説明

アルギネートを含む多孔性成型品の製造方法

本発明はアルギネートを含む多孔性またはスポンジ様の成型品の製造方法、および、それによって得られる成型品、およびその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルギネート(alginate)を含む多孔性またはスポンジ様の成型品の製造方法、および、それによって得られる成型品、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルギン酸のアルカリ金属塩、例えば、アルギン酸ナトリウムは水溶性であるが、アルギン酸のアルカリ土類金属塩、例えば、アルギン酸カルシウムが水に不溶性であることは知られている。従って、水に不溶性の層は、例えば、アルギン酸ナトリウムのうすいフィルムに塩化カルシウム溶液を吹きつけることにより形成することができる。一方、より厚い層を形成したい場合、溶液粘度が著しく増加するために、遊離のカルシウムイオンをアルギン酸ナトリウム溶液に均一に混合することが、一層難しくなり、生成物は均一ではなく、不均一なアルギン酸カルシウムの凝集物となるという問題がある。
【0003】
この問題を克服するために、例えば、米国特許第5718916号は水溶性アルギネート組成物の水溶液に水溶性錯化剤、例えば、クエン酸ナトリウムを添加することを提案している。例えば、その後で塩化カルシウムのような易溶性のカルシウム塩を加えると、アルギン酸カルシウムの急速な沈殿が錯化剤の存在により遅延され、その結果、製品中の不溶性アルギン酸カルシウムの微粒子の形成が妨げられるといわれている。しかし、前述の米国特許明細書の実施例は数mlのスケールで実施されている。塩化カルシウム添加後のアルギネート溶液のゲル化時間はわずか30〜60秒に過ぎない。この製造方法をスケールアップする試みでは、アルギン酸ナトリウムの溶液に錯化剤を加えることでは所望の遅延を得るには不十分であることがわかり、高い均一性のある、比較的大きいサイズの製品を得ることは不可能である。更に、前述の製造方法では、成分の十分な分散を達成するために界面活性剤の使用が必須である。しかし界面活性剤を使用すると、例えば、皮膚へ使用できなくなる可能性がある。錯化剤を事前に添加するという米国特許第5718916号の方法では沈殿の十分な遅延が達成できないという事実は、同じ発明者の英国特許第2357765号でも確認されており、そこには米国特許第5718916号の方法が結果的に不利であると記載されている。英国特許第2357765号は絆創膏や外科用品製造のための、水不溶のアルギネートスポンジまたは発泡製品の製造方法を開示しており、その製造方法では水溶性アルギネートは発泡剤の存在下で、多価金属イオンの添加により同じく架橋されている。この製造方法では故意に錯化剤を使用しない。この製造方法の好ましい変法ではアルギン酸カルシウムの粘度を下げるために水酸化アンモニウムの存在下この製造方法を行うのが好ましい。実施例では、例えば、硫酸カルシウムについで酢酸を加える。この製造方法では発泡剤、界面活性剤、ホウ酸緩衝液、および、前述のアンモニウム化合物の存在が必要である。このように物質が複雑な混合物であるためプロセス制御が難しくなり、生成物は生理作用を考慮しなければならない複数の成分を含む。
【0004】
ドイツ特許第202 19 666 U1号は外皮用パッドについて述べており、そのパッドはポリマー、特にアルギン酸を主体とするポリマーの担体を含む。これらパッドの製造の具体的実施例は、この実用新案には記載されていない。
【0005】
ドイツ特許第43 28 329号では、さらに、皮膚に水分を与え、化粧品活性を有する薬用活性成分を局所的に経皮投与するための凍結乾燥した生物基質について開示しており、その生物基質は天然の多糖類および変性多糖類を含む。この明細書はまたカルシウムイオンの添加によりアルギン酸カルシウム構造を形成して生物基質を安定化することについて既に述べている。この公報はより厚く、均一なアルギネート層の製造法を記載していない。
【0006】
アルギン酸ナトリウム溶液への可溶性カルシウム塩(グルコン酸カルシウム)の添加による、経口摂取用の小さいサイズのアルギネートスポンジの製造がWO 01/17377に記載されている。しかし、この製造方法は、前述した理由(カルシウムイオンの含有が均一ではない)で、大きいサイズのアルギネートスポンジの形成には不適切である。更に、そこで提案されているように、活性成分を添加することは、不均一性が生じることにより一層困難になる。
【0007】
多糖スポンジ、特にアルギネートを主体とするものの形成方法は、WO 94/00512により知られている。この特許明細書はまた、一実施形態において、不溶性の多価金属陽イオンの炭酸塩や炭酸水素塩を多糖発泡体に分散させ、その後これを二酸化炭素を遊離するために強酸で処理し、生じた陽イオンにより多糖を架橋して寸法安定性の良い発泡構造を形成する改良形を開示している。この公報の情報によれば、5mmまでの厚さの発泡体がこの方法で安定化できる。しかし、その程度の厚さでは、特に発泡成形品をその後より薄い層に切断することが望まれる場合には不十分である。さらに、炭酸カルシウムを使用すると、製造工程でガスの(望ましい)発生が起こり、その結果孔のサイズは殆ど制御できず、著しく不均一な発泡体となる。
【0008】
アルギネートスポンジの他の製造方法が米国特許第3653383号で知られている。この製造方法では、最初にアルギン酸カルシウムをアルギン酸と炭酸カルシウムより生成し、次に生成したアルギン酸カルシウムを粉末化し、生成したゲルを凍結乾燥する。この方法で比較的サイズの大きい泡状材料を形成できるが、その形成物は水中で比較的早く崩壊する。このアルギネートスポンジの湿潤強度、特に湿潤靭性は―特に薄層に切断した場合―化粧用や医薬用パッドには不十分である。
