説明

アズレン含有水性液剤

【課題】アズレン類を含む水性液剤の光安定性を改善するとともに、不溶性物質の生成を抑制し、安定な水性液剤を得る。さらにアズレン類およびベルベリン類の生体組織移行性を高めた製剤を得る。
【解決手段】(A)アズレン類、(B)ベルベリン類を含む水性液剤に(C)緩衝剤、(D)非イオン界面活性剤を含有させる。これにより得られる水性液剤は、光安定性が向上し、不溶性物質の生成を抑制することから長期安定性に優れる。さらに薬理活性成分であるアズレン類、ベルベリン類の脂溶性も向上することから、生体組織移行性も良好であり、外用剤として、とりわけ眼科用製剤として特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アズレン類を含有する安定性に優れた水性液剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸などのアズレン類は、消炎作用、抗アレルギー作用等の広範な作用を有する薬物であり、主として抗炎症剤として経口剤、点眼剤等に繁用されている。しかし、これらアズレン類は光に対して不安定であり、製造や流通の段階でアズレン類は分解しやすい。そして分解に伴い製品の色調が変化すると共に品質の低下をきたす。特に水の存在下ではアズレン類は光に極めて不安定となるため、アズレン類を含有する水性液剤においては、製造工程、市場流通工程での安定性を担保することが重要である。
【0003】
一般に、光に対して不安定な薬理活性物質を含有する組成物を安定に保持する手段としては、組成物を収容する包装材料による遮光手段、例えば、製剤を収容する容器を遮光するための補助的な遮光袋を使用したり、製剤を収容する容器を、褐色容器やアルミニウム容器にするなどの遮光手段が採用されている。しかし、補助的遮光袋を患者が使用しない場合も多く、また一方で、容器や包材を使用できない製造工程において、光による分解が進行する恐れがある。
【0004】
これまでにアズレン類を含有する水性溶液製剤中でのアズレン類の光安定性を改善する方法が種々検討されている。例えば、多価アルコールの存在下で、水溶液中でアズレンスルホン酸ナトリウムを安定化させる方法(特許文献1)や、キサンチン誘導体の存在下で、水溶液中でアズレン類を安定化させる方法(特許文献2)が開示されている。
【0005】
一方、硫酸ベルベリンや塩化ベンザルコニウムのように四級アンモニウム基を有する物質を含有する溶液中にアズレン類を添加すると、両者の濃度や配合割合によっては不溶性物質を形成し、白濁現象が生じる場合があることが知られている。これを解消する方法としてグリチルリチン酸又はその塩を添加する方法、(特許文献3、特許文献4)、アルキルポリアミノエチルグリシンおよび非イオン界面活性剤を添加する方法(特許文献5)が知られている。
【0006】
このように水溶液中でのアズレン類の光安定性を向上する方法、アズレン類と四級アンモニウム基を有する化合物との間の不溶性物質の生成を抑制する方法はそれぞれ知られているものの、これらの課題を同時に解決する、すなわちアズレン類を含有する水性液剤について光安定性を向上するとともに、不溶性物質の生成を抑制する方法は知られていない。
【0007】
そこで、本発明者はアズレン類を含有する水性液剤の長期安定性を改善すべく鋭意検討したところ、(A)アズレン類を含有する水性液剤に(B)ベルベリン類、(C)緩衝剤、(D)非イオン界面活性 を含有させると、水溶液中でのアズレン類の光安定性が向上し、かつ不溶性物質の生成を抑制し、長期にわたり安定性が改善した水性液剤が得られること、さらにアズレン類およびベルベリン類の生体組織移行性が向上された水性液剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2724943号
【特許文献2】特開2003−128537号公報
【特許文献3】登録第2893807号公報
【特許文献4】特開2004−59479号公報
【特許文献5】特公平8-25874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、水性液剤中でのアズレン類の光安定性を向上し、かつ不溶性物質の生成を抑制することで、長期にわたり安定性に優れた水性液剤を提供することにある。さらには、アズレン類およびベルベリン類の生体組織移行性を高めた水性液剤を提供することにある。本発明の別の目的は、アズレン類の光に対する安定性を改善する方法、ならびにアズレン類およびベルベリン類を含有する水性液剤において不溶性物質の生成を抑制する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(A)アズレン類、(B)ベルベリン類、(C)緩衝剤、および(D)非イオン界面活性剤を含有する安定化された水性液剤、およびアズレン類を含有する水性液剤の光安定性を向上させる方法、ならびに(A)アズレン類と(B)ベルベリン類を含有する水性液剤に、(C)緩衝剤、および(D)非イオン界面活性剤を含有させることで不溶性物質の生成を抑制する方法に関する。
【0011】
すなわち、本発明は下記に掲げる水性液剤、または光安定性を改善する方法ならびに不溶性物質の生成を抑制する方法である。
(1)(A)アズレン類、(B)ベルベリン類、(C)緩衝剤、および(D)非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする水性液剤。
(2)緩衝剤としてホウ酸類、クエン酸類およびリン酸類よりなる群から選択される1種以上 を含むことを特徴とする(1)記載の水性液剤。
(3)非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油よりなる群から選択される1種以上 を含むことを特徴とする(1)または(2)記載の水性液剤。
(4)眼科用製剤であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の水性液剤。
(5)(A)アズレン類、(C)緩衝剤および(D)非イオン界面活性剤を含有する水性液剤に(B)ベルベリン類を含有させ、光安定性を向上させる方法。
(6)(A)アズレン類と(B)ベルベリン類を含有する水性液剤に、(C)緩衝剤および(D)非イオン界面活性剤を含有させ、不溶性物質の生成を抑制する方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、(A)アズレン類を含有する水性液剤にさらに(C)緩衝剤、(D)非イオン界面活性剤および(B)ベルベリン類を含有させるので、アズレン類を含有する水性液剤であっても、優れた光安定性を有し、不溶性物質の生成が抑制された長期にわたり安定な水性液剤が得られる。さらに本発明では、アズレン類およびベルベリン類の生体組織移行性が向上された水生液剤が得られる。また、本発明の方法では、アズレン類を含有する水性液剤の光安定性が高度に改善できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の水性液剤におけるアズレン類としては、具体的には、ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン、1,4-ジメチル-7-イソプロピルアズレンともいう)、アズレンスルホン酸(グアイアズレンスルホン酸、1,4-ジメチル-7-イソプロピルアズレン-3-スルホン酸ともいう)、ジメチルエチルアズレン(カマズレン、1,4-ジメチル-7-エチルアズレンともいう)、1,4-ジメチル-7-エチルアズレン-3-スルホン酸(カマズレンスルホン酸ともいう)、およびこれらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩などが挙げられる。
