説明

アプリケーション毎の記憶領域割当て

装置には、HDDなどのローカル記憶装置と、リムーバブル光学記憶担体入力装置とが装備される。リムーバブル担体は、データ項目を記憶するための記憶空間を必要とする記憶アプリケーションを含む。記憶領域管理ユニットが、挿入された前記リムーバブル光学記憶担体及び該リムーバブル光学記憶担体に記憶された前記アプリケーションに前記ローカル記憶装置の記憶空間を割り当てる。前記管理ユニットはまた、割り当てられた部分に記憶されているデータ項目に対しての前記アプリケーションに与えられるアクセス権に関して部分識別情報に帰する。前記アプリケーションには、前記割り当てられた部分の外部に記憶されているデータ項目へのアクセス権は与えられない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置の分野に関し、リムーバブル記憶装置とローカル記憶装置との組合せに関する。本発明は、より詳細には、追加リムーバブル光学記憶担体を収容することが出来るローカル記憶装置が装備された光学記憶走査装置(optical storage scanning device)であって、前記追加リムーバブル光学記憶担体において、アプリケーションが前記ローカル記憶装置に記憶されているデータを処理するよう構成されている光学記憶走査装置に向けられている。
【背景技術】
【0002】
BD−ROM(Blue Disc ROM)は、最新の記憶、再生及びソフトウェアの技術を統合して、高記憶密度及び新たなユーザ体験の機会の両方を兼ね備える次世代の担体及びプレーヤを開発することが望ましい娯楽業界及び家電、ソフトウェアの会社のコンソーシアムによって取り組まれているやがて現れる光学記憶装置の規格である。BD−ROMは、データ層毎に少なくとも25GBの容量を得ることが可能であるような青色レーザを利用する次の読取り専用の光ディスクの規格である。光学規格は、担体及びプレーヤの物理フォーマットと論理フォーマットとの両方を規定する。本願明細書に記載されている本発明は、論理面に向けられている。BD−ROMの予想される主なアプリケーションは高品位テレビであるが、ウェブ閲覧、チャットのアプリケーション又はゲームなどのウェブの接続性及び双方向性も規格の範囲内である。
【0003】
BD−ROM規格の現在のドラフトは、ムービーオブジェクトとの対話を介してデジタルのオーディオ/ビデオ(A/V)データが体験されるムービーモードを規定している。ムービーモードの概念は、主としてA/Vコンテンツの再生に関するデジタル多用途ディスクと同様の機能を含む。ムービーオブジェクトは、ディスクに記憶されているA/Vシーケンスのリストを有するプレイリストを始動することができ、コンテンツ作者(content author)がA/V再生に関して幾つかの前処理及び後処理をすることも可能にする。ムービーモードは、ユーザが、再生するために参照して、選択することが出来る項目(item)として表題も含む。インデックス・テーブルは、表題をムービーオブジェクトと関連づける。
【0004】
新世代の光媒体においては、このA/V再生機能に加えて、双方向サービスが利用可能であり、プログラミング環境は、対話型アプリケーションがディスク上に存在できるようにする必要がある。前記業界のコンソーシアムによって、既存のバーチャルマシン、アプリケーションプログラミングインタフェース及びライブラリを備えるJava(登録商標)、サンの技術が、光学記憶担体における対話型アプリケーションの実現性を可能にするための優れた技術の候補とみなされた。しかしながら、パソコン環境の家電装置への適応においては、一方の環境と他方の環境とで、ユーザ体験及び業界の技術仕様要求の両方が異なるので幾つかの問題が生じる。
【0005】
例えば、主に家庭用装置から成る家電(CE)の世界においては、開発されるアプリケーション及びユーザインタフェースの主な特徴は、製品が市場ですぐに受け入れられることを可能にするようユーザフレンドリであり、単純明快であることにある。結果として、ほとんどのコンテンツ処理動作は、ユーザにトランスペアレントであり、ユーザは、アプリケーションがどのようにして記憶領域にアクセスしており、どんなデータがアクセスされているのかに気付かないかもしれない。従って、アプリケーションは、ユーザが知らないうちに、無許可データ(unauthorized data)にアクセスするかもしれず、データを破損させるかもしれず、又は不正な動作を行なうかもしれない。
【0006】
更に、家電装置は、著作権によって保護されたマルチメディアコンテンツを処理する。娯楽業界は、更に、データの破損、不正なデータの複製又は処理を防止し、無許可のアプリケーション又はユーザがデータにアクセスするのを防止するであろう技術の出現及び配備を確かめたいという要求を絶えず出している。
【0007】
