説明

アセテートトウの品質測定方法、その捲縮レベルの制御方法及び制御装置

【課題】アセテートトウの強力値をオンラインで測定し、該強力値をもとに捲縮付与工程のクリンプ圧力条件を変更し、アセテートトウの強力値を規格の範囲に保ち、安定した品質の製品が得られる製造方法と製造装置を提供する。
【解決手段】走行中のアセテートトウ(1) の強力値を演算測定する密度量測定装置(4) の近赤外線分光光度計と、得られた強力値をもとに捲縮付与工程(2) のクリンプ圧力条件を変更するアセテートトウ(1) の捲縮制御装置、およびアセテートトウ(1) が捲縮付与工程から梱包工程まで連続して走行する際に、走行するアセテートトウの強力値を測定し、得られた強力値をもとに、捲縮付与工程におけるクリンプ圧力条件を変更するアセテートトウの捲縮制御方法にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセテートトウの捲縮レベルを連続的に測定し、規格の捲縮レベルを満たすためのアセテートトウの品質測定方法と、その捲縮レベルの制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タバコフィルターに使用されるアセテートトウ製品は、フィルターの通気抵抗値が品質上最も重要なファクターとなる。製品に付与する捲縮レベルは様々な要因で変動することから、定期的に抜き取り試験を行い捲縮レベルが規格範囲内にあるかを確認し、規格範囲を超えた場合、捲縮付与設備のクリンプ圧力を調整することで規格範囲に捲縮を合わせる手法が採られる。
【0003】
しかし、前記評価方法ではアセテートトウ製造工場の生産量に対して、一部の評価しかできず、製品の大部分の品質を保障することができない。更に測定には抜き取り試験によるサンプリングから作業者による手分析までの工程が必要なことから労力と測定結果が出るまでの時間によるロスが発生する。また、クリンプ設備の圧力調整の操作もオペレータの勘に頼らざるを得ず判断を誤れば更に労力とロスの増加に繋がる。
【0004】
また、例えば特開平5−132852号公報(特許文献1)に記載された糸条の捲縮特性測定装置によれば、CCD 等のラインセンサーからなる読取部を台紙上に固定した試料糸の長手方向及び糸横断方向に向けて移動させながら、試料糸のパターンデータを読み取る。演算部において、パターンデータの変化分の方向を検出して、山または谷を識別し、その数を計数して捲縮数を演算する。データ間の距離を順次積算することにより、パターン長を演算し、糸条長手方向である副走査方向の所定長さにおけるパターン長から、捲縮率を演算する。
【特許文献1】特開平5−132852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許文献1に記載された2次元画像のデジタル化による糸条の捲縮評価は、光を照射し捲縮の山谷により発生する明暗の情報から演算しているが、この手法ではアセテートトウのように捲縮の山谷の形状が不安定な合成繊維にとっては正確な評価が困難である可能性が高い。更に、特許文献1による糸条の捲縮評価は、試料糸を台紙上に固定した上で、台紙と読取部とを相対移動させて上述の評価を行うため、全自動化は難しく、特に糸条の製造工程において連続測定することが不可能である。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであって、生産中のアセテートトウの密度量をオンラインで測定し、その密度量から、繊維帯の捲縮レベルを連続的に判定評価することを目的の一つとしている。更に、その判定情報をもとに、クリンプ設備の圧力条件を自動的に変更し、結果としてアセテートトウの強力値を規格の範囲内に維持して、安定した品質の製品を得ることを他の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、本発明の第1の基本構成は、近赤外線分光光度計の参照波長を1770nm、測定波長を2220nmとし、さらに2300nmで正規化すること、アセテートトウに近赤外線を照射して、近赤外線分光光度計により前記各波長の吸光度からアセテートトウの近赤外線減衰率を測定し、前記減衰率から密度量を演算すること、及び得られる前記密度量から繊維帯の捲縮レベルを判定することを含んでなるアセテートトウの品質測定方法にある。
