説明

アドレス帳管理サーバ及びアドレス帳管理方法

【課題】ネットワークにおけるアドレス帳管理サーバにより、ユーザのアドレス帳を、他のユーザに開示する場合において、他のユーザに開示しても有意義でない可能性の高い情報が無駄に開示されないようにすること。
【解決手段】アドレス帳管理サーバは、第1及び第2のユーザのアドレス情報を格納し、第1及び第2のユーザによりアクセスすることが可能なデータ格納部と、第1のユーザのアドレス情報を第2のユーザに開示する要請に応答して、第1のユーザのアドレス情報が特定のサービスを利用するのに必要な第1のアカウントを含み、かつ第2のユーザのアドレス情報が特定のサービスを利用するのに必要な第2のアカウントを含むか否かを判定し、第1のアカウントを第2のユーザに開示するか否かを決定する開示情報決定部とを有し、データ格納部は、第1のアカウントの情報が除外された第1のユーザのアドレス情報を、第2のユーザのアドレス帳に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アドレス帳管理サーバ及びアドレス帳管理方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の電話帳を管理するユーザの負担を軽減しつつ、ユーザ同士のコミュニケーションを促進する等の観点から、電話帳のアドレス情報をネットワーク上のサーバが管理するサービスがある。ユーザは、サーバにアクセスすることで、通信相手となるユーザの最新情報を簡易かつ速やかに入手できる。さらに、自分のアドレス情報(個人情報)を他のユーザに公開することで、ユーザ同士のコミュニケーションを促すこともできる。しかしながら、自分のアドレス情報を一律に公開してしまった場合、親密でないユーザにもアドレス情報が開示され、必ずしも意図した通信を促すことにならない問題が懸念される。
【0003】
特許文献1は、住所や生年月日等の個人情報の公開範囲をグループ単位で指定し、あるグループのメンバは全ての個人情報にアクセスできるが、別のグループのメンバは一部の個人情報にしかアクセスできないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−33385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、サーバが管理する電話帳は、特定のサービスを利用するためのログイン情報、すなわちアカウントの情報を含む場合が少なくない。第1のユーザが公開したアドレス情報に特定のサービス用のアカウントが含まれていた場合において、その特定のサービスのアカウントを有する第2のユーザが、第1のユーザのアドレス情報を入手することで、第1のユーザと第2のユーザのコミュニケーションを促進できることが考えられる。
【0006】
しかしながら、アカウントを含むアドレス情報を、そのようなアカウントを持っていないユーザが入手したとしても、アカウントの情報はそのユーザにとって有意義ではなく無駄な情報である。むしろ、アカウントの情報を取得したユーザから、アカウントの情報が漏洩してしまうことが懸念される。このような懸念は、ユーザ同士の親密度とは別に発生する。すなわち、あるユーザがアカウントを含むアドレス情報を、アカウントを有しない親密な別のユーザに開示したとしても、別のユーザにとってアカウントの情報は有意義ではなく、むしろ漏洩のおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、ネットワークにおけるアドレス帳管理サーバにより、ユーザのアドレス帳の情報を、他のユーザに開示する場合において、他のユーザに開示しても有意義でない可能性の高い情報が無駄に開示されてしまうのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例によるアドレス帳管理サーバは、
ネットワークを通じてユーザと通信することが可能なアドレス帳管理サーバであって、
少なくとも第1及び第2のユーザのアドレス情報を格納し、少なくとも前記第1及び第2のユーザによりアクセスすることが可能なデータ格納部と、
前記第1のユーザのアドレス情報を前記第2のユーザに開示する要請に応答して、前記第1のユーザのアドレス情報が特定のサービスを利用するのに必要な第1のアカウントを含み、かつ前記第2のユーザのアドレス情報が前記特定のサービスを利用するのに必要な第2のアカウントを含むか否かを判定し、前記第1のアカウントを前記第2のユーザに開示するか否かを決定する開示情報決定部と
を有し、前記データ格納部は、前記開示情報決定部からの指示に応じて、前記第1のアカウントの情報が除外された前記第1のユーザのアドレス情報を、前記第2のユーザのアドレス帳に記録する、アドレス帳管理サーバである。
【発明の効果】
【0009】
一実施例によれば、ネットワークにおけるアドレス帳管理サーバにより、ユーザのアドレス帳の情報を、他のユーザに開示する場合において、他のユーザに開示しても有意義でない可能性の高い情報が無駄に開示されてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】通信システムの概略図。
