説明

アスファルト混合物製造装置およびその運転方法

【課題】 運転状況に応じて脱臭炉から導出される高温ガスの保有熱を有効かつ好適に利用可能としたアスファルト混合物製造装置およびその運転方法を提供する。
【解決手段】 廃材ドライヤ1の排気煙道8の下流に廃材ドライヤ1から導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉14を配設し、この脱臭炉14の排気煙道16を途中で分岐させ、その一方の分岐煙道17を煙突20に接続する一方、他方の分岐煙道19を砂ドライヤ18に接続している。また、前記各分岐煙道17、19には流路開閉用のダンパー21、22をそれぞれ開閉自在に配設しているとともに、各ダンパー21、22の開閉動作を連動制御するダンパー開閉制御器23を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装材であるアスファルト混合物を製造する装置およびその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルト混合物製造工場には、新規な骨材(以下「新材」という)を加熱する新材加熱用のドライヤ(以下「新材ドライヤ」という)と、道路工事などによって掘り起こされるアスファルト舗装廃材(以下「廃材」という)を加熱する廃材加熱用のドライヤ(以下「廃材ドライヤ」という)の両方を有するアスファルト混合物製造装置を設置しているところが多々ある。
【0003】
前記廃材ドライヤにて廃材を加熱すると排ガス中に悪臭成分が含まれ、この悪臭分を燃焼分解するために脱臭炉が設置されることがある。前記脱臭炉では炉内を高温雰囲気に保ちつつ、この炉内に廃材ドライヤからの排ガスを導入させて高温雰囲気に晒すことにより、排ガス中に含まれる悪臭分を燃焼分解して浄化処理可能としている。このとき、脱臭炉から導出される排ガスは未だ高温であるので、この排ガス保有熱を回収するために、例えば、脱臭炉の排気煙道に熱交換器を取り付け、該熱交換器にて回収した熱で加熱した外気を廃材ドライヤのバーナの燃焼用空気として供給して熱の有効利用を図るようにしたものがある。
【0004】
また、特許文献1(特開2004−36330号)には、上記熱交換器に代えて、脱臭炉の排気煙道下流側に砂加熱乾燥用の砂ドライヤを配設し、該砂ドライヤに前記脱臭炉からの高温ガスを直接導入させることにより、含水比の高い砂を予め加熱乾燥するようにして排ガス保有熱の有効利用を図るようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−36330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の装置においては、砂ドライヤを運転するときには、脱臭炉から導出される高温ガスは砂ドライヤ通過時に温度低下し、その下流のバグフィルタの集塵機で排ガスを支障なく清浄化処理して放出することができるが、砂ドライヤを運転しないときは、脱臭炉から導出される500℃もの高温ガスがそのままバグフィルタの集塵機に導入されることになるため支障が生じるものであるとともに、運転を行わない砂ドライヤに対して高温ガスを導入させること自体にも問題があると考えられる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、運転状況に応じて脱臭炉から導出される高温ガスの保有熱を有効かつ好適に利用可能としたアスファルト混合物製造装置およびその運転方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、請求項1記載のアスファルト混合物製造装置は、廃材ドライヤの排気煙道の下流に廃材ドライヤから導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉を配設し、該脱臭炉の排気煙道を途中で分岐させ、その一方を煙突に接続する一方、他方を前記脱臭炉から導出される高温ガスにて砂を加熱させる砂ドライヤに接続するとともに、各分岐煙道には流路開閉用のダンパーを開閉自在に配設し、各ダンパーの開閉動作を連動制御するダンパー開閉制御器を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載のアスファルト混合物製造装置は、前記砂ドライヤに砂を供給する骨材供給コンベヤに骨材検出センサを備え、該骨材検出センサによる砂の検出・非検出に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御するようにしたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3記載のアスファルト混合物製造装置は、前記砂ドライヤの排気煙道を集塵機に接続するとともに、前記排気煙道の集塵機入口側には排ガス温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排ガス温度に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御するようにしたことを特徴としている。
