説明

アプロ−チ兼道路トンネル用シールドおよびアプローチトンネル、道路トンネルの築造方法

【課題】アプローチトンネル兼道路トンネルシールドおよびアプローチトンネルから本線部分の道路トンネルにかけての築造方法を提供する。
【解決手段】横長のアプローチシールドを、円形、馬蹄形、または逆馬蹄形の道路トンネルシールドへ換装可能なシールドであって、前記アプローチシールドは、アプローチトンネル内の残置される残置部分と、上部または下部分であって撤去可能な撤去部分と、道路トンネルシールドへ転用される転用部分とを備え、前記転用部分に道路トンネルシールド新規製作部分を組み付け道路トンネルシールドへ換装する。トンネルを築造する場合、横長のアプローチシールドをシールド発進立坑から発進させアプローチトンネルを築造し、シールド換装用立坑またはシールド換装用地中空間で前記アプローチシールドの一部を転用して道路トンネルシールドを換装し、この道路トンネルシールドにより道路トンネルを築造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アプロ−チトンネル掘削用のアプローチシールドの主要部を道路トンネル用シールドに転用し、そのシールドを用いてアプローチトンネルないし道路トンネルを構築する築造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路トンネルを地中に設置する場合、地上から地下へ入り地下の本線区間と接続される区間と、その逆に地下の本線区間から地上へと出てくる区間とがあり、この区間をアプローチ区間(アプローチ部)といい、その部分を掘削するシールドをアプローチシールド、トンネルをアプローチトンネルと称している。
【0003】
道路トンネルである本線区間はシールド工法によって構築されることが多く、掘削による地盤沈下の影響を抑えるためにトンネル上部の土被り厚をトンネル径以上に確保することが一般的となっている。これに対し、アプローチ区間は、土被りをトンネル径以上で築造される上記本線区間に比べて土被りが浅く、アプローチ区間は地表面から比較的浅いので、従前においては地盤改良等の補助工法を併用して開削工法により地中トンネルが構築されていた。
【0004】
従来のシールド工法で、道路トンネルを構築する場合、切羽の安定や浮き上がりなどから、発進立坑の深さは道路トンネルのシールド外径の1.5〜2.0倍くらいの深さまでとる必要があり、地上から立坑までのアプロ−チ部は、通常、開削工法を用いていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このアプローチ部を開削工法で行い、アプローチ部5’を築造するにあたり、図17(a)に示すように、地表付近に埋設物3’、河床4’、構造物2’が多い場合、開削工法ではそれらを撤去、切替、移設する等の必要があり、周辺住民への影響も多大であった。また、図17(b)に示すように、開削工法の土留めa’によって、地下水脈b’を遮断してしまい、地上の湧水や井戸が枯渇するなどし、環境面でも問題があった。また、従来では、アプローチ部5’は開削工法を用い、シールド発進用立坑1’からは別途新たに製作した道路トンネル用のシールドを用い到達立坑まで掘進を行っていた。
【特許文献1】特開2002−21098
【0006】
この発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、開削工法によるアプローチ部分を最小とし、地表に河床、構造物等があるような場合でもそれらに悪影響を及ぼさないようにし、地上への影響を少なくするために、アプローチ部分のトンネル断面の高さを極力低くして横長楕円形ないし横長の円弧状矩形のトンネル断面とし、本線区間の道路トンネルにおいては、横長ほぼ矩形の断面から地下深く換気空間、避難通路、共同溝等のスペースを確保できる円形、馬蹄形、逆馬蹄形断面等に容易に変更可能とした、アプローチトンネル兼道路トンネルシールドおよびアプローチトンネルから本線部分の道路トンネルにかけての築造方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1では、横長のアプローチシールドを、円形、馬蹄形、または逆馬蹄形の道路トンネルシールドへ換装可能なシールドであって、前記アプローチシールドは、アプローチトンネル内の残置される残置部分と、上部または下部分であって撤去可能な撤去部分と、道路トンネルシールドへ転用される転用部分とを備え、前記転用部分に道路トンネルシールド新規製作部分を組み付け道路トンネルシールドへ換装する、ことを特徴とする。
請求項2では、請求項1記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、前記アプローチシールドは横長の円弧状矩形形状をなし、ほぼ中央部分のシールド中央転用部分と、この上部および下部に分割可能に設けられた矩形シールド上撤去部分、矩形シールド下撤去部分とからなり、このアプローチシールドは、前記シールド中央転用部分の上部および下部に組み付けられる、ほぼ半月形をなす円形シールド上新規製作部分および円形シールド下新規製作部分とにより、道路トンネルを築造する円形シールドに換装される、ことを特徴とする。
請求項3では、請求項1記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、前記アプローチシールドは横長の円弧状矩形形状をなし、上部の矩形シールド上撤去部分と、その下方に分割可能に設けられた矩形シールド転用部分とからなり、このアプローチシールドは、前記矩形シールド転用部分に組み付けられるほぼ半月状の馬蹄形シールド上新規製作部分により道路トンネルを築造する馬蹄形シールドに換装される、ことを特徴とする。
