説明

アクティブ地理的冗長性のためのシステムおよび方法

【課題】サービスを中断することなく音声およびデータ・トラフィックを1つのシャーシから別のシャーシにシフトすることができるシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】地理的冗長性(GR)とは、シャーシ内冗長性であり、シャーシは、ホーム・エージェント、パケット・データ配給ノード、またはワイヤレス・ネットワーキング・デバイスのいずれの組み合わせとすることもできる。加えて、各シャーシは、加入者セッション・トラフィックを取り扱う1つ以上のパーティションと、異なるシャーシ上に対応する冗長パーティションとを有することができる。冗長シャーシ・パーティションは、アクティブ・シャーシまたはアクティブ・シャーシと通信しているいずれの欠くことができないピア・サーバ/ゲートウェイが故障した場合でも、アクティブ・シャーシ・パーティションの全部または一部を引き継ぐことができる。これによって、何らかの障害の場合でも、中断のないサービスをユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互引用)
本願は、35U.S.C.§119(e)に基づいて、2006年3月31に出願した、"A System and Method for Active Geographic Redundancy"と題する米国仮特許出願第60/788,242号の優先権を主張する。その内容は、ここで引用したことにより、全体が本願にも含まれるものとする。この出願は、2005年11月23日に出願した、"A Method for Providing Home Agent Geographic Redundancy via a Service Redundancy Protocol"(サービス冗長性プロトコルによってホーム・エージェント地理的冗長性を設ける方法)と題する米国特許出願第11/286,050号、および2005年11月23日に出願した、"A method for Providing Home Agent Geographic Redundancy"(ホーム・エージェント地理的冗長性を設ける方法)と題する米国特許出願第11/286,049号に関係がある。
【0002】
(開示の分野)
本発明は、ワイヤレス・ネットワークにおいて冗長性を設けるシステムおよび方法に関する。更に特定すれば、ワイヤレス・ネットワークにおける2つ以上のシャーシを、ネットワークにおける他のシャーシにバックアップ能力を提供するように構成する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス・ネットワークは、ユーザをある場所に係留するワイヤ・ラインを必要とせずに、ユーザにビデオおよびデータ情報を提供する。ワイヤレス・ネットワークは、通例、移動体デバイス、基地局、およびサポートするインフラストラクチャで構成されている。移動体サービスは、例えば、セル・フォン、PDA、またはワイヤレス能力を有するコンピュータとすることができる。これらの移動体デバイスが、データを送受信する基地局と相互作用を行う。更に、公衆電話交換網(PSTN)、インターネット、および/またはその他の通信ネットワークに接続するネットワーク・インフラストラクチャに、基地局を接続することができる。
【0004】
セルラ・ワイヤレス通信システムは、本来音声通信を送信するように設計されたが、これらのネットワークは、パケット系データ通信のような、データ通信もサポートするように増々修正されてきている。パケット系データ通信の一形態であるモバイルIPは、移動体デバイスが、これらのインターネット・プロトコル(IP)アドレスを変更することなく、これらがインターネットに接続しているところを変更することを可能にする。種々のエージェントが、移動体からインターネットへのパケットの送信において補助を行う。ホーム・エージェントは、移動体デバイスに代わって、IP通信に必要とされる移動度管理機能を実行する。移動体デバイスは、ホーム・エージェントのIPアドレスが移動体デバイス内にハード・コード化されている静的コンフィギュレーション(static configuration)を通じて、またはモバイルIP登録プロセスを通じて、ホーム・エージェント・アドレスを取得する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
登録プロセスを用いる場合、サーバはホーム・アドレスを移動体デバイスに割り当てる担当となる。ホーム・エージェントの移動体デバイスへの静的割り当て、またはサーバによる登録のいずれにおいても、割り当てられたホーム・エージェントが最大限機能することが重要である。したがって、ホーム・エージェントとすることができる、最大限機能するシャーシが常に移動体デバイスに利用可能となるように、冗長性を設けることが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある種の実施形態は、シャーシを提供する。このシャーシは、ホーム・エージェント、パケット・データ配給ノード、認証、許可、およびアカウンティング・サーバ、基地局コントローラ、パケット制御機能、あるいは加入者セッションまたは呼セッションを中断することなく音声および/またはデータ・セッションを別のシャーシにシフトすることができる、他のいずれのワイヤレス・ネットワーク・デバイスも内少なくとも1つを含む。シャーシは、互いに通信して、互いの加入者セッションを取り扱うのに必要な情報を提供し、障害の場合に、別のシャーシが、障害を発生したシャーシにおける加入者セッションの制御を引き受けることができるようになっている。これを行うには、実施形態によっては、一方のシャーシがそれ自体を、シャットダウンした別のシャーシとして広告(advertising)する。ある種の実施形態では、シャーシ上でパーティションを用いて、シャーシ上で利用可能なリソースを分割し、アクティブ状態にあるある種のパーティションが加入者セッションを取り扱い、一方他のパーティションはスタンバイ状態で待機する。シャーシ上でアクティブ状態のパーティションに障害が発生した場合、加入者セッションを、他方のシャーシ上のスタンバイ・パーティションに切り替えることができる。
【0007】
ある種の実施形態は、第1パーティションと第2パーティションとを含む第1シャーシと、第1シャーシと動作可能に通信し、第1パーティションと第2パーティションとを含む第2シャーシとを備えているシステムを特徴とする。第1シャーシの第1パーティションは、加入者セッション・トラフィックを受け入れて、少なくとも1つの更新を第2シャーシの第1パーティションに送り、第2シャーシの第1パーティションは、第1シャーシの第1パーティション上の加入者セッション情報に対応する加入者セッション情報を保持する。
【0008】
ある種の実施形態は、第1シャーシにおける第1パーティションにおいて加入者セッション・トラフィックを受信するステップと、第1シャーシにおける第1パーティションからの情報を用いて、第2シャーシにおける第1パーティションを更新するために、チェックポイント・メッセージを送るステップと、第2シャーシにおける第1パーティションが、第1シャーシにおける第1パーティションと共有する共通ループバック・アドレスを広告するときに、スイッチオーバー・イベントを開始するステップと、チェックポイント・メッセージの中で受信した情報を用いて、第2シャーシ内の第1パーティションにおいて受信した加入者セッション・トラフィックを処理するステップとを備えている方法を特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
加入者セッション・トラフィックを一方のシャーシから他方にシフトさせることを可能にし、しかも加入者セッションを中断しなくてもよいシステムおよび方法を提供する。地理的冗長性(GR:Geographic Redundancy)とは、シャーシ間冗長性であり、シャーシは、ホーム・エージェント、パケット・データ配給ノード、またはワイヤレス・ネットワーキング・デバイスのいずれの組み合わせでもよい。実施形態によっては、各シャーシが1つ以上のパーティションを有し、これらが加入者セッション・トラフィックを取り扱い、異なるシャーシ上の冗長パーティションをシャーシ上のアクティブなあらゆるパーティションに配置する場合がある。アクティブ・シャーシまたはアクティブ・シャーシと通信するいずれの欠くことができないピア・サーバ/ゲートウェイが故障した場合、冗長なシャーシ・パーティションは、アクティブ・シャーシ・パーティションの機能性の全てまたは一部を受け継ぐことができる。故障したシャーシにおける既存の呼は、スイッチオーバーにおいて転送し、冗長シャーシがアクティブ・シャーシの役割を引き継ぐときに、この冗長シャーシにおいて再作成することができる。また、スイッチオーバーの間、特定のIPアドレスも故障したシャーシから新しいアクティブ・シャーシに転送されるので、ある種のピア・エンティティはスイッチオーバー・イベントを通じてシャーシとの通信を維持することができる。
【0010】
実施形態によっては、アクティブ・スタンバイ・モデルをシャーシ上に配置する場合もあり、1つのシャーシが「アクティブ」シャーシとしての役割を果たし、1つ以上のその他のシャーシが「スタンバイ」シャーシとしての役割を果たし、シャーシ上にはパーティションがない。このモデルでは、スタンバイ・シャーシは、シャーシがアクティブになるまで、着信するセッションやデータを取り扱わず、スイッチオーバー・イベントが発生して、このシャーシを「アクティブ」にする。別の手法は、多数のシャーシをアクティブのまま保持しておき、障害の場合に、加入者セッションをアクティブ・シャーシ間で切り替えることである。ある種の実施形態では、地理的冗長性のアクティブ−アクティブ・モードが、アクティブ−スタンバイ・モードと同じ全ハードウェア量を必要とする。アクティブ−アクティブ・モードの利点は、双方のシャーシがアクティブのときには双方のシャーシにおいてCPUが利用されているために、性能スループット、データ・レイテンシ等が向上することである。アクティブ−アクティブ・モードおよびアクティブ−スタンバイ・モードのシャーシを管理するためには、サービス冗長性プロトコル(SRP)を用いることができる。
【0011】
