説明

アクリル酸系共重合体及びその製造方法並びにその用途

【課題】 新規なアクリル酸系共重合体及びその製造方法並びにこのアクリル酸系共重合体からなる分散剤を提供する。
【解決手段】 本発明のアクリル酸系共重合体は、アクリル酸及びその塩の少なくとも1種からなるアクリル酸系単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位とを含み、上記各単位の含有量の合計を100質量%とした場合、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位及びビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位の含有量が、それぞれ、5〜60質量%及び0.01〜0.5質量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散剤として有用である新規なアクリル酸系共重合体及びその製造方法並びにこのアクリル酸系共重合体からなる分散剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アクリル酸及び/又はその塩、並びに、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩からなる各単量体単位を含むアクリル酸系共重合体は、炭酸カルシウムの分散剤、液体洗剤用添加剤、クラフトパルプ製造用蒸解釜腐食抑制剤、スケール調整剤、炭素鋼腐食防止剤等として用いられている(例えば、特許文献1、2、3、4等)。
【特許文献1】特開昭59−98723号公報
【特許文献2】特開平11−181479号公報
【特許文献3】特開平11−131381号公報
【特許文献4】特開平2−133587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のアクリル酸系共重合体は、例えば、炭酸カルシウム等の分散液を調製するために、これを主に含有する分散剤として用いると、調製後の分散液の粘度が時間と共に増大するといった問題があった。
本発明は、上記の各単量体単位と、更に、ビニル基を有するジスルホン酸化合物及び/又はその塩からなる単量体単位とを含む、新規なアクリル酸系共重合体及びその製造方法、並びに、このアクリル酸系共重合体からなり、各種添加剤等の被分散材料用の分散剤として用いた場合に、分散液の粘度の経時変化が抑制される分散剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討した結果、アクリル酸及び/又はその塩からなる単量体単位、ビニル基を有するモノスルホン酸化合物及び/又はその塩からなる単量体単位、並びに、ビニル基を有するジスルホン酸化合物及び/又はその塩からなる単量体単位を、それぞれ、特定の量をもって含有したアクリル酸系共重合体が、各種添加剤等被分散材料の優れた分散性を与え、粘度の経時変化が抑制されることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
1.アクリル酸及びその塩の少なくとも1種からなるアクリル酸系単位(以下、「単位〔a〕」ともいう。)と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位(以下、「単位〔b〕」ともいう。)と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位(以下、「単位〔c〕」ともいう。)とを含むアクリル酸系共重合体であって、上記各単位の含有量の合計を100質量%とした場合、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位〔b〕及びビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位〔c〕の含有量が、それぞれ、5〜60質量%及び0.01〜0.5質量%であることを特徴とするアクリル酸系共重合体。
2.上記アクリル酸系単位〔a〕の含有量が、上記各単位の含有量の合計を100質量%とした場合、39.99〜94.99質量%である上記1に記載のアクリル酸系共重合体。
3.上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である上記1又は2に記載のアクリル酸系共重合体。
4.上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物が、2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸である上記1乃至3のいずれかに記載のアクリル酸系共重合体。
5.重量平均分子量が、1,000〜50,000である上記1乃至4のいずれかに記載のアクリル酸系共重合体。
6.アクリル酸と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とを含む単量体混合物を水性媒体中でラジカル重合する重合工程を備え、上記1に記載のアクリル酸系共重合体を製造する方法であって、上記アクリル酸、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量の合計を100質量%とした場合、該ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び該ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量が、それぞれ、5〜60質量%及び0.01〜0.5質量%であることを特徴とするアクリル酸系共重合体の製造方法。
7.更に、上記重合工程により得られたアクリル酸系共重合体を塩基により中和する中和工程を備える上記6に記載のアクリル酸系共重合体の製造方法。
8.上記1乃至5のいずれかに記載のアクリル酸系共重合体からなることを特徴とする分散剤。
【発明の効果】
【0005】
本発明のアクリル酸系共重合体は、上記の単位〔a〕と、単位〔b〕と、単位〔c〕とを、それぞれ、所定量をもって含有することから、添加剤等被分散材料の分散性に優れた分散剤とすることができる。
本発明のアクリル酸系共重合体の製造方法によれば、上記の各単量体単位を、各々、所定量含有するアクリル酸系共重合体を効率よく製造することができる。
また、本発明の分散剤によれば、各種組成物に配合される添加剤、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、抗菌剤、着色剤(染料及び顔料)、増量剤等の被分散材料用の分散剤として好適であり、得られる分散液の粘度の経時変化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を詳しく説明する。