本発明において、薬理学的又は生理学的に許容できる塩としては、例えば、有機酸塩(例えば、乳酸塩、酢酸塩、酪酸、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、アミノ酸、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例えばアンモニウム塩、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩など)などが例示できる。
アズレン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。本発明の水性液剤が眼科用組成物の場合、アズレンスルホン酸またはこれらの塩が好ましい。
【0014】
本発明の水性液剤におけるアズレン類の含有量は、0.0001〜0.1W/V%(以下、特に言及しない限り「W/V%」を単に「%」で示す)、好ましくは、0.001〜0.1%程度であり、例えば、眼科用製剤である場合、通常、0.0004〜0.05%、好ましくは、0.001〜0.03%、さらに好ましくは0.004〜0.02%程度である。また、かかる投与量は患者の体重、症状、投与回数、投与方法等によって増減できることは言うまでもない。
【0015】
本発明の水性液剤におけるベルベリン類としては、ベルベリンおよび薬理学的又は生理学的に許容できる塩などが挙げられる。具体的には、硫酸ベルベリンや塩化ベルベリンなどの塩酸塩や硫酸塩などが例示でき、オウバクやオウレンといったベルベリン類を含有する生薬のエキス等を用いてもよい。また、ベルベリン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0016】
本発明の水性液剤中におけるベルベリン類の含有量は、通常、0.0005〜0.5%、好ましくは、0.001〜0.1%、例えば、眼科用製剤である場合、ベルベリン類の組成物中の含有量は、通常、0.001〜0.1%、より好ましくは、0.001〜0.05%、特に好ましくは0.005〜0.025%程度である。オウバク・オウレンのエキス等を用いる場合も、組成物中のベルベリン類の含有量が上記になるように調製して使用することができる。また、かかる投与量は患者の体重、症状、投与回数、投与方法等によって増減できることは言うまでもない。
【0017】
本発明の水性液剤におけるアズレン類に対するベルベリン類の割合は、通常、アズレン類1重量部に対して、ベルベリン類0.1〜50重量部、好ましくは0.2〜10重量部、さらに好ましくは0.25〜7重量部程度の範囲から選択できる。なお、この範囲を著しく外れると、本発明により得られる光安定化効果は低減する傾向にある。
【0018】
本発明の水性液剤における緩衝剤としては、たとえば、ホウ酸類、リン酸類、炭酸類、クエン酸類、酢酸類、グッド緩衝剤などを用いることができる。ホウ酸類としては、ホウ酸およびこれらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩を使用することができ、具体的には、ホウ酸、テトラホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ砂、メタホウ酸カリウムなどのホウ酸のアルカリ金属塩、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウムなどのホウ酸のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらのホウ酸塩は水和物としても使用することができる。リン酸類としては、リン酸およびこれらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩を使用でき、具体的には、リン酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムなどのリン酸のアルカリ金属塩、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどのリン酸のアルカリ土類金属塩などを使用することができる。これらのリン酸塩は水和物として使用してもよい。炭酸類としては、炭酸およびこれらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩を使用することができ、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。クエン酸類としては、クエン酸およびこれらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩を使用することができ、具体的には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどが挙げられる。酢酸類としては、酢酸およびこれらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩を使用することができ、具体的には、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。グッド緩衝剤としては、MES、MOPS、PIPES、HEPES、BES、TESなどを用いることができる。これらの緩衝剤は1種又は2種以上配合することができる。好ましい緩衝剤は、ホウ酸類、リン酸類、炭酸類、クエン酸類、グッド緩衝剤であり、さらに好ましい緩衝剤は、ホウ酸類、リン酸類、クエン酸類である。特に好ましい緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムである。
【0019】
本発明の水性液剤中における緩衝剤の含有量は、通常、0.001〜10.0%、好ましくは0.01〜5.0%、より好ましくは0.1〜3.0%程度である。
緩衝剤の含有量がこの濃度範囲よりも著しく低くなると本発明における十分な効果が得られにくく、また著しく高濃度に外れると、特に眼科用組成物の場合は眼刺激が生じる傾向にある。
【0020】
