説明

アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むヘアコンディショニング組成物

アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪化合物、及び水性キャリアを含むヘアコンディショニング組成物を開示する。本発明の組成物は、改良されたコンディショニング効果、例えば、滑らかさ、柔らかさ、並びに及び濡れた毛髪及び乾燥した毛髪の両方を梳く際の容易さを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪化合物、及び水性キャリアを含むヘアコンディショニング組成物に関する。本発明の組成物は、改良されたコンディショニング効果、例えば、滑らかさ、柔らかさ、及び濡れた毛髪及び乾燥した毛髪の両方を梳く際の容易さを提供することができる。
【背景技術】
【0002】
ヒトの毛髪は、周囲の環境との接触や頭皮から分泌される皮脂のために汚れてくる。毛髪が汚れると、毛髪は不潔な感触や魅力のない外観を呈する原因となる。毛髪が汚れると定期的にシャンプーをする必要がある。
【0003】
シャンプーは、過剰の汚れや皮脂を除去することによって毛髪を清潔にする。しかしながら、シャンプーは毛髪を濡れた、もつれた、一般には扱いにくい状態にする可能性がある。毛髪がいったん乾くと、毛髪の天然油分、他の天然コンディショニング成分、及び潤いを与える成分が除去されるため、毛髪は、乾燥し、荒れて、光沢のない、又は縮れた状態になることが多い。更に毛髪は、乾燥するにつれて高レベルの静電気が残されていき、この静電気が櫛通りを妨げ、「はね上がった毛髪(fly-away hair)」と通常呼ばれる状態になるか、又は、特に長髪の場合に、望ましくない「枝毛」現象の一因となる可能性がある。
【0004】
毛髪の状態を整えるために様々な取り組みが開発されてきた。毛髪にコンディショニング効果を与える一般的な方法は、カチオン性界面活性剤とポリマー高融点脂肪化合物、低融点の油類、シリコーン化合物、及びこれらの混合物のようなヘアコンディショニング剤を使用することによるものである。これらコンディショニング剤のほとんどは、毛髪に付着することによってコンディショニング効果を与えることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記コンディショニング剤から期待したコンディショニングの有効性を得ることは依然として容易でない。前記コンディショニング剤の期待した付着を得ることは、依然として容易でない。
【0006】
上述に基づいて、改善されたコンディショニング効果、例えば、滑らかさ、柔らかさ、及び濡れた毛髪及び乾燥した毛髪の両方を梳く際の容易さを与えるヘアコンディショニング組成物が引き続き要望されている。コンディショニング剤の改良された付着を提供するヘアコンディショニング組成物もまた引き続き要望されている。
【0007】
既存の技術には、本発明の利点及び効果の全てを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次のものを含むヘアコンディショニング組成物に関する:
(A)次の(A1)、(A2)、及びこれらの混合物から成る群から選択されるアルキルジ四級化アンモニウム塩であるカチオン性界面活性剤が、約0.01重量%〜約4.0重量%:
(A1)次式を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩:
【0009】
【化1】

(式中、R1は、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和、及び/又は官能化もしくは非官能化C12〜C30アルキル鎖(該官能化アルキル鎖は、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−及び−(R5−O)n−(この際、R5は、C2〜4アルキレンであり、nは0〜30の整数である)から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表し;R2は、C1〜3アルキル、ヒドロキシアルキル、又は(R5−O)n−Hを表し;R3は、R2又はHを表し;R4は、官能化又は非官能化C2〜8アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表す)及び、
(A2)次式を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩:
【0010】
【化2】

(式中、R1〜R4は、上述したものと同一構造を表し;Xは、CH又はNを表し;R6は、官能化又は非官能化C1〜10アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表す)
(B)約0.1重量%〜約20重量%の高融点脂肪化合物;並びに
(C)水性キャリア。
【0011】
本発明のヘアコンディショニング組成物は、改良されたコンディショニング効果、例えば、滑らかさ、柔らかさ、並びに濡れた毛髪及び乾燥した毛髪の両方を梳く際の容易さを提供することができる。本発明の前述及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を読むことで、よりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0013】
本明細書において「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0014】
特に指定しない限り、百分率、割合、及び比率は全て、本発明の組成物の総重量を基準とする。提示された成分に関するこのような重量は、全て、活性物質の濃度に基づき、従って市販材料に含まれる可能性があるキャリア又は副生成物を含まない。
【0015】
本明細書において「混合物」とは、物質の単純な組み合わせ及びそれらの組み合わせの結果として生じ得るあらゆる化合物も包含することを意味する。
【0016】
組成物
本発明のヘアコンディショニング組成物は、アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪化合物、及び水性キャリアを含む。前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を使用することにより、本発明の前記組成物は、改良されたコンディショニング効果を提供すると考えられている。このような改良されたコンディショニング効果は、前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の改良された付着並びにゲルマトリックス、即ち、前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤及び脂肪化合物により形成されるより稠密な層状ゲルマトリックスの改良された構造安定性によるものとも考えられる。
