説明

アプリケーションレイヤメディアマルチキャスティングをサポートする方法及び装置

【課題】1グループの対象通信デバイスへメディアを配信する方法及び装置を提供する。
【解決手段】グループ通信サーバは、1グループの対象受信局に宛てられたメディアの単一コピーをマルチキャストパスを通じて無線インフラストラクチャへ送信することによって、ネットワークトラフィック及びメディア処理時間を大幅に減少させる。無線インフラストラクチャは、メディアの1つのコピーを複製して、専用チャネルに割り当てられた複数の対象受信局のそれぞれに送信するか、共有チャネルに割り当てられた複数の対象受信局にマルチキャストする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイントツーマルチポイント通信システムに関する。より詳細には、本発明は、無線通信ネットワークにおいて対象通信デバイスへメディアをストリーミングするアプリケーションレイヤマルチキャスティングをサポートする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
グループ通話サービスにおいては、通常、建設現場のような小さな地理的エリアに多数のグループ参加者が集中している。単一のセクタに位置しうるそのようなグループ参加者のために、複数のポイントツーポイント通信リンクを設定することは難しい。グループ参加者は、そのセクタのために利用可能なリソースの全てを“独り占め”するかもしれない。これにより、他のユーザは、非常に高い通話ブロックレートを経験することになるであろう。更に、所定のセクタでのグループ参加者の集中度が高ければ、ネットワークは全てのグループ参加者に専用チャネルを割り当てるだけの十分なリソースを持つことはできない。従って、グループメンバーシップの問題を持つせいではなく、利用可能なネットワークリソースの欠如のせいで、ユーザはグループ通話へのアクセスが否定されるかもしれない。この問題はグループ通話ユーザへのネガティブな影響をもたらす。
【0003】
既存のグループ通話サービスは、グループ通話サーバに対して、メディアを複製して、個々のポイントツーポイント通信リンク上の各グループ参加者に1つのコピーを送信するよう要求する。グループ通話サーバに対して、対象グループの全ての参加者へ送信するためにメディアを複製させることはプロセッサ集中型のタスクであり、グループ参加者の数が大きい場合には、サーバにかなりの負担をかけるだろう。グループ通話サーバに対して、各グループ参加者にメディアの1つのコピーを送信させることは、無線インフラストラクチャの無線接続ネットワーク(RAN)とサービスプロバイダの広域ネットワーク(WAN)のいずれのネットワークトラフィックも増大させる。
【0004】
例えば、1クラスの無線サービスは、迅速で効率的な1対1又は1対多(グループ)通信を意図している。一般的にこれらのサービスはハーフデュプレクスである。ここでは、ユーザが電話機又は無線上で“プシュツートーク”(PTT)ボタンを押してグループ通話を開始する。発言権が認められれば、話者は一般的に2,3秒話す。話者がPTTボタンを離すと他のグループメンバが発言権を要求できる。これらのサービスは従来的に、1人の人間である“ディスパッチャ”が、フィールドサービス担当者やタクシードライバのような1グループの人々に通信する必要がある場面で利用されてきた。このことから、このサービスに対する“ディスパッチ”という名称が由来する。同様のサービスはインターネット上で提供されており、一般的に“ボイスチャット”として知られている。
【0005】
このように、無線リソースを節約し、サーバの処理負荷を低減し、無線インフラストラクチャのRANとサービスプロバイダのWANとの両方のネットワークトラフィックを低下させるメカニズムに対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0006】
開示されている実施形態は、ネットワークリソースを節約するために、アプリケーションレイヤメディアマルチキャスティングメカニズムを用いて、1グループの対象通信デバイスにメディアを配信する新規で改良された方法及び装置を提供する。1つの局面では、無線インフラストラクチャ及びグループ通話サーバ(GCS)を含む無線通信ネットワークにおいて、1グループの対象通信デバイスにメディアをマルチキャストする方法及び装置が提供される。この方法は、1グループの対象通信デバイスに送信するために、GCSから無線インフラストラクチャに対してメディアの1つのコピーをマルチキャストすることを備えている。この方法は更に、無線インフラストラクチャから、第1のセル又はセクタ内の第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれに対してメディアの1つのコピーを送信し、無線インフラストラクチャから、第2のセル又はセクタ内の第2の複数の対象通信デバイスに対してメディアの1つのコピーをマルチキャストすることを備えている。
【0007】
1つの局面では、マルチキャストパス上で、1グループの対象通信デバイスに、メディアをマルチキャストすべきかを判定する方法及び装置は、1グループの対象通信デバイスにおける参加者の数を決定することと、決定された数が所定のしきい値を超えているのであれば、1グループの対象通信デバイスに送信するために無線インフラストラクチャにメディアをマルチキャストすることとを備える。
【0008】
1つの局面では、無線通信システムにおける1グループの対象通信デバイスに情報を配信する装置は、メモリユニット、受信機、送信機、及びこれらメモリユニットと受信機と送信機とに通信可能に結合されたプロセッサを備えている。このプロセッサは上述した方法を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特徴及び利点は、同一の参照符号が全体を通じて対応して区別された図面と組み合わせれば、以下の詳細な説明からより明らかとなるだろう。
【0010】
いくつかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その出願明細書において、下記の説明で記載されているか又は図面で図示されている構成要素の構造及び構成の詳細に限定されないことが理解されなければならない。本発明は、他の実施形態で実現でき、様々な方法で実行できる。更に、ここで使用されている用語や表現は説明の目的であることが理解されなければならず、限定とみなされるべきではない。
【0011】
図1は、1つの実施形態に従ったグループ通信システム100の機能ブロック図を図示する。グループ通信システム100はプッシュツートーク(PTT)システム、ネットワークブロードキャストサービス(NBS)、ディスパッチシステム、又はポイントツーマルチポイント通信システムとしても知られる。1つの実施形態では、グループ通信システム100はグループ通話サーバ102を備える。このグループ通話サーバ102は、同時係属中の2002年2月14日に出願された米国特許出願番号第10/076,726号(「‘076出願」)で説明されているように、集中型配置又は局所型配置のいずれで配置されてもよい。この‘076出願は同一の譲受人に譲渡されており、その全体を本願に引用して援用する。