【0009】
未公開ドイツ特許出願10323794.1は多孔性アルギネート成型品の製造方法を開示しており、それには多価金属イオンに対する錯化剤、または多価金属イオンと多座配位性陰イオンとの塩の添加が必要とされている。多孔性のアルギネート成型品の製造での硫酸カルシウムと無機酸の使用は示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的はアルギネートと多価金属イオンの化合物を主体とした、比較的サイズが大きく、均一性が高く、高い湿潤強度、特に高い湿潤靭性を有し、通常の切断装置によって薄層に切断でき、特に高い白色度を有し、視覚的に好ましく、従って化粧用や医療用、例えば、化粧用スキンパッドや傷手当て用医療パッドなどとして利用される成型品を提供することである。さらに該成型品の製造方法は制御が簡単であって、発泡剤、界面活性剤、ホウ酸緩衝液、およびアンモニウム化合物のような生理学的に許容できない添加剤の使用をできる限り省かなければならない。
【0011】
それは更に、均一で厚みのある、多孔性のアルギネートの層を提供でき、その層から圧縮や打ち出しにより簡単に、適切な(経口投与可能なものも含めて)化粧用または医療用の投与形態、例えば、インプラント、圧縮型満腹感提供品(胃内で膨張して満腹感を与えるダイエット用品)、活性成分の放出制御剤、特に遅延放出剤などが製造できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本特許出願の発明者は多価金属のアルギネートをベースにして、均一で、比較的厚みのある、サイズの大きい成型品を提供するのに驚くべき成功をみた。該成型品は、やはり本発明に関する特別の方法で製造でき、従来技術による成型品に付随した、上述の諸問題を解決し、従って、化粧用品や医療用品の製造には非常に適しているのである。該成型品は発泡剤、界面活性剤、ホウ酸緩衝液およびアンモニウム化合物のいずれも含まないことが好ましい。

(発明の詳細な説明)
【0013】
本特許出願は従って、アルギネートを含む多孔性成型品の製造方法を提供し、該製造方法はアルギネート水溶液を硫酸カルシウムと少なくとも一つの無機酸の存在下で混合し、該混合物を型に流し込み、これを乾燥することを含む。無機酸の例には塩酸、硫酸、リン酸などが含まれ、塩酸が好ましい。
【0014】
本発明によって使用される水溶性アルギネートは好適にはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムなどのアルカリ金属のアルギン酸塩である。
【0015】
基礎となるアルギン酸は天然の酸性多糖で、これはいわゆる褐藻類(Phaecophyceae)から特に抽出したもので、約30,000から200,000ダルトンまでの様々な高分子量を有し、D−マヌロン酸やL−グルロン酸から形成された鎖を含んでいる。重合度は抽出に用いられた藻類の種類や藻類が採取された季節および藻類の産地やその年齢によりさまざまである。アルギン酸が得られる褐藻類の主な種には、例えば、マクロシスティス ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)、ラミナリア クロウストニ(Laminaria cloustoni)、ラミナリア ヒペルボレア(Laminaria hyperborea)、ラミナリア フレキシカウリス(Laminaria flexicaulis)、ラミナリア ディギタータ(Laminaria digitata)、アスコフルノドサム(Ascophyllumnodosum)、フカス セラツス(Fucus serratus)などがある。しかし、アルギン酸またはアルギン酸のアルカリ金属塩はまた、微生物を用いても得られ、それらは例えば、シュードモナス アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス プチダ(Pseudomonas putida)の変異体、シュードモナス フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス メンドシナ(Pseudomonoas mendocina)などの発酵による(例えば、欧州公開公報第251905号およびRompp Chemie Lexikon “Naturstoffe” Thieme Verlag.1997およびそこに引用された文献参照)。
【0016】
本発明によれば、アルギネートの平均粒子サイズは最大約0.2mm、水溶液の粘度は(1%溶液、pH7、20℃)は300〜800mPa・sが好ましい。
【0017】
本発明によれば、アルギン酸ナトリウムが特に好適である。
【0018】
使用される水溶性アルギネートの水溶液の濃度は、硫酸カルシウムと無機酸の添加後に形成される水懸濁液中のアルギネートの濃度が、水の使用量に対して、0.2〜3.0重量%、より好ましくは0.3〜2.5重量%、更に好ましくは0.4〜1.2重量%になるのが好ましい。その溶液は例えば蒸留水中にアルギネートの所望量を懸濁させて調製できる。水懸濁液中のアルギネートの濃度は形成される多孔性成型品の硬度に影響を及ぼす。2重量%を超す濃度では比較的硬いかまたは脆い成型品となり、好ましくない。2重量%未満の濃度ではより脆くない成型品となり、好ましい。
【0019】
