説明

アルコール摂取に対するトピラメートおよびオンダンセトロンの併用効果

本発明は、嗜癖障害を治療するための薬物の組み合わせの使用を提供する。より詳細には、本発明は、アルコール関連疾患および障害を治療するための行動的介入ならびに肥満の治療および体重調節を併用した薬物の使用に関する。1つの実施形態では、本発明は、アルコール関連疾患または障害を治療または予防するための組成物および方法であって、被験体に治療有効量の少なくとも2つの抗アルコール薬または化合物、および任意で他の治療薬を投与する工程を含む組成物および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、米国特許法に従って、2006年12月19日に出願された米国仮特許出願第60/875,668号、2007年1月31日出願された同第60/898,528号、および2007年5月21日に出願された同第60/931,031号に対する優先権が与えられる。
【0002】
連邦政府により援助された研究または開発に関する申告
本発明は、一部において国立衛生研究所補助金第AA013964号のもと米国政府の支援でなされた。米国政府は、本発明における一定の権利を有する。
【0003】
発明の分野
本発明は、一般に嗜癖関連疾患および障害ならびに衝動調節障害、特にアルコール関連疾患および障害を治療するための併用療法の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
アルコールの過剰摂取および依存はまん延しており、1992年には米国内の成人1,400万人がアルコールを過剰摂取していたか、または依存性であった、そしておよそ10%の米国人は彼らの生涯のいずれかの時点にアルコール依存の影響を受けるであろうと推測されている。アルコール飲用への没頭、耐性、および離脱を特徴とするアルコール依存は、その発生および発現に影響を及ぼす遺伝因子、心理社会的因子、および環境因子を伴う慢性障害である。試験は、アルコール依存の発達および維持に対するオピオイド(すなわち、β−エンドルフィン)、ドーパミン(DA)、セロトニン(5−HT)、γ−アミノ−酪酸(GABA)およびグルタミン酸塩の有意性を証明してきた。現在までに、大多数の薬物療法試験は、単独の薬理学的物質に焦点を合わせてきた。しかし、これらの薬物療法を用いて一貫性のある試験結果を見いだすことに失敗したために、複数の神経伝達物質系または遺伝子を標的とする薬物を組み合わせる有効性を調査することは、アルコール依存の治療ならびに他の嗜癖障害および衝動調節障害を治療することを目的とする将来の薬物療法を開発するためにおそらくより重要である。
【0005】
アルコール依存を治療するためには、様々な医薬品および行動療法が使用されてきた。アルコールのニューロン標的には、GABA、グルタミン酸塩、DA、オピオイド、およびセロトニン含む多数の神経伝達物質系および前記系に関与する、またはそれらを調節する分子が含まれる(概観については、非特許文献1を参照されたい)。
【0006】
この分野において多数の試験が実施されたにもかかわらず、米国内でアルコール依存のために承認された薬物は少ない。承認された薬物は、ジスルフィラム、ナルトレキソン、Vivitrex(登録商標)/Vivitrol(登録商標)(ナルトレキソンの持効性デポー製剤)、およびアカンプロセートである。ジスルフィラムは、アルコール代謝における毒性中間体であるアセトアルデヒドのレベル上昇を導くアルデヒドデヒドロゲナーゼの可逆性阻害剤である。ジスルフィラムを摂取してアルコールを飲用した患者は、低血圧、悪心、嘔吐、顔面紅潮、頭痛、およびおそらくは一部では症状の悪化をもたらす、動脈拡張の増加および毛細管緊張を経験する。このため、ジスルフィラムの使用の背後にある概念は、アルコール依存症の個人は、飲酒と好ましくない有害事象とを結び付け、その結果としてそれ以上のアルコール摂取を回避するというものである。それでも、近年の研究では、ジスルフィラムは、それが配偶者または伴侶によって投与されない限りコンプライアンスが低いために、有用性が限定されることを証明している。
【0007】
ナルトレキソンの主要作用部位は、おそらくは、側坐核(NAc)内のDA放出を減少させることによってアルコールの増強作用を遮断する、中脳辺縁系経路におけるμオピオイド受容体である。ナルトレキソンを用いた試験は、オピオイドアンタゴニストが飲酒への渇望および大量飲酒を減少させること、ならびに非飲酒日のパーセンテージを増加させることにおいてプラセボより有効であるが、禁酒を必ずしも増強しないことを報告している。これらの試験はナルトレキソンの有効性を支持しているが、その他の試験は、個人が高度に従順である場合にのみこの薬物についての有用性が限定される、あるいは有用性が全くないと報告している。
【0008】
GABAの構造的アナログであるアカンプロセートは、アルコール依存の治療を受けたばかりの個人における禁酒を促進するために承認された。正確な作用機序は不明であるが、この薬物は、NAcにおけるグルタミン酸媒介性阻害性および興奮性神経伝達を回復させると考えられている。これらの薬物はアルコール治療に重要な貢献を果たすにもかかわらず、多くの人々については禁酒または大量飲酒レベルの低下さえ依然として達成しにくい。これは、より有効な治療を提供する医薬品を発見することの必要を示唆している。
【0009】
セロトニン(5−HT)機能障害は、おそらくはアルコール依存症の発生の一因となる。セロトニンの受容体は、動物におけるアルコール飲用の一因となるが、それはアルコールが5−HT作用性受容体の基礎レベルを増加させるからである。5−HT受容体の7つの別個のファミリー中、3つのファミリーがアルコール依存の一因となることは公知である:5−HT1A受容体はアルコール摂取および耐性の発生と;5−HT受容体は報酬と;そして、5−HT受容体は増強の発生と関連する可能性がある。そのような証拠に基づいて数種のセロトニン作用薬が試験されてきたが、矛盾した結果しか得られていない。現在は、セルトラリンおよびオンダセトロン(セロトニン−3(5−HT)アンタゴニスト)だけがアルコール依存症患者の所定のサブタイプについて何らかの見込みを示すように考えられ、そしてフルオキセチンがアルコール依存症の低下を示すように考えられる(非特許文献2および非特許文献3を参照されたい)。
【0010】
5−HT受容体は、アルコールの報酬作用の発現に関係している。行動薬理学試験では、アルコール報酬作用の多くは中脳および皮質中でのDAと5−HT受容体との間の相互作用によって媒介されることを証明している。5−HT受容体は、ニューロンを含有する中脳皮質辺縁系DAの終末において密に分布しており、そこでこれらの脳領域内でのDA放出を調節する。これらのDA経路、特にNAc内でのDA経路は、アルコールを含む過剰摂取物質の報酬作用を媒介することに決定的に関係している。5−HT受容体遮断薬がDA活性、そして、このため、過剰摂取された薬物(アルコールを含む)の報酬作用を減少させるという証明は、少なくとも3つの相違する動物実例から生じる。5−HT受容体アンタゴニスト:1)側坐核内へのDAまたはエタノール注射によって誘導されたラットにおける過剰運動を減少させる;2)DAアンタゴニストであるフルフェナジンによっても同様に弱められる、DiMe−C7(ニューロキニン)誘導性過剰運動を阻害する;および3)数種の動物モデルおよび相違する種にわたってアルコール摂取量を減少させる。
【0011】
動物を用いた実験室試験および被験体に選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)が投与されていたヒトの飲酒期間における飲酒の減少にもかかわらず、SSRIを使用した大多数の二重盲験プラセボ対照比較試験は、飲酒またはアルコール依存性のあらゆる他の尺度を減少させなかった。しかし、近年の研究は、疾患の異質性のために、おそらくはアルコール依存症のサブタイプがSSRIへ様々に応答することを示唆している。
【0012】
動物試験は、5−HT受容体が中脳DA放出を通してアルコールの生化学的および行動的作用の一部を促進することを証明した。5−HTアンタゴニストは、動物試験においてアルコール嗜好を抑制することは一貫して証明されており、近年の証拠は5−HT3A受容体サブユニットがアルコール摂取量の5−HTアンタゴニスト誘導性減少のために不可欠であることを示唆している。
【0013】
5−HT受容体アンタゴニストであるオンダンセトロンは、SSRIに対して機能的に反対の作用を有しており、5−HT受容体でのセロトニン作用性を遮断する。オンダンセトロンは、早発性アルコール依存症(EOA)に対しては有効である可能性があるが、遅発性アルコール依存症(LOA)に対しては有効ではなく、このときアルコール依存症の発生年齢(25歳未満対25歳以上)は、アルコール依存症を細分類するための基礎である(非特許文献3)。プラセボ対照比較試験では、271例の参加者がプラセボと比較した1日2回1、4、および16μg/kgの用量のオンダンセトロンによってEOAおよびLOAのサブタイプへ階層化された(非特許文献4)。オンダンセトロンを摂取したEOAを有する患者は、全群にわたってLOAを有する患者(特に、4μg/kgを1日2回摂取した患者)と比較して飲酒の有意な減少を示した。また別の試験では、オンダンセトロン治療は、EOA間ではLOAと比較して改良された飲酒の転帰と結び付いている可能性が高いことが証明された(非特許文献5)。オンダンセトロンは、早発性アルコール依存症を備える個人について試験が継続されている。
【0014】
これらの差別的作用の理由は不明である;しかし、1つの仮説は、生物学的素因を備えるアルコール依存症は、主としてセロトニントランスポーター(SERT)機能と結び付いているセロトニン作動性機能の調節障害を有することを示唆している(非特許文献3)。SERTの多形変異(5’−HTTLPR)は、EOAおよびLOAアルコール依存性個人におけるオンダンセトロンおよびセルトラリン各々の有効性と関係していると仮説が立てられている。疫学的試験がアルコール依存性はおよそ50〜60%の遺伝可能性を有することを証明していることを前提に、一部のアルコール依存症における遺伝的素因に少なくとも一部には依存する薬物療法へのポジティブな転帰についての見通しは強固である。このため、近年の試験は、アルコール依存性と結び付いた遺伝子成分を描写することを試みてきた。これらの観察所見は、アルコール摂取に5−HTが果たす重要な役割を強調しているが、セロトニン作動薬を用いた薬物試験は応答者を非応答者から描出する困難を有していた。
【0015】
動物試験は、不安定なDAレベルが順に、禁欲中のアルコール依存症の再発を導く飲酒への渇望の一因となることを示唆している。アルコール依存症において有意に減少させられる可能性があるNAcにおけるD2受容体(DRD2)レベルのアップレギュレーションを目的とする戦略は、アルコールの持続的禁酒中には特に有益となるであろう。一般にはDA調節、および特にDA拮抗作用は、医薬品開発のための重要な標的となることがある。アルコールに結び付いた報酬は中脳辺縁経路によるDA放出を操作するきっかけを作り、統合失調症の陽性症状は類似のドーパミン作動性機能障害を共有すると思われる。おそらくはDRD2のアップレギュレーションを誘発するDRD2でDA占有を調節する神経弛緩薬は、統合失調症の陽性症状の減少および物質使用の減少と結び付いている可能性がある。
【0016】
ハロペリドール、チアプリド、オランザピン、およびクロザピンは、全部が飲酒への渇望およびアルコール摂取量を減少させる、または禁酒を増加させる程度の様々な有効性を証明した。それらは試験するために理論的に興味深い薬物であるが、典型的または非典型的神経弛緩薬の副作用に結び付いているリスクは、アルコール依存症のための重大な治療としてDAアンタゴニストを使用することの利益を上回っていた。
【0017】
非典型的神経弛緩薬であるアリピプラゾールは、これらの関連医薬品と結び付いた限定的な副作用をほとんど有していない。アリピプラゾールは、混合HT1A/2A活性を備える部分ドーパミン作動薬(PDA)である。他のPDAを用いた場合と同様に、アリピプラゾールは、DA受容体に高親和性で、しかし、引き続いて高または低ドーパミン作動薬利用可能性の条件下で各々アンタゴニストまたはアゴニストとして作用する低固有活性で結合する。さらに、混合HT1A/2A受容体薬として、アリピプラゾールは独立して、動物およびヒトにおけるアルコール飲用を減少させる重大な作用を示している。
【0018】
中脳および皮質DA経路は、アルコールの報酬作用を媒介する。アルコール摂取は、中脳DAニューロンを阻害してDA神経伝達を促進するGABA受容体活性を増加させる。非N−メチル−D−アスパラギン酸塩(NMDA)グルタミン酸塩アンタゴニストは、GABA活性に対抗し、それによってDA放出を減少させる。トピラメート(GABA/グルタミン酸塩モジュレーター)およびガバペンチンは、FDAが承認した抗癲癇薬である。トピラメートは、中脳における減少したDA促進を生じさせる強化されたGABA阻害、カイナイトまたはAMPAタイプのグルタミン酸塩受容体サブタイプを活性化するためのカイニン酸塩の拮抗作用、ならびにカルボニックアンヒドラーゼII型およびIV型アイソエンザイムの阻害を含む多数の作用機序を有すると考えられる(非特許文献6)。ガバペンチンは、脳内のグルタミン酸塩を減少させ、GABA神経伝達を増加させる。このため、理論的には、これらの医薬品の固有の薬理学は、アルコール依存および離脱の治療には良好に適しており、初期禁酒期間中に見られる脳調節障害を正常化することができよう。
【0019】
二重盲験プラセボ対照比較試験では、150例の男性および女性に12週間の期間中に1日当たり最高300mgまでのトピラメートが滴定された(非特許文献7)。トピラメート群における参加者は、プラセボ群に比較して、1日当たりの有意に少ない飲酒回数、飲酒日数、および1飲酒日当たりの飲酒回数、有意により多い禁酒日数、ならびに有意に少ない飲酒への渇望を報告した。禁酒は本試験の開始時に目標ではなかったので、禁酒−治療開始の期間中にはより有益な可能性がある。ガバペンチンは、アルコール離脱症候群におけるベンゾジアゼピン系の代替薬としての使用が増加してきたが、アルコール依存症における禁酒を促進するためのナルトレキソンへの潜在的補助薬としての使用についてもまた調査されている。
【0020】
ナルトレキソンおよびアカンプロセートを併用することについての基礎は、アルコール依存の陽性および陰性強化にある。ナルトレキソンは、ドーパミン放出を調節する、β−エンドルフィンによって影響を受けるアルコール飲用の陽性強化に影響を及ぼすことができる。不安を静めるため、または離脱を軽減するために飲酒した場合に発生する陰性強化は、アカンプロセートの禁酒増強作用によって支援される可能性がある。各薬物は、個別に治療および飲酒転帰にささやかではあるが、有意な作用を提供すると思われるが、ナルトレキソンの再発率における減少ならびにアカンプロセートの飲酒頻度減少および禁酒促進を利用することは、アルコール依存症を治療するための行動戦略に加えて両薬を併用したCOMBINE治験にとっての基礎であった。
【0021】
ナルトレキソンは、EOAにおいてオンダンセトロンとともに投与されてきた。8週間の二重盲験プラセボ対照比較試験において、この併用は、プラセボと比較して、1日当たりの飲酒回数および1飲酒日当たりの飲酒回数を有意に減少させる、そして禁酒日数のパーセンテージに及ぼす陽性作用を有することが見いだされている(非特許文献8)。この著者らは、オンダンセトロンをナルトレキソンに加えるとEOA患者サブタイプにおける相乗作用を提供できることを提案した。
【0022】
オンダンセトロンおよびトピラメートの両方が、おそらくはそれらが皮質−中脳辺縁系ドーパミン(CMDA)に及ぼす作用を通して、ヒトにおけるアルコール依存を治療することに有効であることが証明されている。
【0023】
神経科学的進歩は、アルコール依存の獲得および維持に様々な神経伝達系が及ぼす薬物行動学的作用についての理解を大きく増加させてきた。皮質−中脳辺縁系ドーパミン(CMDA)を調節する神経伝達物質と直接的または間接的いずれかで相互作用する医薬品は、この10年間に大多数の薬理学的戦略の中心であった(概観については、非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;ならびに非特許文献12を参照されたい)。直接的DAアンタゴニストは、おそらくは直接的シナプス後遮断とともに発生する高度の神経適応が任意の長期にわたる治療作用に対して軽減されるので、治療有効性を証明することに一貫して失敗してきた(非特許文献13;非特許文献14)。
【0024】
アルコール依存および大量飲酒を治療および予防する試みにおいて、様々なタイプの併用療法が使用されてきた。例えば、Antonら(非特許文献15)は、薬物療法(ナルトレキソンおよびアカンプロセート)と行動療法とを併用した。しかし、併用薬物療法の有用性についての現在の証拠は欠如している(非特許文献16)。併用療法は、さらにまた他の嗜癖関連疾患および障害を治療することを試みて現在試験中である。
【0025】
当技術分野においては、嗜癖関連疾患および障害を治療するために有用である組成物および方法への長年にわたる必要がある。本出願は、この必要を満たす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】Johnson、2004、Expert Opin.Pharmacother.、5:9:1943−1955
【非特許文献2】Kenna、2005、Drug Discovery Today:Therapeutic Strategies、2:1:71−78
【非特許文献3】Johnson、2000、Alcohol.Clin.Exp.Res.、24:1597−1601
【非特許文献4】Johnson、2000、J.Am.Med.Assoc、284:963−971
【非特許文献5】Kranzlerら、2003、Alcohol.Clin.Exp.Res.、27:1150−1155
【非特許文献6】Johnson、2004、Alcohol.Clin.Exp.Res.、28:1137−1144
【非特許文献7】Johnsonら、2003、Lancet、361:1677−1685
【非特許文献8】Ait−Daoudら、2001、Psychopharmacology、154:23−27
【非特許文献9】Wise and Bozarth、1987、Psychol.Rev.、94:469−492
【非特許文献10】HymanおよびMalenka、2001、Nat.Rev.Neurosci.、2:695−703
【非特許文献11】Koob、2003、Alcohol Clin.Exp.Res.、27:232−243
【非特許文献12】WeissおよびPorrino、2002、J.Neurosci.、22:3332−3337
【非特許文献13】JohnsonおよびAit−Daoud、2002、Psychopharmacology、149:327−344
【非特許文献14】Kreekら、2002、Nat.Rev.Drug Discov.、1:710−726
【非特許文献15】Antonら、2006、J.Am.Med.Assoc、295:2003−2017
【非特許文献16】Williams、2005、Am.Fam.Physician、72:9:1775−1780
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、例えばアルコール依存などの嗜癖障害を治療するための薬物を併用するアプローチを含んでいる。大多数の過剰摂取された薬物の増強作用もまたCMDAニューロンによって媒介されるので、本発明は、アルコール、摂食、コカイン、メタンフェタミン、マリファナ、煙草過剰摂取および嗜癖を含む(それらに限定されない)嗜癖障害、ならびに賭博およびセックスを含む(それらに限定されない)他の嗜癖障害に対する有効な治療としての、例えばトピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンなどの薬物を用いた併用療法を提供する。当業者であれば、併用薬物療法のために有用な本発明は、一部の例では併用の一部としての代わりに単独で使用できることを理解するであろう。当業者であれば、併用薬物療法のために有用な本発明は、一部の例では任意の組み合わせで使用できることをさらに理解するであろう。
【0028】
1つの実施形態では、本発明は、アルコール関連疾患または障害を治療または予防するための組成物および方法であって、被験体に治療有効量の少なくとも2つの抗アルコール薬または化合物、および任意で他の治療薬を投与する工程を含む組成物および方法を提供する。本発明は、心理社会的管理技術の補助的使用をさらに含んでいる。1つの態様では、本発明は、被験体におけるアルコール関連疾患または障害を治療または予防するための方法であって、セロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、ノルエピネフリンアンタゴニスト、GABAアゴニスト、GABA阻害剤、GABA受容体アンタゴニスト、GABAチャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、グルタミンアゴニスト、グルタミンアンタゴニスト、抗痙攣薬、NMDA遮断薬、カルシウムチャネルアンタゴニスト、カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬、ニューロキニン、小分子剤、ペプチド、ビタミン剤、補因子、抗オレキシン薬、カンナビノイド受容体1の調節因子、およびコルチコステロイド放出因子アンタゴニストからなる群から選択される治療有効量の少なくとも2つの化合物、ならびにそれらのアナログ、ホモログ、誘導体、修飾体、および医薬上許容される塩を投与する工程を含む方法を提供する。1つの態様では、ニューロキニンは、NPYである。本発明は、他の小分子剤およびペプチドを投与する工程をさらに含んでいる。
【0029】
1つの実施形態では、治療されるアルコール関連疾患または障害には、早発性アルコール依存症、後発性アルコール依存症、妄想を伴うアルコール誘導性精神障害、アルコール過剰摂取、アルコール中毒、アルコール離脱、アルコール中毒性せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘導性持続性認知症、アルコール誘導性持続性健忘障害、アルコール依存、幻覚を伴うアルコール誘導性精神障害、アルコール誘導性気分障害、アルコール誘導性または関連性双極性障害、アルコール誘導性または関連性外傷後ストレス障害、アルコール誘導性不安障害、アルコール誘導性性機能障害、アルコール誘導性睡眠障害、アルコール誘導性または関連性賭博障害、アルコール誘導性または関連性性的障害、その他の特定不能のアルコール関連障害、アルコール中毒、ならびにアルコール離脱が含まれるがそれらに限定されない。
【0030】
1つの実施形態では、本発明は、治療前のアルコール摂取の頻度と比較してアルコール摂取の頻度を減少させるための組成物および方法を提供する。当業者であれば、その頻度は、その被験体による以前の摂取または治療を受けていない対照被験体による摂取と比較できることを理解するであろう。1つの態様では、アルコール摂取のタイプは、大量飲酒である。
【0031】
1つの実施形態では、本発明は、被験体において摂取されるアルコールの量を、治療前に摂取されたアルコールの量と比較して、または治療を受けていない対照被験体によるアルコール摂取と比較して減少させるための組成物および方法を提供する。
【0032】
本発明の1つの実施形態では、本発明は、治療を受けていない対照被験体と比較してアルコール摂取と関連する精神的または心理的後遺症を改善するための組成物および方法を提供する。
【0033】
1つの実施形態では、本発明は、治療を受けていない対照被験体と比較して被験体の禁酒率を増加させるための組成物および方法を提供する。
【0034】
1つの実施形態では、本発明は、被験体において摂取されるアルコールの平均レベルを、治療前のアルコール摂取のレベルと比較して、または治療を受けていない対照被験体によるアルコール摂取のレベルと比較して減少させるための組成物および方法を提供する。