1.アクリル酸系共重合体
本発明のアクリル酸系共重合体は、アクリル酸及びその塩の少なくとも1種からなるアクリル酸系単位〔a〕と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位〔b〕と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位〔c〕とを含み、上記各単位の含有量の合計を100質量%とした場合、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位〔b〕及びビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位〔c〕の含有量が、それぞれ、5〜60質量%及び0.01〜0.5質量%である。尚、上記の単位〔a〕、〔b〕及び〔c〕は、それぞれ、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。また、本発明のアクリル酸系共重合体は、上記の単位〔a〕、〔b〕及び〔c〕に加え、更に他のビニル基含有化合物からなる単量体単位を含有してもよい。
【0007】
上記単位〔a〕を形成するアクリル酸の塩としては、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸ナトリウムが好ましい。
【0008】
上記単位〔b〕を形成するビニル基含有モノスルホン酸化合物としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドメタンスルホン酸、メタクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、メタクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2,4,4−トリメチルペンタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2,4,4−トリメチルペンタンスルホン酸、2−アクリルアミド−ドデシルスルホン酸、2−メタクリルアミド−ドデシルスルホン酸、2−アクリルアミド−2,6−ジメチル−3−ヘプタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2,6−ジメチル−3−ヘプタンスルホン酸、p−アクリルアミドメチルベンゼンスルホン酸、p−メタクリルアミドメチルベンゼンスルホン酸等の下記一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミドスルホン酸類;3−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミドスルホン酸類;スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸等のビニル芳香族系モノスルホン酸化合物;スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、スルホブチルアクリレート、スルホブチルメタクリレート等のスルホアルキル(メタ)アクリレート類;3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アクリロキシ−1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸、3−メタクリロキシ−1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルフェニルメタンスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【化1】

〔式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、直鎖状又は分岐状である、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。〕
上記化合物のうち、一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミドスルホン酸類が好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が特に好ましい。
【0009】
また、上記単位〔b〕を形成するビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩としては、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、ナトリウム塩、即ち、モノスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。また、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミドスルホン酸類のナトリウム塩が特に好ましい。
【0010】
上記単位〔c〕を形成するビニル基含有ジスルホン酸化合物としては、2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸、2−(N−メタクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸等の下記一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミドジスルホン酸類;スチレンジスルホン酸、α−メチルスチレンジスルホン酸等のビニル芳香族系ジスルホン酸化合物;2−メチリデン−1,3−プロパン−ジスルホン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【化2】

〔式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、R、R及びRは、それぞれ、直鎖状又は分岐状である、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。〕
上記化合物のうち、一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミドジスルホン酸類が好ましく、2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル,1,3−プロパン−ジスルホン酸が特に好ましい。
【0011】