更に好適な実施形態では、本発明による多孔性成型品はカルボキシメチルセルロース、特にカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。カルボキシメチルセルロースナトリウムの添加は、驚くことに、本発明による多孔性成型品の光学密度を改善し、成型品の硬度や脆さを増すことはない。それどころか、カルボキシメチルセルロースナトリウムの添加は形成された多孔性成型品の柔軟性を改良する。更に、カルボキシメチルセルロース、特にカルボキシメチルセルロースナトリウムの添加は成型品の安定化をもたらす。カルボキメチルセルロース含有成型品の製造において驚くことにカルボキシメチルセルロース、特にカルボキシメチルセルロースナトリウムはまた難溶性塩、特にCaSOの沈殿を妨げ、従って水懸濁液にそれがより均一に混合され、形成された成型品の均一性が増加する。従って、本発明による製造方法の好適な実施形態においては、CaSOとカルボキシメチルセルロースナトリウムの懸濁液が水中で形成され、無機酸と更に以下に記載する任意の成分を含むアルギン酸ナトリウム水溶液がこれに添加される。
【0020】
カルボキシメチルセルロース、特にカルボキシメチルセルロースナトリウムは本発明による成型品中に、成型品の乾燥含有量に対して90重量%まで存在し得る。これは水懸濁液における最大約3重量%、好ましくは0.2〜3重量%の好ましい範囲を確立することに対応している。
【0021】
本発明による成型品の好適な実施形態はカルボキシメチルセルロース、特にカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒアルロン酸またはその塩あるいはその誘導体を含む。
【0022】
本発明による製造方法において、溶液中のカルシウムイオンの濃度を下げるためにカルシウムに対する錯化剤を加え、それによってアルギネートの架橋を抑制することも原則として可能であるが、これは絶対必要ということではない。そのような錯化剤としては、シトレート(citrate)やマレート(malate)のようなα−ヒドロキシポリカルボン酸のカルボキシレートでもよく、これは化粧活性を有する構成要素、例えば皮膚湿潤剤としての役割を果たし得る。
【0023】
驚くべきことに、本発明によって、無機酸により確立されたpH値が多孔性成型品の引裂強度に対して影響を及ぼすということが見出された。より高い引裂強度を達成するためには、6未満のpH、より好ましく5未満が良い。そのように低いpH値は逆に、形成される懸濁液中の2重量%未満の低濃度のアルギネートの濃度との組み合わせで特に好ましい。
【0024】
CaSOの量は、形成される懸濁液中の塩の濃度が約0.1〜500mmol/Lになるように選択するのが好ましい。この濃度は懸濁液の体積に対する塩の総量を意味する。
【0025】
溶液中の可溶性アルギネートの量を基準としたCaSOの添加量は、CaSOに対するアルギネートのモル比が0.001〜1になるように選択するのが好ましい。
【0026】
難溶性アルギネートの形成は、アルギネート溶液が、少なくとも約1分間、好ましくは約2分間、更に好ましくは少なくとも約3分間、室温(20℃)における粘度として約1000mPa・s未満の流動性を持つことができるように制御するのが有利である。
【0027】
アルギネート水溶液、硫酸カルシウム、および少なくとも一種の無機酸の混合はローター・ステーター採用のミキサー、例えば、コロイドミルで好適に行うことができる。
【0028】
本発明によって、(まだ)流動性のアルギネート組成物を所望の型に流し込み、ついで乾燥する。流動性アルギネート組成物の層の厚みは最大約50cmにできる。好適な型は基本輪郭が長方形のボックス型である。流し込みは製造の任意の適した段階で実行できる。従って、その型内で十分な混合が保証されれば、水溶性アルギネートの溶液を後続の乾燥に使用する型に流し込むことができる。しかし、好ましくは、流し込みは難溶性アルギネートの架橋または沈降後に行う。
【0029】
型に流し込まれたアルギネートの水懸濁液の乾燥はそれ自体周知の方法で行う。凍結乾燥は特に好ましい。これも同様にそれ自体周知の方法で行い、例えば、ドイツ特許第4328329 C2やドイツ特許第4028622 C2を参照してもよく、これら文献については本発明による製造方法の乾燥段階に関して明確な参照がされるべきで、従って本発明による製造方法の一部を形成する。
【0030】
本発明による製造方法の好適な実施形態において、懸濁液を型に流し込む前に、以下に示す群から選ばれる少なくとも更に1つの成分が添加される:化粧用または医療用の活性成分、追加の天然あるいは合成の親水コロイド生成ポリマー、および化粧用または医療用の補助剤または添加剤。
【0031】
更なる追加の天然または合成の親水性コロイド生成ポリマーには(場合によって)水溶性の天然または合成ポリマーが含まれ、それは水溶液系でゲルまたは粘性のある溶液を形成する。それらは更なる天然の多糖類、化学変性したその誘導体、または合成ポリマーから選ぶのが好ましい。更なる多糖類の例には、ホモグリカンまたはヘテログリカン、例えば、カラギナン、ペクチン、トラガカント、グアーガム、ロカストビーン粉末、寒天、アラビアゴム、キサンタンガム、天然のデンプンおよび変性デンプン、デキストラン、デキストリン、マルトデキストリン、キトサン、β−1,3−グルカン、セルロースのようなβ−1,4−グルカンのようなグルカン、特にヒアルロン酸のようなムコ多糖類などが含まれる。合成ポリマーの例には以下のようなものが含まれる:セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、合成セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、カルボキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、特にはカルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロースエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリエチレングリコールなど。またこれらのポリマーの混合物を使用することも可能である。しかし、例えばコラーゲンのような親水性コロイド形成たんぱく質の使用は好ましくない。何故ならば、ある末端消費者は、特に化粧品について、純植物製品を益々好んで使用するようになっているからである。