本発明の水性液剤における非イオン界面活性剤としては、界面活性能のある非イオン界面活性剤であればよく、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが使用できる。POE−POPブロックポコリマーとしては、例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188などのポロクサマーが挙げられる。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80などポリソルベートが挙げられる。ポリオキシエチレンヒマシ油としては、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油などが挙げられ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO40)などが挙げられる。これらの非イオン界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。例えば眼科用製剤の場合、ポロクサマー、ポリソルベート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、ポロクサマー407、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60が特に好ましい。
【0021】
また、本発明の組成物中における非イオン界面活性剤の含有量は、通常、0.001〜5%、好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.05〜2%程度である。非イオン界面活性剤の含有量がこの濃度範囲よりも著しく低くなると本発明における十分な効果が得られにくく、また著しく高濃度に外れると、特に眼科用組成物の場合は眼刺激が生じる傾向にある。
【0022】
本発明の水性液剤における(A)アズレン類と(B)ベルベリン類に対する(C)緩衝剤、(D)非イオン界面活性剤の割合は、通常、アズレン類とベルベリン類の合計量1重量部に対して、緩衝剤0.2〜600重量部、非イオン界面活性剤0.1〜300重量部、好ましくは緩衝剤2〜400重量部、非イオン界面活性剤1〜200重量部程度の範囲から選択できる。なお、この範囲を著しく外れると、本発明により得られる不溶性物質の生成抑制効果は低減する傾向にある。
【0023】
本発明の水性液剤は、目的に応じて例えば、内服あるいは外用の形態で使用することができる。内服の形態としては、内科用等、外用の形態としては、眼科用、歯科用、耳鼻科用、皮膚科用等、様々な用途の局所投与製剤として提供することができるが、不溶性物質の生成も抑制されることから、異物の発生が特に問題とされる製剤に適しており、特に眼科用製剤として有用である。なお、眼科用製剤としては医薬用の製剤に限らず、コンタクトレンズ用剤などの非医薬用の製剤としても利用できる。例えば、点眼薬(点眼剤とも言う、コンタクトレンズ装用中にも使用できる点眼薬を含む)、洗眼薬(洗眼剤とも言う、コンタクトレンズ装用中にも使用できる点眼薬を含む)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、すすぎ液、消毒液、マルチパーパスソリューションなど)などが挙げられる。なお、本明細書において、コンタクトレンズとは、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズも含む)、ソフトコンタクトレンズなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する。
【0024】
本発明の水性液剤は、光に対する安定性が高いので、複数回に亘り投与する形態で包装され、かつ使用者が継続的に使用するマルチドーズの水性液剤、例えば、点眼薬、洗眼薬、鼻洗浄液、口腔用薬(口腔咽頭薬、含嗽用薬等)、点耳薬、点鼻薬、液状内服薬(液状胃腸薬、液状風邪薬等)、皮膚外用薬などとしても有用である。
【0025】
本発明の水性液剤は、例えば、内服用液剤では、通常、酸性〜中性(例えば、pH3.0〜7.5程度)であることが好ましい。外皮用組成物では、通常、pH2.0〜7.5程度の範囲から選択でき、皮膚に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH3.0〜7.5、より好ましくは弱酸性〜中性(例えばpH3.0〜6.5程度)であるのが好ましい。点眼薬、洗眼薬等の粘膜適用組成物の場合、通常、pH5.0〜8.5,好ましくはpH6.0〜8.5,さらに好ましくはpH7.0〜8.0程度であり、点鼻薬の場合、通常、pH3.0〜7.5、好ましくはpH3.5〜8.0、さらに好ましくはpH3.5〜7.5程度である。また光安定性を向上させ、不溶性物質の生成を抑制する面から、好ましくはpH5.0〜9.0、より好ましくはpH6.5〜8.5の範囲に設定すると、本発明における水性液剤の安定性がさらに向上する。
【0026】
本発明の光安定性の向上方法によれば、(A)アズレン類、(C)緩衝剤および(D)非イオン界面活性剤を含有する水性液剤に、(B)ベルベリン類を含有させることでアズレン類の光安定性が向上されることから、ベルベリン類はアズレン類の光安定化剤と定義することができる。
【0027】
また、本発明では、アズレン類、ベルベリン類をある特定の割合や濃度で水性液剤中に含有させることで生じる不溶性物質の発生を、緩衝剤および非イオン界面活性剤を含有させることにより抑制でき、長期にわたりより安定化された水性液剤を提供することができる。
【0028】
本発明の水性液剤は、本発明の効果を妨げない限り、アズレン類、ベルベリン類、緩衝剤、非イオン界面活性剤の他に、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、多糖類またはその誘導体、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、前述以外の水溶性高分子、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療薬などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
【0029】
充血除去成分:α−アドレナリン作動薬、例えば、イミダゾリン誘導体(オキシメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリンなど)、β−フェニルエチルアミン誘導体(エピネフリン、エフェドリン、フェニレフリン、メチルエフェドリンなど)、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリンなどの無機酸塩;酒石酸水素エピネフリンなどの有機酸塩など)など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0030】
眼筋調節薬成分:アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、例えばメチル硫酸ネオスチグミン等の第4級アンモニウム化合物、アトロピン、トロピカミド、ヘレニエン、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、硫酸アトロピンなど)など。
【0031】