【0035】
1つの実施形態では、本発明は、治療前の被験体によるアルコール摂取または治療を受けていない対照被験体と比較してアルコール摂取量を減少させるため、および禁酒を増加させるための組成物および方法を提供する。
【0036】
1つの実施形態では、本発明は、早発性アルコール依存症に対する素因を備える被験体を治療するための組成物および方法を提供する。
【0037】
1つの実施形態では、本発明は、遅発性アルコール依存症に対する素因を備える被験体を治療するための組成物および方法を提供する。
【0038】
当業者であれば、アルコール関連疾患または障害に罹患した被験体を特徴付けるアルコール摂取の多数のパラメーターまたは特性が存在することを理解するであろう。さらにまた、併用療法は、1つより多いパラメーターを治療する際に有効である可能性があること、そして治療の有効性を分析するための複数の方法があることもまた理解されるであろう。アルコール摂取量またはアルコール摂取の頻度を測定する際に分析されるパラメーターには、大量飲酒日、大量飲酒日数、平均飲酒日数、1日当たりの飲酒回数、禁酒日数、および飲酒への渇望が含まれるが、それらに限定されない。主観的および客観的尺度を使用すると、治療の有効性を分析することができる。例えば、被験体は、そのような報告に対して確立されたガイドラインおよび手続きにしたがって自己評価することができる。これらの手続きは、治療前、治療中、および治療後の様々な時点に実施できる。さらに、アルコール摂取を測定するためにアッセイを利用できる。これらのアッセイには、血清中CDTおよびGGTレベルを測定し、そして5−HTOL尿中レベルを測定する呼気中アルコール計の示度が含まれる。
【0039】
本発明は、併用薬物療法と併せて使用するための補助療法をさらに提供する。本発明は、被験体が心理社会的管理プログラムも受けさせられる補助療法または治療をさらに提供する。心理社会的管理プログラムは当技術分野において公知であり、短期行動コンプライアンス強化治療、認知行動対処技能療法、動機付け強化療法、12ステップ促進療法(Alcoholics Anonymous)、併用行動療法、内科的治療、精神分析、精神力動的治療、および生物心理社会的、報告、共感、ニーズ、直接的助言および評価が含まれるが、それらに限定されない。本発明は、催眠法および鍼療法を含む追加の補助療法および治療の使用をさらに含んでいる。
【0040】
1つの実施形態では、投与される化合物のうちの少なくとも1つは、少なくとも1日1回投与される。1つの態様では、少なくとも1日2回投与される。また別の態様では、少なくとも週1回投与される。また別の態様では、少なくとも月1回投与される。
【0041】
1つの実施形態では、化合物のうちの少なくとも1つは、セロトニン受容体アンタゴニストである。1つの態様では、セロトニン受容体は、セロトニン−3受容体である。1つの態様では、化合物は、オンダンセトロンである。
【0042】
1つの実施形態では、少なくとも3つの異なる化合物が被験体に投与される。
【0043】
当業者には、投与される2つ以上の化合物は、必ずしも同時点または等量で投与される必要はないことが理解されるであろう。1つの態様では、薬物併用療法の一部として投与される化合物は、別個に投与される。また別の態様では、第1化合物は、第2化合物が投与される前に投与される。さらにまた別の態様では、第1化合物および第2化合物は、ほぼ同時に投与される。さらに別の態様では、第1化合物は、第2化合物の投与に続いて投与される。
【0044】
本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物をさらに提供する。本医薬組成物は、本発明の1つ以上の化合物、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、修飾体および医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含んでいてよい。1つの実施形態では、本化合物は、医薬組成物として投与される。
【0045】
投与経路は、投与される化合物のタイプに依存して変動してよい。1つの態様では、本化合物は、例えば経口、局所、直腸、筋肉内、粘膜内、鼻腔内、吸入、点眼、および静脈内などの経路によって投与される。
【0046】
本発明は、本発明の化合物の放出制御製剤としての投与をさらに提供する。
【0047】
1つの実施形態では、本発明は、少なくとも2つの化合物を投与する工程であって、このとき前記化合物がトピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンからなる群から選択される工程を提供する。1つの態様では、投与される化合物の2つは、トピラメートおよびオンダンセトロンである。
【0048】
1つの実施形態では、本発明は、有効量のトピラメートおよびオンダンセトロンを含む医薬組成物を使用してアルコール関連疾患および障害を治療するための組成物および方法を提供する。
【0049】
投与される活性化合物の用量は、治療される状態、特定の化合物、およびその他の臨床因子、例えば治療される被験体の年齢、性別、体重、および健康状態、前記化合物の投与経路、ならびに投与される組成物のタイプ(錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、インヘラー、エーロゾル剤、エリキシル剤、ロゼンジ剤、注射剤、パッチ剤、軟膏剤、クリーム剤など)に依存するであろう。本発明は、ヒトおよび獣医学的使用の両方のための用途を有すると理解すべきである。
【0050】
例えば、ヒトへの経口投与に関連する1つの実施形態では、約0.1〜300mg/kg/日、または約0.5〜50mg/kg/日、または約1〜10mg/kg/日の用量が一般に十分であるが、例えば治療される障害、治療期間の長さ、被験体の年齢、性別、体重、および/または健康状態などの状況に依存して変動するであろう。薬物の併用は、使用される全薬物を含有する調製物で投与できる、または薬物は個別に投与できる。一部の場合には、複数の投与用量/回数が必要とされる、または有用であると予想されている。さらに、大多数の治療計画については、少なくとも2つの化合物が使用されるであろう。本発明は、治療期間の長さを変更する工程をさらに提供する。
【0051】
トピラメートは、併用薬物療法において有用な薬物として本明細書に開示されている。1つの実施形態では、トピラメートは、約15mg/日〜約2,500mg/日の範囲内の用量で提供される。1つの態様では、トピラメートは、約25mg/日〜約1,000mg/日の範囲内の用量で投与される。さらにまた別の態様では、トピラメートは、約50mg/日〜約500mg/日の範囲内の用量で投与される。さらに別の態様では、トピラメートは、約300mg/日の用量で投与される。また別の態様では、トピラメートは、約275mg/日の用量で投与される。1つの態様では、トピラメートは、約1mg/日の用量で投与される。
【0052】
1つの実施形態では、トピラメートは、約1mg/kgの用量で提供される。1つの態様では、トピラメートは、約10mg/kgの用量で提供される。1つの態様では、トピラメートは、約100mg/kgの用量で提供される。1つの実施形態では、トピラメートは、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内の用量で投与される。
【0053】
トピラメート(C1221NOS;IUPAC名:2,3:4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−β−D−スルファミン酸フルクトピラノース;CAS登録番号97240−79−4)は、以下の構造:
【0054】
【化1】

を有する。
【0055】
オンダンセトロンは、本発明の併用薬物療法において有用な薬物として本明細書に開示されている。オンダンセトロンが併用療法の1つの化合物として使用される場合のオンダンセトロンを投与するための用量および治療計画は、それと一緒に投与される他の薬物に基づいて、または被験体の年齢、性別、健康状態、および体重などの他の基準に基づいて変動させることができる。本発明はこのため、例えば約0.01μg/kg、約0.1μg/kg、約1.0μg/kg、約5.0μg/kg、約10.0μg/kg、約0.1mg/kg、約1.0mg/kg、約5.0mg/kg、および約10.0mg/kgなどの様々な用量でのオンダンセトロンの使用を提供する。また別の実施形態では、オンダンセトロンは、1回の投与に付き約0.01μg/kg〜約100μg/kgの範囲内の用量で投与される。1つの態様では、オンダンセトロンは、1回の投与に付き約0.1μg/kg〜約10.0μg/kgの範囲内の用量で投与される。さらに別の態様では、オンダンセトロンは、1回の投与に付き約1.0μg/kg〜約5.0μg/kgの範囲内の用量で投与される。別の態様では、オンダンセトロンは、1回の投与に付き約4.0μg/kgの用量で投与される。別の態様では、オンダンセトロンは、1回の投与に付き約3.0μg/kgの用量で投与される。
【0056】
オンダンセトロン(C1819O;CAS登録番号99614−02−5;IUPAC名:9−メチル−3−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−1,2,3,9−テトラヒドロカルバゾール−4−オン)は、以下の構造:
【0057】
【化2】

を有する。
【0058】
本発明は、本明細書に開示した薬物併用療法の一部としてのナルトレキソンなどの他の薬物の使用をさらに提供する。1つの実施形態では、ナルトレキソンは、約10mg/日の用量で投与される。1つの態様では、ナルトレキソンは、約100mg/日の用量で投与される。1つの態様では、ナルトレキソンは、1回の投与に付き約1mg〜約100mgの範囲内の用量で投与される。また別の態様では、ナルトレキソンは、1回の投与に付き約10mg〜約50mgの範囲内の用量で投与される。本発明の別の態様では、ナルトレキソンは、1回の投与に付き約25mgの用量で投与される。
【0059】
ナルトレキソン(C2023NO;17−(シクロプロピルメチル)−4,5a−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン塩酸塩;CAS登録番号16590−41−3)は、以下の構造:
【0060】
【化3】

を有する。
【0061】
1つの実施形態では、被験体を2つ以上の化合物の併用で治療する工程の結果は、いずれかの化合物を単独で用いる作用と比較して相加性である。1つの態様では、2つ以上の化合物を使用した場合に見られる作用は、いずれかの化合物を単独で用いた場合より大きい。
【0062】
1つの実施形態では、被験体を2つ以上の化合物の併用で治療する工程の結果は、化合物を単独で用いた場合の作用と比較して相乗性である。
【0063】
1つの実施形態では、他の化合物、例えば、ナルトレキソンをトピラメートおよびオンダンセトロンと併用して使用できる。
【0064】
追加の化合物は、本発明の化合物の被験体を治療するために使用できる。上述した少なくとも2つの薬物の併用療法に加えて、本発明は、本発明の疾患および障害を治療または予防するためのジスルフィラム、アカンプロセート、セルトラリン、ガランタミン、ナルメフェン、ナロキソン、デソキシペガニン、ベンゾジアゼピン系、神経弛緩薬、リスペリドン、リモナバント、トラゾドン、バクロフェン、カンナビノイド受容体1の調節剤、オレキシンの調節剤、およびアリピプラゾールを含むが、それらに限定されない、少なくとも1つの追加の化合物の投与をさらに提供する。1つの態様では、追加の化合物は、併用療法薬であるトピラメートおよびオンダンセトロンとともに使用される。当業者であれば、一部の場合には、これらの追加の化合物を使用する併用療法は相加作用を有し、一部の場合には相乗作用を有することを理解するであろう。これらの併用を試験するため、および結果を分析するための方法は、当技術分野において公知である。
【0065】
アルコール関連疾患および障害などの嗜癖関連疾患および障害を治療または予防するための本明細書に記載した併用薬物療法に加えて、嗜癖関連疾患および障害をさらに治療するため、または他の疾患および障害を治療するために追加のタイプの化合物を投与することができる。追加のタイプの化合物には、アドレナリン作動薬、副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制薬、アルドステロンアンタゴニスト、アミノ酸、中枢神経興奮薬、鎮痛薬、食欲抑制剤、食欲減退薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗高血圧薬、抗炎症薬、制吐薬、抗好中球減少薬、抗強迫薬、抗パーキンソン病薬、抗精神病薬、食欲抑制剤、血糖調節剤、カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬、強心剤、心血管薬、胆汁分泌促進薬、コリン作動薬、コリン作動性アゴニスト、コリンエステラーゼ不活性化剤、認知アジュバント、認知強化剤、ホルモン剤、記憶アジュバント、精神能力強化剤、気分調節剤、神経弛緩薬、神経保護薬、向精神薬、弛緩薬、鎮痛催眠薬、刺激薬、甲状腺ホルモン、甲状腺阻害薬、甲状腺ミメティック、脳虚血薬、血管収縮剤、および血管拡張剤が含まれるが、それらに限定されない。
【0066】
1つの実施形態では、本発明は、中脳皮質辺縁系ドーパミン活性を減少させるために有用な方法および組成物を提供する。
【0067】
1つの実施形態では、本発明は、中脳皮質辺縁系ドーパミン活性を調節するために有用な方法および組成物を提供する。
【0068】
1つの実施形態では、本発明は、グルタミン酸塩機能を阻害するために有用な方法および組成物を提供する。
【0069】
1つの実施形態では、本発明は、γ−アミノ−酪酸活性を促進するために有用な方法および組成物を提供する。
【0070】
1つの実施形態では、本発明は、γ−アミノ−酪酸活性を調節するために有用な方法および組成物を提供する。
【0071】
本発明は、本発明の化合物を送達するための複数の方法を提供する。本化合物は、例えば、錠剤、カプセル剤、ピル剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、軟膏剤、クリーム剤、エリキシル剤、坐薬、懸濁剤、吸入剤、注射剤(デポー製剤を含む)、および液剤を含むが、それらに限定されない複数のフォーマットにある医薬組成物として同様に提供できる。
【0072】
本発明は、本発明の化合物の生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体をさらに含んでいる。そのような化合物を調製するための方法は、当技術分野において公知である。1つの態様では、化合物は、トピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンである。
【0073】
アルコール関連疾患および障害を治療または予防するための、本明細書に記載した組成物および方法は、嗜癖関連疾患および障害ならびに衝動調節障害を治療または予防するためにもまた有用である。1つの態様では、本組成物および方法は、CMDAニューロンへの間接的作用を引き出す。そのような作用は、例えば、セロトニン作動薬、アヘン剤、グルタミン酸塩、またはγ−アミノ−酪酸受容体を調節することによって引き出すことができる。1つの態様では、嗜癖疾患および障害には、摂食障害、衝動調節障害、ニコチン関連障害、アンフェタミン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤使用障害、吸入剤関連障害、ベンゾジアゼピン系過剰摂取または依存関連障害、およびオピオイド関連障害が含まれる。
【0074】
本発明の組成物および方法は、体重減少、肥満、および体重増加を治療および調節するための多角的併用療法アプローチとしてもまた有用である。本発明は、単に単独化合物を提供するだけではなく、その代りに摂食および満腹経路における多数のポイントに作用する。さらに、例えばトピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンなどの一部の薬物は、おそらくは様々な機序(オンダンセトロンは腸運動性および満腹に及ぼす末梢作用により、ナルトレキソンは大食する衝動を減少させることによって、そしてトピラメートはグルコース代謝に及ぼす中枢または代謝作用を通して)を通して体重減少を生じさせる能力を有するが、これらの作用は、肥満を治療するため、または超過体重の個人における体重減少を誘導することに役立たせるために、またはそれが体重減少のために有益であるあらゆる場合に使用できる治療薬を製造するために追加できる、または相乗性となる可能性がある。実際に、肥満を治療するためのこの併用の魅力は、体重減少が大量の食物を摂取する渇望または衝動性(同様にCMDAニューロンを通して媒介される)の減少と平衡して誘導されることである。
【0075】
このため、嗜癖障害および肥満を含む関連性衝動性を治療するための本発明の併用療法は、新規および有用な療法である。本明細書に提供した、ならびに当技術分野において公知であるデータおよび説明に基づいて、当業者であれば、本発明を最適化するための複数のフォーマットにある例えばトピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンなどの薬物を組み合わせて使用する方法を理解するであろう。これらの薬理学的フォーマットには、錠剤、カプセル剤、チュアブル錠および経口吸収可能な物質(例えば、舌下錠)、エリキシル剤、懸濁剤、吸入剤、スプレー剤、パッチ剤、軟膏剤および香油、持効性筋肉内注射(FDA承認ポリアクチドカプセルまたはナノ技術を使用する)、ならびに注射のための静脈内、皮下、粘膜内、またはあらゆる他の手段が含まれる(それらに限定されない)。
【0076】
1つの実施形態では、本発明は、肥満を治療するための組成物および方法であって、それを必要とする被験体に、セロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、抗痙攣薬、およびNMDA遮断薬からなる群から選択される有効量の少なくとも2つの化合物、またはそれらのアナログ、誘導体、修飾体、もしくは医薬上許容される塩を投与する工程を含み、それにより任意で少なくとも1つの追加の治療活性化合物と併用して治療または予防する工程を含む組成物および方法を提供する。
【0077】
肥満を治療する1つの実施形態では、追加の治療的に有効な化合物は、抗糖尿病薬、抗脂肪血症薬、抗肥満薬、抗高血圧薬、および糖尿病の結果として、または関連して発生する合併症を治療するための薬物からなる群から選択される。
【0078】
肥満を治療する1つの実施形態では、被験体は、約30.0以上のボディ・マス・インデックスを有する。
【0079】
1つの態様では、肥満のために治療される被験体は、さらにまた心理社会的管理プログラムを受けさせられる。
【0080】
アルコール関連疾患および障害ならびに肥満を治療するために有用な組成物、併用療法、および心理社会的管理プログラムもまた、体重増加および体重減少を調節するために有用である。1つの実施形態では、本発明は、体重増加を防止または阻害するために有用な組成物および方法を提供する。また別の実施形態では、本発明は、体重減少を刺激するために有用な組成物および方法を提供する。例えば、本発明の組成物および方法は、例えば約25.0〜約29.9のボディ・マス・インデックスを備えるヒトなどの超過体重被験体を治療するために使用できる。当業者であれば、体重増加を防止または減少させることに比較して類似の用量および薬物を使用できることを理解するであろうが、さらにまた投与される化合物の用量および使用されるレジメンにおいて有用な変更を加える方法もまた理解するであろう。1つの実施形態では、本発明は、例えばトピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンを使用して、体重コントロールを調節するための治療を提供する。
【0081】
1つの実施形態では、本組成物および方法は、食欲を抑制するためにもまた有用である。
【0082】
1つの実施形態では、本発明の組成物および方法は、アルコール関連疾患および障害ならびに体重コントロール疾患および障害以外の嗜癖関連疾患または障害を治療または予防するためにもまた有用である。本方法は、有効量の本発明の少なくとも2つの化合物、ならびにそれらのアナログ、誘導体、修飾体、および医薬上許容される塩を投与する工程を含んでいる。1つの態様では、本化合物には、セロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、ノルエピネフリンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、グルタミンアゴニスト、グルタミンアンタゴニスト、抗痙攣薬、N−メチル−D−アスパラギン酸塩遮断薬、カルシウムチャネルアンタゴニスト、カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬、ニューロキニン、およびコルチコステロイド放出因子アンタゴニストが含まれるが、それらに限定されない。1つの態様では、本化合物は、トピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンである。
【0083】
本発明は、単独または任意の組み合わせのいずれかで、嗜癖疾患および障害を治療するためのそのような薬物を使用するためのすべての可能性のある組み合わせおよび順列を提供する。1つの実施形態では、嗜癖障害には、摂食障害、衝動調節障害、賭博障害、性的障害、ニコチン関連障害、アンフェタミン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤使用障害、吸入剤関連障害、ベンゾジアゼピン系過剰摂取または依存関連障害、およびオピオイド関連障害が含まれるが、それらに限定されない。食物および摂食障害には、例えば、過食症が含まれる。1つの態様では、併用薬物療法は、行動修正療法または介入術と結び付けて提供される。
【0084】
本発明は、本発明の化合物を投与するためのキットをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1A、1B、1C、および1Dは、トピラメート(10mg/kg、IP)およびオンダンセトロン(0.001mg/kg、IP)がアルコール嗜好性(P)ラットにおけるアルコール摂取量に及ぼす結合作用をグラフ表示した図である。1A−トピラメート単独;1B−オンダンセトロン単独;1C−オンダンセトロン+トピラメート;1D−ビヒクル。縦座標はエタノール摂取量(g/kg)を表しており、横座標はセッション数を表している。
【図2】トピラメート(10mg/kg、IP)およびオンダンセトロン(0.001mg/kg、IP)がアルコール嗜好性(P)ラットにおける2週間の禁酒期間後のアルコール摂取量に及ぼす結合作用をグラフ表示した図である。縦座標は、ベースライン時からの変化率としてのアルコール摂取を表している。横座標は、ビヒクル、トピラメート、および併用したオンダンセトロン/トピラメートを表している。
【図3】低用量および高用量のトピラメート(5および10mg/kg、IP)ならびにオンダンセトロン(0.001および0.01mg/kg、IP)がWistar系ラットにおけるアルコール摂取に及ぼす結合作用をグラフ表示した図である。縦座標は、ベースライン時からの変化率としてのアルコール摂取を表している。横座標は、ビヒクル、低用量オンダンセトロン/低用量トピラメート、高用量オンダンセトロン/低用量トピラメート、低用量オンダンセトロン/高用量トピラメート、および高用量オンダンセトロン/高用量トピラメートを表している。
