説明

アスベストの分解処理方法及びその装置

【課題】難分解物質であるフロンの分解処理と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を分解することで、フロン分解のみならずアスベストの分解処理を高効率,低コストで実現可能なアスベストの分解処理方法と装置を提供することを目的とする。
【解決手段】被分解処理物10としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を所定の温度に加熱された処理炉1に投入して、該処理炉1内にフロンガスと過熱蒸気を所定の反応時間通過させることにより、フロンとともに被分解処理物10を分解処理するようにしたアスベストの分解処理方法とその装置を基本手段としている。上記処理炉1から排出されるガスを排ガス洗浄器7に導いて洗浄液で洗浄してからフィルタ8を通してブロワ9で吸引して系外に放散する。前記処理炉1は700℃〜800℃の温度範囲で加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気を利用したフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄の分解と同時に、具体的には過熱蒸気を利用したフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄の分解工程中にアスベストを存在/供給させることによって分解させるようにしたアスベストの分解処理方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アスベストは天然に産する鉱物繊維の一種であって、蛇紋岩系のクリソタイルと角閃石系のアモサイト等がある。このアスベストは強度を備えた微細な繊維構造を有し、重さに較べて大きな表面積を持つという特徴があり、更に耐熱性,対薬品性,絶縁性に優れているため、不燃性の建設資材,電気製品,自動車,家庭用品その他の用途に多用されていた。しかしながら、2004年10月に使用が原則禁止となっている。その理由として、人間が少量でも吸い込むと数十年後に中皮種,石綿肺,肺ガンなどの原因になることが指摘されており、現在では健康破壊物質として大きな社会的問題となっている。
【0003】
アスベストの使用形態としては、単独で使用される場合と複合材料として使用される場合があり、紐,テープ,布などの紡績品では単独で使用され、アスベスト−セメント系複合材料が鉄骨の耐火被覆材の一部に使用されている。これらアスベストを中間処理する場合は溶融だけが認められているが、耐熱性が強いので無害化処理するには1000℃以上に加熱する必要があり、処理コストが高くなるため大部分は最終処分場で埋め立て処理するか、溶融後に埋め立て処理されているのが現状である。
【0004】
特許文献1には、アスベストの溶融処理経費を大巾に節減し、埋め立て処理後の二次公害防止をはかることを目的として、アスベストに対して、SiOよりもCaOの含有量が多い水処理汚泥を塩基度調整剤兼バインダーとして混合し、混合物のSiOとCaOの重量濃度比率を調整し、比率調整済みの混合物を成形処理し、その成形混合物を炭素系可燃物質で形成した高温炉床に供給して加熱溶融するアスベストの溶融処理法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、炉体と炉蓋とを組み合わせてなり、炉内を密閉にしてなる電気溶融炉を設け、上記炉蓋に炉内外方向に沿って貫通して投入シュートを設け、この投入シュートの炉外に臨む端部に、廃アスベスト材を密閉収容したプラスチック製の収容袋を上記投入シュートへ導くための投入部を設け、この投入部から投入された上記収容袋を上記投入シュートへ押込む押込装置を設け、上記投入シュート内に上記押込装置で押込まれた収容袋を保持させながら下方へ導くシュート路を設け、上記投入シュートの炉内に臨む端に、上記シュート路の下端から上記収容袋を炉内に排出させる排出口を設けた廃アスベスト材の溶融処理装置が記載されている。
【0006】
特許文献3には、低エネルギでアスベストを確実に無害化できるアスベストの無害化処理方法を提供することを目的として、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合し、次いで当該混合物を低温加熱処理する処理方法が開示されている。また、アスベストを含んだ物質とフロン分解物とを混合し、次いで当該混合物を低温加熱処理する。アスベスト含有物質が多孔質の場合には、スラリー状のフロン分解物を含浸させた後に低温加熱処理して無害化している。
【0007】
一方、従来から冷媒とかスプレー剤として使用されているフロンガス及び消化剤として使用されているハロンガス、或いは六フッ化硫黄ガスは環境汚染物質であるため、これら物質を無害化処理するための各種の対処手段が提案されている。例えばフロンガス処理方法に関しては、水熱反応法,焼却法,爆発反応分解法,微生物分解法,超音波分解法及びプラズマ反応法等が提案されている。水熱反応法では、例えばフロンガスを塩化ナトリウム、二酸化炭素等の安全な物質に分解することができる。
【0008】