【0017】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、前記脂肪化合物、及び水性キャリアが、本発明の組成物中の層状ゲルマトリックスを含むゲルマトリックスを形成すると考えられている。前記ゲルマトリックスは、各種コンディショニング効果、例えば、濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感及び滑らかさ並びに乾燥した毛髪へのソフト感及びしっとり感を提供するのに適している。前記ゲルマトリックスのうち、層状ゲルマトリックスは、改良された濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を提供することができる。前記層状ゲルマトリックスのうち、より稠密な層状ゲルマトリックスは、改良された濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を提供することができる。本発明のアルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の利用は、より稠密な層状ゲルマトリックスをもたらし、このようなより稠密な層状ゲルマトリックスは、改良されたコンディショニング効果、特に、濡れた毛髪上でのつるつる感及び滑らかさをもたらすと考えられる。
【0018】
上記のゲルマトリックスを提供する観点から、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪化合物は、前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物の重量比が、好ましくは約1:1〜約1:10、より好ましくは約1:1〜約1:4の範囲の濃度で含有されている。
【0019】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、三級アミン、三級アミン塩、単長アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、例えば、ベヘントリモニウムクロライド及びステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ−長アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤と比較して、より稠密な層状ゲルマトリックスを提供することができることも明らかとなっている。好ましくは、より稠密な層状ゲルマトリックスを得る観点から、本発明の組成物は、本発明において必要とされるようなもの以外の他のカチオン性界面活性剤を実質的に含まない。このような「他のカチオン性界面活性剤」としては、例えば、モノ長アルキル四級化アンモニウム塩が挙げられ、ここで、アニオンは、C1〜C4アルキルサルフェート、三級アミン、三級アミンの塩、及びジ−長鎖アルキル四級化アンモニウム塩ではない。本発明において、「他のカチオン性界面活性剤を実質的に含まない」とは、組成物が、このような他のカチオン性界面活性剤を合計で、1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0%含有することを意味する。
【0020】
本発明のヘアコンディショニング組成物は、ゲルマトリックスの安定性の観点から、好ましくはアニオン性化合物を実質的に含まない。本明細書のアニオン性化合物には、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマー類が挙げられる。本発明において、「アニオン性化合物を実質的に含まない」とは、前記組成物が1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0%のアニオン性化合物を含有することを意味する。
【0021】
本発明のヘアコンディショニング組成物のpHは、好ましくは約3〜約9、より好ましくは約3〜約7である。
【0022】
アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含む。前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.01%〜約5.0%、より好ましくは約0.1%〜約3.5%の濃度で含まれる。
【0023】
本明細書で有用なアルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、2個の四級窒素原子を有するものである。本明細書で有用なアルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、次の:
(A1)次式を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩:
【0024】
【化3】

(式中、R1は、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和、及び/又は官能化もしくは非官能化C12〜C30アルキル鎖(該官能化アルキル鎖は、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−及び−(R5−O)n−(この際、R5は、C2〜4アルキレンであり、nは0〜30の整数である)から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表し;R2は、C1〜3アルキル、ヒドロキシアルキル、又は−(R5−O)n−Hを表し;R3は、R2又はHを表し;R4は、官能化又は非官能化C2〜8アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表す)及び、
(A2)次式を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩:
【0025】
【化4】

(式中、R1〜R4は、上述したものと同一構造を表し;Xは、CH又はNを表し;R6は、官能化又は非官能化C1〜10アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表す)を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩、;並びに及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルキルジ四級化アンモニウム塩である。
【0026】
好ましくは、該アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、次のものから成る群から選択される:式(A1)を有し、式中、R4が−OH基で官能化されたC2〜8アルキレンであり、例えば、INCI名「ヒドロキシプロピル−ビス−ステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド」を有するようなものであるもの;式(A2)を有するもの;及びこれらの混合物。
【0027】
高融点脂肪化合物
本発明のヘアコンディショニング組成物は、高融点脂肪化合物を含む。高融点脂肪化合物は、前記組成物中に、該組成物の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、更により好ましくは約2重量%〜約8重量%の濃度で含まれる。
【0028】