請求項4では、請求項1記載のアプローチ兼道路トンネルにおいて、前記アプローチシールドは、逆馬蹄形をなし、上方が小曲率の円弧状をなす逆馬蹄形シールド上撤去部分と、その下方に分割可能に設けられた逆馬蹄形シールド転用部分とからなり、このアプローチシールドは、前記逆馬蹄形シールド転用部分の上部に組み付けるほぼ半月状の円形シールド上新規製作部分により道路トンネルを築造する円形シールドに換装される、ことを特徴とする。
請求項5では、請求項1記載のアプローチ兼トンネルシールドにおいて、アプローチシールドは、ほぼ矩形をなし、外殻の上部および下部が撤去可能な矩形シールド転用部分からなり、このアプローチシールドは前記矩形シールド転用部分の上下にそれぞれ組み付けられるほぼ半月状の円形シールド上新規製作部分、円形シールド下新規製作部分により道路トンネルを築造する円形シールドに換装される、ことを特徴とする。
請求項6では、請求項1〜5いずれか記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、前記転用部分は、道路トンネルシールドへ転用される外殻と、この外殻内に設けられた隔壁と、この隔壁の前方に設けられたカッターと、このカッターを駆動するカッター駆動装置とからなる、ことを特徴とする。
請求項7では、請求項1〜6いずれか記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、前記アプローチシールドおよび道路トンネルシールドは偏心多軸シールドからなる、ことを特徴とする。
請求項8では、請求項5記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、前記アプローチシールドおよび道路トンネルのカッターは、回転式カッターからなる、ことを特徴とする。
請求項9では、横長のアプローチシールドをシールド発進立坑から発進させアプローチトンネルを築造し、シールド換装用立坑またはシールド換装用地中空間で前記アプローチシールドの一部を転用して道路トンネルシールドを換装し、この道路トンネルシールドにより道路トンネルを築造する、ことを特徴とする。
請求項10では、請求項9記載のアプローチトンネルおよび道路トンネルの築造方法において、前記アプローチシールドは、アプローチトンネル内に残置される残置部分と、上部または下部を、撤去可能な撤去部分と、道路トンネルシールドへ転用される転用部分とを備え、前記撤去部分に道路トンネルシールド新規製作部分を組み付け、横長の形状から円形、馬蹄形または逆馬蹄形の道路トンネルシールドへ換装される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
幅が同じで円形シールド等より高さの低いほぼ横長の矩形シールドでアプローチトンネルを施工するため、浅い部分からの発進が可能となり、かつアプローチ部の開削は最小で済み、土留め、掘削も最小限ですみ、周辺への影響、地盤改良なども少なくてすむ。
また、矩形シールドから円形シールド等への換装において、カッター駆動部、カッターの一部、排土装置等の諸設備を転用できるようにしたので、経済的である。
さらに、アプローチトンネルの施工区間に、埋設物や河川横断などがある場合、矩形シールドは河床との離隔がしやすい、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1(a)〜(c)は本発明の概念図で、(b)は(a)中A−A線断面図、(c)は(a)中B−B線断面図である。
【0011】
図1(a)において、1はシールド発進用立坑、2は地上部分の構造物、3は地上付近の埋設物、4は河床、5はシールド発進用立坑1とシールド換装用立坑6間のアプローチトンネル、7はシールド発進用立坑1と地上部分とを繋ぐ開削区間、8はシールド換装用立坑から例えば到達側立坑(図示せず)間までの道路トンネルである。
【0012】
なお、図1において、aは地上から道路トンネル8の上部までの土被りである。
【0013】
本発明の基本的実施例においては、アプローチトンネル5を、図1(b)に示すように、トンネル断面が横長であって正面全体形状がほぼ楕円ないし横長の円弧状矩形のトンネル形状とし、道路トンネル8は、図1(c)に示すように、断面がほぼ円形をなすトンネル形状として築造することに特徴を有している。
【0014】
図2は、図1(b)で示したアプローチトンネル5の断面の一例の拡大図である。図中9は横長の円弧状矩形に組み込まれたトンネルを構成するセグメント、10はトンネル内下部のインバート、11は換気空間、12は標識設置空間、13は建築限界、14は監視員通路である。
【0015】
図3は図1(c)で示した道路トンネル8の断面の一例の拡大図である。15は円形セグメント、16はインバート、17はインバート16上に設けられた床版、18は床版17とインバート16間に設けられた中壁、19は中壁18によって区画形成された避難通路、20は共同溝、21は建築限界、22は標識設置空間、23は換気空間、24は監視員通路である。
【0016】
図4は、図1に示したトンネル築造の他の例を示す。この例では、図1におけるシールド換装用立坑6を、シールド換装用地中空間6Aとし、ここでアプローチシールドから道路トンネル用のシールドへのシールド換装作業を行うようにしたものである。図中25は地中内に設けた地盤改良部、26は地中構造物、27は掘削空間である。その他は、図1と同様である。
【0017】
図5は、図1の例において、アプローチトンネル5から道路トンネル8を築造し、第2のシールド換装用立坑6’を介しトンネル断面が再度横長の円弧状矩形の第2のアプローチトンネル5を構築する例である。28はシールド到達用立坑である。この例では、第2のシールド換装用立坑6’で円形シールドの一部を解体し、最初のアプローチトンネル築造に用いたアプローチシールドの撤去、残置部材等のうち必要とされる部材を再利用してアプローチシールドを組み立てアプロ−チトンネルを築造するようにしたもので、これにより費用の削減、工期短縮等を図ったものである。