水熱反応法を具体化するための装置に関しては、実験室においてオートクレーブを用いた処理実験、例えば苛性ソーダ液,エタノール,フロン液の混合比率、温度の設定値、圧力の設定値及び反応時間の設定値についての実験が行われているが、通常水熱反応は300〜450℃で100〜250kg/cmという高温高圧条件を維持して行われている。
【0009】
本願出願人は先に特許文献4により水熱反応処理による環境汚染物質の処理方法と装置に関する提案を行った。その内容を簡単に説明すると、タンク内にフロン液,苛性ソーダ液,エタノールの混合液を収容し、これをポンプと流量計を介して熱交換器に送り込み、水熱反応器で反応させた後に再び熱交換器を介して冷却器に送り、冷却器から流量制御のための圧力調整弁を経て分離器に送り込んで清浄水と清浄物に分離する。
【0010】
しかしながら、水熱反応器は高温高圧条件を維持しなければならず、高温高圧下での固液混合液の圧送と排出を行う機構は複雑であって被分解物質の種類によっても構造を変える必要があり、操作上のコントロールが難しいという問題点があり、安全性確保の観点からも難点を残している。
【0011】
上記に対処して、更に本願出願人は特許文献5により、常圧の状態で難分解物質の分解を可能として高温高圧に起因する配管とか排出弁の破損がなく、装置を構成する材質を任意に選択することができる分解処理方法とその装置を提案した。即ち、被分解物タンク内に投入されたフロンと水タンク内に投入された水を配管を通して加熱器に送り込み、予め加熱器に配置された内部ヒータと外部ヒータを働かせて加熱器の内部を500℃〜750℃に加熱しておくことによって過熱蒸気が発生する。分解処理するために必要な過熱蒸気の温度は被分解処理物によって異なるため、それぞれ被分解処理物に応じて設定する。例えばフロンガスの場合は500℃〜750℃、ポリエチレンで400℃前後の過熱蒸気とする。
【0012】
更に本願出願人は環境汚染物質であるフロンガスとかポリエチレン,プラスチック,木材,更にはベンゼン核を持つ有機化合物及びその他の産業廃棄物等の難分解物質を常圧の状態で分解可能として高温高圧に起因する配管とか排出弁の破損がなく、溶媒として水を用いた場合でも分解率を高めた難分解物質の分解処理方法及びその装置を提供することを目的として、特許文献6により、被分解処理物と溶媒を混合したものを加熱して蒸気を発生させ、該蒸気を更に所定の温度に加熱して過熱蒸気とし、該過熱蒸気を所定の温度に加熱された常圧の反応装置内を所定の反応時間経過させて通過させることにより、被分解処理物を分解処理する難分解物質の分解処理方法を提案した。
【特許文献1】特許第3085959号
【特許文献2】特許第3359964号
【特許文献3】特開2005−168632号
【特許文献4】特許第2612249号
【特許文献5】特許第3219706号
【特許文献6】特許第3219689号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記したようにアスベストを無害化処理するには、電気炉等によって1500℃前後の高温に加熱しなければならず、施設費と電力費のコストが高くなってしまうという問題があり、埋め立て処理する場合にもアスベストをプラスチック袋に二重に密封入したり、堅固な容器に密封入してセメントなどによって固化して2メートル以上の深さに埋める必要があり、処理費が高くなるとともに時間の経過に伴って固化したコンクリートが破壊してアスベストが地中から流出したり飛散する二次公害発生の惧れがあって、無害化処理の完璧を期すことができないという課題がある。
【0014】
更に前記特許文献3等に記載されたアスベストの無害化処理方法は、フロン分解時に発生する炭酸ガスCO,フッ化水素HF,塩酸HClを中和するため、水酸化カルシウムCa(OH)を中和剤として使用しており、反応により炭酸カルシウムCaCO,フッ化カルシウムCaF,塩化カルシウムCaClが生成して残渣となり、このうちの塩化カルシウムCaClは水に溶けるため、残渣を洗浄すればCaCOとフッ化カルシウムCaFが残る。この残渣とアスベストとを混合して700℃程度で加熱することでアスベストとは異なる物質に変えることができるというものである。しかしながら、フロンの分解過程で同時にアスベストを分解処理することはできず、フロン分解時に発生するHF,HClを中和するための煩雑な工程が必要になるという課題がある。また、塩化カルシウムは洗浄して取り除く必要があり、フロン分解物とアスベストを混合することも必要となる。
【0015】