【図2】実施例による動作例を示す図。
【図3】ユーザA、B、Cのアドレス情報の一例を示す図。
【図4】ユーザAのアドレス情報の一部を隠してユーザB、Cに開示する様子を示す図。
【図5】実施例において使用可能な通信端末の機能ブロック図。
【図6】実施例において使用可能なアドレス帳管理サーバの機能ブロック図。
【図7】データ格納部に保存されている各ユーザのアドレス帳を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の観点から実施例を説明する。
【0012】
1.通信システム
2.動作例
3.通信端末
4.アドレス帳管理サーバ
5.変形例
5.1 第1の変形例
5.2 第2の変形例
5.3 第3の変形例
【実施例1】
【0013】
<1.通信システム>
図1は、実施例で使用される通信システムの概要を示す。通信システムは、通信端末10、22、24、通信網30、アドレス帳管理サーバ40を少なくとも含む。
【0014】
通信端末10、22、24は、通信網30を介して情報を通信することが可能な適切な如何なる通信端末でもよい。通信端末は、典型的には移動端末であるが、固定端末でもよい。通信端末は、具体的には、携帯電話、情報端末、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ等であるがこれらに限定されない。
【0015】
通信網30は、通信端末10、22、24とアドレス帳管理サーバ40との間の通信を可能にする適切な如何なる通信網でもよい。通信網30は、典型的には移動通信網であるが、無線又は有線による適切な如何なる通信網でもよい。一例として、通信網30は、インターネット網のようなセキュリティは低いが、広範囲にわたって通信をすることが可能なネットワークに接続されてもよい。また、通信網20は、秘密情報を安全に通信することが可能なセキュリティネットワークに接続されてもよい。
【0016】
アドレス帳管理サーバ40は、様々なユーザの通信端末と接続され、様々なユーザのアドレス情報及び利用履歴情報等を管理し、後述するように、本実施例にしたがって動作する。アドレス情報又は電話帳の情報は、ユーザが通信端末に登録している連絡先ユーザの個人情報が含まれている。個人情報は、連絡先ユーザの氏名、名称(会社名、組織名等)、ニックネーム、電話番号(自宅電話番号、会社電話番号等)、メールアドレス(キャリアメール、PCメール等のメールのアドレス)、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のアカウント、住所、誕生日、説明文等であるが、これらに限定されない。利用履歴情報は、ユーザによる通信端末の操作履歴、発信履歴、着信履歴、アプリケーションの起動及び削除の履歴、情報の発信履歴(投稿等を含む。)、情報の受信履歴等であるが、これらに限定されない。アドレス帳管理サーバ40は、利用履歴情報として、例えば、何らかのサービスを受けるためにアカウントを用いたことの情報も管理している。
【0017】
<2.動作例>
図2は、実施例による動作例を示す。ユーザA、B、C各自の電話帳は、アドレス帳管理サーバ40において管理されている。ユーザA、B、Cの通信端末10、22、24は、ユーザ各自の利用履歴情報を定期的に又は必要に応じてアドレス帳管理サーバ40に報告している。便宜上、ユーザA及びユーザAの通信端末10は「開示元」と言及され、ユーザB及びユーザBの通信端末22は「開示先」と言及され、ユーザC及びユーザCの通信端末24も「開示先」と言及される。
【0018】
ステップS21において、ユーザA(開示元)が、ユーザB、Cに対して、自身のアドレス情報を開示する意思表示をする。この場合において、ユーザAの通信端末10から、開示先であるユーザB、Cを指定する開示要求信号が、アドレス帳管理サーバ40に通知される。開示要求信号は、開示先の情報に加えて、開示元のユーザAのアドレス情報を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。各ユーザのアドレス情報は、アドレス帳管理サーバ40において管理されているからである。
【0019】
図3は、ユーザA、B、Cのアドレス情報の一例を示す。このアドレス情報の全部又は一部が、ユーザB、Cに開示される。部分的に隠される情報は、「通信手段」におけるアカウントの情報である。図示の例では、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のアカウントしか示されていないが、他のサービスのためのアカウントが含まれていてもよい。
【0020】