実施形態によっては、アクティブ−アクティブ・シャーシが、何らかの外部メカニズムによって、負荷分散を実行する場合もある。この外部メカニズムは、2つよりも多いシャーシが、別のシャーシが故障した場合に、呼の負荷を分配することを可能にするために用いることができる。シャーシがアクティブ−アクティブ負荷分散モードで作動しているとき、シャーシは呼の負荷を既定の制限に抑えることができる。制限を超えたときには、トラップおよびイベント・ログを発生することができる。また、コマンド・ライン・インターフェースを用いて、地理的冗長性に関する現在の負荷ステータスを示すこともできる。任意に、外部メカニズムは関係するサービスを過負荷状態に設定し、新たな着信呼を拒絶または再送出することができるようにする。この外部メカニズムは、別のシャーシ、パーソナル・コンピュータ、またはシャーシへの端末インターフェースとすることができる。また、外部メカニズムは、アクティブ−アクティブ・シャーシ上において、設定した動作範囲を超える、短い突発的なアクティビティも許容し、性能および処理を向上させることができる。
【0012】
アクティブ−アクティブ・モードについて論ずる前に、アクティブ−スタンバイ・モードについて更に詳しく説明する。以下の論述では、ホーム・エージェント・サービスを、シャーシからのサービスとして捕らえるが、以下の例は、パケット・データ交換ノードのような、その他の種類のサービスにも拡張可能であることは、当業者には認められよう。
【0013】
図1は、アクティブ−スタンバイ冗長性システムの論理ネットワーク図100を示し、シャーシはある種の実施形態によるホーム・エージェントとして構成されている。図示のシステム100は、インターネット110、ボーダ・ゲートウェイ・プロトコル(BGP)ルータ112、認証(Authentication)、許可(Authorization)、およびアカウンティング(Accounting)(AAA)サーバ114、ホーム・エージェント(HA#1)116、ホーム・エージェント(HA#2)118、パケット・データ交換ネットワーク(PDSN)ルータ120、PDSNネットワーク122、および冗長リンク124を含む。当業者には認められようが、システム100は、ネットワークにおいて、所望のサービス・レベルを提供するために、追加のネットワーク機器を内蔵する場合もある。一般的に言うと、BGPは、システム・ルーティング・プロトコルであり、インターネット・サービス・プロバイダ間においてインターネットのためのルーティング情報を交換するために共通に用いられている。BGPルータ112は、インターネット・プロトコル(IP)情報を、ルーティング・ドメインおよびインターネット110全域に伝搬するために用いることができる。
【0014】
図示のように、AAAサーバ114は、HA#1 116およびHA#2 118と相互作用を行い、移動体デバイスのネットワーク・リソースへのアクセス要求を取り扱うことができる。実施形態によっては、AAAサーバ114が遠隔認証ダイアルイン・ユーザ・サービス(RADIUS)サーバと通信して、システム・リソースへのアクセスを認証および許可する場合もある。図示のHA#1 116は、プライマリ・ホーム・エージェントであり、IP通信を能動的に取り扱う。一方、HA#2 118はバックアップ・ホーム・エージェントである。図示のように、HA#1 116およびHA#2 118は、冗長リンク124によって接続されている。冗長リンク124は、情報を受け渡すためのチャネルを提供し、2つのホーム・エージェントが状態を切り替えることを可能にする。2つのホーム・エージェントHA#1 116およびHA#2 118は、PDSN120に接続されている。PDSN120は、PDSNネットワーク122を経由して、最終的にデータを要求する移動体デバイスに、データ・パケットを転送することができる。
【0015】
アクティブ−スタンバイ冗長性システムでは、少なくとも1つのシャーシをプライマリ・コンフィギュレーションに構成することができ、少なくとも1つをバックアップ・コンフィギュレーションに構成することができる。図1では、プライマリ・ホーム・エージェントHA#1 116は、通常の動作状態の間ホーム・エージェント・サービスを提供することができる。同様に、バックアップ・ホーム・エージェント、HA#2 118は、障害状態の間ホーム・エージェント・サービスを提供することができる。ホーム・エージェントがサービスを提供しているとき、これは「アクティブ」であると見なされ、ホーム・エージェントが、サービスを提供していないとき、これは「スタンバイ」であると見なされる。ホーム・エージェント間通信チャネル、例えば、冗長リンク124を用いると、ホーム・エージェント同士が通信を行い、ホーム・エージェントの状態を判定することが可能になり、冗長リンク124は、既存のネットワーク・インフラストラクチャによって設けることができる。本発明の実施形態の中には、障害が検出されなければ、「スタンバイ」ホーム・エージェントを「アクティブ」に切り替えられない場合もある。別の実施形態では、ホーム・エージェントを手動で切り替えて、例えば、ホーム・エージェントの1つに対する保守またはアップグレードを行うこともできる。
【0016】
本発明の実施形態によっては、ホーム・エージェントが用いる冗長性プロトコルは、プライマリ・ホーム・エージェントおよびバックアップ・ホーム・エージェント間に通信チャネルを設けることができる転送制御プロトコル(TCP)に基づくネットワーキング・プロトコルである。通信チャネルは、ホーム・ジェージェントがピア・ホーム・エージェントの状態を判定し、ピア・ホーム・エージェントのコンフィギュレーションの有効性を判断し、加入者セッション情報を同期することを可能にすることができる。ある主の実施形態では、サービス冗長性プロトコル(SRP)は、通信の種々の態様を取り扱うSRPマネージャまたはVPNマネージャを有する集中制御/分散セッション・モデルとして実施することができる。SRPマネージャは、単一のハードウェアまたはソフトウェア・プロセスとすることができ、ハロー・メッセージや種々のコンフィギュレーション有効性判断メッセージを含む着信SRP制御メッセージを読み取り、発信SRP制御メッセージを形成する。SRPマネージャは、ホーム・エージェントのアクティブ/スタンバイ状態を判定する責務を担うこともできる。
【0017】
実施形態によっては、SRPセッション・マネージャと呼ばれる多数のプロセスが、分散エージェントとして作用し、加入者セッション情報を冗長ホーム・エージェント・ピアに伝達する。冗長ホーム・エージェント上のピアSRPセッション・マネージャは、この情報を受信し、スイッチオーバーの場合に用いるために冗長セッションを作成することを責務とすることができる。SRPマネージャは、ホーム・エージェント状態およびSRPプロトコル・コンフィギュレーション情報をSRPセッション・マネージャに伝達することができる。この情報は、各SRPセッション・マネージャに、遠隔ホーム・エージェントと接触し、サービス・チェックポイント・メッセージの使用を通じて、現在の加入者セッションを同期させる能力を与えることができる。
【0018】
本発明のある種の実施形態では、SRPハロー・メッセージは、冗長集団における双方のホーム・エージェントによって送られる。これらのメッセージは、周期的な間隔で、ランダムに、またはアドミニストレータが設定する条件に基づいて送ることができる。ハロー・メッセージは、遠隔ホーム・エージェントの状態を判定し、遠隔ホーム・エージェントとの通信を検証するために用いることができる。実施形態によっては、スタンバイ・ホーム・エージェントが有効なSRPハロー・メッセージをそのピアから無効間隔(dead-interval)以内に受信しなかった場合、ホーム・エージェントは、アクティブ・ホーム・エージェントが機能していないと想定することができ、アクティブに遷移して加入者セッションを処理し始めることができる。
【0019】
ハロー・メッセージは、ホーム・エージェント状態、ピア状態、ピアの役割、ハロー間隔、優先度、優先度タイブレーカ、およびBGP修正子のような、システム属性を収容することができる。属性は、TCPヘッダに添付することができ、属性は、ビットでサイズを決めることができ、ネットワークの必要性に応じてビットの組み合わせに意味を割り当てることができる。ホーム・エージェント状態は、メッセージを送るホーム・エージェントの現在の状態とすることができる。ピア状態は、ピア・ホーム・エージェントの最後に分かっている状態とすることができる。ピアの役割は、ホーム・エージェントに設定した役割(例えば、プライマリ、バックアップ等)とすることができる。ハロー間隔は、連続して送ったハロー・メッセージ間においてユーザが設定する時間期間とすることができる。優先度は、動作において用いるためにホーム・エージェントに割り当てた重みとすることができる。優先度タイブレーカは、優先度が同一の場合に、どのホーム・エージェントがアクティブに遷移すればよいかを決定するために用いる第2属性とすることができる。BGP修正子は、メッセージをBGPルータ112からどのようにルーティングするか決定するために用いる属性とすることができる。
【0020】
実施形態によっては、SRPコンフィギュレーション有効性判断メッセージがある。アクティブなホーム・エージェントは、SRPコンフィギュレーション有効性判断メッセージをスタンバイ・ホーム・エージェントに送る。これらのメッセージは、スタンバイ・ホーム・エージェントがアクティブ・ホーム・エージェントの役割を引き受けるのに適したコンフィギュレーションとなっているか否か判定することができるコンフィギュレーション情報を収容することができる。SRPコンフィギュレーション有効性判断メッセージは、コンフィギュレーション・エラー・チェック、およびピア・ホーム・エージェントが互換できる(compatible)ことの検証に対処することができる。エラーが存在すると判定した場合、スタンバイ・ホーム・エージェントは警報を生成することができるので、ネットワーク運営者には潜在的な問題が通知される。また、ホーム・エージェントは、コンフィギュレーション・コンフリクト通知メカニズムを維持し、スイッチオーバー・イベントが発生する前に、ピア・ホーム・エージェント間における潜在的な問題を運営者に特定することもできる。
【0021】
SRPコンフィギュレーション有効性判断メッセージは、メッセージ・タイプ、ホーム・エージェント・コンフィギュレーション、およびホーム・エージェント状態のような属性を収容することができる。メッセージ・タイプは、コンフィギュレーション・メッセージの分類とすることができる。コンフィギュレーション・メッセージの分類の例の中には、ループバック・インターフェース・コンフィギュレーション、IPプール・コンフィギュレーション、ホーム・エージェント・サービスIPアドレス、ホーム・エージェント・サービス・コンフィギュレーション、ならびにホーム・エージェント認証(Authentication)、許可(Authorization)、およびアカウンティング(Accounting)(AAA)プローブ・コンフィギュレーションがある。ホーム・エージェント・コンフィギュレーションは、選択した分類のメッセージについてのコンフィギュレーション・パラメータとすることができる。ホーム・エージェント状態は、メッセージを送るホーム・エージェントの現在の状態とすることができる。
