説明

アミノ酸誘導体類

式(I)の化合物は、ドーパミン作用性信号伝達の障害の効果の軽減において、例えばパーキンソン病の治療において活性を有する:


[式中、R1は、カルボキシ、カルボキシエステルまたはカルボキサミド基であり;R2およびR3は、独立して水素または基−C(=O)R6または−C(=O)OR6(ここで、R6はC1−C6アルキルであるかまたは基−CH2Q (ここで、Qは3〜6環原子の任意に置換されている単環式の炭素環式または複素環式である)である)であり;R4およびR5は、独立して
(a) 天然アミノ酸の側鎖、または(b) 任意に置換されているC1−C4 アルキル、C2−C4 アルケニル、もしくはC2−C4 アルキニル、または(c) −CH2XCH3、−CH2CH2XCH3または−CH2XCH2CH3(ここで、Xは、−O−、Sまたは−NR7(ここで、R7は水素、メチルもしくはエチルである)である);または(d) −CH2Qまたは−CH2OQ(ここで、Qは、R6に関連して定義したとおりである)であるか;またはR4およびR5は、 それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に第二の、任意に置換された炭素環式または複素環式環に縮合した3〜8環原子の任意に置換されているシクロアルキルまたは複素環式環を形成する]。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーパミン欠乏の症状を減少させる化合物類に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーパミンは、脳の基底神経節の神経により自然に産生される物質であり、随意運動の制御を円滑にし、調節するのを可能にする。脳におけるドーパミン−産生神経の、損失または障害は、パーキンソン病に関連し、パーキンソン−プラス(parkinson-plus)症候群に係わっている。これらの症状は、またドーパミン置換療法にも応答している。他の症状、例えば不穏下肢症候群 (RLS)もまたドーパミン置換療法にも応答している。
【0003】
パーキンソン病は進行性神経変性疾患であり、中脳の黒質の神経細胞に影響する。それは60才を越えた人に、主として襲う加齢に伴う中枢神経系の障害である。
【0004】
およそ500人に1人がこの病気にかかり、60才を越えたおよそ100人に1人が発病する。上記のように、パーキンソン病はドーパミンの欠乏に起因すると考えられている。一般的な症状は、振戦、筋肉の凝り(または硬直)、動作の遅さ(運動緩徐)およびバランスの消失(体位機能障害)を含む。パーキンソン病は、最も一般的な神経変性病の一つである。この病気の自然な経過は、進行性であり、病気の兆候から10〜15年で殆どの患者に障害を引き起こす。パーキンソン病は、主として散発的であり、実際は突発性であるといわれている。この病気の形態は、脈管に付随することに起因し、毒物暴露に起因することもある。またまれにこの病気には家族型もある。
【0005】
ジェームズ パーキンソンが、1817年に最初にこの症状を記載してから多くの治療が試された。パーキンソン病のための現在の療法は、ドーパミン前駆体レボドパ(もしくはL−ドーパ)またはドーパミン作用性化合物の使用に基づくドーパミン置換療法に基づいている。L−ドーパは、この病気の運動症状を逆転するのにおいて極めて効果的であるが、慢性の治療と病気の進行を伴うのには、その有効性は低下する。薬物応答の持続時間は減少し、予測できない変動が、運動において生じる。処理は不随意運動(運動障害)と精神病を含む副作用を制限する療法に関連している。
【0006】
RLSは、知覚障害、睡眠障害、および殆どの場合、睡眠中の周期性四肢運動(PLMS)を伴う感覚運動性神経性疾患である。突発性の形態と尿毒症の形態の、2つのRLSの形態が存在するように見える。RLSは、(1)通常、感覚変化/知覚不全と関連する足を動かす欲求、(2)運動性不穏状態、(3)少なくとも部分的または一時的な活動による軽減を伴う安静時(すなわち、横臥、座ること)における症状の悪化または排他的な存在、および(4)晩または夜間の症状の悪化により特徴付けられる。
【0007】
本発明は、ドーパミン作用性化合物としてまたはドーパミン欠乏の症状を軽減する化合物として活性である化合物類を提供する。
【0008】
本発明によれば、 式(I):
【化1】

[式中、
R1は、カルボキシ、カルボキシエステルまたはカルボキサミド基であり;
R2およびR3は、独立して水素または基−C(=O)R6または−C(=O)OR6(ここで、R6はC1−C6アルキルであるかまたは基−CH2Q (ここで、Qは3〜6環原子の任意に置換されている単環式の炭素環式または複素環式である)である)であり;
【0009】
R4およびR5は、独立して
(a) 天然アミノ酸の側鎖、または
(b) 任意に置換されているC1−C4 アルキル、C2−C4 アルケニル、もしくはC2−C4 アルキニル、または
(c) −CH2XCH3、−CH2CH2XCH3または−CH2XCH2CH3(ここで、Xは、−O−、Sまたは−NR7(ここで、R7は水素、メチルもしくはエチルである)である);または
(d) −CH2Qまたは−CH2OQ(ここで、Qは、R6に関連して定義したとおりである)であるか;または
【0010】
R4およびR5は、 それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に第二の、任意に置換された炭素環式または複素環式環に縮合した3〜8環原子の任意に置換されているシクロアルキルまたは複素環式環を形成する]
の化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物が提供される。
【0011】
本発明の化合物は、L−ドーパ(2−アミノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−プロピオン酸)またはL−ドーパ−様化合物のアミノ酸誘導体類(ここで、式(IA):
【化2】