図2のステップS23において、アドレス帳管理サーバ40は、ユーザB、Cに開示しない情報の候補(非開示情報の候補)を決定する。この場合において、ユーザAは、名前と住所のような一般情報をユーザB、Cに開示しても差し支えないほど、ユーザB、Cと親密な関係であるとする。しかしながら、それほど親密であったとしても、ユーザB、Cが、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のアカウントのアカウントを持っていなかった場合、ユーザAのアカウントの情報(SNS1、SNS2のアカウント)をユーザB、Cに開示することは、好ましくない。その場合、ユーザB、Cにとって、ユーザAのアカウントの情報は有意義に使用されないだけでなく、アカウントの情報がユーザB、Cから漏洩してしまうことが懸念されるからである。
【0021】
ステップS23において、アドレス帳管理サーバ40は、ユーザAのアドレス情報とユーザB、Cのアドレス情報とを比較する。そして、ユーザAのアドレス情報が特定のサービスを利用するのに必要なアカウントを含み、かつユーザB、Cのアドレス情報がその特定のサービスを利用するのに必要なアカウントを含むか否かが判定される。目下の例の場合、ユーザAのアドレス情報は、SNS1のサービスに必要なアカウントdddを含み、SNS2のサービスに必要なアカウントeeeを含む。これに対して、ユーザBのアドレス情報は、SNS1のアカウントもSNS2のアカウントも含んでいない。ユーザCのアドレス情報は、SNS1のアカウントを含んでいるが、SNS2のアカウントは含んでいない。その結果、アドレス帳管理サーバ40は、ユーザBに対する非開示情報の候補として、SNS1のアカウントdddと、SNS2のアカウントeeeとを指定する。同様に、アドレス帳管理サーバ40は、ユーザCに対する非開示情報の候補として、SNS2のアカウントeeeを指定する。
【0022】
ステップS25において、アドレス帳管理サーバ40は、これらの非開示候補の情報をユーザB、Cに開示すべきか否かをユーザ(開示元)に問い合わせ、回答を得る。
【0023】
ステップS27において、アドレス帳管理サーバ40は、ユーザAからの回答に基づいて、ユーザB、Cに開示する情報を決定する。ユーザAは、ユーザBに対して、SNS1のアカウントddd及びSNS2のアカウントeeeの内の双方又は一方が、開示されるべきでない旨、あるいは双方とも開示してよい旨の回答を行うことができる。また、ユーザAは、ユーザCに対して、SNS2のアカウントeeeを開示すべきでない旨又は開示してよい旨の回答を行うことができる。すなわち、問い合わせ及び回答はユーザ毎に行われる。一例として、ユーザAがユーザBにSNS1、SNS2の双方とも開示すべきでない旨の回答を行い、ユーザCにはSNS2のアカウントを開示すべきでない旨の回答を行ったとする。この場合、アドレス帳管理サーバ40は、SNS1及びSNS2のアカウント双方が、ユーザBに開示されるべきでないこと、及びSNS2のアカウントが、ユーザCに開示されるべきでないことを決定する。
【0024】
ステップS29において、アドレス帳管理サーバ40は、ユーザAのアドレス情報の内、SNS1及びSNS2の情報を除いてユーザBに通知する。また、ユーザAのアドレス情報の内、SNS2の情報を除いてユーザCに通知する。
【0025】
図4は、ステップS29により、ユーザB、Cに開示されるユーザAのアドレス情報を示す。図示されているように、ユーザBにはSNS1のアカウントもSNS2のアカウントも開示されていない。ユーザCには、SNS1のアカウントdddは開示されているが、SNS2のアカウントeeeは開示されていない。
【0026】
このように、アドレス帳管理サーバ40が、ユーザ各自の通信手段を比較することで、開示先にとって有意義でない情報が無駄に開示されてしまうことを効果的に抑制できる。
【0027】
<3.通信端末>
図5は、実施例において使用可能な通信端末の機能ブロック図を示す。図7には、通信端末に備わる様々な機能要素又は処理部の内、本実施例に特に関連するものが示されている。図示の通信端末は、図1に示されている通信端末10、22、24として使用可能である。したがって、通信端末10は、通信網30を介して情報を通信することが可能な適切な如何なる通信端末でもよく、通信端末は、典型的には移動端末であるが、固定端末でもよい。通信端末は、具体的には、携帯電話、情報端末、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ等であるがこれらに限定されない。図5には、アドレス管理部51及び通信部53が示されている。
【0028】
アドレス帳管理部51は、通信端末に保存されているアドレス帳のデータを管理する。アドレス帳のデータは、アドレス情報又は電話帳の情報であり、ユーザが通信端末に登録している連絡先ユーザの個人情報が含まれている。個人情報は、連絡先ユーザの氏名、名称(会社名、組織名等)、ニックネーム、電話番号(自宅電話番号、会社電話番号等)、メールアドレス(キャリアメール、PCメール等のメールのアドレス)、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のアカウント、住所、誕生日、説明文等であるが、これらに限定されない。また、アドレス帳管理部51は、通信端末の利用履歴情報も管理してよい。利用履歴情報は、ユーザによる通信端末の操作履歴、発信履歴、着信履歴、アプリケーションの起動及び削除の履歴、情報の発信履歴(投稿等を含む。)、情報の受信履歴等であるが、これらに限定されない。