そこで本発明は上記従来の問題点に鑑みて、社会的問題となっている健康破壊物質であるアスベスト及び/又はアスベスト含有物質をより簡便に、かつ、フロンを分解処理すると同時に分解することで、フロン分解のみならずアスベストの分解処理を高効率,低コストで実現可能なアスベストの分解処理方法と装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は上記目的を達成するために、アスベストの分解処理方法として、被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気を利用したフロン分解時の発熱を利用して分解処理する方法、被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気とフロンとともに所定の温度に加熱された処理炉内で所定の反応時間経過させることにより、フロンとともに被分解処理物を分解処理する方法を基本として提供する。また、被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を所定の温度に加熱された処理炉に投入して、該処理炉内にフロンガスと過熱蒸気を所定の反応時間通過させることにより、フロンとともに被分解処理物を分解処理する方法を提供する。
【0017】
そして、処理炉から排出されるガスを排ガス洗浄器に導いて洗浄液で洗浄してからフィルタを通してブロワで吸引して系外に放散する。また、処理炉から排出されるガスを所定の温度に加熱された排ガス分解装置に導き、該排ガス分解装置内に過熱蒸気を注入して反応させ、排ガス分解装置から排出されるガスを排ガス洗浄器に導いて洗浄液で洗浄してからフィルタを通してブロワで吸引して系外に放散する方法を提供する。更に、処理炉内に、フロンガスと過熱蒸気とともに反応促進剤、具体的には石灰石,生石灰,消石灰,石膏,セメントから選択された1種又は複数を投入して所定の時間反応させた方法を提供する。前記処理炉は700℃〜800℃の温度範囲で加熱することで好ましい結果が得られる。また、処理炉内に、モータにより回転駆動されるスクリューを配備して被分解処理物を搬送する。更に、フロンに代えてハロン或いは六フッ化硫黄を使用することができる。
【0018】
また、アスベストの分解処理装置として被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気とフロンとともに所定の温度で加熱分解する処理炉を有する構成を提供する。更に、処理炉はフロンガスと過熱蒸気の投入口を有する構成、処理炉から排出されるガスを洗浄する排ガス洗浄器とフィルタとを備えた構成、処理炉から排出されるガスに過熱蒸気を注入して反応させる排ガス分解装置と、該排ガス分解装置から排出されるガスを洗浄する排ガス洗浄器とフィルタとを備えた構成を提供する。更に、フロンに代えてハロン或いは六フッ化硫黄を使用する構成を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかるアスベストの分解処理方法とその装置によれば、難分解物質であるフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄の分解と同時に健康破壊物質として社会問題となっているアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を分解することが可能である。即ち、環境破壊物質であって難分解物質であるフロンガスを使用して、健康破壊物質であるアスベストを分解処理することが可能となる。しかも従来のアスベスト無害化処理のように被分解処理物を1500℃前後の高温に加熱しなくてもよいため、施設費と電力費等のコストを低廉化することができるとともに、埋め立て処理した場合のようなアスベストの地中からの流出,飛散等二次公害発生の惧れがなくなり、無害化処理の完璧を期すことができる。
【0020】
本発明では、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、700℃から800℃程度のフロンを分解可能な過熱蒸気の雰囲気中にフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄とともに存在させることにより、フロン分解過程において同時にアスベストの分解処理が可能であり、その際フッ化水素HF,塩酸HClが直接アスベストに作用して分解することとなる。また、石灰石,生石灰,消石灰,石膏,セメントから選択された1種又は複数と混合した場合はフロン分解時に出るフッ化水素HF,塩酸HClをその場で中和することができ、さらに中和熱を分解に利用できるので後の工程を簡素化できるとともに、残渣量(産業廃棄物処理が必要)を少なくすることができて、更に分解物をより安定な単純な物質に変えることができる。
【0021】
アスベストの分解処理時に処理炉内は強制的に加圧をしていないので高圧ポンプ等は不要であり、高圧に起因する弁とか配管が破損する懸念は生じない上、被分解処理物が外部に飛散する問題は解消され、しかも反応は全て処理炉と排ガス分解装置の中で起こるクローズドシステムであるので二次汚染がないという効果が得られる。また、反応時間と温度を任意に設定することにより、分解の程度をコントロールすることが可能であり、無害化されたアスベスト分解物は地中に埋め立て処理するか、各種建築用の骨材として採石に代えて利用することができる。
【0022】
更に本発明によれば、処理炉及び排ガス分解装置内は常圧もしくは微負圧下の比較的低温で工程が進行するため、処理炉の材質は所定の温度に耐えられるものであればよく、材質を任意に選択することができる上、仮に処理炉及び排ガス分解装置が破損してもアスベストが系外に飛散する惧れはなく、従って機械的な強度及び引張応力とか熱応力に耐えるための設計は要求されないという利点があり、各種機器の破損に対する対策は容易であるとともに安全性が高いという効果がある。