抗炎症薬成分または収斂薬成分:亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛など)、アスピリン、アセメタシン、アラントイン、イブプロフェン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、塩化リゾチーム、塩酸チアラミド、グリチルリチン酸、サリチル酸メチル、ジクロフェナク、硝酸銀、セレコキシブ、チアプロフェン酸、ピロキシカム、プラノプロフェン、ブロムフェナク、メフェナム酸、メロキシカム、リゾチーム、ロキソプロフェンナトリウム、ロフェコキシブなど、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム)など。
【0032】
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アステミゾール、アゼラスチン、アンレキサノクス、イブジラスト、イプロヘプチン、エメダスチン、エバスチン、エピナスチン、オキサトミド、オロパタジン、クレマスチン、クロモグリク酸、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェンヒドラミン、スプラタスト、セチリジン、タザノラスト、テルフェナジン、トラニラスト、フェキソフェナジン、ベポタスチン、ペミロラスト、メキタジン、レピリナスト、レボカバスチン、ロラタジン、またはその塩(例えば、塩酸アゼラスチン、塩酸イプロヘプチン、塩酸オロパタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミンなど)など。
【0033】
ビタミン類:例えば、ビタミンA類[例えば、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン、レチナール、レチノール、レチノイン酸及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)など]、ビタミンB類[塩酸ジセチアミン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ジセチアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硝酸エステル塩、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、酪酸リボフラビン、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、ピリドキシン、ピリドキサール、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノコバラミン、メチルコバラミン、ジヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸、葉酸、ニコチニックアルコール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パンテノール、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、イノシトール、コリン、ビオチンなど]、ビタミンC類[アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウムなど)など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、ヒドロキシコレカルシフェロール及びその薬理学的に許容される塩類など)など]、ビタミンE類[例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなど)など]、その他のビタミン類[例えば、エリオシトリン、オロチン酸、カルニチン、γ−オリザノール、フェルラ酸、ヘスペリジン、ルチン及びその薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチン、メチルヘスペリジンなど)など]。
【0034】
アミノ酸類:例えば、アスパラギン、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、アラニン、イソロイシン、オルニチン、グリシルグリシン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、コンドロイチン硫酸、システイン、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リジン、ロイシンまたはその塩(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、塩酸システイン、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0035】
抗菌薬成分または殺菌薬成分:アクリノール、アミノグリコシド系抗菌薬[カナマイシン(例えば、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシンなど)、ゲンタマイシン(例えば、硫酸ゲンタマイシンなど)、シソマイシン(例えば、硫酸シソマイシンなど)、ストレプトマイシン(例えば、硫酸ストレプトマイシンなど)、トブラマイシン、ミクロノマイシン(例えば、硫酸ミクロノマイシンなど)など]、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール系抗菌薬(クロラムフェニコールなど)、スルホンアミド類[例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及び薬理学的に許容される塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウムなど)]、第4級アンモニウム化合物[例えば、セチルピリジニウム、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム及び薬理学的に許容される塩(塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セチルピリジニウムなど)]、テトラサイクリン系抗菌薬(塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリンなど)、ニューキノロン剤[塩酸シプロフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン(例えば、塩酸ロメフロキサシンなど)など]、βラクタム系抗菌薬[カルベニシリン(例えば、カルベニシリンナトリウムなど)、スルベニシリン(例えば、スルベニシンナトリウムなど)、セフメノキシム(例えば、塩酸セフメノキシムなど)、ペニシリン(例えば、ベンジルペニシリンカリウムなど)]、ポリペプチド系抗菌薬(コリスチン、コリスチンメタスルホン酸ナトリウムなど)、マクロライド系抗菌薬[エリスロマイシン(例えば、ラクトビオン酸エリスロマイシンなど)、キタサマイシン、スピラマイシン]などのほか、フラジオマイシン(例えば、硫酸フラジオマイシンなど)、ポリミキシン(例えば、硫酸ポリミキシンなど)、ジベカシン(例えば、硫酸ジベカシンなど)、アミカシン(例えば、硫酸アミカシンなど)などが挙げられる。また、抗ウイルス薬としてアシクロビル、アデニンアラビノシド、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、カルボサイクリック・オキセタノシンG、ガンシクロビル、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、シドフォビア、トリフルオロチミジン、バラシクロビル、ブロモデオキシウリジン、ホスカルネット、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、抗真菌薬としてアムホテリシンB、イソコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾールなどが挙げられる。