本明細書に有用な高融点脂肪化合物は25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体及びこれらの混合物から成る群から選択される。当業者は、本明細書のこの項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属することができる(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体類が脂肪酸誘導体類として分類されることもあり得る)ことを理解している。しかしながら、示されている分類は、その特定の化合物に対する限定であるように意図するのではなく、分類及び命名法の便宜上そのようにしている。更に、当業者は、二重結合の数と位置、及び分枝の長さと位置によっては、特定の必要とされる炭素原子を有する特定の化合物が25℃未満の融点を有することがあることを理解している。そのような低融点の化合物はこの項に含まれないものとする。高融点化合物の非限定的な例は、国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版、1993年、及びCTFA化粧品成分ハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、1992年に記載されている。
【0029】
本明細書で有用な脂肪族アルコール類は、炭素原子数約14〜約30、好ましくは炭素原子数約16〜約22であるものである。これらの脂肪族アルコール類は飽和であり、直鎖もしくは分枝鎖アルコールであることができる。脂肪族アルコール類の非限定的な例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0030】
本明細書で有用な脂肪酸類は、炭素原子数約10〜約30、好ましくは炭素原子数約12〜約22、より好ましくは炭素原子数約16〜約22であるものである。これらの脂肪酸は飽和であり、直鎖もしくは分枝鎖の酸であり得る。また、本明細書の要件を満たす、二酸、三酸、及び他の多酸も包含される。また本明細書には、これらの脂肪酸類の塩も包含される。脂肪酸の非限定的な例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
本明細書で有用な脂肪族アルコール誘導体類及び脂肪酸誘導体類としては、脂肪族アルコールのアルキルエーテル類、アルコキシル化脂肪族アルコール類、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル類、脂肪族アルコールのエステル類、エステル化が可能なヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル類、ヒドロキシ置換脂肪酸類、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪族アルコール誘導体類及び脂肪酸誘導体類の非限定的な例としては、メチルステアリルエーテルのような物質;セチルアルコールのエチレングリコールエーテル類であるセテス−1〜セテス−45のような化合物のセテスシリーズ(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を表す。);ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテル類であるステアレス−1〜10のような化合物のステアレスシリーズ(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を示す。);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテル類、即ちセチル及びステアリルアルコールを主に含有する脂肪族アルコール類の混合物であるセテアレス1〜10(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を示す。);前述のセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のC1〜C30のアルキルエーテル類;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル類;エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチルミリステート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート及びこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
高純度の単一化合物の高融点脂肪化合物類が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールから成る群より選択される純粋な脂肪族アルコール類の単一化合物が極めて好ましい。本明細書で「純粋」とは、化合物が少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の純度を有することを意味する。高純度のこれら単一化合物は、消費者が前記組成物をすすぎ落とす時に、毛髪からの良好なすすぎやすさを提供する。
【0033】
水性キャリア
本発明のヘアコンディショニング組成物は、水性キャリアを含む。このキャリアの濃度と種は、他の成分との適合性及び当該製品の他の所望の特性により選択される。
【0034】
本発明で有用な前記キャリアには、水、並びに低級アルキルアルコール類及び多価アルコール類の水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコール類は、炭素数1〜6の一価アルコール類、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコール類には、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0035】
好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水が好ましく使用される。ミネラルカチオン類を含む天然供給源からの水も、製品の所望の特性に応じて使用することができる。一般に、本発明の前記組成物は、約20%〜約95%、好ましくは約30%〜約92%、更に好ましくは約50%〜約90%の水を含む。
【0036】
シリコーン化合物
好ましくは、本発明の組成物は好ましくはシリコーン化合物を含有する。シリコーン化合物は、乾燥した毛髪に滑らかさ及び柔らかさを提供することができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは約1重量%〜約8重量%の濃度で使用される。
【0037】
単一化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物のブレンド又は混合物として、もしくは少なくとも1つのシリコーン化合物及び少なくとも1つの溶媒のブレンド又は混合物として、本明細書で有用なシリコーン化合物は、25℃にて、好ましくは約1,000〜約2,000,000mPa・sの粘度を有する。