【0023】
また、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質とアスベスト類似品との識別は目視では困難であり、X線回折法などによる分析をしないと識別が困難であって、回収時に混合されたりした場合に分別することは不可能に近いが、本発明によればアスベスト類似品が混入しても問題なく分解処理することが可能である。従って、難分解物質であるフロンの分解処理と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を分解することで、フロン分解のみならずアスベストの分解処理を高効率,低コストで実現可能なアスベストの分解処理方法と装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図面に基づいて本発明にかかるアスベストの分解処理方法及びその装置の最良の実施形態を説明する。なお、実施形態としてはフロン(CFC−22)を使用した例に基づいて説明するが、フロン類であれば他のフロンでも使用可能であることは勿論、フロンに代えてハロン類又は六フッ化硫黄を使用することが可能であり、更にその他のハロゲンを含む物質を使用することもできる。図1は本発明の第1実施形態を概略的に示すシステム図、図2は第1実施形態のフロー図であり、図中の1はバッチ式処理炉、2はヒータ、3はフロンガス投入口、4は過熱蒸気投入口、5は撹拌器、6は撹拌羽根、7は排ガス洗浄器、8はフィルタ、9はブロワ、12は処理物排出口、16は処理物を処理物タンク17に落下させるためのバルブである。
【0025】
かかる第1実施形態によれば、先ずバッチ式処理炉1内にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質でなる被分解処理物10を入れ、ヒータ2を用いて処理炉1を全体的に700℃〜800℃の温度範囲で加熱し、フロンガス投入口3と過熱蒸気投入口4から夫々フロンガスと過熱蒸気を常圧もしくは微負圧に維持された処理炉1内に注入しながら撹拌器5及び撹拌羽根6により被分解処理物10を撹拌して適当な時間反応を行わせる。被分解処理物10はフロン分解時に発生するフッ化水素HFと塩酸HClの作用により直接加熱分解される。
【0026】
そしてバッチ式処理炉1から排出されるガスを排ガス洗浄器7に導き、洗浄液を用いて洗浄してからフィルタ8を通してブロワ9で吸引し、系外に放散する。フィルタ8は排ガス中に万一アスベストが混在していることを想定して配備されている。なお、フィルタ8を使用することで通過抵抗が大きくなることが予想されるので、系内をブロワ9で吸引して、処理炉1内は常圧もしくは微負圧に維持するようにする。なお、分解されたアスベスト及び/又はアスベスト含有物質は処理物排出口12からバルブ16を介して処理物タンク17に落下させる。
【0027】
上記処理炉1内は加圧されておらずに常圧もしくは微負圧とされており、従来の高圧の水熱反応装置と異なって強制的に加圧をしないでブロワ9の吸引作用を利用した開放型の装置により被分解処理物10を分解処理できることが本発明の特徴の一つである。
【0028】
図3は本発明の第2実施形態を概略的に示すシステム図、図4は第2実施形態のフロー図であり、第1実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付して表示してある。1はバッチ式処理炉、2はヒータ、3はフロンガス投入口、4は過熱蒸気投入口、11は反応促進剤としての消石灰投入口、5は撹拌器、6は撹拌羽根、13は排ガス分解装置、14はヒータ、15は過熱蒸気投入口、7は排ガス洗浄器、8はフィルタ、9はブロワ、12は処理物排出口、16は処理物を処理物タンク17に落下させるためのバルブである。
【0029】
かかる第2実施形態によれば、先ずバッチ式処理炉1内にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質でなる被分解処理物10を投入し、消石灰投入口11から適量の消石灰を投入してからヒータ2を用いて処理炉1を全体的に700℃〜800℃の温度範囲で加熱しながら、フロンガス投入口3と過熱蒸気投入口4から夫々フロンガスと過熱蒸気を常圧もしくは微負圧に維持された処理炉1内に注入しながら撹拌器5及び撹拌羽根6により被分解処理物10を撹拌して適当な時間反応を行わせる。なお、反応促進剤として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))に代えて、石灰石(炭酸カルシウムCaCO),生石灰(酸化カルシウムCaO),石膏(硫酸カルシウムCaSO),セメント(主成分がCaO,SiO,Al,Fe)を投入してもよい。
【0030】
そして処理の終了した被分解処理物10は処理物排出口12から排出するとともに処理炉1から排出されるガスを排ガス分解装置13に導き、ヒータ14を用いて排ガス分解装置13を全体的に加熱しながら過熱蒸気投入口15から過熱蒸気を注入して反応させる。次に排ガス分解装置13から排出されるガスを排ガス洗浄器7に導き、洗浄液を用いて洗浄してからフィルタ8を通してブロワ9で吸引し、系外に放散する。なお、分解されたアスベスト及び/又はアスベスト含有物質は処理物排出口12からバルブ16を介して処理物タンク17に落下させる。