【0036】
糖類:単糖類(例えば、グルコースなど)、二糖類(例えば、トレハロース、フルクトース、ラクトースなど)、オリゴ糖類(例えば、プルラン、ラクツロース、ラフィノースなど)、糖アルコール類(例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど)など。
【0037】
多糖類又はその誘導体:アラビアゴム、アルギン酸、エラスチン、カゼイン、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、コラーゲン、コンドロイチン硫酸またはその塩(アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)、ゼラチン、ダンマルガム、デキストラン、デキストリン、デンプン、トラガント、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ベンゾインゴム、ペクチン、ローカストビーンガムなど。
【0038】
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、メチルセルロースなど。
【0039】
前述以外の水溶性高分子:ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドンなど。
【0040】
局所麻酔薬成分:アミノ安息香酸エチル、オキシブプロカイン、コカイン、コルネカイン、ジブカイン、テトラカイン、ピペロカイン、ブピバカイン、プロカイン、プロパラカイン、ヘキソチオカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩(塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど)など。
【0041】
ステロイド成分:コルチゾール、デキサメタゾン、トリアムシノロン、パラメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン(hydroxymesterone)及びそれらの塩(カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン)など。
【0042】
緑内障治療成分:アセタゾラミド、ウノプロストン(例えば、イソプロピルウノプロストンなど)、エピネフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸カルテオロール、塩酸ジピベフリン、塩酸ドルゾラミド、塩酸ピロカルピン、塩酸ブナゾシン、塩酸ブプラノロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベフノロール、カルバコール、塩酸レボブノロール、ジピバル酸エピネフリン、臭化ジスチグミン、ニプラジロール、マレイン酸チモロール、メタゾラミド、ラタノプロスト及びそれらの塩など。
【0043】
白内障治療成分:グルタチオン、シネラリアマルティマ、唾液腺ホルモン、チオプロニン、ピレノキシン、Dihydro azapentacene disulfonate及びそれらの塩など(例えば、5,12−ジヒドロアザペンタセンジスルホン酸ナトリウム(Sodium5,12-dihydro azapentacene disulfonate)など)。
【0044】
水性液剤中のこれらの成分の配合量は製剤の種類、活性成分の種類などに応じて適宜選択され、内服用、外皮用、粘膜用製剤などにおける各種成分の配合量は当該技術分野で既知である。例えば、製剤全体に対して0.0001〜30%、好ましくは、0.001〜10%程度の範囲から選択できる。
より具体的には,眼粘膜適用用水性液剤中の各成分の含有量は、例えば、以下の通りである。
【0045】
充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興奮薬):例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.001〜0.1%。
眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.1%、さらに好ましくは0.0005〜0.01%。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.0001〜5%。
抗ヒスタミン薬成分または抗アレルギー薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%。
ビタミン類:例えば、0.0001〜1%、好ましくは、0.0001〜0.5%。
アミノ酸類:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜3%。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、0.00001〜10%、好ましくは、0.0001〜10%。
糖類:例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%。
多糖類又はその誘導体:例えば、0.0001〜2%、好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、0.001〜5%、好ましくは0.01〜1%。
前述以外の水溶性高分子:例えば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%。
局所麻酔薬成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
ステロイド成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
緑内障治療成分:例えば、0.001〜5%、好ましくは0.01〜1%。
白内障治療成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%。
【0046】