家電製品におけるハードディスクドライブ(HDD)又はフラッシュメモリなどの固体メモリの使用は、マルチメディアコンテンツの体験され方を変えている。それはまた、今や、マルチメディアコンテンツの前処理及び後処理並びに双方向性が可能であるので、現在ユーザに提供されるアプリケーションのより一層の多様化も可能にさせている。更に、所与の装置において永久記憶装置をリムーバブル記憶装置と組み合わせることは、複数のアプリケーション間での記憶装置の可用性(storage availability)の新しい共用をもたらした。リムーバブル記憶担体に記憶されているソフトウェアアプリケーションは、実行時にデータを生成するかもしれない。生成されるデータは、例えば、ユーザ又は家族に関連し、例えば、プロファイル、過去の閲覧履歴、好み、ゲームスコアなどである。このようなデータは、多くの場合、次のセッションのために保存される。前記データは、担体自体に該データを記憶する代わりに、次のセッションまでローカル記憶装置に記憶されるかもしれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえに、本願発明者は、リムーバブル担体に記憶されているアプリケーション間でのローカル記憶装置の共用を可能にする解決策を捜し求めた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
それ故、複数の項目を記憶するためのローカル記憶装置を含む装置を提案する。前記装置は、リムーバブル記憶担体を挿入するためのレセプタクル(receptacle)を更に有する。前記担体は、1つ以上のソフトウェアアプリケーションを収めている。割当てユニットが、前記ローカル記憶装置を管理し、前記リムーバブル記憶担体に該ローカル記憶装置の一部を割り当てる。前記一部は、前記ソフトウェアアプリケーションに与えられる該一部に記憶されている項目への各々のアクセス権に関して識別情報で参照をつけられる。
【0010】
本発明は、前記装置のローカル記憶装置に記憶されるあらゆるタイプのデータ、例えば、ゲームスコア、カスタマイズされたゲームキャラクタ、映画、歌曲、テキストファイル、ユーザプロファイル、ウェブコンテンツ、コマーシャルなどに関する。本発明は、無許可アプリケーションによるアクセス又は削除などの不正な動作、及び記憶されている前記データの破損を防止せんとするものである。例えば、本発明は、昨晩のテレビ番組のみが消去されるべきである場合に、第1対話型アプリケーションが家庭用装置のHDDから家族の子供のアニメを消去することを防止せんとするものである。本発明はまた、例えば、ターゲットを絞ったコマーシャルの目的のためにアプリケーションが他のアプリケーション専用のユーザのプライベートなデータを取り出すことも防止せんとするものである。この目的のため、割当てユニットは、挿入された担体に前記ローカル記憶装置の一部を割り当てる。他の例においては、前記割当てユニットは、前記挿入された担体に記憶された前記アプリケーションのうちの1つに前記一部を割り当てる。典型的な実施例においては、前記割当ての結果、前記アプリケーションには、前記ローカル記憶装置の残りの記憶空間を参照する権限又は該残りの記憶空間にアクセスする権限は付与されないであろう。前記アプリケーションは、多分、割り当てられた前記一部の外部に記憶されている項目を参照しないであろうことから、前記アプリケーションは、多分、不注意に又は故意に、それらにアクセスしないであろう、又はそれらを破損させないであろう。同様にして、前記ユーザがアプリケーションと対話する際に誤った操作を行なうことは、前記ローカル記憶装置に記憶されている別のアプリケーション専用のデータを削除する危険を冒さない。
【0011】
前記割当ては以下のように行なわれ得る。前記割当てユニットは、前記一部に記憶されている項目に対しての前記アプリケーションに与えられる前記アクセス権に関して識別情報と該一部を関連づける。前記識別情報は、ディスクと関連づけられてもよく、例えば、ディスクのシリアル番号又はディスク発行者(publisher)の識別子である。前記識別情報はまた、前記担体の代わりに前記ソフトウェアアプリケーション、例えば、アプリケーション参照番号を表わしてもよい。従って、所与のアプリケーションに特有の識別情報と関連づけられていない記憶部分又は項目は、該アプリケーションにアクセスする権限が付与されている項目と識別されないであろう。それ故、前記項目は前記アプリケーションに呈示されないであろう。他の例において、前記アプリケーションに、前記項目を参照する権限は付与されるが、該項目を処理する権限は付与されない実施例においては、該項目に対するアクセスは拒否されるであろう。
【0012】
本発明の1つ以上の実施例の利点は、複数の独立したアプリケーションが、前記装置においてローカルに利用可能な永久記憶装置をセキュアに共用することを可能にすることにある。本発明はまた、ディスクの記憶空間を、コンテンツ又はカスタマイズデータなどのユーザ専用のデータから開放することを可能にする。
【0013】
