説明

アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物及びレーザーマーキング方法

【課題】透明感があり、鮮明な着色が可能であり、レーザー光照射により黄み、赤みの少ない鮮明な白色文字、記号等を、車載部材、電気・電子部品等にマーキングすることができ、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、及び表面光沢に優れるアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】所定のアクリル樹脂(A)30〜70質量%、及び所定の透明ABS樹脂(B)30〜70質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)を含む混合樹脂と、混合樹脂100質量部に対して、0.0005〜5質量部のレーザー光エネルギー吸収剤と、を含有するアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザー光線照射により、濃色の生地色とレーザー光線照射部のコントラストが高く、鮮明で白色の文字、記号、図形等を成形体表面にマーキングすることができるアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物及びそれを用いたレーザーマーキング方法に関し、更に詳しくは、車載部材、電気・電子部品等に用いられるプラスチックに、生地色と印字部のコントラストが高く、黄み、赤みの少ない、鮮明な白色文字、記号等をマーキングすることができ、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、及び表面光沢に優れるアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物及びそれを用いたレーザーマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、産業のほとんどあらゆる分野で、製品のラベルやマークは必要不可欠なものである。例えば、電気製品、電子部品等の樹脂成形品の表面に文字、記号等をマーキングする方法として、インクを用いたタンポ印刷、シルク印刷等が用いられている。しかしながら、これらのインクを用いるマーキング方法では、インクが飛散するという問題のほか、マーキングに時間がかかり生産性が悪いという問題や、インクの密着性不足により耐久性が劣るという問題があった。そこで、これらの問題を解決するため、レーザー光線を照射してプラスチック成形品の表面に文字、記号等を印刷するレーザーマーキング法やそれに用いるための樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
このような従来のレーザーマーキング法は、プラスチック成形品の表面に印字する方法であり、具体的には、熱可塑性樹脂にカーボンブラックや低次酸化チタン等の添加剤を混練して成形した地色が黒色のプラスチック成形品に、レーザー光線を照射して、その表面に白色文字、白色記号、白色図柄等を発現させる方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−120133号公報
【特許文献2】特開平8−127175号公報
【特許文献3】特開平8−127670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来のレーザーマーキング法や樹脂組成物によっても、いまだ視認性が高く、鮮明でコントラストが十分なマーキングが得られておらず、より鮮明でコントラストが十分なマーキングが得られるレーザーマーキング用樹脂組成物とレーザーマーキング方法が要請されている。
【0006】
また、近年、パソコンの普及から、インクを用いた印刷方法では、キーボードの文字・記号の印刷が使用していくうちに擦られて不鮮明になるという問題があるため、レーザーマーキングによる印刷方法が使用されはじめている。しかし、特にノートパソコンでは、電車内、自動車内、屋外等、種々の環境で使用されたり、また、長時間置いておかれたりする場合があり、特に自動車内では車内温度が夏場ではかなりの高温となるため、キーボードに使用される樹脂材料の耐熱性が要求されてきている。
【0007】
本発明は、この様な、耐熱性と鮮明なレーザーマーキング性を併せ持ったレーザーマーキング用樹脂組成物を提供する事にあり、その課題とするところは、透明感があり、鮮明な着色が可能であり、レーザー光照射により黄み、赤みの少ない鮮明な白色文字、記号等を、車載部材、電気・電子部品等にマーキングすることができ、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、及び表面光沢に優れるアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定のアクリル樹脂及び所定の透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂を含む混合樹脂と、レーザー光エネルギー吸収剤と、を含有することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、以下に示すアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物及びレーザーマーキング方法が提供される。
【0010】