また、上記単位〔c〕を形成するビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩としては、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、ナトリウム塩、即ち、ジスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。また、上記一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミドジスルホン酸類のナトリウム塩が特に好ましい。
【0012】
次に、各単量体単位の含有量について説明する。
本発明において、上記単位〔b〕の含有量は、上記の単位〔a〕、〔b〕及び〔c〕の含有量の合計を100質量%とした場合、5〜60質量%であり、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%である。
また、上記単位〔c〕の含有量は、上記の単位〔a〕、〔b〕及び〔c〕の含有量の合計を100質量%とした場合、0.01〜0.5質量%であり、好ましくは0.02〜0.4質量%、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。
上記単位〔b〕及び〔c〕の含有量を上記範囲とすることにより、安定した被分散材料の分散液を得ることができる。
【0013】
尚、上記単位〔a〕の含有量については、本発明のアクリル酸系共重合体が、上記の単位〔a〕、〔b〕及び〔c〕のみからなる場合には、39.99〜94.99質量%であり、好ましくは49.99〜89.99質量%、より好ましくは59.99〜84.99質量%である。
【0014】
上記のように、本発明のアクリル酸系共重合体は、上記の単位〔a〕、〔b〕及び〔c〕に加え、更に他のビニル基含有化合物からなる単量体単位(以下、「単位〔d〕」ともいう。)を1種以上含有してもよい。
他のビニル基含有化合物としては、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸(3−フェニルアクリル酸)、2−フェニルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、アコニット酸、グルタコン酸等の不飽和酸及びその塩;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物;アクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ポリアルキレンオキシド骨格をエステルに含む(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0015】
本発明のアクリル酸系共重合体が、単位〔d〕を含有する場合、各単量体単位の含有量は、上記単量体単位〔a〕、〔b〕、〔c〕及び〔d〕の含有量の合計を100質量%とした場合、それぞれ、好ましくは4.99〜93.99質量%、5〜60質量%、0.01〜0.5質量%及び1〜50質量%であり、より好ましくは14.99〜88.98質量%、10〜50質量%、0.02〜0.4質量%及び1〜40質量%、更に好ましくは29.99〜83.95質量%、15〜40質量%、0.05〜0.3質量%及び1〜30質量%である。
【0016】
本発明のアクリル酸系共重合体は、上記の単位〔a〕、〔b〕及び〔c〕を少なくとも含むものであるが、(上記単位〔d〕を含む場合も)各単量体単位を形成する化合物が有する二重結合が開いて鎖状に結合している重合体である。従って、本発明のアクリル酸系共重合体は、通常、二重結合を有さない。
【0017】
本発明のアクリル酸系共重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは2,000〜40,000である。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリアクリル酸ナトリウム等の標準物質を用いて測定することができる。
【0018】
本発明のアクリル酸系共重合体の態様は、下記の通りである。
(1)アクリル酸からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(2)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(3)アクリル酸からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(4)アクリル酸からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(5)アクリル酸からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(6)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(7)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(8)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(9)アクリル酸からなる単位と、アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(10)アクリル酸からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(11)アクリル酸からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(12)アクリル酸からなる単位と、アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(13)アクリル酸からなる単位と、アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(14)アクリル酸からなる単位と、アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(15)アクリル酸からなる単位と、アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(16)アクリル酸からなる単位と、アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(17)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位とを含む共重合体