【0022】
ある種の実施形態では、SRPサービス・チェックポイント・メッセージがある。チェックポイント・メッセージは、アクティブ・ホーム・エージェントが処理している各加入者セッションを記述することができるデータを収容し、どのセッションにデータが関連するのか、そしてスタンバイ・ホーム・エージェント上に既に格納されているセッションを上書きするか否かを示すフィールドを収容することができる。チェックポイント・メッセージは、スタンバイ・ホーム・エージェントの冗長セッションを作成/削除することができる。また、メッセージは、スタンバイ・ホーム・エージェント上の加入者セッション統計を周期的に更新することもできる。チェックポイント・メッセージは、スタンバイ・ホーム・エージェントがアクティブ・ホーム・エージェントに遷移すべき際に、スタンバイ・ホーム・エージェント上において呼を再作成するために必要な情報全てを収容することができる。別のチェックポイント・メッセージを用いて、既存のセッションの有効性を判断することもできる(即ち、このメッセージは、呼がアクティブ・ホーム・エージェントにおいて着信するときに、スタンバイ・ホーム・エージェントに送られる)。
【0023】
実施形態によっては、プライマリ・ホーム・エージェントおよびバックアップ・ホーム・エージェント、図示したHA#1 116およびHA#2 118は、それぞれ、共通のループバック・インターフェース・ルートまたはアドレス、およびIPプール情報を用いて、コンフィギュレーションすることができる。ホーム・エージェント・サービスは、これらのループバック・インターフェース・ルート上で実行する。ループバック・ルートは、IPルーティング・ドメイン全域で、ある種の実施形態では、アクティブ・ホーム・エージェント上の動的ルーティング・プロトコルの使用によって広告(advertise) することができる。ループバック・インターフェース・ルートまたはループバック・アドレスは、無回線(circuitless)IPアドレスであり、実施形態によっては、特定のインターフェースまたはルートとは関連付けられていない場合もある。障害の場合、例えば、スタンバイ・ホーム・エージェントがアクティブに遷移して、以前のアクティブ・ホーム・エージェントのループバックおよびIPプール・ルートを広告し始める。これによって、ネットワークの中にある他のエレメントが、サービスの中断なく、以前のスタンバイ・ホーム・エージェントとの通信に遷移することを可能にすることができる。
【0024】
スイッチオーバー・イベントの間既存の加入者セッションを保存するために、ある種の実施形態では、ホーム・エージェントが動作中のメッセージを互いに送り合う。メッセージによって、スタンバイ・ホーム・エージェントは、ホーム・エージェントがアクティブに遷移する場合に、セッションを再開することを可能にすることができる。実施形態によっては、アクティブ・ホーム・エージェントは、可能性のある障害を検出するために以下の項目を監視するとよい。1)動的ルーティング・ピア接続性、2)AAAサーバ接続性、3)スタンバイ・ホーム・エージェント接続性、4)内部ソフトウェア状態である。これらの項目の1つに障害が発生した場合、アクティブ・ホーム・エージェントはスイッチオーバー・イベントを開始することができ、スタンバイ・ホーム・エージェントをアクティブに遷移させ、既存または新たな加入者のいずれに対してもサービスの中断を回避することができる。
【0025】
アクティブ・シャーシおよびスタンバイ・シャーシは、冗長リンクによって接続することができ、リンク上においてシャーシの状態を監視するために、サービス冗長性プロトコル(SRP)を用いることができる。冗長リンク124は、既存のネットワーク・リンクをシャーシ間において用いることによって、実施することができる。また、シャーシは認証、許可、およびアカウンティング(AAA)サービスおよびそのボーダ・ゲートウェイ・プロトコル・ルータ(BGP)ピアの状態も監視する。
【0026】
アクティブおよびスタンバイ双方のシャーシには、「SRP−活性化」リソースが定められている。これらのリソースは、アクティブおよびスタンバイ・シャーシ間で同一にすることができる。入口、出口、およびAAAコンテキストにおけるループバックIPアドレス、ならびに出口コンテキストにおけるIPプールは、大抵の場合「SRP−活性化」リソースである。コンテキストとは、仮想IPネットワークであり、IPネットワークを、それが実装されているハードウェアから抽象化することを可能にするためにソフトウェアで開発された論理パーティションでもある。1つよりも多いプロセッサおよびその他のリソースを有することができるシャーシにおいて、コンテキストは、特定の物理的ハードウェアをある機能に専用にすることなく、ハードウェア・リソースの分散を可能にする。実施形態によっては、アクティブ・シャーシのみが「SRP−活性化」リソースをイネーブルし、スタンバイ・シャーシは、当該スタンバイ・シャーシがアクティブ状態に遷移するまで、「SRP−活性化」リソースをディスエーブルしたまま保持する。
【0027】
ホーム・エージェント・サービスのようなコンテキスト・サービスは、入口コンテキストにおいて、コンフィギュレーションし、「SRP−活性化」ループバック・アドレスに結び付けることができる。出口コンテキストは、IPプール・コンフィギュレーションに用いることができる。AAAコンテキストは、RADIUSおよび加入者ドメイン・コンフィギュレーションに用いることができる。SRPコンテキストは、SRP IPアドレスおよびその他の関係するパラメータを設定するために用いることができる。ある種の実施形態では、入口コンテキストおよび出口コンテキストは、同じコンテキストでもよい。また、AAAコンテキストが入口または出口コンテキストと同じであることも可能である。しかしながら、SRPコンテキストは別個のコンテキストであるのが通例である。
【0028】
図2は、ある種の実施形態によるアクティブ−スタンバイ冗長性のソフトウェア・コンフィギュレーション模式図を示す。アクティブ・シャーシ210は、AAAコンテキスト212、インターフェースC214、入口コンテキスト216、インターフェースA218、出口コンテキスト220、IPプールP222、インターフェースB224、およびサービス冗長性プロトコル(SRP)コンテキスト226を含む。SRP通信は、通信リンク228上で行うことができ、通信リンク228は、専用通信経路、またはアクティブ・シャーシ210が常駐するネットワークを経由する経路とすることができる。図示の通信リンク228は、アクティブ・シャーシ210をスタンバイ・シャーシ230にリンクする。スタンバイ・シャーシ230は、SRPコンテキスト232、入口コンテキスト234、インターフェースA236、出口コンテキスト238、IPプールP240、インターフェースB242、AAAコンテキスト244、およびインターフェースC246を含む。
【0029】
入口コンテキスト216には、定められたループバック・インターフェースA218があり、これを活性化すると、1つ以上の移動体ノードにサービスを提供する。実施形態によっては、ホーム・エージェント・サービスAがこのインターフェースに結び付けられている場合もある。スタンバイ・シャーシ230は、同じインターフェース(即ち、インターフェースA236)およびホーム・エージェント・サービスが定められているが、活性化されていない。インターフェースおよびサービスは、いずれの時点でも、1つのアクティブ・シャーシにおいてのみイネーブルされる。インターフェースB224は、出口コンテキスト220で定められ、アクティブ・シャーシ210で活性化される。インターフェースC214は、SRP活性化インターフェースとすることもできる。アクティブ・シャーシ210が故障した場合、スタンバイ・シャーシ230がアクティブとなり、SRP活性化IPインターフェースおよびプールをイネーブルするので、スタンバイ・シャーシ230は、シャーシ上で実行中のセッションを中断することなく、アクティブ・シャーシ210として機能することができる。IPプールPは、IPアドレス・プールであり、各プールは、加入者割り当てのために、ある範囲のIPアドレスを有する。ある種の実施形態では、範囲が重複することもできる。
【0030】
実施形態によっては、アクティブ−アクティブ・シャーシ冗長性は、シャーシ内部においてリソースを少なくとも2つの異なるパーティションに集合化することを伴う場合もある。これらのパーティションは、地理的冗長性(GR)パーティションとして知られている。シャーシの中には、この例の目的に合わせて、2つのパーティション、GRパーティション1およびGRパーティション2がある。SRP活性化リソースは、これらのパーティションの内の1つに属し、各パーティションはホーム・エージェント・サービス、定められたIPプール、および定められたAAAコンテキスト/インターフェースを有することができる。
【0031】
コンフィギュレーションを簡素化するために、少なくとも1つのSRP活性化リソースを有する各コンテキストを、GRパーティション1またはGRパーティション2のいずれにも設定することができる。別の可能性は、各SRP活性化リソースを特定的にパーティションのいずれか1つの中に設定することである。実施形態によっては、SRP活性化リソースおよびリソースのパーティション設定(configuration)は、優先度およびプライマリ/バックアップ・モードを除いて、シャーシ間で同じ場合もある。これについては、以下で論ずる。いずれの時点でも、ある実施形態によれば、1つのシャーシのみにおいて特定のGRパーティションがアクティブとなる。対応するGRパーティションは、別のシャーシではスタンバイ状態のまま留まっている。
【0032】
2つのシャーシを用いる例では、アクティブ−アクティブ・シャーシの双方が負荷分散モードで実行しているときには、第1シャーシがGRパーティション1を活性化し、第2シャーシがGRパーティション2を活性化する。第1シャーシのGRパーティション2および第2シャーシのGRパーティション1は、前述のように、スタンバイ・モードとなっている。シャーシのいずれかが故障した場合、またはAAAサーバまたはピア・ルーティング・ゲートウェイが到達可能でないことを検出した場合、実施形態によっては、別のシャーシが双方のGRパーティションの所有権(ownership)を引き受ける。即ち、例えば、第1シャーシ上でアクティブなGRパーティション1が故障した場合、第2シャーシ上のスタンバイ・パーティション1が活性化され、加入者セッションを取り扱う。
【0033】