【0012】
例えば、cdma2000系のハンドセット等を採用しうるグループ通信デバイス104は、データサービスオプションを利用してパケットデータセッションを要求する。各通信デバイスは、通信デバイスのIPアドレスをグループ通話サーバ102に登録してグループ通話の開始を行うために、このセッションを利用する。1つの実施形態では、通信デバイス104は、無線インフラストラクチャからパケットデータセッションを要求すると、PDSN106及びインターネットプロトコル(IP)ネットワーク108を通してグループ通話サーバ102へのIP接続を持つ。PDSNは、固定ネットワークにおけるデータの送信と、無線インターフェースを介するデータの送信との間のインターフェースを提供する。各PDSNは、BSCと共に配置されうるパケット制御機能(PCF)112を通して基地局制御装置(BSC)110とインターフェースする。
【0013】
電源投入後、CD104はデータサービスオプションを使用してパケットデータセッションを要求する。パケットデータセッションの確立の一部分として、各CDはIPアドレスが割り当てられる。各CDはCDのIPアドレスのGCS102に通知するために登録処理を行う。登録は、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)を介して、セッション開始プロトコル(SIP)のようなIPプロトコルを使用して行われてもよい。CDのIPアドレスは、対応するユーザがグループ通話に招かれた場合に、CDにコンタクトするために用いられる。グループ通話が確立されると、CD104とGCS102はメディア及びシグナリングメッセージを交換する。1つの実施形態では、メディアは、UDPを介してリアルタイムプロトコル(RTP)を使用して通話参加者とGCS102との間で送信される。シグナリングメッセージは、UDPを介するシグナリングプロトコルであってもよい。
【0014】
グループ通信システム100は、グループサービスを動作させるためにいくつかの異なる機能を行う。ユーザサイドに関する機能には、ユーザ登録、グループ通話の開始、グループ通話の終了、グループメンバにアラートを送信すること、グループ通話への遅れた参加、話者アービトレーション、グループにメンバを追加すること、グループからメンバを排除すること、メンバを非登録にすること、及び認証が含まれる。システム準備及び動作に関する機能には、管理及び環境整備、スケーラビリティ、並びに信頼性が含まれる。これらの機能は上述した‘076出願で詳細に説明されている。
【0015】
図2は、様々な開示されている実施形態を実現できる基地局204及び移動局206の実施形態の簡単化されたブロック図である。特定の通信に関して、無線インターフェース208を介して基地局204と移動局206との間で、音声データ、パケットデータ、及び/又はメッセージが交換される。基地局と移動局との間の通信セッションを確立するために使用されるメッセージ、登録及びページングメッセージ、並びにデータ送信を制御するために使用されるメッセージ(例えば、電力制御、データレート情報、アクノリッジメント等)のような、様々なタイプのメッセージが送信される。これらのメッセージタイプのいくつかは、以下でより詳細に説明される。
【0016】
逆方向リンクに関して、移動局206で、(例えば、データソース210からの)音声及び/又はパケットデータ、並びに(例えば、制御装置230からの)メッセージが、送信(TX)データプロセッサ212に提供される。このプロセッサ212は、符号化データを生成するために1つ又は複数の符号化スキームでデータ及びメッセージをフォーマットして符号化する。各符号化スキームは、巡回冗長検査(CRC)、重畳、ターボ、ブロック、及び他の符号化の任意の組み合わせ、又は全く符号化しないことを含みうる。音声データ、パケットデータ、及びメッセージは、異なるスキームを用いて符号化されることができ、異なるタイプのメッセージは別の方法で符号化されてよい。
【0017】
その後符号化データは変調器(MOD)214へ提供され、更に処理される(例えば、カバーされ、短PNシーケンスで拡散され、及びユーザ端末に割り当てられた長PNシーケンスでスクランブルされる)。変調データはその後送信機ユニット(TMTR)216に提供され、逆方向リンク信号を生成するために調整される(例えば、1つ又は複数のアナログ信号に変換され、増幅され、フィルタされ、及び直交変調される)。逆方向リンク信号はデュプレクサ(D)218を通してルーティングされ、アンテナ220を介して基地局204に送信される。
【0018】
基地局204では、逆方向リンク信号はアンテナ250により受信され、デュプレクサ252を通してルーティングされ、受信機ユニット(RCVR)254へ提供される。基地局204は、登録情報及び、移動局の移動速度のようなステータス情報を移動局206から受信できる。受信機254は受信信号を調整し(例えば、フィルタ、増幅、ダウンコンバート、及びデジタル化し)、サンプルを提供する。復調器(DEMOD)256は、リカバされたシンボルを提供するためにこのサンプルを受信及び処理する。復調器256は、受信信号の複数のインスタンスを処理し合成シンボルを生成するレーキ受信機を実現してもよい。受信(RX)データプロセッサ258はその後、逆方向リンクで送信されるデータ及びメッセージをリカバするためにシンボルを復号する。リカバされた音声/パケットデータはデータシンク260に提供され、リカバされたメッセージは制御装置270に提供される。制御装置270には、1グループの移動局をページングし、無線パラメータを移動局へ送信し、移動局をマルチキャストグループに結びつける命令が含まれてもよい。復調器256及びRXデータプロセッサ258による処理は、移動局206で行われる処理と相補的である。復調器256及びRXデータプロセッサ258は、逆方向基本チャネル(R−TCH)及び逆方向予備チャネル(R−SCH)のような複数のチャネルを介して受信される複数の送信を処理するよう更に動作される。更に、逆方向基本チャネル、逆方向予備チャネル、又はこれら両方で送信しうる複数の移動局から同時に送信されてもよい。
【0019】
順方向リンク上では、基地局204において、(例えば、データソース262からの)音声及び/又はパケットデータ、並びに(例えば、制御装置270からの)メッセージが、送信(TX)データプロセッサ264により処理(例えば、フォーマットや符号化)され、更に、変調器(MOD)266により処理(例えば、カバー及び拡散)され、送信機ユニット(TMTR)268により調整(例えば、アナログ信号に変換、増幅、フィルタ、及び直交変調)され、順方向リンク信号が生成される。この順方向リンク信号は、デュプレクサ252を通してルーティングされ、アンテナ250を介して移動局206へ送信される。順方向リンク信号にはページング信号が含まれる。
