説明

アルカリ性固体ブロック組成物

【課題】アルカリ性固体洗浄剤組成物における縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の逆反応または加水分解を含む、アルカリ性洗浄剤における有機材料の不安定性に関する長く未解決であった問題を解消する。
【解決手段】ビシナルヒドロキシルを有する有機組成物の使用により上記課題が解決できる。このような固体ブロック洗浄剤は、アルカリ性の源、縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤を含む機能性材料、および2個のビシナルヒドロキシル基を有する有機化合物が注入可能な組成物または液体に組合せられる方法により製造することができる。このような液体は、プラスチックのカプセルに導入し、固化することができる。製造および固化の間、我々は、洗浄剤の使用の間有効な硬度イオン封鎖を維持する縮合ホスフェートの加水分解または逆反応を、ビシナルヒドロキシル化合物が実質的に防ぐことを見出した。その安定化剤は、色、塩素含有量および分配性をも安定化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体のブロックの形で製造することが可能な無機アルカリ性の機能性材料に関する。機能性材料は、洗浄剤(detergent)、プレ浸漬剤(pre-soaks)、酵素ベースのクリーナー、消毒剤(sanitizer)等を含む。固体の機能性材料または洗浄剤の製造において、流動可能なまたは液体の混合物がブロックに形成されるか、または固化のためのボトルまたはカプセル、または大きい容器内に配置される。固化の後、固体の水溶解性または分散性の材料または洗浄剤は、典型的には、ターゲットの場所(locus)内で用いられる水性濃縮物を作成する吹き付け(spray-on)ディスペンサーによって分配(dispense)される。その濃縮物は、物品洗浄機(warewashing machine)、洗濯機、硬表面クリーニング装置、等を含む種々の場所に向けることができる。ここに開示された機能性材料は、製造、貯槽または使用の間の、特に高温におけるビシナルヒドロキシル化合物の安定性のため、高度な機能的能力を維持する。
【背景技術】
【0002】
制度化されたまたは産業的なクリーニング操作における固体ブロック組成物の使用は、エコラブ(Ecolab)のSOLID POWER (登録商標)固体または固体洗浄剤ブロック技術においてパイオニア的に開発された。この技術は、Fernholzら、米国再発行特許第32,763号および32,818およびにおいて最初に特許請求された。更に、ペレット化されたアルカリ性の洗浄剤材料は、 Gladfelter ら、米国特許第5,078,301号;第5,198,198号および第5,234,615号に示されている。押し出しされたアルカリ性の洗浄剤材料は、Gladfelterら、米国特許第5,316,688号に開示されている。
【0003】
これらのパイオニア的技術において、水酸化ナトリウムの実質的な割合に基づくアルカリ性の材料を如何にしてキャストおよび固化できるかが、相当な注目を集めた。水酸化ナトリウム一水和物の低い融解点を用いる凍結プロセスにおいてキャスト材料を固化させるために、最初の固体ブロック製品は、固化剤(典型的には水酸化ナトリウム水和物)の実質的な割合を用いた。固体ブロックの製造において、洗浄剤の粒子状成分が含水水酸化ナトリウムを含む液相内に分散され、有用な機能性固体を分散された組成物で固化させる目的で冷却された。結果として生ずる固体は、水和された水酸化ナトリウムのマトリックスと、その水和されたマトリックス内に溶解、分散または懸濁された他の洗浄剤成分とを含む。これらのパイオニア的な製品において、苛性アルカリ(caustic)材料の高度にアルカリ性の性質が優れたクリーニングおよび効率的な製造を与えるため、低融点の水酸化ナトリウム水和物は理想的な洗浄剤の候補者である。キャストの、苛性アルカリまたはカーボネートベースの洗浄剤を作成するための他の水和タイプのプロセスは、Heile ら、米国特許第4,595,520号および第4,680,134号に開示されている。
【0004】
固体ブロック洗浄剤組成物の製造の間、縮合ホスフェート組成物が加水分解的に不安定であるか、またはより低活性のホスフェート種に戻る可能性があることを我々は見出した。強塩基、水およびキャスト可能な液体組成物と接触されたとき、その縮合ホスフェート組成物は加水分解されて、オルトホスフェートまたはピロホスフェート組成物を形成する可能性がある。強塩基および固体ブロック洗浄剤の他の化学的成分は、塩素源、有機材料および分配の均一性に有害な影響を及ぼす可能性がある。塩素源は、汚れ除去のためにしばしば用いられる。このような活性な塩素源は、しばしば固体ブロック中の組成物と反応して、過酷な条件下での濃度または活性において実質的に低減される。非イオン性界面活性剤または消泡剤組成物等の有機材料は、反応して褐色になり、その固体を変色させる可能性がある。種々の酵素組成物は、固体機能性材料中のアルカリ性材料と接触して不安定となる可能性もある。その不安定性は、酵素蛋白質構造の化学的不適合性(incompatibility)または高温失活の結果である可能性がある。最後に、ある環境の下で、キャストされた固体ブロック材料が不均一に分配される可能性がある。不均一な分配とは、我々は、吹き付けディスペンサー内の水性スプレーがカプセル内のアルカリ性の材料の表面と接触するにつれて、半球状の浸食された表面が形成されることを意味する。すなわち、苛性アルカリ材料が消費され、スプレーがボトル底部に到達してそのカプセルの底部角に苛性アルカリ材料の「ショルダー」を残すまで、半球状の表面が苛性アルカリ塊を通して浸食する。吹き付け分配が続くと、これらのショルダーがしばしば崩れて、ディスペンサーの塞ぎ、不均一な分配を生ずる可能性がある。
【0005】
固体苛性アルカリ材料の商業的な製造において、縮合ホスフェート添加剤の加水分解は、種々の注意深いプロセスコントロールを用いて制御することができる。塩素の不安定の問題を避けるために、カプセル化された塩素源が固体洗浄剤において用いられて来た。固体ブロック洗浄剤におけるカプセル化された塩素源の安定性を改良するための、重要なニーズが存在する。更に、反応性の塩素源、その他と接触する際に、過酷な苛性アルカリ固体ブロック環境における1以上の有機材料の安定性は、相当な不安定性を生ずる可能性がある。固体ブロック洗浄剤における有機材料の安定性を増大させるためのニーズが存在する。最後に、分配における改良された均一性は、固体ブロック洗浄剤の使用における経済性を改良することができる。従って、分配の均一性を改良するためのニーズが存在する。固体洗浄剤の表面上で、その水スプレーの作用に起因するその分配または浸食の質を改良するための相当なニーズが存在する。更に、カプセルから洗浄剤がほとんど枯渇された際、材料の不均一な溶解は、次いで物品洗浄機に導かれる液体濃縮物に対して、キャストされた固体材料の過剰なまたは最小の量を導入する可能性がある。
【0006】
製造の間の組成物の水および熱履歴の量を低減することによって、製造の間、縮合ホスフェートの加水分解を最小限とした押出し技術が開発された。材料が実質的に加熱されず、もし加熱されたとしても、加水分解反応条件を与える充分な水と接触しないため、このような条件は加水分解を防ぐ。このようなプロセスは、Olson ら、米国シリアル番号08/176,541号、シュルツら、米国シリアル番号08/175,626号、およびシュルツら、米国シリアル番号08/175,950号、現在では米国特許第_________(現在まで発行されていない)に示されている。
【0007】
固体洗浄剤の製造において、有機固化剤の使用も公知である。このような剤は、それらの融点より低い温度での冷却および硬化により固化する多くの種類の材料を含む。このような硬化剤の一つの例は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびそれらのブロックまたはヘテロ的(heteric)な(ランダム、交互、統計的、およびグラフトを含む)コポリマーを含むポリアルキレンオキサイドである。典型的には、このような材料は約800〜8000およびより大きい分子量を有し、ビシナルのヒドロキシルを含まず、過去において縮合ホスフェート材料の加水分解的な安定性に寄与することが示されていない。このような開示の代表的な例は、Morganson 、米国特許第4,624,713号および第4,861,518号に示されている。
【0008】
Cristobal 、米国特許第4,320,026号は、固体洗浄剤における退色を低減するために、ジオール化合物を用いることを教示している。
【0009】
公知の技術へのアクセスが制限される領域において、縮合ホスフェートの加水分解的な不安定性を低減する代替の方法は有用性を有する。このようなものは、処理能力の小さい小規模の製造業者、遠隔の製造業者またはサイトを含むことができる。従って、低減された縮合ホスフェートの加水分解安定性で、代替的な固体洗浄剤製造能力を与える相当なニーズが存在する。更に、このような代替的な方法は、カプセル化された塩素源の安定性、有機化合物の安定性、酵素安定性、および分配の均一性を改良するのを助長すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国再発行特許第32,763号
【特許文献2】米国再発行特許第32,818号
【特許文献3】米国特許第5,078,301号
【特許文献4】米国特許第5,198,198号
【特許文献5】米国特許第5,234,615号
【特許文献6】米国特許第5,316,688号
【特許文献7】米国特許第4,595,520号
【特許文献8】米国特許第4,680,134号
【特許文献9】米国シリアル番号08/176,541号
【特許文献10】米国シリアル番号08/175,626号
【特許文献11】米国シリアル番号08/175,950号
【特許文献12】米国特許第4,624,713号
【特許文献13】米国特許第4,861,518号
【特許文献14】米国特許第4,320,026号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の簡単な議論
我々は、キャストされて固体ブロック洗浄剤組成物を形成する液体組成物における、少くとも2つのビシナルなヒドロキシル基を有するC4 またはそれ以上(好ましくはC4〜16)有機化合物を組み合わせることが、(1)縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤(sequestrant)のより低い活性形への加水分解または逆反応(reversion)を抑制または低減することができ、(2)有効塩素(Cl2)を生ずる化合物のロスを低減することができ、(3)固体洗浄剤中の有機材料の色変化を低減することができ、(4)酵素安定性を増大させることができ、および、(5)分配の間の固体浸食の質を改良することができることを見出した。典型的には、縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の添加より前に、その有機化合物が流動性の液体または半液体の分散組成物に加えられる。その材料がキャストされ、固化された後に、その組成物が製造の間に加えられる縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の量の典型的には80質量/質量%(重量/重量%)を超える、好ましくは90質量/質量%(重量/重量%)を超えるアルカリ性の源を含むように、逆反応を制限し、または他方で固体ブロックの性質を安定化または改良するために充分な有機化合物が加えられる。有機化合物逆反応インヒビターは、所望により、他の種々の有用な組成物との組み合わせで、ポジティブなクリーニングの利益を与える。安定化化合物のこのような量は、固体洗浄剤の混合および処理の間の塩素ロスを低減する。加えて、安定化化合物は、固体洗浄剤における有機成分の褐変変色を抑制する。吹き付けディスペンサーから分配された固体ブロック洗浄剤は、均一に浸食して、水性洗浄剤濃縮物の物品洗浄機への分配の間に塞ぎを生じがない。最後に、酵素成分は、ブロック化学製品内で驚くべき活性の量を保持する。
【0012】
この特許開示の目的で「少くとも2個のビシナルのヒドロキシル」の用語は、フラグメント:
【0013】
【化1】