図3は、ある種の実施形態によるアクティブ−アクティブ冗長性のソフトウェア・コンフィギュレーション模式図を示す。アクティブ・シャーシ310は、GRパーティション1およびGRパーティション2、ならびにAAAコンテキスト312およびSRPコンテキスト314を含む。GRパーティション1は、インターフェースC1 314、入口コンテキストI1 318、インターフェースA1 320、出口コンテキストE1 322、プールP1 324、およびインターフェースB1 326を含む。GRパーティション2は、入口コンテキストI2 328、インターフェースA2 330、出口コンテキストE2 332、プールP2 334、インターフェースA2 336、およびインターフェースC2 338を含む。SRP通信は、通信リンク340上で行うことができ、通信リンク340は専用通信経路、またはアクティブ・シャーシ310が常駐するネットワークを経由する経路とすることができる。図示の通信リンク340は、アクティブ・シャーシ310をアクティブ・シャーシ342にリンクする。
【0034】
また、アクティブ・シャーシ342は、通信リンク340上で通信を受信するSRPコンテキスト344と共に、GRパーティション1およびGRパーティション2も含む。アクティブ・シャーシ342のGRパーティション1は、この例では、アクティブ・シャーシ310のアクティブGRパーティション1に対応する。アクティブ・シャーシ342のGRパーティション1は、スタンバイ状態になっており、アクティブ・シャーシ310のGRパーティション1が故障した場合、そのセッション負荷を引き受ける。アクティブ・シャーシ342のGRパーティション1は、入口コンテキストI1 346、インターフェースA1 348、出口コンテキストE1 350、プールP1 352、およびインターフェースB1 354を含む。アクティブ・シャーシ342のGRパーティション2は、アクティブ・シャーシ310のGRパーティション2に対応する。これはスタンバイ状態にあり、アクティブ・シャーシ342のGRパーティション2がセッション負荷を取り扱っている。GRパーティション2は、入口コンテキストI2、インターフェースA2 358、出口コンテキストE2 360、プールP2 362、およびインターフェースB2 364を含む。また、アクティブ・シャーシ342は、AAAコンテキスト366も含み、AAAコンテキスト366は、GRパーティション1と関係のあるコンテキストC1 368、およびGRパーティション2と関係のあるコンテキストC2 370を含む。
【0035】
入口コンテキストI1および出口コンテキストE1は、地理的冗長性(GR)パーティション1に属する。入口コンテキストI2および出口コンテキストE2は、GRパーティション2に属する。第1シャーシは、活性化した地理的冗長性パーティション1を有し、第2シャーシは、活性化したGRパーティション2を有する。これは、ホーム・エージェント・サービスA1が第1シャーシにおいてアクティブであり、ホーム・エージェント・サービスA2が第2シャーシにおいてアクティブであることを意味する。この実施形態では、AAAコンテキストはパーティションの双方に対して同一である。AAAコンテキスト・インターフェースC1はGRパーティション1に属し、AAAコンテキスト・インターフェースC2はGRパーティション2に属する。シャーシ・コンフィギュレーションの中には、1つのAAAコンテキストを用いる場合もある。つまり、GRパーティションに対して2つの異なるAAAコンテキストを有することが可能でない場合もある。このような場合、2つの異なる「SRP活性化」インターフェースをAAAコンテキストにおいて作成し、それをプライマリNAS−IPアドレスおよびセカンダリNAS−IPアドレスとして割り当てなければならない。実施形態によっては、1つのインターフェースをGRパーティション1に割り当て、別のインターフェースをGRパーティション2に割り当てる。更に、1つのGRパーティションにおいて、1つよりも多い入口コンテキストおよびサービスを用いることもできる。また、1つのGRパーティションが多数の入口コンテキストを有することもできる。
【0036】
以下に、コマンド・ライン・インターフェース(CLI)コンフィギュレーションの見本を示す。モードをアクティブ−アクティブとして設定した場合、「優先度」、「モード」、「bgp−修正子」、および「srp−スイッチオーバー」コマンドを、この例では、GRパーティション番号によって指定しなければならない。
【表1】

【0037】
以下のCLIは、コンテキストに対してGRパーティションをセットする。デフォルトで、当該コンテキストにおける全てのSRP活性化リソースが、このGRパーティション番号を用いる。このコンフィギュレーションは、特定のリソース上におけるコンフィギュレーションによって無効にすることができる。
【表2】

【0038】
以下に、ループバック・インターフェースに対するコマンド・コンフィギュレーションGRパーティション番号を示す。
【表3】

【0039】
以下に、IPプールに対するコマンド・コンフィギュレーションGRパーティション番号を示す。
【表4】

【0040】
本発明のある種の実施形態では、シャーシ間においてコンフィギュレーション有効性判断を行う。コンフィギュレーション有効性判断方式は、アクティブ−スタンバイ・モードおよびアクティブ−アクティブ・モードによって用いることができる。
【0041】
非アクティブ−アクティブ冗長シャーシを修正して、アクティブ−アクティブ冗長性モデルをサポートすることができる。負荷分散アクティブ−アクティブ・モードを実行しているとき、各シャーシは、2シャーシ冗長性では、シャーシの総容量の半分を取り扱うことが期待される。実施形態によっては、2つよりも多いシャーシを用いてアクティブ−アクティブ冗長性を実施する場合もある。以下のプロセスは、シャーシを再コンフィギュレーションするために用いることができる。
【0042】
1)着信加入者セッション・トラフィックを受信する、新しい入口コンテキストを追加する。新しい入口コンテキストは、ホーム・エージェント・サービスを有する入口コンテキスト毎に作成され、新しいSRP活性化ループバック・インターフェースが新しいホーム・エージェント・サービスを結び付ける。
【0043】
2)発信加入者セッション・トラフィックを送る、新しい出口コンテキストを追加する。新しい出口コンテキストは、加入者セッションに対して宛先コンテキストとして用いられる出口インターフェース毎に作成する。SRP活性化ループバック・インターフェースは、新しいコンテキストにおいて作成しなければならない。
【0044】
あたらしいAAAコンテキストを作成するか、またはAAAコンテキストに新しいループバック・インターフェースを追加する。コンフィギュレーションが多数のAAAコンテキストを許可する場合、新しいループバック・インターフェースと共に新しいAAAコンテキストを追加し、これらをパーティションに割り当てる。そうでなければ、1つ余分のSRP活性化ループバック・インターフェースを追加し、これをパーティションに割り当てる。
【0045】
4)IPプールを区分する。これらの新たに追加される出口コンテキストにはIPプールを設定してもよい。実施形態によっては、IPプールを分割し、IPアドレスの一部を既存の出口コンテキストに残し、プール・アドレスの別の部分を新しい出口コンテキストのために残しておく。IPプールを区分する際の複雑さは、プールが静的かまたは動的かによって異なる。動的なプールの区分は単純である。何故なら、アドレスがいずれの特定の機器にも結び付けられていないからである。一部のパーティションでは、異なるパーティションが担当する一部の加入者グループからの呼数の不均衡によって、動的なプール区分がアドレス枯渇問題の原因となる場合がある。しかしながら、この問題は、パーティション間に等しくない量のIPアドレスを割り当てることによって解決することができる。また、この問題は、より多くのアクティブ・ホーム・エージェントを既存のネットワークに追加する際に用いる方法を改造することによっても解決することができる。例えば、新しいホーム・エージェント・ノードをネットワークに追加するとき、IPアドレス・プールは、そのホーム・エージェントの全ての加入者に合わせて、コンフィギュレーションレーションを設定する。この中には、何らかのIPプールのコンフィギュレーション設定/再コンフィギュレーションを伴う場合がある。GRパーティションの追加は、この手順と同様である。静的プールの区分は、シャーシを超えて修正を行う必要がある場合もある。何故なら、静的プールには特定のホーム・エージェントまたはエンティティが関連付けられているからである。静的IPアドレスを有する呼が所望のホーム・エージェントに送出されるように、静的プール・アドレスの割り当てを再設定するために、AAA、外部エージェント、またはその他のネットワーク・デバイスにおける外部からの変更を行うことが必要となる場合もある。
【0046】
5)パーティションに対してSRPパラメータを設定し、コンテキストに対してパーティション番号をセットする。新しいシャーシに、関連するSRPコンフィギュレーションの複製を作る。SRP「モード」および「優先度」は、いずれのシャーシにも障害がない場合、一方のシャーシにおいてGRパーティション1を活性化し、他方のシャーシにおいてGRパーティション2を活性化するような方法で設定するとよい。
【0047】
6)SRPリンクをシャーシ間で接続する。これには、単にIPプロトコルを用いて一方のシャーシから他方のシャーシにメッセージを送出することを必然的に伴う場合がある。
【0048】
7)呼を新しいパーティションに送出する。ある種の実施形態では、これには、パーティションをどのように分割するかに応じて、AAAサーバ、外部エージェント、ルータなどを再コンフィギュレーションする必要がある場合もある。新しいサービスをGRパーティションに作成するとき、例えば、AAAまたはPDSNにおける外部コンフィギュレーションを作って、新しいサービスIPアドレスを設定し、加入者セッションを新しいサービスに送出する。
【0049】
シャーシを区分するとき、特定のセッションが同じパーティションからのリソース全てを用いることを確保するように、注意しなければならない。実施形態によっては、コンフィギュレーション有効性判断を用いて、セッションが同じパーティションからのリソースを用いることを確認し、そうしなければ発生する虞れがあるエラーやリソースの不均衡を回避することができる。
【0050】
ある種の実施形態では、SRPプロトコルに対する主要な変更が、パーティション概念の導入となる。シャーシ全体について状態を取り決めてセットする代わりに、SRPがパーティション毎に状態を取り決めてセットする。SRPリンク監視およびAAAサーバ/BGPピア監視方式を変更してこの修正に合わせる必要はない。
【0051】