【0032】
本発明で特に好ましいのは、ヒアルロン酸および/まはたその塩および/またはその誘導体の添加である。ヒアルロン酸は交互のβ1,3−グルコロン酸とβ1,4−グルコサミンの成分を有する高粘性の天然グルコサミノグリカンで、その分子量は50,000から数百万である。ヒアルロン酸はナトリウム塩の形で、例えば、治療、主には眼科、外科、化粧用などによく使われる。ヒアルロン酸とアルカリ金属、アルカリ土類金属、マグネシウム、アルミニウム、アンモニウム、置換アンモニウムイオンなどとの間に形成される塩は、薬剤の吸収を増進するための担体として利用できる(参照例:Rompp Chemie Lexikon “Naturstoffe” Thieme Verlag, 1997およびそこに引用された文献)。本発明で特に推奨されるのは分子量が約1,000,000から2,500,000ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムである。本発明による製造方法でヒアルロン酸を添加すると、驚くべきことに、形成されたアルギネート含有の多孔性成型品の白色度が増加する。これは美的理由により、特に化粧用では、非常に好まれる。しかし、ヒアルロン酸には治療活性、例えば、皮膚の湿潤や傷治療の促進活性もあり、これは特に局所用または外用としてである。
【0033】
ヒアルロン酸またはその塩は本発明によるアルギネート含有の多孔性成型品に、乾燥成型品に対して約0.1〜90重量%、好ましくは1〜約67重量%添加される。
【0034】
本発明によって添加される活性成分は、特に化粧用、治療用、薬用の活性成分等であるが、とりわけ外用として適切な活性成分を含む。本発明によって製造された成型品は少なくとも一種の化粧用および/または薬用活性成分を含むことが好ましい。従って、本発明によって好ましいとされる成型品は化粧用剤または治療用剤である。本発明の範囲内で化粧用成型品または化粧用活性成分を使用して製造された成型品は、実質的にドイツ日用品規制令(食品、日用品規制令LMBG)が意味する剤であり、即ち、もし主として病気、疾患、体の損傷、または病理的障害を軽減したり除去したりすることを意図していない物質の場合、洗浄やケア目的、外観や体臭への効果、または香りの印象を与えるなど、ヒトでの外用を意図している物質又はその調製物である。この意味で、本発明によって製造された化粧用成型品は、例えば、フェースマスクなどのような化粧用パッドなどで、例えば、スキン洗浄やクレンジング剤、スキンケア剤、特に顔のスキンケア剤、眼の化粧品、リップケア剤、爪のケア剤、足のケア剤、およびヘアケアや口腔衛生剤としても使ってもよい。
【0035】
化粧用、および場合によっては例えば、皮膚用および治療用活性を有する化合物の例としては以下のようなものがある:にきび抑制剤、抗菌剤、発汗抑制剤、収斂剤(アストリンゼン)、体臭防止剤、脱毛剤、スキン調整剤、スキン平滑剤、グリセリンや尿素のような皮膚の水和増加剤、太陽光線保護剤、角質溶解剤、遊離ラジカルの捕捉剤、防腐剤、皮膚の老化の兆候を治療するための活性成分および/またはおよび皮膚分化および/または増殖および/または皮膚の色素沈着に対する調節剤、ビタミンCなどのビタミン剤、以下のような刺激性の副作用を有する活性成分で、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、α−ケト酸、β−ケト酸、レチノイド(レチノール、レチナール、レチノイン酸)、アンスラリン(ジオキシアンスラノール)アンスラノイド、過酸化物(特にベンゾイル パーオキサイド)、ミノキシジル、リチウム塩、代謝拮抗剤、ビタミンDとその誘導体;カテコール、フラボノイド、セラミド、脂肪物質、例えばパラフィンやワセリンのような鉱物油、シリコンオイル、ココナッツ油、スイートアーモンド油、アプリコット油、コーン油、ホホバ油、オリーブ油、アボカド油、セサミ油、パーム油、ユーカリ油、ローズマリー油、ラベンダー油、パイン油、タイム油、ミント油、カルダモン油、橙花油、大豆油、ぬか油、米油、菜種油やヒマシ油のような植物油;小麦胚芽油およびそれから単離されるビタミンE、月見草油、植物レシチン(例:大豆レシチン)、植物から単離したスフィンゴ脂質/セラミド、動物性油又は油脂、例えばタロー油、ラノリン、澄ましバター、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールのエステルおよび皮膚の温度程度の融点を持ったワックス(動物ワックス、例えば蜜蝋、カルナバロウ、カンデリラロウ、微結晶性ワックスのようなミネラルワックス、ポリエチレンやシリコンワックスのような合成ワックス)、それと、例えば、CTFAの紀要(Cosmetic Ingredient Handbook, 1st Edition, 1988, The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Assosiation, Inc., Washington)に記載されている化粧品目的に適切なすべてのオイル;高度不飽和脂肪酸、必須脂肪酸(例:γ−リノレン酸)、酵素、補酵素、酵素阻害剤、水和剤、皮膚鎮静剤、洗浄剤または発泡剤および無機または合成のつや消し剤、研磨剤である。
【0036】