(式中、個々の空の結合は、水素、炭素、酸素、窒素、イオウまたは固体洗浄剤において用いることができる有機材料の分子内に共通の他の原子に向けることができる)
を含む化合物中の構造を有するジヒドロキシ、トリヒドロキシまたはポリヒドロキシ化合物を言う。我々は、本発明のビシナル化合物が、ボレート化合物によって改良されることをも見出した。
【0014】
この特許出願の目的で、用語「逆反応」または「逆反応した」または「加水分解的な不安定性」は、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)等の縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の、高温で水と反応してピロホスフェートおよびオルトホスフェートのブレンドを形成するか、または実質的にオルトホスフェートを形成する傾向に関する。トリポリホスフェート等の縮合ホスフェートは、典型的には、それらが縮合され、水を失い、縮合ホスフェートを形成するまでホスフェート種を加熱することによって製造されるため、比較的高いエネルギーのホスフェート部分間の結合は、特に熱および/又は苛性アルカリの存在下で加水分解的に不安定性な傾向がある。
【0015】
本発明は、例えば、以下の[1]〜[20]の態様を含むことができる。
【0016】
[1] 組成物の成分を安定させ、および縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の加水分解不安定性を抑制または低減する固体ブロック機能性組成物を製造する方法であって、その方法は、以下を含む
(i):(a)アルカリ性の無機源の有効量と;
(b)無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤の少くとも約10質量%(重量%)と;
(c)ブレンドされた塊を形成するための少くとも2個のビシナルヒドロキシル基を有するC4 以上の有機化合物の安定化および逆反応抑制の有効量;その有機化合物はグルセロールエステル、または単糖、二糖、またはオリゴ糖を含む;
とを組合せ;および、
(ii)ブレンドされた塊を固体に形成するに際し;
縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の約15質量%(重量%)未満が逆反応する方法。
【0017】
[2] 前記トリポリホスフェートが、バリヤーコーティングを有する約200〜900ミクロンの粒径を有する粒子を含む[1]の方法。
【0018】
[3] 前記逆反応インヒビターが3以上の隣接するビシナルヒドロキシル化合物を含む[1]の方法。
【0019】
[4] 前記逆反応インヒビターが、1〜15質量%(重量%)の炭水化物組成物を含む[1]の方法。
【0020】
[5] 前記炭水化物が、C4〜6炭水化物化合物またはそれらの混合物を含む[4]の方法。
【0021】
[6] 前記逆反応インヒビターが、グルコース、ガラクトース、フラクトースまたはそれらの混合物を含む[5]の方法。
【0022】
[7] 前記逆反応インヒビターが二糖類を含む[4]の方法。
【0023】
[8] 前記二糖類がスクロース、マルトース、ラクトースまたはそれらの混合物を含む[7]の方法。
【0024】
[9] 硬度金属イオン封鎖剤の約7質量%(重量%)未満が逆反応する[1]の方法。
【0025】
[10] 処理およびパッケージの間、縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の約15質量%(重量%)未満が逆反応する[1]の方法。
【0026】
[11] 固体洗浄剤が、ブレンド塊を固体に形成した後に実質的に変色しない[1]の方法。
【0027】
[12] プラスチックの容器内で、ブレンド塊が固体に形成される[1]の方法。
【0028】
[13] 無機硬度金属イオン封鎖剤の有効量を含む固体ブロックアルカリ性洗浄剤組成物であって、その安定化された組成物は、以下を含む
(a)約10〜60質量%(重量%)のアルカリ性の無機源と;
(b)約10〜45質量%(重量%)の無機縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤と;
(c)約1〜15質量%(重量%)の少くとも2個のビシナルヒドロキシル基を有するC4 以上の有機化合物の安定化および逆反応抑制の有効量;その有機化合物はグルセロールエステル、または単糖、二糖、またはオリゴ糖を含む;
前記固体ブロックが容器内にパックされ、前記縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の約15質量%(重量%)未満が逆反応する組成物。
【0029】
[14] 前記逆反応インヒビターが3以上の隣接するビシナルヒドロキシル化合物を含む[13]の組成物。
【0030】
[15] 前記逆反応インヒビターが、炭水化物を含む[13]の組成物。
【0031】
[16] 前記炭水化物が、C4〜6炭水化物化合物またはそれらの混合物を含む[15]の組成物。
【0032】
[17] 前記逆反応インヒビターが、グルコース、ガラクトース、フラクトースまたはそれらの混合物を含む[16]の組成物。
【0033】
[18] 前記逆反応インヒビターが二糖類を含む[15]の組成物。
【0034】
[19] 前記二糖類がスクロース、マルトース、ラクトースまたはそれらの混合物を含む[18]の組成物。
【0035】
[20] 全縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤の約10質量%(重量%)未満が逆反応する[13]の組成物。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図2】図2は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図3】図3は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図4】図4は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図5】図5は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図6】図6は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図7】図7は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図8】図8は、ビシナルヒドロキシル化合物が、種々の条件および製剤下での逆反応または加水分解の不安定性から、無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤を保護する本発明の独特の値を示す。
【図9】図9は、驚くほどに改良された汚れ(特に口紅汚れ)を除去する性質を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の安定化されたブロック機能性材料は、ビシナルヒドロキシド化合物逆反応インヒビターまたは化学安定剤を含む。我々は、アルカリの源、無機縮合ホスフェート水、および有機物、塩素源、酵素、その他の成分と、製造および貯蔵の間の縮合ホスフェート加水分解を低減し、および安定性および分散性を増大させるように、相互作用するように思われる有機ヒドロキシ化合物の種を見出した。
【0038】
我々は、アルカリ性の洗浄剤、酵素ベースのクリーナー、消毒剤、濯ぎ剤、その他を含む機能性材料を見出した。このような材料の製造において、酵素、界面活性剤、消毒剤、その他等の活性な機能性材料は、アルカリ性の材料の固体マトリックス内で形成される。アルカリ性材料が分配されると、含まれた機能性材料は、使用場所内での使用のための水性濃縮物内で溶解または懸濁される。固体機能性材料において、ビシナルヒドロキシ化合物が、縮合ホスフェート、酵素、非イオン性界面活性剤等の有機界面活性剤、および他の材料を安定化させ、および分配性を改良することを、我々は見出した。
【0039】
本発明の逆反応安定剤組成物は、下記式:
【0040】
【化2】