また、本発明の水性液剤には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、糖類、非イオン界面活性剤以外の界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、香料または清涼化剤、キレート剤などの各種添加剤を挙げることができる。
【0047】
以下に本発明の水性液剤に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
【0048】
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、セラミド、セルロース誘導体(エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースなど)、多糖類又はその誘導体(アラビアゴム、アルギン酸、エラスチン、カゼイン、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ゼラチン、ダンマルガム、トラガントガム、ベンゾインゴム、デキストリン、デキストラン、デンプン、ヒアルロン酸、ペクチン、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ポリガラクツロン酸、ローカストビーンガムなど)、デオキシリボ核酸、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、マクロゴール、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、リボ核酸など、及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)など。
【0049】
糖類:例えば、アラビノース、ガラクトース、キシロース、グルコース、シクロデキストリン、スクロース、セロビオース、デオキシリボース、トレハロース、フルクトース、プルラン、マルチトール、マルトース、マンノース、ラクツロース、ラクトース、ラフィノース、リキソース、リブロース、リボースなど及びその薬理学的に許容される塩類など。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。
これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0050】
界面活性剤:例えば、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;アルキルエーテルカルボン酸塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、POE(3) ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなど)などの陽イオン界面活性剤などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
【0051】
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、アクリノール、アルキルポリアミノエチルグリシン(塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなど)、安息香酸又はその塩(安息香酸ナトリウムなど)、イソプロパノール、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸、エタノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ポリドロニウム、塩化メチルロザニリン、オルトフェニルフェノール、過酸化水素、カプリル酸、クロルキシレノール、クロルヘキシジン又はその塩(塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンなど)、クロロフェン、クロロブタノール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、臭化セチルピリジニウム、スルファミン、ソルビン酸またはその塩(ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸トリクロカルバンなど)、チアベンダゾール、チメロサール、チモール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、トリクロサン、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、ハロカルバン、ビグアニド化合物(ポリヘキサメチレンビグアニド、8−ヒドロキシキノリン(硫酸オキシキノリン)、ヒノキチオール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、プロパノール、プロピオン酸、ベンジルアルコール、ポピヨンヨードなどの担持体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エトレンジクロリド]、ポリエチレンポリアミン・ジメチルアミンエピクロルヒドリン重縮合物(商品名例えばBusan1157、バックマン社製)、ポリミキシンB、ポリリジン、マーキュロクロム、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ラクトフェリン、リゾチーム、リン酸ジルコニウムの銀、レゾルシン、Glokil(商品名 例えばGlokilPQ、ローディア社製)など、及びその薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。
【0052】
pH調整剤:例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルコン酸、グルタミン酸、コハク酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、プロピオン酸、リンゴ酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、ホウ砂など)、有機塩基(ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、リジンなど)、及びその薬理学的に許容される塩類など。
【0053】
等張化剤:例えば、無機塩類(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムなど)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリオール、プロピレングリコールなど)、糖類または糖アルコール類(例えば、ソルビトール、ブトウ糖、マンニトールなど)など。
【0054】