ここで、一例として添付図面を参照して、本発明をより詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図面内の同様の又は対応する特徴を持つ要素は、同様な参照符号によって識別される。
【0015】
図1は、典型的なJava(登録商標)環境の基本的な要素を図示している。典型的なJava(登録商標)環境は、装置のハードウェア110において走るソフトウェアコンポーネントを有する。この装置は、パソコン、又はウェブ・タブレット、PDA、ゲーム機、セットトップボックスなどといった家電装置であり得る。Java(登録商標)技術は、元々、異種のネットワーク及び様々なハードウェアアーキテクチャにおいて同じアプリケーションを実行することを可能にするよう設計されている。Java(登録商標)バーチャルマシン(VM)120は、このアーキテクチャニュートラルな技術を可能にするJava(登録商標)プラットフォームの第1コンポーネントである。Java(登録商標) VM120は、Java(登録商標)プログラミング言語コンパイラがコードを生成することが出来るポータブルJava(登録商標)技術プラットフォーム(portable Java(登録商標) technology platform)の2つの主要コンポーネントのうちの1つである。Java(登録商標) VM120は、特定のハードウェア110への適応のために修正又は移植され得る。Java(登録商標)プラットフォームは、ただのソフトウェアにすぎず、Java(登録商標) VM120に加えて、Java(登録商標)アプリケーションプログラミングインタフェース(API)130を更に含む。Java(登録商標) API130は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、接続性、I/O、記憶などといった多くの有用な機能を供給する多くの既製のソフトウェアコンポーネントの集まりである。Java(登録商標) API130は、関連するクラス及びインタフェースのライブラリにグループ分けされる。当業界においては、これらのライブラリもまた、パッケージとして知られているかもしれない。その場合、Java(登録商標)プラットフォーム120、130の最上位(top)において、Java(登録商標)コードで書かれた開発者のアプリケーション(developers' application)140のセットが実行され得る。
【0016】
図2は、本発明のBD−ROMシステムのブロック図を示している。このシステムは、ディスク200と、プレーヤ100とを含む。プレーヤ100は、ハードウェア110と、記憶装置160と、Java(登録商標)ライブラリを備えるアプリケーションプログラミングインタフェース130と、Java(登録商標) VM120と、記憶空間割当てユニット170とを含む。BD−ROMディスク又はブルーレイディスク200は、ローダアプリケーション210と、Java(登録商標)オブジェクト220と、A/Vデータ260と、ムービーオブジェクト250とを含む。ローダアプリケーション210及びJava(登録商標)オブジェクト220のより詳細は、2003年10月10日に出願された"Java(登録商標) lifecycle model for BD discs"と表題をつけられた欧州特許出願公開公報第EP03292522.4号(代理人整理番号FR030119)において見出されることができ、参照により本願明細書に盛り込まれる。
【0017】
本発明は、BD−ROMに関連して記載されているが、本発明は、本発明の細目を満たす光学式又は非光学式のあらゆる現在又は今後のタイプの記憶担体及びプレーヤを、担体が、読取り専用であろうと、書込み可能であろうと、書換え可能であろうと含む。
【0018】
本発明のプレーヤ100は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又は例えばフラッシュメモリである固体メモリの形態で実現され得る永久記憶装置160を含む。記憶装置160は、プレーヤ100のローカルメモリの役割を果たし、必要に応じて取り除かれてもよく、取り替えられてもよい。例えば、装置160は、ユーザ専用のUSBフラッシュメモリであり、ユーザにとって個人的なデータを含む。典型的な実施例においては、装置160は、ディスク200を読み取るべきプレーヤ100のためにプレーヤ100内にある必要がある。プレーヤ100はレセプタクル150を含み、レセプタクル150において、プレーヤ100内にディスク200が挿入される。本発明は、ディスク200間での装置160の記憶空間の割当てに関する。この目的のため、プレーヤ100は、装置160の記憶空間の一部162乃至166の割当てを担当する割当てユニット170を含む。
【0019】