【0031】
上記第2実施形態では、処理炉1から排出されるガス中に万一フロンその他の有害なガスが残留している場合のことを想定しており、これら有害なガスを排ガス分解装置13内で過熱蒸気により再度分解処理して無害化することが特徴となっている。
【0032】
図5は本発明の第3実施形態を概略的に示すシステム図、図6は第3実施形態のフロー図であり、第1実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付して表示してある。即ち、1はバッチ式処理炉、2はヒータ、3はフロンガス投入口、4は過熱蒸気投入口、11は反応促進剤としての消石灰投入口、23は被分解処理物投入口、12は処理物排出口、16はバルブ、17は処理物タンクであり、処理炉1内にはモータ18により回転駆動されるスクリュー19が配備されている。13は排ガス分解装置、14はヒータ、15は過熱蒸気投入口、7は排ガス洗浄器、8はフィルタ、9はブロワである。排ガス分解装置13は所定の温度を保って処理炉1から排出されるガスと過熱蒸気を所定時間反応させて分解処理するための装置である。なお、反応促進剤として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))に代えて、石灰石(炭酸カルシウムCaCO),生石灰(酸化カルシウムCaO),石膏(硫酸カルシウムCaSO),セメント(主成分がCaO,SiO,Al,Fe)を投入してもよい。
【0033】
かかる第3実施形態によれば、先ず被分解処理物投入口23から処理炉1内にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質でなる被分解処理物10を連続的に投入し、消石灰投入口11から適量の消石灰を投入してからヒータ2を用いて処理炉1を全体的に700℃〜800℃の温度範囲で加熱し、フロンガス投入口3と過熱蒸気投入口4から夫々フロンガスと過熱蒸気を常圧もしくは微負圧に維持された処理炉1内に注入して該処理炉1に付設されたモータ18によりスクリュー19を回転駆動することで処理炉1内で被分解処理物10を搬送しながら適当な時間反応を行わせる。そしてバルブ16を開いて処理物を処理物排出口12から処理物タンク17内に落下させる。
【0034】
また、処理炉1から排出されるガスを排ガス分解装置13に導き、ヒータ14を用いて排ガス分解装置13を全体的に加熱しながら過熱蒸気投入口15から過熱蒸気を注入して反応させ、次に排ガス分解装置13から排出されるガスを排ガス洗浄器7に導き、洗浄液を用いて洗浄してからフィルタ8を通してブロワ9で吸引し、系外に放散する。
【0035】
処理炉1と排ガス分解装置13内は過熱蒸気の流れとともにブロワ9による吸引作用によって微負圧が自然に発生しており、圧力勾配によってガスが移送される。本発明で常圧もしくは微負圧とはこのように従来の水熱反応装置のように強制的に高圧に加圧することなく、排出口を開放してブロワ9により吸引した状態であることを示している。
【0036】
上記各実施形態では、難分解物質であるフロンの分解と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を分解する例を説明したが、本発明では難分解物質としてフロンガスのみならず、一般に消化剤として使用されているハロンガス類(例えばCFBrその他のハロンガス)、或いは六フッ化硫黄(SF)を注入してもフロンと同様に分解することができる。
【0037】
図7は上記第3実施形態による処理結果をX線回折により分析したダイヤグラムであり、処理炉1内の温度を800℃、フロンガスの流量を2kg/h、過熱蒸気流量を1kg/hとした。図中の(A)は被分解処理物10としてアスベスト吹付材1kgを5分間処理した結果であり、アスベストのピークは検出されていない。従ってアスベストは分解されていることが分かる。次に(B)は被処理物10としてアスベスト吹付材1kgと、消石灰Ca(OH)1kgを1:1で混合したものを10分間処理した結果を示している。アスベストは検出されず、フッ化カルシウムCaFが生成物として検出され、他の生成物は同定できていない。(C)は吹付材1kgそのものの組成であり、吹付材はアスベストと酸化珪素SiOからなっている。(D)は天然のクリソタイルアスベストの分析結果を示している。
【0038】
図8はフロンガスの流量を2kg/h、過熱蒸気流量を1kg/hとし、処理炉1内の温度を変えて処理した後、X線回折により分析したダイヤグラムであり、(E)は被分解処理物10としてアスベスト吹付材1kgを600℃で処理した結果であって、少しアスベストが検出されており、分解不十分であることが分かる。(F)は被分解処理物10としてアスベスト吹付材1kgと消石灰Ca(OH)1kgを1:1で混合したものを600℃で処理した結果を示している。アスベストMgSi(OH)とともにフッ化カルシウムCaFが検出された。(G)は吹付材1kgを700℃で処理した結果であり、この温度ではアスベストが十分に分解されており、マグネシウム珪酸MgSiOや珪酸の重合したマグネシウム珪酸塩MgSi10(OH),フッ化マグネシウムMgFなどが生成している。(H)はアスベスト吹付材1kgと消石灰Ca(OH)1kgを1:1で混合したものを700℃で処理した分析結果を示している。