植物の活性成分のエキスや、またはそこから得られる抽出物や個々の物質もあげることができ、それらは本発明によって製造された多孔性成型品に添加できる。一般に、植物活性成分のエキスは通常以下からなる群から選ばれる:即ち、固体の植物抽出物、液体の植物抽出物、親水性植物抽出物、親油性植物抽出物、植物の個々の成分;およびフラボノイドやその類似体のようなそれらの混合物;ルチン、ケルセチン、ジオスミン、ハイペロサイド、(ネオ)へスペリジン、へスペリチン、イチョウの葉(例:イチョウフラボングリコシド)、クラテグス抽出物(例:オリゴマーのプロシアニジン)、そば粉(例:ルチン)、エンジュ(例:ルチン)、樺の葉(例:ケルセチングリコシド、ハイペロサイドおよびルチン)、ニワトコの花(例:ルチン)、シナノキの花(例:ケルセチンやファルネソールを含むエッセンシャルオイル)、ヒペリコンオイル(例:オリーブオイル抽出物)、キンセンカ、アルニカ(例:エッセンシャルオイルを含む花の無極性溶媒抽出物、フラボノイドを含む極性溶媒抽出物)、メリッサ(例:フラボン、エッセンシャルオイル);免疫刺激剤;Echinacea purpureaエキナセア プルプレア(例:アルコール抽出物、フレッシュ樹液、圧搾ジュース)、Eleutherokokkus senticosusエレウテロ コッカス センテコサス;アルカロイド、ラウオルフィア(例:プラジマリン)、常緑樹(例:ビンカミン);更なる植物生薬;アロエ、トチノキ(例:アエシン)、ニンニク(例:ニンニク油)、パイナップル(例:ブロメリン)、朝鮮人参(例:ジンセノサイド)、ミルクシスルの実(例:シリマリンに標準化した抽出物)、ナギイカダの根(例:ラスコゲニン)、バルドリアン(例:バレポトリエート, Tct.ヴァレリアン)、カバカバ(例:カバラクトン)、ホップの花(例:ホップビター)、パッシフローラエキス、リンドウ(例:エタノール抽出物)、アントラキノン含有ドラッグ抽出物、例えば、アロイン含有アロエベラジュース、花粉抽出物、藻類抽出物、甘草抽出物、ヤシ抽出物、ガルフィミア(例:母液)、ヤドリギ(例:水−アルコール抽出物)、フィトステロール(例:β−シトステロール)、モウズイカ(水−アルコール抽出物)、モウセンゴケ(例:リキュール ワイン抽出物)、シーバックソーン(例:これから抽出したジュースまたはシーバックソーンオイル)、ウスベニタチアオイの根、プリムローズ根抽出物、以下の新鮮な植物から得られる抽出物;ゼニアオイ、ヒレハリソウ、セイヨウキヅタ、つくし、ノコギリソウ、ヘラオオバコ(例:圧搾ジュース)、イラクサ、クサノオウ、パセリ;ノロレナ ロバタ抽出物、ミント・マリーゴールド、Teeoma siemsテーオマ ジーム、苦瓜、アロエ抽出物。
【0037】
好ましい化粧用活性成分は天然および合成の湿潤剤で、例えば、グリセリン、尿素およびセラミド、皮膚保護剤、皮膚明白剤、ビタミン、酸化防止剤、いわゆる老化防止剤、抗刺激剤、太陽光線保護剤などである。
【0038】
更に好ましい化粧用活性成分は天然の油脂、即ち天然脂肪酸のトリグリセリドで、例えば、皮膚の湿潤回復やケア用のためのものである。
【0039】
特に好ましい化粧用活性成分は尿素で、それは局所麻酔としても作用すると見なされている。
【0040】
概ね化粧品に使用される前述の成型品とは対照的に、治療目的(薬用/医療用製品)で利用される成型品は少なくとも一種の薬用または治療用活性成分や、特に外皮用活性成分をも含むのが好ましく、薬事法の規制内で、とりわけ、病気、疾患、身体の損傷または病理的障害に対して治療、軽減、保護を意図する。しかし、アルギネート自体もまた薬学的に、治療上活性成分とみなすことができる。薬剤や活性成分は外用薬を意図しており、経皮的活性成分であると同様、皮膚への作用を有する活性成分である。それらには例えば次のようなものが含まれる;皮膚病の治療剤、外用鎮痛剤、例えば、デキストロプロポクシフェン、ペンタゾシン、ぺチジン、ブプレノルフィン;抗リューマチ剤/消炎剤(NSAR)、例えば、インドメタシン、ジクロフェナック、ナプロキセン、ケトプロフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、サリチル酸およびその誘導体、例えば、アセチルサリチル酸オキシカム;ステロイドホルモン、例えば、ベタメタゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、エチニロエストラジオール、メドロエルゴタミン、ジヒトロエルゴトキシン;通風治療薬、例えば、ベンズブロマロン、アロプリノール;皮膚用外用剤で以下を含むもの、即ち、抗菌剤、抗真菌薬、抗ウィルス剤、抗炎症剤、止痒剤、ベンゾカインのような麻酔剤、コルチコイド、にきび取り、抗寄生虫剤;外用ホルモン;静脈治療剤;免疫抑制剤などで全て外用である。
【0041】
好ましい治療剤は鎮痛剤、例えば、免疫抑止剤、ホルモン、神経皮膚炎やアトピー性皮膚炎などのような皮膚病治療薬および、抗ヘルペス剤などである。
【0042】
本発明によって製造された多孔性成型品は場合によっては、更に一種以上の補助剤を追加することができる。補助剤には以下のものが含まれる:充填剤、緩衝液のようなpH調整剤、安定剤、補助溶媒、薬用および化粧用の着色剤や色素、または他の着色剤や色素、保存剤、可塑剤、潤滑剤および流動促進剤など。特に好ましい補助剤はスクアレンである。スクアレンには皮膚の沈静作用や皮膚の円滑化作用がある。
【0043】
本発明によって多価金属イオンのアルギネートを含む多孔性成型品を製造できるが、該成型品は少なくとも1cm、好ましくは少なくとも2cmの厚みを持ち、アルギネートを含む水溶液を多価金属イオンの塩で架橋(または沈殿)させ、ついで生じた架橋アルギネートの水懸濁液を乾燥させて得られる。成型品の厚みは、該成型品中の2点間の最短距離を意味する。従来の技術では、このような所望の湿式強度、特に湿式の粘着力や切断し易さを有し、厚みがあり、サイズの大きい成型品を製造することは出来なかった。このような多孔性成型品は本発明による製造方法で好適に得られる。粉砕した不溶性アルギネートの凍結乾燥を含む製造方法は多孔性またはスポンジ様の材料を作るが、それは崩壊し易く、本明細書で意図する用途には不適である。