【0011】
さらに、請求項4記載のアスファルト混合物製造装置の運転方法は、廃材ドライヤの排気煙道の下流に廃材ドライヤから導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉を配設し、該脱臭炉の排気煙道を途中で分岐させ、その一方を煙突に接続する一方、他方を前記脱臭炉から導出される高温ガスにて砂を加熱させる砂ドライヤに接続し、該砂ドライヤの運転時には脱臭炉から導出される高温ガスを砂ドライヤ側に導入させて砂を加熱する一方、砂ドライヤの非運転時には脱臭炉から導出される高温ガスを煙突より放出させるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る請求項1記載のアスファルト混合物製造装置によれば、廃材ドライヤの排気煙道の下流に廃材ドライヤから導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉を配設し、該脱臭炉の排気煙道を途中で分岐させ、その一方を煙突に接続する一方、他方を前記脱臭炉から導出される高温ガスにて砂を加熱させる砂ドライヤに接続するとともに、各分岐煙道には流路開閉用のダンパーを開閉自在に配設し、各ダンパーの開閉動作を連動制御するダンパー開閉制御器を備えたことによって、砂ドライヤの運転・非運転に応じて各分岐煙道のダンパーを自動または手動にて開閉制御して、砂ドライヤ運転時には脱臭炉から導出される高温ガスを砂ドライヤに導入させて砂の加熱に有効利用できる一方、砂ドライヤ非運転時には前記高温ガスを煙突から放出させることで下流の装置に支障を来すこともない。
【0013】
また、請求項2記載のアスファルト混合物製造装置によれば、前記砂ドライヤに砂を供給する骨材供給コンベヤに骨材検出センサを備え、該骨材検出センサによる砂の検出・非検出に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御することによって、砂の供給または供給切れが生じたときにダンパーを自動にて開閉制御できて便利であり、砂ドライヤの下流の装置に支障を来すこともない。
【0014】
また、請求項3記載のアスファルト混合物製造装置によれば、前記砂ドライヤの排気煙道を集塵機に接続するとともに、前記排気煙道の集塵機入口側には排ガス温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排ガス温度に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御することによって、装置に支障を与える高温のガスを集塵機に導入させることを阻止でき、集塵機を保護できる。
【0015】
また、請求項4記載のアスファルト混合物製造装置の運転方法によれば、廃材ドライヤの排気煙道の下流に廃材ドライヤから導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉を配設し、該脱臭炉の排気煙道を途中で分岐させ、その一方を煙突に接続する一方、他方を前記脱臭炉から導出される高温ガスにて砂を加熱させる砂ドライヤに接続し、該砂ドライヤの運転時には脱臭炉から導出される高温ガスを砂ドライヤ側に導入させて砂を加熱する一方、砂ドライヤの非運転時には脱臭炉から導出される高温ガスを煙突より放出させるようにしたことによって、砂ドライヤの運転・非運転に応じて脱臭炉から導出される高温ガスの保有熱を有効かつ好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例を示す概略図
【図2】同上の他の実施例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のアスファルト混合物製造装置およびその運転方法は、廃材ドライヤの排気煙道の下流に廃材ドライヤから導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉を配設し、該脱臭炉の排気煙道を途中で分岐させ、その一方を煙突に接続する一方、他方を前記脱臭炉から導出される高温ガスにて砂を加熱させる砂ドライヤに接続するとともに、各分岐煙道には流路開閉用のダンパーを開閉自在に配設し、各ダンパーの開閉動作を連動制御するダンパー開閉制御器を備えたことを特徴としている。