【0029】
通信部53は、アドレス帳管理サーバ40とのやり取りを行うための処理を行う。
【0030】
<4.アドレス帳管理サーバ>
図6は、実施例において使用可能なアドレス帳管理サーバの機能ブロック図を示す。図6には、アドレス帳管理サーバ40に備わる様々な機能要素又は処理部の内、本実施例に特に関連するものが示されている。図示のアドレス帳管理サーバは、図1に示されている情報提供サーバ40として使用可能である。図6には、アドレス帳管理部61、データ格納部63、開示情報決定部65及び送受信部67が示されている。
【0031】
アドレス帳管理部61は、データ格納部63とともに、様々なユーザ各々のアドレス帳及び通信端末の利用履歴情報を管理する。
【0032】
開示情報決定部65は、図2を参照しながら説明したステップS23、S27の処理を行う。
【0033】
送受信部67は、通信端末10、22、24と通信するための処理を行う。
【0034】
<5.変形例>
<5.1 第1の変形例>
図2に示す動作例では、アドレス帳管理サーバ40は、ステップS23において非開示情報の候補を決定した後に、ステップS25において、それらの候補を開示するか否かについてユーザ(開示元)に問い合わせを行っている。しかしながら、ユーザ(開示元)に問い合わせを行うことは必須でなく、省略されてもよい。
【0035】
ユーザ(開示元)に問い合わせを行わない場合、例えば、ステップS23において決定された非開示情報の候補は、全て開示されないように決定される。上記の具体例の場合、ステップS25において、ユーザBについての非開示情報の候補は、SNS1のアカウントとSNS2のアカウントであった。ユーザCについての非開示情報の候補は、SNS2のアカウントであった。アドレス帳管理サーバ40の開示情報決定部65は、ユーザに問い合わせを行うことなく、ユーザAのアドレス情報からSNS1及びSNS2のアカウントを除いた情報を、ユーザBに開示する情報として決定する。また、開示情報決定部65は、ユーザに問い合わせを行うことなく、ユーザAのアドレス情報からSNS2のアカウントを除いた情報を、ユーザCに開示する情報として決定する。
【0036】
このように、ユーザに問い合わせを行うことなく、開示する情報を決定することで、手順の簡易化を図ることができる。ただし、図2のステップS25のように、ユーザに問い合わせを行うことは、非開示情報の複数の候補の内、どれを開示してどれを開示するかをユーザが個々に設定できる点で好ましい。
【0037】
<5.2 第2の変形例>
図2のステップS29において、アドレス帳管理サーバ40が、開示先のユーザB、CにユーザAのアドレス情報を通知する代わりに、ユーザAのアドレス情報が開示されていることをユーザB、Cに通知するだけでもよい。
【0038】
上述したように、アドレス帳管理サーバ40は、様々なユーザのアドレス帳を管理しており、各自のアドレス帳は、アドレス帳管理サーバ40のデータ格納部63に保存され、適宜更新されている。そこで、ステップS27において、ユーザB、Cに開示する情報が決まった場合、ユーザB、Cのアドレス帳各々において、ユーザAの個人情報が新設又は更新されてもよい。具体的には、図4に示されるような、ユーザAの個人情報の一部分が、ユーザB、Cのアドレス帳に記録される(図7)。
【0039】
この場合、アドレス帳管理サーバ40から通知を受けたユーザB、Cは、アドレス帳管理サーバ40のデータ格納部63にアクセスし、データ格納部63に保存されている各自のアドレス帳を参照することで、ユーザAの個人情報を取得することができる。
【0040】
<5.3 第3の変形例>
ユーザによっては、所有している複数のアカウントの内、頻繁に使用するものと、滅多に使用しない又は全く使用していないものとが存在する。例えば、SNS1及びSNS2のアカウントを有するユーザが、SNS1のアカウントについては頻繁に使用しているが、SNS2のアカウントについては、滅多に使用しない又は全く使用していないとする。このようなユーザに対して、別のユーザのSNS2のアカウントの開示することが有意義でないのは、SNS2のアカウントを持っていないユーザに対して、別のユーザのSNS2のアカウントを開示しても有意義でないのと同様である。このような観点からは、アカウントを所有していたとしても、さほど利用していないアカウントについては、それを所有していないものとみなすことが好ましい。ユーザ各々が各自のアカウントをどの程度利用しているかは、ユーザ各自の利用履歴情報から判別できる。例えば、ユーザAのアドレス情報がSNS2のアカウントを含み、かつユーザCのアドレス情報がSNS2アカウントを含んでいたとしても、ユーザCがSNS2のアカウントを用いてSNS2を所定の期間内に所定の回数以上利用していなかったとする。この場合、開示情報決定部65は、ユーザCのアドレス情報がSNS2のアカウントを含んでいなかったものとみなし、ユーザAのSNS2のアカウントが、ユーザCに対する非開示情報の候補として決定されてもよい。