何らかの障害が発生してSRPスイッチオーバーをトリガした場合、障害を発生したシャーシに関わるアクティブなパーティション全てを、他のアクティブなシャーシにおいて活性化する。パーティションのスイッチオーバーは、コマンドによって逆転可能にすることもできるが、その場合特定のパーティションへのスイッチ・バックには介入が必要となる。ある種の実施形態では、元のシャーシに戻す自動スイッチオーバーを実施しない理由は、ある種の障害の想定場面では、望ましくない反復(oscillating)スイッチオーバーが生ずる可能性があるからである。障害によってスイッチオーバーが発生した場合、ネットワーク運営者には、問題を適正に特定し解決してから、パーティションを切り替えて元に戻す機会が与えられる。ソフトウェアのアップグレードの間、双方のパーティションを一方のシャーシに移動させて、他方のシャーシをアップグレードすることを可能にするとよい。アップグレードの後、双方のパーティションを、アップグレードしたシャーシに移動させることができ、次いで他方のシャーシもアップグレードすることができる。
【0052】
図4は、本発明のある実施形態によるパーティションについての状態遷移を示す。図示する状態は、初期化状態「初期化」(Init)410、アクティブ状態「アクティブ」(Active)412、およびスタンバイ状態「スタンバイ」(Standby)414である。シャーシのパーティションは、通例初期化410において開始し、1つ以上の設定したピア・パーティションとの通信を確立しようとすることができる。図2に示すように、初期化からパーティションはアクティブ412またはスタンバイ414に遷移することができる。ピア・パーティションとの通信を確立した場合、3つの可能性が生ずる可能性がある。1)ピア・パーティションがアクティブ412である場合、初期化パーティションはスタンバイ414に遷移することができる。2)ピア・パーティションがスタンバイ414である場合、パーティションはアクティブ412に遷移することができる。3)ピア・パーティションが初期化410である場合、ピア・パーティションの特性識別子に応じて、パーティションはアクティブ412になるか、またはスタンバイ414に進むことができる。パーティションが初期化410であり、指定した時間期間以内にピアとの通信が確立されない場合、パーティションはアクティブ412に遷移することができる。ある種の実施形態では、アクティブ412へのいずれの遷移も、監視している全てのサービスがアップされ実行中であると考えられる場合でなければ、実行できないようにするとよい。
【0053】
パーティションがアクティブ412である場合、状況によってはスタンバイ414に遷移する可能性がある。例えば、パーティションが、同様にアクティブ412であるピア・パーティションからメッセージを受信した場合、2つの可能性が発生する可能性がある。1つの可能性は、パーティションが、ピア・パーティションから受信したルーティング属性をそれ自体のルーティング属性と比較し、判断規準または規則集合に応じてスタンバイ414に遷移することである。ある種の実施形態では、ルーティング属性はBGPルータから来て、BGP修正子である場合がある。別の実施形態では、属性競合(contention)メカニズムが存在する。属性競合メカニズムを利用するのは、比較する属性が互いに等しい場合である。属性競合メカニズムは、別の属性に従って、どのパーティションがスタンバイ414に変化すべきか判断することができる。ある実施形態では、別の可能性は、パーティションがアクティブ412であるが、サービスの障害(例えば、内部ソフトウェア・エラー)が発生して、パーティションがスタンバイ414に遷移し、ピア・パーティションにその遷移の意図を通知する。
【0054】
パーティションがスタンバイ414にある場合、状況によってはアクティブ412に遷移することもある。パーティションが、障害の監視のためにスタンバイ414に遷移しているピア・パーティションからからメッセージを受信したときに、アクティブ412に遷移することができる。別の可能性は、パーティションが、期限間隔以内にアクティブの対応するパーティションからメッセージを受信せず、そのパーティションがアクティブ412に遷移することである。
【0055】
図5は、本発明のある種の実施形態による二重シャーシ初期化場面についての状態遷移図およびシグナリング図である。図5は、シャーシ#1 510およびシャーシ#2 512を含み、双方とも2つのパーティションを含む。実施形態によっては、シャーシ上に更に多くのパーティションを実装することができ、当業者であれば、追加のパーティションを含むようにシャーシを修正することができるであろう。シャーシ#1 510およびシャーシ#2 512は、最初にオンラインに登場するときは、双方のパーティションを含む初期化状態にある。514および516における各パーティションは、次の状態遷移を決定するために、優先度およびBGP修正子を有する。ハロー・メッセージ518をシャーシ#1 510からシャーシ#2 512に伝達するために、プロトコルを用いる。メッセージはいずれのシャーシからでも来ることができるが、シャーシが受信する最初のメッセージが、520におけるように、状態遷移を開始する。522において、シャーシ#2 512はパーティション1をスタンバイに、そしてパーティション2をアクティブに遷移させる。この遷移は、各シャーシにおけるBGP修正子および優先度の比較に基づく。状態変化情報は、ハロー・メッセージ524において伝達される。526において、シャーシ#1 510は、シャーシ#2 512からハロー・メッセージを受信する。528において、シャーシ#1 510はパーティション1をアクティブに、パーティション2をスタンバイに遷移させる。状態変化情報は、ハロー・メッセージ530において送られる。532において、シャーシ#2 512はハローを受信するが、状態変化は必要ない。
【0056】
実施形態によっては、初期化メッセージを、同時にまたはほぼ同時に交換することができ、いずれの側の変化も、他方のシャーシから受信するBGP修正子および優先度情報に基づくことができる。ある種の実施形態では、パーティションの優先度情報が必要でない場合もある。各アクティブ・シャーシは、一方のパーティションをアクティブに、他方のパーティションをスタンバイにする。これは、シャーシによって任意に決定することができ、対応するパーティションとのSRPプロトコル・ハンドシェークの間に検証することができる。
【0057】
図6は、2つのシャーシ間におけるセッション・マネージャ状態およびチェックポイント・フロー・メッセージングを示す。シャーシ#1 610は、多数のセッション・マネージャ・インスタンス614、616、618、および620を含む。シャーシ#2は、対応する数のセッション・マネージャ・インスタンス622、624、626、および628を含む。実施形態によっては、セッション・マネージャは、加入者セッションに関するある種のイベントを制御し、インスタンス番号に基づいて集合化することができる。図6において、奇数のインスタンス番号が付けられたセッション・マネージャがパーティション1と関連付けられており、偶数のインスタンス番号が付けられたセッション・マネージャはパーティション番号2と関連付けられている。
【0058】
アクティブなパーティション(図6の614、618、624、および628)と関連付けられたセッション・マネージャ・インスタンスは、チェックポイント・メッセージ(図6の630、632、634、および636)をピア・シャーシにおける同じインスタンス番号のセッション・マネージャに送る。実施形態によっては、いずれの時点でも1つのみのシャーシにおいて、1つのパーティションがアクティブとなる場合もある。チェックポイント・メッセージは、アクティブ・セッション・マネージャが取り扱っている加入者セッションまたは呼に関する情報を含む。この情報は、どのセッションにデータが関与するのか、そしてスタンバイ・パーティション上に既に格納されているセッションを上書きすべきか否かを示すフィールドというようなものを含むことができる。チェックポイント・メッセージは、冗長セッションを作成および削除することができ、更に周期的にスタンバイ・パーティション上の加入者セッション統計を更新することができる。チェックポイント・メッセージは、スタンバイ・パーティションをアクティブ・パーティションに遷移させるときに、スタンバイ・パーティション上の呼を作成し直すために必要な情報を含むことができる。スタンバイ・パーティション・セッション・マネージャにおいて、1つのチェックポイント全体が加入者セッションに関する以前の情報を上書きすることができる。部分的な更新を行うために、マクロ・チェックポイントを用いることができる。種々のメッセージをどのように組み立てることができるかの一例を以下に示す。
【0059】
SRPメッセージ
【表5】

ここで新しい番号を追加する
【0060】
チェックポイント・メッセージ
【表6】

【0061】
図7は、本発明のある種の実施形態によるパーティション・セットアップおよびイベント受け渡しシグナリングを示す。図7に含まれる論理機能は、VPNマネージャ710、セッション・コントローラ712、奇数セッション・マネージャ・インスタンス714、偶数セッション・マネージャ・インスタンス716、および多重分離(demux)マネージャ718である。VPNマネージャは、シャーシにおけるソフトウェア・タスクとすることができ、IPインターフェースおよびIPプール・コンフィギュレーションを管理する。設定したコンテキスト毎に、1つのVPNマネージャ・タスクを実行することができる。
【0062】
セッション・コントローラ712は、ソフトウェア・タスクとすることができ、セッション・マネージャ・インスタンスを管理することを責務とする。実施形態によっては、シャーシにおいて実行するセッション・コントローラは1つという場合もある。セッション・コントローラ712は、シャーシのアクティブ・パーティションを監視し、セッション・マネージャ・インスタンスを作成および管理して、加入者セッション・タスクを取り扱う。図示のセッション・コントローラ712は、「SESSMGR_STATE_SUSPENDED」フラグを用いることができ、セッション・マネージャ(SESSMGR) インスタンス716をスタンバイ・パーティションに送る。加えて、セッション・コントローラ712は、セッション・マネージャ・インスタンス714および716からのパーティションに関する情報をマスクすることができる。セッション・マネージャ・インスタンス714および716は、セッション・コントローラ712が設定する、多重解除マネージャ718からのトラフィック・フローを受信することができる。多重解除マネージャ718は、ソフトウェアで実施する、データ・フローの内部ルータとすることができる。実施形態によっては、多重解除マネージャ718は、着信するトラフィックを注視して、処理のためにデータはパーティション内のどこに行けばよいか判断する。多重解除マネージャは、シャーシにおけるシグナリング多重解除タスクである。サービス・タイプ毎に、多重解除マネージャ・タスクを実行することができる。このソフトウェア・タスクの主な目的は、着信する新しいセッションを取り扱い、セッションをセッション・マネージャ・インスタンスに割り当てることである。多重解除マネージャは、パーティション内部における負荷均衡化にも用いることができる。