における波線により横切られたペプチド結合により、前者(式(IA)の波線の左)は、後者(式(IA)の波線の右)に結合している)と見なされ得る。
【0012】
L−ドーパ部のアミノ基をアシル化するアミノ酸は、そのα炭素原子上の二置換により特徴付けられる。
【0013】
本明細書で用いられているように、用語「(Ca−Cb)アルキル」(ここで、aおよびbは整数である)は、a〜b炭素原子を有する直鎖または分枝鎖状アルキル基を指す。したがって、aが1であり、bが6である場合には、この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む。
【0014】
本明細書で用いられているように、用語「(Ca−Cb)アルケニル」は、適用される「E」または「Z」立体化学のどちらかの少なくとも一つの二重結合を有するa〜b炭素原子を有する直鎖または分枝鎖状アルケニル部分を意味する。したがって、aが
2であり、bが6である場合には、この用語は、例えば、ビニル、アリル、1−および2−ブテニルならびに2−メチル−2−プロペニルを含む。
【0015】
本明細書で用いられているように、用語「C2−C6アルキニル」は、a〜b炭素原子を有し、さらに1つの三重結合を有する直鎖または分枝鎖状炭化水素基を指す。したがって、aが2であり、bが6である場合には、この用語は、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−および2−ブチニル、2−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、2−ヘキシニル 、3−ヘキシニル 、4−ヘキシニルならびに5−ヘキシニルを含む。
【0016】
本明細書で用いられているように、制限のない用語「炭素環式」は、全てが炭素である16に至る環までの原子を有する単−、二−または三−環性基を指し、アリールおよびシクロアルキルを含む。
【0017】
本明細書で用いられているように、制限のない用語「シクロアルキル」は、3〜8炭素原子を有する単環性の飽和炭素環式基を指し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。
【0018】
本明細書で用いられているように、制限のない用語「アリール」は、単−、二−または三−環性の炭素環式芳香族基を指し、共有結合により直接結合しているそのような単環性の2つの環か、もしくは2つの単環式の炭素環式芳香族環を有する基を含む。そのような基の例証は、フェニル、ビフェニルおよびナフチルである。
【0019】
本明細書で用いられているように、制限のない用語「ヘテロアリール」は、S、NおよびOから選択される1以上のへテロ原子を含む単−、二−または三−環性の芳香族基を指し、共有結合により直接結合している、そのような単環性の2つの環か、もしくは1つのそのような単環性の環と1つの単環性のアリール環を有する基を含む。そのような基の例証は、チエニル、ベンズチエニル、フリル、ベンズフリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンズチアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、ベンズトリアゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル およびインダゾリルである。
【0020】
本明細書で用いられているように、制限のない用語「複素環式」または「複素環式」は、上記で定義したような「ヘテロアリール」を含み、その中で非芳香族性が意味することは、S、NおよびOから選択される1以上のへテロ原子を含む、単−、二−または三−環性の非芳香族基、ならびにもう一つそのような基もしくは単環性の炭素環式基と共有結合している、1以上のそのようなヘテロ原子を含む単環性の非芳香族基からなる基に関連する。そのような基の例証は、ピロリル、フラニル、チエニル、ピペリジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、モルホリニル、 ピペラジニル、インドリル、モルホリニル、ベンズフラニル、ピラニル、イソオキサゾリル、 ベンズイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、マレイミドおよびスクシンイミド 基である。
【0021】
本明細書中、それが存在するところで明記しない限り、本文のいずれかの部分で適用されているように、用語「置換されている」は、4つに至るまでの互換性のある置換基で置換されていることを意味し、それらの各々は独立して、例えば、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1−C6)アルキル、メルカプト、メルカプト(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルチオ、フェニル、単環性の複素環式、ベンジル、フェノキシ、ハロ(フロロ、ブロモおよびクロロを含む)、トリフロロメチル、トリフロロメトキシ、ニトロ、ニトリル(−CN)、オキソ、−COOH、−COORA、−CORA、−SO2RA、−CONH2、−SO2NH2、−CONHRA、−SO2NHRA、−CONRARB、−SO2NRARB、−NH2−、−NHRA、−NRARB、−OCONH2、−OCONHRA、−OCONRARB、−NHCORA、−NHCOORA、−NRBCOORA、−NHSO2ORA、−NRBSO2OH、−NRBSO2ORA、−NHCONH2、−NRACONH2、−NHCONHRB、−NRACONHRB、−NHCONRARBまたは−NRACONRARB (ここで、RAおよびRBは独立して、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、または5もしくは6環原子を有する単環性の複素環式であるか、またはRAおよびRBが同一の窒素に結合している場合には、該窒素と一緒になって窒素を含む4−〜6−員環を形成する)であり得る。「任意の置換基」は、上記の置換基の一つであり得る。
【0022】
本明細書で用いられているように、用語「塩」は、塩基添加塩、酸添加塩および第4級塩を含む。酸性であり、塩を形成できる本発明の化合物は、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムおよび水酸化マグネシウムのような水酸化アルカリ土類金属:のような塩基との医薬的に許容な塩、例えば、N−メチル−D−グルカミン、コリン トリス(ヒドロキシメチル)アミノ−メタン、L−アルギニン、L−リジン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミンなどのような有機塩基との医薬的に許容な塩を含む。
【0023】
塩基性であり、塩を形成できる化合物類(I)は、塩酸もしくは臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの無機酸との医薬的に許容な塩、例えば、酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、グルタミン酸、乳酸およびマンデル酸などの有機酸との医薬的に許容な塩を含む。
【0024】
本発明の化合物において、R1が結合している炭素原子は非対称であり、中心における立体化学は、式(I)で示すとおりである。しかしながら、本発明の化合物類は、複数の不斉炭素原子の存在のために、さらに1以上のキラル中心を含み得、各々のキラル中心においてRまたはS立体化学を有するいくつものジアステレオ異性体が1以上存在し得る。
【0025】
基R1
R1は、カルボキシ基(−COOH)、カルボキシエステル基またはカルボキサミド基であり得る。R1がカルボキシ基である化合物類は、現在の好ましいサブクラスの一つを形成する。
カルボキシエステル基R1の例は、式−COORC(ここで、RCは、C1−C6アルキルまたはC2−C6アルケニル基である)のものを含む。現在好ましいカルボキシエステル基は、メチルエステル−COOCH3である。
【0026】
カルボキサミド基R1の例は、式−CONRB(Alk)nRA(ここで、
Alkは、任意に置換されている二価のC1−C6アルキレン、C2−C6アルケニレンまたはC2−C6 アルキニレン基であり、
nは、0または1であり、
RBは、水素またはC1−C6アルキルもしくはC2−C6アルケニル基であり、
RAは、水素、ヒドロキシまたは任意に置換されている炭素環式もしくは複素環式であるか、あるいは
RAおよびRBは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、SおよびNから選択されるさらなるヘテロ原子を1以上任意に含み得るN−複素環式環を形成し、1以上の環CまたはN原子が任意に置換され得る)
のものを含む。
【0027】
したがって、式−CONRB(Alk)nRA、のカルボキサミド基R1において、Alkは、任意に置換されている−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH=CH−または−CH2CCCH2−であり得;RBは、水素またはメチル、エチル、n−もしくはイソ−プロピルまたはアリルであり得;RAは、ヒドロキシまたは任意に置換されているフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、ピリジル、フリル、チエニル、N−ピペラジニルまたはN−モルホリニルであり得;あるいは、RAおよびRBは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、SおよびNから選択されるさらなるヘテロ原子を1以上任意に含み得るN−複素環式環を形成し、1以上の環CまたはN原子が任意に置換され得る。
現在好ましいカルボキサミド基R1は−CONH2である。
【0028】
基R2およびR3
本発明の化合物におけるR2およびR3は、同一または異なり得る。
本発明の化合物の現在の好ましいサブクラスにおいて、R2およびR3はそれぞれ水素である。
【0029】
もう1つのサブクラスにおいて、R2およびR3は、独立して−C(=O)R6または−C(=O)OR6(ここで、R6はメチル、エチル、n−もしくはイソプロピル、tert−ブチルメチルまたはそのフェニル環が任意に置換されているベンジルである。
【0030】
基R4およびR5
本発明の化合物の特定のサブクラスにおいて、R4およびR5の少なくとも1つは、天然アミノ酸の側鎖である。
【0031】
もう1つのサブクラスにおいて、R4およびR5は、独立して例えば、任意に置換されているC1−C4アルキル、フェニル、ベンジル シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、ピリジル、ピリジルメチル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルであり得る。
現在好ましいのは、R4およびR5の一つがメチルであり、実際にはR4およびR5が、各々メチルである。
【0032】
本発明の化合物のさらなるサブクラスにおいて、R4およびR5は、それらが結合している炭素原子と一緒になってC1−C6シクロアルキル環を形成し、任意にベンズ−縮合した、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル環である。
【0033】
R1〜R5のいずれかにおける任意の置換基
いずれかの任意の置換基は、例えば、メチル、トリフロロメチル、メトキシ、トリフロロメトキシ、シクロプロピル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、−NH2、−NHRAまたは−NRARB(ここで、RAおよびRBは、独立してメチルまたはエチルである)から選択される。
【0034】
立体化学
R4が天然アミノ酸の側鎖であり、かつR5が天然アミノ酸の側鎖でない本発明の化合物において、R4とそれが結合している炭素との間の結合の立体化学的配置は、Sであるべきである。
本発明の特定の化合物の例は、本明細書の実施例のものを含む。
【0035】
合成経路
本発明に関する化合物(I)の合成のために複数の合成戦略があるが、しかし全てが、合成有機化学者に知られている化学に依存する。式(I)による化合物類は、標準的な文献に記載の方法であり、かつ当業者に周知の方法に従って合成できる。
【0036】
典型的な文献のソースは、"Advanced organic chemistry"、第4版(Wiley)、J March;"Comprehensive Organic Transformation"、第2版(Wiley)、R.C. Larock;"Handbook of Heterocyclic Chemistry"、第2版(Pergamon)、A.R. Katritzky;"Synthesis"、"Acc. Chem. Res."、"Chem. Rev"に見られるような総説であるか、または標準的なオンライン文献検索により特定された第一の文献ソースか、もしくは「サイファインダー」または「バイルシュタイン」のような第二のソースからである。
【0037】
一般に、本発明の化合物は、
【化3】

