説明

アラミド紙ラミネートの形成方法

ラミネートの形成に先立って、アラミド紙の両面を異なる温度でカレンダー加工することにより、少なくとも1枚のアラミド紙と少なくとも1層のポリマー層を含む少なくとも2層からなるラミネートを形成する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アラミド紙およびポリマー層からなる改良ラミネート、好ましくはポリマー層で分離された2枚のアラミド紙からなるラミネートの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、形成されたラミネートにカレンダー加工および急速冷却を行う、m−アラミド紙とポリエステルフィルムからなるラミネートシートの形成方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、異種のステープルファイバのブレンドをフィルム形成用高分子ポリマー結合材のマトリックスとともに圧縮し結合させてなる不織布に接着された金属層が開示されている。
【0004】
ヘンドレン(Hendren)らの特許文献3には、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)フィブリドを含むコアと、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)のフロックおよびフィブリドの外層から形成されたハニカム構造用のラミネートが開示されている。
【0005】
オオツカ(Ootsuka)らの特許文献4には、パラ−アラミドおよびメタ−アラミド繊維を樹脂バインダで結合させて形成された芳香族ポリアミド繊維の不織布からなるラミネート基材の形成方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平第8−99389号公報
【特許文献2】英国特許第1,486,372号明細書
【特許文献3】米国特許第5,320,892号明細書
【特許文献4】米国特許第5,948,543号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アラミドのシートまたは紙とポリマー層からなるラミネートは、トランスの用途に有用であり、ラミネートは誘電体絶縁材として機能する。ラミネートの内部接着力、あるいは、そのようなラミネートの引裂強さまたは破断点伸び特性の改良が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アラミド紙層、ポリマー層およびアラミド紙層を順に含んでなるラミネートの形成方法であって、
a)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
b)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
c)工程a)で得られたアラミド紙のより多孔質な側の表面にポリマーを付着させ、そして
d)工程b)で得られたアラミド紙を、そのより多孔質な側の表面をポリマーに接触させて、ポリマーにラミネートする
ことを含んでなる方法に関する。
【0009】
本発明の別の一実施態様は、アラミド紙層およびポリマー層をこの順に含んでなるラミネートの形成方法であって、
a)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
b)カレンダー加工したアラミド紙のより多孔質な側の表面にポリマーを付着させる
ことを含んでなる方法に関する。
【0010】
本発明の別の実施態様は、2個のカレンダーロールの温度が少なくとも50℃、好ましくは少なくとも100℃異なるラミネートの形成方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の出発材料はアラミド紙である。本明細書で用いられているように、紙という用語は、通常の意味で使われており、従来の製紙方法および装置で製造することができる。アラミドの繊維材料、すなわち、フィブリドおよび短繊維を混合してスラリーとし、この混合物をフォードリニア(Fourdrinier)マシンまたはフォーミングスクリーンを有する手漉きの型などで紙に変換することができる。アラミド繊維から紙を形成する方法に関しては、グロス(Gross)の米国特許第3,756,908号明細書およびヘスラー(Hesler)らの米国特許第5,026,456号明細書を参照することができる。
【0012】
アラミド紙の厚さは重要でなく、ラミネートの最終用途や最終ラミネートに使用されるアラミド層の層数に依る。本発明では、2層、すなわちアラミド層1層とポリマー層1層、好ましくは3層、すなわち、アラミド紙層2層とポリマー層1層が用いられるが、最終製品中に存在し得る層あるいは他の材料の数に上限がないことは明らかである。説明のために示すならば、第1のアラミド紙層、第1のポリマー層、紙または第2のポリマーからなる中間層、第3のポリマー層および第2のアラミド紙層を有する5層のラミネートを形成することができる。アラミド層、中間層およびポリマー層は、異なる組成で構成することができる。
【0013】
ここで用いられているように、アラミドという用語は、少なくとも85%のアミド(−CONH−)結合が、2個の芳香環に直接結合しているポリアミドを意味する。アラミドと共に添加剤を使用することができ、また、他のポリマー材料を重量で10%までアラミドにブレンドすることができ、あるいは、アラミドのジアミンを他のジアミンで10パーセントまで置換したコポリマー、または、アラミドの二酸塩化物を他の二酸塩化物で10パーセントまで置換したコポリマーを使用することができる。本発明を実施するにあたり、最もよく使われるアラミドは、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)およびポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)であり、好ましくはポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)である。
