駆動制御が終了していない場合(ステップS159:NO)、電流検出部122は、再び、検出タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS153)。その後、例えば、図9(A)及び図9(B)に示すように、時系列上の各検出タイミング毎に、基準電流値と検出電流値との差分dの絶対値の算出と、その絶対値(算出差分)が差分閾値よりも大きいか否かの判定が繰り返される。一方、アクチュエータ30の駆動制御が終了した場合(ステップS159:YES)、一連の動作が終了する。
【0047】
以上説明したように、実施形態1では、制御装置10は、アクチュエータ30の設置時や調整時に、設定した動作パターンに従って機械要素が正常に駆動しているとみなされるアクチュエータ30が駆動する場合の基準タイミングと、その基準タイミングにおいてモータ32に流れる電流値(基準電流値)とを対応付けた診断基準データを生成する。また、制御装置10は、その後にアクチュエータ30が何度か駆動した後に、設定した動作パターンに従ってアクチュエータ30が駆動する場合の検出タイミングと、その検出タイミングにおいてモータ32に流れる電流値(検出電流値)とを対応付けた診断対象データを生成する。更に、制御装置10は、同一タイミングである検出タイミングと基準タイミングとに対応づけられた検出電流値と基準電流値との差分の絶対値(算出差分)を算出し、その算出差分が差分閾値より大きい場合には、検出タイミングにおけるスライダ34の位置を支障位置として算出し、機械要素の支障を通知する。
【0048】
すなわち、アクチュエータ30の駆動制御中におけるタイミングと、そのタイミングにおいてモータ32に流れる電流値とが対応付けられることにより、スライダ34の移動に伴う電流値の基準値からの変化をアクチュエータ30内の機械要素の状態の変化として捉えることができるようになるため、アクチュエータ30内の機械要素の支障を適切に検出することが可能となる。例えば、設定動作パターンに対応する全区間において、対応する各算出差分が差分閾値より大きく、且つ、全て所定範囲内の値である場合、換言すれば、スライダ34が移動しても算出差分の変動が小さい場合には、作業者は、スライダ34、ボールねじ33、ベアリング36の支障を認定することができる。一方、設定動作パターンに対応する全区間のうち、特定の区間に対応する算出差分のみが差分閾値よりも大きい場合、換言すれば、スライダ34が特定の区間を移動する場合にのみ、算出差分が差分閾値よりも大きくなる場合には、作業者は、スライダ34が特定の区間を移動する際にそのスライダ34と接触するガイド37上の位置の支障や、スライダ34が特定の区間を移動する際にそのスライダ34と接触するボールねじ33上の位置の支障を認定することができる。
【0049】
また、実施形態1では、制御装置10は、始点から終点までの全区間ではなく、移動開始位置から移動終了位置までの所定区間をスライダ34が移動する場合に対応する診断基準データ及び診断対象データを生成することができる。このため、制御装置10内のメモリ104の記憶容量が小さい場合であっても、制御装置10は、その記憶容量に応じてデータ量の少ない診断基準データ及び診断対象データを生成し、機械要素の診断を行うことができる。
【0050】
(実施形態2)
図9は、実施形態2に係るアクチュエータシステム2の概観を示す。図10に示されるように、アクチュエータシステム2は、制御装置10、アクチュエータ30、パーソナルコンピュータ(PC)40、モータケーブル41、及び、エンコーダケーブル42を備える。
【0051】
アクチュエータ30は、実施形態1と同様の構成であるので、その説明は省略する。制御装置10は、モータ32に電力を供給することにより、モータ32を回転させる。また、制御装置10は、モータ32が所定角度だけ回転する毎に、エンコーダ35が出力するパルスを、エンコーダケーブル42を介して取得する。アクチュエータ制御装置としてのPC40は、アクチュエータ30内の機械要素の支障診断を行う。
【0052】
図11は、制御装置10の構成を示す図である。図11に示されるように、制御装置10は、図2に示される実施形態1の制御装置10と比較すると、制御部102が比較部124及び位置検出部126の機能を有していないこと、及び、I/F部110がPC40を接続していること以外は、実施形態1の制御装置10と同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0053】
図10に示されるように、PC40は、制御部402、記憶手段としてのメモリ404、インタフェース(I/F)部410、通知手段としての表示部412、及び、操作部414を備える。
【0054】
制御部402は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。制御部402は、メモリ404に記憶されたプログラムを実行し、メモリ404に記憶された各種データを処理することなどにより、PC40の全体を制御する。制御部402は、比較手段としての比較部424と、位置検出手段としての位置検出部426との機能を有する。メモリ404は、例えばRAMやROMである。メモリ404は、各種情報を記憶する。
【0055】
I/F部410は、制御部402の制御により、制御装置10内のI/F部110との間でデータの送信及び受信を行う。表示部412は、例えば液晶ディスプレイである。表示部412は、各種の文字や映像を表示する。操作部414は、テンキーやファンクションキー等を含んだキーボードやマウスによって構成される。操作部414は、ユーザの操作内容を入力するために用いられるインタフェースである。