(式中、空の結合は、炭素、酸素、水素、イオウ、窒素または安定剤化合物中で利用可能な他の共通の原子に対応する)
に対応する少くとも1つのビシナルヒドロキシド基を有する有機C4 化合物を含む。最も単純な例は、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、グルセリルモノエチルエーテル、グルセリルジエチルエーテル、その他を含むグリセリン低級アルキルモノエステルおよびエーテル等のグリセリン誘導体、2,3−ジヒドロキシブチルアルデヒド、および他のビシナルヒドロキシルを有するC4+有機化合物である。好ましい逆反応インヒビターの一つの種は、アルドテトロース、アルドペントース、アルドヘキソース、アルドヘプトース、アルドオクトース、ケトテトロース、ケトペントース、ケトヘキソース、その他の化合物を含む単糖類である。このような化合物は、エリトロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、それらの異性体および誘導体、および、他の類似する単糖を含む。加えて、スクロース、ラクトース、セロビオース、マルトースを含む二糖類化合物は、有用である。より高次の三糖類、オリゴ糖類および大きい分子の多糖をも選択的に用いることができるが、それらは低減した活性を有するように思われる。セルロースおよび酸化されたセルロース誘導体材料が考慮されるが、多糖類はこの出願において有用性が低いように思われる。構造的にこのような炭水和物に類似する化合物も、使用可能である。これらの化合物は、1,1−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン、ソルビトールを含み、それらの誘導体、その他等も、しばしば使用可能である。
【0041】
アルカリ性の源
アルカリ性のpHを与えるために、固体機能性組成物は、アルカリ性の源を含む。一般に、アルカリ性の源は、1質量%(重量%)の水溶液中で組成物のpHを少くとも10.0へ上げる、好ましくはそのpHが約10.5〜14の範囲内にある。化学物質が使用に供された際に、このようなpHが汚れ除去および粒子破壊に充分であり、更にその汚れの迅速な分散を容易にする。アルカリ性の源の一般的な性質は、相当な水性の溶解性を有するそれらの化学組成物だけに限られている。例証的なアルカリ性の源は、アルカリ金属炭酸塩、ケイ酸塩、水酸化物、またはそれらの混合物を含む。アルカリ性の源は、硬度イオンのコンプレックス化によって洗浄剤活性を構築する従来のビルダーによって増大させることができる。
【0042】
本発明に従って製造された組成物は、基材クリーニングを高めるため、および、その組成物の汚れ除去性能を改良するために、一つ以上のアルカリ性の源の有効量を含むことができる。その組成物は、約10〜80質量%(重量%)、好ましくは約15〜70質量%(重量%)、最も好ましくは約20〜60質量%(重量%)のアルカリ性の源を含む。全アルカリ性の源は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩またはケイ酸塩を含むことができる。ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、それらの混合物およびその他の等の金属炭酸塩が使用可能である。適当なアルカリ金属水酸化物は、例えば水酸化ナトリウムまたはカリウムを含む。アルカリ金属水酸化物は、固体ビーズ、水溶液内に溶解された形、またはそれらの組合せの形で、その組成物に加えることができる。アルカリ金属水酸化物は、約12〜100の米国メッシュの範囲の混合粒径の小球化された固体またはビーズ等の形の固体で、または例えば50質量%(重量%)および73質量%(重量%)の水溶液として商業的に入手可能である。有用なアルカリ性の源の例は、ケイ酸ナトリウムまたはカリウム(M2 O:SiO2 の比が1:2.4〜5:1、Mはアルカリ金属を表す)またはメタケイ酸塩等の金属ケイ酸塩;ホウ酸ナトリウムまたはカリウム等の金属ホウ酸塩、およびその他を含む。エタノールアミンおよびアミン等の有機塩基;および、他の同様のアルカリ性の源も使用可能である。アルカリ性の源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、その他のアルカリ金属水酸化物を含むことができる。これらの水酸化物種の混合物も、使用可能である。アルカリ金属のケイ酸塩は、本発明の洗浄剤のためのアルカリ性の源として作用することもできる。有用なアルカリ金属ケイ酸塩は、一般式(M2 O:SiO)(式中、個々のM2 Oモルに対して、SiO2 が1モル未満である)に対応する。好ましくは、SiO2 の個々のモルに対して、約1〜約100モルまでのM2 O(式中、Mが好ましくはナトリウムまたはカリウムを含む)がある。好ましいケイ酸塩において、Na2 O:SiO2 の比は、約1:2〜20:1である。好ましいアルカリ性の源は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属オルトケイ酸塩、アルカリ金属メタケイ酸塩および他の周知の洗浄剤ケイ酸塩材料である。
【0043】
金属イオン封鎖剤
水を軟化しまたは処理し、沈殿または他の塩の形成を防ぐために、本発明の組成物は、一般に、キレート化剤、ビルダーまたは金属イオン封鎖剤として知られている成分を含む。一般に、金属イオン封鎖剤は、水道水中に共通に見出される金属イオンをコンプレックス化または配位でき、それによって組成物内の洗浄剤成分の機能が金属イオンにより妨害されることを防ぐ分子である。本発明に従って、任意の数の金属イオン封鎖剤が使用可能である。代表的な金属イオン封鎖剤は、とりわけ、アミノカルボン酸の塩、ホスホン酸塩、水溶性のアクリル性ポリマーを含む。これらの重合体の材料の分子量(Mn)は、約200〜8000、好ましくは4000〜6000である。
【0044】
本発明の安定化されたキャスト固体洗浄剤材料の本質的な成分は、縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤である。用語「縮合ホスフェート」は、式:
【0045】
【化3】