【図4】図4Aおよび4Bを含めて、トピラメート(0、5、および10mg/kg)、オンダンセトロン(0、0.001、および0.01mg/kg)、ならびにそれらの併用(5および10mg/kgのトピラメートおよび0.001mg/kgのオンダンセトロン)がPラット(4A)およびWistar系ラット(4B)におけるエタノール摂取に及ぼす作用をグラフ表示した図である。データは、3日間のベースライン期間、試験セッション(注射日)(0)、およびその後に続く3セッションを含む7連続セッションにわたってプロットされている。各ラット(N=18匹のPラット;N=5匹のWistar系ラット)は、各薬物および無作為の注射順序を用いた薬物併用の各用量を摂取した。各ラットは、ビヒクル条件下で3回試験され、平均値が表示されている。最小3回の安定性セッションが試験セッションを分離した。任意のその後の比較に先行して、全体有意性が最初に入手された。 ビヒクルとは有意に相違した; 10mg/kgのトピラメート単独とは有意に相違した; 10mg/kgのトピラメート単独との有意差の傾向があった(P=0.09)。データは、単純性のために、そして用量併用試験のために設定された最も完全なデータセットであるために0.001mg/kgの用量のトピラメートについて表示されている。図4Aは、図4Bと同様に、4枚のパネルを含んでいる。各々の左上パネルは、トピラメート単独を示している。各々の右上パネルは、オンダンセトロン単独を示している。左下パネルは、トピラメートおよびオンダンセトロンの併用を示している。ベースライン時からの変化率(%)は、右下パネルにおいて(試験セッションについて)各状態について表示されている。
【図5】図5Aおよび5Bを含めて、ビヒクル、トピラメート(10mg/kg)、オンダンセトロン(0.001mg/kg、Pラットのみ)、ならびにトピラメートおよびオンダンセトロンの併用(各々、10/0.001mg/kg)がPラット(A)およびWistar系ラット(B)におけるアルコール剥脱作用(ADE)に及ぼす作用をグラフ表示した図である。データは、3日間のベースライン期間、エタノールが回復させられた試験セッション(1)、および試験セッションに続く3セッションを含む7セッションにわたってプロットされている。ベースライン時からの変化率(%)は、各状態についてもまた表示されている(試験日について、1)。各ラット(N=18匹のPラット;N=5匹のWistar系ラット)は、セッション間で平衡化がはかられた条件の順序を用いて、各条件下で試験された。ラットは、各ADE試験サイクル前の少なくとも3週間にわたってエタノールで維持された。 ビヒクルとは有意に相違した; 10mg/kgのトピラメート単独とは有意に相違した。図5Aおよび5Bは各々、エタノール摂取量を示す左のパネルおよびのベースライン時からの変化を示す右のパネルを含んでいる。
【図6】図6Aおよび6Bを含めて、ビヒクル、トピラメート(5および10mg/kg)、ならびにトピラメートおよびオンダンセトロンの併用(各々、0.001mg/kgとともに5および10mg/kg)がPラット(図6A)およびWistar系ラット(図6B)における短期試験期間中の水摂取量に及ぼす作用をグラフ表示した図である。データは、試験セッションの各々について観察された平均値および各試験セッションに先行する平均ベースライン値としてプロットされている。各データポイントは、N=18(Pラット)またはN=5(Wistar系ラット)を表している。
【図7】トピラメートおよびオンダンセトロンの併用を用いてヒトにおけるアルコール依存を治療する工程の作用をグラフ表示した図である。縦座標は、飲酒回数/日を表しており、横座標は時間(週数)を表している。
【発明を実施するための形態】
【0086】
(詳細な説明)
略語、一般名、および頭文字語
5−HT − セロトニン
5−HT − セロトニン受容体のサブタイプである、セロトニン−3−受容体
5−HTOL − 5−ヒドロキシトリプトフォール
ADE − アルコール剥脱作用
BBCET − 短期行動コンプライアンス強化治療(Brief Behavioral Compliance Enhancement Treatment)
BED − 過食障害
b.i.d.− 1日2回
BRENDA − 生物心理社会的、報告、同情、必要、直接的忠告、および評価(Biopsychosocial、Report、Empathy、Needs、Direct advice、and Assessment)
CBI − 併用行動療法
CBT − 認知行動対処技能療法(Cognitive Behavioral Coping Skills Therapy)、認知行動療法とも呼ばれる。
【0087】
CDT − 炭水化物欠損性トランスフェリン
CMDA − 皮質中脳辺縁系ドーパミン
DA − ドーパミン
EOA − 早発性アルコール依存症
GABA − γ−アミノ−酪酸(γ−アミノ酪酸とも呼ばれる)
GGT − γ−グルタミルトランスフェラーゼ
ICD − 衝動調節障害
IP − 腹腔内
LOA − 遅発性アルコール依存症
MET − 動機付け強化療法
MM − 内科的治療
NAc − 側坐核
ナルトレキソン − μオピオイド受容体アンタゴニスト
NMDA − N−メチル−D−アスパラギン酸塩
NOS − 特定不能
オンダンセトロン(Zofran(登録商標)) − セロトニン受容体アンタゴニスト
P − アルコール嗜好性ラット
SSRI − 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
トピラメート(Topamax(登録商標)) − 抗痙攣薬
TSF − 12ステップ促進療法(Twelve−Step Facilitation Therapy(例、アルコール依存症更正会))
VTA − 腹側被蓋領域
用語の定義
本発明を説明および要求する際に、以下の用語は、下記に規定する定義にしたがって使用される。他に特に規定しない限り、本明細書で使用するすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同一の意味を有する。本明細書に記載したものと類似または同等のあらゆる方法および材料は本発明の実践または試験において使用できるが、好ましい方法および材料は、本明細書に記載されている。本明細書で使用するように、以下の用語の各々は、このセクションにおいてそれと結び付いた意味を有する。ラジカル、置換基、および範囲について下記に列挙する特定かつ好ましい数値は、例示するためだけである;それらは、他の規定値またはラジカルおよび置換基についての規定範囲内の他の数値を除外しない。
【0088】
本明細書で使用する冠詞の「1つの」は、1つまたは2つより多い、すなわちその冠詞の文法上の目的語の少なくとも1つを意味する。一例として、「1つの要素」は、1つの要素または2つより多い要素を意味する。
【0089】
本明細書で使用する用語「約」は、おおよその、〜の範囲内の、大まかに、またはおよそを意味する。用語「約」が数値範囲と結び付けて使用される場合は、規定された数値の上方および下方の境界を拡張することによってその範囲を修飾する。一般に、用語「約」は、本明細書では20%の変動によって表示された数値の上方および下方の数値を修飾することである。
【0090】
「嗜癖障害」には、摂食障害、衝動調節障害、アルコール関連障害、ニコチン関連障害、アンフェタミン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、賭博、性的障害、幻覚剤使用障害、吸入剤関連障害、ベンゾジアゼピン系過剰摂取または依存関連障害、およびオピオイド関連障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0091】
用語「追加の治療的に有効な化合物」は、本発明の状況においては、まさに治療されている特定の障害以外の追加の治療使用のための化合物の使用または投与を意味する。そのような化合物は、例えば、非関連性の疾患もしくは障害、または治療されている嗜癖疾患および障害のための一次治療に対して応答性ではない可能性がある疾患もしくは障害を治療するために使用される化合物を含むことができよう。追加の治療的に有効な化合物によって治療される疾患および障害には、例えば、高血圧および糖尿病が含まれる。
【0092】
本明細書で使用する用語「エーロゾル」は、空気中の懸濁物を意味する。詳細には、エーロゾルは、本発明の調製物の微粒子化または噴霧化に関する。
【0093】
本明細書で使用する用語「罹患細胞」は、疾患または障害に罹患した被験体の細胞を意味しており、その罹患細胞は、疾患、状態、または障害に罹患していない被験体と比較して変化した表現型を有する。
【0094】
細胞または組織は、その細胞または組織が疾患、状態、または障害に罹患していない被験体における同一細胞または組織と比較して変化した表現型を有する場合に、疾患または障害による「影響を受けて」いる。
【0095】
本明細書で使用する用語「アゴニスト」は、例えばヒトなどの哺乳動物に投与されると当該の生物活性を強化または拡大する組成物である。そのような作用は、直接的または間接的であってよい。
【0096】
本明細書で使用する用語「アルコール摂取に関連する疾患または障害」には、妄想を伴うアルコール誘導性精神障害;アルコール過剰摂取;アルコール中毒;アルコール離脱;アルコール中毒精神錯乱;アルコール離脱精神錯乱;アルコール誘導性持続性認知症;アルコール誘導性持続性健忘障害;アルコール依存;幻覚を伴うアルコール誘導性精神障害;アルコール誘導性気分障害;アルコール誘導性または関連性双極性障害、アルコール誘導性または関連性外傷後ストレス障害;アルコール誘導性不安障害;アルコール誘導性性機能障害;アルコール誘導性睡眠障害;および特定不能の(NOS)アルコール関連障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0097】
本明細書で使用する「アミノ酸」は、以下の表に表示したように、それらの正式名称によって、それらに対応する3文字コード、またはそれらに対応する1文字コードによって表される:
【表A−1】

【0098】
【表A−2】

【0099】
本明細書で使用する表現「アミノ酸」は、天然および合成アミノ酸の両方、ならびにD−およびL−アミノ酸の両方を含むことが意図されている。「標準アミノ酸」は、天然型ペプチドにおいて一般に見いだされる20個の標準L−アミノ酸のいずれかを意味する。「非標準アミノ酸残基」は、それが合成によって調製されたのか、または天然起源に由来するのかとは無関係に、標準アミノ酸以外のあらゆるアミノ酸を意味する。本明細書で使用する「合成アミノ酸」は、塩、アミノ酸誘導体(例えばアミドなど)、および置換基を含むが、それらに限定されない化学修飾されたアミノ酸をさらに含んでいる。本発明のペプチド内に含有される、および特にカルボキシ末端またはアミノ末端にあるアミノ酸は、それらの活性に有害な影響を及ぼさずにペプチドの循環中半減期を変化させることのできる、メチル化、アミド化、アセチル化または他の化学基との置換によって修飾することができる。さらに、ジスルフィド結合は、本発明のペプチド中に存在していてもいなくてもよい。
【0100】
用語「アミノ酸」は、「アミノ酸残基」と互換的に使用され、遊離アミノ酸、およびペプチドのアミノ酸残基を意味することができる。それが遊離アミノ酸またはペプチドの残基を意味するかどうかは、その用語が使用される状況から明白になるであろう。
【0101】
アミノ酸は、以下の一般構造:
【0102】
【化4】

を有する。
【0103】
アミノ酸は、側鎖Rに基づいて7つの群に分類できる:(1)脂肪族側鎖;(2)ヒドロキシル(OH)基を含有する側鎖;(3)硫黄原子を含有する側鎖;(4)酸性基またはアミド基を含有する側鎖;(5)塩基性基を含有する側鎖;(6)芳香族環を含有する側鎖;および(7)その中で側鎖がアミノ基と融合しているアミノ酸であるプロリン。
【0104】
本明細書で使用する用語「保存的アミノ酸置換」は、本明細書では以下の5つの群:
I.小さな脂肪族非極性または弱極性の残基:
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性の、負荷電残基およびそれらのアミド:
Asp、Asn、Glu、Gln;
III.極性の正荷電残基:
His、Arg、Lys;
IV.大きな、脂肪族非極性残基:
Met、Leu、He、VaI、Cys
V.大きな芳香族残基:
Phe、Tyr、Trp
のうちの1つ内での交換であると規定されている。
【0105】
本発明のペプチド化合物を記載するために使用される術語は、従来型実践に従うが、このときアミノ基は、各アミノ酸残基の左に、およびカルボキシ基は右に表示される。本発明の選択された特定の実施形態を表す式では、アミノ末端基およびカルボキシ末端基は、特に詳細には示されないが、他に規定されない限り生理的pH値で推測されるであろう形態にあると理解されるであろう。
【0106】
本明細書で使用する用語「塩基性」または「正荷電」アミノ酸は、R基がpH7.0で正味正荷電を有するアミノ酸を意味しており、標準アミノ酸であるリシン、アルギニン、およびヒスチジンが含まれるが、それらに限定されない。
【0107】
本明細書で使用する化学化合物の「アナログ」は、例として、構造は他の化合物に似ているが、必ずしも異性体ではない化合物である(例、5−フルオロウラシルは、チミンのアナログである)。
【0108】
「アンタゴニスト」は、例えばヒトなどの哺乳動物に投与されると、前記哺乳動物における内因性化合物のレベルまたは存在に帰せられる生物活性を阻害または妨害する組成物である。そのような作用は、直接的または間接的であってよい。
【0109】
本明細書で使用する用語「抗アルコール剤」は、アルコール嗜癖、アルコール過剰摂取、アルコール中毒、および/またはアルコール離脱のうちの1つ以上を治療するための活性を示す任意の活性な薬物、調製物、または方法に関しており、哺乳動物被験体におけるアルコール摂取を有意に減少させる、制限する、または予防する薬物、調製物および方法を含んでいる。
【0110】
本明細書で使用する用語「食欲抑制」は、食欲の減退、減少、または過剰な食物摂取の場合には改善である。この抑制は、食物に対する願望または渇望を減少させる。食欲抑制は、望み通りに体重減少または体重管理を生じさせることができる。
【0111】
本明細書で使用する用語「平均的飲酒」は、1週間の期間中に摂取された飲酒の回数を意味する。用語「平均的飲酒」は、本明細書では「飲酒の平均レベル」と互換的に使用される。
【0112】
本明細書で使用する用語「化合物」は、一般に薬物、または薬物として使用するための候補と考えられる任意のタイプの物質または薬剤、ならびに上記の組み合わせおよび混合物を意味する。
【0113】
「対照」被験体は、例えば類似タイプの依存などの試験被験体と同一の特性を有する被験体である。対照被験体は、例えば、試験被験体が治療または試験されているのと正確に、またはほぼ同一時点に試験されてよい。対照被験体はさらにまた、例えば、試験被験体が試験される時点とは離れた時点に試験されてもよく、対照被験体の試験の結果は、記録された結果を試験被験体の試験によって入手される結果と比較できるように記録されてよい。
【0114】
「試験」被験体は、治療されている被験体である。
【0115】
本明細書で使用する化合物の「誘導体」は、Hとアルキル、アシル、またはアミノ基との置換におけるように、1つ以上の工程において類似構造の別の化合物から生成できる化学化合物を意味する。
【0116】
「疾患」は、被験体の健康状態であって、前記被験体がホメオスタシスを維持できない、そしてその疾患が改善されない場合は前記被験体の健康が悪化し続ける健康状態である。これとは対照的に、被験体における「障害」は、前記被験体がホメオスタシスを維持することはできるが、前記被験体の健康状態は前記障害が非存在の場合におけるより好ましくない健康状態である。しかしながら、上記に記載した「疾患」および「障害」の定義は、特定の嗜癖疾患または障害に関連する定義または一般使用に優先することは意図されていない。
【0117】
疾患、状態、または障害は、前記疾患または障害の症状の重症度、そのような症状を患者が経験する頻度が減少する場合は「改善される」。
【0118】
本明細書で使用する「有効量」は、例えば疾患または障害の症状を改善するなどの選択された作用を生成するために十分な量を意味する。2つ以上の化合物を投与する状況においては、各化合物の量は、他の化合物と組み合わせて投与されると、その化合物が単独で投与される場合とは相違してよい。
【0119】
本明細書で使用する用語「エリキシル剤」は、一般には、透明で甘みのある、アルコール含有の、通常はフレーバー剤および時には活性薬剤を含有する含水アルコール液を意味する。
【0120】
本明細書で使用する「機能的」分子は、それが特徴とする特性または活性を示す形態にある分子である。機能的酵素は、例えば、その酵素がそれによって特徴付けられる特徴的な触媒活性を示す酵素である。
【0121】
本明細書で使用する「大量飲酒日」は、男性または女性による1飲酒日に付き各々約5または4回の標準飲酒を超える摂取に関する。
【0122】
本明細書で使用する用語「インヘラー」は、薬物、例えば液剤、パウダー剤などの鼻腔内および肺内投与のための両方のデバイスを意味する。例えば、用語「インヘラー」は、急性喘息発作のための抗ヒスタミン剤を投与するために使用されるような噴射剤駆動式インヘラー、および例えば充血除去剤を投与するために使用されるようなプラスチック製スプレーボトルを含むことが意図されている。
【0123】
本明細書で使用する用語「阻害する」は、化合物または任意の薬剤が、用語「阻害する」が使用される状況に基づいて、記載した機能、レベル、活性、合成、放出、結合などを減少または妨害する能力を意味する。好ましくは、阻害は、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%、一層より好ましくは少なくとも50%までであり、および最も好ましくは、その機能は、少なくとも75%阻害される。用語「阻害する」は、「減少させる」および「遮断する」と互換的に使用される。
【0124】
本明細書で使用する用語「複合体を阻害する」は、2つ以上のタンパク質の複合体の形成または相互作用を阻害すること、ならびにその複合体の機能または活性を阻害することを意味する。この用語は、形成された複合体を破壊することもまた含んでいる。しかし、この用語は、これらの機能の各々および1つ残らずが同時に阻害されなければならないことは意味していない。
【0125】
本明細書で使用する用語「タンパク質を阻害する」は、タンパク質の合成、レベル、活性、または機能を阻害するあらゆる方法または技術、ならびに当該のタンパク質の合成、レベル、活性、または機能の誘導または刺激を阻害する方法を意味する。この用語は、当該のタンパク質の合成、レベル、活性、または機能を調節できる任意の代謝または調節経路もまた意味する。この用語は、他の分子との結合および複合体形成を含んでいる。このために、用語「タンパク質阻害剤」は、その適用がタンパク質機能またはタンパク質経路機能の阻害を生じさせる、任意の薬剤または化合物を意味する。しかし、この用語は、これらの機能の各々および1つ残らずが同時に阻害されなければならないことは意味していない。
【0126】
本明細書で使用する「説明用材料」には、本明細書で言及した様々な疾患または障害の改善を実行するためのキット内で、本発明の化合物の有用性を伝達するために使用できる刊行物、記録、図、または任意の他の表現媒体を含んでいる。任意で、または代りに、説明用材料は、被験体における前記疾患または障害を改善する1つ以上の方法を記載することができる。本発明のキットの説明用材料は、例えば、本発明の同定された化合物を含有する容器に添付されてよい、または前記同定された化合物を含有する容器と一緒に輸送されてよい。または、説明用材料は、受領者が前記説明用材料および前記化合物を協調的に使用できるように本発明の容器とは別個に輸送されてもよい。
【0127】
本明細書で使用する「リガンド」は、標的化合物または分子へ特異的に結合する化合物である。リガンドは、前記リガンドが不均質な化合物のサンプル中における前記化合物の存在の決定要因である結合反応において機能する場合に、化合物へ「特異的に結合する」、または化合物と「特異的に反応する」。
【0128】
「受容体」は、リガンドへ特異的に結合する化合物または分子である。
【0129】
本明細書で使用する用語「結合(linkage)」は、2つの基間の連結を意味する。この結合は、イオン結合、水素結合、および疎水性/親水性相互作用を含むがそれらに限定されない共有または非共有のいずれであってもよい。
【0130】
本明細書で使用する用語「リンカー」は、共有的または非共有的のいずれかで、例えば水素結合またはファンデルワールス相互作用を通して他の2つの分子を結合する分子を意味する。
【0131】
あらゆる文法的形態にある用語「鼻腔内投与」は、本発明の少なくとも1つの化合物を全身性送達するための、本発明の少なくとも1つの化合物の鼻粘膜を通した血流への投与を意味する。送達のための鼻腔内投与の利点は、それがシリンジまたはニードルを用いる注射を必要としないこと、薬物の筋肉内投与に付随することのある壊死を回避すること、そして薬物の経粘膜投与が自己投与に高度に適していることである。
【0132】
本明細書で使用する用語「核酸」は、RNA、ならびに一本鎖および二本鎖DNAおよびcDNAを含んでいる。さらに、用語「核酸」、「DNA」、「RNA」、および類似の用語は、核酸アナログ、すなわちホスホジエステル主鎖以外を有するアナログもまた含んでいる。例えば、当技術分野において公知であり、主鎖内にホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有するいわゆる「ペプチド核酸」は、本発明の範囲内に含まれると見なされる。「核酸」はさらにまた、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオシドから構成されていようと、そしてホスホジエステル結合または組み換え結合、例えばホスホトリエステル、ホスホルアミデート、シロキサン、炭酸塩、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバミン酸塩、チオエーテル、架橋ホスホルアミデート、架橋ホスホン酸メチレン、架橋ホスホルアミデート、架橋ホスホルアミデート、架橋ホスホン酸メチレン、ホスホロチオエート、ホスホン酸メチル、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエートまたはスルホン結合、ならびにそのような結合の組み合わせから構成されていようと、あらゆる核酸を意味する。用語「核酸」は、さらに5つの生物学的に発生する塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)以外の他の塩基から構成される核酸を特に含んでいる。本明細書では、ポリヌクレオチド配列を記載するために従来の表記法が使用される:一本鎖ポリヌクレオチド配列の左端は5’末端である;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左方向は、5’方向と呼ばれる。新生RNA転写産物へのヌクレオシドの付加の5’から3’への方向は、転写方向と呼ばれている。mRNAと同一配列を有するDNA鎖は、「コーディング鎖」と呼ばれる;DNA上の参照点に対して5’側に位置するDNA鎖上の配列は「上流配列」と呼ばれる;DNA上の参照点に対して3’側であるDNA鎖上の配列は、「下流配列」と呼ばれる。
【0133】
他に特に規定しない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、相互に縮退バージョンである、そして同一アミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列を含んでいる。タンパク質およびRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンを含むことができる。
【0134】