【0020】
移動局206では、この順方向リンク信号がアンテナ220により受信され、デュプレクサ218を通してルーティングされ、受信機ユニット222に提供される。受信機ユニット222は、受信信号を調整(例えば、ダウンコンバート、フィルタ、増幅、直交変調、及びデジタル化)し、サンプルを提供する。このサンプルは、復調器224により処理(例えば、逆拡散、デカバ、及びパイロット復調)され、シンボルが提供される。このシンボルは、受信データプロセッサ226によって更に処理(例えば、復号及びチェック)され、順方向リンク上で送信されるデータ及びメッセージがリカバされる。このリカバデータはデータシンク228に提供され、リカバメッセージは制御装置230に提供される。制御装置230には、移動局206を登録し、グループ通話を要求し、基地局204へメディアを送信する命令が含まれてもよい。
【0021】
グループ通話サービス(GCS)は、1人のユーザがハーフデュプレクスモード又はフルデュプレクスモードで1グループのユーザに話しかけることができるようにする。前者の場合、一度に1人の人間のみが話すことを許されるので、発話の許可はインフラストラクチャによって調整されうる。このようなシステムでは、ユーザは、例えば“プッシュツートーク”ボタン(PTT)を押すことによって、発話の許可を要求してもよい。システムは、複数のユーザから受信する要求をアービトレートし、コンテンション解決プロセスを経て、予め定めたアルゴリズムに従って、要求者のうちの1人を選ぶ。システムはその後、選ばれたユーザに対して、そのユーザが発話の許可を有していることを通知する。システムは、認証された話者から、“受話者”とみなされる残りのグループメンバに対して、音声及び/又はデータのようなユーザのトラフィック情報を意識させることなくディスパッチする。GCSにおける音声及び/又はデータトラフィックは、従来的な1対1電話通話とは異なり、いくつかの会話において優先度が置かれる。
【0022】
図3は、CD302,304、及び306がグループ通話サーバ308と相互作用する方法を示す、グループ通話の配置を図示する。大規模グループのために必要とされる場合には、複数のグループ通話サーバが配置されていてもよい。図3では、CD302がグループの他のメンバへメディアを送信する許可を有している場合、CD302は話者として知られ、確立されたチャネルを介してメディアを送信する。CD302が話者として指定されている場合、残りの参加者CD304及びCD306は、グループにメディアを送信する許可を有しない。従って、CD304及びCD306は受話者として指定される。上述のように、CD302,304,及び306は、少なくとも1つのチャネルを用いてグループ通話サーバ308に接続される。1つの実施形態では、チャネルには、セッション開始プロトコル(SIP)チャネル、メディアシグナリングチャネル、及びメディアトラフィックチャネルが含まれる。
【0023】
図4は、図1のシステムで動作するグループ通話サーバ102に関する1つの実施形態を図示する。グループ通話サーバは、データを送受信するアンテナ402,404を備えている。アンテナ402は受信機回路406に接続され、アンテナ404は送信機回路408に接続されている。通信バス410は図4の他のモジュールとの間に共通の接続を提供している。通信バス410は更に、メモリユニット412にも接続されている。メモリ412は、グループ通話サーバにより行われる様々な動作や機能に関するコンピュータ読み取り可能命令を記憶する。プロセッサ414はメモリ412に記憶された命令を実行する。
【0024】
グループ通信システムでは、図1に示すように、例えば建設現場のような小さな地理的領域に通常多数のグループ参加者が集中している。単一のセクタに位置しうる全ての参加者のために複数のポイントツーポイント通信リンクを設定することは難しい。グループ参加者は、そのセクタ内の全ての利用可能なリソースを“独り占め”するかもしれない。これにより、グループに属しない他のユーザは、非常に高い通話ブロッキングレートを経験することになるであろう。加えて、所定のセクタにおけるグループ参加者の集中度が高ければ、ネットワークは全てのグループ参加者に専用チャネルを割り当てるだけの十分なリソースを有していないかもしれない。従って、メンバーシップの問題を持つせいではなく、利用可能なネットワークリソースの欠如のせいで、ユーザはグループ通話へのアクセスが拒否されるかも知れない。この問題は、グループ通話ユーザにネガティブな影響をもたらす。
【0025】
1つの実施形態によると、メディアマルチキャスティングメカニズムはネットワークトラフィックを減少させる。なぜなら、メディアマルチプレクシングメカニズムが、グループ通話サーバと、1グループの対象通信デバイスの各メンバとの間で個々のトラフィックチャネルを確立する必要性を無くするからである。このメカニズムは、対象グループの全てのメンバへ送信するためのグループ通話サーバによるメディアの複製をも省く。1つの実施形態では、メディアの1つのコピーがグループアドレスに送信され、基になる無線インフラストラクチャは、異なるグループメンバに対するパスが分岐する無線インフラストラクチャホップにおいてメディアを複製する。グループ通話サーバがメディアの1つのコピーを送信し、メディアが必要な場合にはネットワークホップで複製されるので、無線インフラストラクチャRANとサービスプロバイダのWANとの両方におけるネットワークトラフィックはかなり減少する。
【0026】
1つの実施形態では、アプリケーションレイヤメディアマルチキャスティングの起動は、通信が1対1であるか又は1対多(グループ)であるかに左右される。別の実施形態では、グループ通信サービスにおいて、アプリケーションレイヤメディアマルチキャスティングの起動は、対象グループ内の参加者の数に左右される。図5は、第1の実施形態に従った通話設定処理を図示している。ここでは、グループ内に1対1通話のような2人の参加者のみが存在していてもよい。あるいは、対象グループ内の参加者の数が、アプリケーションレイヤメディアマルチキャスティングメカニズムを起動するために必要とされる予め定めたしきい値よりも低い。
【0027】
グループ通話の開始を望むユーザは、1つ又は複数の対象ユーザ、1つ又は複数の予め定められたグループ、又はこれら2つの組み合わせを選択し、プッシュツートーク(PTT)ボタンを押してグループ通話を開始する。対象グループ内の参加者は、発信者がグループ通話を開始する時に休眠パケットデータセッション状態でありうる。参加CDはパケットデータセッション502を確立し、上述した同時係属中の特許出願において説明されているように必要な登録を行う。発信者のCDは、確立されたパケットデータセッションを用いて、グループ通話を設定するためにグループ通話サーバへグループ通話要求504を送信する。グループ通話要求は、同時係属中の特許出願で説明されているように、発信者のCDが専用トラフィックチャネルを有しているか否かに関わらず、グループ通話サーバに送信されてよい。2001年12月4日に出願された米国特許出願番号第10/006,037号は、同一の譲受人に譲り渡されており、その全体を本願に引用して援用する。