【0018】
図6(a)は、駆動方式がいわゆる偏心多軸シールドからなるアプローチシールドの正面図、図6(b)は側線断面図、(c)はアプローチシールド外殻側部下方部分の拡大説明図を示す。
【0019】
このアプローチシールドは、正面から見た場合、横長の円弧状矩形形状のシールドをなし、このアプローチトンネル用の矩形シールド29は、円弧状矩形をなすシールド筒からなる外殻30と、この外郭30内に設けられた、仮想線で示す偏心駆動軸31aを有する駆動用回転体31によっていわゆる平行リンク運動によって駆動されるカッター32とを備え、本発明では偏心多軸シールド構造を採用し、カッター32と外殻30の形状を変えることにより任意の形状の断面を容易に掘削することができるようにしている。
【0020】
カッター32は、外殻30の前方内に設けられた隔壁33の前方に設けられ、その全面には多数のカッタービット34が設けられ、かつカッター32は、外殻30の形状とほぼ対応した横長であって円弧状矩形の形状をなすリング状の外側カッターフレーム32aと、このカッターフレーム32aの内側に設けられた格子状に組まれたカッタースポーク32bとからなり、カッタースポーク32bの外端部はカッターフレーム32aの内周部と連結されている。このカッター32は適宜な長さの棒状の鋼材をボルトやナット、必要に応じ熔接等の固着手段を用いて連結して構成している。外殻30も同様に板状部材を一体化してなる。したがって、ボルトやナット等を外すことにより所望の部分で分割可能になっている。
【0021】
なお、偏心多軸シールド自体の構成、作用は、この種技術分野では既に周知である。本発明では、前述のように、アプローチトンネル5は、偏心多軸シールドからなる横長の矩形シールドで構築し、道路トンネル8は矩形シールドのカッター駆動装置31A、カッター32や外殻30の一部を円形シールドに共用して同じ幅のシールドを組み立て、このシールドで道路トンネルを築造するようにし、主要部の共用化によってシールドの組立の容易化を図り、費用を低減し、ひいては工期を短縮できるようにしている。
【0022】
すなわち、矩形シールド29は、道路トンネル用の円形シールドと共用されるシールド中央転用部分35、アプローチトンネル築造後、不要となりその場に置かれる外殻残置部分36、道路トンネル用の円形シールドでは不要となる矩形シールド上撤去部分37および矩形シールド下撤去部分38、上部および下部が分割され撤去される矩形カッター32等にて構成されている。図6(a)中、Cはカッター上部分割線、32a’はカッター上撤去部分、C’はカッター下部分割線、32cはカッター下撤去部分である。
【0023】
シールド主要部であるシールド中央転用部分35は、外殻30の両側部のシールド外殻転用部分30a、上下に示す仮想線b、b’でほぼ囲まれた部分のカッター中央転用部分32’、同じく仮想線b、b’で囲まれた枠内に設けられたカッター駆動装置31A(図6(b)参照)等からなる。
【0024】
外殻残置部分36とは、図6(b)に示すように、アプローチトンネル内に残置される外殻30後方の外殻残置部分である。
【0025】
分割される矩形シールド上撤去部分37は、矩形シールド上外殻撤去部分30bおよび矩形シールド隔壁上部33a、カッター上撤去部分32a’等からなる。
【0026】
矩形シールド下撤去部分38は、矩形シールド下外殻撤去部分30cおよび矩形シールド隔壁下部33b、カッター下撤去部分32c等からなる。
【0027】
矩形シールド隔壁下部33bには、少なくとも一以上のスクリューコンベア構造の排土装置33Bが設けられている。
【0028】
なお、図6(c)は、矩形シールド隔壁転用部分33’と図6(a)に示した外殻30の矩形シールド下外殻撤去部分30c、その内側のほぼ半月形をなし、撤去される矩形シールド隔壁下部33b部分の拡大図で、dは外殻下部分割線、eは隔壁下部分割線を示す。
【0029】
なお、この実施例では、矩形シールド29の外殻30の側部であるシールド外殻転用部分30aを転用するが、転用せず全て残置または撤去しても良い。この場合、円形シールドの外殻は全て新規製作となる。
【0030】
図6(b)は矩形シールド29の側断面図である。
【0031】
29Aはシールド残置部分、31Aは隔壁33の後方に設けられたカッター駆動装置、41はカッター32の背部に設けられた撹拌翼、42は反力受け、43はシールドジャッキ、44はセグメント組立用のエレクター、45は排土装置33Bの排土口、b”は隔壁上部分割線、fは外殻上部分割線、eは隔壁下部分割線で、dは外殻下部分割線である。
【0032】
切羽の掘削にあたっては、上記のようにして構成された矩形シールド29の各カッター駆動装置31Aを同方向に同期させて駆動し、カッター32を平行リンク運動させ掘削作業を行えば良い。
【0033】
図7(a)は道路トンネルシールドである円形シールドの正面図、(b)図は側断面図、(c)図は矩形シールド外殻側部の転用部分付近と、これに新たに製作して組み込まれる円形シールドの下新規製作部分の拡大説明図を示す。53fは隔壁三角形部分で、この部分も新規製作される。
【0034】
この円形シールド50も偏心多軸シールドであり、矩形シールド29から一部を転用してなり、矩形シールド29と同じ幅の円形カッター51によってほぼ円形の断面を掘削する。
【0035】
円形シールド50は、大別すると、矩形シールド29の主要部を転用したシールド中央転用部分35、シールド中央新規製作部分35A(図7(b)参照)、円形シールド上新規製作部分52、円形シールド下新規製作部分53の4つのブロックにて構成されている。
【0036】
シールド中央転用部分35は、矩形シールド29からの転用でシールド外殻30の両側部のシールド外殻転用部分30a、シールド隔壁転用部分33’、カッター中央転用部分32’、シールド中央部カッター駆動用回転体31、カッター駆動装置31A等からなる。