【0044】
成型品1gを20℃で水100gに懸濁すると、本発明による多孔性成型品の水相でのpHは7未満で、好ましくは6未満である。このような酸性pH値はスキン用化粧品の場合には特に好ましい。
【0045】
本発明による多孔性成型品の密度は0.005〜1g/cmが好ましく、より好ましくは0.01 〜0.5g/cmである(DIN 53420に従って測定)。
【0046】
本発明による多孔性成型品の湿式靭性は、層の厚み1mmあたり少なくとも約10mN(DIN 53328に従って測定)が望ましい。
【0047】
本発明による多孔性成型品はアルギネートの紡糸繊維、例えば、アルギン酸カルシウムの繊維から構成されるものではなく、概ねそれから構成されるものでもない。
【0048】
前述したように、本発明による多孔性成型品は更に、以下からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含むことができる:化粧用または医療用活性成分、更なる天然あるいは合成の親水コロイド形成ポリマー、および化粧用または医療用の補助剤または添加剤。これらを本発明による多孔性成型品中に成型品1gあたり、最大0.75g、好ましくは0.5g未満含んでもよい。
【0049】
本発明による多孔性成型品は、本発明による多孔性成型品をそれ自体既知の方法で切断することにより、層状形態の成型品を製造するのに著しく適している。これは、例えば粉砕した不溶性アルギネートの凍結乾燥により製造したスポンジ様製品では不可能である。本発明による多孔性成型品の切断により、例えば0.5〜20mmの厚みの層が得られる。本発明はまた、そのようにして得られる層状形態の多孔性成型品にも関する。このような層状形態の多孔性成型品は特に外用として、例えば化粧用または医療用パッド、傷の手当用品、傷用パッド、インプラント用材料、細胞培養マトリックスなどに適している。
【0050】
本発明による多孔性成型品はまた、圧縮性、伸張性のあるスポンジ様成型品の製造に著しく適しており、これは例えば、出願人の欧州特許第 0901792号に、コラーゲンを主体とするものについて記載されている。それらは、サイズの大きい多孔性成型品、特に凍結乾燥後に得られるサイズの大きい多孔性成型品から、打ち出しおよび/またはおよび圧縮により簡単に製造でき、特に工業規模でも可能であるが、これまで従来の技術では容易にはできなかった。
【0051】
このような圧縮製品は、特に経口、口腔、鼻用に、例えば、圧縮型満腹感提供品として適しており、場合によっては追加の活性成分、食物サプリメント、またはビタミン(例:ドイツ特許第19942717)を含むことができる。
【0052】
また、本発明による多孔性成型品は難溶性であるため、活性成分を担持しそこから活性成分が制御、特に遅延されて放出されるような成形物の製造にも適している。そのような成形物の形態には、インプラントや膣座薬のような活性成分を含むスポンジ形態および、経口投与ができる形態があり、特に圧縮製品の形態である後者は、胃の中のような湿潤状態ではその圧縮された体積の数倍に膨張し、含んでいる活性成分をスポンジ様マトリックスから放出する(例:WO 98/09617)。
【0053】
本発明は更に多価金属イオンのアルギネートとヒアルロン酸および/またはその塩および/またはその誘導体を含む多孔性成型品に関し、該成型品は本発明による製造方法によって得られる。これらの成型品は、既に上に記載したように、驚くべきことに白色度を増し、これは特に化粧用として、また医療用としても非常に好ましい。このようにヒアルロン酸含有の多孔性成型品の組成については、例えば上述のコメントが参考になる。ヒアルロン酸含有多孔性成型品は本発明による製造方法で好適に製造される。
【0054】
本発明は更に、本発明による多孔性成型品または本発明による製造方法で得られた成型品の、化粧用剤としての使用にも関する
【0055】
化粧用に使用する場合、本発明による多孔性成型品は化粧用スキンパッドの形態が好ましく、湿った状態で肌にあて、一定の作用時間後、例えばそこに含まれる活性成分が吸収された後再び取り除かれる。アルギネート自体にも肌の水和や円滑化のような化粧効果が見られる。
【0056】
本発明は更に医療用製品の製造において、本発明による多孔性成型品の使用、または本発明による製造方法で得られた成型品の使用に関する。そのような医療用製品は、例えば、傷用パッド、経皮パッド、絆創膏、インプラント、細胞培養基質、活性成分の投与を制御、特に遅延するための剤であり、該投与を制御(特に遅延)する剤は、当該インプラントの形態および経口投与が可能な放出遅延製剤、または、いわゆる圧縮型満腹感提供品、すなわち圧縮されていた多孔性成型品が胃の中で膨張することにより満腹感を与える製品において用いられ、後者はまた食物サプリメント、ビタミン、ミネラル、または他の活性成分を担持していてもよい。
【0057】
本発明による多孔性成型品または、本発明による製造方法で得られた成型品は、特に化粧用または医療用パッドの形態で、外用として好適に使用される。しかし、更に前に記載したように、例えば、経口用、口腔用、膣用、鼻用などの用途も可能である。本発明によって得られる均一で、厚みのある多孔性アルギネート成型品は前に記載したように、切断、プレス、圧縮、および/または打ち出しなど既知の方法により工業規模であらゆる用途形態を製造できる。
【0058】
本発明による特に好ましい成型品は乾燥物質に基づいて、すなわち残存水分を除いて下記を含む:
約6〜100重量%のアルギネート
0〜約90重量%のカルボキシメチルセルロース、特にそのナトリウム塩
0〜約70重量%のヒアルロン酸塩またはその誘導体