【0041】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、ネットワークのサーバによりユーザのアドレス帳を管理する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。例えば本発明は、W−CDMA方式のシステム、HSDPA/HSUPA方式のW−CDMAシステム、LTE方式のシステム、LTE−Advanced方式のシステム、IMT−Advanced方式のシステム、WiMAX、Wi−Fi方式のシステム等に適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の実施例又は項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【符号の説明】
【0042】
10、22、24 通信端末
30 通信網
40 報提供サーバ
51 アドレス帳管理部
53 送受信部
61 アドレス帳管理部
63 データ格納部
65 開示情報決定部
67 送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じてユーザと通信することが可能なアドレス帳管理サーバであって、
少なくとも第1及び第2のユーザのアドレス情報を格納し、少なくとも前記第1及び第2のユーザによりアクセスすることが可能なデータ格納部と、
前記第1のユーザのアドレス情報を前記第2のユーザに開示する要請に応答して、前記第1のユーザのアドレス情報が特定のサービスを利用するのに必要な第1のアカウントを含み、かつ前記第2のユーザのアドレス情報が前記特定のサービスを利用するのに必要な第2のアカウントを含むか否かを判定し、前記第1のアカウントを前記第2のユーザに開示するか否かを決定する開示情報決定部と
を有し、前記データ格納部は、前記開示情報決定部からの指示に応じて、前記第1のアカウントの情報が除外された前記第1のユーザのアドレス情報を、前記第2のユーザのアドレス帳に記録する、アドレス帳管理サーバ。
【請求項2】
前記第1のユーザのアドレス情報が前記第1のアカウントを含むが、前記第2のユーザのアドレス情報が前記第2のアカウントを含んでいなかった場合、前記第1のアカウントを前記第2のユーザに開示してよいか否かを前記第1のユーザに問い合わせる通信部
をさらに有する請求項1記載のアドレス帳管理サーバ。
【請求項3】
前記開示情報決定部は、前記第1のユーザからの回答にしたがって、前記第1のアカウントを前記第2のユーザに開示するか否かを決定する、請求項2記載のアドレス帳管理サーバ。
【請求項4】
前記データ格納部が、前記第1のアカウントの情報が除外された前記第1のユーザのアドレス情報を、前記第2のユーザのアドレス帳に記録したことが、前記第2のユーザに通知される、請求項1−3の何れか1項に記載のアドレス帳管理サーバ。
【請求項5】
前記データ格納部は、前記第2のユーザが前記第2のアカウントを用いて前記特定のサービスを利用した利用履歴情報を管理している、請求項2−4の何れか1項に記載のアドレス帳管理サーバ。
【請求項6】
前記第1のユーザのアドレス情報が前記第1のアカウントを含み、かつ前記第2のユーザのアドレス情報が前記第2のアカウントを含んでいたとしても、前記第2のユーザが前記第2のアカウントを用いて前記特定のサービスを、所定の回数以上利用したことを、前記利用履歴情報が示していなかった場合、前記開示情報決定部は、前記第2のユーザのアドレス情報が前記第2のアカウントを含んでいなかったものとみなす、請求項1−4の何れか1項に記載のアドレス帳管理サーバ。
【請求項7】
ネットワークを通じてユーザと通信することが可能なサーバにおけるアドレス帳管理方法であって、
第1のユーザのアドレス情報を第2のユーザに開示する要請に応答して、前記第1のユーザのアドレス情報が特定のサービスを利用するのに必要な第1のアカウントを含み、かつ前記第2のユーザのアドレス情報が前記特定のサービスを利用するのに必要な第2のアカウントを含むか否かを判定し、前記第1のアカウントを前記第2のユーザに開示するか否かを決定し、
前記第1のアカウントを前記第2のユーザに開示しない場合、少なくとも前記第1及び第2のユーザのアドレス情報を格納しかつ少なくとも前記第1及び第2のユーザによりアクセスすることが可能なデータ格納部が、前記第1のアカウントの情報が除外された前記第1のユーザのアドレス情報を、前記第2のユーザのアドレス帳に記録する、アドレス帳管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−120042(P2012−120042A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269607(P2010−269607)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】