(18)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(19)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(20)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(21)アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体
(22)アクリル酸からなる単位と、アクリル酸の塩からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物からなる単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩からなる単位とを含む共重合体。
尚、これらの態様において、更に単位〔d〕が含まれた共重合体とすることもできる。
【0019】
本発明のアクリル酸系共重合体は、下記の方法等により製造することができる。
〔1〕アクリル酸と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とを共重合する方法
〔2〕上記〔1〕の後、一部中和又は完全中和する方法
〔3〕アクリル酸の塩と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とを共重合する方法
〔4〕上記〔4〕の後、一部中和又は完全中和する方法
〔5〕アクリル酸と、アクリル酸の塩と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とを共重合する方法
〔6〕上記〔5〕の後、一部中和又は完全中和する方法
〔7〕アクリル酸と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物の塩と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とを共重合する方法
〔8〕上記〔7〕の後、一部中和又は完全中和する方法
〔9〕アクリル酸と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の塩とを共重合する方法
〔10〕上記〔9〕の後、一部中和又は完全中和する方法
【0020】
2.アクリル酸系共重合体の製造方法
本発明のアクリル酸系共重合体の製造方法は、アクリル酸と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とを含む単量体混合物を水性媒体中でラジカル重合する重合工程を備え、上記アクリル酸、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量の合計を100質量%とした場合、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量を、それぞれ、5〜60質量%及び0.01〜0.5質量%とするものである。尚、必要に応じて、上記各化合物と共重合可能な他のビニル基含有化合物を用いることもできる。
【0021】
上記のビニル基含有モノスルホン酸化合物及びビニル基含有ジスルホン酸化合物は、上記に例示したものを用いることができる。
ビニル基含有モノスルホン酸化合物の使用量は、上記アクリル酸、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量の合計を100質量%とした場合、5〜60質量%であり、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%である。
また、ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量は、上記アクリル酸、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量の合計を100質量%とした場合、0.01〜0.5質量%であり、好ましくは0.02〜0.4質量%、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。
【0022】
尚、上記単量体混合物が、アクリル酸と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とからなる場合、アクリル酸の使用量は、上記アクリル酸、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量の合計を100質量%とした場合、好ましくは39.99〜94.99質量%であり、より好ましくは49.99〜89.99質量%、更に好ましくは59.99〜84.99質量%である。
【0023】
また、上記単量体混合物が、他のビニル基含有化合物を含む場合、アクリル酸、ビニル基含有モノスルホン酸化合物、ビニル基含有ジスルホン酸化合物、及び、他のビニル基含有化合物の使用量は、これらの化合物の使用量の合計を100質量%とした場合、それぞれ、好ましくは4.99〜93.99質量%、5〜60質量%、0.01〜0.5質量%及び1〜50質量%であり、より好ましくは14.99〜88.98質量%、10〜50質量%、0.02〜0.4質量%及び1〜40質量%、更に好ましくは29.99〜83.95質量%、15〜40質量%、0.05〜0.3質量%及び1〜30質量%である。
【0024】
上記水性媒体としては、水を単独で、あるいは、水と、アルコール等の有機溶剤との混合物を用いることができる。
尚、この水性媒体の使用量は、特に限定されないが、単量体混合物の濃度が、好ましくは25〜50質量%の範囲になるように用いられる。
【0025】
重合工程において、ラジカル重合に用いられる重合開始剤は、重合条件下で分解して遊離基を生成する物質であればよく、重合条件によって選択される。通常、過酸化物、アゾ系化合物等が用いられる。
過酸化物としては、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等の有機過酸化物が挙げられる。また、アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用量は、その種類、重合条件等により異なるが、単量体混合物100質量部に対して、通常、1〜5質量部である。
【0026】
また、上記重合工程において、分子量を調節するために、連鎖移動剤を用いることができる。通常、低級アルコール類、チオール類、次亜リン酸塩、重亜硫酸塩等が用いられる。
低級アルコール類としては、イソプロピルアルコール等が挙げられる。チオール類としては、メルカプトエタノール等が挙げられる。次亜リン酸塩としては、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等が挙げられる。また、重亜硫酸塩としては、重亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