[1]アクリル樹脂(A)30〜70質量%、及び透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(B)30〜70質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)を含む混合樹脂と、前記混合樹脂100質量部に対して、0.0005〜5質量部のレーザー光エネルギー吸収剤と、を含有し、前記アクリル樹脂(A)の、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が95℃以上、及びISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が1kJ/m以上であり、前記透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(B)の、厚み3mmの成形品の全光線透過率が85%以上、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が70℃以上、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m以上、及びISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)が110以上であるアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【0011】
[2]前記混合樹脂の、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が86℃以上、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m以上、及びISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)が115以上である前記[1]に記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【0012】
[3]前記混合樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部の着色剤を更に含有する前記[1]又は[2]に記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【0013】
[4]前記レーザー光エネルギー吸収剤が、カーボンブラック、金属酸化物、金属窒化物、及び金属硫化物からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【0014】
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物からなる成形体の表面に、そのレーザー媒質が、ネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット又はイットリウム−四酸化バナジウムである固体レーザー光線を照射して印字するレーザーマーキング方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、透明感があり、鮮明な着色が可能であり、レーザー光照射により黄み、赤みの少ない鮮明な白色文字、記号等を、車載部材、電気・電子部品等にマーキングすることができ、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、及び表面光沢に優れるという効果を奏するものである。
【0016】
また、本発明のレーザーマーキング方法によれば、透明感があり、鮮明な着色が可能であり、レーザー光照射により黄み、赤みの少ない鮮明な白色文字、記号等を、車載部材、電気・電子部品等にマーキングすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0018】
I アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物
本発明のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、アクリル樹脂(A)及び透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(B)(以下、「ABS樹脂(B)」ともいう)を含む混合樹脂と、レーザー光エネルギー吸収剤と、を含有するものである。また、着色剤を更に含有するものであることが好ましい。
【0019】
1 混合樹脂
混合樹脂は、アクリル樹脂(A)30〜70質量%及び透明ABS樹脂(B)30〜70質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)を含むものである。アクリル樹脂(A)の含有割合が30質量%未満、透明ABS樹脂(B)の含有割合が70質量%超であると、耐熱性と表面硬度に劣り、レーザー発色性や着色鮮明性に劣る場合がある。一方、アクリル樹脂(A)の含有割合が70質量%超、透明ABS樹脂(B)の含有割合が30質量%未満であると、耐衝撃性が不十分な場合がある。
【0020】
また、混合樹脂は、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が86℃以上、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m以上、及びISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)が115以上のものであることが好ましい。このような混合樹脂を含有することで、透明感があり、鮮明な着色が可能であり、レーザー光照射により黄み、赤みの少ない鮮明な白色文字、記号等を、車載部材、電気・電子部品等にマーキングすることができ、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、及び表面光沢に優れるアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を製造することができる。
【0021】
混合樹脂の、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度は86℃以上であることが好ましい。荷重たわみ温度が86℃未満であると、例えば、ノートパソコンのキートップに使用された場合に、自動車内での夏場の高温に耐えられず、キートップが変形をおこす等、耐熱性が劣ることによる問題が生じる場合がある。
【0022】