【0039】
図8に示すように、分解温度が700℃ではアスベストは検出されていないが、600℃ではアスベストが残っている。よって、分解温度としては700℃以上が必要であり、かつ、700℃で分解しているため、従来のように1000℃を超える高温を必要としない。好ましくは700℃〜800℃が適当である。また、処理炉1に消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加することで珪酸の重合を抑えて分解が促進されることが分かる。消石灰を添加しない場合はアスベストとは別のマグネシウム珪酸塩が生成する。従ってより確実にアスベストを分解するには消石灰を添加した方が好ましい結果が得られる。なお、上記消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))に代えて石灰石(炭酸カルシウムCaCO),生石灰(酸化カルシウムCaO),石膏(硫酸カルシウムCaSO),セメント(主成分がCaO,SiO,Al,Fe)を投入してもよい。
【0040】
図9は上記と同様にフロンガスの流量を2kg/h、過熱蒸気流量を1kg/hとし、被分解処理物10としてアスベストと類似している吹付材ガラスファイバを用いて処理した後、X線回折により分析したダイヤグラムであり、No.1はガラスファイバを分析した結果であるが、ともにアスベストは検出されていない。No.2はガラスファイバ入り吹付材を分析した結果であり、CaCOが主成分として検出されている。No.3はNo.2の被分解処理物1kgに消石灰Ca(OH)1kgを混合したものを700℃で処理した分析結果を示しており、CaFが生成している。No.4はNo.2の被分解処理物を800℃で処理した分析結果を示しており、CaSiが生成している。No.5はNo.2の被分解処理物1kgに消石灰Ca(OH)1kgを混合したものを800℃で処理した分析結果を示している。図9から吹付材ガラスファイバはほぼ分解可能であることが分かる。アスベスト及び/又はアスベスト含有物質とアスベスト類似品との識別は目視では困難でありX線回折法などによる分析をしないと識別が困難であり、回収時に混合された場合に分別することは不可能に近い。本発明によればアスベスト類似品が混入しても問題なく分解処理できるため、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質とその類似品であるか否かを判断する必要が無く、極めて実用性が高いという特徴がある。
【0041】
アスベストの基本的分解は以下の反応式で進行することが考えられる。
2MgSi(OH)=3MgSiO+SiO+4HO …(1)
3MgSi(OH)+2CHClF+H
→3MgSiO+3SiO+2MgF+MgCl+2CO+6H
………(2)
【0042】
反応前式のHOは後式の6HOと打ち消しあうことになるが、実際には過熱蒸気との加水分解が生じてHF,HClなどの反応により分解が開始されると考えられ、敢えて相殺していない。消石灰を投入する場合の分解は
MgSi(OH)+2CHClF+3Ca(OH)+H
→MgSiO+MgO+SiO+2CaF+CaCl+2CO+7H
………(3)
または
2MgSi(OH)+2CHClF+3Ca(OH)
→3MgSiO+SiO+2CaF+CaCl+2CO+12H
………(4)
従って消石灰を入れるとMgSiOが重合してマグネシウム珪酸塩MgSi10(OH)になることが抑制されるものと考えられる。
【0043】
上記は消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加した例であり、消石灰は入手が容易で空気中で安定であり、粉体であるから扱いが容易なためである。より、好ましくは生石灰(酸化カルシウムCaO)を添加することが適当である。生石灰(酸化カルシウムCaO)を投入した場合の分解は次の通りである。
MgSi(OH)+2CHClF+3CaO+H
→MgSiO+MgO+SiO+2CaF+CaCl+2CO+4H
………(5)
または
2MgSi(OH)+2CHClF+3CaO
→3MgSiO+SiO+2CaF+CaCl+2CO+9H
………(6)
【0044】
ただし、生石灰(酸化カルシウムCaO)は粉体にすると空気中の水分を吸収してすぐにCa(OH)に変わるため、保存が困難となり、又状態も粉体ではないため、使用に際しては事前の加工が必要となる。
【0045】
更に、石灰石(炭酸カルシウムCaCO)は熱が加わると
CaCO=CaO+CO ………(7)
となり生石灰(酸化カルシウムCaO)を入れるのと同じ効果がある。また、消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))は加熱されると