【0014】
アラミド紙は、2個の加熱されたカレンダーロール間でカレンダー加工することができ、ロールから受ける高温と高圧により紙の結合強度が増大する。アラミド紙をこのようにカレンダー加工することによって、また、紙の多孔度が低下し、その結果、ラミネート中の紙のポリマー層に対する接着性が低下すると考えられている。層に対する良好な接着は、電気絶縁ラミネートにおいて、使用中の剥離をさけるという点で重要である。本発明は、アラミド紙の両面の多孔度が異なるようなカレンダー加工法を使用することにより、アラミド紙におけるこのような接着問題を解決するものである。本発明のラミネート形成の一例においては、まず2枚のアラミド紙をカレンダー加工し、その後、ポリマー内層を使用してラミネートする。紙の表面はある一定の多孔度を有しているので、本発明ではポリマー層の種類は重要でないと考えられる。熱可塑性および熱硬化性ポリマーのいずれも使用可能であるが、ラミネート時の高温においてある一定の流動性を示す熱可塑性ポリマーが好ましい。熱可塑性ポリマーは、また、ラミネート時またはラミネート前に、アラミド紙の表面に液状で適用することができるため、ラミネートの際に容易に使用することができる。しかしながら、熱可塑性または熱硬化性を有するポリマーで予め成形した層を使用してもよい。予備成形層は、一般に、ラミネートの機械的特性に負の影響を与えるような、形成以来の記憶を有しており、したがって、液状ポリマーの使用が好ましい。
【0015】
本発明において、アラミド紙に適用される好ましいポリマーとしては、ポリエステルが挙げられ、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。使用されるPETには、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリ(エチレングリコール)、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸などの種々のコモノマーが含まれていてもよい。これらのコモノマーに加えて、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタン、並びに、ペンタエリトリトールなどの分岐剤が使用されていてもよい。PETは、既に知られている重合技術によって、テレフタル酸またはその低級アルキルエステル(例えば、ジメチルテレフタレート)とエチレングリコールまたはこれらのブレンドもしくは混合物から得ることができる。
【0016】
本発明で使用できる一般的なポリマーを列記すれば、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよび芳香族液晶性ポリエステルまたはこれらの任意の混合物もしくはブレンドが挙げられる。
【0017】
アラミド紙のカレンダー加工において、カレンダーロールの紙への圧力が重要でないこともまた理解されている。ロール圧が高くなると、一般に、全体がより緻密な製品が得られる。所望する緻密度の程度は、アラミドの選択や最終ラミネートの最終用途に依る。
【0018】
しかしながら、本発明において重要なことは、ラミネートを形成するアラミド紙に対して、2個のカレンダーロールを異なる温度に維持する点にある。本発明で使用されているように、2個のロール間で紙をカレンダー加工するということは、異なる温度に加熱されたロールにより1回のカレンダー加工で紙を製造するか、または、まずシートの1つの面をある温度でカレンダー加工し、次いで第2の温度で反対側の面をカレンダー加工することを意味すると理解される。このような温度差は、直接にアラミド紙の両面の多孔性の差となる。本発明の利点を得るためには、少なくとも20℃の温度差が必要である。より好ましい温度差は、少なくとも50℃であり、多くの場合には少なくとも100℃であろう。
【0019】
2個のロールの温度は、最終ラミネートの形成に使用されるアラミドに依るであろう。多くの場合、ラミネートの両外表面の形成に同じアラミドが使用されるが、両外表面に異なるアラミドを使用することもできる。アラミドの選択は、ラミネートの最終用途に依るであろう。説明のために示すならば、ラミネート表面の特性によって、紙のカレンダー加工の工程の温度や温度差を決めることができるであろうことは明らかである。より緻密なアラミド紙の外表面が必要ならば、カレンダー加工においてその表面に接するロールの温度をより高くすればよい。加熱ロールの温度を、紙のアラミド成分のガラス転移温度未満にできることは、理解されよう。しかしながら、好ましい形態では、加熱ロールの少なくとも一方は、アラミドのガラス転移温度以上とされるであろう。
【0020】
以下の実施例において、特に記載がなければ、部およびパーセントはすべて重量基準であり、度は摂氏である。初期引裂抵抗は、ASTM D1004による破断点伸びで求めた。引裂抵抗は、ASTM D1938による平均引裂荷重で求めた。下記の実施例において、破壊のメカニズムは、上記試験方法によりサンプルがどのように破壊されたかを調査、観察して決定した。
【実施例】
【0021】
実施例1
この実施例は、本発明の改良されたカレンダー加工によるラミネート用アラミド紙の製造方法を、従来技術のラミネートと比較して示すとともに、これらの改良された紙がポリエステルポリマーの紙に対する接着力に与えた効果を示す。
【0022】
紙のカレンダー加工条件が本発明の最終ラミネートに与える効果を示すために、4枚のラミネートを製造した。従来のフォードリニア(Fourdrinier)製紙方法および装置を使用して、45%のポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)フロックおよび55%のポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)フィブリドを含むアラミド紙を製造した。次に、その紙を4種の異なる温度で運転される2つのロールにより800pliでカレンダー加工し、ラミネート用の4種の異なるカレンダー加工紙を製造した。
【0023】