【0056】
次に、制御装置10及びPC40の動作を説明する。図11に示す基準値設定の動作は、アクチュエータ30の設置時や調整時に行われる。PC40内の制御部402は、アクチュエータ30の動作パターンを設定する(ステップS201)。設定された動作パターンの情報(設定動作パターン情報)は、メモリ404に記憶される。
【0057】
次に、制御部402は、I/F部410を介して、制御装置10へ診断基準データの生成を要求するための診断基準データ生成指令信号を送信する。制御装置10内の制御部102は、I/F部110を介して診断基準データ生成指令信号が入力される(ステップS202)。診断基準データ生成指令信号には、PC40内の制御部402がステップS201において設定した設定動作パターン情報が含まれる。
【0058】
次に、制御部102は、設定動作パターン情報に基づいて、電流値を算出し、アクチュエータ30の駆動制御を開始する(ステップS203)。
【0059】
アクチュエータ30の駆動制御と並行して、制御部102は、基準タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS204)。基準タイミングが到来していない場合には(ステップS204:NO)、制御部102は、再び、基準タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS204)。一方、基準タイミングが到来した場合には(ステップS204:YES)、制御部102は、その基準タイミングと基準電流値とを対応付けた診断基準データを生成する(ステップS205)。
【0060】
次に、制御部102は、I/F部110を介して、PC40へ診断基準データを送信する。PC40内の制御部402は、I/F部410を介して診断基準データが入力される(ステップS206)。診断基準データは、メモリ404に記憶される。
【0061】
次に、制御部102は、アクチュエータ30の駆動制御が終了したか否かを判定する(ステップS207)。アクチュエータ30の駆動制御が終了していない場合(ステップS207:NO)、制御部102は、再び、基準タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS204)。一方、アクチュエータ30の駆動制御が終了した場合(ステップS207:YES)、制御部102は、I/F部110を介して、PC40へアクチュエータ30の駆動制御が終了したことを示す終了通知情報を送信する。
【0062】
PC40内の制御部402は、I/F部410を介して、制御装置10からの終了通知情報を受信したか否かを判定する(ステップS208)。終了通知情報を受信していない場合(ステップS209:NO)、制御部402は、再び、診断基準データの受信を行う(ステップS206)。一方、終了通知情報を受信した場合(ステップS209:YES)、制御部402は、差分閾値を設定する(ステップS210)。設定された差分閾値は、メモリ404に記憶される。
【0063】
図12に示す機械要素診断の動作は、アクチュエータ30を何度か駆動した後に行われる。PC40内の制御部402は、I/F部410を介して、制御装置10へ機械要素の診断を要求する信号である診断指令信号を送信する。制御装置10の制御部102は、I/F部110を介して診断指令信号が入力される(ステップS251)。診断指令信号には、PC40内の制御部402が図11のステップS201において設定した動作パターンの情報(設定動作パターン情報)が含まれる。
【0064】
制御部102は、設定動作パターン情報に基づいて電流値を算出し、アクチュエータ30の駆動制御を行う(ステップS252)。
【0065】
制御部102によるアクチュエータ30の駆動制御と並行して、制御部102内の電流検出部122は、モータ32に流れる電流の検出のタイミング(検出タイミング)が到来したか否かを判定する(ステップS253)。
【0066】
検出タイミングが到来していない場合(ステップS253:NO)、電流検出部122は、再び、検出タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS253)。一方、検出タイミングが到来した場合(ステップS253:YES)、電流検出部122は、電流センサ108からの電流値(検出電流値)を取得し、検出タイミングとその検出タイミングにおける検出電流値とを対応付けた診断対象データを生成する(ステップS254)。
【0067】
次に、制御部102は、I/F部110を介して、診断対象データと、アクチュエータ30の駆動制御が開始されてからステップS253において到来したと判定された検出タイミングの時までの間にエンコーダ35から随時入力されるパルスが示す+1又は−1の加算値(パルス加算値)と、移動開始位置とをPC40へ送信する。PC40内の制御部402は、I/F部410を介して、診断対象データ、パルス加算値及び移動開始位置が入力される(ステップS255)。
【0068】
次に、PC40の制御部402内の比較部424は、同一タイミングである検出タイミングと基準タイミングとに対応づけられた検出電流値と基準電流値との差分の絶対値(算出差分)を算出する(ステップS256)。具体的には、比較部424は、記憶された診断対象データ内の検出電流値を読み出す。更に、比較部424は、ステップS255において入力された診断対象データ内の検出タイミングと同一の基準タイミングを特定する。次に、比較部424は、メモリ404に記憶された診断基準データ内の基準電流値のうち、特定した基準タイミングに対応づけられた基準電流値を読み出す。更に、比較部424は、読み出した検出電流値と基準電流値との差分の絶対値を算出する。