(式中、Pは保護されたアミノ基であり、R1〜R5は上記の式(I)に関して定義したとおりである)
アミノ酸(II)のアシル化誘導体を、式(III)のアミノ酸のアミノ基と反応させ、2つの反応物質との間に所望のペプチド結合を形成し、反応物質(II)の保護されたアミノ基を脱保護する。
【0038】
薬剤の有用性
上記のように、本発明の化合物類の多くは体内で開裂し、L−ドーパまたはL−ドーパ前駆体を放出する。L−ドーパそれ自身は腸、腸膜、血漿、腎臓および肝臓で代謝され、これは、その生物学的利用能を著しく低下させ、その結果患者間のL−ドーパの血中濃度における変化性を著しく増加させる。本化合物類は、開裂が生じ、L−ドーパが放出される時間超過により、L−ドーパ自身と異なる薬物動態プロファイルを有する。
【0039】
したがって、本発明の化合物は、損なわれたドーパミン性信号伝達の障害を減少させるのに有効な化合物の量を患者に投与することを含む、患者の損なわれたドーパミン性信号伝達と関連する症状の治療方法に有益である。本化合物は、また損なわれたドーパミン性信号伝達に関連する症状の治療のための組成物の製造に有益でもある。そのような症状の例は、パーキンソン病または不穏下肢症候群ばかりでなく、トゥーレット症候群、注意欠陥過活動性障害、下垂体腫瘍の発生、パーキンソン−プラス症候群、レボドパ応答失調症、運動障害、睡眠中の周期運動、嚥下障害または神経遮断薬性悪性症候群を含む。
【0040】
本発明の化合物類で治療され得るパーキンソン病の典型的な例は、散発性のパーキンソン病、家族型パーキンソン病および脳炎後のパーキンソン症候群を含む。
本発明の化合物類で治療され得るパーキンソン−プラス症候群の典型的な例は、進行性核上性麻痺および多系統萎縮症を含む。
【0041】
典型的には、運動障害は、L−ドーパ−誘発性運動障害である。
【0042】
本発明の化合物類は、様々な投与形態で投与され得る。したがって、それらは経口的に、例えば錠剤、カプセル剤、トローチ剤、口内錠、水性または油性懸濁剤、分散性の散剤または顆粒剤で投与され得る。本化合物は、舌下の剤形、例えばバッカル剤の形態で投与され得る。本発明の化合物は、また皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternally)、経皮、吸入(例えば鼻腔内)または注入術によるいずれかの非経口により投与され得る。本化合物類は、また坐剤としても投与され得る。典型的には、本発明の化合物類は、経口的にまたは吸入(例えば、鼻腔内)により投与される。好ましくは、本発明の化合物類は、経口的に投与される。さらに好ましくは、本発明の化合物類は、錠剤またはカプセル剤として投与される。
【0043】
本発明は、式(I)の化合物または上記で定義したような医薬的に許容なそれらの塩および医薬的に許容な担持体を含む医薬組成物を、さらに提供する。
【0044】
本発明の化合物類は、典型的には医薬的に許容な担持体または希釈剤とともに投与のために製剤化される。例えば、固体の経口形態は、活性化合物と一緒に希釈剤、例えば乳糖、ブドウ糖、ショ糖、セルロース、トウモロコシ澱粉または馬鈴薯澱粉;滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコール類;結合剤;例えば、澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カーボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;分散剤、例えば澱粉、アルギン酸、アルギン酸塩または澱粉グリコール酸ナトリウム;発泡性混合物; 染料;甘味剤;レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸塩のような湿潤剤;および、一般に、非毒性で医薬製剤に用いられる薬理学的に不活性な物質を含みうる。そのような医薬製剤は、公知の手法、例えば混合、整粒、錠剤化、糖衣またはフィルム被覆工程を用いて製造される。
【0045】
経口投与のための液分散体は、シロップ剤、エマルジョンおよび懸濁液であり得る。シロップ剤は、担持体として、例えばショ糖またはグリセリンとショ糖および/またはマンニトールおよび/またはソルビトールを含み得る。懸濁液およびエマルジョンは、担持体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カーボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールを含み得る。懸濁液または筋肉内注射のための液剤は、活性化合物とともに、医薬的に許容な担持体、例えば滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール類、例えばポリプロピレングリコール、および所望であれば塩酸リドカインの適当な量を含み得る。
【0046】
本発明の化合物類は、経口投与されるのが好ましいので、本発明は、式(I)の化合物または上記で定義したようなそれらの医薬的に許容な塩および医薬的に許容な担持体を、カプセル剤または錠剤の形態中に含む医薬組成物をさらに提供する。
【0047】
注射剤または輸液のための液剤は、担持体として、例えば滅菌水を含み得るか、または好ましくはそれらは、無菌であり、水性であり、等張食塩水液の形態にあり得る。
本発明の化合物類は、また末梢性カルボキシラーゼ阻害剤とともに投与され得る。したがって、本発明は、式(I)の化合物または上記で定義したようなそれらの医薬的に許容な塩、末梢性デカルボキラーゼ阻害剤および医薬的に許容な担持体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。典型的には、末梢性デカルボキラーゼ阻害剤は、カルビドパまたはベンセラジドである。好ましくは末梢性デカルボキラーゼ阻害剤はカルビドパである。
【0048】
また提供されるものは、ヒトまたは動物体の治療における同時分離使用または逐次使用のために、(a) 式(I)の化合物または上記で定義したような医薬的に許容なそれらの塩、および(b) 上記で定義したような末梢性デカルボキラーゼ阻害剤を含む薬剤でもある。
【0049】
さらに、上記の薬剤は、典型的には上記で定義した末梢性デカルボキラーゼ阻害剤とともに同時投与のためである。
【0050】
どんな特殊な患者に対する特定の投与量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性、規定食、投与時間、投与経路、排泄率、複合薬および治療を受ける特定の疾患の重篤さを含む様々な因子に依存するであろうと解される。
最適な投与量レベルおよび投薬頻度は臨床試験により決定されるであろう。しかしながら、典型的な投与量は、体重kg当たり約0.001〜50mgの範囲内であろうと予想される。
【0051】
以下の実施例は、本発明を例証する:
LC−MS方法
LC−MSデータを得るために用いられたシステムは、Waters Alliance 2695 quaternary HPLC、Waters 996 光ダイオードアレイ(PDA)検出器およびWaters ZQ 2000シングル四重極質量分析計からなる。ZQは、陽および陰エレクトロスプレー−イオン化法において、同時にデータを取得できる。
【0052】
ZQ質量分析計
キャピラリー 3.3kV/−3.0kV コーン 40V/−40V
イクストラクター 5V/−5V ソース温度 110℃
脱溶媒和温度 400℃ コーンガス 40L/時間
脱溶媒和ガス 350L/時間 マルチプライアー 500V/−500V
データは、80〜1000m/zのフルスキャンで取得した。
スキャン時間 0.80秒
スキャン間ディレイ 0.20秒
【0053】
HPLC
逆相分離は、方法Aおよび方法Bに対し、Agilent製5μmシリカを有するZorbax XDB C8 150 x 4.6mmで実行した。
注入量 10μL
UV データ 220 〜 400 nm
試料温度 20℃
カラム温度 30℃
流速 1.0mL/分
ZQに対するスプリット 0.3mL/分
【0054】
A方法(約pH 3.2)
溶媒A 水 / 10mM NH4HCO2 / 0.1% ギ酸
溶媒B 95% CH3CN / 5% A / 0.1% ギ酸
【0055】
方法B (約pH 5.5)
溶媒C 水 / 10mM NH4HCO2
溶媒D 95% CH3CN / 5% C
【0056】
A方法の勾配プログラム
時間 A% B% C% D% フロー カーブ
0.00 95.0 5.0 0.0 0.0 1.000 1
1.00 95.0 5.0 0.0 0.0 1.000 6
11.00 5.0 95.0 0.0 0.0 1.000 6
14.20 5.0 95.0 0.0 0.0 1.000 6
14.50 95.0 5.0 0.0 0.0 1.000 6
15.00 95.0 5.0 0.0 0.0 1.000 6
【0057】
B方法の勾配プログラム
時間 A% B% C% D% フロー カーブ
0.00 0.0 0.0 95.0 5.0 1.000 1
1.00 0.0 0.0 95.0 5.0 1.000 6
11.00 0.0 0.0 5.0 95.0 1.000 6
14.20 0.0 0.0 5.0 95.0 1.000 6
14.50 0.0 0.0 95.0 5.0 1.000 6
15.00 0.0 0.0 95.0 5.0 1.000 6
【0058】
実施例1
【化4】