【0038】
粘度は、ダウ・コーニング・コーポレート(Dow Corning Corporate)試験方法CTM0004、1970年7月20日に記載されるガラスキャピラリー粘度計によって測定できる。好適なシリコーン流体には、ポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー類、アミノ置換シリコーン類、四級化シリコーン類及びこれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
【0039】
好ましくは、前記シリコーン化合物は、前記組成物中にて、約1ミクロン〜約50ミクロンの平均粒径を有する。
【0040】
本明細書で有用なシリコーン化合物には、以下の構造式:
【0041】
【化5】

(式中、R93はアルキル又はアリールであり、pは約7〜約8,000の整数である。Z8はシリコーン鎖の末端を止める基を表す)を有するポリアルキル又はポリアリールシロキサン類が挙げられる。シロキサン鎖上で置換されるアルキルもしくはアリール基(R93)又はシロキサン鎖の末端に置換されるアルキルもしくはアリール基Z8は、得られるシリコーンが室温で流体のままであり、分散性があり、毛髪に適用された時に刺激性がなく、毒性やその他の害もなく、組成物の他の成分と相溶性があり、通常の使用及び保管条件下で化学的に安定であり、毛髪に付着することができ、毛髪の状態を整える限り、いかなる構造をも有することができる。好適なZ8基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。シリコーン原子上の2つのR93基は、同一の基又は異なる基を表してもよい。好ましくは、2つのR93基は同一の基を表す。好適なR93基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン化合物はポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンである。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンは、特に好ましい。使用され得るポリアルキルシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのシリコーン化合物は、例えば、ビスカシル(Viscasil)(登録商標)及びTSF451シリーズでゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)から、並びにダウ・コーニング(Dow Corning)SH200シリーズでダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能である。
【0042】
上記ポリアルキルシロキサン類は、例えば、低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。そのような混合物は、好ましくは約1,000mPa・s〜約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s〜約50,000mPa・sの粘度を有する。好ましくは、()25℃にて、約100,000mPa・
s〜約30,000,000mPa、好ましくは約100,000mPa・s〜約20,000,000mPa・sの粘度を有する第一シリコーンと、(ii)25℃にて、約5
mPa・s〜約10,000mPa、好ましくは約5mPa・s〜約5,000mPa・sの粘度を有する第二シリコーン、との混合物である。本明細書で有用なそのような混合物には、例えば、GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンと、200mPa・sの粘度を有するジメチコンとのブレンド、及びGE東芝から入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンと、シクロペンタシロキサンとのブレンドが挙げられる。
【0043】
本明細書で有用なシリコーン化合物は、また、シリコーンガムを含む。用語「シリコーンガム」とは、本明細書で使用する時、25℃で1m2/s(1,000,000センチストークス)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載のシリコーンガム類はまた、上に開示したシリコーン化合物と一部重複する部分も有り得るとみなされる。この重複は、これらの物質のいずれにおいても限定を意図しない。「シリコーンガム」は、典型的に約200,000を越え、一般的に約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン)コポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーンガム類は、例えば、低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なそのような混合物には、例えば、信越(Shin-Etsu)から入手可能なゴム/シクロメチコンブレンドが挙げられる。
【0044】
使用することができるシリコーン化合物には、例えば、ポリプロピレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンが挙げられるが、エチレンオキシド、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物も使用することができる。このエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドの濃度は、シリコーンの分散特性を妨げないように十分に低くあるべきである。これらの物質はジメチコンコポリオールとしても知られている。
【0045】
本明細書で有用なシリコーン化合物には、また、アミノ置換物質が挙げられる。好ましいアミノシリコーン類としては、例えば、次の一般式():
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a
(式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8アルキル、好ましくは、メチル;aは、0又は1〜3の値を有する整数、好ましくは、1;bは、0、1又は2、好ましくは、1;nは、0〜1,999の数;mは、0〜1,999の整数;n及びmの合計は、1〜2,000の数;aとmとが、両方共に0ではない;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の基から選択される:−N(R2)CH2−CH2−N(R22;−N(R22;−N(R23-;−N(R2)CH2−CH2−NR22-;式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1〜約C20のアルキルラジカル;A-は、ハロゲン化物イオンを表す)を有するアミノシリコーンである。
【0046】
極めて好ましいアミノシリコーンは、式()に対応するものであり、式中、m=0、