【0018】
また、前記砂ドライヤに砂を供給する骨材供給コンベヤに骨材検出センサを備え、該骨材検出センサによる砂の検出・非検出に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御するようにしたことを特徴としている。また、前記砂ドライヤの排気煙道を集塵機に接続するとともに、前記排気煙道の集塵機入口側には排ガス温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排ガス温度に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御するようにしたことを特徴としている。
【実施例1】
【0019】
道路工事などで掘り起こされる廃材は、図1に示されるような廃材ドライヤ1に投入して加熱して再利用される。この廃材ドライヤ1は内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム2を機台3上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)により所定の速度で回転させ、ドラム2の一端部のホットホッパ4側に備えたバーナ5にて燃焼室6内に火炎を形成しながらドラム2に熱風を送り込む一方、他端部の慣性集塵機構を具備した貯蔵ビン7の排気煙道8に配設した排風機9によって排ガスを吸引し、ドラム2内を通過する高温ガス流を維持している。10は前記貯蔵ビン7と燃焼室6とを連結して成るリターン煙道であって、その途中には排風機11を配設しており、該リターン煙道10を介して温度の低下した排ガスの一部をリターンガスとして燃焼室6内に導入させ、高温の燃焼ガスと混合させることによって燃焼ガス温度を廃材加熱に適した温度に調整する構成としている。
【0020】
そして、廃材供給用のコンベヤ12によって廃材をドラム2内に送り込み、掻き上げ羽根で廃材を掻き上げながらドラム2内を転動流下させる間に前記高温ガス流と接触させ、廃材を所望温度まで昇温させて貯蔵ビン7へと排出し、貯蔵ビン7に貯蔵された加熱廃材はプラント本体のミキサ(図示せず)に所定量ずつ供給され、新材に所定割合で混入して所望配合のアスファルト混合物を製造している。
【0021】
また、廃材ドライヤ1の排気煙道8の下流には、熱交換器13を介在させて脱臭炉14を配設し、バーナ15より導入される高温の熱風により炉内を約750℃以上の高温雰囲気に維持し、導入される廃材ドライヤ1の排ガス中に含まれる悪臭分を燃焼分解するようにしている。
【0022】
前記脱臭炉14の熱交換器13の下流の排気煙道16はその途中で分岐させており、図1のように、その一方の分岐煙道17を砂ドライヤ18に、他方の分岐煙道19を煙突20にそれぞれ接続しているとともに、これら各分岐煙道17、19にはそれぞれ流路開閉用のダンパー21、22を開閉自在に配設し、かつ各ダンパー21、22の開閉動作を連動制御するダンパー開閉制御器23を備えており、砂ドライヤ18の運転、非運転に応じて前記脱臭炉14から導出される高温ガスを砂ドライヤ18側、または煙突20側に適宜に導出できるようにしている。
【0023】
砂ドライヤ18は、アスファルト混合物の素材である骨材中の小粒径の砂分を専ら加熱乾燥するものであって、廃材ドライヤ1とほぼ同様のドラム構造としており、内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム24を機台25上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)により所定の速度で回転させており、ドラム24の一端部のホットホッパ26側の骨材供給コンベヤ27から砂を供給し、ドラム24内を転動流下させる間に脱臭炉14からの高温ガスと接触させて所望温度まで加熱し、コールドホッパ28側の排出口から排出している。この排出された加熱砂は、適宜の搬送手段によってプラント本体側部の砂貯蔵ビンに一旦貯蔵されたり、またアスファルトプラントの新材ドライヤ29に直接供給されたりして、アスファルト混合物の素材として使用される。
【0024】
新材ドライヤ29も前記廃材ドライヤ1とほぼ同様な構造で、内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム30を機台31上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)により所定の速度で回転させており、ドラム30の一端部のホットホッパ32側のバーナ33より熱風を供給する一方、コールドホッパ34側の骨材供給コンベヤ35から新材を供給して所望温度まで加熱している。この新材ドライヤ29の排気煙道36は集塵機37に連結され、該集塵機37を通過した排ガスは排風機38を介して煙突20より放出される。