ユニット170は、以下のようにプレーヤ100に挿入されるディスク200に記憶部162、164、166を割り当てる。第1実施例においては、ユニット170は、装置160の記憶空間をディスク200間で均等に割り当てるかもしれない。別の実施例においては、ユニット170は、ディスク200に記憶されているアプリケーション220、250の各々の空間要求に基づいて一部162乃至166を割り当てる。ユニット170は、時間とともに記憶領域割当てを適応させてもよく、以下に説明されるようにアプリケーション220、250が追加記憶空間を必要とする場合には、一部162乃至166の大きさを拡大してもよいことにも注意されたい。
【0020】
記憶装置160は複数のデータ項目を記憶する。データ項目は、とりわけ、コンテンツデータ、ユーザプロファイルデータ、閲覧履歴、トランザクション履歴、ウェブコンテンツ、テキストファイル、ゲームスコア、ゲームアバターなどを含む。本発明は、所与のアプリケーション220、250が、別のアプリケーション220、250専用のデータにアクセスすることを防止し、場合によっては、別のアプリケーション220、250専用のデータを知ることを防止せんとするものである。従って、ユニット170は、所与のアプリケーション220、250専用のデータ項目と、識別情報を、これらのデータ項目に対してのアプリケーション220、250に与えられるアクセス権に関して関連づける。アクセス権については以下により詳細に記載する。識別情報は、担体200を表わす識別子を含んでもよい。識別情報はまた、アプリケーション220、250自体を表わす識別子を含んでもよい。識別子は、例えば、BCA(Burst Cutting Area)、ディスク200の個々のインスタンスが識別されることを可能にするシリアル番号、現在のディスク200を示すディスク識別子、又は発行者識別子である。識別子はまた、ディスク200に記憶されているコンテンツから得られる生成表題識別子であってもよいが、この生成表題識別子のタイプの識別子は、ディスク200に対してユニークなものではないかもしれない。識別子はまた、上記のものの組合せであってもよい。
【0021】
BD−ROMディスク200は、上記のように多数の表題、Java(登録商標)オブジェクト220及びムービーオブジェクト250を含む。上記のように、本発明は、装置160内に記憶されている項目とディスク200を関連づけること、又は他の例においては、前記項目と個々のアプリケーションを関連づけることを含む。ユニット170は、所与のアプリケーション220、250が、プレーヤ100において走っている時、及び/又は記憶空間を要求している時に、所与のアプリケーション220、250に装置160の一部162乃至166を割り当て得る。実際は、ユニット170は、必要な場合にしか記憶空間162乃至166を割り当てないかもしれない。例えば、ユニット170は、アプリケーション220、250が、ウェブからの歌曲又は映画のダウンロードをもたらす場合にアプリケーション220、250に一部162乃至166を割り当てる。別の実施例においては、ユニット170は、アプリケーション220、250内の命令によって、マルチメディアコンテンツへのコマーシャルの挿入のためにインターネットサーバからコマーシャルがダウンロードされる場合に現在のアプリケーション220、250に記憶部162乃至166を割り当てる。他の例においては、ユニット170は、ディスク200上にある発行者識別子に基づいて記憶空間162乃至166を割り当ててもよい。この結果、発行者識別子を持つ如何なるアプリケーション又はディスクも、その発行者に割り当てられる空間162乃至166内にしかデータ項目を記憶しないかもしれない。上記のように、追加空間が必要とされる場合には、割り当てられる空間は拡大され得る。
【0022】
本発明は、装置160をディスク200間でセグメントに分けようとするものであり、結果として、プレーヤ100に挿入される各ディスク200は、異なるファイルシステムを参照するかもしれない。実際は、ディスク200と関連づけられていない全ての他のデータ項目は、隠されるであろう。この実施例においては、ディスク間でのコンテンツの共用はない。この実施例の別の結果は、新たなディスク200は、装置160を、ディレクトリ構造を持たない空のファイルシステムとみなし得るというものである。ディスク200又は該ディスク200の記憶されているアプリケーション220、250は、この空の構造内にディレクトリを作成し、その中にデータ項目を記憶することが出来る。ディスク200が、装置160内に記憶されるデータ項目を列挙する場合には、ディスク200は、ディスク200が作成したディレクトリ及びデータ項目しか参照しないであろう。更に、ユニット170は、ディスク200にこれらのファイルしか削除させない。
【0023】