1−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−1−メチル−エチルアンモニウムクロライド
【0059】
工程1
(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルアンモニウムクロライド(1.0g、4.0mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、トリエチルアミン(0.444g、4.0mmol)、DMF (5mL)、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルプロピオン酸(0.894、4.40mmol)、およびHOBt (0.595g、4.40mmol)を加えた。この混合物を20分間撹拌した。EDC (0.844g、4.40mmol)を加え、撹拌を16時間継続した。AcOH (0.5mL)を加えた。混合物を飽和のNaHCO3 溶液および飽和のNaCl溶液で洗浄した。この有機層をNa2SO4で乾燥した。Na2SO4をろ去し、ろ液を真空中で蒸発させた。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン2:1で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色固体 (1.32g)を得た。
【0060】
工程2
工程1の生成物(0.60g)を、ジクロロメタン (5mL)に懸濁し、この懸濁液を氷水浴中で冷却した。HCl(g)のジオキサン溶液(4M、2.5mL)を加え、混合物を20℃で5時間撹拌した。エーテルを加え、混合物を、さらに30分間撹拌した。生じた析出物をろ取し、真空中で乾燥して無色固体(0.47g)を得た。 HPLC (方法A)保持時間4.18分。質量スペクトル(ES+) m/z 297 (M+H)。
【0061】
実施例2
【化5】