【0037】
シールド中央新規製作部分35Aは、図7(b)に示すように、円形シールド中央外殻新規製作部分である。
【0038】
円形シールド上新規製作部分52は、円形シールド上外殻新規製作部分52a、円形シールド隔壁上部52b、円形カッター上部52c、シールド上部カッター駆動部52d等からなる。この上部カッター駆動部52dは、矩形シールド29において説明した偏心軸を有する駆動用回転体やカッター駆動装置からなる。
【0039】
円形シールド下新規製作部分53は、円形シールド下外殻新規製作部分53a、円形シールド隔壁下部53b、円形カッター下部53c、シールド下部カッター駆動部53d等からなり、円形シールド隔壁下部53bには排土装置53eが設けられている。
【0040】
シールド中央転用部分35の上、下にはそれぞれ円形シールド上新規製作部分52、円形シールド下新規製作部分53等がボルト、ナット、熔接等の固着手段を介して組み付けられて一体化され、円形シールド50が構成される。
【0041】
図7(a)中、h、h’はそれぞれカッター上部、下部接合線、i、i’はそれぞれ隔壁上部、下部接合線であり、i、i’間は、図6(a)の仮想線b、b’の枠内にほぼ相当する。
【0042】
図7(b)中、j、j’は外殻上部、下部接合線である。隔壁上部、下部接合線i、i’と一致する。
【0043】
また、図7(b)中、54は円形トンネルのセグメント組み込み用のエレクター、55は掘進用のジャッキ、56はスプレッダーである。
【0044】
次に本発明の第1実施例に係るシールドを用いてのアプローチトンネル5、道路トンネル8の築造方法を図1、図8(a)、(b)〜図13(a)、(b)等に沿って説明する。
【0045】
まず、図1に示すように、シールド発進用立坑1、シールド換装用立坑6を構築する。
【0046】
また、開削工法により、アプローチ部分であって極力短い区間の開削区間7を構築する。この開削区間7は、アプローチトンネル5とほぼ同時または構築前、構築後であっても良く、施工手順は適宜選択される。
【0047】
シールド発進用立坑1を構築したら、このシールド発進用立坑1からシールド換装用立坑6に向って矩形シールド29を発進させ、アプローチトンネル5を築造する。
【0048】
すなわち、平行リンク運動をなすカッター32を駆動して切羽を掘削し、掘削土砂を排土装置33Bを介して排土しつつ矩形シールド29を掘進させ、掘進に伴いセグメントを組み立てアプローチトンネル5を築造する。
【0049】
矩形シールド29が、図1に示すように、シールド換装用立坑6に到達したら、矩形カッター32からカッター上撤去部分32a’を取り外す。なお、図8(a)、(b)は、シールド換装用立坑6内への到達状態を示す。図9(a)、(b)は、図6(a)に示すカッター上撤去部分32a’の取り外し状態を示す。カッター上撤去部分32a’、矩形シールド上撤去部分37は、重量に応じて分割して運搬しても構わない。
【0050】
次に、カッター32からカッター下撤去部分32cを取り外すなどし、矩形シールド下撤去部分38を取り外し、シールド中央転用部分35を残す。
【0051】
図6(b)に示すシールド残置部分29Aは従来のシールド工法と同じようにアプローチトンネル5内に残置する。なお、シールド中央転用部分35は、カッター駆動装置31Aごとに分割して運搬すれば良い。また、カッター下撤去部分32c、矩形シールド下撤去部分38は、重量に応じて分割して運搬すれば良い。
【0052】
次に、図10(a)、(b)に示すように、シールド換装用立坑6内においての円形シールドへの換装作業の障害となるため、シールド中央転用部分35をワイヤーWで吊り上げ、作業に必要な空間を確保する。なお、図8(a)、(b)〜図10(a)、(b)等において、Gは架台である。
【0053】
次に、図11(a)、(b)に示すように、架台G上に、円形シールド下新規製作部分53をセットする。しかる後、これと一体化するために、一度吊り上げたシールド中央転用部分35をワイヤーWを介して吊り下げ、図12(a)、(b)に示すように、シールド隔壁転用部分は円形シールド下新規製作部分53の円形シールド隔壁下部53b(図7(a)参照)の上部に、図6(a)に示したカッター32の転用部分の下部は円形カッター下部53cの上端に、シールド中央転用部分35の外殻両側部のシールド外殻転用部分30aの下部は円形シールド下外殻新規製作部分53aの上部等にそれぞれボルトやナット、熔接等によって各部を一体化する。また、シールド中央新規製作部35Aを接続する。
【0054】
次に、円形シールド上新規製作部分52をワイヤーWを介し吊り下げ、シールド中央転用部分35に、下方部分とほぼ同様にして組み付け連結・一体化する。
【0055】
このようにして各部を一体化し、図7(b)に示すように、円形シールド用のエレクター54、シールドジャッキ55、円形シールド用の排土装置53e等を取り付け、円形シールド50の組み立てが終了したら、図13(a)に示すように、仮支保工63を組み立て、円形シールド50を掘進させ、所定の位置から円形セグメント15を組み立て数リング掘進する。その後円形シールド50を本掘進させる。
【実施例2】
【0056】
図14(a)、(b)は本発明に用いられるアプローチシールド、道路トンネル用のシールドの第2実施例を示す。
【0057】
この実施例は、比較的地山が良く、トンネル全線に避難通路19、共同溝20等(図3参照)が必要ない場合、アプローチトンネルは矩形シールド70にて掘削・築造し、道路トンネルは矩形シールドの主要構成部分を転用してなる馬蹄形シールド80で掘削するようにしたことに特徴を有している。
【0058】