また、混合樹脂の、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度は5kJ/m以上であることが好ましい。ノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m未満であると、例えば、ノートパソコンのキートップに使用された場合に、成形時や保管時の落下や他の物体との衝突等にて、キートップにクラックが入る等の問題が生じる場合がある。なお、ノッチ付きシャルピー衝撃強度の上限については特に限定されないが、20kJ/m以下であることが好ましい。
【0023】
更に、混合樹脂の、ISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)は115以上であることが好ましい。ロックウェル硬度(Rスケール)が115未満であると、例えば、ノートパソコンやゲーム機のキートップに使用された場合に、表面に傷がつき易く、言い換えれば、耐擦り傷性が十分ではないという問題が生じる場合がある。なお、ロックウェル硬度(Rスケール)の上限については特に限定されないが、125以下であることが好ましい。
【0024】
(1) アクリル樹脂(A)
アクリル樹脂(A)は、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が95℃以上、及びISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が1kJ/m以上のアクリル樹脂であれば特に限定されるものではない。このようなアクリル樹脂として、具体的には、商品名「パラペット HR−L」(クラレ社製)、商品名「アクリペット VH」(三菱レーヨン社製)、商品名「デルペット80N」、商品名「デルペット980N」(以上、旭化成ケミカルズ社製)等を挙げることができる。
【0025】
アクリル樹脂(A)の、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度は95℃以上である。荷重たわみ温度が95℃未満であると、混合樹脂の耐熱性が劣る場合がある。なお、荷重たわみ温度の上限については特に限定されないが、120℃以下であることが好ましい。
【0026】
また、アクリル樹脂(A)の、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度は1kJ/m以上である。ノッチ付きシャルピー衝撃強度が1kJ/m未満であると、混合樹脂の耐衝撃性に劣る場合がある。なお、ノッチ付きシャルピー衝撃強度の上限については特に限定されないが、10kJ/m以下であることが好ましい。
【0027】
アクリル樹脂(A)の含有割合は、混合樹脂100質量%に対して、30〜70質量%であり、30〜50質量%であることが好ましい。アクリル樹脂(A)の含有割合が、30質量%未満であると、表面硬度や耐熱性に劣り、レーザー発色性や着色鮮明性に劣る場合がある。一方、70質量%超であると、耐衝撃性が不十分な場合がある。
【0028】
(2) 透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(B)
透明ABS樹脂(B)は、厚み3mmの成形品の全光線透過率が85%以上、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が70℃以上、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m以上、及びISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)が110以上である透明ABS樹脂であれば特に限定されるものではない。このような透明ABS樹脂として具体的には、商品名「テクノABS H814」(テクノポリマー社製)、商品名「ノバロイ E80」(ダイセルポリマー社製)等を挙げることができる。なお、本明細書中、「透明」とは、厚み3mmの成形品の全光線透過率は85%以上であることをいう。
【0029】
透明ABS樹脂(B)の、厚み3mmの成形品の全光線透過率は85%以上である。全光線透過率が85%未満であると、着色の鮮明性に欠け、レーザー光照射による白色マーキング部の白色度の低下が生じることにより、マーキング部の黒/白コントラストが不十分となり、十分なマーキング性が確保できない問題が生じたり、マーキングの視認性に問題を生じたりする場合がある。なお、全光線透過率の上限については特に限定されないが、90%以下であることが好ましい。
【0030】
また、透明ABS樹脂(B)の、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度は70℃以上であり、80℃以上であることが好ましい。荷重たわみ温度が70℃未満であると、混合樹脂の耐熱性が劣る場合がある。なお、荷重たわみ温度の上限については特に限定されないが、100℃以下であることが好ましい。
【0031】
更に、透明ABS樹脂(B)の、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度は5kJ/m以上である。ノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m未満であると、混合樹脂の耐衝撃性が劣る場合がある。なお、ノッチ付きシャルピー衝撃強度の上限については特に限定されないが、20kJ/m以下であることが好ましい。
【0032】
また、透明ABS樹脂(B)の、ISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)は110以上である。ロックウェル硬度(Rスケール)が110未満であると、混合樹脂の表面硬度が低下し、耐擦り傷性、耐磨耗性が低下したり、混合樹脂の耐熱性が劣ったりする場合がある。なお、ロックウェル硬度(Rスケール)の上限については特に限定されないが、120以下であることが好ましい。
【0033】