「肥満」は、一般には脂肪過多に起因する体重増加の状態として言及される。肥満を治療するための薬物は、一般には3つの群に分けられる:(1)例えばモノアミン受容体、例えばノルアドレナリン性受容体、セロトニン受容体、ドーパミン受容体、およびヒスタミン受容体などを妨害する薬物などの食物摂取量を減少させる薬物;(2)代謝を増加させる薬物;および(3)膵リパーゼを阻害することによって熱発生を増加させる、または脂肪吸収を減少させる薬物(Bray、2000、Nutrition、16:953−960およびLeonhardtら、1999、Eur.J.Nutr.、38:1−13)。肥満は、ボディ・マス・インデックス(BMI)によって定義されてきた。BMIは、体重(kg)/[身長(m)]として計算される。米国疾病対策予防センター(CDC)のガイドライン、および世界保健機関(WHO)(World Health Organization.Physical status:The use and interpretation of anthropometry.Geneva、Switzerland:World Health Organization 1995.WHO Technical Report Series)によると、20歳以上の成人については、BMIは次のカテゴリーの1つに分類される:18.5未満は過少体重と見なされ、18.5〜24.9は正常と見なされ、25.0〜29.9は体重超過と見なされ、そして30.0以上は肥満と見なされる。
【0135】
用語「オリゴヌクレオチド」は、典型的には短鎖ポリヌクレオチド、一般には約50以下のヌクレオチドを意味する。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)によって表されるが、これはさらに「U」が「T」に取って代わるRNA配列(すなわち、A、U、G、C)もまた含んでいる。
【0136】
用語「ペプチド」は、典型的には短鎖ポリペプチドを意味する。
【0137】
「ポリペプチド」は、アミノ酸残基、関連する天然型構造変異体およびペプチド結合によって結合されたそれらの合成非天然型アナログ、関連性天然型構造変異体、およびそれらの合成の非天然型アナログから構成されるポリマーを意味する。合成ポリペプチドは、例えば、全自動ポリペプチド合成装置を用いて合成することができる。
【0138】
用語「タンパク質」は、典型的には大きなポリペプチドを意味する。
【0139】
「組み換えポリペプチド」は、組み換えポリヌクレオチドが発現すると生成されるポリペプチドである。
【0140】
ペプチドは、2つ以上のアミノ酸の配列を含むが、このとき前記アミノ酸は天然型または合成(非天然型)アミノ酸である。ペプチドミメティックは、以下の修飾:
1.1つ以上のペプチジル−−C(O)NR−−結合が例えば−CH2−カルバメート結合(−−CH2OC(O)NR−−)、ホスホン酸塩結合、−−CH2−スルホンアミド(−CH2−−S(O)2NR−−)結合、尿素(−−NHC(O)NH−−)結合、−−CH2−二次アミン結合などの非ペプチジル結合によって、またはアルキル化ペプチジル結合(−−C(O)NR−−)(式中、Rは、C1−C4アルキルである)と置換されているペプチド;
2.N末端が−−NRR1基へ、−−NRC(O)R基へ、−−NRC(O)OR基へ、−−NRS(O)2R基へ、−−NHC(O)NHR基(式中、RおよびR1の両方が水素ではないことを前提に、RおよびR1は水素またはC1−C4アルキルである)へ誘導体化されるペプチド;
3.C末端が−−C(O)R2(式中、R2は、C1−C4アルコキシからなる群から選択される)、および−−NR3R4(式中、R3およびR4は独立して水素およびC1−C4アルキルからなる群から選択される)へ誘導体化されているペプチド、の1つ以上を有するペプチドを含んでいる。
【0141】
本明細書で使用する「1回の適用に付き」は、被験体への薬物または化合物の投与に関する。
【0142】
本明細書で使用する用語「医薬上許容される担体」には、例えばリン酸緩衝食塩液、水、例えば水中油型または油中水型エマルジョンなどのエマルジョン、ならびに様々なタイプの湿潤剤などの標準の医薬担体のいずれかが含まれる。この用語は、米国連邦政府の監督官庁によって承認された、またはヒトを含む動物において使用するために米国薬局方に列挙された物質のいずれかをさらに含んでいる
本明細書で使用する用語「生理的に許容できる」エステルまたは塩は、本医薬組成物の任意の他の成分と適合する、そして本組成物が投与される被験体にとって有害ではない有効成分のエステルまたは塩形を意味する。
【0143】
本明細書で使用する用語「予防する」は、何かが起こることを停止させる、または可能性のある、もしくは予想される何かが起こることを前もって阻止する対策を取ることを意味する。医学の状況では、「予防」は一般には、疾患または状態に罹患する機会を減少させるために講じられる行為を意味する。
【0144】
本明細書で使用する末端アミノ基に関連する用語「保護基」は、ペプチドの末端アミノ基を意味しており、この末端アミノ基は、ペプチド合成において伝統的に使用される様々なアミノ末端保護基のいずれかと結合されている。そのような保護基には、例えば、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、スクシニル、およびメトキシスクシニルなどのアシル保護基;ベンジルオキシカルボニルなどの芳香族ウレタン保護基;ならびに例えばtert−ブトキシカルボニルまたはアダマンチルオキシカルボニルなどの脂肪族ウレタン保護基が含まれる。適切な保護基については、GrossおよびMienhofer編、The Peptides、vol.3、pp.3−88(Academic Press、New York、1981)を参照されたい。
【0145】
本明細書で使用する末端カルボキシ基に関連する用語「保護基」は、ペプチドの末端カルボキシル基を意味しており、この末端カルボキシル基は、様々なカルボキシル末端保護基のいずれかと結合されている。そのような保護基には、例えば、tert−ブチル、ベンジル、またはエステルまたはエーテル結合を通して末端カルボキシル基に結合した他の許容できる基が含まれる。
【0146】
本明細書で使用する用語「心理社会的管理プログラム」は、嗜癖およびアルコール関連疾患および障害の併用薬理学的療法を補助するために使用される様々なタイプのカウンセリングおよび管理技術の使用に関連する。
【0147】
本明細書で使用する用語「精製(された)」および類似の用語は、自然環境において分子または化合物と通常は結び付いている他の成分に比較した前記分子または化合物の濃縮に関する。用語「精製(された)」は必ずしも、そのプロセス中に特定の分子の完全純度が達成されていることを示すものではない。本明細書で使用する「高度に精製された」化合物は、90%超純粋である化合物を意味する。
【0148】
「減少させる」については、「阻害する」の項を参照されたい。
【0149】
用語「調節する」は、当該の機能または活性を刺激する、または阻害するのいずれかを意味する。
【0150】
本明細書で使用する「サンプル」は、正常組織サンプル、疾患組織サンプル、生検標本、血液、唾液、便、精液、涙液、および尿を含むが、それらに限定されない、被験体からの生物学的サンプルを意味する。サンプルは、当該の細胞、組織、または液体を含有する、被験体から入手される物質の任意の他の起源であってもよい。
【0151】
「短鎖干渉RNA(siRNA)」は、特に、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方を含む単離されたdsRNA分子を意味する。1つの態様では、siRNAは、長さが10ヌクレオチドより長い。siRNAはさらにまた、標的遺伝子、例えばヘアピンからのセンス配列および相補的アンチセンス配列の両方を有する単一転写産物を意味する。siRNAはさらに、任意の形態のdsRNA(大きなdsRNAのタンパク質分解による開裂生成物、部分精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組み換え生成されたRNA)ならびに天然型RNAとは1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換、および/または改変によって相違する変化したRNAを含んでいる。
【0152】
本明細書で使用する用語「特異的に結合する」は、特定の分子を認識して結合するが、サンプル中の他の分子を実質的に認識もしくは結合しない分子を意味する、または細胞調節プロセスの一部としての2つ以上の分子間の結合を意味するが、このとき前記分子はサンプル中の他の分子を実質的に認識もしくは結合しない。
【0153】
本明細書で使用する用語「標準」は、比較のために使用される何らかのものを意味する。例えば、標準は、投与もしくは添加され、試験化合物を添加した場合の結果を比較するために使用される公知の標準薬剤もしくは化合物であってよい、または1つの薬物もしくは化合物がパラメーターもしくは機能に及ぼす作用を測定する際のコントロール値を入手するために測定される標準パラメーターもしくは機能であってよい。標準は、例えばサンプルへ公知の量で添加され、サンプルは当該のマーカーが測定される前に精製もしくは抽出方法で処理される、または精製もしくは抽出方法にかけられる場合に精製もしくは回収率などの事柄を決定する際に有用である薬剤もしくは化合物などの「内部標準」を意味することができる。内部標準は、例えば内因性マーカーから識別することを可能にする放射性同位体を用いるなどの、標識されている当該の精製マーカーであることが多い。
【0154】
診断または治療の「被験体」は、ヒトを含む哺乳動物である。
【0155】
本明細書で使用する用語「被験体はアルコール依存症の早発に対する素因を含む」は、アルコール依存症の早発に対する素因を有する、またはそれを特徴とする被験体に関する。
【0156】
本明細書で使用する用語「症状」は、任意の病的現象または患者が経験する構造、機能、または感覚における正常からの逸脱および疾患の指標を意味する。これとは対照的に、徴候は、疾患の客観的証拠である。例えば、鼻血は徴候である。それは、患者、医師、看護師およびその他の監視者には明白である。
【0157】
本明細書で使用する用語「治療する」は、特定の疾患、障害、もしくは状態の予防、または特定の疾患、障害もしくは状態に関連する症状の改善、および/または前記症状を予防もしくは排除することを含んでいる。「予防的」治療は、その疾患に関連する病変を発生するリスクを減少させる目的で、疾患の徴候を示していない、または疾患の初期徴候しか示していない被験体に投与される治療である。「治療する(工程)」は、本明細書では「治療」と互換的に使用される。
【0158】
「治療的」治療は、それらの徴候を減少または排除する目的で、病変の徴候を示す被験体に投与される治療である。
【0159】
化合物の「治療有効量」は、その化合物が投与される被験体にとって有益な作用を提供するために十分である化合物の量である。
化学用語の定義
本明細書で使用する用語「ハロゲン」または「ハロ」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、およびヨードを含んでいる。
【0160】
本明細書で使用する用語「ハロアルキル」は、少なくとも1つのハロゲン置換基、例えば、クロロメチル、フルオロエチル、またはトリフルオロメチルなどを有するアルキルラジカルを意味する。
【0161】
本明細書で使用する用語「C−Cアルキル」(式中、nは整数である)は、1〜規定数の炭素原子を有する分枝状または直鎖状アルキル基を表す。典型的には、C−Cアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0162】
本明細書で使用する用語「C−Cアルケニル」(式中、nは整数である)は、2〜規定数の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する、オレフィン不飽和の分枝状または直鎖状基を表す。そのような基の例には、1−プロペニル、2−プロペニル、1,3−ブタジエニル、1−ブテニル、ヘキセニル、ペンテニルなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0163】
本明細書で使用する用語「C−Cアルキニル」(式中、nは整数である)は、2〜規定数の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する、不飽和の分枝状または直鎖状基を表す。そのような基の例には、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニルなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0164】
用語「C−Cシクロアルキル」(式中、n=8である)は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを表す。
【0165】
本明細書で使用する用語「任意に置換された」は、0〜4つの置換基に関するが、このとき置換基は各々独立して選択される。独立して選択された置換基の各々は、他の置換基と同一であっても相違していてもよい。
【0166】
本明細書で使用する用語「アリール」は、フェニル、ベンジル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどを含むが、それらに限定されない、1または2つの芳香族環を有する任意に置換された単環式または二環式炭素環系を意味する。「任意に置換されたアリール」には、0〜4つの置換基を有するアリール化合物が含まれ、そして「置換されたアリール」は、1つ以上の置換基を有するアリール化合物を含んでいる。用語の「(C−Cアルキル)アリール」は、アルキル基を介して親成分に結合させられている任意のアリール基を意味する。
【0167】
用語「複素環基」は、1〜3つのヘテロ原子を含有する任意に置換された単環式または二環式炭素環系を意味しており、このとき前記ヘテロ原子は、酸素、硫黄、および窒素からなる群から選択される。
【0168】
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、1〜3つのヘテロ原子を含有する1または2つの芳香族環を有する任意に置換された単環式または二環式炭素環系を意味しており、フリル、チエニル、ピリジルなどを含むが、それらに限定されない、
用語「二環式」は、不飽和または飽和いずれかの安定性の7〜12員の架橋または縮合二環式炭素環を表す。二環式環は、安定性構造を提供する任意の炭素原子で結合されていてよい。この用語には、ナフチル、ジシクロヘキシル、ジシクロヘキセニルなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0169】
本発明の化合物は、分子内に1つ以上の不斉中心を含有する。本発明によると、その立体化学を指定しない構造は、すべての様々な光学異性体ならびにそれらのラセミ混合物を含むと理解すべきである。
【0170】
本発明の化合物は、互変異性体形で存在してよく、本発明は互変異性体の混合物および個別の互変異性体の両方を含んでいる。例えば、以下の構造:
【0171】
【化5】

用語「医薬上許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的またはその他の点で不都合ではない塩を意味する。多くの場合に、本発明の化合物は、アミノ基および/またはカルボキシル基またはそれらに類似する基の存在によって、酸性塩および/または塩基性塩を形成することができる。
(実施形態)
本発明は、嗜癖および強迫疾患および障害、特にアルコール関連疾患および障害を治療するための薬物または化合物の組み合わせの使用を含んでいる。本発明は、例えば心理社会的管理計画、催眠法、および鍼療法などの補助的治療および療法の使用を含んでいる。
【0172】
一部の実施形態では、第1化合物および第2化合物は、ほぼ同時に投与される。他の実施形態では、第1化合物は第2化合物に先行して投与される。さらに他の実施形態では、第1化合物は第2化合物に続いて投与される。3つ以上の化合物が投与される場合は、当業者であれば、3つ以上の化合物を同時に、または様々な順序で投与できることを理解するであろう。
【0173】
本明細書に開示した所定の実施形態では、個人には、嗜癖関連疾患もしくは障害または強迫調節関連疾患もしくは障害を治療または予防するために2つ以上の化合物の組み合わせを含む医薬組成物が与えられる。これらの実施形態の一部では、各化合物は、別個の化学実体である。しかし、他の実施形態では、少なくとも2つの化合物は、少なくとも2つの相違する化合物が同一分子の別個の部分を形成するように、例えば共有結合などの化学結合によって一緒に結合することができる。1つの態様では、化学結合は、身体内への進入後に、例えば酵素作用、酸加水分解、塩基加水分解などによって結合が破壊され、2つの別個の化合物が次に形成されるように選択される。
【0174】
以前の当技術分内の構造−活性関係(SAR)試験からのデータは、どの化合物を使用し、化合物の効力および選択性が高いままでとどまるようにテザーを取り付けるための分子上の最適な位置を決定するためのガイドとして使用できる。テザーまたはリンカー成分は、生活性分子を一緒に結合するための有用性が証明された成分の中から選択される。本明細書では、ヘテロ二価治療用分子を形成するための様々な組み合わせにおいて一緒に結合され得る代表的な化合物である。
【0175】
科学文献に報告されたリンカーの例には、(CHリンカー(Husseyら、J.Am.Chem.Soc.、2003、125:3692−3693;Tamizら、J.Med.Chem.、2001、44:1615−1622)、ナルトレキサミンを他のオピオイドへ結合させるために使用されるオリゴエチレンオキシO−(−CHCHO−)単位、オピオイドアンタゴニストとアゴニストとを一緒に結合するために使用される式−NH−(COCHNH)COCHCHCO−−(NHCHCO)NH−−のグリシンオリゴマー((a)Portogheseら、Life Sci.、1982、31:1283−1286.(b)Portogheseら、J.Med.Chem.、1986、29:1855−1861)、オピオイドペプチドを一緒に結合するために使用される親水性ジアミン(Stepinskiら、Internat.J.of Peptide & Protein Res.、1991、38:588−92)、剛性二本鎖DNAスペーサー(Paarら、J.Immunol.、2002、169:856−864)ならびに生分解性リンカーであるポリ(L−乳酸)(Klokら、Macromolecules、2002、35:746−759)が含まれる。テザーの化合物への結合は、好ましい結合方向付けを達成する化合物を生じさせることができる。リンカー自体は、生分解性であってもなくてもよい。リンカーは、プロドラッグの形態を取ってよく、結合された薬物の最適な遊離動態のために調節可能である。リンカーは、その全長を通して立体配座的に柔軟性であってよい、またはテザーのセグメントが立体配座的に制限されるように設計されてもよい(Portogheseら、J.Med.Chem.、1986、29:1650−1653)。
【0176】
アルコール過剰摂取およびアルコール依存を含むが、それらに限定されないアルコール関連障害に関して、トピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソン、ならびにそれらのアナログ、誘導体、および修飾体、そしてそれらの医薬上許容される塩からなる群から選択される少なくとも2つの化合物は、そのようなアルコール関連障害と結び付いたエタノール摂取を減少させるために使用できる。1つの態様では、トピラメートおよびオンダンセトロンが使用される。したがって、本発明は、エタノール摂取量に基づくアルコール関連障害を治療または予防するための方法であって、そのような治療または予防を必要とする被験体に、有効量の、ピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソン、ならびにそれらのアナログ、誘導体、および修飾体、そしてそれらの医薬上許容される塩からなる群から選択される少なくとも2つの化合物を投与する工程を含む方法を提供する。また別の態様では、併用薬物療法は、行動修正法または行動療法と結び付けて使用される。
【0177】
本発明は、本発明の化合物の生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体を含んでいる。そのような化合物を調製するための方法は、当技術分野において公知である。1つの態様では、化合物は、トピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソンである。
【0178】
トピラメート(C1221NOS;IUPAC名:2,3:4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−β−D−スルファミン酸フルクトピラノース;CAS登録番号97240−79−4)は、以下の構造:
【0179】
【化6】

を有する。
【0180】
オンダンセトロン(C1819O;CAS登録番号99614−02−5;IUPAC名:9−メチル−3−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−1,2,3,9−テトラヒドロカルバゾール−4−オン)は、以下の構造:
【0181】
【化7】

を有する。
【0182】
ナルトレキソン(C2023NO;17−(シクロプロピルメチル)−4,5a−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン塩酸塩;CAS登録番号16590−41−3)は、以下の構造:
【0183】
【化8】

を有する。
【0184】
アルコール関連疾患および障害の治療または予防の有効性は、数種の方法で検出および測定することができる。例えば、被験体は、そのような報告のために設定されたガイドラインおよび手順にしたがって自己報告することができる。アルコール摂取の客観的尺度には、呼気アルコール計示度の使用、血清中CDTレベルの測定、および血清中γ−グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)レベルの測定が含まれる。尿中5−HTOLもまた測定することができ、最近のアルコール摂取のインジケーターである。5−HTOLは、5−HTの微量代謝産物である。正確さを保証するためには、これらのタイプのアッセイの2つ以上が実施されてよい。その他の主観的および客観的尺度もまた公知である。これらの測定は、治療前、治療中、および治療後の様々な時点に行う、または実施することができる。
【0185】
本明細書に記載した投与経路、用量、および剤形は、エタノール摂取の予防または治療のために本発明の化合物またはそれらの医薬上許容される塩を投与するために利用できる。本発明の生物活性組成物および方法において使用するための化合物の適切な形態には、その医薬上許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグが含まれる。
【0186】
有効量の、本発明の少なくとも2つの化合物、またはそれらの医薬上許容される塩の被験体への投与は、単独であっても第2治療薬との組み合わせであっても、前記被験体におけるエタノール摂取を検出可能に治療または予防するであろう。代表的な実施形態では、本発明の少なくとも2つの化合物、またはそれらの医薬上許容される塩の投与は、単独であっても、または追加の治療薬との組み合わせであっても、少なくとも約10%、20%、30%、50%以上、約75〜90%までの、または約95%以上のエタノール摂取の減少を生じさせるであろう。
【0187】
本組成物は、任意で、患者への適正な投与のための形態を提供できるように、適切な量の医薬上許容されるビヒクルを含んでいる。
【0188】
本組成物は、さらにまた行動療法または相互作用と組み合わせて被験体に投与することもできる。
【0189】