Ca(OH)=CaO+HO ………(8)
となり生石灰(酸化カルシウムCaO)を入れるのと同じ効果となる。
【0046】
ここでフロンガス分解の一例を下記により説明すると、被分解処理物がフロンCFC−12の場合には、過熱蒸気との反応により、下記(9)式の加水分解が進行する。
CCl+2HO → CO+2HCl+2HF ………(9)
【0047】
同様にフロンCFC−22の加水分解は、下記の(10)〜(12)式により行われる。
CHClF+2HO → CO+HCl+2HF+H ………(10)
CHClF+HO → HCl+2HF+CO ………(11)
4CHClF+6HO → 3CO+8HF+4HCl+CH …(12)
(10)(11)(12)式によれば、Hガス,COガス,CHガスという有害もしくは可燃性ガスが生成する問題がある。そこで水とともに空気もしくは酸素を加えて加水酸化分解を行わせると下記の(13)式が進行する。
CHClF+HO+1/2O → CO+HCl+2HF ………(13)
よって、一酸化炭素COは
2CO+O=2CO
となり、水素ガスH
2H+O=2H
となり、メタンガスCH
CH+3O=CO+2H
となる。従って有害もしくは可燃性ガスは二酸化炭素として無害化されるか水分に変換される。
【0048】
なお、上記したフロンの加水分解時にはフロンの分解を促進するために空気又は酸素を供給することも可能であり、更には、排ガス分解装置13に空気又は酸素を供給することも可能である。
【0049】
また、ハロンガス(CFBr)を使用した場合の反応式は次の通りとなる。
2MgSi(OH)+CBrF+2Ca(OH)
=3MgSiO+SiO+CaF+CaBrF+CO+6H
………(14)
または
MgSi(OH)+CBrF+2Ca(OH)
=MgSiO+SiO+MgO+CaF+CaBrF+CO+4H
………(15)
【0050】
更に、六フッ化硫黄(SF)を使用した場合の反応式は次の通りとなる。
MgSi(OH)+SF+4Ca(OH)
=MgSiO+SiO+MgO+3CaF+CaSO+6H
………(16)
【0051】
本発明は上記したようにフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄の分解と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質でなる被分解処理物10を容易に分解できることが大きな特徴となっており、前記処理炉1内は加圧されておらずに常圧もしくは微負圧であって強制的に加圧をしない処理炉であるため、仮に処理炉1が破損したとしても被分解処理物10が系外に飛散する惧れは生じない。また、フロン分解時に発生する発熱エネルギーが有効に利用されており、分解温度も700℃〜800℃の範囲でよいため、従来の溶融処理時に必要とする1500℃前後の高温に較べて比較的低温の処理が可能であるという特徴がある。更に無害化された分解物は地中に埋め立て処理するか、もしくは各種建築用の骨材として使用される採石に代えて利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上詳細に説明したように、本発明によれば難分解物質であるフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄の分解処理と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を分解することで、フロンの分解のみならずアスベストの分解処理を高効率,低コストで実現することが可能となるため、難分解物質であるフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄の分解とともに従来から不燃性の建設資材,電気製品,自動車,家庭用品その他の用途に全般的に多用されているアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を分解処理する際に広く利用することができる。そして、アスベストについてのみ考えても、分解物は砕石として再利用できるとともに、分解効率もよく短時間で大量に処理できる。反応時間が短く、負圧もしくは微負圧雰囲気なので被分解処理物が外部に飛散することもなく、又連続運転が可能であり、混合は粉体と固体であるため処理炉の中に投入しスクリュウで攪拌する程度で十分である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態を概略的に示すシステム図。
【図2】第1実施形態のフロー図。
【図3】本発明の第2実施形態を概略的に示すシステム図。
【図4】第2実施形態のフロー図。
【図5】本発明の第3実施形態を概略的に示すシステム図。
【図6】第3実施形態のフロー図。
【図7】本発明による処理結果をX線回折により分析したダイヤグラム。
【図8】フロンガスの流量と過熱蒸気流量を処理炉内の温度を変えて処理してX線回折により分析したダイヤグラム。
【図9】被分解処理物として吹付材ガラスファイバを用いて処理してX線回折により分析したダイヤグラム。
【符号の説明】
【0054】
1…バッチ式処理炉