【0008】
また、第2の基本構成は、前記品質測定方法により得られる捲縮レベルが規格のレベルから外れたとき、捲縮付与装置の捲縮ローラ圧を調整することを含むアセテートトウの捲縮レベルの制御方法である。また、第3の基本構成は、前記品質測定方法により得られる繊維の強力値が規格の範囲から外れたとき、クリンプ装置の捲縮ローラ圧を調整することを含むアセテートトウの捲縮レベルの制御方法である。第2及び第3の基本構成を備えたアセテートトウの捲縮レベルの制御方法発明における、前記捲縮レベルをオンラインにより連続制御することを含んでいる。
【0009】
更に本発明の第4の基本構成は、前述の制御方法を実施するための装置であって、捲縮付与装置及び乾燥機を経て連続移動するアセテートトウの密度量を演算する密度量演算手段と、当該密度量演算手段による演算結果に基づき前記繊維の強力値を演算する強力値演算手段と、当該強力値演算手段による演算結果を表示する表示手段とを備え、前記密度量演算手段は近赤外線分光光度計を含んでなり、当該近赤外線分光光度計は、近赤外線光源、光源照射部、特定波長を透過するフィルターを有する分光部、測光部、信号処理部、及びアセテートトウの近赤外線減衰率演算部を含むデータ処理部を有し、前記特定波長が、1770nmの参照波長、2220nmの測定波長、及び2300nmで正規化された波長であり、前記密度量演算手段は前記近赤外線減衰率演算部にて演算された近赤外線減衰率からアセテートトウの密度量を演算し、前記強力値演算手段は、アセテートの密度量と強力値との相関から予め作成した相関回帰式に基づき、前記強力値を前記密度量演算部により演算された密度量から演算し、その演算結果を出力部から強力値として上記表示手段に出力して表示する。
【発明の効果】
【0010】
近赤外線領域のうち、参照波長、測定波長及び正規化波長の3波長を、1770nm、2220nm及び2300nmの3つの特定領域に選択することにより、外乱の影響を受けにくくしている。また、近赤外線は物体内部に侵入し減衰した拡散反射光を測定するため、形状に関係なく高精度の測定が可能となる。更に本発明にあっては、アセテートトウの密度量と繊維の強力値との間の相関回帰式を予め設定しておき、その相関回帰式を利用して上記測定密度量から前記強力値を演算し、その値を表示し、或いはその値と規格レベルとを比較して、強力値、すなわちアセテートトウの捲縮レベルを規格レベル内に納まるように、クリンプ装置の捲縮付与圧力をアセテートトウの製造工程において連続調整し、一定の捲縮レベルを維持する高品質のアセテートトウを連続して製造する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の捲縮付与工程及び密度量測定工程の一例を示す工程説明図である。
本実施形態によれば、捲縮付与装置2を経て捲縮が付与された連続走行するアセテートトウ1を乾燥機3により乾燥したのち、その密度を密度量測定装置4にて測定し、得られた密度量をもとに捲縮レベルを判定する。
【0012】
密度量の測定装置4としては、走行中のアセテートトウ1に非接触で測定が可能な装置であることが好ましく、測定精度の点から近赤外線分光光度計を採用することが望ましい。近赤外線分光光度計による測定には、一般的に透過法、拡散反射法又は透過反射法の3種類の測定法の何れかが採用されている。図1に示す実施形態では拡散反射法を採用しているが、他の測定法を採用することもできる。
【0013】
図示実施形態にて採用する密度量測定装置4としての近赤外線分光光度計を、図2に基づいて簡単に説明すると、近赤外線分光光度計は、近赤外線光源部41、同光源部41からの光路上に配され、所望の波長域の近赤外線を選択的に透過させる分光部42、同分光部42を通って透過する近赤外線を被測定対象に照射する照射部43、照射光の反射光の光量を測定する測光部44、測光部44で検出された光信号を電気信号へと変換して出力する信号処理部45、信号処理部45から出力される電気信号を必要な演算を行い各種のデータ処理を行うデータ処理部46、及びこのデータ処理部46にて処理された各種情報を出力表示する表示部5に出力する出力部47を備えている。
【0014】