香料又は清涼化剤:テルペン類(例えば、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、メントール、リモネン、リュウノウなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。)精油(ウイキョウ油、クールミント油、ケイヒ油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など)など。
【0055】
キレート剤:例えば、アスコルビン酸、エデト酸、クエン酸、コハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ニトリロトリ酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、メタリン酸等、及びその薬理学的に許容される塩類等(例えば、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム)。
【0056】
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
【0057】
溶解剤:オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、プラスチベース、ラッカセイ油など。
【0058】
増粘剤:例えば、0.0005〜50%、好ましくは、0.001〜10%
糖類:例えば、0.001〜10%、好ましくは、0.01〜5%
界面活性剤:例えば、0.0001〜10%、好ましくは、0.005〜5%
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
pH調節剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
等張化剤:例えば、0.001〜10%、好ましくは、0.01〜5%
香料または清涼化剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
キレート剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%。
【0059】
本発明の水性液剤は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節する必要がある。生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.3〜4.1、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。浸透圧比の調節は、緩衝剤、前記pH調整剤、等張化剤、塩類などを用いて行うことができる。
【0060】
本発明の水性液剤は、公知の方法により製造できるが、前述のように、アズレン類、ベルベリン類をある特定の割合や濃度で含有させることにより、不溶性物質を生成することがあるため、必要に応じて水性液剤への各成分の配合順序を考慮するとよい。具体的には ベルベリン類と、緩衝剤、非イオン界面活性剤を溶解した後に、アズレン類を加えて調製することが好ましい。また、眼科用製剤が点眼剤、洗眼剤などの場合は、各成分を混合し、必要によりろ過滅菌処理し、容器に充填することにより調製できる。より具体的には、組成物が点眼剤であれば、例えば、蒸留水又は精製水及び添加剤を用いて、ベルベリン類、緩衝剤、非イオン界面活性剤とを溶解させ、さらにアズレン類を溶解させ、所定の浸透圧及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。
【0061】
本発明の水性液剤は、光に対する安定性が高いとともに、長期間に亘り高い光安定性を維持できるので、光透過性の高い容器、例えばガラス又はプラスチック製の容器に収容することができる。特に、繰り返し使用する場合、プラスチック製容器などに収容すると、スクイズ性及び携帯性に優れ、扱いが容易である。さらに、本発明の水性液剤は、光透過性の高いプラスチック製容器に包装又は収容することができるので、容器の外部から異物混入を確実に判別でき、異物確認試験を容易に行うことができると共に、水性液剤の製造工程管理及び品質管理を確実に行うことができるため、眼科用水性液剤として好適に用いられる。
【0062】
前記水性液剤を収容できるプラスチック製容器の樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)など)、セルロースアセテート類などが例示できる。好ましい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ましい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
【0063】
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分など)とジオール成分とで構成された樹脂が挙げられる。具体的には、芳香族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレートなど]、ポリアルキレンナフタレート[ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレートなど]、ポリシクロアルキレンテレフタレート[ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)など]、ポリアリレート類(ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)とフタル酸類(フタル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂など)などのホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重合体など)なども含まれる。なかでも、オレフィン系樹脂(ポリエチレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなど)、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)をベースとする芳香族ポリカーボネートである。
【0064】
本発明においてプラスチック製容器は、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性(透湿性)等の品質面への影響とコストパフォーマンス等を考慮した上で、ポリマーアロイ(ポリマーブレンドなど)であってもよい。好ましいポリマーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(PETとPENとのポリマーブレンドなど)が含まれる。また、樹脂は、スクイズ性が良好で、繰り返しの押圧に対して耐久性を有する樹脂、透明性または半透明性の樹脂であることが好ましく、必要に応じて着色してもよい。そして、光の透過を阻害できる成分(紫外線吸収剤、赤外線吸収剤など)を樹脂に含有させたり、前記成分を含むコーティング剤を樹脂表面に塗布したりすることにより、本発明の効果と協働させて、さらに光安定性を向上させてもよい。
【実施例】