(式中、空の結合が、直鎖の、縮合されたまたは環式のホスフェート組成物の部分であってもよい、他のリン酸基、カチオンその他に向けられる)
に従う少くとも1つの基を有する材料を示す。
【0046】
金属イオン封鎖剤として有用なホスフェート部分を有する化合物は、アルカリ金属の縮合ホスフェート、環式のホスフェート、有機ホスホン酸および有機ホスホン酸塩である。有用な縮合ホスフェートは、種々の粒径で入手可能なアルカリ金属ピロホスフェート、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)等のアルカリ金属ポリホスフェートを含む。有用な有機ホスホン酸は、カルボキシ、ヒドロキシ、チオ、その他等のアルカリ性の条件下でアニオンを形成できる基を含んでいてもよいモノ、ジ、トリ、およびテトラ−ホスホン酸を含む。
【0047】
縮合ホスフェート材料の逆反応する傾向は、金属イオン封鎖剤材料に対する苛性アルカリおよび水の衝撃を低減する縮合ホスフェートを用いることによって制御することができる。このような効果は、効果的な粒径の金属イオン封鎖剤を用いることによって、またはバリヤー技術を用いることによって低減することができる。
【0048】
無機縮合ホスフェートは、有機カルボキシレート、ホスホネート、ホスホン酸またはホスホン酸塩と組み合わせることもできる。有機材料は、クリーニングプロセスにおいて硬度イオンを封鎖するのを助長することができる。適当なアミノカルボン酸キレート化剤は、N−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N−ヒドロキシエチル−エチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、および、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)を含む。用いられた際に、これらのアミノカルボン酸は、約1質量%(重量%)〜50質量%(重量%)まで、好ましくは約2質量%(重量%)〜45質量%(重量%)、最も好ましくは約3質量%(重量%)〜40質量%(重量%)の範囲の濃度において、一般に存在する。
【0049】
他の適当な金属イオン封鎖剤は、最終用途の条件下で洗浄溶液を調節するために用いられる、ペンダント−CO2 −1基を含む水溶性のアクリル性ポリマーを含む。このようなポリマーは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタアクリル酸コポリマー、アクリル酸−イタコン酸コポリマー、加水分解されたポリアクリルアミド、加水分解されたメタクリルアミド、加水分解されたアクリルアミド−メタクリルアミドコポリマー、加水分解されたポリアクリロニトリル、加水分解されたポリメタクリロニトリル、加水分解されたアクリロニトリル−メタクリロニトリルコポリマー、またはそれらの混合物を含む。それぞれのアルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)またはアンモニウム塩等のこれらのポリマーの水溶性の塩または部分的な塩も、使用可能である。ポリマーの数平均分子量は、約4000〜約12,000である。好ましいポリマーは、4000〜8000の範囲の平均分子量を有するポリアクリル酸ナトリウム、またはポリアクリル酸、またはポリアクリル酸の部分的なナトリウム塩を含む。これらのアクリル性ポリマーは、約0.5質量%(重量%)〜20質量%(重量%)、好ましくは約1〜10、および最も好ましくは約1〜5の範囲の濃度において有用である。
【0050】
有用なホスホン酸は、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;アミノトリ(メチレンホスホン酸);アミノトリ−(メチレンホスホネート)、2−ヒドロキシ エチル−イミノビス(メチレンホスホン酸)のナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸);ジエチレン−トリアミンペンタ(メチレンホスホネート)ナトリウム塩;ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホネート)、カリウム塩;ビス(ヘキサメチレン) トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸)、(HO2)POCH2 N[(CH2)6 N[CH2 PO(OH)2 ]2 ]2 ;および亜リン酸H3 PO3 である。それらの好ましいリン酸塩は、所望によりジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)と組み合わされたアミノトリメチレンホスホン酸またはその塩である。本発明における金属イオン封鎖剤として用いられる際に、ホスホン酸または塩は、固体洗浄剤を基準に、約0.25〜25質量%(重量%)、好ましくは約1〜20質量%(重量%)、最も好ましくは約1〜18質量%(重量%)の範囲の濃度で存在する。
【0051】
固化剤
化学成分のブレンドから固体洗浄剤塊を形成するために、本発明は固化剤をも含むことができる。一般に、必要な程度の固化および水溶解性を与える任意の剤または剤の組合せを本発明で用いることができる。固化剤は、水性の環境下に置かれた際に、固体の性質を与えるおよび/又は本発明の組成物の溶解性の性質を制御できる任意の有機または無機化合物から選ぶことができる。好ましい剤は、金属水酸化物または炭酸塩の水和物を形成するものである。増大された水溶解性を有する固化剤を用いることによって、固化剤は制御された分配を与えることができる。より少ない水溶解性またはより遅い溶解の速度を必要とする系のために、有機非イオン性またはアミドの硬化剤が適当であろう。より高い程度の水溶解性のために、無機固化剤または尿素等のより水溶性の有機剤が使用可能である。硬度および/又は溶解性を変えるために本発明で使用可能な組成物は、ステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミドおよびステアリン酸ジエタノールアミド等のアミドを含む。非イオン性界面活性剤は、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のカップラーと組み合わされるとき、硬度および溶解性の程度の変化を与えることが見出された。非イオン性物質の色安定性は、本発明の安定化化合物の存在によって改良される。本発明に有用な非イオン性物質は、ノニルフェノール エトキシレート、直鎖のアルキルアルコールエトキシレート、BASFワイアンドット(Wyandotte)から商業的に入手可能なプルロニック(Pluronic;登録商標)界面活性剤等のエチレンオキシド/プロピレンオキサイドブロックコポリマーを含む。特に硬化剤として望ましい非イオン性界面活性剤は、室温で固体であって、カップリング剤との組合せの結果、その本来的に減じられた水溶解性を有するものである。固化剤として使用可能な他の界面活性剤は、適用の温度で固体を与えるために高い融点を有するアニオン性界面活性剤を含む。最も有用であると判明したアニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、アルコール硫酸エステル、アルコールエーテル硫酸エステルおよびアルファ−オレフィンスルホネートを含む。一般に、直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、コストと効率の理由から好ましい。本発明の固体組成物において硬化剤として使用可能な他の組成物は、カルバミドとしても知られる尿素、およびPEG類、非イオン性界面活性剤、その他を含む他の有機固化剤を含む。固化剤は、与えられた適用のための溶解性および必要な構造上の保全性(integrity)を促進する濃度において使用可能である。一般に、固化剤の濃度は、約0質量%(重量%)〜50質量%(重量%)、5質量%(重量%)〜45質量%(重量%)、好ましくは約10質量%(重量%)〜25質量%(重量%)、および最も好ましくは15質量%(重量%)〜20質量%(重量%)の範囲である。
【0052】
酵素
本発明の組成物は、約0.01〜10質量%(重量%)の酵素、汚れ除去の理由から好ましくは約0.5〜5質量%(重量%)、汚れ除去の理由から最も好ましくは約1.0質量%(重量%)の酵素を含むこともできる。適当な酵素は、それらには制限されないが、プロテアーゼ、エスペラーゼ(esperase)、アミラーゼ、リパーゼおよびそれらの組合せを含む。エスペラーゼおよびプロテアーゼは蛋白質を分解するのに有用であり、他方、アミラーゼは澱粉を分解し、およびリパーゼは脂肪を分解する。3種の酵素が利用されるならば、個々の酵素のための幅広い範囲は、約0.1〜5.0質量%(重量%)の範囲にある。このように、もし3種の異なる酵素が利用されるならば、プレ浸漬剤は最高で15質量%(重量%)までの酵素を含むことができる。
【0053】
我々は、本発明の安定化化合物によって安定化された固体酵素含有の洗浄剤が、ホウ酸安定化材料を用いて、更に改良可能であることを見出した。アルカリ金属ホウ酸塩と本発明のビシナル炭化水素安定剤組成物との組合せは、改良された安定性を与える。ホウ酸化学は、多くの化学と同様に複雑であり、多くの単純および複雑な化合物を含む。アルカリ金属ホウ酸種中の主要なアニオンは、Na2 O・B2 O3 ・14H2 O等のアルカリ金属(1:1)ホウ酸塩である。B(OH)3 およびB(OH)4 −1の混合物も、pHに依存して古典的な緩衝液系に現れる。ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ジナトリウム、四ホウ酸ジナトリウム五水和物、四ホウ酸ジナトリウム四水和物等が、本発明の安定化された材料において使用可能である。
【0054】
漂白源
本発明の洗浄剤組成物は、典型的なクリーニング方法において通常遭遇する条件下でOCl− を遊離させるカプセル化された塩素または漂白源(好ましくはクロロイソシアヌレート、ナトリウム塩)を含むこともできる。それらの好ましい種は、ジクロロイソシアヌレートナトリウム、ジクロロイソシアヌレートカリウム、ペンタイソシアヌレートおよびそれらの水和物を含む。好ましい塩素の源は、カプセル化された塩素源を含む。このようなカプセル化された塩素源は、Olson ら、米国特許第4,681,914号および第5,358,635号に示される。カプセル化された活性な塩素化合物のコア材料として適当な塩素遊離性の物質は、物品洗浄および洗濯プロセスにおいて通常使用される条件の下でHOCl等の活性塩素種を遊離できる塩素成分を含む。機能性材料は、約0〜10質量%(重量%)の漂白源、経済性の理由から好ましくは約2〜6質量%(重量%)のカプセル化された漂白、有効性の理由から最も好ましくは約5質量%(重量%)を含むことができる。適当な漂白源は、それらには限定されないが以下を含む:次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸リチウム、塩素化リン酸三ナトリウム、ナトリウムジクロロイソシアヌレート 二水和物、カリウムジクロロイソシアヌレート 二水和物、ナトリウムジクロロイソシアヌレート。漂白源は、利用可能性および経済的な理由から、ジクロロイソシアヌレートナトリウム二水和物を含む。
【0055】
消毒剤組成物
消毒剤組成物、本発明のブロック形での固体機能性材料は、消毒剤を含むことができる。消毒剤は、漂白剤(上記で開示されている)または種々の他の材料を含むことができる。有用な消毒剤は、過酸化水素、パーオキシカルボン酸、グルタルアルデヒド、四級アンモニウム化合物および種々の他の材料を含む。好ましい消毒組成物は、パーオキシカルボン酸消毒剤を含む。このような材料は、典型的には、過酸化水素を用いてモノカルボン酸を酸化させることによって製造される。一般にパーオキシカルボン酸消毒剤の有用な濃度は、典型的には約0.1〜40質量%(重量%)、好ましくは3〜30質量%(重量%)の範囲にある。
【0056】
非イオン性界面活性剤と濯ぎ助剤
【0057】
本発明の文脈で有用な非イオン性界面活性剤は、一般に、ポリエーテル(ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシアルキレンまたはポリアルキレングリコールとしても知られる)化合物である。とりわけ、ポリエーテル化合物は、一般にポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレングリコール化合物である。本発明の文脈で有用な界面活性剤は、典型的には、合成の有機ポリオキシプロピレン(PO)−ポリオキシエチレン(EO)ブロックコポリマーである。これらの界面活性剤は、EOブロックとPOブロック、ポリオキシプロピレン単位(PO)の中央ブロックを含み、ポリオキシプロピレン単位にポリオキシエチレン・グラフトされたブロック、またはPOが結合したEO中央ブロックを有する。更に、この界面活性剤は、その分子内に、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンの更なるブロックを有することができる。有用な界面活性剤の平均分子量は、約1000〜約40,000の範囲にあり、およびエチレンオキシドの重量パーセント含有量は約10〜80%の範囲にある。本発明の組成物は、物品洗浄組成物で有用な消泡性の界面活性剤または濯ぎ助剤界面活性剤を含むことができる。消泡剤は、蛋白質の泡の安定性を低減するのに適した疎水性−親水性バランスを有する化合物である。その疎水性は、その分子の親油性の部分によって与えることができる。例えば、芳香族アルキルまたはアルキル基、オキシプロピレン単位またはオキシプロピレン鎖、または、オキシエチレン以外の他のオキシアルキレン官能基は、この疎水的な性質を与える。親水性は、オキシエチレン単位、鎖、ブロックおよび/又はエステル基によって与えることができる。例えば、有機ホスフェートエステル、塩タイプの基または塩形成性の基は、全て消泡剤の範囲内の親水性を与える。典型的には、消泡剤は、疎水性の基、ブロックまたは鎖、および、親水性のエステル基、ブロック、単位または鎖を有する非イオン性有機界面活性ポリマーである。また、しかしながら、アニオン性、カチオン性および両性の消泡剤も、公知である。ホスフェートエステルも、消泡剤としての使用に適している。例えば、式
【0058】
RO−(PO3 M)n −R
(式中、nは1〜約60の数、典型的には環式のホスフェートのために10未満の範囲の数であり、Mがアルカリ金属であり、Rが有機基であるか、またはMおよび少くとも1つのRがオキシアルキレン鎖等の有機基である)
のエステルである。適当な消泡界面活性剤は、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックされた非イオン性界面活性剤、フルオロカーボン、および、アルキル化されたホスフェートを含む。この消泡剤は、組成物の約0.1質量%(重量%)〜10質量%(重量%)、好ましくは約0.5質量%(重量%)〜6質量%(重量%)、および、最も好ましくは約1質量%(重量%)〜約4質量%(重量%)の範囲で存在する。濯ぎ助剤は、シート作用および表面エネルギーのために選ばれる。
【0059】
本発明の文脈に有用なものは、EO、POおよびBOブロックを有するアルコールアルコキシレートを含む界面活性剤である。直鎖第1級脂肪族アルコールアルコキシレートは、特にシート剤として有用である可能性がある。このようなアルコキシレートは、それらが「Plurafac」界面活性剤として公知であるBASF Wyandotte を含むいくつかの源からも入手可能である。有用であることが見出された特別な群のアルコールアルコキシレートは、一般式R――(EO)m ――(PO)n (式中、mは約2〜10の整数であり、nは約2〜20の整数である)を有するものである。Rは、6〜20の炭素原子を有する直鎖アルキル基等の任意の適当な基であることができる。
【0060】
本発明の他の有用な非イオン性界面活性剤は、キャップされた脂肪族アルコールアルコキシレートを含む。これらの端キャップは、これらには限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジルおよび塩素を含む。好ましくは、このような界面活性剤は、約400〜10,000の分子量を有する。一つの組成物に製剤された際には、キャップ形成は、非イオン性界面活性剤、および酸化剤水素過酸化水素およびパーカルボン酸の間の適合性を改良する。
【0061】
本発明の他の有用な非イオン性界面活性剤は、その界面活性剤がEOのブロック、POのブロック、または混合またはヘテロ的な基のブロックを含むエステル基と脂肪酸部分を含む脂肪酸アルコキシレートを含む。このような界面活性剤の分子量は、約400〜約10,000までの範囲にあり、好ましい界面活性剤は、約30〜50質量%(重量%)のEO含有量を含み、および脂肪酸部分が約8〜18の炭素原子を含む。
【0062】
同様に、アルキルフェノールアルコキシレートも、本発明の濯ぎ剤の製造において有用であることが見出された。このような界面活性剤は、4〜約18の炭素原子のアルキル基を有するアルキルフェノール部分から作成することができ、エチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロックまたは混成のエチレンオキシド、プロピレンオキシドブロックまたはヘテロ的なポリマー部分を含むことができる。好ましくは、このような界面活性剤は、約400〜約10,000の分子量を有し、約5〜約20単位のエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはそれらの混合を有する。
機能性組成物は、以下の一般的な組成物処方を含むことができる:
【0063】
【表1】