紙Aには、一方のロールが360℃の表面温度で、他方のロールが300℃の表面温度で運転される2個のロールにより、温度差カレンダー加工を施し、一方は多孔度が高く(低温のロールに接触したことにより)、他方が多孔度が低い(高温のロールに接触したことにより)2つの異なる表面を有する温度差カレンダー加工アラミド紙を作製した。
【0024】
紙Bには、一方のロールが360℃の表面温度で、他方のロールが250℃の表面温度で運転される2個のロールにより、温度差カレンダー加工を施し、一方は多孔度が高く、他方は多孔度が低い2つの異なる表面を有する温度差カレンダー加工アラミド紙を作製した。紙Cには、一方のロールが360℃の表面温度で、他方のロールが200℃の表面温度で運転される2個のロールにより、温度差カレンダー加工を施し、一方は多孔度が高く、他方は多孔度が低い2つの異なる表面を有する温度差カレンダー加工アラミド紙を作製した。紙Dには、360℃の同じ表面温度で運転される2個のロールによりカレンダー加工し、本質的に同じ表面を有し、本質的に同じ多孔度を有するカレンダー加工アラミド紙を作製した。
【0025】
288℃で運転される加熱プレスを使用し、0.60dl/gの固有粘度を有するポリ(エチレンテレフタレート)ポリエステルポリマーを、カレンダー加工した紙A、B、CおよびDそれぞれの2枚のシートに挟んでラミネートした。温度差カレンダー加工を施した紙A、BおよびCでは、カレンダー加工紙の多孔度の高い側の表面にポリマーが接触するようにしてラミネートを製造した。この3層ラミネートを5分間プレスし、その後冷却した。得られたポリマー層は、厚さが0.01インチであった。紙表面に対する、化学的、火炎、熱またはコロナ処理、あるいは、類似の活性化は行わなかった。紙A、B、およびCを含むラミネートを調べたところ、ポリマーが溶融してカレンダー加工紙の間を流れ、試験の結果、これらのラミネートが許容できる程度の接着性を有していることが判った。これらのラミネートは凝集破壊、すなわち、破断面がアラミド紙の内部に存在する破壊を起こした。紙Dを含むラミネートを調べたところ、ポリマーが溶融してカレンダー加工紙の間を流れ、試験の結果、これらのラミネートは許容できる程度の接着性を有していないことが判った。このラミネートは接着破壊、すなわち、破断面がアラミド紙とポリマー層の間に存在する破壊を起こした。
【0026】
実施例2
この実施例は、押出ポリマーの固有粘度がラミネートの最終特性に及ぼす影響を示す。
【0027】
本発明に係るラミネートを、実施例1で製造した4種のカレンダー加工紙を使用して、実施例1と同様に製造したが、ポリマーは、溶融したポリ(エチレンテレフタレート)(PET)ポリエステルポリマーを2枚の紙の間に、ポリマーが多孔度の高い方の紙の表面に接触するように、押し出され、また、ポリマーは、固有粘度が0.65dl/gまたは0.80dl/gのPETであった。得られたラミネートはいずれも、厚さ0.005インチのポリマー層を有していた。(従来技術の)紙Dおよび固有粘度が0.65dl/gのPETを含むラミネートを調べたところ、このラミネートは、許容できない接着破壊、すなわち、僅かの力により紙とポリエステルポリマーの間で破壊を引き起こすことが判った。温度差カレンダー加工紙Aおよび同ポリマーで製造されたラミネートを調べたところ、中程度の力を加えた後でのみ接着破壊を起こす、許容できる接着性を有することが判った。温度差カレンダー加工紙A、BおよびCと、固有粘度が0.80dl/gのPETポリマーから製造したラミネートを調べたところ、粘度の高いポリマーがラミネートの破壊モードに影響することが判った。具体的には、最も小さい温度差でカレンダー加工した温度差カレンダー加工紙Aで製造したラミネートは、許容できない接着性を示し、ほんの僅かな力でポリマーと紙との間で接着破壊を引き起こした。最も大きい温度差でカレンダー加工した温度差カレンダー加工紙Cで製造したラミネートは、許容できる接着性を示し、凝集破壊、すなわち、アラミド紙の平面内での破壊を引き起こした。中間の温度差でカレンダー加工した温度差カレンダー処理紙Bで製造したラミネートは、許容できる接着性を有し、接着破壊と凝集破壊が並立するものの許容できる形での破壊を生じた。
【0028】
実施例3
この実施例は、本発明の一実施態様を示す。実施例2で行ったように、2枚の温度差カレンダー加工したシートの間に、ポリエチレンテレフタレートポリエステルポリマーを押し出して、ラミネートを製造したが、ポリマーは、2枚のアラミド紙の間に、固有粘度の異なるポリマー層が形成されるように押し出した。具体的には、ポリマー層を、順に、固有粘度が0.65dl/gのPETポリマー層、固有粘度が0.80dl/gのPETポリマー層および第2の固有粘度が0.65dl/gのPETポリマー層の3層構造とした。0.65dl/gのポリマーからなる外側の2層は、それぞれポリマー層全体の厚さの15%であり、0.80dl/gポリマーは全体の厚さの70%であった。最も大きい温度差でカレンダー加工した温度差カレンダー処理紙Cを使用して2枚のラミネートを製造した。第1のラミネートを固有粘度が0.65dl/gのPETポリマーを使用して製造し、それから、上記3ポリマー層を使用して第2のラミネートを製造した。各ラミネートにおけるポリマー層全体の厚さは0.005インチとした。これらのラミネートを調べたところ、両者は類似の性能を有しており、許容できる接着性を示し、凝集破壊、すなわち、アラミド紙の平面内での破壊を引き起こすことが判った。従来技術からなる従来紙Dを用いて、同様の3ポリマー層のラミネートの製造を試みたが、溶融ポリマーが従来紙Dと接着せず、許容できるラミネートは製造されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラミド紙層、
ポリマー層および
アラミド紙層
を順に含んでなるラミネートの形成方法であって、
a)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
b)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
c)工程a)で得られたアラミド紙のより多孔質な側の表面にポリマーを付着させ、そして