【0065】
以下に、試験例、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの試験例、実施例によって限定されるものではない。
【0066】
試験例1
下記表1に記載の実施例1〜3および比較例1〜8の処方に従い、精製水に、硫酸ベルベリン、緩衝剤(ホウ酸・ホウ砂、クエン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム)、ポリソルベート80(商品名:TO-10M(日光ケミカルズ株式会社製))を溶解し、そこにアズレンスルホン酸ナトリウムを加え、水酸化ナトリウム及び/または塩酸でpH7付近に調整し、試験溶液の全量を100mlとした。それぞれの試験溶液を無色透明のガラス瓶に充填し密封して試験試料とした。
各試験試料について、製造直後ならびに遮光下室温で5日間保管し不溶性物質の生成の有無を目視により観察した。そのうち室温で5日間放置して不溶性物質の生成を認めなかった試験試料については、以下の手順により、光に対する安定性の試験を行った。光安定性試験装置(「Light-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用い、得られた各試験試料に、D65蛍光ランプを光源として、25℃の下、0.5万luxの光を60時間連続照射し、試験試料を積算照射量30万lux・hrの光に曝光した。アズレンは光によって分解し、試験試料中の試験溶液が退色するため、光照射前(積算照射量0万lux・hr)および光照射後(積算照射量20万lux・hr、30万lux・hr)の各試験溶液について、分光光度計(「U−3300」、株式会社日立製作所製)を用いて測定波長577nmにおける吸光度を測定した。各試験溶液について得られた吸光度測定値について、以下の式から、各試験溶液におけるアズレンスルホン酸ナトリウムの残存率を求めた。なお、試験に先立ち、アズレンスルホン酸ナトリウムについて、上記波長における吸光度測定値をもって安定した定量が行えることを確認した。各試験試料における結果を表1に示す。なお、不溶性物質の生成の有無に関して、不溶性物質の形成を認めなかった場合は○、不溶性物質の形成を認めた場合は×と表中に示した。
【0067】
【数1】

【0068】
【表1】

【0069】
表1から明らかなように、硫酸ベルベリン、緩衝剤としてホウ酸緩衝液(ホウ酸、ホウ砂)、クエン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムのいずれか、および非イオン界面活性剤としてTO−10Mを用いた実施例1〜6では、不溶性物質の生成ならびに光照射によるアズレンスルホン酸ナトリウムの分解を顕著に抑制できた。これに対し、硫酸ベルベリン、緩衝剤または非イオン界面活性剤のいずれかを含有しない比較例1〜8では、光照射によるアズレンスルホン酸ナトリウムの分解ならびに不溶性物質の生成が認められた。
【0070】
試験例2
下記表2に記載の実施例3および比較例9、10の処方に従い、精製水に、硫酸ベルベリン、ホウ酸、ホウ砂、ポリソルベート80(商品名:TO-10M(日光ケミカルズ株式会社製))を溶解し、そこにアズレンスルホン酸ナトリウムを加え、全量を100mlとし、試験溶液とした。それぞれの試験溶液15mLを栓付き試験管に分注し、1−オクタノール15mLを添加した後、振とう機にて10分間振とうした。次に2000rpmで10分間で遠心分離を行い、平衡状態に達した後、得られた各試験溶液の水相(下層)について分光光度計(「U−3300」、株式会社日立製作所製)を用いて波長420nmおよび577nmにおける吸光度を測定した。各試験溶液について得られた吸光度測定値について、以下の式から、各試験溶液におけるアズレンスルホン酸ナトリウムおよび硫酸ベルベリンの油相への移行率(%)を求めた。なお、試験に先立ち、アズレンスルホン酸ナトリウムについては577nm、硫酸ベルベリンについては420nmにおける吸光度測定値をもって安定した定量が行えることを確認した。各試験試料における結果を表2に示す。
【0071】
【数2】

【0072】
【数3】

【0073】
【表2】

【0074】
表2から明らかなように、実施例4においては、硫酸ベルベリンを含有しない比較例9、アズレンスルホン酸ナトリウムを含有しない比較例10と比較して、硫酸ベルベリン及びアズレンスルホン酸ナトリウムの油相への移行率が良好であった。従って、実施例4は比較例9、10と比較して、硫酸ベルベリン及びアズレンスルホン酸ナトリウムの脂溶性が向上しており、生体組織移行性が向上している。
【0075】
下記表3〜6に示す処方に従い、常法により、点眼液、洗眼液を調製し、無菌環境下でろ過滅菌し、滅菌済みの点眼用容器(容量15mL 容器材質 本体:ポリエチレンテレフタレート、ノズル:ポリエチレン、キャップ:ポリプロピレン)、洗眼用容器(容量300mL 容器材質 本体:ポリエチレンテレフタレート、キャップ:ポリプロピレン)に充填し、実施例5〜22の点眼剤、実施例23、24の洗眼剤を得た。
【0076】
【表3】

【0077】
【表4】

【0078】
【表5】

【0079】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アズレン類、(B)ベルベリン類、(C)緩衝剤、および(D)非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする水性液剤。
【請求項2】
緩衝剤として、ホウ酸類、クエン酸類およびリン酸類よりなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の水性液剤。
【請求項3】
非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油よりなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1または2記載の水性液剤。
【請求項4】
眼科用製剤であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水性液剤。
【請求項5】
(A)アズレン類、(C)緩衝剤および(D)非イオン界面活性剤を含有する水性液剤に(B)ベルベリン類を含有させ、光安定性を向上させる方法。
【請求項6】
(A)アズレン類と(B)ベルベリン類を含有する水性液剤に、(C)緩衝剤および(D)非イオン界面活性剤を含有させ、不溶性物質の生成を抑制する方法。

【公開番号】特開2011−168620(P2011−168620A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122110(P2011−122110)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【分割の表示】特願2004−120733(P2004−120733)の分割
【原出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】