矩形シールド70は、基本的には図6(a)、(b)に示したものとほぼ同様に構成され、偏心多軸シールドからなり、図14(a)に示すように、横長であって円弧状矩形をなす外殻71と、この外殻71内において平行リンク運動をなし前部に多数のカッタービットが設けられたカッター72とを備え、矩形シールド転用部分70Aと、その上部の矩形シールド上撤去部分70Bからなる。
【0059】
外殻71は、両側の上方彎曲した両側部の上部分割位置71aから下部にかけての外殻転用部分71bと、上部分割位置71aから上部にかけて分割され、撤去されるほぼ半月状の上外殻撤去部分71cとからなっている。
【0060】
偏心軸72e、駆動用回転体72f等を含んでなるカッター駆動装置によって駆動されるカッター72は、ほぼ矩形をなすリング状のカッターフレーム72aと、その内側に設けられた格子状のカッタースポーク72bからなり、カッター72の外形は外殻71の形状とほぼ対応した形状をなし、外殻転用部分71bより小であってほぼ対応した形状のカッター転用部分72cと、上部のカッター撤去部分72dとからなる。
【0061】
外殻71内の隔壁73も、外殻転用部分71bやカッター転用部分72cとほぼ同形状をなす隔壁転用部分73aと、上部の隔壁撤去部分73bとからなる。
【0062】
図14(a)において仮想線kから下側の部分が矩形シールド転用部分70Aである。lはカッター上部分割線、仮想線kは隔壁上部分割線、71aは外殻上部分割線である。
【0063】
なお、隔壁73の下部に少なくとも一以上の排土装置74が設けられ、この排土装置74も転用される。
【0064】
矩形シールド70の平行リンク運動をなすカッター駆動機構、その他の構成は第1実施例の矩形シールド29のものと基本的に同じである。
【0065】
図14(b)に示すこの実施例の馬蹄形シールド80は、矩形シールド転用部分70Aの上部分に取り付けられる馬蹄形シールド上新規製作部分81がボルトやナット等の固着手段によって組み付けられ構成される。
【0066】
この馬蹄形シールド上新規製作部分81の正面形状は、円の一部を切除し、上方に向ってやや突出したほぼ半月状の形状をなし、矩形シールド転用部分70Aと合わさって全体として馬蹄形をなす。
【0067】
馬蹄形シールド上新規製作部分81は、円弧状の上外殻新規製作部分81aと、その内側に位置し、前部にカッタービット81bを有するカッター81cが設けられたカッター上新規製作部分81dと、隔壁上新規製作部分81eと、カッター81cを駆動するカッター駆動装置とを備えている。81fはカッター駆動装置の偏心軸、81hは駆動用回転体である。
【0068】
カッター上新規製作部分81dの後部は駆動機構と連結される。カッター81cは、円弧状をなすカッターフレーム81c1と、その内側に位置する格子状のカッタースポーク81c2とからなり、カッターフレーム81c1の下部と、カッタースポーク81c2の下部が、矩形シールドカッター転用部分と一体化され、平行リンク運動をなす。図14(b)中、lがカッター上部接合線である。
【0069】
すなわち、馬蹄形シールド上外殻新規製作部分81aの下部が、矩形シールド70の矩形シールド転用部分70Aの上部の上部分割位置において一体化される。図14(b)中l’はカッター上部接合線、k’は隔壁上部接合線、71a’は外殻上部接合線である。
【0070】
施工にあたっては、矩形シールド70でアプローチトンネル5を築造し、換装用立坑6にて矩形シールド上撤去部分70Bを撤去し、馬蹄形シールド上新規製作部分81を組み付け、道路トンネルシールドである馬蹄形シールド80に換装する。なお、本実施例は、矩形シールド70の外郭を一部転用するが、外殻を転用せず全て残置または撤去しても良い。その場合は馬蹄形シールド80の駆動部は転用し、外殻は全部新規製作となる。
【0071】
道路トンネル8の断面は馬蹄形をなし、底部の形状は避難通路や共同溝等が不要なため、小曲率の円弧状となっており、上部は大曲率の円弧状をなす。
【実施例3】
【0072】
図15(a)、(b)は本発明に係るシールドの第3実施例を示す。
【0073】
この実施例ではアプローチシールドを逆馬蹄形シールド90とし、道路トンネル用のシールドを円形シールド100としたことに特徴を有している。
【0074】
この実施例は、トンネル全線で、図3に示した避難通路19、共同溝20等を必要とする場合に用いると好適である。すなわち、アプローチシールドは逆馬蹄形とし、下部が大曲率の円弧状とし、下側を膨らませスペースを確保したため、避難通路19等(図3参照)を内部に構築することができ、かつ、土圧・水圧に対し強度を大きくすることができる。
【0075】
また、上部は小曲率の円弧状としたため、この実施例では浅い土被りに対応できる。
【0076】
横長の逆馬蹄形シールド90は、逆馬蹄形シールド転用部分90Aと、逆馬蹄形シールド上撤去部分90Bからなる。そして、外殻91は、大曲率の円弧状をなし、両側部が円弧状をなす外殻転用部分91aと、この上部に着脱自在な小曲率の円弧状をなし、分割され、撤去される上外殻撤去部分91bからなり、内側の隔壁92も対応して隔壁転用部分92aと、上隔壁撤去部分92bにて構成されている。
【0077】
全体形状が逆馬蹄形をなし、前部にカッタービット93cが設けられ、逆馬蹄形のカッターフレーム93dとカッタースポーク93eからなるカッター93も、カッター転用部分93aと、カッター転用部分93aと分割され、撤去されるカッター撤去部分93bからなる。
【0078】
カッター93は、偏心軸94a、駆動用回転体94b等を含んでなるカッター駆動装置により平行リンク運動をなす。
【0079】
図中、mはカッター上部分割線、nは隔壁上部分割線、oは外殻上部分割線である。各部材相互は、ボルトやナット等を外すことにより分割される。
【0080】
なお、隔壁92の下部中央には少なくとも一以上の排土装置95が設けられている。
【0081】