本発明の固体ブロック材料を作成するために用いられるプロセスは、典型的には、本発明の成分を含む液体または注入可能な材料を調製し、次いでそれを、冷却および固化のための容器内に配置することを含む。キャスト可能な材料の液体部分は、典型的には固化可能なマトリックスの成分を含む。固体ブロック洗浄剤の固化された形は、その固体マトリックスを通して分散された粒子状の物品洗浄成分を有する固体マトリックスを含む。本発明の上記洗浄剤を作成するために使用可能なこのプロセス技術は、Fernholzら、米国再発行特許第32,763号、および第32,818号に開示されている。更に、ペレット化されたアルカリ性の洗浄剤材料処理は、Gladfelterら、米国特許第5,078,301号;第5,198,198号および第5,234,615号に示される。 押し出されたアルカリ性の洗浄剤材料処理は、Gladfelterら、米国特許第5,316,688号に開示されている。 キャスト、苛性アルカリまたはカーボネートベースの洗浄剤作成のための他の水和タイプのプロセスは、Heile ら、米国特許第4,595,520号および第4,680,134号に開示されている。
【0064】
これらのキャストされた固体洗浄剤材料は、物品洗浄機内での使用のためのプラスチックのボトルまたはカプセルからの固体ブロック材料を溶解する水吹き付けディスペンサーを用いて、従来法で分配される。前述の議論は、本発明を理解するためのベースを与える。
【0065】
以下の混合手順および例およびデータは、本発明の最終用途製造の理解を与える。
【0066】
【表2】