【0063】
地理的冗長性初期化メッセージ720をVPNマネージャ710からセッション・コントローラ712に送り、パーティション上で初期化するセッション・マネージャの数に関する情報を提供する。図6に示すように、奇数および偶数のセッション・マネージャ・インスタンスが、双方のシャーシに存在する。各パーティション上でアクティブになるセッション・マネージャのインスタンスをセットアップするために、別の地理的冗長性初期化メッセージ722を用いる。各パーティション上でスタンバイになるセッション・マネージャのインスタンスをセットアップするために、地理的冗長性初期化メッセージ724を用いる。VPNマネージャ710は、アクティブ・パーティション・メッセージ726を送る。このメッセージは、セッション・コントローラ712に、シャーシ上の1つまたは複数のパーティションを活性化する命令を供給する。セッション・コントローラ712は、セッション・マネージャ状態活性化メッセージ728を用いて、VPNマネージャ710が選択した活性化パーティションに常駐するインスタンスを活性化する。セッション・コントローラ712は、多重解除マネージャ718に、セッション・マネージャ・リスト・メッセージ730を供給する。セッション・マネージャ・リスト・メッセージ730は、どのセッション・マネージャがアクティブであり、どれが保留中であるか特定し、多重解除マネージャがそれに応じてトラフィック・フローを送出することができるようにする。パーティションに変更が生じスイッチオーバー・イベントが発生するに連れて、追加のセッション・マネージャ・リスト・メッセージを多重解除マネージャに供給することができる。
【0064】
実施形態によっては、インスタンス番号(奇数または偶数)に基づいてセッション・マネージャを集合化し、中央演算装置(CPU)間でセッション・マネージャを分散することもでき、奇数および偶数のインスタンス番号のセッションを各CPUに混合させる。これによって、1つのシャーシ上において一方のパーティションがアクティブであり、他方がスタンバイであるときに、CPUの利用度を高めることができる。何故なら、そのときは各CPUの処理パワーの一部を用いているからである。シャーシにおいていずれの時点でも偶数番号のセッション・マネージャ・インスタンスを用いることにより、セッション・マネージャを2つの殆ど等しい半分に分割して、パーティションが用いるようにすることを可能にすることができる。実施形態によっては、2つのシャーシが冗長対を形成するというような場合、アクティブ−アクティブ・モードをサポートするために、10パーセント余分な容量を計画することもある。2つよりも多いアクティブ・シャーシも可能な別の実施形態では、予約してある容量の量に応じて、セッション・マネージャの別の分割を用いることができる。
【0065】
アクティブ−アクティブ冗長性モード・グループをセットアップするとき、各シャーシが取り扱うことができる容量の量を決定しなければならない。2つのシャーシを用い、10パーセントの予約容量を計画する場合、各シャーシはその最大容量(セッション数、発呼率(call rate)、およびデータ・スループット)の45パーセントを用いることができる。障害の場合、加入者セッションの別の45パーセントを一方のアクティブ・シャーシに転送し、それを90パーセント利用させる。1つ以上のシャーシが、そのアーキテクチャのために、異なる量の呼を取り扱うことができる場合、動的負荷均衡メカニズムを用いて、それに応じて呼の量を分散することができる。
【0066】
予約容量を維持する理由は、ある実施形態では、スイッチオーバー・イベントに必要な負荷計算を取り扱うためである。シャーシが故障した場合、1つ以上のシャーシが、故障したシャーシからの全てのセッションを転送し作成し直すことができる。アクティブ−アクティブ・モードでは、シャーシは、1つのパーティションにおいて呼を復元し、別のパーティションにおいて呼を配給することを強いられる。シャーシ間の呼の復元はCPU集約的(intensive)である。加えて、アクティブ−アクティブ・モードをサポートするためには、コンフィギュレーションが追加のコンテキスト、サービス、およびIPプールを必要とする場合もある。このオーバーヘッドに対処するために、ある程度の予約容量を用いることができる。実施形態によっては、特定のアクティブ・パーティション上でシャーシが指定した容量のパーセントを超過した場合、トラップおよびイベント・ログを発生することもある。サービスを過負荷状態にセットし、特定のアクティブ・パーティション上で指定した容量のパーセントを負荷が超過した場合、新しい着信セッションを拒絶または再送出することもできる。
【0067】
パーティション毎に別個の入口コンテキストおよび出口コンテキストを用いることによって、シャーシ内におけるコンテキストの数が2倍になる場合もある。VPMマネージャはコンテキスト毎に開始するので、ある実施形態では、システムにおける出口/入口コンテキストの数が大きい場合、システムの容量に大きな影響を及ぼす虞れがある。既に多数のサービス(例えば、256サービス)を用いることを計画している顧客であれば、これらのサービスをパーティション間で分配すればよい。コンテキスト(例えば、入口、出口、およびAAA)を作成して、シャーシ上の各パーティションに割り当てることができる。しかしながら、2つ以上のAAAコンテキストをシャーシの中に有すると、シャーシがドメイン・コンフィギュレーションを用いているとき等に、ある種のコンフィギュレーションには問題となる可能性がある。これが問題となるのは、ドメインはコンテキスト全体にわたって一意でなければならないからである。実施形態によっては、異なるIPインターフェースを、コンテキストの内部で、パーティションに割り当てる場合もある。例えば、1つのシャーシが双方のアクティブ・パーティションを実行するとき、2つのアクティブなNAS-IP-ADDRESSが利用可能な場合がある。セッションは、異なるNAS-IP-ADDRESSを用いて介しすることができる。
【0068】
実施形態によっては、BGPのような動的ルーティング・プロトコルを用いず、アクティブ−アクティブ・シャーシ冗長性が望まれる場合がある。動的ルーティング・プロトコルを用いて、同じループバック・アドレスの新しいルートを広告し、ネットワーク・デバイスからのメッセージを正しく新たなルート上で転送するが、同じIPアドレスが用いられるので、変更はネットワーク・デバイスには明らかでない。別の手法は、ある実施形態では、メディア・アクセス制御(MAC)アドレス転送を用いることである。このMACアドレス手法は、共通IPサブネットがない動的ルーティング・プロトコル上で動作を行うことを可能にする。これの一例は、2つのシャーシを同じ物理接続によってネットワークに接続し、同じ地理的領域に配置することである。実施形態によっては、この実施態様には、SRP仮想MACアドレスを設定し、サブネットSRP活性化ループバック・アドレスとして作用することを伴うこともある。これによって、スタンバイ・シャーシ・パーティションがコール・フローを取り扱う際に、継ぎ目なくアクティブな役割を引き受けることが可能になる。図8は、共通IPサブネットを通じた動作のセットアップ800を示す。セットアップ800は、アクティブ・パーティション810、スタンバイ・パーティション812、スイッチ814、およびルータ816を含む。図8におけるIPサブネットは、ネットワーク10.0.0.x/24であり、この中にアクティブ・パーティション810およびスタンバイ・パーティション812が常駐する。スイッチオーバーの後、スタンバイ・パーティション812がアクティブとなり、ネットワーク・デバイスは同じ仮想MACアドレスを使い続け、現在アクティブなパーティションが共有ループバックIPアドレスにおいて要求に応答する。これによって、仮想MACアドレスはスイッチオーバーの間変化しないので、アクティブな遷移に対して速いスタンバイができるようにしておける。
【0069】
SRPリンク障害の場合、共通IPサブネットを伴う実施形態では、双方のシャーシ・パーティションはアクティブになろうとする。双方のシャーシが、割り当てられたポート上の仮想MACアドレスの要求を送ろうとするので、恐らくは、これは接続性の問題に至る可能性がある。応答がピアから受信される場合、スタンバイのシャーシ・パーティションはアクティブに遷移せず、ピアは正常に機能していると想定する。
【0070】
図9は、共通IPサブネットを用いる場合に伴うシグナリングを示す。図9は、移動体ノード910、外部エージェント912、シャーシ#1パーティション914、およびシャーシ#2パーティション916を含む論理エンティティを示す。918において、シャーシ#1パーティション914はアクティブであり、パケット・フローを受け入れて、パーティションの仮想MACアドレスを求めるアドレス解明プロトコル(ARP)要求に応答している。920において、シャーシ#2パーティション916は、スタンバイ・モードにあり、トラフィック・フローを取り扱い始めるためにスイッチオーバー・イベントを待っており、更に仮想MACアドレスのARP要求に応答している。新しい加入者セッションをセットアップするために、登録要求メッセージ922が、外部エージェント912から送られる。登録要求メッセージ922はアクティブなパーティション914に送られる。何故なら、それが要求に応答するパーティションであるからである。シャーシ#1 914は、呼のためのセットアップを開始し、登録回答メッセージ924で応答して、加入者セッションを確立できることを示す。926において、呼を確立し、928において、加入者データが移動体ノード910からアクティブ・パーティション914にフローし始める。
【0071】