0〜約90重量%の天然または合成オイル
0〜約70重量%のクエン酸またはその塩
以上はc)の段階で凍結乾燥される水性懸濁液中の好ましい以下の含有量に相当する。
約0.2〜3重量%のアルギネート
0〜約3重量%のカルボキシメチルセルロース、特にそのナトリウム塩
0〜約1重量%のヒアルロン酸、またはその塩、またはその誘導体
0〜約3重量%の天然または合成オイル
0〜約1重量%のクエン酸またはその塩。
【0059】
本発明による多孔性成型品は層状の形状が好ましい、即ち成型品の長さと幅は成型品の厚みの少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20倍である。その層はまた、例えばフェースマスクのような形に切断できる。層の表面積は好ましくは少なくとも約25cm、さらに好ましくは少なくとも約50cm、更に好ましくは少なくとも約100cmである。
【0060】
本発明は更に、少なくとも1層の前記したような層を含み、更にその少なくとも1つの面に少なくとも1層のキャリアー層を積層した積層体にも関する。本発明による層の片面にのみ、キャリアー層を1層のみ有するものが好ましい。キャリアー層は好ましくは(ビスコースの)レーヨンネットから成る。そのような積層体は好ましくは傷手当て用パッドまたは絆創膏や特に好ましくは化粧用マスクとして使用される。
【0061】
本発明はまた、本発明による多孔性成型品の少なくとも1つと、1つ以上の活性成分および/または補助剤を含む少なくとも1つの水溶液との、互いに作用を及ぼし得る空間的配置を持つ組み合わせにも関する(使用パケット、セット、部品のキットなど)。活性成分溶液は、例えば、揮発し易い活性成分および/または補助剤の溶液でもよく、それは凍結乾燥による製造方法のため、例えばエッセンシャルオイルの特定留分や香料のように成型品に組み入れてはいけないしまた組み入れることはできない。その溶液はまた温度に敏感な薬用または化粧用活性成分を含んでもよい。
【0062】
本発明を以下の実施例を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0063】
段階1:
2500g RO水(脱塩水、逆浸透法)
32.5g アルギン酸ナトリウム
10.0g クエン酸
HCl
【0064】
アルギネート粉末とクエン酸をRO水にミキサーを用いて均一な混合物が形成されるまで混合する。ついでHClを加える。(場合によっては、化粧用および医療用活性成分および/またはオイルまたは他の物質なども必要に応じてこの時点でこの混合物に混合することができる)。
【0065】
段階2:
50g RO水
10.0g 硫酸カルシウム
10.0g カルボキシメチルセルロースナトリウム
【0066】
硫酸カルシウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムを50mlのRO水に攪拌しながら加える。
【0067】
段階3:
段階1と段階2の溶液を約30秒間十分に混合する。
【0068】
段階4:
段階3の混合物を型に流し込み、反応を完結させるために約1時間放置する。
【0069】
段階5:
ゲル化した成型品を冷凍し凍結乾燥する。
【0070】
段階6:
凍結乾燥した、大きいサイズの多孔性またはスポンジ様の成型品は場合によっては、追加の物質を含み、上に記載したように製造される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルギネートの水溶液を少なくとも一種の無機酸の存在下で硫酸カルシウムと混合すること、得られた混合物を型に流し込むこと、およびこの混合物を乾燥することを含む多孔性成型品の製造方法。
【請求項2】
無機酸が塩酸である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
アルギネート水溶液がアルギン酸のアルカリ金属塩の水溶液である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
カルボキシメチルセルロースまたはその塩が添加される、請求項1から3のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項5】
硫酸カルシウムおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの懸濁液が添加される、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
カルシウムに対する錯化剤が添加される、請求項1から5のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項7】
α−ヒドロキシポリカルボン酸のカルボキシレートが添加される、請求項1から6のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項8】
シトレートまたはマレートが添加される、請求項1または7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
乾燥が凍結乾燥によって行われる、請求項1から8のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項10】
乾燥前に、化粧用または医療用の活性成分、更に天然または合成の親水コロイド生成ポリマー、および化粧用または医療用の補助剤または添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの更なる成分が追加添加される請求項1から9のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項11】