【0069】
次に、比較部424は、算出差分が差分閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS257)。算出差分が差分閾値以下である場合、制御部402は、再び、制御部402は、再び、診断対象データ、パルス加算値及び移動開始位置の受信を行う(ステップS255)。
【0070】
一方、算出差分が差分閾値よりも大きい場合(ステップS257:YES)、位置検出部426は、支障位置を算出する(ステップS258)。具体的には、位置検出部426は、ステップS255において入力されたパルス加算値と移動開始位置とに基づいて、移動開始位置とスライダ34が現在存在する位置との距離を算出し、その距離を移動開始位置に加算する。加算値は、スライダ34が現在存在する位置としての支障位置を示す。
【0071】
次に、比較部424は、アクチュエータ30内の機械要素の支障を通知する処理を行う(ステップS259)。具体的には、比較部424は、表示部412に、アクチュエータ30内の機械要素の支障を通知するための画像(支障通知画像)を表示させる制御を行う。表示部412は、比較部424の制御に応じて支障表示画像を表示する。作業者は、支障表示画像を見ることによって、アクチュエータ30内の機械要素に生じた支障を認識することができる。
【0072】
以上説明したように、実施形態2では、PC40は、アクチュエータ30の設置時や調整時に、設定した動作パターンに従って機械要素が正常に駆動しているとみなされるアクチュエータ30が駆動する場合の基準タイミングと、その基準タイミングにおいてモータ32に流れる電流値(基準電流値)とを対応付けた診断基準データを制御装置10から取得する。また、PC40は、その後にアクチュエータ30が何度か駆動した後に、設定した動作パターンに従ってアクチュエータ30が駆動する場合の検出タイミングと、その検出タイミングにおいてモータ32に流れる電流値(検出電流値)とを対応付けた診断対象データと、パルス加算値と、移動開始位置とを取得する。更に、制御装置10は、同一タイミングである検出タイミングと基準タイミングとに対応づけられた検出電流値と基準電流値との差分の絶対値(算出差分)を算出し、その算出差分が差分閾値より大きい場合には、パルス加算値と移動開始位置とに基づいて算出した、検出タイミングにおけるスライダ34の位置を支障位置として算出し、機械要素の支障を通知する。
【0073】
すなわち、実施形態1と同様、アクチュエータ30の駆動制御中におけるタイミングと、そのタイミングにおいてモータ32に流れる電流値とが対応付けられることにより、スライダ34の移動に伴う電流値の基準値からの変化をアクチュエータ30内の機械要素の状態の変化として捉えることができるようになるため、アクチュエータ30内の機械要素の支障を適切に検出することが可能となる。
【0074】
また、実施形態1と同様、制御装置10では、始点から終点までの全区間ではなく、移動開始位置から移動終了位置までの所定区間をスライダ34が移動する場合に対応する診断基準データ及び診断対象データを生成することができる。このため、制御装置10内のメモリ104の記憶容量が小さい場合であっても、制御装置10は、その記憶容量に応じてデータ量の少ない診断基準データ及び診断対象データを生成し、PC40は、機械要素の診断を行うことができる。
【0075】
(他の実施形態)
以上、実施形態1及び2について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0076】
例えば、上記実施形態では、動作パターンの情報に対応する移動開始位置と移動終了位置とは、始点及び終点以外の位置とした。しかし、移動開始位置は始点、移動終了位置は終点でもよい。この場合、スライダ34が始点から終点までの全区間を移動する場合における、機械要素の支障診断が可能となる。
【0077】
例えば、上記実施形態では、制御装置10やPC40は、アクチュエータ30の設置時や調整時に、基準位置と基準電流値とを対応付けた診断基準データを生成した。しかし、例えば、アクチュエータ30の製造者が、出荷時等において診断基準データを生成し、購入者に提供するようにしてもよい。この場合には、制御装置10やPC40は、製造業者によって生成された診断基準データをそのまま用いればよい。
【0078】
例えば、上述した実施形態では、エンコーダ35は、ロータリーエンコーダであって、モータ32が所定角度だけ回転する毎に、パルスを出力した。しかしながら、エンコーダ35は、スライダ34の位置を検出するリニアエンコーダでもよい。この場合には、制御装置10の制御部102内の電流検出部122は、エンコーダ35からスライダ34の位置を直接に取得することができる。
【0079】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、制御装置10の機能を実現してもよい。また、制御装置10の機能を実現するためのプログラムは、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1、2 アクチュエータシステム
10 制御装置
30 アクチュエータ
31 ハウジング
32 モータ
33 ボールねじ
34 スライダ
35 エンコーダ
36 ベアリング
37 ガイド
40 PC
41 モータケーブル
42 エンコーダケーブル
102、402 制御部
104、404 メモリ
106 モータドライバ回路
108 電流センサ