1−[(S)−2−(3,4−ジアセトキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−1−メチル−エチルアンモニウムクロライド
実施例1工程1の生成物(0.52g)を、酢酸(3mL)で処理し、80℃に加熱した。次いで、40℃まで冷却し、溶液にHCl (g)を通して泡立たせた。塩化アセチル(2mL)を滴下した。混合物を20℃まで冷却し、16時間撹拌した。エーテルを加え、析出物をろ取して無色固体 (0.47g)を得た。HPLC (方法A)保持時間5.75分。質量スペクトル(ES+) m/z 381 (M+H)。
【0062】
実施例3
【化6】

1−[(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルカルバモイル]−1−メチル−エチルアンモニウムクロライド
【0063】
工程1
3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン(15.0 g、0.076 mol)を、ベンジルアルコール(381 mL)に懸濁した。次いで、この懸濁液を氷浴で5℃に冷却し、塩化チオニル (76.2 mL)で処理した。生じた溶液を、窒素雰囲気中、95℃〜100℃の間で5 時間加熱した。懸濁液を室温まで冷却し、乾燥エーテル(1.5L)希釈して固体析出物を生じさせた。この懸濁液を20℃で16時間撹拌し、ろ過し、次いで、エーテルで洗浄し、真空オーブン中で乾燥して無色固体 (7.7 g)を得た。
【0064】
工程2
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−2−(3,4−ジヒドロキシ−フェニル) −エチルアンモニウムクロライド (1.0g、3.0mmol)から出発して、実施例1工程1と類似の方法に従った。この生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(3:2)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油 (1.34g)を得、それを放置して結晶化させて無色固体(1.29g)を得た。
【0065】
工程3
工程2の生成物(1.23g)から出発して、実施例1工程2と類似の方法に従って、灰白色の固体(1.06g)を得た。HPLC (方法A)保持時間6.14 分。質量スペクトル(ES+) m/z 373 (M+H)。
【0066】
実施例4
【化7】

1−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1−メトキシカルボニル−エチルカルバモイル]−シクロヘキシルアンモニウムクロライド
【0067】
工程1
(S)−2−(3,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1−メトキシカルボニルエチルアンモニウム クロライド(0.748g、3.01mmol)を、ジクロロメタン (2mL)中に溶解し、1−tert−ブトキシカルボニルアミノシクロヘキサンカルボン酸(0.731g、3.01mmol)を加え、トリエチルアミン(0.609g、6.03mmol)を続けて加えた。次いで、HOBT (0.406g、3.01mmol)を加え、混合物を1分間撹拌した。次いで、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフロロボレート(1.143g、3.01mmol)を加えた。混合物を36時間撹拌し、次いでジクロロメタン (20mL)で希釈し、飽和のNaHCO3、2M HClおよび水で洗浄し手真空中で蒸発させて無色固体 (1.87g)を得た。
【0068】
工程2
工程1の生成物(0.179g)から出発し、実施例1工程1と類似の方法に従って灰白色固体(0.111g)を得た。HPLC (方法A)保持時間4.78分。質量スペクトル(ES+) m/z 337 (M+H)。
【0069】
実施例5
【化8】

1−[(S)−2−(3,4−ジアセトキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−シクロヘキシルアンモニウムクロライド
実施例10工程1の生成物(0.189g)から出発して、実施例2の類似の反応に従って、無色固体(0.111g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間6.20分。質量スペクトル(ES+) m/z 421 (M+H)。
【0070】
実施例6
【化9】

1−[(S)−1−カルボキシ−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルカルバモイル]−1−メチルエチルアンモニウムクロライド
実施例3(0.30g)を、水(15mL)中に溶解し、5% Pd/C (0.030g)で処理した。混合物を30psiで3時間水添した。触媒をろ去し、ろ液を真空中で蒸発させた。残渣を凍結乾燥して無色のガラス質の物質(0.20g)を得た。HPLC (方法A)保持時間2.23分。質量スペクトル(ES+) m/z 283 (M+H)。
【0071】
実施例7
【化10】

1−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−シクロペンチルアンモニウムクロライド
【0072】
工程1
1−tert−ブトキシカルボニルアミノシクロペンタンカルボン酸(0.505g、2.2mmol)から出発して実施例1工程1と類似の方法に従った。生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(3:2)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色泡状物質(0.72g)を得た。
【0073】
工程2
工程1の生成物(0.30g)から出発して実施例1工程2と類似の方法に従って、無色固体(0.23g)を得た。HPLC (方法B) 保持時間4.84分。質量スペクトル(ES+) m/z 323 (M+H)。
【0074】
実施例8
【化11】

1−[(S)−2−(3,4−ジアセトキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−シクロペンチルアンモニウムクロライド
実施例7工程1の生成物(0.30g)から出発して実施例2と類似の方法に従って、無色固体(0.28g)を得た。HPLC (方法B) 保持時間6.64分。質量スペクトル(ES+) m/z 407 (M+H)。
【0075】
実施例9
【化12】

1−[(S)−1−カルボキシ−2−(3,4−ジアセトキシフェニル)−エチルカルバモイル]−1−メチルエチルアンモニウムクロライド
実施例6 (0.17g)をAcOH (2.1mL)中に溶解した。HCl(g)を、この溶液を通して泡立たせた。混合物40℃に加熱し、塩化アセチル (1.4mL)を加えた。混合物を20℃まで冷却し、16時間撹拌した。この溶液にジエチルエーテルを加え、析出物をろ取し、真空中で乾燥し、無色固体(0.13g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間5.08分。質量スペクトル(ES+) m/z 357 (M+H)。
【0076】
実施例10
【化13】

1−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−シクロブチルアンモニウムクロライド
【0077】
工程1
1−tert−ブトキシカルボニルアミノシクロブタンカルボン酸(0.50g、2.32mmol) から出発して、実施例1工程1と類似の方法に従った。生成物を、5% ジクロロメタン/MeOH で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製した。残渣をヘキサン/酢酸エチルから再結晶し、無色固体(0.46g)を得た。
【0078】
工程2
工程1の生成物(0.201g)から出発して実施例1工程2と類似の方法に従って、ベージュ色の固体 (0.11g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間4.33分。質量スペクトル(ES+) m/z 307 (M−H)。
【0079】
実施例11
【化14】