上記連鎖移動剤の使用量は、その種類、重合条件等により異なるが、単量体混合物100質量部に対して、通常、5〜120質量部である。
【0027】
重合工程において、単量体混合物の重合は、通常、70〜100℃の範囲で進められる。この範囲であれば、短い重合時間で残存単量体を低減しつつ、反応器への負荷を抑えることができる。
この重合工程の具体的な方法としては、(i)上記温度に加温された水性媒体の攪拌下に、単量体混合物及び重合開始剤を添加する方法、(ii)上記温度に加温された、単量体混合物及び水性媒体の攪拌下、重合開始剤を添加する方法、(iii)上記温度に加温された一部の単量体(単一又は混合物)を含む水性媒体の攪拌下、残りの単量体及び重合開始剤を添加する方法等が挙げられる。
【0028】
本発明においては、上記重合工程の後、必要に応じて、中和工程を備えることができる。即ち、上記重合工程により得られた共重合体が有する酸基(−COOH及び−SOH)を一部中和(25〜99%)又は完全中和(100%)するものである。
中和工程に用いられる中和剤としては、水酸化ナトリウム(水溶液)、アンモニア(水溶液)、水酸化カリウム(水溶液)等が挙げられる。
この中和工程において、反応系のpHは、通常、pH2.0〜11.0、好ましくはpH6.0〜9.0に調整される。
尚、重合工程において用いた水性媒体が、水及び有機溶剤を含有した場合には、この中和工程の前に、有機溶剤を留去する工程を備えてもよい。
【0029】
3.分散剤
本発明の分散剤は、上記本発明のアクリル酸系共重合体からなるものであり、上記態様の共重合体が1種単独で又は2種以上の組み合わせでなるものとすることができる。
【0030】
本発明の分散剤は、無機材料及び/又は有機材料(高分子を含む)の被分散材料の水性媒体中又は有機溶剤中における分散に好適である。特に、水性媒体中における分散に好適である。この水性媒体は、上記本発明のアクリル酸系共重合体の製造方法における重合工程で用いるものを適用することができる。
無機材料としては、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、二酸化チタン、水酸化アルミニウム等の無機顔料;ベンガラ、水酸化マグネシウム、磁性粉、消石灰、セメント、シリカ、硫酸カルシウム、ジルコニア等の無機化合物等が挙げられる。
有機材料としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル等からなる高分子粒子、カーボンブラック等が挙げられる。
【0031】
本発明の分散剤を水性媒体とともに使用し、分散液を調製する方法は、下記の通りである。
[1]アクリル酸系共重合体と、被分散材料と、水性媒体とを一括混合する方法
[2]アクリル酸系共重合体を水性媒体に溶解させた溶液の攪拌下に、被分散材料を添加し、混合する方法
[3]水性媒体に被分散材料を添加して混合した液に、アクリル酸系共重合体を添加し、混合する方法。
尚、上記の各態様において、混合手段は、ホモミクサー、ホモディスパー、ホモジナイザー等の公知の撹拌装置とすることができる。
【0032】
上記の各態様における本発明の分散剤の使用量は、被分散材料の全量を100質量部とした場合、通常、0.01〜2質量部、好ましくは0.05〜1質量部である。
【0033】
本発明の分散剤を用いて調製された分散液は、従来の分散剤の場合に、粘度の経時変化が顕著であったのに対し、その程度が非常に抑制されたものとすることができる。
【実施例】
【0034】
以下に例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、下記記載において、「部」及び「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
また、製造したアクリル酸系共重合体の重量平均分子量(Mw)の測定条件を、以下に示す。
[測定条件]
装 置 ; 「HLC8020システム」(東ソー社製)
カラム ; 「TSKgel G4000PWXL + TSKgel G3000P WXL + TSKgel G2500PWXL」(東ソー社製)
カラム温度; 40℃
溶離液 ; 0.1M−NaCl + リン酸緩衝液(pH7)
流 量 ; 0.8ミリリットル/分
検出器 ; RI
検出器温度; 40℃
標準物質 ; ポリアクリル酸ナトリウム(創和科学社製)
【0035】
1.アクリル酸系共重合体の製造
実施例1−1
温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに水150部を仕込み、80℃まで昇温した。次いで、攪拌下に、水50部、アクリル酸80部、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸19.92部及び2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸0.08部からなる混合物と、30%過硫酸ナトリウム水溶液10部とを、それぞれ、3時間にわたって定量ポンプで連続的に滴下供給し、80℃で重合反応を行った。滴下終了後、更に系を80℃に保ったまま1時間熟成し、重合反応を完了した。
その後、32%水酸化ナトリウム水溶液120部により、反応液を完全に中和させてアクリル酸系共重合体を得た。この共重合体のMwは、11,000であった(表1参照)。
【0036】
実施例1−2
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸の使用量を、それぞれ、19.84部及び0.16部とした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸系共重合体を得た。この共重合体のMwは、11,000であった(表1参照)。
【0037】
実施例1−3
アクリル酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸の使用量を、それぞれ、70部、29.88部及び0.12部とした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸系共重合体を得た。この共重合体のMwは、12,000であった(表1参照)。
【0038】
実施例1−4
アクリル酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸の使用量を、それぞれ、55部、44.82部及び0.18部とした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸系共重合体を得た。この共重合体のMwは、15,000であった(表1参照)。
【0039】