本実施形態では、図1に示すように、前記照射部43には捲縮付与装置2を経てクリンプ処理された被測定対象であるアセテートトウ1を連続的に走行させる。アセテートトウ自身が広い範囲で放射する反射光強度Iとアセテートトウの表面などで反射する反射光強度Irとの比を反射率Rとして表す。近赤外光はアセテートトウの所要深さまで侵入し、その過程で透過、屈折、反射、散乱を繰り返して拡散する。その拡散光の一部は再びトウ表面から放射され、測光部44にて捕捉される。反射率Rの逆数の対数が拡散反射吸光度Aとなり、これが本発明における減衰率に相当する。
ここで、R =I/Ir (Iはアセテートトウから拡散反射する反射光強度、Irはアセテートトウからの反射光強度)、A=log(1/R)=log(Ir/ I ) である。
【0015】
前記測定装置4は、アセテートトウの製造工程においては、捲縮付与工程に続く乾燥工程から梱包工程までの間であれば、任意の位置に設置してよい。
なお本発明では、測定装置4で測定して得られた測定値に基づき、捲縮付与装置2の圧力条件を制御することが必要であるが、空気圧を使用する捲縮付与装置2を用い、該捲縮付与装置2に供給される空気の供給圧力を制御することが好ましい。
【0016】
さらに本発明のアセテートトウの捲縮制御方法では、アセテートトウを乾燥工程から梱包工程まで連続して搬送する際に、走行するアセテートトウの強力値を測定し、得られた強力値をもとに、捲縮付与工程における圧力条件を変更することが必要である。
【0017】
本発明では、走行するアセテートトウの強力値をオンラインで測定した強力値をもとに、捲縮付与工程における圧力条件を変更するため、強力値の変動に対し迅速に対応が可能であり、安定した強力値の制御が可能となる。
また、走行するアセテートトウ1の強力値の測定は、近赤外線分光光度計を用いて非接触で行うことが、トウの走行安定性、品質保持の点から好ましい。
【0018】
一般に近赤外線と呼ばれる波長は1100nm〜2500nmの波長領域であり、この近赤外線領域にある全ての光をトウに照射し、アセテートトウの密度に相当する吸光度情報をコンピューターで処理することによって強力値を求める方法であっても良いが、この方法は幅広い波長領域の情報を処理するにふさわしいコンピューターを使用する必要があることから、一般に装置が複雑且つ非常に高価となる。
【0019】
このため、近赤外線をアセテートトウに照射するヘッド部に任意の波長のみを選択して透過する光学フィルターを設置し、所定の波長の近赤外線のみを透過させて、走行するアセテートに向けて照射することにより、吸光度を処理、演算するコンピュータの構成を単純化することが望ましい。この際、波長の選択には外乱が少ない波長域を選択することが望ましい。
【0020】
アセテートトウの密度変化は1500nm〜2500nmでほぼ類似の変化傾向が見られることから、この間の波長であればいずれの波長でも選定は可能である。しかし、1940nm近辺は対水分感度が高く、2300nmより長波長側は基本吸収の影響が出始めることから、このような外乱を受けない波長を選択することが望ましい。そのため、外乱の影響を受けにくい適正域を検討した結果、本発明では選択する波長領域を、1770nm、2220nm、2300nmの3つの波長とし、測定波長を2220nm、それに対して、リファレンス(参照)波長を1770nm、更に正規化波長を2300nmの波長に設定した。
【0021】
本発明にあっては、測定波長(2220nm)、参照波長(1770nm)及び正規化波長(2300nm)ごとの反射光強度v1、v0、v2を測定し、データ処理部46にて参照波長の反射光強度v0に対する測定波長及び正規化波長の反射光強度v1及びv2の各比v1/v0、v2/v0を求め、更にその逆数の対数である吸光度ln(v0/v1)及び吸光度ln(v0/v2)を演算して、測定波長の吸光度を補正している。
【0022】
すなわち、測定波長の吸光度を、参照波長及び正規化波長の測定時の各吸光度を使って次式(1)をもって補正する。
X=ln(v0/v1)/ ln(v0/v2)・・・(1)
ここで、Xは補正吸光度であり、v0は参照波長の反射光強度、v1は測定波長の反射光強度、v2は正規化波長の反射光強度を示す。