本発明の範囲内に含まれるのは、様々な個別アノマー、ジアステレオマーおよびエナンチオマーならびにそれらの混合物である。さらに、本発明の化合物は、任意の医薬上許容される塩、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属塩;アンモニウム塩;モノアルキルアンモニウム塩;ジアルキルアンモニウム塩;トリアルキルアンモニウム塩;テトラアルキルアンモニウム塩;およびトロメタミン塩をさらに含んでいる。化合物の水和物およびその他の溶媒和物は、本発明の範囲内に含まれている。
【0190】
アルコール関連障害を治療するための併用療法として投与される追加の治療薬は、伝統的な抗アルコール薬および/または他の薬剤を含むことができる。本発明の組み合わせ調製物および協調治療方法において有用な抗アルコール薬には、ジスルフィラム(Littenら、Expert Opin Emerg.Drugs 10(2):323−43、2005);ナルトレキソン(Volpicelliら、Arch.Gen.Psychiatry 49:876−880、1992;O’Malleyら、Arch.Gen.Psychiatry 49(11):881−887、1992);アカンプロセート(Campral(登録商標))(Swift、N.Engl.J.Med.340(19):1482−1490、1999);オンダンセトロン(Pettinatiら、Alcohol Clin.Exp.Res.24(7):1041−1049、2000;Stoltenberg、Scott、Clinical & Experimental Research 27(12):1853−1859、2003);セルトラリン(Zoloft(登録商標))(Pettinatiら、Alcohol Clin.Exp.Res.24(7):1041−1049、2000);チアプリド(Shawら、Br.J.Psychiatry 150:164−8、1987);γヒドロキシブチレート(Alcover(登録商標))(Poldrugo F.およびAddolorato G.、Alcohol Alcoholism 34(1)、15−24、1999);ガランタミン(Novel pharmacotherapies and patents for alcohol abuse and alcoholism 1998−2001、Expert Opinion on Therapeutic Patents、Vol.11、No.10、pp.1497−1521(2001);米国特許第5,932,238号明細書);ナルメフェン(Revex)(Drobesら、Alcohol Clin Exp Res.、28(9):1362−70(2004);ナロキソン(Julius、D.、およびRenault、P.編、Narcotic Antagonists:Naltrexone Progress Report、NIDA Research Monograph Series、Number 9.DHEW Publication No.(ADM) 76−387、Bethesda、Md.:National Institute on Drug Abuse、1976;JenabおよびInturrisi、Molecular Brain Research 27:95−102、1994);デソキシペガニン(Doetkotteら、Alcoholism:Clinical & Experimental Research、International Society for Biomedical Research on Alcoholism 12th World Congress on Biomedical Alcohol Research、Sep.29−Oct.2、2004、Heidelburg/Mannheim、Germany、28(8)Supplement:25A、2004);ベンゾジアゼピン系(Ntaisら、Benzodiazepines for alcohol withdrawal、Cochrane Database Syst.Rev.(3):CD005063、2005;Mueller TIら、Alcohol Clin.Exp.Res.29(8):1411−8、2005);神経弛緩薬、例えばレボプロマジン(Neurocil(登録商標))およびチオリダジン(Melleril(登録商標));ピラセタム;クロニジン;カルバマゼピン;クロメチアゾール(Distraneurin(登録商標));レベチラセタム;クエチアピン(Monnellyら、J.Clin.Psychopharmacol.24(5):532−5、2004);リスペリドン;リモナバント;トラゾドン(Janiriら、Alcohol 33(4):362−5、1998);トピラメート(Johnson BAら、Lancet 361:1677−1685、2003);アリピプラゾール(Beresfordら、J.Clin.Psychopharmacol.25(4):363−6、2005);およびモダフィニル(Saletuら、Prog.Neuropsychopharmacol.Biol.Psychiatry 14(2):195−214、1990);アンペロザイド、およびモダフィニルが含まれるが、それらに限定されない。
【0191】
本発明のトピラメートのスルファミン酸塩誘導体、または他のいずれかの化合物およびそれらの誘導体、アナログもしくは修飾体は、1つ以上の他の薬物化合物と結び付けて、そして前記医薬製剤がアルコール関連障害を治療する際にも有効である使用を有する限り本発明の方法にしたがって使用することができる。当業者であれば、本発明とともに有用性を有するそれらの医薬物質を容易に同定することができるであろう。当業者であればさらに、アルコール関連障害を治療するために本発明によるカテゴリーに含まれる、そして有用である極めて多数の他の化合物も認識するであろう。1つの態様では、本発明の抗アルコール化合物は、他の状態のために有用な薬物と組み合わせて使用される。
【0192】
その他の治療薬は、抗ニコチン薬であってよい。有用な抗ニコチン剤には、クロニジンおよびブプロピオンが含まれるが、それらに限定されない。
【0193】
その他の治療薬は、抗アヘン薬であってよい。有用な抗アヘン薬には、メタドン、クロニジン、ロフェキシジン、酢酸塩酸レボメタジル、ナルトレキソン、およびブプレノルフィンが含まれるが、それらに限定されない。
【0194】
その他の治療薬は、抗コカイン薬であってよい。有用な抗コカイン薬には、デシプラミン、アマンタジン、フルオキシジン、およびブプレノルフィンが含まれるが、それらに限定されない。
【0195】
その他の治療薬は、食欲抑制薬であってよい。有用な食欲抑制薬には、フェンフルラミン、フェニルプロパノールアミン、およびマジンドールが含まれるが、それらに限定されない。
【0196】
その他の治療薬は、抗リセルグ酸ジエチルアミド(「抗LSD」)薬であってよい。有用な抗LSD薬には、ジアゼパムが含まれるが、それらに限定されない。
【0197】
その他の治療薬は、抗フェンシクリジン(「抗PCP」)薬であってよい。有用な抗PCP薬には、ハロペリドールが含まれるが、それらに限定されない。
【0198】
その他の治療薬は、抗パーキンソン病薬であってよい。有用な抗パーキンソン病薬には、ドーパミン前駆体、例えばレボドパ、L−フェニルアラニン、およびL−チロシン;神経保護薬;ドーパミンアゴニスト;ドーパミン再取り込み阻害剤;抗コリン作動薬、例えばアマンタジンおよびメマンチン;ならびに1,3,5−三置換アダマンタン、例えば1−アミノ−3,5−ジメチル−アダマンタン(Shermらへの米国特許第4,122,193号明細書)が含まれるが、それらに限定されない。
【0199】
その他の治療薬は、抗うつ薬であってよい。有用な抗うつ薬には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリピリン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、ベンラファキシン、ブプロピオン、ネファゾドン、トラゾドン、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレギリン、クロニジン、ガバペンチン、ならびに2−および4−ピリジニル環の両方の上に少なくとも1つの置換基を有する2−ピリジニル[7−(ピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メタノン化合物が含まれるが、それらに限定されない。有用なクラスの抗うつ薬には、制限なく、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、選択的再取り込み阻害剤、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ならびにセロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤が含まれる。
【0200】
その他の治療薬は、抗不安薬であってよい。有用な抗不安薬には、ベンゾジアゼピン系、例えばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、およびパラゼパム;非ベンゾジアゼピン系、例えばブスピロン;ならびに精神安定剤、例えばバルビツール酸系催眠薬が含まれるが、それらに限定されない。
【0201】
その他の治療薬は、抗精神病薬であってよい。有用な抗精神病薬には、フェノチアジン系、例えばクロルプロマジン、ベジル酸メソリダジン、チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、およびトリフルオペラジン;チオキサンテン系、たとえばクロルプロチキセン、およびチオチキセン;ならびにその他の複素環式化合物、例えばクロザピン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ピモジド、およびリスペリドンなどが含まれるが、それらに限定されない。典型的な抗精神病薬には、塩酸クロルプロマジン、塩酸チオリダジン、塩酸フルフェナジン、塩酸チオチキセン、および塩酸モリンドンが含まれる。
【0202】
その他の治療薬は、抗肥満薬であってよい。有用な抗肥満薬には、βアドレナリン受容体アゴニスト、例えばβ3受容体アゴニスト、例えばフェンフルラミン;デキスフェンフルラミン;シブトラミン;ブプロピオン;フルオキセチン;フェンテルミン;アンフェタミン;メタンフェタミン;デキストロアンフェタミン;ベンズフェタミン;フェンジメトラジン;フェンジメトラジン;ジエチルプロピオン;マジンドール;フェニルプロパノールアミン;ノルエピネフリン;セロトニン再取り込み阻害剤、例えばシブトラミン;ならびに膵リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタットが含まれるが、それらに限定されない。
【0203】
以下では、本発明の範囲内に含まれるカテゴリー内の薬物のタイプ、および特定の薬物のリストを提供する。
【0204】
アドレナリン作動薬:アドレナロン;メシル酸アミデフリン;塩酸アプラクロニジン;酒石酸ブリモニジン;塩酸ダピプラゾール;塩酸デテレノール;ジピベフリン;塩酸ドーパミン;硫酸エフェドリン;エピネフリン;重酒石酸エピネフリン;ホウ酸エピネフリル;塩酸エスプロキン;塩酸エタフェドリン;臭化水素酸ヒドロキシアンフェタミン;レボノルデフリン;硫酸メフェンテルミン;重酒石酸メタラミノ−ル;塩酸メチゾリン;塩酸ナファゾリン;重酒石酸ノルエピネフリン;オキシドーパミン;塩酸オキシメタゾリン;塩酸フェニレフリン;塩酸フェニルプロパノールアミン;フェニルプロパノールアミンポリスチレックス;塩酸プレナルテロール;プロピルヘキセドリン;塩酸シュードエフェドリン;塩酸テトラヒドロゾリン;塩酸トラマゾリン;塩酸キシロメタゾリン。
【0205】
副腎皮質ステロイド剤:シプロシノニド;酢酸デゾキシコルチコステロン;ピバル酸デゾキシコルチコステロン;酢酸デキサメタゾン;酢酸フルドロコルチゾン;フルモキソニド;ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン;ヘミコハク酸メチルプレドニゾロン;ナフロコート;プロシノニド;酢酸チモベゾン;チプレダン。
【0206】
副腎皮質抑制剤:アミノグルテチミド;トリロスタン。
【0207】
嫌酒薬:ジスルフィラム
アルドステロンアンタゴニスト:カンレノ酸カリウム;カンレノン;ジシレノン;メキスレノ酸カリウム;プロレノ酸カリウム;スピロノラクトン。
【0208】
アミノ酸:アラニン;アスパラギン酸;塩酸システイン;シスチン;ヒスチジン;イソロイシン;ロイシン;リシン;酢酸リシン;塩酸リシン;メチオニン;フェニルアラニン;プロリン;セリン;トレオニン;トリプトファン;チロシン;バリン。
【0209】
中枢神経興奮剤:モダフィニル。
【0210】
鎮痛剤:アセトアミノフェン;塩酸アルフェンタニル;アミノ安息香酸カリウム;アミノ安息香酸ナトリウム;アニドキシム;アニレリジン;塩酸アニレリジン;塩酸アニロパム;アニロラック;アンチピリン;アスピリン;ベノキサプロフェン;塩酸ベンジダミン;塩酸ビシファジン;塩酸ブリフェンタニル;マレイン酸ブロマドリン;ブロムフェナクナトリウム;塩酸ブプレノルフィン;ブタセチン;ブチキシレート;ブトルファノール;酒石酸ブトルファノール;カルバマゼピン;カルバスピリンカルシウム;塩酸カルビフェン;クエン酸カルフェンタニル;コハク酸シプレファドール;シラマドール;塩酸シラマドール;クロニキセリル;クロニキシン;コデイン;リン酸コデイン;硫酸コデイン;塩酸コノルホン;シクラゾシン;塩酸デキソキサドロール;デクスペメドラク;デゾシン;ジフルニサル;重酒石酸ジヒドロコデイン;ジメファダン;ジプロン;塩酸ドクスピコミン;ドリニデン;塩酸エナドリン;エピリゾール;酒石酸エルゴタミン;塩酸エトキサゼン;エトフェナメート;オイゲノール;フェノプロフェン;フェノプロフェンカルシウム;クエン酸フェンタニル;フロクタフェニン;フルフェニサール;フルニキシン;フルニキシンメグルミン;マレイン酸フルピルチン;フルプロクアゾン;塩酸フルラドリン;フルルビプロフェン;塩酸ヒドロモルホン;イブフェナク;インドプロフェン;ケタゾシン;ケトルファノール;ケトロラクトロメタミン;塩酸レチミド;酢酸レボメタジル;酢酸塩酸レボメタジル;塩酸レボナントラドール;酒石酸レボルファノール;塩酸ロフェミゾール;シュウ酸ロフェンタニル;ロルシナドール;ロモキシカム;サリチル酸マグネシウム;メフェナム酸;塩酸メナビタン;塩酸メペリジン;塩酸メプタジノール;塩酸メタドン;酢酸メタジル;メソホリン;メトトリメプラジン;酢酸メトケファミド;塩酸ミンバン;塩酸ミルフェンタニル;モリナゾン;硫酸モルヒネ;モキサゾシン;塩酸ナビタン;塩酸ナルブフィン;塩酸ナルメキソン;ナモキシレート;塩酸ナントラドール;ナプロキセン;ナプロキセンナトリウム;ナプロキソール;塩酸ネオフォパム;塩酸ネキセリジン;塩酸ノラシメタドール;塩酸オクフェンタニル;オクタザミド;オルバニル;フマル酸オキセトロン;オキシコドン;塩酸オキシコドン;テレフタル酸オキシコドン;塩酸オキシモルホン;ペメドラク;ペンタモルホン;ペンタゾシン;塩酸ペンタゾシン;乳酸ペンタゾシン;塩酸フェナゾピリジン;塩酸フェニラミドール;塩酸ピセナドール;ピナドリン;ピルフェニドン;ピロキシカムオラミン;マレイン酸プラボドリン;塩酸プロジリジン;塩酸プロファドール;フマル酸プロピラム;塩酸プロポキシフェン;ナプシル酸プロポキシフェン;プロキサゾール;クエン酸プロキサゾール;酒石酸プロキソルファン;塩酸ピロリフェン;塩酸レミフェンタニル;サルコレックス;マレイン酸サレタミド;サリチルアミド;サリチル酸メグルミン;サルサレート;サリチル酸ナトリウム;メシル酸スピラドリン;スフェンタニル;クエン酸スフェンタニル;タルメタシン;タルニフルメート;タロサレート;コハク酸タザドレン;テブフェロン;テトリダミン;ティフラックナトリウム;塩酸チリジン;チオピナク;メシル酸トナゾシン;塩酸トラマドール;塩酸トレフェンタニル;トロラミン;塩酸ベラドリン;塩酸ベリロパム;ボラゾシン;メシル酸キソルファノール;塩酸キシラジン;メシル酸ゼナゾシン;ゾメピラクナトリウム;ズカプサイシン。
【0211】
食欲抑制化合物:デキスフェンフルラミンを含む。
【0212】
食欲抑制薬:アミノレックス;アムフェクロラール;塩酸クロルフェンテルミン;クロミオレックス;塩酸クロルテニン;塩酸ジエチルプロピオン;塩酸フェンフルラミン;フェニソレックス;フルドレックス;フルミノレックス;コハク酸レバムフェタミン;マジンドール;塩酸メフェノレックス;塩酸フェンメトラジン;フェンテルミン;塩酸シブトラミン。
【0213】
抗不安薬:塩酸アダタンセリン;アルピデム;メシル酸ビノスピロン;ブレタゼニル;グレマンセリン;塩酸イプサピロン;マレイン酸ミリセトロン;オシナプロン;塩酸オンダンセトロン;パナジプロン;パンコプリド;パジナクロン;塩酸セラザピン;クエン酸タンドスピロン;塩酸ザロスピロン。
【0214】
抗大麻薬:カナバノイド受容体を調節する薬物を含むリモナバント、および他の有用な薬物。
【0215】
抗うつ薬:塩酸アダタンセリン;アジナゾラム;メシル酸アジナゾラム;アラプロクレート;塩酸アレタミン;塩酸アメダリン;塩酸アミトリプチリン;アモキサピン;マレイン酸アプタザピン;フマル酸アザロキサン;アゼピンドール;塩酸アジプラミン;塩酸ビペナルノール;塩酸ブプロピオン;ブタセチン;塩酸ブトリプチリン;カロキサゾン;カルタゾレート;シクラジンドール;塩酸シドキセピン;メシル酸シロバミン;塩酸クロダゾン;塩酸クロミプラミン;フマル酸コチニン;シクリンドール;塩酸シペナミン;塩酸シプロリドール;シプロキシミド;トシル酸ダレダリン;塩酸ダポキセチン;マレイン酸ダザドロール;塩酸ダゼピニル;塩酸デシプラミン;デキサミゾール;デキシマフェン;塩酸ジベンゼピン;塩酸ジオキサドロール;塩酸ドチエピン;塩酸ドキセピン;塩酸デュロキセチン;マレイン酸エクラナミン;エンシプレート;塩酸エトペリドン;塩酸ファントリドン;塩酸フェーメトゾール;フェンメトラミド;フマル酸フェゾラミン;塩酸フルオトラセン;フルオキセチン;塩酸フルオキセチン;塩酸フルパロキサン;ガムフェキシン;硫酸グアノキシフェン;塩酸イマフェン;塩酸イミロキサン;塩酸イミプラミン;塩酸インデロキサジン;塩酸イントリプチリン;イピンドール;イソカルボキサジド;フマル酸ケチプラミン;塩酸ロフェプラミン;ロルタラミン;マプロチリン;塩酸マプロチリン;塩酸メリトラセン;塩酸ミラセミド;塩酸ミナプリン;ミルタザピン;モクロベミド;硫酸モダリン;塩酸ナパクタジン;塩酸ナパメゾール;塩酸ネファゾドン;ニソキセチン;塩酸ニトラフダム;マレイン酸ノミフェンシン;塩酸ノルトリプチリン;リン酸オクトリプチリン;塩酸オピプラモール;塩酸オキサプロチリン;オキシペルチン;パロキセチン;硫酸フェネルジン;塩酸ピランダミン;ピゾチリン;塩酸プリデフィン;塩酸プロリンタン;塩酸プロトリプチリン;マレイン酸キナパジン;ロリシプリン;塩酸セプロキセチン;塩酸セルトラリン;塩酸シブトラミン;スルピリド;スリトゾール;塩酸タメトラミン;フマル酸タムプラミン;塩酸タンダミン;塩酸チアゼシム;トザリノン;塩酸トモキセチン;塩酸トラゾドン;塩酸トレベンゾミン;トリミプラミン;マレイン酸トリミプラミン;塩酸ベンラファキシン;塩酸ビロキサジン;塩酸ジメルジン;ゾメタピン。
【0216】
抗高血圧薬:塩酸アフリゾシン;アリパミド;アルチアジド;塩酸アミキンシン;ベシル酸アムロジピン;マレイン酸アムロジピン;酢酸アナリチド;マレイン酸アチプロシン;ベルフォスジル;ベミトラジン;メシル酸ベンダカロール;ベンドロフルメチアジド;ベンズチアジド;塩酸ベタキソロール;硫酸ベタニジン;塩酸ベバントロール;塩酸ビクロジル;ビソプロロール;フマル酸ビソプロロール;塩酸ブシンドロール;ブシコミド;ブチアジド;カンドキサトリル;カンドキサトリラート;カプトプリル;カルベジドール;セロナプリル;クロロチアジドナトリウム;シクレタニン;シラザプリル;クロニジン;塩酸クロニジン;クロパミド;シクロペントチアジド;シクロチアジド;ダロジピン;硫酸デブリソキン;塩酸デラプリル;ジアパミド;ジアゾキシド;塩酸ジレバロール;マレイン酸ジルチアゼム;ジテキレン;メシル酸ドキサゾシン;エカドトリル;マレイン酸エナラプリル;エナラプリラート;エナルキレン;メシル酸エンドララジン;エピチアジド;エプロサルタン;メシル酸エプロサルタン;メシル酸フェノールドパム;マレイン酸フラボジロール;フロルジピン;フロセキナン;フォシノプリルナトリウム;フォシノプリラート;グアナベンズ;酢酸グアナベンズ;硫酸グアナクリン;硫酸グアナドレル;グアンシジン;グアネチジンモノ硫酸;硫酸グアネチジン;塩酸グアンファシン;硫酸グアニソキン;硫酸グアノクロル;塩酸グアノクチン;グアノキサベンズ;硫酸グアノキサン;硫酸グアノキシフェン;塩酸ヒドララジン;ヒドララジンポリスチレックス;ヒドロフルメチアジド;インダクリノン;インダパミド;塩酸インドラプリフ;インドラミン;塩酸インドラミン;塩酸インドレネート;ラシジピン;レニキンシン;レボクロマカリム;リシノプリル;塩酸ロフェキシジン;ロサルタンカリウム;塩酸ロスラジン;メブタメート;塩酸メカミラミン;メドロキサロール;塩酸メドロキサロール;メタルチアジド;メチルクロチアジド;メチルドーパ;塩酸メチルドペート;メチプラノロール;メトラゾン;フマル酸メトプロロール;コハク酸メトプロロール;メチロシン;ミノキシジル;マレイン酸モナテピル;ムゾリミン;ネビボロール;ニトレンジピン;オフォミン;塩酸パルジリン;パゾキシド;塩酸ペランセリン;ペリンドプリルエルブミン;塩酸フェノキシベンザミン;ピナシジル;ピボプリル;ポリチアジド;塩酸プラゾシン;プリミドロール;塩酸プリジジロール;塩酸キナプリル;キナプリラート;塩酸キナゾシン;塩酸キネロラン;塩酸キンピロール;臭化キヌクリウム;ラミプリル;ラウオルフィアセルペンチナ;レゼルピン;サプリサルタンカリウム;酢酸サララシン;ニトロプルシドナトリウム;塩酸スルフィナロール;タソサルタン;塩酸テルジピン;塩酸テモカプリル;塩酸テラゾシン;テルラキレン;チアメニジン;塩酸チアミニジン;チクリナフェン;チナビノール;チオダゾシン;塩酸チペントシン;トリクロルメチアジド;塩酸トリマゾシン;カンシル酸トリメタファン;塩酸トリモキサミン;トリプラミド;キシパミド;塩酸ザンキレン;ゾフェノプリラートアルギニン。
【0217】
抗炎症薬:アルクロフェナク;アルクロメタゾンジプロピオネート;アルゲストンアセトニド;αアミラーゼ;アムシナファル;アムシナフィド;アムフェナクナトリウム;塩酸アミプリロース;アナキンラ;アニロラク;アニトラザフェン;アパゾン;バルサラジドニナトリウム;ベンダザック;ベノキサプロフェン;塩酸ベンジダミン;ブロメライン;ブロペラモール;ブデソニド;カルプロフェン;シクロプロフェン;シンタゾン;クリプロフェン;プロピオン酸クロベタゾール;酪酸クロベタゾン;クロピラク;プロピオン酸クロチカゾン;酢酸コルメタゾン;コルトドキソン;デフラザコート;デソニド;デソキシメタゾン;ジプロピオン酸デキサメタゾン;ジクロフェナクカリウム;ジクロフェナクナトリウム;ニ酢酸ジフロラゾン;ジフルミドンナトリウム;ジフルニサル;ジフルプレドネート;ジフタロン;ジメチルスルホキシド;ドロシノニド;エンドリゾン;エンリモマブ;エノリカムナトリウム;エピプリゾール;エトドラク;エトフェナメート;フェルビナク;フェナモール;フェンブフェン;フェンクロフェナク;フェンクロラク;フェンドサール;フェンピパロン;フェンチアザク;フラザロン;フルアザコート;フルフェナム酸;フルミゾール;酢酸フルニソリド;フルニキシン;フルニキシンメグルミン;フルコルチンブチル;酢酸フルオロメトロン;フルクアゾン;フルビプロフェン;フルレトフェン;プロピオン酸フルチカゾン;フラプロフェン;フロブフェン;ハルシノニド;プロピオン酸ハロベタゾール:酢酸ハロプレドン;イブフェナク;イブプロフェン;イブプロフェンアルミニウム;イブプロフェンピコノール;イロニダプ;インドメタシン;インドメタシンナトリウム;インドプロフェン;インドキソール;イントラゾール;酢酸イソフルプレドン;イソキセパク;イソキシカム;ケトプロフェン;塩酸ロフェミゾール;ロルノキシカム;ロテプレドノールエタボネート;メクロフェナム酸ナトリウム;メクロフェナム酸;二酪酸メクロリゾン;メフェナム酸;メサラミン;メセクラゾン;スレプタン酸メチルプレドニゾロン;モルニフルメート;ナブメトン;ナプロキセン;ナプロキセンナトリウム;ナプロキソール;ニマゾン;オルサラジンナトリウム;オルゴテイン;オルパノキシン;オキサプロジン;オキシフェンブタゾン;塩酸パラニリン;ペント酸ポリ硫酸ナトリウム;フェンブタゾンナトリウムグリセレート;ピルフェニドン;ピロキシカム;桂皮酸ピロキシカム;ピロキシカムオラミン;ピルプロフェン;プレドナザート;プリフェロン;プロドロン酸;プロクアゾン;プロキサゾール;クエン酸プロキサゾール;リメキソロン;ロマザリット;サルコレクス;サルナセジン;サルサレート;塩化サンギナリウム;セクラゾン;セルメタシン;スドキシカム;スリンダク;スプロフェン;タルメタシン;タルニフルメート;タロサレート;テブフェロン;テニダップ;テニダップナトリウム;テノキシカム;テシカム;テシミド;テトリダミン;チオピナク;ピバル酸チキソコルトール;トルメチン;トルメチンナトリウム;トリクロニド;トリフルミデート;ジドメタシン;ゾメピラクナトリウム。