手順
1.液体の含水苛性アルカリ、界面活性剤ホスフェートエステル消泡剤および水を加える。120°Fへ加熱する。
【0067】
2.ポリアクリレートを加え、スクロースを加える。
【0068】
3.NaOHを加える。炭酸ナトリウムを加える。温度を135〜140°Fにする。
【0069】
4.トリポリリン酸ナトリウムとカプセル化された塩素源を加える。粘度が4000cpsを上回ったら、パックする。
【0070】
【表3】

手順
【0071】
1.液体苛性アルカリを加え、亜塩素酸ナトリウムを加え、水を加え、界面活性剤および消泡剤を加える。
【0072】
2.160〜180°Fへ加熱する。
【0073】
3.ポリアクリル酸を加える。15分混合する。スクロースを加える。溶解されるまで、混合する。20mlsの水中へ染料を溶解して、加える。
【0074】
4.苛性アルカリビーズを加える。
【0075】
5.炭酸ナトリウムを加える。
【0076】
6.温度を155〜165°Fにする。
【0077】
7.STPPを加える。
【0078】
8.混合し、パックする。
【0079】
【表4】

手順
【0080】
1.トリポリをリボンブレンダーに加える。
【0081】
2.サーフ(surf)プレミックスを加え、5分間混合する。
【0082】
【表5】

手順
【0083】
1.液体苛性アルカリと水を加える。120°Fに加熱する。
【0084】
2.ポリアクリル酸を加える。ペンタエリスリトールを加える。
【0085】
3.NaOH、STPPを加え;NaCO3 を加え、温度を120〜130°Fにする。
【0086】
4.カプセル化された塩素源を加える。
【0087】
5.混合し、パックする。
【0088】
【表6】

手順:
【0089】
1.トリポリをリボンミクサーに加える。
【0090】
2.界面活性剤を加えて、5分混合する。
処方:
【0091】
【表7】

手順:
【0092】
1.液体苛性アルカリを加える。
【0093】
2.亜塩素酸ナトリウムを加える。
【0094】
3.水を加える。
【0095】
5.160〜180°Fへ加熱する。
【0096】
6.ポリアクリル酸を加える。15分混合する。スクロースを加える。溶解されるまで、混合する。染料を20mlsの水に溶解し、加える。
【0097】
7 .苛性アルカリビーズを加える。
【0098】
8.デンス灰(dense ash)を加える。
【0099】
9.温度を155〜165°Fにする。
【0100】
10.STPPを加える。
【0101】
11.混合しパックする。
【0102】
混合物手順1および4を用いて、本発明のビシナルヒドロキシル化合物を用いて改良された逆反応減少の安定性およびSTPP加水分解制御を示すために、多量の実験的作業を行った。種々の温度、含水率およびSTPP粒径、コートされまたは未コートのトリポリリン酸ナトリウムの両方で、多数の化合物を逆反応制御に対してテストした。我々は、これらの全ての変化する条件の下で、逆反応インヒビターがポリホスフェート加水分解に対していくらかの程度の制御を与えたことを見出した。以下のまとめの表は、実験的プログラムの結果を表示する。表中に、トリポリリン酸ナトリウムのパーセント逆反応が示される。この数は、加水分解された加えられたトリポリホスフェートのパーセントを表す。このデータを得るために、約2〜約8質量%(重量%)までの範囲にある逆反応インヒビターの割合を用いて、混合手順1〜4内に示されたものと同様に実験が実施された。我々は、逆反応インヒビターの濃度が増加すると、一般に、その逆反応制御が比例して増加したことを見出した。しかしながら、まとめの表は、本発明の化合物で逆反応を制御することにおける我々の経験を示す。
【0103】
以下の表は、STPP逆反応を制御するための能力を示す。我々は、小さい粒子STPPおよび拡張された混合時間を用いて、高含水処方(18.5〜20質量%(重量%)の水)を含む難しい制御条件でも、製造の間のプレコート(6.25質量%(重量%)コーティング、混合手順3を参照)STPPの低い逆反応を達成した。提示された結果は、特に示された場合を除き、6.0質量%(重量%)の逆反応インヒビター添加に基づく。
【0104】
【表8】

*同じ条件ではなく、類似したもの。
【0105】
まとめの表は、最高のインヒビター化合物が、単糖類または二糖類化合物である炭水化物化合物であることを示す。好ましくはその化合物は、約10質量%(重量%)未満(STPP重量に基づく)の逆反応制御を許容する。
【0106】
我々は、本発明の安定化化合物が、カプセル化された塩素化合物からの塩素活性のロスを減じることをも見出した。固体安定化化合物で製造されるとき、本発明の固体洗浄剤は製造の間改良された安定性を有する。本発明の安定剤化合物なしで、固体洗浄剤は、パッケージの後(2〜4時間の混合時間に基づく)でカプセル化物からの加えられた塩素活性の50〜85%を失う可能性があった。安定剤を用いた場合、塩素活性のロスは、同じ条件下で6〜12%に限定することができる。
【0107】
我々は、界面活性剤ブレンドを含むアルカリ性物品洗浄および洗濯洗浄剤の製造および貯蔵の間の本発明の固体洗浄剤における有機材料の色不安定性のための変色を防ぐ、安定化化合物の能力をも発見した。以下の例1において、スクロースの有効量(典型的には3〜6質量%(重量%))の添加は、キャスト固体洗浄剤中の褐変変色を防ぐ。オリジナルの白またはオフホワイトの色は、変化しない。
【0108】
【表9】

有機界面活性剤および増白剤で製造される際、(例II)、キャスト生成物は、明るい黄色の固体生成物である。安定剤無しでは、その生成物は、黄色/褐色になる。安定性テストは、固体材料に対して4ヵ月を越えてオリジナルの着色の変化または退色がなく実行された。
【0109】
【表10】

我々は、本発明の安定化化合物が固体洗浄剤組成物の分配特性をも安定化することを見出した。我々は、12〜16質量%(重量%)の水を含む固体に基づくスクロースの6質量%(重量%)を含む、水酸化ナトリウムベースのキャスト固体洗浄剤を調製した(混合物手順1〜4において製造されたものと同様)。我々は、吹き付け分配の間、スクロースの添加が固体ブロックの物理的な保全性を安定させることを見出した。固体ブロック表面は、そのブロックの表面にわたって直線上に浸食して、キャスト固体材料が別々に崩壊または分解するのを防ぐ。ブロックが吹き付けディスペンサーで完全に消費されるまで、固体ブロックの結果として生ずる物理的な保全性が、一貫した分配を与える。固体塊から固体部分は崩壊せず、ディスペンサーを塞がない。
【0110】
我々は、本発明のビシナル化合物がアルカリ性の固体酵素クリーナー材料中の酵素をも安定化することを見出した。また、我々は、炭水化物、二糖類、三糖類または多糖類材料を含む天然材料は、比較的純粋な試薬用化学品と同様に、本発明の組成物を安定させるのに有用であることに注目した。我々は、カゼイン等の蛋白質と組合せてラクトースの相当な割合を含むミルク固体が、スクロース安定化を増大させることができ、または安定化効果を与えることができることを見出した。我々はまた、ホウ酸化合物が本発明のビシナルヒドロキシル化合物と組合せて、有機、特に酵素材料の安定化に有用であることを見出した。固体ブロック材料を形成する一般的な方法を用いて、表2に示された材料が、またはビシナルヒドロキシル安定剤化合物としてのラクトースまたはスクロースの源として、乾燥ミルクまたはスクロースまたはそれの組合せの種々の割合を用いて調製された。スクロースおよびミルクの使用は、固体ブロック洗浄剤においていくらかの程度にそのアルカリ性プロテアーゼを安定させる。ホウ酸プラスのスクロース、またはホウ酸プラスのスクロースプラスのミルク固体は、スクロースホウ酸またはミルク固体なしの材料を含む固体酵素と比較されるとき、安定性の驚くべきレベルを与えた。
【0111】
【表11】