円形シールド100は、分割され再利用される逆馬蹄形シールド転用部分90Aと、その上部に組み込まれる円の一部を切除した形状をなすほぼ三日月状の円形シールド上新規製作部分100Aとからなる。
【0082】
円形シールド上新規製作部分100Aは、円弧状の上外殻新規製作部分101と、その内側に位置し、逆馬蹄形シールド90のカッター転用部分93aと組み込まれるカッター上新規製作部分102とからなる。
【0083】
カッター上新規製作部分102は、複数の偏心多軸の駆動部分と連結され、円弧状のカッターフレーム102aと、その内側に設けられた格子状のカッタースポーク102bとからなる。
【0084】
カッター上新規製作部分101は、偏心軸103a、駆動用回転体103b等を含んでなるカッター駆動装置により駆動される。
【0085】
円形シールド上新規製作部部分100Aは逆馬蹄形シールド転用部分90Aとボルトやナット等を介し一体化され、全体として円形をなす円形シールド100が構成される。
【0086】
m’はカッター上部接合線、n’は隔壁上部接合線、o’は外殻上部接合線である。
【0087】
施工にあたっては、まず逆馬蹄形シールド90でアプローチトンネル5を築造し、換装用立坑6にて逆馬蹄形シールド上撤去部分90Bを撤去して円形シールド上新規製作部分100Aを組み付け、円形シールド100に換装する。なお、本実施例は、逆馬蹄形シールド90の外殻91を一部転用するが、外郭91を転用せず全て残置または撤去しても良い。その場合は円形シールド100の外殻は全部新規製作となる。
【実施例4】
【0088】
図16(a)、(b)は本発明の矩形シールドからなるアプローチシールド、円形シールドからなる道路トンネル用のシールドの第4実施例を示す。
【0089】
この矩形シールド110は、外殻111の上部および下部を撤去するだけで、その他の主要部分は矩形シールド転用部分110Aとなる。また、カッター駆動方式は回転駆動方式を採用している点に特徴を有している。
【0090】
すなわち、横長ほぼ矩形の外殻111は、両側部がほぼ円形の一部をなす緩やかに弧状に彎曲した小曲率の外殻側部と、その上下に設けられたほぼ直線状の外殻上部および矩形シールド外殻下部からなり、外殻上部および下部が外殻撤去部分111a、外殻側部が外殻転用部分111bとなる。
【0091】
外殻側部と外殻上部および下部とは、外殻分割線pの部分で分割され、上部、下部の外殻撤去部分111aは分割され、撤去ないし残置される。
【0092】
この矩形シールド110のカッター113は、回転式のものを用いている。カッター113は、正面から見て左右にそれぞれ設けられている、これらの一対のカッター113は、それぞれ中央部に前部にセンターカッター113aを有する回転軸113bが設けられ、かつ回転軸113bを中心に放射方向に延びるX字状のカッタースポーク113cを有し、かつ各カッタースポーク113cの先端部間にスポーク構造の扇形カッター114が設けられている。
【0093】
一対のX字状カッタ−スポーク113cのうち一方のスポーク113cの一先端部には余掘りカッター113dが設けられている。
【0094】
また、扇形カッター114は、一対のX字状カッタースポーク113cの先端部間を繋ぐ円弧状スポーク114aと、この円弧状スポーク114aと離間して内側に設けられたほぼ直線状のスポーク114bと、このスポーク114bと円弧状スポーク114aとを連結する補強用のスポーク114cとを有し、X字状カッタースポーク113c、扇形カッター114の前部には多数のカッタービット115が設けられている。
【0095】
一対のX字状カッタースポーク113cは、回転した際、それぞれぶつからないように配置され、かつ回転速度も調整され、周知の回転機構により同方向に回転し、横長矩形の外殻111にほぼ対応した形状の横坑を掘削するように構成されている。
【0096】
なお、矩形シールド110の隔壁112下部には少なくとも一以上の排土装置116が設けられ、カッター113による掘削土砂は排土される。この排土装置116は円形シールドとする場合、この位置から撤去され、撤去後の隔壁112の開口部は塞がれる。排土装置116は円形シールドに転用しても良い。
【0097】
円形シールド120は、矩形シールド転用部分110Aと、その上下にそれぞれ組み込んだ円形シールド上新規製作部分120Aと、円形シールド下新規製作部分120Bとからなる。
【0098】
円形シールド上新規製作部分120Aは円弧状の上外郭121と、この上外殻121内に設けられたほぼ半月状の上隔壁122と、回転自在な複数のカッター123と、ジェットノズル124とにて構成されている。
【0099】
カッター123はスペースに対応し、未掘削部分が極力生じないようカッタースポークの長さを調整し、大中小の適宜の大きさとし、適位置に配置されている。また、カッター123により掘削できない部分にはジェットノズル124を適位置に設けている。
【0100】
円形シールド下新規製作部分120Bも同様に構成され、カッター123、ジェットノズル124が設けられ、かつ下方部分には、少なくとも一以上の排土装置116が適位置に設けられている。
【0101】
施工にあたっては、まず矩形シールド29をシールド発進用立坑1から発進させアプローチトンネル5を築造し、シールド換装用立坑6に到達したら、上下の外殻部分等を撤去、残置する。
【0102】
ついで、矩形シールド転用部分110Aの上下にそれぞれ円形シールド上新規製作部分120A、円形シールド下新規製作部分120Bをボルト、ナット、熔接等の固着手段により組み込み一体化する。
【0103】
しかる後、シールド換装用立坑6から発進させ、道路トンネル8を築造すれば良い。
【0104】
なお、第1〜第4実施例の築造方法において、シールド換装用立坑6が、図4に示すシールド換装地中空間6Aである場合、そこで換装作業を行えば良い。
【0105】