【0218】
制吐薬:塩酸ブクリジン;乳酸シクリジン;塩酸ナボクテート。
【0219】
抗好中球減少薬:フィルグラスチム;レノグラスチム;モルグラモスチム;レグラモスチム;サルグラモスチム。
【0220】
抗強迫薬:マレイン酸フルボキサミン。
【0221】
抗パーキンソン病薬:メシル酸ベンズトロピン;ビペリデン;塩酸ビペリデン;乳酸ビペリデン;カルマンタジン;塩酸シラドーパ;ドパマンチン;塩酸エトプロパジン;ラザベミド;レボドパ;塩酸ロメトラリン;塩酸モフェギリン;塩酸ナキサゴリド;硫酸パレプチド;塩酸プロシクリジン;塩酸キネトラン;塩酸ロピニロール;塩酸セレギリン;トルカポン;塩酸トリヘキシルフェニジル。
【0222】
抗蠕動薬:塩酸ジフェノキシミド;ジフェノキシン;塩酸ジフェノキシレート;フルペラミド;塩酸リダミジン;塩酸ロペラミド;マレサマー(Malethamer);ヌフェノキソール;パレゴリック。
【0223】
抗精神病薬:マレイン酸アセトフェナジン;臭化水素アレンテモール;アルペルチン;アザペロン;マレイン酸バテラピン;ベンペリドール;塩酸ベンジノドピリン;ブロフブキシン;ブロムペリドール;デカン酸ブロムペリドール;塩酸ブタクラモ−ル;ブタペラジン;マレイン酸ブタペラジン;マレイン酸カルフェナジン;塩酸カルボトロリン;クロルプロマジン;塩酸クロルプロマジン;クロルプロチキセン;シンペレン;シントリアミド;リン酸クロマクラン;クロペンチキソール;クロピモジド;メシル酸クロピパザン;塩酸クロロペロン;クロチアピン;マレイン酸クロチキサミド;クロザピン;塩酸シクロフェナジン;ドロペリドール;塩酸エタゾレート;フェニミド;フルシンドール;フルメザピン;デカン酸フルフェナジン;エナント酸フルフェナジン;塩酸フルフェナジン;フルスピペロン;フルスピリレン;フルトロリン;塩酸ゲボトロリン;ハロペミド;ハロペリドール;デカン酸ハロペリドール;イロペリドン;塩酸イミドリン;レンペロン;コハク酸マザペルチン;メソリダジン;ベシル酸メソリダジン;メチアピン;ミレンペロン;ミリペルチン;塩酸モリンドン;塩酸ナランノール;塩酸ネフルモジド;オカペリドン;オランザピン;オキシペロミド;ペンフルリドール;マレイン酸ペンチアピン;ペルフェナジン;ピモジド;塩酸ピノキセピン;ピパンメロン;ピペラセタジン;ピポチアジンパルニテート(Palniitate);塩酸ピキンドン;エジシル酸プロクロルペラジン;マレイン酸プロクロルペラジン;塩酸プロマジン;レモキシプリド;塩酸レモキシプリド;塩酸リムカゾール;塩酸セペリド−ル;セルチンドール;セトペロン;スピペロン;チオリダジン;塩酸チオリダジン;チオチキセン;塩酸チオチキセン;塩酸チオペリドン;塩酸チオスピロン;塩酸トリフルオペラジン;トリフルペリドール;トリフルプロマジン;塩酸トリフルプロマジン;塩酸ジプラシドン。
【0224】
食欲抑制剤:塩酸デキスフェンフルラミン;酒石酸フェンジメトラジン;塩酸フェンテルミン。
【0225】
血糖調節剤:ヒトインスリン;グルカゴン;トラザミド;トルブタミド;クロロプロマミド;アセトヘキサミドおよびグリピジド。
【0226】
カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬:アセタゾラミド;アセタゾラミドナトリウム;ジクロルフェナミド;塩酸ドルゾラミド;メタゾラミド;塩酸セゾラルミド。
【0227】
心抑制薬:塩酸アセカイニド;塩化アセチルコリン;アクチソミド;アデノシン;アミオダロン;アプリンジン;塩酸アプリンジン;フマル酸アルチリド;二塩酸アジミリド;ビジソミド;マレイン酸ブカイニド;ブクロマロン;塩酸ブトプロジン;カポベン酸ナトリウム;カポベン酸;シフェンリン;コハク酸シフェンリン;リン酸クロフィリウム;ジソブタミド;ジソピラミド;リン酸ジソピラミド;ドフェチリド;ドロブリン;酢酸エジフォロン;トシル酸エミリウム;塩酸エンカイニド;酢酸フレカイニド;フマル酸イブチリド;塩酸インデカイニド;フマル酸イパジリド;塩酸ロラジュミン;塩酸ロルカイニド;硫酸メオベンチン;塩酸メキシレチン;モデカイニド;モリシジン;オキシラミド;塩酸ピルメノール;ピロラザミド;塩化プラノリウム;塩酸プロカイナミド;塩酸プロパフェノン;ピリノリン;臭化キンドニウム;グルコン酸キニジン;硫酸キニジン;塩酸レカイナム;トシル酸レカイナム;塩酸リソチリド;塩酸ロピトイン;塩酸セマチリド;マレイン酸スリカイニド;トカイニド;塩酸トカイニド;トランスカイニド。
【0228】
強心剤:アクトジギン;アムリノン;ベモラダン;ブトパミン;カルバゼラン;コハク酸カルサトリン;デスラノシド;ジギタリス;ジギトキシン;ジゴキシン;ドブタミン;塩酸ドブタミン;ラクトビオン酸ドブタミン;酒石酸ドブタミン;エノキシモン;塩酸イマゾダン;インドリダン;塩酸イソマゾール;ラクトビオン酸レブドブタミン;硫酸リキサジノン;メドリノン;ミルリノン;塩酸ペルリノン;ピモベンダン;ピロキシモン;プリノキソダン;プロシラリジン;キアジノン;塩酸タゾロール;ベスナリノン。
【0229】
心血管薬:ドペキサミン;塩酸ドペキサミン。
【0230】
胆汁分泌促進薬:デヒドロコール酸;フェンシブチロール;ヒメクロモン;ピプロゾリン;シンカリド;トカムフィル。
【0231】
コリン作動薬:アセクリジン;塩化ベタンコール;カルバコール;臭化デメカリウム;デキスパンテノール;ヨウ化エコチオフェート;イソフルロフェート;塩化メタコリン;臭化ネオスチグミン;メチル硫酸ネオスチグミン;フィソスチグミン;サリチル酸フィソスチグミン;硫酸フィソスチグミン;ピロカルピン;塩酸ピロカルピン;硝酸ピロカルピン;臭化ピリドスチグミン。
【0232】
コリン作動薬:キサノメリン;酒石酸キサノメリン。
【0233】
コリンエステラーゼ不活性化剤:塩化オビドキシム;ヨウ化プラリドキシム;メシル酸プラリドキシム。
【0234】
抗コクシジウム剤:アルプリノシド;ナラシン;セムデュラマイシン;セムデュラマイシンナトリウム。
【0235】
認知アジュバント:メシル酸エルゴロイド;ピラセタム;塩酸プラミラセタム;硫酸プラミラセタム;塩酸タクリン。
【0236】
認知強化剤:塩酸ベシピルジン;リノピルジン;シボピルジン。
【0237】
ホルモン剤;ジエチルスチルベステロール;プロゲステロン;17−ヒドロキシプロゲステロン;メドロキシプロゲステロン;ノルゲストレル;ノルエチルノドレル;エストラジオール;メゲストロール(メゲース);ノルエチンドロン;レボノルゲストレル;エチンジオール;エチニルエストラジオール;メストラノール;エストロン;エキリン;17−α−ジヒドロエキリン;エキレニン;17−α−ジヒドロエキレニン;17−α−エストラジオール;17−β−エストラジオール;ロイプロリド(リュープロン);グルカゴン;テストラクトン;クロミフェン;ハンメモポーサル(Han memopausal)ゴナドトロピン;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;尿性卵胞性刺激ホルモン;ブロモクリプチン;ゴナドレリン;黄体形成ホルモン放出因子およびアナログ;ゴナドトロピン;ダナゾール;テストステロン;デヒドロエピアンドロステロン;アンドロステンジオン;ジヒドロエストステロン;レラキシン;オキシトシン;バソプレッシン;フォリキュロスタチン;卵胞調節タンパク質;ゴナドクトリニン;卵成熟阻害剤;インスリン成長因子;卵胞刺激ホルモン;黄体形成ホルモン;タモキシフェン;コルチコレリンヒツジトリフチュテート;コシントロピン;メトゲスト;下垂体後葉製剤;酢酸セラクチド;ソマラポル(Somalapor);ソマトレム;ソマトロピン;ソメノポル;ソミドボブ(Somidobove)。
【0238】
記憶アジュバント:塩酸ジモキサミン;リバミノール。
【0239】
精神能力強化剤:アニラセタム。
【0240】
気分調節剤:フェンガビン。
【0241】
神経弛緩薬:フマル酸デュオペロン;リスペリドン。
【0242】
神経保護薬:マレイン酸ジゾシルピン。
【0243】
向精神薬:ミナプリン。
【0244】
弛緩薬:塩酸アジフェニン;塩化アルクロニウム;アミノフィリン;アズモレンナトリウム;バクロフェン;塩酸ベンゾクタミン;カリソプロドール;カルバミン酸クロルフェネシン;クロルゾキサゾン;シンフルミド;シンナメドリン;クロダノレン;塩酸シクロベンザプリン;ダントロレン;ダントロレンナトリウム;フェナラニド;塩酸フェニリポール;塩酸フェトキシレート;塩酸フラボキセート;フレタゼパム;フルメトラミド;塩酸フルラゼパム;臭化ヘキサフルオレニウム;塩酸イソミラミン;ロルバメート;塩酸メベベリン;塩酸メスプリン;メタキサロン;メトカルバモール;塩酸メチキセン;リンゴ酸ナフォミン;マレイン酸ネレザプリン;塩酸パパベリン;塩酸ピポキソラン;キンクトレート;リトドリン;塩酸リトドリン;ロロジン;グリシン酸テオフィリンナトリウム;塩酸チフェナミル;キシロバム。
【0245】
鎮痛催眠薬:アロバルビタール;アロニミド;アルプラゾラム;アモバルビタールナトリウム;ベンタゼパム;ブロチゾラム;ブタバルビタール;ブタバルビタールナトリウム;ブタルビタール;カプリド;カルボクローラル;クローラルベタイン;抱水クロラール;塩酸クロルジアゼポキシド;塩酸クロペリドン;クロレタート;シプラゼパム;塩酸デキスクラモール;ジアゼパム;ジクロラールフェナゾン;エスタゾラム;エトクロルビノール;エトミデート;フェノバム;フルニトラゼパム;フォサゼパム;グルテチミド;ハラゼパム;ロルメタゼパム;メクロクアロン;メプロバメート;メタクアロン;ミダフルル;パラアルデヒド;ペントバルビタール;ペントバルビタールナトリウム;ペルラピン;プラゼパム;クアゼパム;レクラゼパム;ロレタミド;セコバルビタール;セコバルビタールナトリウム;スプロクローン;サリドマイド;トラカゾレート;マレイン酸トレピパム;トリアゾラム;トリセタミド;トリクロフォスナトリウム;トリメトジン;ウルダゼパム;ザレプロン;塩酸ゾラゼパム;酒石酸ゾルピデム。
【0246】
セロトニン拮抗薬:酒石酸アルタンセリン;アメセルギド;ケタンセリン;リタンセリン。
【0247】
セロトニン阻害薬:塩酸シナンセリン;フェンクロニン;メシル酸フォナジン;トシル酸キシラミジン。
【0248】
セロトニン受容体拮抗薬:塩酸トロパンセリン。
【0249】
刺激薬:アムフォネル酸;硫酸アンフェタミン;硫酸アムピジン;塩酸アルブタミン;アザボン;カフェイン;セルレチド;セルレチドジエチルアミン;シサプリド;フマル酸ダゾプリド;デキストロアンフェタミン;硫酸デキストロアンフェタミン;塩酸ジフルアニン;塩酸ジメフリン;塩酸ドキサプラム;酢酸エトリプタミン;エタミバン;塩酸フェネチリン;塩酸フルバニレート;フルロチル;リン酸ヒスタミン;塩酸インドリリン;メフェキサミド;塩酸メタムフェタミン;塩酸メチルフェニデート;ペモリン;塩酸ピロバレロン;キサモテロール;フマル酸キサモテロール。
【0250】
共力剤:塩酸プロアジフェン。
【0251】
甲状腺ホルモン:レボチロキシンナトリウム;リオチロニンナトリウム;リオトリックス。
【0252】
甲状腺阻害薬:メチマゾール;プロピルチオウラシル。
【0253】
甲状腺ホルモン様作動薬:塩酸チロメダン。
【0254】
脳虚血薬:塩酸デキストルファン。
【0255】
血管収縮薬:アンジオテンシンアミド;フェリプレッシン;メチセルギド;マレイン酸メチセルギド。
【0256】
血管拡張薬:アルプロスタジル;塩酸アザクロルジン;硫酸バメタン;塩酸ベプリジル;ブテリジン;クエン酸セチエジル;塩酸クロモナール;クロニトレート;塩酸ジルチアゼム;ジピリダモール;ドロプレニラミン;四硝酸エリトリチル;フェロジピン;塩酸フルナリジン;フォステジル;ヘキソベンジン;ニコチン酸イノシトール;塩酸イプロキサミン;二硝酸イソソルビド;一硝酸イソソルビド;塩酸イソキスプリン;リドフラジン;メフェニジル;フマル酸メフェニジル;二塩酸ミベフラジル;塩酸ミオフラジン;ミキシジン;シュウ酸ナフロニル;塩酸ニカルピジン;ニセルゴリン;ニコランジル;ニコチニルアルコール;ニフェジピン;ニモジピン;ニソルジピン;オクスフェニシン;塩酸オクスプレノロール;四硝酸ペンタエリトリトール;ペントキシフィリン;ペントリニトロール;マレイン酸ペルヘキシリン;ピンドロール;ピルシドミン;プレニラミン;硝酸プロパチル;スロクチジル;塩酸テロジリン;塩酸チプロピジル;塩酸トラゾリン;ニコチン酸キサンチノール。
【0257】
本発明の化合物を試験するためのアッセイおよび方法は、本明細書に記載されている、または当技術分野において公知である。例えば、2006年8月3日に公表されたLippaらの米国特許出願公開第2006/0173‐64号明細書を参照されたい。
【0258】
本発明は、肥満を治療および予防する方法、すなわち体重減少を生じさせ、体重増加を防止するための方法をさらに含んでいる。肥満は、身体における過剰な脂肪の蓄積を特徴とする障害である。肥満は、疾患の主な原因の1つであると認識されており、世界的な問題であることが明らかになりつつある。例えば、高血圧、非インスリン依存型糖尿病、動脈硬化症、脂質代謝異常、所定の形態の癌、睡眠時無呼吸、および変形性関節症などの合併症の症例の増加は、一般集団における肥満例の増加と関連付けられてきた。1つの態様では、本発明は、それを必要とする被験体へ体重減少を誘導するための併用療法を投与する工程を含んでいる。例えば、約25より多いBMI(25.0〜29.9が体重過剰と見なされている)を有する被験体が治療のために同定される。1つの態様では、個人は、30を超えるBMI(30以上は肥満と見なされている)を有する。また別の態様では、被験体は、体重増加を防止するための治療の標的とされてよい。1つの実施形態では、個人は、本発明の少なくとも1つの化合物を少なくとも1日1回および本発明の少なくとも1つの第2化合物を少なくとも1日1回摂取するように指導される。本化合物は、例えば、錠剤、ロゼンジ剤、液剤の形態にあってよい。1つの態様では、第3化合物もまた毎日摂取される。1つの実施形態では、化合物は1日に2回以上摂取されてよい。また別の実施形態では、化合物は1日1回未満摂取される。用量は、当技術分野において公知であるもの、またはその年齢、性別、健康状態、体重などの被験体にとって最善であると決定されるものに基づいて決定できる。本発明によって肥満を治療するために有用な化合物には、トピラメート、ナルトレキソン、およびオンダンセトロンが含まれるがそれらに限定されない。肥満症、嗜癖障害、および強迫調節障害を治療するために有用な薬物を投与するため、そして投与スキームを決定するための追加の情報および技術については、Weber(米国特許出願公開第20070275970号明細書)およびMcElroy(米国特許第6,323,236号明細書)を参照されたい。
【0259】
体重減少を誘導するために治療される被験体は、数カ月間にわたり監視することができる。1つの態様では、用量は、各個人が6カ月間毎に初期体重の10%の速度で体重を減少するように調整することが推奨されている。しかし、各個人についての体重減少速度は、個人の特別な必要に基づいて治療担当医師によって調整されてよい。
【0260】
初期用量が有効ではない場合は、その後は併用療法の1つ以上の化合物の用量が増量されてよい。初期用量が上記の速度より急速な体重減少を生じさせる場合は、少なくとも2つの化合物1つ以上の用量が減少させられてよい。
【0261】
医薬上許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製することができる。無機塩基由来の塩には、例としてだけであるが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。有機塩基に由来する塩には、第1級、第2級および第3級アミン、例えばアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ニ(置換アルキル)アミン、三(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルラミン、置換アルケニルアミン、ニ(置換アルケニル)アミン、三(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環式アミン、二複素環式アミン、三複素環式アミン、混合ジアミンおよびトリアミン(このときアミン上の置換基のうちの少なくとも2つは相違しており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環などから選択される)が含まれるが、それらに限定されない。さらに、2つまたは3つの置換基がアミノ窒素と一緒に複素環基またはヘテロアリール基を形成するアミンもまた含まれる。適切なアミンの例には、例としてだけであるが、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(iso−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジンなどが含まれる。さらに他のカルボン酸誘導体、例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドなどを含むカルボン酸アミドは、本発明の実践において有用であろうことを理解されたい。
【0262】
医薬上許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製することができる。無機酸に由来する酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。有機酸に由来する塩には、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などが含まれる。
【0263】
心理社会的介入および管理
本発明の薬物併用治療は、被験体に心理社会的介入および/または管理、例えば短期行動コンプライアンス強化治療(BBCET)の形態を提供することによってさらに補うことができる。標準化されたマニュアルによって誘導される短期(すなわち、約15分間送達される)心理社会的遵守強化方法であるBBCETは、参加者の飲酒行動を変えさせるには薬物治療コンプライアンスが極めて重要であることを強調している(Johnsonら、 Brief Behavioral Compliance Enhancement Treatment(BBCET) manual.In:Johnson BA、Ruiz P、Galanter M編、Handbook of clinical alcoholism treatment.Baltimore、MD:Lippincott Williams & Wilkins;2003、282−301)。例えばBBCETなどの短期介入法は(Edwardsら、J.Stud.Alcohol.1977、38:1004−1031)、アルコール依存の治療に有益であることが証明されている。BBCETは、米国国立精神保健研究所共同うつ病試験における臨床管理条件についてモデリングされ、その試験のための投薬条件の補助手段として使用された(Fawcettら、Psychopharmacol Bull.1987、23:309−324)。BBCETは、アルコール依存を治療するためにトピラメートの単一施設および多施設有効性試験における心理社会的治療プラットフォームとして使用され、成功が得られてきた(Johnsonら、Lancet.2003、361:1677−1685;Johnsonら、JAMA、2007、298:1641−1651)。BBCETは、ナースプラクティショナーおよびその他の非専門家を含む、熟練の臨床医によって送達される。BBCET送達の一様性および一貫性は、進行中の訓練および監督によって保証される。BBCETは、著作権のある材料である(Johnsonら、Brief Behavioral Compliance Enhancement Treatment(BBCET) manual.In:Johnson BA、Ruiz P、Galanter M編、Handbook of clinical alcoholism treatment.Baltimore、MD:Lippincott Williams & Wilkins;2003、282−301)。
【0264】
本発明は、認知行動対処技能療法(CBT)(Project MATCH Research Group.Matching Alcoholism Treatments to Client Heterogeneity:Project MATCH posttreatment drinking outcomes.J Stud Alcohol.1997;58:7−29)、動機付け強化療法(MET)(Project MATCH Research Group.Matching Alcoholism Treatments to Client Heterogeneity:Project MATCH posttreatment drinking outcomes.J.Stud.Alcohol.1997、58:7−29)、12ステップ促進療法(TSF)(Project MATCH Research Group.Matching Alcoholism Treatments to Client Heterogeneity:Project MATCH posttreatment drinking outcomes.J.Stud.Alcohol.1997、58:7−29)、併用行動療法(CBI)(Antonら、JAMA、2006、295:2003−2017)、内科的治療(MM)(Antonら、JAMA、2006、295:2003−2017)、または生物社会心理的、報告、同情、必要、直接的忠告、および評価(BRENDA)モデル(Garbuttら、JAMA、2005、293:1617−1625)を含むがそれらに限定されないBBCET以外の心理社会的管理レジメンの使用をさらに含んでいる。本発明は、嗜癖疾患または障害を治療する際に補助するための催眠療法または鍼療法などの代替介入術の使用をさらに含んでいる。
【0265】
心理社会的管理プログラムは、本発明の併用薬物療法を用いた被験体の治療前、治療中、治療後に使用することができる。
【0266】
当業者であれば、心理社会的管理方法、ならびに催眠療法または鍼療法などの代替介入術は、アルコール関連疾患および障害以外の嗜癖および強迫関連障害を治療するための併用薬物療法と結び付けて使用できることも認識するであろう。
【0267】
本発明は、他の嗜癖および/または強迫調節障害を治療するための併用薬物療法および行動(心理社会的)介入または訓練の使用をさらに含んでいる。
【0268】
例えば、過食障害(BED)は、その間に大量の食物が個別期間において摂取され、摂食に関する制御の感覚が欠如する個別の過食期間を特徴とする。神経性大食症を備えるヒトは、脳波異常を有し、抗癲癇薬であるフェニトインに応答して過食の減少を提示すると報告されてきた。さらに、癲癇を有する患者における比較対照試験において、トピラメートは、過食には関連していない食欲および体重減少の抑制と関連付けられた。オンダンセトロンは、過食を減少させることが証明されてきた。
【0269】