式(1)から得られる補正吸光度Xから測定波長の吸光度減衰率を算出する。この減衰率とアセテートトウの密度との間には所定の相関のあることが知られている。更に、アセテートトウの密度と捲縮付与レベルとの間にも相関のあることが知られている。なお、本実施形態にあって、上記近赤外線分光光度計には、本発明の制御部としてマイクロコンピュータ49が内蔵されており、上記信号処理部45、データ処理部46及び出力部47は同コンピュータ49に設けられている。アセテートトウ1の前記吸光度減衰率及び密度量は前記データ処理部46の減衰率演算部46a及び密度量演算部46bにてそれぞれ演算され、捲縮付与レベルを評価することができる。
【0023】
この際、捲縮レベルは一般の指標が破断強度である強力値で評価されることから、例えば前記コンピュータの記憶部46cに密度と強力値との相関回帰式(Y=aX+b、Y=aX2+bX+c等)を予め設定して記憶させておき、この相関回帰式を使ってデータ処理部46の強力値演算部46dにて強力値を求め、捲縮付与レベルを評価する。ここで、Yは強力値、Xは補正吸光度比を示す。なお、繊維の強力値を演算する際は近赤外線分光光度計の測光部44をモニタリングする前記コンピュータ49の上記記憶部46cに前記相関回帰式を予め記憶させておき、その相関回帰式に基づき演算することが望ましい。この相関回帰式に基づき演算された値を強力値として表示部5に出力し、例えばぺーパ上に記録し、或いはディスプレイ上に表示する。
【0024】
また、こうして表示部5に演算して得られた強力値を単に表示するだけでもよいが、本発明にあっては、捲縮付与装置2を経て走行するアセテートトウ1に上述のような所定の波長域にある近赤外線を連続して分光照射するとともに、走行するアセテートトウ1の密度、すなわち強力値をデータ処理部46の前記強力値演算部46dにて演算する。その演算して得られる強力値を、前記記憶部46cに予め記憶されている強力値の規格範囲と比較して、演算して得られた強力値が規格範囲から外れたとき、捲縮付与装置2に捲縮量を変更する制御信号が出力され、例えば空気圧を利用する捲縮付与装置2の空気供給圧を連続して制御する。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の代表的な実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
1フィラメントあたりの繊度:1.9デシテックス、トウ繊度:44000デシテックス、目標強力値:200Nのアセテートトウを捲縮付与装置2の圧力条件を変更することで強力値180〜380N程度のトウを作成した。このトウをサンプリングし、オフラインの状態で密度量測定装置4を用いて吸光度の測定を行った。次に、そのサンプルを破断強力試験し、相関性を求めた結果を表1に示す。密度量測定装置4である近赤外線分光光度計(NIRS)にはジェイティエンジニアリング社製のJE−70N型を使用した。任意の光学フィルターにより1770nmと2220nmと2300nmの3波長の吸光度を選択的に測定し、参照波長1770nmの吸光度に対する測定波長である2220nmの吸光度の比率を求め、更に2300nmで正規化した吸光度と破断強力試験の値の相関性を調査した。この結果、相関係数0.99となった。
【0026】
【表1】

【0027】
(実施例2)
図1に示す装置を用い、1フィラメントあたりの繊度:3.3デシテックス、トウ繊度:38900デシテックス、目標強力値:160nのアセテートトウ製造ラインの乾燥工程の下流側に密度量測定装置4を設置し、オンラインで吸光度の測定を行った。この際、捲縮付与装置2の圧力条件を9回変更し、9段階の強力値の異なるトウを作成した。各条件あたり30秒間の吸光度値をコンピュータ内の演算部でモニタリングし平均値を求めた。また、その間のアセテートトウをサンプリングし破断強力試験を行った。この両試験で求めた強力値の結果を表2に示す。オンライン走行の測定となることから密度測定装置4と破断強力試験での測定点が合致していないにも関わらず、相関係数でr=0.9を超える好結果が得られた。
【0028】
【表2】

【0029】
以上の説明は、本発明の実施形態の典型的な実施例について述べたものであるが、本発明における密度量測定装置4として、ユニット化された近赤外線分光光度計を採用し、その測定法を拡散反射法による測定を説明したが、既述したとおり、例えば透過法や透過反射法によって測定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のアセテートトウの捲縮付与工程、乾燥工程及び密度量測定装置の代表的配置例を示す工程説明図である。