【0025】
また、前記砂ドライヤ18の排気煙道39は新材ドライヤ30の排気煙道36に合流させており、砂ドライヤ18から導出される排ガスも前記同様に集塵機37に導入されて排ガス中のダスト分が除去され、煙突20より放出されるようにしている。
【0026】
一方、前記砂ドライヤ18に砂を供給する骨材供給コンベヤ27には骨材検出センサ40を備えており、コンベヤ上の砂の検出・非検出に応じて前記ダンパー開閉制御器23にて各分岐煙道17、19の流路開閉用のダンパー21、22を開閉制御するようにしており、コンベヤ上の砂検出時にはダンパー21を開に、ダンパー22を閉とし、高温ガスを砂ドライヤ18側に導入するようにしている。更に、砂ドライヤ18の排気煙道39下流の集塵機37入口側には排ガス温度検出用の温度センサ41を備えており、該温度センサ41にて検出される排ガス温度に応じて、前記同様にダンパー開閉制御器23にて各分岐煙道17、19の流路開閉用のダンパー21、22を開閉制御するようにしている。そして、下流のバグフィルタ等の集塵機37に支障を来すような高温ガスを検出すると、流路開閉用のダンパー21、22のを開閉度量を調整し、砂ドライヤ18に導入される高温ガス量を調整したり、また遮断したりして集塵機37を保護するようにしている。
【0027】
しかして、砂ドライヤ18にて砂の予備加熱乾燥を行うときには、先ず、砂ドライヤ18側への分岐煙道17の流路開閉用ダンパー21を閉鎖する一方、煙突20側への分岐煙道19のダンパー22を開放しておき、高温ガスが煙突20側へ流れるようにしておく。そして脱臭炉14の運転を開始した後に、廃材ドライヤ1に廃材を供給すると、廃材の加熱処理に伴って廃材ドライヤ1から導出される悪臭分を含んだ排ガスが排気煙道8を介して脱臭炉14へと導入される。脱臭炉14ではバーナ15の熱風により炉内を約750℃以上の高温雰囲気に維持しており、導入した廃材ドライヤ1の排ガス中に含まれる悪臭分を燃焼分解して清浄化する。そして脱臭炉14から導出される高温ガスは、下流の熱交換器13を通過して約500℃程度に温度低下し、排気煙道16を介して煙突20側へと流れる。前記脱臭炉14から高温ガスが導出されるようになると、砂ドライヤ18に砂の供給を適宜開始する。骨材供給コンベヤ27に備えた骨材検出センサ40が供給砂を検出すると、ダンパー開閉制御器23の指令によって分岐煙道17の流路開閉用ダンパー21を開放すると同時に、分岐煙道19のダンパー22を閉鎖し、高温ガスを砂ドライヤ18へと導く。そして、砂ドライヤ18では、導入される約500℃程度の高温ガスを砂と接触させて加熱乾燥させ、乾燥処理した砂はアスファルトプラントの砂貯蔵ビンに一旦貯蔵されたり、また新材ドライヤ29に直接供給されてアスファルト混合物の素材として使用される。
【0028】
なお、砂ドライヤ18の骨材供給コンベヤ27に備えた骨材検出センサ40にてコンベヤ上に供給砂を検出しなくなると、砂ドライヤ18への砂の供給切れが発生したものと判断し、直ちにダンパー開閉制御器23にて分岐煙道17の流路開閉用ダンパー21を閉鎖する一方、分岐煙道19のダンパー22を開放させ、高温ガスを煙突20側へと導く。また、砂ドライヤ18下流の排気煙道36に備えた温度センサ41にて検出される排ガス温度が予め設定した温度以上となると、ダンパー開閉制御器23にて前記ダンパー21、22の開閉度を調整するなどして必要量の高温ガスを砂ドライヤ18に導入し、排ガス温度を適正に維持して集塵機を保護する。
【0029】
このように、廃材ドライヤ1の排ガス中に含まれる悪臭分を燃焼分解する脱臭炉14の排気煙道16を途中で分岐させ、その一方の分岐煙道17を砂ドライヤ18に接続する一方、他方の分岐煙道19を煙突20に接続するとともに、これら各分岐煙道17、19には流路開閉用のダンパー21、22を開閉自在に配設し、かつ各ダンパー21、22の開閉動作を連動制御するダンパー開閉制御器23を備えたので、砂ドライヤ18の運転時には、各ダンパー21、22を自動または手動にて開閉制御して砂ドライヤ18側への流路を開放させ、脱臭炉14から導出される高温ガスを砂ドライヤ18に導入させることにより、脱臭炉14から導出される高温ガスの保有熱を有効利用して高含水比の砂を予め加熱乾燥させておくことが可能となって効果的に省エネが図れる。
【0030】