BEDは、非可逆性衝動に応答して実施された有害な行動を特徴とする衝動調節障害(ICD)であると広義で規定された精神障害の大分類の1サブセットである。ICDは、強迫神経障害と関連する、または同様に強迫神経障害の形態である可能性があると提案されている。さらに、ICDは、気分障害と関連する、または大うつ病を伴う少なくとも1つの一般的生理学的異常を共有する仮説的障害群である情緒的スペクトル障害の形態である可能性があると仮説が立てられてきた。精神障害の診断的および統計的マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM−IV))では、ICDの本質的特徴は、そのヒトまたは他のヒトにとって有害な行為を実行する衝動、欲動、または誘惑に抵抗できないことである。大多数のICDについては、個人は、その行為を始める前に緊張または覚醒の増加する感覚を感じ、その後その行為を始める時点には快楽、満足感、または開放感を経験する。その行為が実行された後は、痛恨または罪の意識があることもあればないこともある。ICDは、間欠性爆発性障害(IED)、窃盗癖、病的賭博、放火狂、抜毛癖、およびICD NOS(特定不能)を含む、他のどこにも分類されない残りのカテゴリーに列挙されいる。ICD NOSの例は、強迫的購入またはショッピング、反復性の自傷、非性的倒錯性のセックス中毒、重度の咬爪癖、強迫的皮膚摘み取り、強迫的特徴を伴う人格障害、注意欠損/多動性障害、過食を特徴とする摂食障害、および物質使用障害である。
【0270】
多数の薬物は身体的および/または心理的嗜癖を誘発することがある。それらの最も周知の薬物には、アヘン剤、例えばヘロイン、アヘンおよびモルヒネ;コカインおよびアンフェタミンを含む交感神経作用薬;アルコール、ベンゾジアゼピン系、およびバルビツール酸塩系を含む鎮痛催眠薬;ならびにオピオイドおよび交感神経作用薬に類似する作用を有するニコチンが含まれる。薬物嗜癖は、薬物を摂取することに対する渇望または衝動強迫およびその摂取を制限できないことを特徴とする。さらに、薬物依存には、薬物耐性、投与および投与中止の反復後の薬物の作用の消失、ならびにその薬物が摂取されない場合の身体症状および行動症状の出現が結び付いている。鋭敏化は、薬物の反復投与が各用量への増加した応答をもたらす場合に発生する。耐性、鋭敏化、および離脱は、薬物の連続使用の結果として生じる中枢神経系における変化を証明する現象である。この変化は、深刻な社会的、法的、身体的、および/または職業的結果にも関わらず嗜癖を有する個人が薬物を摂取し続けるように刺激する。
【0271】
注意欠陥障害には、主として不注意型の注意欠陥/多動障害;主として多動衝動型の注意欠陥/多動障害;併用型の注意欠陥/多動障害;特定不能(NOS)の注意欠陥/多動障害;行為障害;反抗的行為障害;および特定不能(NOS)の破壊的行動障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0272】
抑うつ障害には、大うつ病性障害;気分変調性障害;特定不能(NOS)の抑うつ障害;および大うつ障害の単一エピソードが含まれるが、それらに限定されない。
【0273】
パーキンソン病には、神経弛緩薬誘導性パーキンソン病が含まれるがそれには限定されない。
【0274】
嗜癖障害には、摂食障害、衝動調節障害、アルコール関連障害、ニコチン関連障害、アンフェタミン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、賭博、性的障害、幻覚剤使用障害、吸入剤関連障害、およびオピオイド関連障害が含まれるが、それらに限定されず、それらは全部がさらに以下に列挙するように細分類される。
【0275】
摂食障害には、非瀉下型神経性大食症、瀉下型神経性大食症;および特定不能(NOS)の摂食障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0276】
強迫調節障害には、間欠性爆発性障害、窃盗癖、放火狂、病的賭博、抜毛癖、および特定不能(NOS)の強迫調節障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0277】
ニコチン関連障害には、ニコチン依存症、ニコチン離脱、および特定不能(NOS)のニコチン関連障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0278】
アンフェタミン関連障害には、アンフェタミン依存症、アンフェタミン過剰摂取、アンフェタミン中毒、アンフェタミン離脱、アンフェタミン中毒性せん妄、妄想を伴うアンフェタミン誘導性精神障害、幻覚を伴うアンフェタミン誘導性精神障害、アンフェタミン誘導性気分障害、アンフェタミン誘導性不安障害、アンフェタミン誘導性性機能障害、アンフェタミン誘導性睡眠障害、特定不能(NOS)のアンフェタミン関連障害、アンフェタミン中毒、およびアンフェタミン離脱が含まれるが、それらに限定されない。
【0279】
大麻関連障害には、大麻依存;大麻過剰摂取;大麻中毒;大麻中毒性せん妄;妄想を伴う大麻誘導性精神障害;幻覚を伴う大麻誘導性精神障害;大麻誘導性不安障害;特定不能(NOS)の大麻誘導性精神障害;および大麻中毒が含まれるが、それらに限定されない。
【0280】
コカイン関連障害には、コカイン依存症、コカイン過剰摂取、コカイン中毒、コカイン離脱、コカイン中毒性せん妄、妄想を伴うコカイン誘導性精神障害、幻覚を伴うコカイン誘導性精神障害、コカイン誘導性気分障害、コカイン誘導性不安障害、コカイン誘導性性機能障害、コカイン誘導性睡眠障害、特定不能(NOS)のコカイン関連障害、コカイン中毒、およびコカイン離脱が含まれるが、それらに限定されない。
【0281】
幻覚剤使用障害には、幻覚剤依存症、幻覚剤過剰摂取、幻覚剤中毒、幻覚剤離脱、幻覚剤中毒性せん妄、妄想を伴う幻覚剤誘導性精神障害、幻覚を伴う幻覚剤誘導性精神障害、幻覚剤誘導性気分障害、幻覚剤誘導性不安障害、幻覚剤誘導性性機能障害、幻覚剤誘導性睡眠障害、特定不能(NOS)の幻覚剤関連障害、幻覚剤中毒、および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)が含まれるが、それらに限定されない。
【0282】
吸入剤関連障害には、吸入剤依存;吸入剤過剰摂取;吸入剤中毒;吸入剤中毒性せん妄;妄想を伴う吸入剤誘導性精神障害;幻覚を伴う吸入剤誘導性精神障害;吸入剤誘導性不安障害;特定不能(NOS)の吸入剤誘導性精神障害;および吸入剤中毒が含まれるが、それらに限定されない。
【0283】
オピオイド関連障害には、オピオイド依存症、オピオイド過剰摂取、オピオイド中毒、オピオイド離脱、オピオイド中毒性せん妄、妄想を伴うオピオイド誘導性精神障害、幻覚を伴うオピオイド誘導性精神障害、オピオイド誘導性不安障害、特定不能(NOS)のオピオイド関連障害、オピオイド中毒、およびオピオイド離脱が含まれるが、それらに限定されない。
【0284】
チック障害には、トゥーレット障害、慢性運動または声帯チック障害、一過性チック障害、特定不能(NOS)のチック障害、吃音、自閉障害、ならびに身体化障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0285】
本発明は、少なくとも2つの嗜癖疾患もしくは障害または強迫調節障害の同時の治療をさらに含んでいる。例えば、本発明は、アルコール関連障害および体重調節の同時治療を提供する(実施例を参照されたい)。
【0286】
本発明は、本発明の方法を実施するために本発明の化合物を含む医薬組成物の使用をさらに含んでおり、前記組成物は少なくとも1つの適切な化合物および医薬上許容される担体を含んでいる。
【0287】
本発明を実施するために有用な他の方法は、例えば、米国特許出願公開第2006/0173064号明細書(Lippaら)、米国特許第6,323,236号明細書(McElroy)、および米国特許出願公開第2007/0275970号明細書の中に見いだすことができる。
【0288】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、本発明の1つの化合物を含んでいてよい。また別の実施形態では、本発明の組成物は、本発明の2つ以上の化合物を含んでいてよい。1つの実施形態では、他の障害を治療するために有用な追加の薬物または化合物は本組成物の一部であってよい。1つの実施形態では、本発明の化合物を1つだけ含む組成物は、本発明の少なくとも1つの他の化合物を含む別の組成物と同一時点に投与することができる。1つの実施形態では、相違する組成物を相互とは相違する時点に投与することができる。本発明の組成物が本発明の化合物の1つだけを含む場合は、少なくとも1つの追加の化合物を含む追加の組成物もまた使用されなければならない。
【0289】
本発明を実施するために有用な医薬組成物は、例えば、1ng/kg/日〜100mg/kg/日の用量を送達するために投与できる。
【0290】
本発明の方法において有用である医薬組成物は、例えば、経口固体調製物により全身性で、または点眼、坐剤、エーロゾル、局所用もしくは他の類似の調製物として投与することができる。適切な化合物に添加して、そのような医薬組成物は、薬物投与を強化および促進するために公知である医薬上許容される担体およびその他の成分を含有していてよい。例えばナノ粒子、リポソーム、再封入赤血球および免疫学的基本の系などの他の考えられる調製物は、本発明の方法によって適切な化合物、またはそのアナログ、修飾体、または誘導体を投与するためにも使用できる。
【0291】
本明細書に記載した方法のいずれかを用いて同定される化合物は、本明細書に開示した疾患を治療するために調製して被験体へ投与することができる。当業者であれば、これらの方法が他の疾患、障害、および状態のために同様に有用であることを認識するであろう。
【0292】
「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に転換される物質を意味する。プロドラッグは頻回に有用であるが、それは一部の状況では、それらが親薬物より容易に投与できるからである。それらは、例えば、経口投与によって生体内で利用可能であるが、他方親薬物は利用可能ではない。プロドラッグは、さらにまた親薬物よりも改善された医薬組成物中の溶解性を有する、または増加した美味しさを証明する、またはより容易に処方できる可能性がある。プロドラッグの例は、制限なく、水溶性が移動性にとって有害であるが、いったん水溶性が有益である細胞の内側に入ると、活性実体であるカルボン酸へ代謝的に加水分解される細胞膜を越えた送達を促進するためのエステル(「プロドラッグ」)として投与される本発明の化合物であろう。プロドラッグのまた別の例は、酸性基に結合した短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であってよく、このときこのペプチドは活性成分を提供するために代謝される。
【0293】
本発明は、本明細書に開示した疾患の治療のために有用な化合物を有効成分として含む医薬組成物の調製および使用を含んでいる。そのような医薬組成物は、被験体へ投与するために適切な形態にある有効成分単独からなってよい、または本医薬組成物は有効成分および1つ以上の医薬上許容される担体、1つ以上の追加の成分、またはこれらの幾つかの組み合わせを含んでいてよい。有効成分は、当技術分野において周知であるように、例えば生理的に許容されるカチオンもしくはアニオンとの組み合わせにおけるなどの生理的に許容されるエステルまたは塩の形態で医薬組成物中に存在してよい。
【0294】
本明細書に記載した医薬組成物の調製物は、薬理学の分野において公知の、またはその後に開発された任意の方法によって調製されてよい。一般に、そのような調製方法には、有効成分を担体または1つ以上の他の副成分と結び付け、そしてその後、必要または所望の場合には、本生成物を所望の単回投与または複数回投与単位に成形または包装する工程が含まれる。
【0295】
本明細書に提供した医薬組成物についての説明は主としてヒトへの倫理的投与のために適する医薬組成物に向けられているが、当業者であれば、そのような組成物は一般に全種類の動物へ投与するために適合することを理解するであろう。様々な動物へ投与するために適合する組成物にするためにヒトへ投与するために適合する医薬組成物の修飾については明確に理解されており、獣医学の熟練の薬理学者であれば、必要になるとしても、単純な通常の実験機器を用いてそのような修飾を設計かつ実施することができる。本発明の医薬組成物の投与が意図される被験体には、ヒトおよび他の霊長類、商業的に重要な哺乳動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、およびイヌを含む哺乳動物、ならびに商業的に重要な鳥類、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、およびシチメンチョウを含む鳥類が含まれるが、それらに限定されない。
【0296】
本発明の方法によって含まれる1つの投与タイプは、経口投与であり、組成物の注射による、外科的切開部を通しての組成物の適用、組織浸透性非外科的創傷を通しての組成物の適用などによる医薬組成物の投与が含まれるが、それらに限定されない。詳細には、非経口投与には、皮下、腹腔内、筋肉内、および胸骨内注射、ならびに腎臓透析注入技術が含まれるが、それらに限定されないことが意図されている。
【0297】
本発明の方法において有用な医薬組成物は、経口、直腸、経膣、非経口、局所、肺内、鼻腔内、吸入、経口腔、点眼、気管内またはまた別の投与経路のために適合する調製物で調製する、包装する、または販売することができる。その他の意図された調製物には、放出されたナノ粒子、リポソーム調製物、有効成分を含有する再封入赤血球、および免疫学に基づく調製物が含まれる。
【0298】
本発明の医薬組成物は、単位用量として、または複数の単位用量として調製する、包装することができる、または大量に販売されてもよい。本明細書で使用する「単位用量」は、規定量の有効成分を含む医薬組成物の個別量である。有効成分の量は、一般に、被験体に投与されるであろう有効成分の用量、または例えば、そのような用量の半分もしくは3分の1などの、そのような用量の便宜的画分と同等である。
【0299】
本発明の医薬組成物中の有効成分、医薬上許容される担体、および任意の追加の成分は、治療される被験体の同一性、サイズ、および状態に依存して、ならびに本組成物がそれによって投与される経路にさらに依存して変動するであろう。例えば、本組成物は、0.1%〜100%(w/w)の有効成分を含んでいてよい。
【0300】
有効成分に加えて、本発明の医薬組成物は、1つ以上の追加の医薬的活性物質をさらに含んでいてよい。特に意図される追加の物質には、制吐薬ならびにシアン化物系およびシアン酸塩系スカベンジャーなどのスカベンジャーが含まれる。
【0301】
本発明の医薬組成物の制御放出性または持続放出性調製物は、従来型技術を用いて作製できる。
【0302】
経口投与のために適合する本発明の医薬組成物の調製物は、規定量の有効成分を各々が含有する錠剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、カシェ剤、トローチ剤、またはロゼンジ剤を含むがそれらに限定されない個別固形製剤の形態で調製する、包装する、または販売することができる。経口投与のために適合するその他の調製物には、粉末状もしくは顆粒状調製物、水性もしくは油性懸濁剤、水性もしくは油性液剤、またはエマルジョンが含まれるが、それらに限定されない。
【0303】
本明細書で使用する「油性」液体は、炭素含有液体分子を含む、そして水より低極性を示す液体である。
【0304】
有効成分を含む錠剤は、例えば、任意で1つ以上の追加の成分とともに、有効成分を圧縮または成形する工程によって作製できる。圧縮錠は、適切な装置内で、任意で1つ以上の結合剤、潤滑剤、賦形剤、界面活性剤、および分散剤と混合された、例えば粉末または顆粒調製物などの自由流動形にある有効成分を圧縮する工程によって調製できる。成形錠剤は、適切な装置内で、有効成分、医薬上許容される担体の混合物、および混合物を湿らすために少なくとも十分な液体の混合物を成形する工程によって作製されてよい。錠剤の製剤において使用される医薬上許容される賦形剤には、不活性希釈剤、顆粒化剤および崩壊剤、結合剤、ならびに潤滑剤が含まれるが、それらに限定されない。公知の分散剤には、バレイショデンプンおよびグリコール酸デンプンナトリウムが含まれるが、それらに限定されない。公知の界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウムが含まれるがそれには限定されない。公知の希釈剤には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびリン酸ナトリウムが含まれるが、それらに限定されない。公知の顆粒化剤および崩壊剤には、コーンスターチおよびアルギン酸が含まれるが、それらに限定されない。公知の結合剤には、ゼラチン、アカシア、α化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれるが、それらに限定されない。公知の潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、およびタルクが含まれるが、それらに限定されない。
【0305】
錠剤は、コーティングされていなくてよい、またはそれによって有効成分の持続性放出および吸収を提供する、被験体の胃消化管内での遅延性崩壊を達成するために公知の方法を使用してコーティングされてよい。一例として、錠剤をコーティングするためには、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの材料を使用できる。さらに一例として、錠剤は、浸透圧放出制御型錠剤を形成するために米国特許第4,256,108号明細書;第4,160,452号明細書;および第4,265,874号明細書に記載された方法を用いてコーティングすることができる。錠剤は、医薬上の洗練された口当たりのよい調製物を提供するために甘味料、フレーバー剤、着色剤、保存料、またはこれらの一部の組み合わせをさらに含んでいてよい。
【0306】
有効成分を含む硬質カプセルは、例えばゼラチンなどの生理的に分解可能な組成物を用いて作製できる。そのような硬質カプセルは、有効成分を含んでおり、そして例えば、不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンを含む追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0307】
有効成分を含む軟質カプセルは、例えばゼラチンなどの生理的に分解可能な組成物を用いて作製できる。そのような軟質カプセルは、有効成分を含んでおり、これは水または例えばラッカセイ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油などの油性媒体と混合されてよい。
【0308】
ラクツロースもまた自由浸食性充填剤として使用することができ、本発明の化合物がカプセル形で調製される場合には有用である。
【0309】
経口投与のために適合する本発明の医薬組成物の液体調製物は、液体形または使用前に水または他の適切なビヒクルを用いて復元するために意図された乾燥生成物の形状のいずれかで調製する、包装する、および販売することができる。
【0310】
液体懸濁剤は、水性または油性ビヒクル中の有効成分の懸濁剤を達成するために従来方法を用いて調製することができる。水性ビヒクルには、例えば、水および等張性食塩液が含まれる。油性ビヒクルには、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油などの植物油、精留植物油、および例えば流動パラフィンなどの鉱物油が含まれる。液体懸濁剤は、懸濁化剤、分散剤または湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、保存料、緩衝剤、塩、フレーバー剤、着色剤、および甘味料を含むが、それらに限定されない1つ以上の追加の成分をさらに含んでいてよい。油性懸濁剤は、増粘剤をさらに含んでいてよい。公知の懸濁化剤には、ソルビトールシロップ、水素化食用脂、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントゴム、アカシアゴム、ならびに例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体が含まれるが、それらに限定されない。公知の分散剤または湿潤剤には、レシチンなどの天然型ホスファチド、酸化アルキレンと脂肪酸、長鎖脂肪アルコール、脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステル、または脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、各々ステアリン酸ポリオキシエチレン、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、およびモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)が含まれるが、それらに限定されない。公知の乳化剤には、レシチンおよびアカシアが含まれるが、それらに限定されない。公知の保存料には、メチル、エチル、またはn−プロピルパラヒドロキシ安息香酸塩、アスコルビン酸、およびソルビン酸が含まれるが、それらに限定されない。公知の甘味料には、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、およびサッカリンが含まれる。油性懸濁剤のための公知の増粘剤には、例えば、蜜ろう、固形パラフィン、およびセチルアルコールが含まれる。
【0311】
1つの態様では、シロップ剤もしくはエリキシル剤の形態にある、またはドロップ剤の形態で投与するための調製物は、好ましくはノンカロリーである、そして防腐剤としてのメチルパラベンまたはプロピルパラベン、フレーバー剤および適切な着色剤をさらに含むことができる甘味料と一緒に有効成分を含んでいてよい。
【0312】
水性または油性溶媒中の有効成分の液体溶液は、液体懸濁剤と実質的に同一方法で調製できるが、主要な差は、有効成分が溶媒中に懸濁させるよりもむしろ溶解させられることにある。本発明の医薬組成物の液体溶液は、液体懸濁剤に関して記載した成分の各々を含んでいてよく、懸濁化剤は必ずしも溶媒中の有効成分の溶解を必ずしも補助しないと理解されている。水性溶媒には、例えば、水および等張性食塩液が含まれる。油性溶媒には、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、例えばラッカセイ油、オリーブ、ゴマまたはココナッツ油などの植物油、精留植物油、および例えば流動パラフィンなどの鉱物油が含まれる。
【0313】
本発明の医薬組成物の粉末状および顆粒状調製物は、公知の方法を用いて作製できる。そのような調製物は、被験体へ直接投与できる、例えば錠剤を形成するため、カプセル剤を充填するため、またはそれへの水性もしくは油性ビヒクルの添加によって水性もしくは油性懸濁剤または溶液を調製するために使用できる。これらの調製物の各々は、1つ以上の分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および保存料をさらに含んでいてよい。例えば充填剤および甘味料、フレーバー剤、または着色剤などの追加の賦形剤は、これらの調製物にさらに含むことができる。
【0314】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンの形態で調製する、包装する、または販売することができる。油相は、例えばオリーブ油またはラッカセイ油などの植物油、例えば流動パラフィンなどの鉱物油、またはこれらの組み合わせであってよい。そのような組成物は、例えばアカシアゴムまたはトラガントゴムなどの天然型ゴムを含む1つ以上の乳化剤、例えば大豆またはレシチンホスファチドなどの天然型ホスファチド、例えばモノオレイン酸ソルビタンなどの脂肪酸およびヘキシトール無水物の組み合わせに由来するエステルまたは部分エステル、ならびにそのような部分エステルと例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの酸化エチレンとの縮合生成物をさらに含んでいてよい。これらのエマルジョンは、例えば甘味料またはフレーバー剤を含む追加の成分をさらに含有していてよい。