我々は、それらの組成物が汚れ除去性質を改良したことも見出した。用いられた処方およびテスト条件は以下の通りである。比較のために用いられた処方は、従来のアルカリ性の固体カーボネート固体洗浄剤、対6%のスクロースを有する同じ処方である。テスト濃度は、その洗浄において800ppmの全洗浄剤である。口紅は、再堆積ガラスだけの上で読み取られる。口紅の結果は、そのテスト中で用いられた3個の別々のガラス読みの平均値に基づく。このテストにおいて用いられた評価システムは、以下の通りである:
【0112】
口紅無し 1
【0113】
20%残り 2
【0114】
40%残り 6
【0115】
80%残り 4
【0116】
100%残り 5
【0117】
口紅除去は、1サイクル後の除去と、2〜10サイクル後の除去に基づいて報告される。我々は、この発見の後の少くとも3回の追加で別々のテストを行い、(実験誤差の範囲内で)デュプリケートの結果を可能とした。
【0118】
【表12】

【0119】
【表13】

これらの結果の比較により、スクロースを含む団体が驚く程に改良された汚れ除去を与えることが示される。特に、口紅除去は、炭水化物安定剤なしで作成した苛性アルカリ固体洗浄剤と比べて、予想されたよりも実質的により良好であった。
テストガラスは、テストまたはコントロール洗浄剤の所定の濃度および2000ppmの食品汚れ(food soil)で、制度的な物品洗浄機械で洗浄される。テストガラスのいくつかは、完全に全乳に浸されて、個々のサイクルの前に乾燥される。他のガラスは、未処理のままとし、汚れ再堆積のために検査した。
【0120】
装置および材料:
1.適当な水供給を取り付けた物品洗浄機。
【0121】
2.Raburnガラスラック。
【0122】
3.Libbey耐熱性ガラス製のタンブラー、10オンス
【0123】
4.牛肉シチュー汚れ
【0124】
5.ホットポイント汚れ
【0125】
6.ジャガイモのバッド(buds)
【0126】
7.全ミルク
【0127】
8.バランス
【0128】
9.テストを完了する充分な洗浄剤
【0129】
10.滴定装置およびアルカリ性を滴定する試薬。
【0130】
11.水硬度試険キット
【0131】
12.クーマシー(Coomassie)ブルー染料:
【0132】
脱イオン水中50%のメタノール 454ml
【0133】
氷酢酸 46ml
【0134】
クーマシー ブリリアント ブルーR(50%) 2.50g
【0135】
調製:
【0136】
1.8個のガラスをクリーニングする。
【0137】
2.食品汚れ混合物を調製する。牛肉シチュー汚れとホットポイント汚れを調製し、個々の汚れの等しい重さを混合して50/50の混合物を作成する。50/50の牛肉シチュー、ホットポイント汚れ、または1/3ジャガイモバッドと一緒の2/3の牛肉シチュー、ホットポイントの50/50の混合物のいずれかで、2000ppmの食品の濃度汚れをテストを通して洗濯タンク内で維持する。
【0138】
3.その皿洗い機(dishmachine)を適当な水で満たす。その水の硬度を検査する。その値を記録する。タンク加熱器をオンにする。
【0139】
4.洗濯サイクル温度と濯ぎサイクル温度は、フィールド条件にマッチさせるべきである。我々の目的のために、これは洗濯タンクに対して160〜17°F、および濯ぎ水に対して175〜190°Fである。
【0140】
5.皿洗い機をオンとし、および洗浄剤を分配するか、または適当な量を秤量して、その機械に適当な濃度で加える。大部分の我々のテストは、1000ppmの洗浄剤で行う。洗浄剤の適当なレベルがそのテストを通して維持されることを確実にするために、洗浄水サンプルを滴定するための滴定装置および0.10NのHClを用いる。皿洗い機とディスペンサーに洗浄剤の適当なレベルを維持するために、必要とされる任意の調整をも行う。
【0141】
6.食品汚れの濃度を2000ppmへ上げるのに充分な食品汚れを機械に加える。これを計算するために、リットルによる洗濯タンクのキャパシティーに2をかける。
【0142】
7.ガラスの5個を完全に全乳に浸して、湿気チャンバ中で100°F/65%RHで8分間乾燥させる(これらのガラスは全乳に浸され、そのテストの個々のサイクルの前に乾燥される)。それらが乾燥された後、Raburnガラスラック内にそのガラスを配置する。
【0143】
8.Raburnラック内に他の3つのきれいなガラスを配置する。それらをミルク処理したガラスから離しておく。
【0144】
これらのガラスの一つの上で、Cover Girl Really Red 口紅でサイクル毎に口紅のストリークを作る。
【0145】
9.個々の洗濯サイクルの後に、どれだけの水が置き換えられるかを決定する。これは、もし手で加えるならば、食品汚れのレベルを一定にしておくために個々のサイクル後に機械へどれだけ多くの食品汚れおよび洗浄剤を加えるかに影響するであろう。
10.HobartC−44において、7リットルの水が、個々の洗濯サイクルの後に交換される。我々は、2000ppmを維持するために、皿洗い機サイクルごとに食品汚れの14グラムを加える。
【0146】
11.我々は、5個のガラスを天秤に取り、14グラムの重さの食品汚れ、および手によって個々のガラスに加えられるであろう洗浄剤の適当な量を量る。一度に5個のガラスについて行うことは、どれだけ多くのサイクルが行われたかをより良好に追跡し続けることを助長する。その皿洗い機を通しての個々のサイクルの間のラックに、ガラスのうちの1つをさかさまに加える。
手順:
【0147】
1.そのテストを始める。一つの洗濯サイクルのためにそのラックをその皿洗い機に通す。そのミルク処理したガラスを再度汚し、乾燥する。そのラック内に再堆積ガラスを残す。個々のサイクルで食品汚れと洗浄剤を加えることを忘れない。
【0148】
2.5サイクルまで行うようにステップ1を繰り返す。洗浄剤の適当なレベルを維持するために、洗浄水をアルカリ性について再テストする。もし必要ならば、洗浄剤レベルを調節する。
【0149】
3.10サイクルまで行われるまで、ステップ1および2を繰り返す。
【0150】
4.そのガラスを一晩乾燥させる。強い光源を用いて、スポットおよびフィルム蓄積のために全てのガラスを評価する。
【0151】
スポット ファイル
【0152】
1 スポット無し 1 フィルム無し
【0153】
2 ランダムなスポット 2 トレース量のフィルム
【0154】
3 1/4表面 3 少量のフィルム
【0155】
4 1/2の表面 4 中程度フィルム
【0156】
5 100%の表面 5 多量のフィルム
【0157】
5.ミルク処理ガラスの1または2個を、クーマシーブルー染料に20秒間浸漬し、次いで水道水でよく濯ぐ。ガラス上に保持されたブルー染料の量は、そのガラスの上の蛋白質の量に比例する。
【0158】
1 ブルー無し 蛋白質無し
【0159】
1.5 トレース量のブルー トレース量の蛋白質
【0160】
2 軽いブルー 少量の蛋白質
【0161】
3 中位のブルー 中位の蛋白質
【0162】
4 ダークブルー 多量の蛋白質
【0163】
5 非常にダークブルー 非常に多量の蛋白質
結果の解釈
【0164】
ミルク処理されたガラスは、その上にスポット、フィルムまたは蛋白質が殆ど蓄積しない時は、最高の結果を有する。標準の洗浄剤をテストすべきであり、ガラスは、そのテスト処方を標準と比較できるように、維持すべきである。
【0165】
【表14】