ユニット170は、図2においては別個のブロックエンティティとして示されているが、ソフトウェアで実現されてもよく、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)130内に含まれてもよい。実際は、ユニット170は、標準的な、公に入手可能な記憶領域管理Java(登録商標) APIから得られるかもしれない。更に、ユニット170は、プレーヤ業界全体にわたって一様な実施を可能にするためにBD−ROMプレーヤ100に対して標準化されるかもしれない。ユニット170は、該ユニット170がディスク200又はアプリケーション220、250に与える一部162乃至166又は該一部162乃至166内に記憶されているデータ項目に対してのアクセス権の付与及び制限をする。この目的のため、ユニット170は、全ての利用可能な許可データ項目を列挙する"Dir"コマンドを制御する第1APIと、新しいデータ項目を作成する"Create"コマンドを制御する第2APIと、選択されたファイルを削除する"Delete"コマンドを制御する第3APIと、既存のデータ項目を修正する"Write"コマンドを制御する第4APIと、ディレクトリ構造を修正することを可能にする"make/delete directory"コマンドを制御する第5APIとを含み得る。これらの典型的なAPIは、ディスク200又はアプリケーション220、250が、割り当てられた記憶部162乃至166内に記憶されているデータを処理することを可能にするよう構成される。ユニット170が特定のアプリケーション220、250又はディスク200に与える所与のデータ項目に対してのアクセス権は、該項目にアタッチ(attach)されてもよい。アクセス権は上記の識別情報内に組み込まれる。識別情報は、データ項目と共に記憶される、又は割り当てられた一部内に記憶される。識別情報は、ディスク又はアプリケーションの識別子を含む。
【0024】
ディスク200がレセプタクル150内に挿入される場合、ユニット170は、まず、ディスク200からディスク識別子又はアプリケーション識別子を取り出す。ディスク200又はディスク200上のアプリケーション220、250が、例えば、記憶されているデータへのアクセス、記憶されているデータの削除若しくは修正、又は新しいデータの記憶のために装置160に対するアクセスを要求する場合には、ユニット170は、まず、アプリケーション220、250又はディスク200には、どの項目又は部分にアクセスする権限があるのかを識別する。ディスク200が初めてプレーヤ100内に挿入される場合には、ユニット170は、上記のようにディスク200に新しい一部162乃至166を割り当て得る。前のセッションにおいてディスク200又はアプリケーション220に一部162乃至166が割り当てられた場合には、ユニット170は、識別子に基づいて一部162乃至166に記憶されているデータ項目を取り出す。次いで、ユニット170は、データ項目と共に記憶されている識別情報から、データ項目に対してのディスク200又はアプリケーション220に与えられるアクセス権を決定する。一部162乃至166に対するアクセス権は一様に与えられてもよく、このことは、一部162乃至166内に記憶されている全てのデータ項目に対しての同じアクセス権がアプリケーション220又はディスク200に与えられることを意味する。他の例においては、ユニット170は、一部162乃至166内に含まれる個々のデータ項目に対しての特定のアクセス権をアプリケーション220に与えるかもしれない。割当てユニット170は、アプリケーション220、250又はディスク200と、割り当てられる一部162乃至166とを関連づける割当てテーブルを生成してもよい。割当てテーブルは装置160内に記憶されてもよい。
【0025】
別の実施例においては、ユニット170は、装置160内の全記憶空間が割り当てられている場合に、装置160において記憶空間を空ける必要があるかもしれない。ユニット170は、最初に他のアプリケーションに割り当てられ、使用されていない空間の使用又はデータ項目の削除によって、他のアプリケーションに割り当てられている部分を減らし得る。まず、関連づけられたアプリケーションによって最近使用されていないデータ項目が削除され得る。装置160において追加記憶空間が見出され得ない場合には、ユーザは通知されるかもしれない、又は追加記憶空間を要求しているアプリケーションは中止されるかもしれない。
【0026】
「一部」という用語も、データ項目を指し得ることを理解されたい。実際は、装置160に記憶されているデータ項目は、装置130の記憶空間と理解されてもよく、両方の用語は、異ならないように用いられてもよい。
【0027】
別の実施例においては、割り当てられる一部162乃至166に関連づけるディスク200にリンク(link)が書き込まれてもよい。割当てユニット170は、ディスク200へのリンクの挿入を制御し、このようにしてディスク200又はアプリケーション220、250に与えられるアクセス権を制御してもよい。
【0028】