【0028】
1つの実施形態では、発信者のCDは、この発信者のCDのために専用チャネルが確立されるのを待つことなく、利用可能なチャネル上でグループ通話要求をグループ通話サーバに送信する。1つの実施形態では、グループ通話要求は短データバースト(SDB)としてグループ通話サーバに送信される。この要求が送信された後、発信者のCDが休眠パケットデータセッション状態にあれば、発信者のCDは、専用トラフィックチャネルを再確立する処理を開始し、メディアアクティビティのためのパケットデータセッションを準備する。
【0029】
グループ通話サーバがグループ通話要求を受信する場合、この要求において特定されるものがあれば、予め定められたグループを対象メンバのリストに拡張する。グループ通話サーバは、その対象メンバに関するIPアドレスのような位置情報を検索する。グループ通話サーバは更に、所望のグループが既にシステムにおいて実行しているかを判定する。 グループ通話サーバは、確立したパケットデータセッションを用いてグループ通話要求アクノリッジメントで応答する506。1つの実施形態では、グループ通話サーバは、対象グループ内の参加者の数が、アプリケーションレイヤメディアマルチキャスティングメカニズムを起動するために必要なしきい値を満足するかを判定する508。対象グループ内の参加者の数が、必要なしきい値を満足していなければ、グループ通話サーバは、発信者のCDだけでなく確立されたパケットデータセッションにおける受話者のCDへグループ通話アナウンスメントを送信する510。
【0030】
グループ通話アナウンスメント510には、グループ通話サーバがユニキャストメカニズムを使用してもよいことを示す情報が含まれる。ここで、グループ通話サーバは、メディアをグループメンバへ移送する確立されたパケットデータセッションを利用しうる。これは、グループ通話サーバが、各個別のグループメンバにメディアの1つのコピーを複製して送信することを要求するかもしれないが、1対1通話、又は少ない数の参加者によるグループ通話のためのマルチキャストツリーを設定する時間を節約する。グループ通話サーバは、発信者のCDからメディアを受信し512、受信したメディアを、確立されたパケットデータセッション上で受話者のCDへ転送する514。
【0031】
図6は、1つの実施形態に従った通話設定処理を図示している。ここでは、グループ参加者の数が、アプリケーションレイヤマルチキャスティングメカニズムを起動させるために必要な予め定めたしきい値を超えている。図5とともに議論するように、パケットデータセッションの確立後602、発信者のCDは、グループ通話を設定するために、グループ通話要求をグループ通話サーバへ送信する604。グループ通話サーバがグループ通話要求を受信すると604、グループ通話サーバはグループ通話要求アクノリッジメントで応答する606。
【0032】
1つの実施形態では、グループ通話サーバは応答を送信するために、確立されたパケットデータセッションを使用する。グループ通話サーバは、対象グループ内の参加者の数を判定する608。対象グループ内の参加者の数が、必要とされるしきい値を超えていれば、グループ通話サーバはIPメディアマルチキャスティングメカニズムを使用して、発信者のCDから受信したメディアを対象の受話者のCDに配信する。グループ通話サーバは、発信者のCDだけでなく、確立されたパケットデータセッションにおける受話者のCDへグループ通話アナウンスメントを送信する610。グループ通話サーバからグループ参加者へ送信されたグループ通話アナウンスメント610には、ネットワークリソースを節約するために、グループ通話サーバがIPメディアマルチキャスティングメカニズムを利用してもよいことを示す情報が含まれる。
【0033】
グループ通話アナウンスメントは、対象グループメンバを、要求されるグループ通話に結びつける必要があることを示す情報も含む。このような情報には、IPマルチキャストアドレス及び/又は何らかのマルチキャストサービス識別子が含まれてもよい。1つの実施形態では、グループ通話サーバは、別のネットワーク構成部品をクエリして、対象グループ通話とともに使用するIPマルチキャストアドレスを獲得する。1つの実施形態では、グループ通話サーバは、グループ通信に使用するために、IPマルチキャストアドレスのプールに割り当てられる。IPマルチキャストアドレスは、グループ通話が終了した場合プールに戻される。
【0034】
グループ通話アナウンスの受信後、各参加CDは無線インフラストラクチャとの登録処理を行う612。この登録処理612は、逆方向基本チャネル(R−FCH)のような専用チャネル、或いは逆方向拡張接続チャネル(R−EACH)又は逆方向接続チャネル(R−ACH)のような共通チャネルを介して行われる。登録メッセージは、参加CDがグループ通話に参加したがっていることをBSCに通知する。登録メッセージには、各参加CDが位置するセル及び/又はセクタを識別する情報も含まれる。登録メッセージには、IPマルチキャストアドレス、マルチキャストサービス識別子、及び参加CDがグループ通話サーバから受信した他のネットワークパラメータも含まれる。
【0035】
BSCは、登録された参加CDを、対象グループのマルチキャストIPマルチキャストアドレスに結びつける614。1つの実施形態では、BSCは、各登録された参加CDを個々の専用チャネルを通してIPマルチキャストアドレスと結びつける。これは、セル及び/又はセクタ内の登録された参加CDの数が予め定めた数よりも少ないか、又は登録された参加CDが複数のセル及び/又はセクタに散在している場合に生じうる。例えば、対象受話者のCDが図1で示されるCD104B又は104Cのように位置しているのであれば、各々のBSCは専用チャネルを介して、このようなCDをIPマルチキャストアドレスと結びつける。
【0036】
1つの実施形態では、BSCは共有チャネルを通して、登録された参加CDを、IPマルチキャストアドレスへマッピングする。これは、セル及び/又はセクタ内の登録された参加CDの数が予め定めた数よりも多いか、登録された参加CDが1つのセル及び/又はセクタ内に位置している場合に生じる。例えば、対象受話者のCDが図1で示されるCD104A又は104Dのように位置しているのであれば、各々のBSCは共有チャネルを介して、このようなCDをIPマルチキャストアドレスにマッピングする。1つの実施形態では、1グループの対象受話者にグループ通話メディアを配信するために、順方向ブロードキャスト制御チャネル(F−BCCH)、順方向共通制御チャネル(F−CCCH)、順方向ページングチャネル(F−PCH)、又は順方向予備チャネル(F−SCH)のような物理レイヤチャネルが存在すれば、BSCは共有順方向チャネル容量を持つ。
【0037】