1−[(S)−2−(3,4−ジアセトキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−シクロブチルアンモニウムクロライド
実施例10工程1の生成物(0.241g、0.59mmol)から出発して、実施例2と類似の方法に従って無色固体(0.18g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間5.84分。質量スペクトル(ES+) m/z 393 (M+H)。
【0080】
実施例12
【化15】

(S)−1−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メトキシカルボニル−エチルカルバモイル]−1−メチル−2−フェニルエチルアンモニウムクロライド
【0081】
工程1
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロピオネート ジシクロヘキシルアンモニウムクロライド(1.0g、2.17mmol)から出発して実施例1工程1と類似の方法に従った。生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(2:3)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して無色固体(0.36g)を得た。
【0082】
工程2
工程1の生成物(0.151g)から出発して、実施例1工程2と類似の方法に従って単黄色固体(0.11g)得た。HPLC (方法A) 保持時間5.59分。質量スペクトル(ES+) m/z 373 (M+H)。
【0083】
実施例13
【化16】

(S)−1−[(S)−1−カルボキシ−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルカルバモイル]−1−メチル−2−フェニルエチルアンモニウムクロライド
【0084】
工程1
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロピオン酸 (0.615g、2.2mmol)から出発して、実施例3工程1と類似の方法に従った。生成物を酢酸エチル/ヘキサン(2:3)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油(0.85g)を得た。
【0085】
工程2
工程1の生成物(0.75g)から出発して実施例9と類似の方法に従って無色固体(0.37g)を得た。
【0086】
工程3
工程2の生成物(0.24g)から出発して、実施例1工程2と類似の方法に従って無色固体(0.20g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間4.43分。質量スペクトル(ES+) m/z 359 (M+H)。
【0087】
実施例14
【化17】

1−[(S)−1−カルボキシ−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルカルバモイル]−シクロペンチルアンモニウムクロライド
【0088】
工程1
1−ベンジルオキシカルボニル−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルアンモニウムクロライド(3.23 g、0.01 mol)を含む氷酢酸 (66 ml)懸濁液を110℃に加熱した。HCl(g)を、 混合物を通して4 分間泡立たせた。この溶液を45 ℃まで冷却して塩化アセチル(10.1 ml)を加えた。この溶液を20℃で16時間撹拌し、次いで乾燥エーテル(150mL)で希釈した。析出物をろ過し、真空下で乾燥し無色結晶 (3.4 g)を得た。
【0089】
工程2
1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−シクロペンタンカルボン酸(1 mmol)のジクロロメタン溶液に0 ℃で(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−2−(3,4−ジアセトキシ−フェニル)−エチルアンモニウム クロライド (1 mmol)を加え、続いてPyBOP (1 mmol)およびDIPEA (2 mmol)を加えた。反応を20 ℃に戻し、20 ℃で12時間撹拌した。この反応混合物を1 M HCl続いて飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮して粗生成物を得、それを酢酸エチル:ヘキサン(段階的勾配で100%ヘキサンから100%酢酸エチル)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0090】
工程3
工程2の生成物(1 mmol)をTHF (20 mL)中に溶解し、1M HCl (5 mL)を加えた。これに引き続き10% Pd/C (50%湿潤、600mg)を加えた。生じた懸濁液を1 atmのH2で24時間水添した。触媒をろ去し、ろ液を真空中で濃縮した。残渣を、10% MeOH/ジクロロメタンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物をMeCN:H2O (1:1)中に溶解し、凍結乾燥して黄色固体(0.104g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間3.08分。質量スペクトル(ES+) m/z 309 (M+H)。
【0091】
実施例15
【化18】

2−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−インダン−2−イル−アンモニウムクロライド
【0092】
工程1
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−2−カルボン酸(0.25g、0.9mmol) から出発して実施例1工程1と類似の方法に従った。生成物を酢酸エチル/ヘキサン (3:2)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し無色固体(0.28g)を得た。
【0093】
工程2
工程1の生成物(0.13g、0.276mmolg) から出発して実施例1工程2と類似の方法に従って単黄色固体(0.11g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間5.87分。質量スペクトル(ES+) m/z 371 (M+H)。
【0094】
実施例16
【化19】

2−[(S)−2−(3,4−ジアセトキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−インダン−2−イルアンモニウムクロライド
実施例10工程1の生成物(0.13g、0.276mmol) から出発して実施例2と類似の方法に従って無色固体(0.28g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間6.71分。質量スペクトル(ES+) m/z 455 (M+H)。
【0095】
実施例17
【化20】

1−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−イソプロポキシカルボニルエチルカルバモイル]−1−メチル−エチルアンモニウムクロライド
【0096】
工程1
3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン(3.0g)を2−プロパノール(20mL)に懸濁した。HCl(g)を懸濁液通して10分間泡立たせた。混合物を4時間加熱還流し、20℃まで冷却してエーテルを加えた。析出物をろ取し、真空中で乾燥して無色固体(3.1g)を得た。
【0097】
工程2
工程1の生成物(0.551g、2.0mmol) から出発して実施例1工程1と類似の方法に従った。生成物を酢酸エチル/ヘキサン (3:2)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して無色固体 (0.69g)を得た。
【0098】
工程3
工程2の生成物(0.37g) から出発して実施例1工程2と類似の方法に従って無色固体(0.31g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間5.23分。質量スペクトル(ES+) m/z 325 (M+H)。
【0099】
実施例18
【化21】

(S)−1−シクロヘキシルオキシカルボニル−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルアンモニウムクロライド
【0100】
工程1
3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン (3.11g)およびシクロヘキサノール(20mL)から出発して実施例17工程1と類似の方法に従って無色固体(3.1g)を得た。
【0101】
工程2
工程1の生成物(0.755g、2.4mmol) から出発して実施例1工程1と類似の方法に従った。生成物を酢酸エチル/ヘキサン (1:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して無色固体 (0.68g)を得た。
【0102】
工程3
工程2の生成物(0.37g) から出発して実施例1工程2と類似の方法に従って、無色固体(0.30g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間6.29分。質量スペクトル(ES+) m/z 365 (M+H)。
【0103】
実施例19
【化22】