透明ABS樹脂(B)の含有割合は、混合樹脂100質量%に対して、30〜70質量%であり、50〜70質量%であることが好ましい。透明ABS樹脂(B)の含有割合が、30質量%未満であると、耐衝撃性が不十分な場合がある。一方、70質量%超であると、耐熱性や表面硬度に劣り、レーザー発色性や着色鮮明性に劣る場合がある。
【0034】
2 レーザー光エネルギー吸収剤
レーザー光エネルギー吸収剤は、レーザー光を吸収して光を熱エネルギーに変換し、発生した熱により混合樹脂表面を炭化させて印字するための化合物である。YAGレーザー、YVOレーザー等の固体レーザーの基本波長である1064nm、及び/又は、その半波長である532nmのレーザー光を吸収する物質であれば特に制限はないが、カーボンブラック、金属酸化物、金属窒化物、及び金属硫化物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
【0035】
カーボンブラックとしては、その製法によりファーネスブラック、チャネルブラック、サーマルブラック等に、また原料の違いによりアセチレンブラック、ケッチェンブラック、オイルブラック、ガスブラック等に分類されるが、本発明では、これらのいずれをも使用することができる。また、金属酸化物として、具体的には、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化カルシウム、ITO(酸化インジウムスズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、低次酸化チタンと称される、一酸化チタン、二・三酸化チタン、三・五酸化チタン等の、一般にTi2n−1(n=1、2、3)で表される酸化チタンや、一般にTiO(m=1〜1.99)で表される酸化チタンも挙げることができる。なお、チタンブラックと称される酸化チタンは、TiO(n=0.1〜1.9)である。これらの低次酸化チタンは、レーザー光のエネルギーにより低次酸化チタンが酸化して、白色を有するTiOの形成が起こり、より白く発色する作用を有する。
【0036】
金属窒化物、金属硫化物としては、窒化チタン、硫化亜鉛等を挙げることができる。
【0037】
レーザー光エネルギー吸収剤の含有量は、混合樹脂100質量部に対して、0.0005〜5質量部であり、0.001〜1質量部であることが好ましい。含有量が0.0005質量部未満であると、レーザー照射による熱の発生が少ないため、発色性が劣る場合がある。一方、5質量部超であると、レーザー照射により熱が発生し過ぎるため、発色部分が焦げた状態となり発色性が劣る場合がある。
【0038】
3 着色剤
着色剤としては、例えば、無機顔料、有機顔料、染料等がある。無機顔料として、具体的には、白色顔料、黄色顔料、赤色顔料、青色顔料等を挙げることができる。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛等がある。また、黄色顔料としては、例えば、酸化鉄、チタンイエロー等がある。更に、赤色顔料としては、例えば、酸化鉄等がある。また、青色顔料としては、例えば、コバルトブルー、群青等がある。また、有機顔料として、具体的には、モノアゾ、縮合アゾ、ジスアゾ、複素環、キナクリドン、ペリレン、フタロシアニン等を挙げることができる。更に、染料として、具体的には、モノアゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、ペリノン、チオインヂゴ等を挙げることができる。
【0039】
これらの着色剤を使用して生地色を黒及び濃彩色に着色し、レーザー光照射により白色に発色させる場合に、レーザー光照射により発生する熱により、樹脂のヤケによる赤みが発生する事がある。この様な場合に、青色系の、有機顔料、無機顔料、及び染料からなる群より選択される少なくとも一種の着色剤を補色剤として使用することがある。
【0040】
着色剤の含有量は、混合樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜5質量部であることが更に好ましく、0.1〜3質量部であることが特に好ましい。着色剤の含有量が0.001質量部未満であると、着色力が十分ではない場合がある。一方、10質量部超であると、混合樹脂の機能が十分に発揮されなくなる(即ち、混合樹脂を含有することによって得られる利点が得られなくなる)場合がある。
【0041】
4 他の添加剤
なお、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物には、必要に応じて、その特性を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば、滑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加することができる。
【0042】
本発明のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダー等を用いて、各成分を混練することにより得られる。各成分を混練する際は、一括して混練してもよく、数回に分けて添加混練してもよい。
【0043】
II レーザーマーキング方法
本発明のレーザーマーキング方法は、「I アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物」に記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物からなる成形体の表面に、そのレーザー媒質が、ネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット(以下、「YAG」ともいう)又はイットリウム−四酸化バナジウム(以下、「YVO」ともいう)である固体レーザー光線を照射して印字する方法である。このようなレーザー照射によるマーキングは、成形体中に存在するレーザー光エネルギー吸収剤が、レーザー光によって発熱し、この熱によって成形体の所望の部分を発色させる。そのため、曲面等の部分であっても容易に印字することができ、また、印字部分が剥げ落ちることがないという利点がある。
【0044】
アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物から成形体を調製する方法は特に限定されるものではなく、射出成形、シート押出、真空成形、異形押出、発泡成形、インクジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形等によって行うことができ、車載部材、電気・電子部品等に用いることができる。
【0045】
レーザー光線としては、YAGレーザー、YVOレーザー等の固体レーザーを用いる。レーザー光線は、シングルモードでもよく、マルチモードでもよい。また、ビーム径が20〜40μmのように絞ったレーザー光線のほか、ビーム径が80〜100μmのごとく広いレーザー光線も用いることができるが、シングルモードで、ビーム径が20〜40μmのレーザー光線が、コントラストが良好な印字品質を得る点で好ましい。
【0046】
レーザー光線としては、固体レーザー以外にも、He−Neレーザー、Arレーザー、COレーザー、エキシマレーザー等の気体レーザー、半導体レーザー、色素レーザー等がある。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
【0048】
[レーザー発色性の評価]:Nd・YAGレーザー(ロフィンバーゼル社製、RSM30D)を使用して、レーザー照射速度400mm/secにてレーザー発色性の評価を行った。評価に際しては、レーザー照射により発色した部分と生地部分とのコントラストの良否を以下の基準により目視にて評価した。
◎:白発色視認性が良好で、黄みがほとんどない。
○:白発色視認性が良好で、わずかに黄みがある。
△:白発色視認性が良好であるが、黄み、赤みが強い。
×:白発色視認性に劣る。
【0049】
[コントラスト性の評価(明度差△L)]:成形体表面と、レーザー光による発色表面部分の明度差を、東京電色社製「カラーアナライザーTC−1900MK−II」を用いて測定し、下記のように評価した。
◎:△L≧40
○:△L=30〜39
△:△L=15〜29
×:△L<15
【0050】
[ノッチ付シャルピー衝撃強度(kJ/m)]:ISO−179に準じて、ノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。
【0051】
[荷重たわみ温度(℃)]:ISO−75に準じて、エッジワイズ法、荷重=1.82MPaにて熱変形温度を測定した。
【0052】
[ロックウェル硬度(Rスケール)]:ISO−2039.2に準じて、ロックウェル硬度(Rスケール)を測定した。なお、比較例1に関しては、ISO−2039.2に準じて、ロックウェル硬度(Mスケール)を測定した。
【0053】
[全光線透過率]:日本電色工業社製のヘイズメーター(商品名「NDH 2000」)、及び分光光度計(商品名「EYE7000」、マクベス社製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
【0054】
[表面光沢]:JIS Z8741に準じて、60°光沢を測定した。
【0055】
[着色鮮明性の評価]:着色成形品の着色鮮明性を以下の基準にて評価した。
◎:鮮明性に優れる。
○:鮮明性良好。
△:鮮明性が劣る。
×:着色がくすんでいる。
【0056】
(実施例1)
アクリル樹脂(A−1)として、クラレ社製「パラペット HR−L」50部、及び透明ABS樹脂(B−1)として、テクノポリマー社製「テクノABS H814」50部を240℃で押出成形して混合樹脂のペレットを得た。これを100℃にて2時間予備乾燥した後、240℃にて射出成形を行い、各種評価試験を行った。ノッチ付きシャルピー衝撃強度は6kJ/mであり、荷重たわみ温度は90℃であり、表面光沢は89であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であった。
【0057】
また、アクリル樹脂(A−1)として、クラレ社製「パラペット HR−L」50部、及び透明ABS樹脂(B−1)として、テクノポリマー社製「テクノABS H814」50部を含む混合樹脂100部に、カーボンブラック(三菱化学社製、#2300、平均粒子径=15nm、ジブチルフタレート給油量=320mL/100gr)0.09部、酸化チタン(石原産業社製、CR−60−2)0.1部、分散剤として、ステアリン酸アミド0.1部、及び青色補色剤として、アンスラキノン系染料(三菱化学社製、ダイタレジンブルーK)0.03部を配合し、240℃で押出成形してアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のペレットを得た。これを100℃にて2時間予備乾燥した後、240℃にて射出成形を行い、各種評価試験を行った。レーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は6kJ/mであり、荷重たわみ温度は90℃であり、表面光沢は89であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0058】
なお、アクリル樹脂(A−1)の荷重たわみ温度は102℃であり、ノッチ付シャルピー衝撃強度は1.4kJ/mであった。また、透明ABS樹脂(B−1)の荷重たわみ温度は85℃であり、ノッチ付シャルピー衝撃強度は8kJ/mであり、ロックウェル硬度(Rスケール)は114であり、厚み3mmの成形品での全光線透過率は88%であった。
【0059】
(実施例2)
アクリル樹脂(A−1)の代わりにアクリル樹脂(A−2)として、三菱レーヨン社製「アクリペット VH」を用いたこと以外は実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は6kJ/mであり、荷重たわみ温度は89℃であり、表面光沢は88であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は6kJ/mであり、荷重たわみ温度は89℃であり、表面光沢は88であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0060】