【図2】密度量測定装置の典型例である近赤外線分光光度計の内部の構成の一部を示すブロック図である。
【図3】同近赤外線分光光度計のデータ処理部の構成の一部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
1 アセテートトウ
2 捲縮付与装置
3 乾燥機
4 密度量測定装置(近赤外線分光光度計)
5 表示部
41 近赤外線光源部
42 分光部
43 照射部
44 測光部
45 信号処理部
46 データ処理部
46a 減衰率演算部
46b 密度量演算部
46c 記憶部
46d 強力値演算部
47 出力部
49 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセテートトウに照射する近赤外線の参照波長を1770nm、測定波長を2220nmとし、さらに2300nmで正規化すること、
アセテートトウに前記特定波長の近赤外線を照射して、前記各波長の吸光度からアセテートトウの近赤外線減衰率を測定すること、
前記減衰率からアセテートトウの密度量を演算すること、及び
得られる前記密度量から繊維帯の捲縮レベルを判定すること、
を含んでなるアセテートトウの品質測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載された密度量の演算結果から、アセテートトウの密度量と引っ張り破断強度試験による繊維の強力値との相関から予め作成した相関回帰式に基づき強力値を演算して表示することを含んでなる、アセテートトウの品質測定方法。
【請求項3】
請求項1に記載された品質測定方法により得られる捲縮レベルが規格のレベルから外れたとき、空気圧を利用するクリンプ装置の空気供給圧を制御することを含んでなる、アセテートトウの捲縮レベルの制御方法。
【請求項4】
請求項2に記載された品質測定方法により得られる繊維の強力値が規格の範囲から外れたとき、空気圧を利用するクリンプ装置の空気供給圧を制御することを含んでなる、アセテートトウの捲縮レベルの制御方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載されたアセテートトウの捲縮レベルの制御をアセテートトウの製造工程上で連続して行うことを含んでなるアセテートトウの捲縮レベルの制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載された制御方法をオンラインにて連続して実施するための装置にあって、
捲縮付与装置及び乾燥機を経て連続走行するアセテートトウの密度量を演算する密度量演算手段と、当該密度量演算手段による演算結果に基づき前記繊維の強力値を演算する強力値演算手段と、当該強力値演算手段による演算結果を表示する表示手段とを備え、
前記密度量演算手段は近赤外線分光光度計を含んでなり、
当該近赤外線分光光度計は、近赤外線光源、光源照射部、特定波長を透過するフィルターを有する分光部、測光部、信号処理部、及び近赤外線減衰率演算部を含むデータ処理部を有し、
前記特定波長が、1770nmの参照波長、2220nmの測定波長、及び2300nmで正規化された波長であり、
前記強力値演算手段は、アセテートの密度量と繊維の強力値との相関から予め作成した相関回帰式に基づき、前記密度量演算手段により演算された密度量から前記強力値を演算し、その演算結果を上記表示手段に出力する出力部を有してなる、
アセテートトウの捲縮レベルの制御装置。
【請求項7】
前記強力値の前記演算結果に基づき、空気圧を利用する前記捲縮付与装置の空気供給圧を制御する制御部を有してなる請求項6記載のアセテートトウの捲縮レベルの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−275314(P2009−275314A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128170(P2008−128170)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】