2−[(S)−1−カルボキシ−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルカルバモイル]−インダン−2−イルアンモニウムクロライド
【0104】
工程1
2−tert−ブトキシカルボニルアミノインダン−2−カルボン酸(1 mmol)のジクロロメタン溶液に、0 ℃で、実施例3工程1の生成物(1 mmol)を加え、引き続きPyBOP (1 mmol)およびDIPEA (2 mmol)を加えた。反応を20℃に戻し、20℃で12 時間撹拌した。反応混合物を1 M HCl、続いて飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮して粗生成物を得、それを酢酸エチル:ヘキサン (100%ヘキサンから段階的勾配で100%酢酸エチル)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0105】
工程2
工程1の生成物(1 mmol)をTHF (20 mL)中に溶解して10% Pd/C (50%湿潤、600mg)を加えた。生じた懸濁液を1 atm H2で24時間水添した。触媒をろ去し、ろ液を真空中で濃縮した。残渣を5% MeOH/ジクロロメタンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。残渣をジオキサン (10 mL)中に溶解し、15 ℃に冷却してHCl (g)で飽和した。反応混合物を12時間撹拌後、溶媒を真空中で除去した。残渣を10% MeOH/ ジクロロメタン溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して緑色固体(0.070g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間4.57分。質量スペクトル(ES+) m/z 357 (M+H)。
【0106】
実施例20
【化23】

1−[(S)−1−カルボキシ−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルカルバモイル]−シクロブチルアンモニウムクロライド
【0107】
工程1
1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−シクロブタンカルボン酸(1 mmol)のジクロロメタン溶液に、0 ℃で、実施例3工程1の生成物(1 mmol)を加え、引き続きPyBOP (1 mmol)およびDIPEA (2 mmol)を加えた。その残渣を20℃に戻し、20℃テ゛12 時間撹拌した。反応混合物を1 M HCl引き続き飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル: ヘキサン (100% ヘキサンから段階的勾配で100% 酢酸エチル)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0108】
工程2
工程1の生成物(1 mmol)をTHF (20 mL)中に溶解し、10% Pd/C (50%湿潤、600mg)を加えた。生じた懸濁液を1 atm H2で24 時間水添した。触媒をろ去し、ろ液を真空中で濃縮した。残渣を10% MeOH/ジクロロメタンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物を MeCN: H2O (1:1) 中に溶解し、凍結乾燥して茶色の固体(0.075g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間1.49分。質量スペクトル(ES+) m/z 295 (M+H)。
【0109】
実施例21
【化24】

1−[(S)−1−カルボキシ−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エチルカルバモイル]−シクロプロピルアンモニウムクロライド
1−ベンジルオキシカルボニルアミノシクロプロパンカルボン酸(1mmol) から出発して実施例14と類似の方法に従ってベージュ色の固体 (0.105g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間2.17分。質量スペクトル(ES+) m/z 281 (M+H)。
【0110】
実施例22
【化25】

(S)−1−[(S)−2−(3,4−ジアセトキシフェニル)−1−メトキシカルボニルエチルカルバモイル]−1−メチル−2−フェニルエチルアンモニウムクロライド
実施例12工程2の生成物(0.21g、0.44mmol) から出発して実施例2と類似の方法に従ってベージュ色の固体(0.10g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間6.76分。質量スペクトル(ES+) m/z 457 (M+H)。
【0111】
実施例23
【化26】

1−[(S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−(3−メチルブトキシカルボニル)−エチルカルバモイル]−1−メチルエチルアンモニウムクロライド
【0112】
工程1
3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン(3.1g)および3−メチル−1−ブタノール(20mL)から出発して実施例17工程1と類似の方法に従って無色固体 (4.1g)を得た。
【0113】
工程2
工程1の生成物(0.607g、2.0mmol) から出発して実施例1工程1と類似の方法に従った。生成物を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し無色固体(0.72g)を得た。
【0114】
工程3
工程2の生成物(0.50g) から出発して実施例1工程2と類似の方法に従って無色固体(0.35 g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間6.32分。質量スペクトル(ES+) m/z 353 (M+H)。
【0115】
実施例24
【化27】

1−[(S)−2−[3,4−ビス−(3,3−ジメチルブチリルオキシ)−フェニル]−1−メトキシカルボニル−エチルカルバモイル]−シクロヘキシルアンモニウムクロライド
【0116】
工程1
実施例4工程1の生成物をジクロロメタン中に溶解した。tert−ブチル塩化アセチル (0.202g、1.5mmol)を加え、引き続きトリエチルアミン(0.47mL、14.89mmol)およびDMAP (0.007g、0.06mmol)を加えた。混合物を70℃で7時間加熱した。混合物を20℃まで冷却し、ジクロロメタンと水の間で分配した。有機物を1M HCl、飽和のNaHCO3および飽和のNaClで洗浄しNa2SO4で乾燥した。Na2SO4をろ去し、ろ液を真空中で蒸発させ、灰白色固体を得、それをヘキサン/酢酸エチル(5:1〜3:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色固体 (0.31g、81%)を得た。
【0117】
工程2
工程2の生成物(0.16g、0.25mmol) から出発して実施例1工程2と類似の方法に従って無色固体(0.125 g)を得た。HPLC (方法A) 保持時間9.56分。質量スペクトル(ES+) m/z 533 (M+H)。
【0118】
表:LCMSデータの概要
【表1】