また、図5で示すように、道路トンネル用シールドから再度アプローチトンネルを築造したい場合には、第2のシールド換装用立坑6’にてアプローチシールドに換装する作業を行えば良い。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】(a)は本発明の製造方法の一例の概念図、(b)は(a)中A−A線断面図、(c)は(a)中B−B線断面図である。
【図2】本発明に係るアプローチトンネルの一例の断面図である。
【図3】本発明に係る道路トンネルの一例の断面図である。
【図4】本発明の築造方法の他の例の概念図を示す。
【図5】本発明の築造方法の更に他の例の概念図を示す。
【図6】(a)は本発明のアプローチシールドに係る矩形シールドの第1実施例の正面図、(b)は側断面図、(c)は部分拡大図を示す。
【図7】(a)は本発明の道路トンネル用シールドに係る円形シールドの第1実施例の正面図、(b)は側断面図、(c)は部分拡大図を示す。
【図8】(a)、(b)は矩形シールドを分割する工程の側面図、正面図を示す。
【図9】(a)、(b)は次の分割工程の側面図、正面図を示す。
【図10】(a)、(b)は更に次の分割工程の側面図、正面図を示す。
【図11】分割された矩形シールドのシールド中央転用部分に円形シールド下新規製作部分を組み付ける工程の説明図であって、(a)は側面説明図、(b)は正面説明図を示す。
【図12】シールド中央転用部分に円形シールド上新規製作部分を組み付ける工程の説明図であって、(a)は側面説明図、(b)は正面説明図を示す。
【図13】(a)は完成した円形シールドの発進状態の側面説明図、(b)は同正面説明図を示す。
【図14】(a)は本発明のアプローチシールドに係る矩形シールドの第2実施例の正面図、(b)は馬蹄形シールドからなる道路トンネル用シールドの第2実施例の正面図を示す。
【図15】(a)は本発明のアプローチシールドに係る逆馬蹄形シールドの第3実施例の正面図、(b)円形シールドからなる道路トンネル用シールドの第3実施例の正面図を示す。
【図16】(a)は本発明のアプローチシールドに係る矩形シールドの第4実施例の正面図、(b)は道路トンネル用のシールドに係る第4実施例の円形シールドの正面図を示す。
【図17】(a)、(b)、(c)は従来例を示す。
【符号の説明】
【0107】
1 シールド発進用立坑
2 地上部分構造物
3 埋設物
4 河床
5 アプローチトンネル
6、6’ シールド換装用立坑
7 開削区間
8 道路トンネル
9 セグメント
10 インバート
11 換気空間
12 標識設置空間
13 建築限界
14 監視員通路
15 円形セグメント
16 インバート
17 床版
18 中壁
19 避難通路
20 共同溝
21 建築限界
22 標識設置空間
23 換気空間
24 監視員通路
25 地盤改良部
26 地中構造物
27 掘削空間
28 シールド到達用立坑
29 矩形シールド
29A シールド残置部分
30、30’ 外殻
30a シールド外殻転用部分
30b 上外殻撤去部分
30c シールド下外殻撤去部分
31 駆動用回転体
31A カッター駆動装置
31a 偏心駆動軸
32 カッター
32’ カッター中央転用部分
32a カッターフレーム
32a’ カッター上撤去部分
32b カッタースポーク
32c カッター下撤去部分
33 隔壁
33’ 矩形シールド隔壁転用部分
33a 矩形シールド隔壁上部
33b 矩形シールド隔壁下部
33B 排土装置
34 カッタービット
35 シールド中央転用部分
35A シールド中央新規製作部分
36 外殻残置部分
37 矩形シールド上撤去部分
38 矩形シールド下撤去部分
41 撹拌翼
42 反力受け
43 シールドジャッキ
44 エレクター
45 排土口
50 円形シールド
51 円形カッター
52 円形シールド上新規製作部分
52a 円形シールド上外殻新規製作部分
52b 円形シールド隔壁上部
52c 円形カッター上部
52d シールド上部カッター駆動部
53 円形シールド下新規製作部分
53a 円形シールド下外殻新規製作部分
53b 円形シールド隔壁下部
53c 円形カッター下部
53d シールド下部カッター駆動部
53e 排土装置
53f 隔壁三角形部分
54 エレクター
55 ジャッキ
56 スプレッダー
57 仮支保工
58 馬蹄形シールド
59 馬蹄形シールド上新規製作部分
63 仮支保工
70 矩形シールド
70A 矩形シールド転用部分
70B 矩形シールド上撤去部分
71 外殻
71a 外殻上部分割線
71b 外殻転用部分
71c 上外殻撤去部分
72 カッター
72a カッターフレーム
72b カッタースポーク
72c カッター転用部分
72d カッター撤去部分
72e 偏心軸
72f 駆動用回転体
73 隔壁
73a 隔壁転用部分
73b 隔壁撤去部分
74 排土装置
80 馬蹄形シールド
81 馬蹄形シールド上新規製作部分
81a 馬蹄形シールド上外殻新規製作部分
81b カッタービット
81c カッター
81c1 カッターフレーム
81c2 カッタースポーク
81d カッター上新規製作部分
81e 隔壁上新規製作部分
81f 偏心軸
81h 駆動用回転体
90 逆馬蹄形シールド
90A 逆馬蹄形シールド転用部分
90B 逆馬蹄形シールド上撤去部分
91 外殻
91a 外殻転用部分
91b 上外殻撤去部分
92 隔壁
92a 隔壁転用部分
92b 上隔壁撤去部分
93 カッター
93a カッター転用部分
93b カッター撤去部分
93c カッタービット
93d カッターフレーム
93e カッタースポーク
94a 偏心軸
94b 駆動用回転体
95 排土装置
100 円形シールド
100A 円形シールド上新規製作部分
101 上外殻新規製作部分
102 カッター上新規製作部分
102a カッターフレーム
102b カッタースポーク
103a 偏心軸
103b 駆動用回転体