a=1、q=3、G=メチルで、nは、好ましくは約1500〜約1700、より好ましくは約1600;及びLは、−N(CH32又は−NH2、より好ましくは−NH2である。別の極めて好ましいアミノシリコーンは、式()に対応するものであり、式中、
m=0、a=1、q=3、G=メチルで、nは、好ましくは約400〜約600、より好ましくは約500;及びLは、−N(CH32又は−NH2、より好ましくは−NH2である。このような極めて好ましいアミノシリコーンは、末端アミノシリコーンと呼ばれるが、これはシリコーン鎖の一端又は両端が、窒素含有基によって末端処理されているためである。
【0047】
上述のアミノシリコーン類を組成物中に組み込む場合、低粘度を有する溶媒と混合することができる。このような溶媒としては、例えば、極性もしくは非極性、揮発性若しくは不揮発性油が挙げられる。このような油としては、例えば、シリコーンオイル、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような各種溶媒のうち、好ましいものは、非極性、揮発性炭化水素類、揮発性環状シリコーン類、不揮発性線状シリコーン類及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。本明細書で有用な不揮発性線状シリコーン類は、25℃にて、約1E−6m2/s〜約0.02m2/s(約1〜約20,000センチストークス)、好ましくは約2E−5m2/s〜約0.01m2/s(約20〜約10,000センチストークス)の粘度を有するようなものである。好ましい溶媒のうち、極めて好ましいのは、アミノシリコーン類の粘度を低下させ、及び乾いた毛髪の低減された摩擦のような改善されたヘアコンディショニング効果を提供する点で、非極性で揮発性の炭化水素類、特に非極性で揮発性のイソパラフィン類である。そのような混合物は、好ましくは約1,000mPa・s〜約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s〜約50,000mPa・sの粘度を有する。
【0048】
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物として、次の構造(II):
【0049】
【化6】

(式中、R94は、H、CH3又はOHであり;p1及びp2は1以上の整数であり、ここでp1とp2との合計は650〜1,500であり;q1及びq2は1〜10の整数である)によって表されるものが挙げられる。Z8はシリコーン鎖の末端を止める基を表す)を有するポリアルキル又はポリアリールシロキサン類が挙げられる。好適なZ8基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。極めて好ましいものは、「アモジメチコン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコン類としては、例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能なBY16−872が挙げられる。
【0050】
使用することができる他のアミノ置換シリコーンポリマーは、以下の式:
【0051】
【化7】

(式中、R98は1から18個までの炭素原子を有する一価の炭化水素基、好ましくはアルキル又はアルケニル基、例えばメチルを示し;R99は炭化水素基、好ましくはC1〜C18アルキレン基又はC1〜C18、そして更に好ましくはC1〜C8アルキレンオキシ基を示し;Q-はハロゲン化物イオン、好ましくはクロリドであり;p5は2から20まで、好ましくは2から8までの平均統計的値を示し;p6は20から200まで、また好ましくは20から50までの平均統計的値を示す)により表される。
【0052】
上記シリコーン化合物は更に、機械的混合によるか又はエマルション重合化による合成段階で、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される界面活性剤の助けを借りて又は助け無しで製造されるエマルションの形態で本発明の組成物に組み入れることができる。
【0053】
追加の成分
本発明の前記組成物は、他の追加的な成分を包含してもよく、それは最終的な製品の所望の特性に照らして当業者により選択されてもよく、またそれは前記組成物をより美容的又は審美的に許容可能なものにするかあるいは付加的な使用効果を前記組成物に提供するのに好適なものである。このような他の追加的な成分は、一般に、前記組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%までの濃度で個々に使用される。
【0054】
他の多種多様な追加的な成分が本組成物に配合可能である。これらとしては、ホーメル(Hormel)から商標名ペプテイン(Peptein)2000として入手可能なコラーゲン加水分解物、エーザイ(Eisai)から商標名Eミックス−d(Emix−d)として入手可能なビタミンE、ロシュ(Roche)から入手可能なパンテノール、ロシュから入手可能なパンテニルエチルエーテル、ケラチン加水分解物、タンパク質、植物の抽出物及び栄養素のようなその他のコンディショニング剤;ゴールドシュミット(Goldschmidt)から商標名バロニック(Varonic)APMとして入手可能なPPG−3ミリスチルエーテル、トリメチルペンタノールヒドロキシエチルエーテル、ゴールドシュミットから商標名バロニックAPSとして入手可能なPPG−11ステアリルエーテル、ゴールドシュミットから商標名テゴソフト(Tegosoft)SHとして入手可能なヘプタン酸ステアリル、ゴールドシュミットから入手可能なラクチル(Lactil)(乳酸ナトリウム、ナトリウムPCA、グリシン、フルクトース、尿素、ナイアシンアミド、イノシトール、安息香酸ナトリウム及び乳酸の混合物)、日新製油(Nishin Seiyu)から商標名サラコス(Saracos)として及びゴールドシュミットから商標名テゴソフトOPとして入手可能なパルミチン酸エチルヘキシルなどの皮膚軟化剤;両性固定剤ポリマー、カチオン性固定剤ポリマー、アニオン性固定剤ポリマー、非イオン性固定剤ポリマー及びシリコーングラフトコポリマーのような毛髪固定剤ポリマー;ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素のような防腐剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムのようなpH調整剤;一般に酢酸カリウム及び塩化ナトリウムなどの塩類;いずれかのFD&C又はD&C染料のような着色剤;過酸化水素、過ホウ酸塩及び過硫酸塩のような毛髪酸化(脱色)剤;チオグリコール酸塩のような毛髪還元剤;香料;エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのような金属イオン封鎖剤;サリチル酸オクチルのような紫外線及び赤外線の遮断剤及び吸収剤;並びにジンクピリチオン及びサリチル酸のような抗フケ剤が挙げられる。
【0055】
ポリソルベート
本発明のヘアコンディショニング組成物は、レオロジーを調整するためにポリソルベートを含有してよい。本明細書で有用な好ましいポリソルベートとしては、例えばポリソルベート−20、ポリソルベート−21、ポリソルベート−40、ポリソルベート−60、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリソルベート−20が極めて好ましい。