なお、アクリル樹脂(A−2)の荷重たわみ温度は102℃であり、ノッチ付シャルピー衝撃強度は1.4kJ/mであった。
【0061】
(実施例3)
アクリル樹脂(A−1)30部及び透明ABS樹脂(B−1)70部を含む混合樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は8kJ/mであり、荷重たわみ温度は89℃であり、表面光沢は86であり、ロックウエル硬度は120(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は8kJ/mであり、荷重たわみ温度は89℃であり、表面光沢は86であり、ロックウエル硬度は120(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0062】
(実施例4)
アクリル樹脂(A−1)70部及び透明ABS樹脂(B−1)30部を含む混合樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は5kJ/mであり、荷重たわみ温度は92℃であり、表面光沢は90であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は5kJ/mであり、荷重たわみ温度は92℃であり、表面光沢は90であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0063】
【表1】

【0064】
表1に示すように、実施例1〜4のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、透明感のある鮮明な着色が得られ、レーザー光照射による黄みがほとんどなく、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、表面光沢、レーザー発色性、及びコントラスト性に優れるものであった。
【0065】
(比較例1)
アクリル樹脂(A−1)を単独で使用したこと以外は、実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は1.2kJ/mであり、荷重たわみ温度は102℃であり、表面光沢は91であり、ロックウエル硬度は102(Mスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は1.2kJ/mであり、荷重たわみ温度は102℃であり、表面光沢は91であり、ロックウエル硬度は102(Mスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0066】
(比較例2)
透明ABS樹脂(B−1)を単独で使用したこと以外は、実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は9kJ/mであり、荷重たわみ温度は85℃であり、表面光沢は82であり、ロックウエル硬度は114(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「△」であり、コントラスト性の評価は「○」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は9kJ/mであり、荷重たわみ温度は85℃であり、表面光沢は82であり、ロックウエル硬度は114(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「△」であった。
【0067】
(比較例3)
アクリル樹脂(A−1)50部及びアクリル樹脂(A−3)として三菱レーヨン社製「VRL−40」50部を含む混合樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は4kJ/mであり、荷重たわみ温度は83℃であり、表面光沢は89であり、ロックウエル硬度は115(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は4kJ/mであり、荷重たわみ温度は83℃であり、表面光沢は89であり、ロックウエル硬度は115(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0068】
なお、アクリル樹脂(A−3)の荷重たわみ温度は94℃であり、ノッチ付シャルピー衝撃強度は7kJ/mであった。
【0069】
(比較例4)
アクリル樹脂(A−1)20部及び透明ABS樹脂(B−1)80部を含む混合樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は9kJ/mであり、荷重たわみ温度は82℃であり、表面光沢は81であり、ロックウエル硬度は116(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「○」であり、コントラスト性の評価は「○」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は9kJ/mであり、荷重たわみ温度は82℃であり、表面光沢は81であり、ロックウエル硬度は116(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「△」であった。
【0070】
(比較例5)
アクリル樹脂(A−1)80部及び透明ABS樹脂(B−1)20部を含む混合樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は2kJ/mであり、荷重たわみ温度は92℃であり、表面光沢は90であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は2kJ/mであり、荷重たわみ温度は92℃であり、表面光沢は90であり、ロックウエル硬度は121(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0071】
(比較例6)