930において、タイマが、シャーシ#1パーティション914に格納されているセッション情報のチェックポイント・メッセージ・バックアップを、シャーシ#2パーティション916上にミラーリングさせるきっかけを作る。サービス・チェックポイント・メッセージ932を用いて、シャーシ#1パーティション914上に確立した加入者セッションをミラーリングするための情報を搬送する。実施形態によっては、サービス・チェックポイント・メッセージ932の中で送るのは更新および変更のみである場合もある。別の実施形態では、アクティブな加入者セッションを維持するために必要な情報全てを、サービス・チェックポイント・メッセージ932の中で送る。934において、スイッチオーバー・イベントが、シャーシ#1パーティション914とシャーシ#2パーティション916との間で発生する。スイッチオーバー・イベントは、障害または計画したイベントによってトリガすることができる。936におけるスイッチオーバーの後、シャーシ#2パーティション916はアクティブとなり、仮想MACアドレスの所有権を取り、MACアドレスを公表するために、無償のARP公表を送る。シャーシ#1パーティション914はスタンバイ・モード938にあり、仮想MACアドレスの使用を放棄する。シャーシ#2パーティション916が、シャーシ#1パーティション914と同じループバック・サービス・アドレスおよび仮想MACアドレスの所有権を取得したので、他のネットワーク・デバイスは940においていずれの交換も分からない。加えて、シャーシ#2 916は、スイッチオーバー以前のアクティブなシャーシ#1パーティション914のミラー・イメージであったので、加入者セッションは欠落せず、スイッチオーバーは継ぎ目がない。942において、加入者データが移動体ノード910からシャーシ#2パーティション916にフローする。
【0072】
実施形態によっては、IPプール・ホルダ・タイマを用いて、切断したユーザが再接続の際に同じIPアドレスの割り当てが得られるようにする。したがって、IPプール・ホルダ・タイマ情報は、間接的にアクティブおよびスタンバイ・パーティション間で、セッション・チェックポイント・メッセージングによって送信する。スタンバイ・パーティション上では、スタンバイセッションが同じIPプールから同じIPアドレスを割り当てる。呼をリリースするとき、この情報をスタンバイ・パーティションにチェックポイント・メッセージを通じて送信する。スタンバイ・パーティション上でセッションをリリースし、アドレスを「使用中」から「保持」にアクティブおよびスタンバイ・パーティション双方において遷移させる。パーティションがIPアドレスを保持する時間量は、ユーザによってセットすることができ、またはリソースの可用性に応じて動的に変更することができる。
【0073】
実施形態の中には、プロセスを実施するために必要なソフトウェアが、C、C++、Java(登録商標)、またはPerlのような上位手続き言語またはオブジェクト指向言語を含む場合がある。また、ソフトウェアは、所望であれば、アセンブリ言語でも実施することができる。シャーシにおいて実施するパケット処理は、コンテキストによって決定される処理であればいずれでも含むことができる。例えば、パケット処理は、上位データ・リンク制御(HDLC)フレーミング、ヘッダ圧縮、および/または暗号化を伴う可能性がある。ある種の実施形態では、リード・オンリ・メモリ(ROM)、プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(PROM)、電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、あるいはこの文書に記載したプロセスを実行するために汎用または特殊目的演算装置によって読み取り可能な磁気ディスクのような、記憶媒体またはデバイス上にソフトウェアを格納する。実施形態の中には、マサチューセッツ州TweksburyのStarent Networks, Corp.のST16又はST40 Intelligent Mobile Gateway(IMG)上に、アクセス・ゲートウェイ、パケット・データ配給ノード(PDSN)、外部エージェント(FA)、またはホーム・エージェント(HA)を実装することがある。他の実施形態では、ゲートウェイ汎用パケット無線サービス・サービス・ノード(GGSN)、担当GPRSサポート・ノード(SGSN)、パケット・データ相互作業機能(PDIF)、アクセス・サービス・ネットワーク・ゲートウェイ(ASNGW)、基地局、アクセス・ネットワーク、ユーザ・プレーン・エンティティ(UPE)、IPゲートウェイ、アクセス・ゲートウェイ、セッション開始プロトコル(SIP)サーバ、プロキシ−呼セッション制御機能(P−CSCF)、および質問−呼セッション制御機能(I−CSCF)のような他の種類のデバイスを用いて、前述した方法およびプロトコルを用いてハンドオフを行うこともできる。
【0074】
ある種の実施形態では、前述のその他の種類のデバイスの1つ以上を互いに一体化すること、または同じデバイスによって設けることもある。例えば、アクセス・ネットワークをPDSNと一体化することができ、シャーシは、PDSN、FA、HA、GGSN、PDIF、ASNGW、UPE、IPゲートウェイ、アクセス・ゲートウェイ、またはその他の適用可能なアクセス・インターフェース・デバイスであればいずれでも含むことができる。
【0075】
実施形態の中には、ST16 IGMを用いて、デバイス間に高速ハンドオフ・インターフェースを設けることができる場合がある。ST16 IMGは、PDSN、GGSN、PDIF、ASNGW、FA、およびHAのような多くの種類の論理的デバイスまたは機能的デバイスを実施することができる。ST16 IMGは、アプリケーション・カードおよびライン・カードを装填するためのスロットを含む。ST16 IMGにおいてミッドプレーン(midplane)を用いて、インストールした種々のカード間におけるシャーシ内通信、電力接続、および伝達経路を設けることができる。ミッドプレーンは、スイッチ・ファブリック、制御バス、システム管理バス、冗長バス、および時分割多重(TDM)バスのようなバスを含むことができる。スイッチ・ファブリックは、アプリケーション・カードおよびライン・カード間にカード間通信を確立することによって実施したST16 IMG全体におけるユーザ・データのためのIPベース伝達経路である。制御バスは、ST16 IMG内部にある制御および管理プロセッサを相互接続する。ST16 IMGの管理バスは、給電、温度監視、ボード・ステータス、データ経路の障害、カードのリセット、およびその他のフェイルオーバ機構のようなシステム機能の管理を行うためにある。冗長バスは、ハードウェア障害の場合に、ユーザ・データの伝達を行い、冗長リンクを設ける。TDMバスは、システム上における音声サービスのサポートを設ける。
【0076】
ST16 IMGは、少なくとも2種類のアプリケーション・カード、スイッチ・プロセッサ・カードおよびパケット・アクセレレータ・カードをサポートする。スイッチ・プロセッサ・カードは、ST16 IMGのコントローラの役割を果たし、ST16 IMGの初期化、およびST16 IMG内にある別のカードへのソフトウェア・コンフィギュレーションの実装というようなことを責務とする。パケット・アクセレレータ・カードは、パケット処理および転送能力を備えている。各パケット・アクセレレータ・カードは、多数のコンテキストをサポートすることができる。ハードウェア・エンジンをカードと共に配置すれば、圧縮、分類トラフィック・スケジューリング、転送、パケット・フィルタリング、および統計編集(statistics compilation)のために並列分散処理をサポートすることが可能になる。
【0077】
パケット・アクセレレータ・カードは、制御プロセッサおよびネットワーク演算装置の使用によって、パケット処理動作を実行する。ネットワーク演算装置は、パケット処理要件を判断し、ユーザ・データ・フレームを種々の物理的インターフェースとの間で受信および送信し、IP転送の判断を行い、パケット・フィルタリング、フロー挿入、削除、および修正を実施し、トラフィック管理およびトラフィック・エンジニアリングを実行し、パケット・ヘッダを修正/追加/削除し、ライン・カード・ポートおよび内部パケットの伝達を管理する。制御プロセッサもパケット・アクセレレータ・カード上に配置され、パケットに基づくユーザ・サービスの処理を行う。ライン・カードは、ST16 IMGに装填されると、入力/出力接続機能を設け、冗長接続も設けることができる。
【0078】
オペレーティング・システム・ソフトウェアは、Linuxソフトウェア・カーネルに基づき、ST16 IMGにおいてタスクの監視やプロトコル・スタックの規定というような、特定のアプリケーションを走らせることができる。このソフトウェアによって、ST16 IMGのリソースを制御およびデータ経路に別個に割り当てることが可能となる。例えば、ある種のパケット・アクセレレータ・カードは、ルーティングまたはセキュリティ制御機能の実行専用にすることができ、一方他のパケット・アクセレレータ・カードはユーザ・セッション・トラフィックの処理専用とする。実施形態によっては、ネットワーク要件が変更されるに連れて、要件を満たすようにハードウェア・リソースを動的に配置することができる場合もある。システムは、技術機能(例えば、PDSN、ASNGW、またはPDIF)のような、サービスの多数の論理的インスタンスをサポートするために、仮想化することができる。
【0079】
ST16 IMGのソフトウェアは、特定の機能を実行する一連のタスクに分割することができる。これらのタスクは、必要に応じて、互いに通信し合い、ST16 IMG全体を通じて制御およびデータ情報を共有する。タスクとは、システム制御またはセッション処理に関する特定の機能を実行するソフトウェア・プロセスのことである。実施形態の中には、ST16 IMG内部で3種類のタスクが動作する場合もある。即ち、クリティカル・タスク、コントローラ・タスク、およびマネージャ・タスクである。クリティカル・タスクは、ST16 IMGの初期化、誤り検出、および復元タスクのような、ST16 IMGの呼を処理する能力に関係する機能を制御する。コントローラ・タスクは、ソフトウェアの分散性をユーザから遮蔽し、従属マネージャの状態を監視する、同じサブシステム内部においてマネージャ内通信に備える、そして他のサブシステムに属するコントローラと通信することによってサブシステム間通信を可能にするというようなタスクを実行する。マネージャ・タスクは、システム・リソースを制御し、システム・リソース間における論理的マッピングを維持することができる。
【0080】
アプリケーション・カード内にあるプロセッサ上でランする個々のタスクは、サブシステムに分割することができる。サブシステムとは、特定のタスクを実行するソフトウェア・エレメント、または多数の別のタスクの集合体である。1つのサブシステムが、クリティカル・タスク、コントローラ・タスク、およびマネージャ・タスクを含むことができる。ST16 IMG上で走ることができるサブシステムの一部は、システム起動タスク・サブシステム、高可用性タスク・サブシステム、復元制御タスク・サブシステム、共有コンフィギュレーション・タスク・サブシステム、リソース管理サブシステム、仮想プライベート・ネットワーク・サブシステム、ネットワーク演算装置サブシステム、カード/スロット/ポート・サブシステム、およびセッション・サブシステムを含む。
【0081】