多くの他の変形例が、添付されている特許請求の範囲内に入ることは当業者には明らかであろう。この点において、以下に最後の注釈をつける。ハードウェア若しくはソフトウェア又は両方のアイテムによって機能を実現する数多くの方法がある。例えば、ここで呈示されている図面は概略的なものであり、各々は一実施例を表わしているにすぎない。従って、図面は、異なる機能を異なるブロックとして示しているが、これは、ハードウェア又はソフトウェアの単一のアイテムが幾つかの機能を実行することを決して除外するものではない。ハードウェア若しくはソフトウェア又は両方のアイテムの組立体によって機能が実行されることを除外しない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】Java(登録商標)環境の基本的なコンポーネントを示す。
【図2】本発明のディスク/プレーヤシステムの例示的なブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ項目を記憶するためのローカル記憶装置と、
ソフトウェアアプリケーションを記憶しているリムーバブル記憶担体を受け取るためのレセプタクルと、
前記リムーバブル記憶担体に前記ローカル記憶装置の一部を割り当て、前記ソフトウェアアプリケーションに与えられる前記一部に記憶されているデータ項目への各々のアクセス権に関して識別情報で前記一部に参照をつけるための記憶領域管理ユニットとを有する装置。
【請求項2】
前記記憶領域管理ユニットが、前記ローカル記憶装置へのアクセスを制御するアプリケーションプログラミングインタフェースを有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクセス権が、前記データ項目に対しての、閲覧、読取り、実行、アクセス、検索、削除、書込み及びセーブのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記識別情報が、前記リムーバブル記憶担体の識別子を含む請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記識別情報が、前記リムーバブル記憶担体と関連づけられているユニークな識別番号を含む請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記識別情報が、次のもの、即ち、BCAのうちの1つである請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記識別情報が、前記ソフトウェアアプリケーションの識別子を含む請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記識別情報が、前記リムーバブル記憶担体の発行者を表わす請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記記憶領域管理ユニットが、更に、前記ソフトウェアアプリケーションが、割り当てられた前記一部に追加データ項目を記憶することを可能にする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記記憶領域管理ユニットが、前記リムーバブル記憶担体に割り当てられる前記一部の大きさを制限する請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記記憶領域管理ユニットによって、割り当てられた前記一部に含まれていない1つ以上のデータ項目が、前記ソフトウェアアプリケーションから隠される請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記一部が前記項目しか含まない請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記記憶領域管理ユニットが、割り当てられた前記一部の外部に記憶されている他のデータ項目に対してのアクセス権を前記ソフトウェアアプリケーションに与えない請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記記憶領域管理ユニットが、割り当てられた前記一部の外部に記憶されている他のデータ項目を、前記ソフトウェアアプリケーションに対して隠す請求項1に記載の装置。
【請求項15】
装置内のローカル記憶装置を管理する方法であって、
前記装置内に挿入される光学記憶担体に前記ローカル記憶装置の一部を割り当てるステップと、
前記一部に記憶されているデータ項目に対してのアクセス権を前記担体に記憶されたソフトウェアアプリケーションに与えるステップと、
前記アクセス権に関して識別情報を前記一部に組み込むステップとを有する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−508613(P2007−508613A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530752(P2006−530752)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003292
【国際公開番号】WO2005/036404
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】