更なる成分が少なくとも1つの天然多糖または変性されたその誘導体である、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
更なる成分がヒアルロン酸またはその塩である、請求項10または11に記載の製造方法。
【請求項13】
更なる成分として尿素が添加される、請求項10から12のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項14】
更なる成分としてスクワレンが添加される、請求項10から13のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項15】
多座配位性陰イオンと多価金属イオンとの塩の添加は排除される、請求項1から14のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1つに記載の製造方法で得られる多孔性成型品。
【請求項17】
アルギネート、カルシウム、硫酸塩、およびカルボキシメチルセルロースを含む多孔性成型品。
【請求項18】
1gの成型品を20℃で100gの水に懸濁した時、水相のpH値が7未満になる請求項16または17に記載の多孔性成型品。
【請求項19】
DIN 53420による密度が0.005〜1g/cmである、請求項16から18のいずれか1つに記載の多孔性成型品。
【請求項20】
DIN 53328による湿潤靭性が層の厚み1mmあたり少なくとも10mNである、請求項16から19のいずれか1つに記載の多孔性成型品。
【請求項21】
化粧用または医薬用の活性成分、更なる天然または合成の親水性コロイド形成ポリマーおよび化粧用または医薬用の補助剤または添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの更なる成分を追加的に含む、請求項16から20のいずれか1つに記載の多孔性成型品。
【請求項22】
ヒアルロン酸および/またはその塩および/またはその誘導体を含む、請求項16から21のいずれか1つに記載の多孔性成型品。
【請求項23】
少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を含む、請求項16から22のいずれか1つに記載の多孔性成型品。
【請求項24】
尿素を含む、請求項16から23のいずれか1つに記載の多孔性成型品。
【請求項25】
スクアレンを含む、請求項16から24のいずれか1つに記載の多孔性成型品。
【請求項26】
請求項16から25のいずれか1つに記載の成型品または請求項1から15のいずれか1つに記載の方法より得られる成型品を切断することによって層状形態の成型品を製造する方法。
【請求項27】
請求項16から25のいずれか1つに記載の成型品または請求項1から15のいずれか1つに記載の方法より得られる成型品を圧縮することによって圧縮成型品を製造する方法。
【請求項28】
経口投与可能な剤の製造のための、請求項27に記載の製造方法。
【請求項29】
経口投与可能な圧縮型満腹感提供品の製造のための、請求項27または28に記載の製造方法。
【請求項30】
活性成分の放出が制御される経口投与可能な剤の製造のための請求項27または28に記載の製造方法。
【請求項31】
請求項16から25のいずれか1つに記載の多孔性成型品または請求項1から15のいずれか1つに記載の方法によって得られる多孔性成型品の化粧用剤としての使用。
【請求項32】
化粧用薬剤が化粧用パッド、特にフェースマスクである、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
請求項16から25のいずれか1つに記載の多孔性成型品または請求項1から15のいずれか1つに記載の方法により得られる多孔性成型品の医療用製品の製造における使用。
【請求項34】
外用、経口用、口腔用、膣用、または鼻用の適用のための、または、インプラントとしての使用、または傷手当て用パッドまたは絆創膏としての使用または活性成分膏剤における使用のための、請求項32または33に記載の使用。
【請求項35】
インプラントまたは傷手当て用パッドの製造における請求項34に記載の使用。
【請求項36】
成型品が層状形態である、請求項16から25のいずれか1つに記載の多孔性成型品、または請求項1から15のいずれか1つに記載の方法によって得られる多孔性成型品。
【請求項37】
少なくとも1層の請求項36に記載の層を含み、さらに少なくとも1つの側に少なくとも1層のキャリアー層が積層された、積層体。
【請求項38】
傷手当て用パッド、絆創膏、または化粧用パッド、特にフェースマスクとしての請求項37に記載の積層体の使用。
【請求項39】
請求項16から25または36のいずれか1つに記載の多孔性成型品または請求項1から15のいずれか1つに記載の方法によって得られる多孔性成型品の少なくとも1つと、1つまたはそれ以上の活性成分および/または補助剤を含む少なくとも1つの水溶液を、互いに作用を及ぼし得る空間的配置で含む組み合わせ。
【請求項40】
化粧品用または医薬用剤の製造における請求項39に記載の組み合わせの使用。

【公表番号】特表2007−538125(P2007−538125A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517243(P2007−517243)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052203
【国際公開番号】WO2005/113656
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506387650)ドクター.スェラック スキン アンド ヘルス ケアー アーゲー (1)
【Fターム(参考)】