BSCは、ある無線パラメータ616をある時間期間内にオーバーヘッドメッセージとして参加CDへブロードキャストするか、又は個別に送信する。BSCはこのようなパラメータを各セル及び/又はセクタへ別々に転送する。無線パラメータには、対象CDが専用チャネル又は共有チャネルを介してIPマルチキャストアドレスに結びつけられているかを示す情報が含まれる。1つの実施形態では、BSCは、順方向ブロードキャスト制御チャネル(F−BCCH)、順方向ページングチャネル(F−PCH)、又は順方向共通制御チャネル(F−CCCH)上で無線パラメータを送信する。代わりに、BSCは既存のパケットデータセッションにおいて参加CDへ直接に無線パラメータを送信してもよい。
【0038】
1つの実施形態では、BSCが、登録されていない参加CDが位置するセル及び/又はセクタに共有チャネルをマップしたことを無線パラメータにおいて示したのであれば、無線パラメータを受信しているものの、対応するBSCに登録していない参加CDは、BCSに登録する必要はない。しかしながら、BSCが、そのような未登録のCDが位置するセル及び/又はセクタに専用チャネルをマップしたことを無線パラメータにおいて示したのであれば、未登録の参加CDは、対応するBSCに登録する必要がある。
【0039】
BSCはその後、同時係属中の特許出願で説明されているように、BSCとグループ通話サーバの間でマルチキャストパスを設定する618。この特許出願は、2001年11月5日に提出された米国特許出願番号第10/011,526号であり、これは譲受人に譲渡されており、その全体を本願に引用して援用する。
【0040】
グループ通話アナウンスメントを受信し、BSCにより正常に登録された後、発信者のCDは、逆方向予備チャネル(R−SCH)、逆方向専用制御チャネル(R−DCCH)、又は逆方向基本チャネル(R−FCH)のような逆方向専用チャネル上で、メディアをグループ通話サーバに送信する620。代わりに、発信者のCDはBSCと通信するために、逆方向拡張接続チャネル(R−EACH)、又は逆方向接続チャネル(R−ACH)のような逆方向共通チャネルを用いてもよい。いずれの場合でも、既存のパケットデータセッションは休眠モードに入れられる。BSCは、確立したパケットデータセッション又はマルチキャストパスを用いて、BSCが発信者のCDから受信したメディアをグループ通話サーバへ送信する622。
【0041】
グループ通話サーバはIPマルチキャストアドレスを使用し、確立されたIPマルチキャストパス上で、メディアの1つのコピーを関連BSCへマルチキャストする624。メディアはマルチキャストパスを通り624、同一のIPマルチキャストアドレスのためにマルチキャストパスを確立したBSCに到達する。1つの実施形態では、BSCは、対象受話者のCDへ送信するために、グループ通話サーバから受信したメディアを複製する必要があるかもしれない。これは、IPマルチキャストアドレスが、例えば図1で図示されたCD104B又は104Cの場合のように、専用トラフィックチャネルを介して、対象CDへマップされる場合に生じる。
【0042】
BSCは、そのような確立された専用チャネル上で専用チャネルを介して、IPマルチキャストアドレスにマップされる各対象受話者のCDへメディアの1つのコピーを送信する626。BSCは、共有チャネルを介して、IPマルチキャストアドレスにマップされる対象受話者のCDにもメディアの1つのコピーを送信する626。
【0043】
1つの実施形態では、BSCは、グループ通話内の参加者の数に関係なく、順方向トラフィックチャネルを共有順方向チャネルとして設定する。BSCは、参加CDに対するメッセージ中で、BSCが無線パラメータを参加CDにブロードキャストすることを示す。メッセージを受信するが登録を行わなかったかもしれない参加CDは、これ以上登録する必要がないかも知れない。グループ通話メディアを受信するために、そのようなCDはメッセージ内で特定された無線パラメータに同調する。この無線パラメータは、共通逆方向リンク上で送信された登録メッセージによって溢れることを有利に回避するので、これにより、BSCにより処理される不必要な登録メッセージの数が減少する。
【0044】
1つの実施形態では、BSCが所定のセル又はセクタから受信する登録メッセージの数が所定のしきい値を超えるのであれば、BSCは、順方向トラフィックチャネルを共有順方向チャネルとして設定する。BSCがセル又はセクタから受信する登録メッセージの数がしきい値より低いのであれば、BSCは、専用チャネル上の各参加CDに対してメディアを送信する。BSCは、参加CDのそれぞれ又はいくつかに対して、BSCが共有チャネル又は専用順方向チャネルのいずれかを使用できると示すメッセージを発信する。
【0045】
1つの実施形態では、グループ通信システム100は、グループ通話サービスのために、チャットルームモデル及びアドホックモデルの両方をサポートしている。チャットルームモデルでは、グループは予め定められており、グループ通話ディスパッチサーバ上に記憶されている。予め定められたグループ又はネットは公開であってよく、グループがオープンメンバリストを有していることを示唆する。即ち、任意のCDがグループに参加してよい。この場合、各グループメンバディスパッチユーザは、グループ通話内の潜在的な参加者である。チャットルームモデルでは、第1のグループメンバがグループ通話への参加を開始すると選択する場合に、グループ通話が開始する。通話は、発話アクティビティに関係なく、サービスプロバイダにより構成されうる予め定められた時間の間、その通話に割り当てられたサーバリソースによってつながっているままである。グループ通話の間、グループメンバは、これらのタイプの通話への参加、及び/又は退散を特に要求する。発話アクティビティの期間の間、各グループ通話は、後に議論するように、グループメンバが発話の許可を要求するまでグループ休眠状態に入れられる。チャットルームモデルで動作している場合、1グループの通信デバイスユーザは、ネットメンバとしても知られ、各ネットメンバに割り当てられた通信デバイスを使用して互いに通信する。“ネット”という用語は互いに通信するよう認証された通信デバイスユーザのグループを示す。
【0046】
しかしながら、グループ通話サーバのアドホックモデルでは、グループはリアルタイムで定義され、各グループに関連した閉じたメンバリストを持つ。閉じたメンバリストは、どのメンバがグループ通話に参加することを許可されているかを特定する。このメンバリストは、閉じたメンバリスト以外の他のユーザには利用可能でなく、通話の続く限りにおいてのみ存在する。アドホックグループ定義は、グループ通話サーバには記憶されない。この定義はグループ通話を確立するために使用され、通話の終了後解放される。アドホックグループは、発信元話者が1つ又は複数の対象メンバを選択して、通話を開始するためにグループ通話サーバへ送信されるグループ通話要求を生成する場合に形成される。グループ通話サーバは、対象グループメンバがグループ内に含まれているという通知を対象グループメンバへ送信する。グループ通話サーバは、対象メンバを自動的にグループ通話へ参加させる。すなわち、対象メンバからのユーザによる動作は要求されない。
【0047】