e)工程b)で得られたアラミド紙を、そのより多孔質な側の表面をポリマーに接触させて、ポリマーにラミネートする
ことを含んでなる方法。
【請求項2】
工程a)および工程b)で得られるアラミド紙は、同じものである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)および工程b)で得られるアラミド紙は、異なるものである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程c)のポリマーの付着に溶融ポリマーを用いる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程a)および工程b)の紙の少なくとも1つは、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程c)のポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)またはそのコポリマーを含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ポリマーは、1対のロールのニップで紙の表面に同時に付着される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
a)およびb)の少なくとも一方の温度差が、少なくとも50℃である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
a)およびb)の少なくとも一方の温度差が、少なくとも100℃である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
a)またはb)におけるロールの少なくとも一方が、アラミドのガラス転移温度を超えている請求項1に記載の方法。
【請求項11】
アラミド紙層、
ポリマー層および
アラミド紙層
を順に含んでなるラミネートの形成方法であって、
a)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
b)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
c)工程a)および工程a)で得られたアラミド紙のより多孔質な側の表面にポリマーを付着させ、そして
d)2枚の紙とポリマーを一体にラミネートする
ことを含んでなる方法。
【請求項12】
ポリマーは、1対のロールのニップで紙の表面に同時に付着される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程c)のポリマーは、ポリエチレンテレフタレートまたはそのコポリマーを含んでなる請求項11に記載の方法。
【請求項14】
アラミド紙層、
第1のポリマー層、
少なくとも1つの中間層、
第2のポリマー層および
第2のアラミド紙層
を順に含んでなるラミネートの形成方法であって、
a)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
b)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
c)工程a)で得られたアラミド紙のより多孔質な側の表面にポリマーを付着させ、
d)工程b)で得られたアラミド紙のより多孔質な側の表面にポリマーを付着させ、そして
e)工程c)および工程d)で得られたアラミド紙と中間層とをラミネートする
ことを含んでなる方法。
【請求項15】
アラミド紙層、
第1のポリマー層、
少なくとも1つの中間ポリマー層、
第2のポリマー層および
第2のアラミド紙層
を順に含んでなるラミネートの形成方法であって、
a)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
b)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
c)工程a)および工程b)で得られたアラミド紙の多孔質な表面に第1および第2のポリマー層をその間に中間ポリマー層を介在させて付着させ、そして
e)2枚の紙とポリマー層を一体にラミネートする
ことを含んでなる方法。
【請求項16】
アラミド紙層および
ポリマー層
を順に含んでなるラミネートの形成方法であって、
a)アラミド紙を、温度が少なくとも20℃異なる2個のロール間でカレンダー加工し、ここで、低温ロール温度に曝される紙の表面を、高温ロール温度に曝される反対側表面より多孔質とし、
b)カレンダー加工したアラミド紙のより多孔質な側の表面にポリマーを付着させる
ことを含んでなる方法。
【請求項17】
2個のロールの温度が少なくとも50℃異なる請求項15に記載のラミネートの形成方法。
【請求項18】
2個のロールの温度が少なくとも100℃異なる請求項15に記載のラミネートの形成方法。
【請求項19】
工程c)のポリマーは、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族液晶性ポリエステル、これらの混合物またはブレンドを含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項20】
工程c)のポリマーは、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族液晶性ポリエステル、これらの混合物またはブレンドを含んでなる請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2006−501088(P2006−501088A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541699(P2004−541699)
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2003/031682
【国際公開番号】WO2004/030909
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】