【0056】
ポリソルベートは、約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.05重量%〜約2重量%の濃度で前記組成物に含有され得る。
【0057】
ポリプロピレングリコール
本明細書で有用なポリプロピレングリコールは、約200g/mol〜約100,000g/mol、好ましくは約1,000g/mol〜約60,000g/molの重量平均分子量を有するものである。論理に制限されるものではないが、本明細書におけるポリプロピレングリコールは、毛髪に付着するか又は毛髪に吸収されて、保湿剤緩衝剤として作用する、及び/又は1つ以上の他の所望のヘアコンディショニング効果をもたらすと考えられる。
【0058】
本明細書で有用なポリプロピレングリコールは、重合度に応じて、また他の部分がそれに結合しているか否かに応じて、水溶性であるか又は水不溶性であるかのいずれかであってよく、あるいは水中での限定された溶解度を有してもよい。ポリプロピレングリコールの水中での望ましい溶解度は、大部分は、ヘアケア組成物の形態(例えば、リーブオン又はリンスオフ形態)に左右される。例えば、リンスオフ・ヘアケア組成物では、本明細書のポリプロピレングリコールは、25℃で約1g/100g水未満の水中溶解度、より好ましくは約0.5g/100g水未満の水中溶解度、さらにより好ましくは約0.1g/100g水未満の水中溶解度を有することが好ましい。
【0059】
ポリプロピレングリコールは、本発明のヘアコンディショニング組成物中に、好ましくは前記組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約6重量%、さらにより好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の濃度で包含され得る。
【0060】
低融点オイル
本明細書で有用な低融点オイル類は、25℃未満の融点を有するものである。本明細書で有用な低融点オイルは、炭素原子数10〜約40の炭化水素;オレイルアルコールのような炭素原子数約10〜約30の不飽和脂肪族アルコール類;炭素原子数約10〜約30の不飽和脂肪酸類;脂肪酸誘導体類;脂肪族アルコール誘導体類;ペンタエリスリトールエステル油類、トリメチロールエステル油類、クエン酸エステル油類及びグリセリルエステル油類のようなエステル油類;ポリα−オレフィン油類;並びにこれらの混合物から成る群より選択される。本明細書における好ましい低融点オイル類は、ペンタエリスリトールエステル油類、トリメチロールエステル油類、クエン酸エステル油類及びグリセリルエステル油類のようなエステル油類;ポリα−オレフィン油類;ならびにこれらの混合物から成る群より選択される。
【0061】
本明細書における特に有用なペンタエリスリトールエステル油類及びトリメチロールエステル油類には、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラオレイン酸ペンタエリスリトール、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオレイン酸トリメチロールプロパン、及びこれらの混合物が挙げられる。このような化合物は、コーキョウ・アルコール(Kokyo Alcohol)から商標名KAKPTI、KAKTTIとして、及び新日本理化株式会社(Shin-nihon Rika)から商標名PTO、ENUJERUBU TP3SOとして入手可能である。
【0062】
本明細書において特に有用なクエン酸エステル油類としては、バーネル(Bernel)から商標名シトモール(CITMOL)316として入手可能なクエン酸トリイソセチル、フェニックス(Phoenix)から商標名ペレモール(PELEMOL)TISCとして入手可能なクエン酸トリイソステアリル、及びバーネル(Bernel)から商標名シトモール(CITMOL)320として入手可能なクエン酸トリオクチルドデシルが挙げられる。
【0063】
本明細書において特に有用なグリセリルエステル油類には、太陽化学株式会社(Taiyo Kagaku)から商標名サン・エスポール(SUN ESPOL)G−318として入手可能なトリイソステアリン、クローダ・サーファクタンツ(Croda Surfactants Ltd.)から商標名シスロール(CITHROL)GTOとして入手可能なトリオレイン、ヴェヴィ(Vevy)から商標名エファダーマ−F(EFADERMA-F)又はブルックス(Brooks)から商標名エファ−グリセライズ(EFA-GLYCERIDES)として入手可能なトリリノレインが挙げられる。
【0064】
本明細書において特に有用なポリα−オレフィン油類には、エクソン・モービル(Exxon Mobil Co.)から入手可能な、数平均分子量が約500の商標名ピュアシン6(PURESYN 6)、数平均分子量が約3000の商標名ピュアシン100(PURESYN 100)及び数平均分子量が約6000の商標名ピュアシン300(PURESYN 300)としてのポリデセン類が挙げられる。
【0065】
カチオン性ポリマー
本明細書で有用なカチオン性ポリマー類は、少なくとも約5,000、典型的には約10,000〜約10,000,000、好ましくは約100,000〜約2,000,000の平均分子量を有するものである。
【0066】
好適なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性アミンもしくは四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマー類と、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン並びにビニルピロリドンのような水溶性スペーサーモノマー類とのコポリマーが挙げられる。他の好適なスペーサーモノマーには、ビニルエステル、ビニルアルコール(ポリビニルアセテートの加水分解によって作られる)、無水マレイン酸、プロピレングリコール及びエチレングリコールが挙げられる。本明細書で有用な他の好適なカチオン性ポリマー類には、例えば、カチオン性セルロース類、カチオン性デンプン類、及びカチオン性グアーゴム類が挙げられる。
【0067】
ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコールを追加的な成分として使用することもできる。本明細書で有用な、特に好ましいポリエチレングリコール類は、nが約2,000の平均値を有するPEG−2M(PEG−2Mはまた、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)からのポリオックス(Polyox)WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000としても既知である);nが約5,000の平均値を有するPEG−5M(PEG−5Mはまた、いずれもユニオン・カーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)N−35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80として、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000としても既知である);nが約7,000の平均値を有するPEG−7M(PEG−7Mはまた、ユニオン・カーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)N−750としても既知である);nが約9,000の平均値を有するPEG−9M(PEG−9Mはまた、ユニオン・カーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても既知である);並びにnが約14,000の平均値を有するPEG−14M(PEG−14Mはまた、ユニオン・カーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)N−3000として既知である)である。
【0068】
製品形態
本発明のヘアコンディショニング組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であることができ、不透明であることもでき、これらに制限されないが、クリーム、ジェル、エマルション、ムース及びスプレーを包含する多種多様な製品形態で配合されることができる。好ましくは、本発明の毛髪組成物は、リンスオフ製品の形態である。このようなリンスオフヘアコンディショニング組成物は、好ましくは、次の工程で使用される。
【0069】
(i)毛髪をシャンプーした後、該毛髪をコンディショニングするために、該毛髪に有効量の請求項1に記載のコンディショニング組成物を適用する工程;及び
(ii)その後、該毛髪をすすぐ工程。
【実施例】
【0070】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に記載し実証する。これらの実施例は、説明の目的で提示されているに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変形が可能であるため、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。成分は、適用できる場合は、化学名又はCTFA名称で識別され、そうでない場合には下記で定義される。
【0071】
特に指示がない限り、パーセントは全て、本発明の組成物の総重量に基づいている。提示された成分に関するこのような重量は、全て、活性物質の濃度に基づき、従って市販材料に含まれる可能性があるキャリア又は副生成物を含まない。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
成分の定義
*1アルキルジ四級化アンモニウム塩−1:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*2アルキルジ四級化アンモニウム塩−2:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ベヘニル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*3アルキルジ四級化アンモニウム塩−3:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ステアラミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*4アルキルジ四級化アンモニウム塩−4:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*5ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート:クローダから入手可能
*6シリコーン化合物−1:ジメチコン/シクロメチコン:GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンとシクロペンタシロキサンとのブレンド
*7シリコーン化合物−2:ジメチコンブレンド:GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンと200mPa・sの粘度を有するジメチコンとのブレンド
*8シリコーン化合物−3:GEから入手可能、10,000mPa・sの粘度を有し、且つ次の式()を有する末端アミノシリコーン:
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a
(式中、Gは、メチル;aは、1の整数;bは、0、1又は2、好ましくは、1;nは、400〜約600の数;mは、0の整数;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカル(式中、qは、3の整数であり、Lは、−NH2)を表す)を有する末端アミノシリコーン
*9シリコーン化合物−4:ワッカー(Wacker)から商標名AD1100として入手可能で、粘度が4,000mm2・s-1
*10PPG−34:サンヨー・カセイ(Sanyo Kasei)から入手可能なニュー・ポール(New Pol)PP−2000
*11ポリα−オレフィン油:エクソン・モービル(Exxon Mobil)から入手可能なピュアシン100
*12メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン:ローム&ハース社(Rohm & Haas)から入手可能なカトン(Kathon)CG
*13 パンテノール:ロシュ(Roche)から入手可能
*14 パンテニルエチルエーテル:ロシュ(Roche)から入手可能
*15 コラーゲン加水分解物:ホーメル(Hormel)から入手可能なペプテイン(Peptein)2000
*16 ビタミンE:エーザイ(Eisai)から入手可能なEミックス−d(Emix-d)
*17 ベヘナミドプロピルジメチルアミン:クローダから入手可能なインクロミン(Incromine)BB'
【0075】
調製方法
上記で示した「実施例1」〜「実施例10」のヘアコンディショニング組成物は当該技術分野において周知の従来の方法のいずれかで調製できる。これらは、次のようにして好適に調製される。
【0076】
脱イオン水を85℃に加熱する。水にカチオン性界面活性剤及び高融点脂肪化合物を混ぜ込む。前記構成成分が均質化して固体が観察されなくなるまで、水を約85℃の温度で保持する。次に、混合物を約55℃まで冷却し、この温度で保持してゲルマトリックスを形成する。シリコーン化合物を、前記ゲルマトリックスに添加する。ポリα−オレフィン系油類、ポリプロピレングルコール類、及び/又はポリソルベート類を包含する場合は、これらもゲルマトリックスに添加する。前記ゲルマトリックスは、この間、均質化を保証するために一定の攪拌を続けながら、約50℃に保持する。均質化した後、これを室温まで冷却する。香料及び防腐剤のような他の追加的な構成成分を包含する場合、これらも攪拌しながら添加する。物質を分散するのに必要であれば、トリブレンダー及び/又はミルを各工程で使用することができる。