アドホック通話が非アクティブとなる場合、グループ通話サーバは通話を“分解(tear down)”し、通話を開始するために用いられるグループ定義を含むグループに割り当てられたリソースを解放する。1つの実施形態では、ある非アクティブ期間の後、BSCは共有及び/又は専用トラフィックチャネルのようなトラフィックチャネルを解放するが、マルチキャストパスをアクティブのまま維持する。しかしながら、延長された非アクティブ期間の後には、BSC及び/又は無線ネットワークインフラストラクチャは、インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)のようなマルチキャストグループの解放をトリガしてもよく、これによりマルチキャストツリーが分解される。このことは、無線ネットワークインフラストラクチャのRAN及び/又はサービスプロバイダのWANが、ネットワーク又はグループ通話サーバの失敗のせいで終了したグループ通話セッションとの接続を維持しなくてよいようにする。
【0048】
このようにして、開示された実施形態は、IPマルチキャスティングモードでメディアを送信することにより、ネットワークトラフィック及びメディア処理時間の大幅な減少のために提供される。ここでは、1グループの対象参加者に向けられたメディアの単一のコピーが、単一マルチキャストパスを介して無線インフラストラクチャへ送信される。無線インフラストラクチャは、受信メディアの1つのコピーを複製して、専用チャネルに割り当てられている各対象受信者に送信する。しかしながら、無線インフラストラクチャは、受信メディアの1つのコピーを、共有チャネルに割り当てられている対象受信者に送信する。
【0049】
当業者であれば、情報や信号は様々な異なる技術やプロトコルを用いて表されてよいことを理解するだろう。例えば、上述の記載を通じて参照されうるデータ、命令、指令、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは電圧、電流、電磁波、磁界、又は磁粒、光学フィールド又は光粒子、あるいはこれらの任意の組み合わせによって表すことができる。
【0050】
当業者であれば、ここに開示された実施形態に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして構成されてもよいことも更に認めるだろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成部品、ブロック、モジュール、回路、及びステップが一般的にそれらの機能の点から説明されてきた。このような機能がハードウェア又はソフトウェアのいずれで構成されるかは、特定のアプリケーションやシステム全体に課された設計制限に左右される。当業者は説明された機能を特定のアプリケーションのそれぞれに対して様々な方法で実現してもよいが、このような構成の決定は本発明の範囲からの逸脱を生じさせるようには解釈されるべきでない。
【0051】
ここに開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラム可能論理装置、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理装置、ディスクリートハードウェア構成部品、又はここに説明された機能を実行するよう設計されたこれらの任意の組み合わせにより構成又は実現されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的にこのプロセッサは従来型のプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、又は状態機械であってもよい。プロセッサは計算装置の組み合わせとして構成されてもよい。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ以上のマイクロプロセッサ、あるいはそのような他の任意の構成などがある。
【0052】
ここに開示された実施形態に関して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接具体化されてもよいし、プロセッサで実行されるソフトウェアモジュールあるいはこれら2つの組み合わせで具体化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいは技術的に知られた他の任意の形式の記憶媒体に存していてよい。例示的な記憶媒体はプロセッサに接続しており、そのようなプロセッサは記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができる。代替的に、記憶媒体はプロセッサに統合されてもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASIC内に存していてもよい。ASICはユーザ端末内に存していてもよい。代替的には、プロセッサ及び記憶媒体はユーザ端末のディスクリート構成部品として存在していてもよい。
【0053】
開示された実施形態についての以上の説明は当業者が本発明を作成しあるいは使用することができるように提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正は当業者にとって容易に想到でき、ここに定義される一般原理は、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。従って、本発明はここに示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、ここに開示された原理と新規な特徴とに一致する最も広い範囲に一致すべきである。「例示的に」という語は、専ら「具体例、代表例、又は図示として働く」を意味するためにここで使用されている。ここで「例示的に」説明される任意の実施形態は必ずしも、他の実施形態よりも好ましく又は有利なものとして構成されるべきものではない。本発明のいくつかの実施形態は、ある例示的なグループ通話サービスに関連して説明されているが、本発明はその出願明細書において、開示された説明に記され、又は図面で図示されている構成の詳細や構成部品の配置に限定されないことが理解されなければならない。本発明は、例えば、インスタントメッセージングサービス又は任意の一般的な無線データ通信アプリケーションにおいて、他の実施形態で実現され、様々な方法で実行されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、グループ通信システムを図示する。
【図2】図2は、図1における基地局と移動局に関する実施形態を図示する。
【図3】図3は、いくつかの通信デバイスがグループ通話サーバと相互作用する方法を図示する。
【図4】図4は、図1で動作するグループ通話サーバに関する1つの実施形態を図示する。
【図5】図5は、第1の実施形態に従った通話設定処理を図示する。