2,14…ヒータ
3…フロンガス投入口
4,15…過熱蒸気投入口
5…撹拌器
6…撹拌羽根
7…排ガス洗浄器
8…フィルタ
9…ブロワ
10…被分解処理物
11…消石灰投入口
12…処理物排出口
13…排ガス分解装置
17…処理物タンク
18…モータ
19…スクリュー
23…被分解処理物投入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気を利用したフロン分解時の発熱を利用して分解処理することを特徴とするアスベストの分解処理方法。
【請求項2】
被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気とフロンとともに処理炉内に一定時間滞留させることにより、フロンとともに被分解処理物を分解処理することを特徴とするアスベストの分解処理方法。
【請求項3】
被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気とフロンとともに所定の温度に加熱された処理炉内で所定の反応時間経過させることにより、フロンとともに被分解処理物を分解処理することを特徴とするアスベストの分解処理方法。
【請求項4】
被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を所定の温度に加熱された処理炉に投入して、該処理炉内にフロンガスと過熱蒸気を所定の反応時間通過させることにより、フロンとともに被分解処理物を分解処理することを特徴とするアスベストの分解処理方法。
【請求項5】
処理炉から排出されるガスを排ガス洗浄器に導いて洗浄液で洗浄してからフィルタを通してブロワで吸引して系外に放散する請求項1,2又は3記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項6】
処理炉から排出されるガスを所定の温度に加熱された排ガス分解装置に導き、該排ガス分解装置内に過熱蒸気を注入して反応させ、排ガス分解装置から排出されるガスを排ガス洗浄器に導いて洗浄液で洗浄してからフィルタを通してブロワで吸引して系外に放散する請求項1,2又は3記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項7】
処理炉内に、フロンガスと過熱蒸気とともに反応促進剤を投入して所定の時間反応させた請求項1,2,3,4,5又は6記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項8】
反応促進剤として石灰石,生石灰,消石灰,石膏,セメントから選択された1種又は複数を投入して所定の時間反応させた請求項7記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項9】
処理炉を700℃〜800℃の温度範囲で加熱する請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項10】
処理炉内に、モータにより回転駆動されるスクリューを配備して被分解処理物を搬送する請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項11】
フロンに代えて、ハロンを使用した請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項12】
フロンに代えて、六フッ化硫黄を使用した請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載のアスベストの分解処理方法。
【請求項13】
被分解処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を、過熱蒸気とフロンとともに所定の温度で加熱分解する処理炉を有することを特徴とするアスベストの分解処理装置。
【請求項14】
処理炉はフロンガスと過熱蒸気の投入口を有する請求項13記載のアスベストの分解処理装置。
【請求項15】
処理炉から排出されるガスを洗浄する排ガス洗浄器とフィルタとを備えてなる請求項13又は14記載のアスベストの分解処理装置。
【請求項16】
処理炉から排出されるガスに過熱蒸気を注入して反応させる排ガス分解装置と、該排ガス分解装置から排出されるガスを洗浄する排ガス洗浄器とフィルタとを備えてなる請求項13又は14記載のアスベストの分解処理装置。
【請求項17】
フロンに代えて、ハロンを使用した請求項13,14,15又は16記載のアスベストの分解処理装置。
【請求項18】
フロンに代えて、六フッ化硫黄を使用した請求項13,14,15又は16記載のアスベストの分解処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−209364(P2007−209364A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305141(P2005−305141)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(593147531)大旺建設株式会社 (15)
【Fターム(参考)】