【0077】
開示され、前記「実施例1」〜「実施例10」により表される実施形態は、多くの利点を有する。例えば、それらはリンスオフ製品として特に適しており、改良されたコンディショニング効果、例えば、滑らかさ、柔らかさ、並びに濡れた毛髪及び乾燥した毛髪の両方を梳く際の容易さを提供できる。
【0078】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲内においては、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0079】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変形及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)次の(A1)、(A2)、及びこれらの混合物から成る群から選択されるアルキルジ四級化アンモニウム塩である、約0.01重量%〜約10重量%のカチオン性界面活性剤:
(A1)次式を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩:
【化1】

(式中、R1は、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和、及び/又は官能化もしくは非官能化C12〜C30アルキル鎖(該官能化アルキル鎖は、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−及び−(R5−O)n−(この際、R5は、C2〜4アルキレンであり、nは0〜30の整数である)から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表わし;R2は、C1〜3アルキル、ヒドロキシアルキル、又は−(R5−O)n−Hを表わし;R3は、R2又はHを表わし;R4は、官能化又は非官能化C2〜8アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表す)及び、
(A2)次式を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩:
【化2】

(式中、R1〜R4は、上述したものと同一構造を表わし;Xは、CH又はNを表わし;R6は、官能化又は非官能化C1〜10アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表す)
(B)約0.1重量%〜約20重量%の高融点脂肪化合物;並びに
(C)水性キャリア
を含むヘアコンディショニング組成物。
【請求項2】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が、式(A1)(式中、R4は、−OHで官能化されたC2〜8アルキレンを表す)を有するものから選択される、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項3】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が、式(A2)を有するものから選択される、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記組成物が、前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤以外の他のカチオン性界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項5】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤対前記高融点脂肪化合物の重量比が、約1:1〜約1:10の範囲内である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物の重量比が、約1:1〜約1:4の範囲内である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項7】
約0.1%〜約20%のシリコーン化合物を更に含む、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項8】
前記シリコーン化合物が、次の一般式:
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a
(式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8アルキル;aは、0又は1〜3の値を有する整数;nは、0〜1,999の数;mは、0〜1,999の整数;n及びmの合計は、1〜2,000の数;aとmとが、両方共に0ではない;R1は、一般式Cq2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の基から選択される:−N(R2)CH2−CH2−N(R22;−N(R22;−N(R23-;−N(R2)CH2−CH2−NR22-;式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル又は飽和炭化水素ラジカル;A-は、ハロゲン化物イオンである)
を有するアミノシリコーンである、請求項7に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項9】
前記アミノシリコーンが、非極性、揮発性炭化水素類、揮発性環状シリコーン類、不揮発性線状シリコーン類及びこれらの混合物から成る群から選択される低粘度を有する溶媒と混合される、請求項8に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項10】
前記シリコーン化合物が、()25℃にて、約100,000mPa・s〜約30,
000,000mPa・sの粘度を有する第一シリコーンと、(ii)25℃にて、約5
mPa・s〜約10,000mPa・sの粘度を有する第二シリコーンとの混合物である、請求項7に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項11】
前記組成物が、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項12】
(i)毛髪をシャンプーした後、該毛髪をコンディショニングするため、請求項1に記載のコンディショニング組成物の有効量を該毛髪に適用する工程;及び
(ii)その後、該毛髪をすすぐ工程
を含む、毛髪をコンディショニングする方法。

【公表番号】特表2008−515900(P2008−515900A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535775(P2007−535775)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/035829
【国際公開番号】WO2006/044208
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】