【図6】図6は、第2の実施形態に従った通話設定処理を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線インフラストラクチャ及びグループ通話サーバを含む無線通信ネットワークにおいて1グループの対象通信デバイスにメディアをマルチキャストする方法であって、この方法は、
前記1グループの対象通信デバイスへ送信するために、前記グループ通話サーバから前記無線インフラストラクチャへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることと、
前記無線インフラストラクチャから第1のゾーン内の第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ前記メディアの1つのコピーを送信することと、
前記無線インフラストラクチャから第2のゾーン内の第2の複数の対象通信デバイスへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることと
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記グループ通話サーバから前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることは、前記メディアの1つのコピーを単一のマルチキャストグループアドレスへ送信することを備える方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記第1の複数の対象通信デバイスの前記それぞれへ送信するために、前記メディアを前記無線インフラストラクチャによって複製することを更に備える方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、前記第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ送信することは、前記無線インフラストラクチャの順方向専用チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを備える方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記第2の複数の対象通信デバイスへマルチキャストすることは、前記無線インフラストラクチャの順方向共有チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを備える方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記第2のゾーンはセルカバーエリアを備える方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記第2のゾーンはセクタカバーエリアを備える方法。
【請求項8】
共有パス上で1グループの対象通信デバイスへメディアをマルチキャストするかを判定する方法であって、この方法は、
カバーエリア内に存在する前記1グループの対象通信デバイスにおける参加者の数を判定することと、
前記数が予め定めたしきい値を超えているのであれば、前記メディアの1つのコピーを共有チャネル上で前記1グループの対象通信デバイスへマルチキャストすることと
を備える方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、前記数が前記予め定めたしきい値を下回るのであれば、前記メディアの1つのコピーを専用チャネル上で前記1グループの対象通信デバイスへ送信することを更に備える方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法において、前記カバーエリアはセルカバーエリアを含む方法。
【請求項11】
請求項8記載の方法において、前記カバーエリアはセクタカバーエリアを含む方法。
【請求項12】
無線インフラストラクチャ及びグループ通話サーバを含む無線通信ネットワークにおいて1グループの対象通信デバイスにメディアをマルチキャストする方法を具体化するコンピュータ読取可能媒体であって、この方法は、
前記1グループの対象通信デバイスへ送信するために、前記グループ通話サーバから無線インフラストラクチャへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることと、
前記無線インフラストラクチャから第1のゾーン内の第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ前記メディアの1つのコピーを送信することと、
前記無線インフラストラクチャから第2のゾーン内の第2の複数の対象通信デバイスへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることと
を備えるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項13】
請求項12記載のコンピュータ読取可能媒体において、前記グループ通話サーバから前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることは、前記メディアの1つのコピーを単一のマルチキャストグループアドレスへ送信することを備えるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項14】
請求項12記載のコンピュータ読取可能媒体において、前記方法は、前記第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ送信するために、前記メディアを前記無線インフラストラクチャによって複製することを更に備えるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項15】
請求項14記載のコンピュータ読取可能媒体において、前記第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ送信することは、前記無線インフラストラクチャの順方向専用チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを備えるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項16】
請求項12記載のコンピュータ読取可能媒体において、前記第2の複数の対象通信デバイスへマルチキャストすることは、前記無線インフラストラクチャの順方向共有チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを備えるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
共有チャネル上で1グループの対象通信デバイスへメディアをマルチキャストするかを判定する方法を具体化するコンピュータ読取可能媒体であって、この方法は、
カバーエリア内に存在する前記1グループの対象通信デバイスにおける参加者の数を判定することと、
前記数が予め定めたしきい値を超えているのであれば、前記メディアの1つのコピーを共有チャネル上で前記1グループの対象通信デバイスへマルチキャストすることと