110、410 I/F部
112 LED
122 電流検出部
124、424 比較部
126 位置検出部
412 表示部
414 操作部
426 位置検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を有するアクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置であって、
前記アクチュエータが正常に駆動しているとみなされる場合の所定のタイミングと、前記所定のタイミングにおいて前記アクチュエータ内のモータに流れる電流の基準値とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記アクチュエータの駆動時における前記所定のタイミングにおいて前記モータに流れる電流の検出値を取得する検出電流値取得手段と、
前記記憶手段に記憶された前記所定のタイミングに対応する前記電流の基準値と、前記検出電流値取得手段により前記所定のタイミングにおいて取得された前記電流の検出値とを比較する比較手段と、
前記比較手段により前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記所定のタイミングにおける前記移動体の位置を検出する位置検出手段と、
を備えることを特徴とするアクチュエータ制御装置。
【請求項2】
前記比較手段により前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記アクチュエータを構成する機械要素の支障を通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項3】
前記検出電流値取得手段は、前記移動体が始点から終点まで移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項4】
前記検出電流値取得手段は、前記移動体が始点から終点までの間の所定区間を移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項5】
アクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する請求項1乃至4の何れか1項に記載のアクチュエータ制御装置と、
を備えることを特徴とするアクチュエータシステム。
【請求項6】
移動体を有するアクチュエータを制御するアクチュエータ制御方法であって、
前記アクチュエータが正常に駆動しているとみなされる場合の所定のタイミングと、前記所定のタイミングにおいて前記アクチュエータ内のモータに流れる電流の基準値とを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記アクチュエータの駆動時における前記所定のタイミングにおいて前記モータに流れる電流の検出値を取得する検出電流値取得ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された前記所定のタイミングに対応する前記電流の基準値と、前記検出電流値取得ステップにおいて前記所定のタイミングにおいて取得された前記電流の検出値とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップにおいて前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記所定のタイミングにおける前記移動体の位置を検出する位置検出ステップと、
を含むことを特徴とするアクチュエータ制御方法。
【請求項7】
前記比較ステップにおいて前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記アクチュエータを構成する機械要素の支障を通知する通知ステップを含むことを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ制御方法。
【請求項8】
前記検出電流値取得ステップにおいて、前記移動体が始点から終点まで移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得することを特徴とする請求項6又は7に記載のアクチュエータ制御方法。
【請求項9】
前記検出電流値取得ステップにおいて、前記移動体が始点から終点までの間の所定区間を移動する間に前記モータに流れる電流の検出値を取得することを特徴とする請求項6又は7に記載のアクチュエータ制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、
アクチュエータが正常に駆動しているとみなされる場合の所定のタイミングと、前記所定のタイミングにおいて前記アクチュエータ内のモータに流れる電流の基準値とを対応付けて記憶する記憶手段、
前記アクチュエータの駆動時における前記所定のタイミングにおいて前記モータに流れる電流の検出値を取得する検出電流値取得手段、
前記記憶手段に記憶された前記所定のタイミングに対応する前記電流の基準値と、前記検出電流値取得手段により前記所定のタイミングにおいて取得された前記電流の検出値とを比較する比較手段、
前記比較手段により前記電流の基準値と前記電流の検出値との差が所定値以上であると判別された場合に、前記所定のタイミングにおける前記移動体の位置を検出する位置検出手段、
として機能させるアクチュエータ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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