実施例1−5
温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに水150部を仕込み、80℃まで昇温した。次いで、攪拌下に、水50部、アクリル酸80部、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸19.92部及び2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸0.08部からなる混合物と、30%過硫酸ナトリウム水溶液10部と、25%次亜リン酸ナトリウム水溶液16部とを、それぞれ、3時間にわたって定量ポンプで連続的に滴下供給し、80℃で重合反応を行った。滴下終了後、更に系を80℃に保ったまま1時間熟成し、重合反応を完了した。
その後、実施例1−1と同様にして、アクリル酸系共重合体を得た。この共重合体のMwは、6,000であった(表1参照)。
【0040】
比較例1−1
アクリル酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸の使用量を、それぞれ、80部、19.994部及び0.006部とした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸系共重合体を得た。この共重合体のMwは、10,000であった(表1参照)。
【0041】
比較例1−2
アクリル酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸の使用量を、それぞれ、80部、29.25部及び0.75部とした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸系共重合体を得た。この共重合体のMwは、13,000であった(表1参照)。
【0042】
【表1】

【0043】
2.分散剤の調製及び評価
実施例2−1
実施例1−1で得られたアクリル酸系共重合体0.4部(固形分)と、水23部とを、「TKホモミクサー」(特殊機化工業社製)により攪拌して均一な分散剤水溶液を得た。
この水溶液に、軽質炭酸カルシウムの粉末77部を添加し、回転数4,000rpmで15分間攪拌し、分散させた。この分散液について、調製直後、及び、25℃で7日放置後の各粘度を、BL粘度計を用いて、温度25℃及び回転数60rpmの条件で測定した。その結果を表2に示す。
【0044】
実施例2−2〜2−5及び比較例2−1〜2−2
実施例1−2〜実施例1−5及び比較例1−1〜比較例1−2で得られたアクリル酸系共重合体を用い、実施例2−1と同様にして、軽質炭酸カルシウムの分散液を調製し、粘度測定を行った。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
表2より、実施例2−1〜実施例2−5に比べ、2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸からなる単位の含有量が本発明の範囲外である比較例2−1及び比較例2−2は、分散液の粘度の上昇が顕著であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のアクリル酸系共重合体及び分散剤は、無機材料及び/又は有機材料(高分子を含む)の被分散材料の水性媒体中又は有機溶剤中における分散に好適である。また、スケールコントロール剤、洗剤ビルダー、金属イオン封鎖剤に用いることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル酸及びその塩の少なくとも1種からなるアクリル酸系単位と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物及びその塩の少なくとも1種からなるビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位とを含むアクリル酸系共重合体であって、上記各単位の含有量の合計を100質量%とした場合、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物系単位及びビニル基含有ジスルホン酸化合物系単位の含有量が、それぞれ、5〜60質量%及び0.01〜0.5質量%であることを特徴とするアクリル酸系共重合体。
【請求項2】
上記アクリル酸系単位の含有量が、上記各単位の含有量の合計を100質量%とした場合、39.99〜94.99質量%である請求項1に記載のアクリル酸系共重合体。
【請求項3】
上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である請求項1又は2に記載のアクリル酸系共重合体。
【請求項4】
上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物が、2−(N−アクリロイル)アミノ−2−メチル−1,3−プロパン−ジスルホン酸である請求項1乃至3のいずれかに記載のアクリル酸系共重合体。
【請求項5】
重量平均分子量が、1,000〜50,000である請求項1乃至4のいずれかに記載のアクリル酸系共重合体。
【請求項6】
アクリル酸と、ビニル基含有モノスルホン酸化合物と、ビニル基含有ジスルホン酸化合物とを含む単量体混合物を水性媒体中でラジカル重合する重合工程を備え、請求項1に記載のアクリル酸系共重合体を製造する方法であって、上記アクリル酸、上記ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び上記ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量の合計を100質量%とした場合、該ビニル基含有モノスルホン酸化合物及び該ビニル基含有ジスルホン酸化合物の使用量が、それぞれ、5〜60質量%及び0.01〜0.5質量%であることを特徴とするアクリル酸系共重合体の製造方法。
【請求項7】
更に、上記重合工程により得られたアクリル酸系共重合体を塩基により中和する中和工程を備える請求項6に記載のアクリル酸系共重合体の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれかに記載のアクリル酸系共重合体からなることを特徴とする分散剤。

【公開番号】特開2007−177154(P2007−177154A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−379448(P2005−379448)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000003034)東亞合成株式会社 (548)
【Fターム(参考)】