を備えるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
請求項17記載のコンピュータ読取可能媒体において、前記方法は、前記数が予め定めたしきい値を超えているのであれば、前記メディアの1つのコピーを共有チャネル上で前記1グループの対象通信デバイスへ送信することを更に備えるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項19】
無線インフラストラクチャ及びグループ通話サーバを含む無線通信ネットワークにおいて1グループの対象通信デバイスにメディアをマルチキャストする装置であって、
前記1グループの対象通信デバイスへ送信するために、前記グループ通話サーバから前記無線インフラストラクチャへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストする手段と、
前記無線インフラストラクチャから第1のゾーン内の第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ前記メディアの1つのコピーを送信する手段と、
前記無線インフラストラクチャから第2のゾーン内の第2の複数の対象通信デバイスへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストする手段と
を備える装置。
【請求項20】
請求項19記載の装置において、前記グループ通話サーバから前記メディアの1つのコピーをマルチキャストする手段は、前記メディアの1つのコピーを単一のマルチキャストグループアドレスへ送信する手段を含む装置。
【請求項21】
請求項19記載の装置において、前記第1の複数の対象通信デバイスの前記それぞれへ送信するために、前記メディアを前記無線インフラストラクチャにおいて複製する手段を更に備える装置。
【請求項22】
請求項21記載の装置において、前記第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ送信する手段は、前記無線インフラストラクチャの順方向専用チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを含む装置。
【請求項23】
請求項19記載の装置において、前記第2の複数の対象通信デバイスへマルチキャストする手段は、前記無線インフラストラクチャの順方向共有チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを含む装置。
【請求項24】
マルチキャストパス上で1グループの対象通信デバイスへメディアをマルチキャストするかを判定する装置であって、この装置は、
カバーエリア内に存在する前記1グループの対象通信デバイスにおける参加者の数を判定する手段と、
前記数が予め定めたしきい値を超えているのであれば、前記メディアの1つのコピーを共有チャネル上で前記1グループの対象通信デバイスへマルチキャストする手段と
を備える装置。
【請求項25】
請求項24記載の装置において、前記数が前記しきい値を下回るのであれば、前記メディアの1つのコピーを専用チャネル上で前記1グループの対象通信デバイスの各メンバへ送信する手段を更に備える装置。
【請求項26】
無線通信ネットワークにおいて1グループの対象通信デバイスへメディアをマルチキャストする装置であって、この装置は、
メモリユニットと、
受信機と、
送信機と、
前記メモリユニット、前記受信機、及び前記送信機に接続されたプロセッサとを備え、このプロセッサは、
前記1グループの対象通信デバイスへ送信するために、グループ通話サーバから無線インフラストラクチャへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることと、
前記無線インフラストラクチャから第1のゾーン内の第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ前記メディアの1つのコピーを送信することと、
前記無線インフラストラクチャから第2のゾーン内の第2の複数の対象通信デバイスへ前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることとができる装置。
【請求項27】
請求項26記載の装置において、前記グループ通話サーバから前記メディアの1つのコピーをマルチキャストすることは、前記メディアの1つのコピーを単一のマルチキャストグループアドレスへ送信することを含む装置。
【請求項28】
請求項26記載の装置において、前記プロセッサは更に、前記第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ送信するために、前記メディアを前記無線インフラストラクチャにおいて複製することができる装置。
【請求項29】
請求項28記載の装置において、前記第1の複数の対象通信デバイスのそれぞれへ送信することは、前記無線インフラストラクチャの順方向専用チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを含む装置。
【請求項30】
請求項26記載の装置において、前記第2の複数の対象通信デバイスへマルチキャストすることは、前記無線インフラストラクチャの順方向共有チャネル上で前記メディアの1つのコピーを送信することを含む装置。
【請求項31】
マルチキャストパス上で1グループの対象通信デバイスへメディアをマルチキャストするかを判定する装置であって、この装置は、
メモリユニットと、
受信機と、
送信機と、
前記メモリユニット、前記受信機、及び前記送信機に接続されたプロセッサとを備え、このプロセッサは、
カバーエリア内に存在する前記1グループの対象通信デバイスにおける参加者の数を判定することと、
前記数が予め定めたしきい値を超えているのであれば、前記メディアの1つのコピーを共有チャネル上で前記1グループの前記対象通信デバイスへマルチキャストすることとができる装置。
【請求項32】
請求項31記載の装置において、前記プロセッサは更に、前記数が前記予め定めたしきい値を下回るのであれば、前記メディアの1つのコピーを専用チャネル上で前記1グループの対象通信デバイスの各メンバへ送信することができる装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−177820(P2009−177820A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−22425(P2009−22425)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【分割の表示】特願2004−504559(P2004−504559)の分割
【原出願日】平成15年5月6日(2003.5.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】