110 矩形シールド
110A 矩形シールド転用部分
111 外殻
111a 外殻撤去部分
111b 外殻転用部分
112 隔壁
113 カッター
113a センターカッター
113b 回転軸
113c X字状カッタースポーク
113d 余掘りカッター
114 扇形カッター
114a 円弧状スポーク
114b スポーク
114c 補強スポーク
115 カッタービット
116 排土装置
120 円形シールド
120A 円形シールド上新規製作部分
120B 円形シールド下新規製作部分
121 上外殻
122 上隔壁
123 カッター
124 ジェットノズル



【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長のアプローチシールドを、円形、馬蹄形、または逆馬蹄形の道路トンネルシールドへ換装可能なシールドであって、
前記アプローチシールドは、アプローチトンネル内の残置される残置部分と、上部または下部分であって撤去可能な撤去部分と、道路トンネルシールドへ転用される転用部分とを備え、前記転用部分に道路トンネルシールド新規製作部分を組み付け道路トンネルシールドへ換装する、
ことを特徴とするアプローチ兼道路トンネルシールド。
【請求項2】
請求項1記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、
前記アプローチシールドは横長の円弧状矩形形状をなし、ほぼ中央部分のシールド中央転用部分と、この上部および下部に分割可能に設けられた矩形シールド上撤去部分、矩形シールド下撤去部分とからなり、
このアプローチシールドは、前記シールド中央転用部分の上部および下部に組み付けられる、ほぼ半月形をなす円形シールド上新規製作部分および円形シールド下新規製作部分とにより、道路トンネルを築造する円形シールドに換装される、
ことを特徴とするアプローチ兼道路トンネルシールド。
【請求項3】
請求項1記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、
前記アプローチシールドは横長の円弧状矩形形状をなし、上部の矩形シールド上撤去部分と、その下方に分割可能に設けられた矩形シールド転用部分とからなり、
このアプローチシールドは、前記矩形シールド転用部分に組み付けられるほぼ半月状の馬蹄形シールド上新規製作部分により道路トンネルを築造する馬蹄形シールドに換装される、
ことを特徴とするアプローチ兼道路トンネルシールド。
【請求項4】
請求項1記載のアプローチ兼道路トンネルにおいて、
前記アプローチシールドは、逆馬蹄形をなし、上方が小曲率の円弧状をなす逆馬蹄形シールド上撤去部分と、その下方に分割可能に設けられた逆馬蹄形シールド転用部分とからなり、
このアプローチシールドは、前記逆馬蹄形シールド転用部分の上部に組み付けるほぼ半月状の円形シールド上新規製作部分により道路トンネルを築造する円形シールドに換装される、
ことを特徴とするアプローチ兼道路トンネルシールド。
【請求項5】
請求項1記載のアプローチ兼トンネルシールドにおいて、
アプローチシールドは、ほぼ矩形をなし、外殻の上部および下部が撤去可能な矩形シールド転用部分からなり、
このアプローチシールドは前記矩形シールド転用部分の上下にそれぞれ組み付けられるほぼ半月状の円形シールド上新規製作部分、円形シールド下新規製作部分により道路トンネルを築造する円形シールドに換装される、
ことを特徴とする、アプローチ兼道路トンネル。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、
前記転用部分は、道路トンネルシールドへ転用される外殻と、この外殻内に設けられた隔壁と、この隔壁の前方に設けられたカッターと、このカッターを駆動するカッター駆動装置とからなる、
ことを特徴とするアプローチ兼道路トンネルシールド。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、
前記アプローチシールドおよび道路トンネルシールドは偏心多軸シールドからなる、
ことを特徴とするアプローチ兼道路トンネルシールド。
【請求項8】
請求項5記載のアプローチ兼道路トンネルシールドにおいて、
前記アプローチシールドおよび道路トンネルのカッターは、回転式カッターからなる、
ことを特徴とするアプローチ兼道路トンネルシールド。
【請求項9】
横長のアプローチシールドをシールド発進立坑から発進させアプローチトンネルを築造し、シールド換装用立坑またはシールド換装用地中空間で前記アプローチシールドの一部を転用して道路トンネルシールドを換装し、この道路トンネルシールドにより道路トンネルを築造する、
ことを特徴とするアプローチトンネルおよび道路トンネルの築造方法。
【請求項10】
請求項9記載のアプローチトンネルおよび道路トンネルの築造方法において、
前記アプローチシールドは、アプローチトンネル内に残置される残置部分と、上部または下部を、撤去可能な撤去部分と、道路トンネルシールドへ転用される転用部分とを備え、前記撤去部分に道路トンネルシールド新規製作部分を組み付け、横長の形状から円形、馬蹄形または逆馬蹄形の道路トンネルシールドへ換装される、
ことを特徴とするアプローチトンネルおよび道路トンネルの築造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−97188(P2009−97188A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268060(P2007−268060)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(000228811)日本シビックコンサルタント株式会社 (8)
【出願人】(000207780)大豊建設株式会社 (77)
【Fターム(参考)】