一方、砂ドライヤ18の非運転時や、砂ドライヤ18における砂の供給切れ等が発生したときには、前記同様に各ダンパー21、22を開閉制御して砂ドライヤ18側への流路を閉鎖させるとともに、煙突20側への流路を開放させ、脱臭炉14から導出される高温ガスを、砂ドライヤ18や集塵機37等に導入させることなく煙突20より適切に放出させることができる。
【実施例2】
【0031】
図2は本発明の他の実施例を示すものであり、実施例1と同構造の部分については同じ番号を付して詳細な説明は省略する。本実施例においては、砂ドライヤ18のドラム24の外周部に同心円状に排ガス導入出筒部42を設け、脱臭炉14から導出される高温ガスを分岐煙道17を介して排ガス導入出筒部42の前部側から導入する一方、排ガス導入出筒部42の後部側から導出させて排気煙道43を介して煙突20側に放出するようにしており、ドラム24内部を転動流下する砂を脱臭炉14からの高温ガスにて間接的に加熱乾燥するようにしている。
【0032】
このような構成を採用することにより、砂ドライヤ18に供給する砂を脱臭炉14から導出される高温ガスと接触させずに間接的に加熱乾燥することが可能となり、例えば脱臭炉14から導出される高温ガス中にダイオキシン等の有害物質が混入している場合でも砂への汚染を防げ、高温ガスの保有熱を適切に有効利用することができる。
【0033】
なお、上記各実施例では、流路開閉用のダンパー21、22を砂ドライヤ18側への分岐煙道17と煙突20側への分岐煙道19の両方に配設するようにしたが、分岐煙道17、19の分岐部分に切換自在に設置したり、また砂と排ガスとを同方向に流れる並流式のドライヤについて説明したが、反対向きに流れる向流式のものについても同様に適用することができるなど、上記した本発明の趣旨にもとづいて適宜の実施態様を採用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1…廃材ドライヤ 8、16、36、39…排気煙道 14…脱臭炉
17、19…分岐煙道 18…砂ドライヤ 20…煙突
21、22…ダンパー 23…ダンパー開閉制御器 27…骨材供給コンベヤ
37…集塵機 40…骨材検出センサ 41…温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃材ドライヤの排気煙道の下流に廃材ドライヤから導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉を配設し、該脱臭炉の排気煙道を途中で分岐させ、その一方を煙突に接続する一方、他方を前記脱臭炉から導出される高温ガスにて砂を加熱させる砂ドライヤに接続するとともに、各分岐煙道には流路開閉用のダンパーを開閉自在に配設し、各ダンパーの開閉動作を連動制御するダンパー開閉制御器を備えたことを特徴とするアスファルト混合物製造装置。
【請求項2】
前記砂ドライヤに砂を供給する骨材供給コンベヤに骨材検出センサを備え、該骨材検出センサによる砂の検出・非検出に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアスファルト混合物製造装置。
【請求項3】
前記砂ドライヤの排気煙道を集塵機に接続するとともに、前記排気煙道の集塵機入口側には排ガス温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排ガス温度に応じ、前記ダンパー開閉制御器にて各分岐煙道の流路開閉用のダンパーを開閉制御するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のアスファルト混合物製造装置。
【請求項4】
廃材ドライヤの排気煙道の下流に廃材ドライヤから導出される排ガス中の悪臭分を高温雰囲気に接触させて燃焼分解させる脱臭炉を配設し、該脱臭炉の排気煙道を途中で分岐させ、その一方を煙突に接続する一方、他方を前記脱臭炉から導出される高温ガスにて砂を加熱させる砂ドライヤに接続し、該砂ドライヤの運転時には脱臭炉から導出される高温ガスを砂ドライヤ側に導入させて砂を加熱する一方、砂ドライヤの非運転時には脱臭炉から導出される高温ガスを煙突より放出させるようにしたことを特徴とするアスファルト混合物製造装置の運転方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−226109(P2011−226109A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95589(P2010−95589)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000201515)前田道路株式会社 (61)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】