透明ABS樹脂(B−1)の代わりに透明ABS樹脂(B−2)として、商品名「デンカABS TE20S」(電気化学工業社製)50部を用いたこと以外は実施例1と同様にして混合樹脂及びアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物を得た。これらを用いて各種評価を行った。混合樹脂のノッチ付きシャルピー衝撃強度は8kJ/mであり、荷重たわみ温度は82℃であり、表面光沢は87であり、ロックウエル硬度は118(Rスケール)であった。また、アクリル系レーザーマーキング樹脂組成物のレーザー発色性の評価は「◎」であり、コントラスト性の評価は「◎」であり、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は8kJ/mであり、荷重たわみ温度は82℃であり、表面光沢は87であり、ロックウエル硬度は118(Rスケール)であり、着色鮮明性の評価は「◎」であった。
【0072】
なお、透明ABS樹脂(B−2)の荷重たわみ温度は73℃であり、ノッチ付シャルピー衝撃強度は10kJ/mであり、ロックウェル硬度(Rスケール)は103であり、厚み3mmの成形品での全光線透過率は86%であった。
【0073】
【表2】

【0074】
表2に示すように、比較例1のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、耐衝撃性に劣り、比較例2のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、耐熱性、着色鮮明性、レーザー発色性、表面光沢に劣るものであった。また、比較例3のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、着色鮮明性、レーザー発色性は優れる反面、耐熱性や耐衝撃性が十分ではなかった。更に、比較例4のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、耐熱性、着色鮮明性、表面光沢に劣るものであった。また、比較例5のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、耐衝撃性に劣り、比較例6のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、耐熱性に劣るものであった。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物は、レーザー光線照射によって文字、記号、図形等が印字されるための成形体(例えば、ゲーム機のボタン、医療用部品、パソコンのキーボード等)を形成するための材料として好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル樹脂(A)30〜70質量%、及び透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(B)30〜70質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)を含む混合樹脂と、
前記混合樹脂100質量部に対して、0.0005〜5質量部のレーザー光エネルギー吸収剤と、を含有し、
前記アクリル樹脂(A)の、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が95℃以上、及びISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が1kJ/m以上であり、
前記透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(B)の、厚み3mmの成形品の全光線透過率が85%以上、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が70℃以上、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m以上、及びISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)が110以上であるアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【請求項2】
前記混合樹脂の、ISO−75に準じて1.82MPaの荷重を負荷して測定される荷重たわみ温度が86℃以上、ISO−179に準じて測定されるノッチ付きシャルピー衝撃強度が5kJ/m以上、及びISO−2039.2に準拠して測定されるロックウェル硬度(Rスケール)が115以上である請求項1に記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【請求項3】
前記混合樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部の着色剤を更に含有する請求項1又は2に記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【請求項4】
前記レーザー光エネルギー吸収剤が、カーボンブラック、金属酸化物、金属窒化物、及び金属硫化物からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクリル系レーザーマーキング樹脂組成物からなる成形体の表面に、
そのレーザー媒質が、ネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット又はイットリウム−四酸化バナジウムである固体レーザー光線を照射して印字するレーザーマーキング方法。

【公開番号】特開2010−280790(P2010−280790A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134365(P2009−134365)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(591258587)日本カラリング株式会社 (36)
【Fターム(参考)】