システム起動タスク・サブシステムは、システム起動時に初期タスクの集合を起動し、必要に応じて個々のタスクを提供することを責務とする。高可用性タスク・サブシステムは、復元制御タスク・サブシステムと共に作動して、ST16 IMGの種々のソフトウェアおよびハードウェア・コンポーネントを監視することにより、ST16 IMGの動作状態を維持する。復元制御タスク・サブシステムは、ST16 IMG内で発生した障害に対して復元措置を実行することを責務とし、高可用性タスク・サブシステムから復元措置を受け取る。共有コンフィギュレーション・タスク・サブシステムは、ST16 IMGに、ST16 IMGコンフィギュレーション・パラメータ変更の通知を設定し、読み取り、受信する能力を設け、ST16 IMG内部で走るアプリケーションのコンフィギュレーション・データを格納することを責務とする。リソース管理サブシステムは、リソース(例えば、プロセッサおよびメモリ能力)をタスクに割り当て、タスクのリソース使用を監視することを責務とする。
【0082】
仮想プライベート・ネットワーク(VPN)サブシステムは、ST16 IMG内にあるVPN関連ティティの統括(administrative)および動作の面を管理する。VPN関連エンティティには、別個のVPNコンテキストの作成、VPNコンテキストにおけるIPサービスの開始、IPプールおよび加入者IPアドレスの管理、ならびにVPNコンテキスト内部におけるIPフロー情報の分配が含まれる。実施形態によっては、ST16 IMG内部で、特定のVPNコンテキスト内においてIP動作が行われる場合がある。ネットワーク演算装置サブシステムは、ネットワーク演算装置について先にリストに纏めた機能の多くを責務とする。カード/スロット/ポート・サブシステムは、新たに挿入したカード上におけるポートの発見および構成設定(configuration)のようなカードのアクティビティに関して行われるイベントを調整し、ライン・カードがどのようにアプリケーション・カードにマッピングするか判断することを責務とする。セッション・サブシステムは、実施形態によっては、移動体加入者のデータ・フローを処理し監視することを責務とする場合がある。移動体データ通信のためのセッション処理タスクには、例えば、CDMAネットワークに対するA10/A11終端、GPRSおよび/またはUMTSネットワークに対するGSMトンネリング・プロトコル終端、非同期PPP処理、パケット・フィルタリング、パケット・スケジューリング、ディフサーブ・コードポイント・マーキング(Difserv codepoint marking)、統計収集、IP転送、およびAAAサービスが含まれる。これらの項目の各々に対する責務は、従属タスクに跨って分散し(コールされたマネージャ)、処理効率の向上および冗長性の増大を図ることができる。別個のセッション・コントローラ・タスクは、一体制御ノードとしての役割を果たし、マネージャを規制および監視し、他のアクティブなサブシステムと通信する。また、セッション・サブシステムは、ペイロード変換、フィルタリング、統計収集、方針決定(policing)、およびスケジューリングのような、特殊なユーザ・データ処理も管理する。
【0083】
以上、前述の実施形態例において本発明を説明および例示したが、本開示は、一例として行ったに過ぎず、本発明の実施態様の詳細において、本発明の主旨や範囲から逸脱することなく、多数の変更が可能であることは言うまでもない。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲のみによって限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明のある種の実施形態による論理ネットワーク図である。
【図2】図2は、本発明のある種の実施形態によるアクティブ・スタンバイ冗長性のためのソフトウェア・コンフィギュレーション模式図である。
【図3】図3は、本発明のある種の実施形態によるアクティブ・スタンバイ冗長性のためのソフトウェア・コンフィギュレーション模式図である。
【図4】図4は、本発明のある種の実施形態によるシャーシにおけるパーティションの状態遷移の状態図である。
【図5】図5は、本発明のある種の実施形態による状態遷移のシグナリング図である。
【図6】図6は、本発明のある種の実施形態によるアクティブ−アクティブ・シャーシにおけるセッション情報の更新に関する模式図である。
【図7】図7は、本発明のある種の実施形態によるイベント受け渡しのシグナリング図である。
【図8】図8は、本発明のある種の実施形態による、共通IPサブネット上の動作の模式図である。
【図9】図9は、共通IPサブネット上の動作を伴うスイッチオーバー・イベントのシグナリング図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パーティションと第2パーティションとを含む第1シャーシと、
前記第1シャーシと動作可能に通信し、第1パーティションと第2パーティションとを含む第2シャーシと、
を備えており、
前記第1シャーシの第1パーティションは、加入者セッション・トラフィックを受け入れて、少なくとも1つの更新を前記第2シャーシの第1パーティションに送り、
前記第2シャーシの第1パーティションは、前記第1シャーシの第1パーティション上の加入者セッション情報に対応する加入者セッション情報を保持する、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、前記第1シャーシはホーム・エージェントを実装している、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、更に、前記第1シャーシは、転送制御プロトコル(TCP)に基づく、サービス冗長性プロトコル(SRP)を用いて、前記第2シャーシと通信することを含む、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記第1パーティションは、入口コンテキストと出口コンテキストとを含み、前記入口コンテキストおよび前記出口コンテキストは、各々、インターフェースを含む、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、前記第1シャーシは、認証、許可、およびアカウンティング(AAA)コンテキストと、サービス冗長性プロトコル(SRP)コンテキストとを含む、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、前記第1シャーシは、前記第1シャーシの第1パーティションを監視するためのセッション・コントローラと、加入者セッション・タスクを取り扱うためのセッション・マネージャとを含む、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、前記第1シャーシの第2部分は、スタンバイ・モードにある、システム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムにおいて、前記第1シャーシの第1パーティションは、双方のパーティションに共通のループバック・アドレスを用いる、システム。
【請求項9】
第1シャーシにおける第1パーティションにおいて加入者セッション・トラフィックを受信するステップと、
前記第1シャーシにおける第1パーティションからの情報を用いて、第2シャーシにおける第1パーティションを更新するために、チェックポイント・メッセージを送るステップと、
前記第2シャーシにおける第1パーティションが、前記第1シャーシにおける前記第1パーティションと共有する共通ループバック・アドレスを広告するときに、スイッチオーバー・イベントを開始するステップと、
前記チェックポイント・メッセージの中で受信した情報を用いて、前記第2シャーシ内の第1パーティションにおいて受信した加入者セッション・トラフィックを処理するステップと、
を備えている、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、更に、属性を有するハロー・メッセージを交換することによって、どのパーティションがアクティブに遷移するか判定を行うステップを備えている、方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法であって、更に、入口コンテキストと出口コンテキストを前記第1シャーシの中に設けるステップを備えている、方法。
【請求項12】
請求項9記載の方法であって、更に、転送制御プロトコル(TCP)に基づくサービス冗長性プロトコル(SRP)を用いて、前記第1シャーシと前記第2シャーシとの間で通信するステップを備えている、方法。
【請求項13】
請求項9記載の方法であって、更に、前記第1パーティションを監視するためにセッション・コントローラを設け、加入者セッション・タスクを取り扱うためにセッション・マネージャ・インスタンスを設けるステップを備えている、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法であって、更に、スタンバイ・パーティションにおいて、前記セッション・マネージャ・インスタンスに、保留状態を規定するステップを備えている、方法。
【請求項15】
請求項9記載の方法であって、更に、共通IPサブネットを通じた動作のために、仮想メディア・アクセス制御(MAC)アドレスを供給するステップを備えている、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、更に、IPホールド・タイマが決定する時間量の間、切断したユーザのIPアドレスを保持するステップを備えている、方法。
【請求項17】
加入者セッション・トラフィックを受信する手段と、
前記受信する手段からの情報を用いて、第2シャーシにおいて第1パーティションを更新するために、チェックポイント・メッセージを送る手段と、
前記第2シャーシにおける第1パーティションが、前記受信する手段と共有する共通ループバック・アドレスを広告するときに、スイッチオーバー・イベントを開始する手段と、
前記チェックポイント・メッセージの中で受信した情報を用いて、前記第2シャーシ内の第1パーティションにおいて受信した加入者セッション・トラフィックを処理する手段と、
を備えている、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−532948(P2009−532948A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503090(P2009−503090)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/008302
【国際公開番号】WO2007/117461
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(503264352)スターレント ネットワークス コーポレイション (19)
【Fターム(参考)】