図面の詳細な議論
【0166】
図1〜8に示されたデータは、本発明の逆反応インヒビター化合物の価値を示すために行われた大量の実験的手順の本体に対応する。これらの実験データは、その図内に示された条件を用いて、混合手順1〜4において示されたそれらに類似したものから得られた。図中の逆反応したトリポリのパーセンテージは、固体洗浄剤の全重さに基づくパーセント逆反応を言う。
【0167】
図1は、逆反応インヒビターとしてスクロースを用いている固体洗浄剤において、トリポリリン酸ナトリウムの逆反応の阻害を示す。図1中でキャストされた固体洗浄剤は、バリヤーコーティングなしで、20〜30の米国メッシュのSTPPで125°Fで18.5質量%(重量%)の水を有するキャスト可能な材料から製造される。その図は、スクロースの比を変えている4種の実験を示す。スクロース濃度が増大すると、キャスト洗浄剤は、増大された逆反応保護を得る。
【0168】
図2は、固体ブロックが150°Fで11質量%(重量%)の水で製造された以外は図1と同様に製造された固体ブロックにおいて、スクロースの量の増大とともに、驚くべきことに塩素安定性も増大されることを示す。スクロース濃度が増大すると、塩素安定性は実質的に増大する。図2は、元々3.8質量%(重量%)の有効塩素を含む界面活性剤ブロックに基づくパーセンテージを示す。
【0169】
図3は、固体ブロックが150°Fで12.6質量%(重量%)水で製造された以外は図1と同様の一連の実験の結果を示す。用いられたナトリウムトリポリホスフェートは、0%のスクロースまたは6%のスクロースのいずれかでのバリヤーコーティング、およびコーティングなしで作成される。最高のキャストブロックは、6%のスクロースおよびそのトリポリホスフェート上のEOPOブロックコポリマーのプレコートで製造される。
【0170】
図4は、STPPの粒径が約60〜80の米国メッシュである以外は図3に示されたものと同様の一連の実験の結果を示す。より小さい粒径は、逆反応の増大を生ずるが、6%のスクロースを用いるキャスト固体中のコートされたトリポリホスフェートは、2質量%(重量%)未満の逆反応を示した。
【0171】
図5は、6%のスクロースでコートされたおよび未コートのSTPPを有する図1と同じ条件下で行われた一連の実験の結果を示す。プレコートと6%のスクロースを有するより低い温度でのより大きい粒径は、実質的な逆反応阻害を示した。
【0172】
図6は、固体ブロックが125°Fと18.5質量%(重量%)水で製造された以外は、図4に示すそれらと同様の一連の実験の結果を示す。類似した逆反応阻害が示される。
【0173】
図7および8は、種々の濃度での他種類の提案された逆反応インヒビター化合物の阻害キャパシティーを示す。これらの固体ブロック洗浄剤は、混合手順1〜4で示されたそれに類似した条件を用いて製造された。これらの実験は、好ましいインヒビターが単糖類および二糖類であることを示す。
【0174】
図9は、6質量%(重量%)スクロースを用いて製造された本発明の安定化された固体洗浄剤が驚くほど改良されたクリーニング性能を有することを示す。対照テスト実験における固体アルカリ性洗浄剤を用いて、およびスクロースを用いて製造された全く同じ固体アルカリ性洗浄剤を用いて、スポットおよびフィルムクリーニング性能は著しく改良された。特に、その洗浄剤の単一サイクルおよび多数サイクルの口紅除去性は、スクロースなしで作成した固体洗浄剤より顕著に優れていた。
【0175】
上記明細書、例およびデータは、本発明の組成物の製造および使用の完全な記述を与える。本発明の多くの態様が本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われるため、本発明は、以下に付属する請求項内に存する。その請求項中のパーセンテージは、全体としての洗浄剤組成物に基づく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の成分を安定させ、および縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の加水分解不安定性を抑制または低減する固体ブロック機能性組成物を製造する方法であって、その方法は、以下を含む
(i):(a)アルカリ性の無機源の有効量と;
(b)無機縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤の少くとも約10質量%(重量%)と;
(c)ブレンドされた塊を形成するための少くとも2個のビシナルヒドロキシル基を有するC4 以上の有機化合物の安定化および逆反応抑制の有効量;その有機化合物はグルセロールエステル、または単糖、二糖、またはオリゴ糖を含む;
とを組合せ;および、
(ii)ブレンドされた塊を固体に形成するに際し;
縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の約15質量%(重量%)未満が逆反応する方法。
【請求項2】
前記トリポリホスフェートが、バリヤーコーティングを有する約200〜900ミクロンの粒径を有する粒子を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記逆反応インヒビターが3以上の隣接するビシナルヒドロキシル化合物を含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記逆反応インヒビターが、1〜15質量%(重量%)の炭水化物組成物を含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記炭水化物が、C4〜6炭水化物化合物またはそれらの混合物を含む請求項4の方法。
【請求項6】
前記逆反応インヒビターが、グルコース、ガラクトース、フラクトースまたはそれらの混合物を含む請求項5の方法。
【請求項7】
前記逆反応インヒビターが二糖類を含む請求項4の方法。
【請求項8】
前記二糖類がスクロース、マルトース、ラクトースまたはそれらの混合物を含む請求項7の方法。
【請求項9】
硬度金属イオン封鎖剤の約7質量%(重量%)未満が逆反応する請求項1の方法。
【請求項10】
処理およびパッケージの間、縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の約15質量%(重量%)未満が逆反応する請求項1の方法。
【請求項11】
固体洗浄剤が、ブレンド塊を固体に形成した後に実質的に変色しない請求項1の方法。
【請求項12】
プラスチックの容器内で、ブレンド塊が固体に形成される請求項1の方法。
【請求項13】
無機硬度金属イオン封鎖剤の有効量を含む固体ブロックアルカリ性洗浄剤組成物であって、その安定化された組成物は、以下を含む
(a)約10〜60質量%(重量%)のアルカリ性の無機源と;
(b)約10〜45質量%(重量%)の無機縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤と;
(c)約1〜15質量%(重量%)の少くとも2個のビシナルヒドロキシル基を有するC4 以上の有機化合物の安定化および逆反応抑制の有効量;その有機化合物はグルセロールエステル、または単糖、二糖、またはオリゴ糖を含む;
前記固体ブロックが容器内にパックされ、前記縮合ホスフェート金属イオン封鎖剤の約15質量%(重量%)未満が逆反応する組成物。
【請求項14】
前記逆反応インヒビターが3以上の隣接するビシナルヒドロキシル化合物を含む請求項13の組成物。
【請求項15】
前記逆反応インヒビターが、炭水化物を含む請求項13の組成物。
【請求項16】
前記炭水化物が、C4〜6炭水化物化合物またはそれらの混合物を含む請求項15の組成物。
【請求項17】
前記逆反応インヒビターが、グルコース、ガラクトース、フラクトースまたはそれらの混合物を含む請求項16の組成物。
【請求項18】
前記逆反応インヒビターが二糖類を含む請求項15の組成物。
【請求項19】
前記二糖類がスクロース、マルトース、ラクトースまたはそれらの混合物を含む請求項18の組成物。
【請求項20】
全縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤の約10質量%(重量%)未満が逆反応する請求項13の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−174256(P2010−174256A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−94401(P2010−94401)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【分割の表示】特願2000−526607(P2000−526607)の分割
【原出願日】平成10年10月2日(1998.10.2)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】