*ES- m/z (M−H)。 ES+ モードでは分子イオンは観測されなかった。
生物学的結果
【0119】
上記の実施例の化合物は、以下のドーパミン欠乏性動物モデルで試験した:
【0120】
6−OHDA−障害ラットにおける活性の評価
動物: 雄性ウィスター系ラット、250g、Harlan Ltd.
飼育室: 動物は、動物(科学的方法)条例1996当社規則に従って、湿度50%および21±2℃の温度の環境の中、12時間の明−暗サイクルで、4つのグループで飼育した。ラットは、餌と水に無制限に近づけた。
認可: 本研究において用いられた全ての動物は、英国1986動物(科学的方法)条例に従って扱われた。
方法
【0121】
外科処置: 雄性ウィスター系ラットを、ノルアドレナリン作動性末端(terminal)を保護するために、デシプラミン(腹腔内25mg/kg、6-OHDAの30分前)で処置した。次いで、ラットは、イソフルオラン(95%のO2中1〜2%、5%のCO2搬送ガス)を用いる誘導室中で麻酔し、ケップフ(Kopf)定位固定フレームにセットし、0.5〜1.0%のイソフルオランを用いて麻酔を維持した。頭皮を切開し、座標AP:−0.26 mm L:+2.0 mm (全ての座標はブレグマから測定した)における頭蓋骨に直径0.8 mmの穴を作った。神経毒6−ヒドロキシドーパミン(6-OHDA) (0.05%のアスコルビン酸を含んでいる0.9%の食塩水4μL中の遊離塩基8μg)を、硬膜の下に−8mmまで降ろした10μLハミルトン注射器を用い4分にわたって左正中前脳塊中に、一定速度(1μl/分)で注射した。針を取り除く前に、更に4分間残しておき、傷がきれいにして縫合した。塩酸フルニキシン(2.5mg/kg、Dunlop's Veterinary Supplies、Dumfries、英国)を、鎮痛のために投与し、そして麻酔からの回復前に、0.9%の食塩水中の5%のブドウ糖の再水和処置(最高5mlまで、腹腔内)をした。
【0122】
行動 評価
障害の確認
手術後少なくとも2週で、障害の程度を評価するために、塩酸アポモルヒネ(0.05%のアスコルビン酸を含む0.9%の食塩水中、0.5mg/kgを皮下注射)の投与に応じる回旋行動(以下を参照)に対して動物を試験した。最盛期の活動において、>6回旋/分を示したラットのみを、今後の試験に用いた。
【0123】
試験化合物による回旋活動の誘発の評価
アポモルヒネ投与の少なくとも1週間後に、試験薬またはL-DOPAのどちらかを用いる回旋活動に対して、ラット(処置当たりn=4〜8)を試験した。これらは、腹膜内(ip)ルートを通して、または、強制飼養による経口的(po)のいずれかにより投与された。動物をベンセラジド(10 mg/kg)で処置し、定常活動を測定するために、最高30分まで、ロトメーター(rotometers) (Med Associates)に置いた。次いで、それらを、試験化合物またはL-DOPA (63.4μmole/kg ipまたはpo)で処置した。試験薬/L-DOPA投与後、最高4時間まで回転挙動を評価した。動物は、比較の目的で、一連の化合物で典型的な処置をした。各々の処置は、少なくとも1日隔てて施した。
【0124】
データ分析
4時間の間にわたり、10分当たりの回転数を測定した。それらが10分当たり>10回転、回転したならば、動物は活発であるとみなした。このデータから、以下のパラメータを測定した:
A 全活動(AUC活動、(ここで、AUC=自発運動/時間 曲線下の面積))
B 最盛期の活動
C 活動の継続時間
値はL-DOPAが誘発した効果を%として引用した。
【0125】
結果:
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
R1は、カルボキシ、カルボキシエステルまたはカルボキサミド基であり;
R2およびR3は、独立して水素または基−C(=O)R6または−C(=O)OR6(ここで、R6はC1−C6アルキルであるかまたは基−CH2Q (ここで、Qは3〜6環原子の任意に置換されている単環式の炭素環式または複素環式である)である)であり;
R4およびR5は、独立して
(a) 天然アミノ酸の側鎖、または
(b) 任意に置換されているC1−C4 アルキル、C2−C4 アルケニル、もしくはC2−C4 アルキニル、または
(c) −CH2XCH3、−CH2CH2XCH3または−CH2XCH2CH3(ここで、Xは、−O−、Sまたは−NR7(ここで、R7は水素、メチルもしくはエチルである)である);または
(d) −CH2Qまたは−CH2OQ(ここで、Qは、R6に関連して定義したとおりである)であるか;または
R4およびR5は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に第二の、任意に置換された炭素環式または複素環式環に縮合した3〜8環原子の任意に置換されているシクロアルキルまたは複素環式環を形成する]
の化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項2】
R1が、カルボキシ基である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が、式−COORC(ここで、RCはC1−C6アルキルまたはC2−C6アルケニル基である)のカルボキシエステル基である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
RCが、メチルである請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、−CONH2である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R2およびR3が、それぞれ水素である請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項7】
R2およびR3は、独立して−C(=O)R6または−C(=O)OR6(ここで、R6はメチル、エチル、n−もしくはイソプロピル、tert−ブチルメチルまたはフェニル環が任意に置換されているベンジルである)である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項8】
R2およびR3が同一である、請求項8に記載の化合物。
【請求項9】
R4およびR5の少なくとも一つが、天然アミノ酸の側鎖である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項10】
R4およびR5が、独立して任意に置換されているC1−C4アルキル、フェニル、ベンジルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、ピリジル、ピリジルメチル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルである請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項11】
R4およびR5の1つがメチルである請求項9または10に記載の化合物。
【請求項12】
R4およびR5のそれぞれがメチルである請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項13】
R4およびR5が、それらが結合している炭素原子と一緒になってC1−C6シクロアルキル環を形成し、任意にベンズ−縮合している請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項14】
R4およびR5が、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成している請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項15】
いずれかの任意の置換基が、メチル、トリフロロメチル、メトキシ、トリフロロメトキシ、シクロプロピル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、−NH2、−NHRAまたは−NRARB(ここで、RAおよびRBは、独立してメチルまたはエチルである)から選択される、請求項1〜14のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項16】
R4が天然アミノ酸の側鎖であり、かつR5が天然アミノ酸の側鎖ではなく、R4とそれが結合している炭素との間の結合の立体化学的配置 がSである請求項1〜15のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物を医薬的に許容な担持体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項18】
損なわれたドーパミン性信号伝達に関連する症状の治療のための組成物の製造における請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物の使用。
【請求項19】
上記のドーパミン性信号伝達の障害を減少させるのに有効な請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物の量を患者に投与することを含む、患者における損なわれたドーパミン性信号伝達に関連する症状の治療方法。
【請求項20】
症状が、パーキンソン病または不穏下肢症候群である、請求項18に記載の使用または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
症状が、トゥーレット症候群、注意欠陥過活動性障害、下垂体腫瘍の発生、パーキンソン−プラス症候群、レボドパ応答失調症、運動障害、睡眠中の周期運動、嚥下障害または神経遮断薬性悪性症候群である、請求項18に記載の使用または請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2009−527467(P2009−527467A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553814(P2008−553814)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000181
【国際公開番号】WO2007/091017
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(507277930)プロキシマジェン エルティーディー (10)
【氏名又は名称原語表記】PROXIMAGEN LTD.
【住所又は居所原語表記】Hodgkin Building,Guy’s Campus,King’s College London,London SE1 1UL,United Kingdom
【Fターム(参考)】