【0315】
本発明の医薬組成物は、直腸投与のために適合する調製物中で調製する、包装する、または販売することができる。そのような組成物は、例えば、坐薬、停留浣腸調製物、および直腸または結腸浣腸のための溶液の形状にあってよい。
【0316】
坐薬調製物は、有効成分を、通常は室温(すなわち、約20℃)で固体であり、被験体の直腸温度(すなわち、健康なヒトでは約37℃)では液体である非刺激性の医薬上許容される賦形剤と結合する工程によって作製できる。適切な医薬上許容される賦形剤には、カカオ脂、ポリエチレングリコール、および様々なグリセリドが含まれるが、それらに限定されない。坐薬調製物は、酸化防止剤および保存料を含むが、それらに限定されない様々な追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0317】
停留浣腸調製物または直腸もしくは結腸洗浄のための溶液は、有効成分を医薬上許容される液体担体と結び付ける工程によって作製できる。当技術分野においては周知であるように、浣腸調製物は、被験体の直腸構造に適応した送達デバイスを用いて投与できる、そして送達デバイス内に包装できる。浣腸調製物は、酸化防止剤および保存料を含むが、それらに限定されない様々な追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0318】
本発明の医薬組成物は、膣投与のために適合する調製物中で調製する、包装する、または販売することができる。そのような組成物は、例えば、タンポン、ビデ調製物、または膣洗浄のためのゲルもしくはクリーム剤もしくは液剤などの坐薬、含浸もしくはコーティングされた膣挿入可能な材料の形状にあってよい。
【0319】
材料を、化学組成物で含浸またはコーティングする方法は、当技術分野において公知であり、化学組成物を表面上へ沈着させる、または結合させる方法、化学組成物をその材料(すなわち、生理的に分解可能な材料を用いるなど)の合成中に材料の構造内へ組み込む方法、およびその後の乾燥を用いて、または用いずに、水性または油性液剤または懸濁剤を吸収材料内へ吸収する方法が含まれるが、それらに限定されない。
【0320】
膣洗浄のためのビデ調製物または溶液は、有効成分を医薬上許容される液体担体と結び付ける工程によって作製できる。当技術分野においては周知であるように、ビデ調製物は、被験体の膣構造に適応した送達デバイスを用いて投与できる、そして送達デバイス内に包装できる。ビデ調製物は、酸化防止剤、抗生物質、抗真菌剤、および保存料を含むが、それらに限定されない様々な追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0321】
本明細書で使用する医薬組成物の「非経口投与」には、被験体の組織の物理的漂白および組織内での漂白を通しての医薬組成物の投与を特徴とする任意の投与経路が含まれる。そこで、非経口投与には、組成物の注射による、外科的切開部を通しての組成物の適用、組織浸透性非外科的創傷を通しての組成物の適用などによる医薬組成物の投与が含まれるが、それらに限定されない。詳細には、非経口投与には、皮下、腹腔内、筋肉内、および胸骨内注射、ならびに腎臓透析注入技術が含まれるが、それらに限定されないことが意図されている。
【0322】
非経口投与のために適合する医薬組成物の調製物は、例えば無菌水または無菌等張性食塩液などの医薬上許容される液体と結合された有効成分を含んでいる。そのような調製物は、ボーラス投与または持続投与のために適合する形態で調製する、包装する、または販売することができる。注射用調製物は、例えばアンプル剤などの単位製剤中で、または保存料を含有する複数回投与容器中で調製する、包装する、または販売することができる。非経口投与のための調製物には、懸濁剤、液剤、油性または水性ビヒクル中のエマルジョン、ペースト剤、および植え込み可能な徐放性または生分解性調製物が含まれるが、それらに限定されない。そのような調製物は、懸濁化剤、安定剤、または分散剤を含むが、それらに限定されない1つ以上の追加の成分をさらに含んでいてよい。非経口投与のための調製物の1つの実施形態では、有効成分は、再構成された組成物の非経口投与の前に適切なビヒクル(例、無菌発熱物質無含有水)を用いて再構成するための乾燥(すなわち、粉末状または顆粒状)形態で提供される。
【0323】
本医薬組成物は、無菌注射用水性または油性懸濁剤または溶液の形態で調製する、包装する、または販売することができる。この懸濁剤または溶液は、公知の技術によって調製することができ、そして有効成分に追加して、例えば本明細書に記載した分散剤、湿潤剤、または懸濁化剤などの追加の成分を含んでいてよい。そのような無菌注射用調製物は、例えば水または1,3−ブタンジオールなどの非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒を用いて調製できる。その他の許容される希釈剤または溶媒には、リンガー液、等張性塩化ナトリウム溶液および例えば合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどの固定油が含まれるが、それらに限定されない。その他の有用である非経口投与可能な調製物には、微結晶形、リポソーム調製物、または生分解性ポリマー系の成分として有効成分を含む調製物が含まれる。持続的放出または埋め込みのための組成物は、例えば、エマルジョン、イオン交換樹脂、難溶性ポリマー、または難溶性塩などの医薬上許容されるポリマーまたは疎水性材料を含むことができる。
【0324】
局所投与のために適合する調製物には、例えば塗布薬、ローション剤などの液体または半液体調製物、例えばクリーム剤、軟膏剤またはペースト剤などの水中油型または油中水型エマルジョン、および液剤または懸濁剤が含まれるがそれらに限定されない。局所投与可能な調製物は、例えば、約1%〜約10%(w/w)の有効成分を含んでいてよいが、有効成分の濃度は溶媒中の有効成分の溶解限界と同じ位に高くてよい。局所投与のための調製物は、本明細書に記載した1つ以上の追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0325】
本発明の医薬組成物は、口腔を通しての肺投与のために適合する調製物中で調製する、包装する、または販売することができる。そのような調製物は、有効成分を含み、約0.5〜約7nm、および好ましくは約1〜約6nmの範囲内の直径を有する乾燥粒子を含んでいてよい。そのような組成物は、便宜的には、パウダーを分散させるためにそれに噴射剤流を差し向けることのできるドライパウダーリザーバーを含む装置を用いて、または例えば密閉容器内の低沸点噴射剤中に溶解または懸濁させた有効成分を含むデバイスなどの自己噴射性溶媒/パウダー分散性容器を用いて投与するためのドライパウダーの形状にある。好ましくは、そのような粉末は粒子を含んでおり、このとき前記粒子の重量で少なくとも98%は0.5nmを超える直径を有しており、前記粒子の数で少なくとも95%は7nm未満の直径を有する。より好ましくは、前記粒子の重量で少なくとも95%は1nmを超える直径を有しており、前記粒子の数で少なくとも90%は6nm未満の直径を有する。ドライパウダー組成物は、好ましくは、例えば砂糖などの固形の微細粉末希釈剤を含んでおり、便宜的には単位製剤形で提供される。
【0326】
低沸点噴射剤には、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤が含まれる。一般に、噴射剤は、本組成物の約50%〜約99.9%(w/w)を構成してよく、有効成分は、本組成物の約0.1%〜約20%(w/w)を構成してよい。噴射剤は、例えば液体非イオン性または固体アニオン性界面活性剤または固体希釈剤(好ましくは、有効成分を含む粒子と同一位数の粒径を有する)などの追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0327】
肺送達のために調製された本発明の医薬組成物は、溶液または懸濁剤の液滴の形状にある有効成分をさらに提供することもできる。そのような調製物は、有効成分を含む、任意で無菌の水性または希釈アルコール溶液または懸濁液として調製する、包装する、または販売することができ、さらに便宜的には任意の噴霧化または微粒化デバイスを用いて投与することができる。そのような調製物は、例えばサッカリンナトリウムなどのフレーバー剤、揮発油、緩衝剤、界面活性剤、またはメチルヒドロキシ安息香酸塩などの保存料を含むが、それらに限定されない1つ以上の追加の成分をさらに含んでいてよい。この投与経路によって提供される液滴は、好ましくは約0.1〜約200nmの範囲内の平均径を有する。
【0328】
肺送達のために有用であると本明細書に記載した調製物は、本発明の医薬組成物の鼻腔内送達のためにもまた有用である。
【0329】
鼻腔内投与のために適合するまた別の調製物は有効成分を含み、約0.2〜約500μmの平均粒子を有する粗い粉末である。そのような調製物は、かぎ煙草を吸う方法で、つまり鼻孔の近くに保持されたパウダーの容器から鼻腔を通しての迅速な吸入によって投与される。
【0330】
鼻腔内投与のために適合する調製物は、例えば、約0.2%(w/w)という少ない、そして約100%(w/w)という多い有効成分を含んでいてよく、そして本明細書に記載した1つ以上の追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0331】
本発明の医薬組成物は、口腔投与のために適合する調製物中で調製する、包装する、または販売することができる。そのような調製物は、例えば、従来方法を用いて作製された錠剤またはロゼンジ剤の形状にあってよく、さらに、約0.1%〜約20%(w/w)の有効成分を含んでいてよく、その残りは口腔で溶解可能または分解可能な組成物、および任意で本明細書に記載した1つ以上の追加の成分を含んでいる。または、口腔投与のために適合する調製物は、本有効成分を含むパウダーまたはエーロゾル化または微粒化溶液または懸濁液を含んでいてよい。そのような、粉末化、エーロゾル化、または微粒化調製物は、分散させられると、好ましくは約0.1〜約200nmの範囲内の平均粒径または液滴径を有し、本明細書に記載した1つ以上の追加の成分をさらに含んでいてよい。
【0332】
本発明の医薬組成物は、点眼投与のために適合する調製物中で調製する、包装する、または販売することができる。そのような調製物は、水性または油性液体担体中の有効成分の例えば0.1%〜約1.0(w/w)%の溶液または懸濁液を含む点眼薬の形状にあってよい。そのような液滴は、緩衝剤、塩、または本明細書に記載した1つ以上の追加の成分をさらに含んでいてよい。有用である他の眼科的に投与可能な調製物には、微結晶形中またはリポソーム調製物中に有効成分を含む調製物が含まれる。
【0333】
本発明の医薬組成物は、粘膜内投与のために適合する調製物中で調製する、包装する、または販売することができる。本発明は、化合物の粘膜を越えた通過または吸収を許容するために化合物の粘膜内投与を提供する。そのような投与のタイプは、経口(歯肉、舌下、口腔など)、直腸、経膣、経肺、鼻腔内などの吸収のために有用である。
【0334】
一部の態様では、舌下投与は、一部の場合には、経口投与されると有効成分が実質的に初回通過代謝および肝臓を通しての酵素分解を受け、結果として迅速な代謝および分子を不活性代謝産物へ変換させる肝酵素の活性、またはこの生体内変換のために減少させられる活性に関連する治療活性の消失を生じさせる利点を有する。
【0335】
一部の場合には、舌下投与経路は、頬粘膜の相当に大きな透過性および血管新生のために、迅速な作用開始を生成することができる。さらに、舌下投与は、経口投与後の胃粘膜または消化粘膜のレベルでは通常は吸収されない、または例えば錠剤の消化後に酸性媒体中で部分的または完全に分解される有効成分の投与を許容できる。
【0336】
先行技術から公知の舌下錠剤調製技術は、通常は有効成分および例えば希釈剤、結合剤、崩壊剤およびアジュバントなどの圧縮のための賦形剤を含む粉末の混合物の直接圧縮によって調製される。調製の代替方法では、本有効成分および圧縮賦形剤は、事前に乾性または湿性顆粒化することができる。1つの態様では、有効成分は、錠剤の塊全体に分布させられている。国際公開第00/16750号パンフレットは、迅速に崩壊し、有効成分がサイズが実質的に大きく、活性ミクロ粒子のための支持体を構成する水溶性粒子の表面に接着している微粒子の形状にある規則的混合物を含んでおり、本組成物がさらに粘膜接着剤をさらに含む、舌下使用のための錠剤について記載している。国際公開第00/57858号パンフレットは、舌下使用のための錠剤であって、吸収を促進することが意図された発泡系、およびさらにpH修飾因子を結合した有効成分を含む、錠剤について記載する。
【0337】
本発明の化合物は、粘膜を越える吸収を許容または強化する投与のために適切な調製物または医薬組成物で調製できる。粘膜吸収強化剤には、胆汁塩、脂肪酸、界面活性剤、またはアルコールが含まれるがそれらに限定されない。特定の実施形態では、透過強化剤は、コール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸塩、グリココール酸ナトリウム、ジメチルスルホキシドまたはエタノールであってよい。さらにまた別の実施形態では、本発明の化合物は、本化合物の送達を促進するために粘膜浸透強化剤を用いて調製することができる。本調製物は、溶解度、薬物安定性、および例えば鼻粘膜、口粘膜、膣粘膜、呼吸、および腸粘膜などの粘膜を通しての吸収について最適化されたpHを用いて調製することができる。
【0338】
本発明内の医薬物質の粘膜送達をさらに強化するために、活性物質を含む調製物は、基剤または賦形剤として親水性低分子量化合物をさらに含有していてよい。そのような親水性低分子量化合物は、それを通して例えば生理的に活性なペプチドまたはタンパク質などの水溶性活性物質が、基剤を通して活性物質が吸収される身体表面へ拡散できる通過媒質を提供する。親水性低分子量化合物は、任意で、粘膜または投与雰囲気からの水分を吸収する、または水溶性活性ペプチドを溶解させる。親水性低分子量化合物の分子量は、一般に10,000以下であり、このましくは3,000以下である。代表的な親水性低分子量化合物には、例えばスクロース、マンニトール、ラクトース、L−アラビノース、D−エリトロース、D−リボース、D−キシロース、D−マンノース、D−ガラクトース、ラクツロース、セロビオース、ゲンチビオース、グリセリン、およびポリエチレングリコールなどのオリゴ糖類、二糖類および単糖類などのポリオール化合物が含まれる。本発明の範囲内で担体として有用な親水性低分子量化合物の他の例には、N−メチルピロリドン、およびアルコール(例、オリゴビニルアルコール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなど)が含まれる。これらの親水性低分子量化合物は、単独で、または相互に、または鼻腔内調製物の他の活性または不活性化合物と組み合わせて使用できる。
【0339】
本発明の制御放出医薬調製物が親水性基剤をさらに含有する場合は、包含するために多数の選択肢を利用できる。例えばポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、例えばD−ソルビトールおよびキシリトールなどの糖アルコール、スクロース、マルトース、ラクツロース、D−フルクトース、デキストラン、およびグルコースなどの糖類、例えばポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、およびポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステルなどの界面活性剤、例えば塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムなどの塩、例えばクエン酸および酒石酸などの有機酸、例えばグリシン、β−アラニンおよびリシンなどのアミノ酸、ならびに例えばメグルミンなどのアミノ糖は、親水性基剤の例として与えられる。ポリエチレングリコール、スクロース、およびポリビニルピロリドンが好ましく、ポリエチレングリコールがさらに好ましい。本発明においては、1つまたは2つ以上の親水性基剤の組み合わせを使用できる。
【0340】
本発明は、インヘラーを通しての肺内、鼻腔内または経口投与を意図している。1つの実施形態では、インヘラーからの送達は、定量式であってよい。
【0341】
インヘラーは、本発明の少なくとも1つの化合物の患者自己投与のためのデバイスであって、本発明の少なくとも1つの化合物のエーロゾルスプレー調製物および医薬上許容される分散剤を含有するスプレーインヘラー(例、鼻腔内、口腔内、または経肺スプレーインヘラー)を含むデバイスである。1つの態様では、本デバイスは、本発明に含まれる疾患または障害を治療するために有効なある用量の少なくとも1つの本発明の化合物を含有するスプレーを形成する工程によってある量のエーロゾル調製物を分散させるために計量される。分散剤は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどであるがそれらに限定されない界面活性剤であってよい。リン脂質をベースとする界面活性剤もまた使用できる。
【0342】
他の実施形態では、エーロゾル調製物は、本発明の化合物がその中に微粉化粉末として存在するドライパウダーエーロゾル調製物として提供される。ドライパウダー調製物は、例えばラクトース、ソルビトール、スクロース、およびマンニトールなどであるがそれらに限定されない増量剤をさらに含んでいてよい。
【0343】
また別の特定の実施形態では、エーロゾル調製物は、例えば、無菌水、食塩液、緩衝食塩液およびデキストロース溶液などであるがそれらに限定されない医薬上許容される希釈剤をさらに含む液体エーロゾル調製物である。
【0344】
さらに別の実施形態では、エーロゾル調製物は、前記デバイスによって分散させられるエーロゾル調製物の計量された量が、本発明の少なくとも第1または第2化合物と組み合わせて使用された場合に、本明細書に開示された疾患または障害の症状を改善するために有効である計量された量にある用量の追加の化合物を含有するような濃度で本発明の少なくとも1つの追加の化合物をさらに含んでいる。
【0345】
そこで、本発明は、例えばアルコール関連疾患または障害などの嗜癖関連疾患または障害を外来患者治療するための自己投与方法を提供する。そのような投与は、病院、診療所で、または病院または診療所外で自己投与のための非医療専門家によって使用されてよい。
【0346】
本発明の化合物は、鼻腔内投与のために適切な調製物または医薬組成物中で調製される。さらにまた別の実施形態では、本発明の化合物は、薬物の送達を促進するために粘膜浸透強化剤を用いて調製することができる。本調製物は、溶解度、薬物安定性、鼻粘膜を通しての吸収、およびその他の検討事項について最適化されたpHを用いて調製することもできる。
【0347】
インヘラーまたはインサフレーターに入れて使用するためのカプセル、ブリスターパック、およびカートリッジは、本明細書に提供した医薬組成物のパウダーミックス;例えばラクトースまたはデンプンなどの適切なパウダー基剤;および例えば1−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能改良剤を含有するように調製できる。ラクトースは、無水であってよい、または一水和物の形状にあってよい。その他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。吸入/鼻腔内投与のために本明細書に提供した医薬組成物は、例えばメントールおよびレボメントールなどの適切なフレーバー、または例えばサッカリンまたはサッカリンナトリウムなどの甘味料をさらに含んでいてよい。
【0348】
吸入による投与のためには、本発明の方法によって使用するための化合物は、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切なガスを使用して、便宜的には加圧パックまたはネブライザーからのエーロゾルスプレー放出の形状で送達される。加圧式エーロゾルの場合には、用量単位は、計量された量を送達するための弁を提供することによって決定できる。例えばインヘラーまたはインサフレーターにおいて使用するためのゼラチンのカプセルまたはカートリッジは、薬物と例えばラクトースまたはデンプンなどの適切なパウダー基剤とのパウダーミックスを含有するように調製できる。
【0349】
本明細書で使用する用語「追加の成分」には、以下の:賦形剤;界面活性剤;分散剤;不活性希釈剤;顆粒化剤および崩壊剤;結合剤;潤滑剤;甘味料;フレーバー剤;着色剤;保存料;例えばゼラチンなどの生理的に分解可能な組成物;水性ビヒクルおよび溶媒;油性ビヒクルおよび溶媒;懸濁化剤;分散剤または湿潤剤;乳化剤、粘滑剤;緩衝剤;塩;増粘剤:充填剤;乳化剤;酸化予防剤;抗生物質;抗真菌剤;安定剤;および医薬上許容されるポリマーまたは疎水性材料のうちの1つ以上が含まれるがそれらに限定されない。本発明の医薬組成物中に含むことのできるその他の「追加の成分」は、当技術分野において公知であり、例えば、参照して本明細書に組み込まれるGenaro、ed.、1985、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PAに記載されている。
【0350】
典型的には、動物、好ましくはヒトに投与できる本発明の化合物の用量は、約1.0μg〜約100g/kg(動物の体重)の範囲内にある。投与される正確な用量は、動物のタイプ、治療される疾患状態のタイプ、動物の年齢、および投与経路を含むがそれらに限定されない任意の数の因子に依存して変動するであろう。好ましくは、化合物の用量は、約1mg〜約10g/kg(動物の体重)の間で変動するであろう。より好ましくは、用量は、約10mg〜約1g/kg(動物の体重)の間で変動するであろう。
【0351】
本化合物は、1日数回という高頻度で被験体に投与することができる、または例えば1日1回、週1回、2週間毎に1回、1カ月に1回、または例えば数カ月に1回または1年未満に1回さえなどのより低頻度で投与されてもよい。投与の頻度は、当業者には容易に明白になり、例えば治療される疾患のタイプおよび重症度、動物のタイプおよび年齢などであるがそれらに限定されない任意の数の因子に依存するであろう。
【0352】
本発明は、本発明の化合物および前記化合物の投与について説明している説明用材料を含むキットをさらに含んでいる。また別の実施形態では、このキットは、前記化合物を哺乳動物へ投与する前に、本発明の組成物を溶解または懸濁させるために適切な(好ましくは無菌)溶媒を含んでいる。
【0353】
本明細書で使用する「説明用材料」には、本明細書で言及した様々な疾患または障害の改善を実行するためのキット内で、本発明の化合物の有用性を伝達するために使用できる刊行物、記録、図、または任意の他の表現媒体を含んでいる。任意で、または代りに、説明用材料は、前記疾患または障害を改善する1つ以上の方法を記載することができる。本発明のキットの説明用材料は、例えば、本発明の化合物を含有する容器に添付されてよい、または前記化合物を含有する容器と一緒に輸送されてよい。または、説明用材料は、受領者が前記説明用材料および前記化合物を協調的に使用できるように本発明の容器とは別個に輸送されてもよい。
【0354】
これ以上説明せずとも、当業者であれば、先行する説明および以下の具体的実施例を使用すると、本発明の化合物を作製および利用する、そして本明細書で主張した方法を実践するできると考えられる。このため、以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を詳細に指摘しているが、本開示の残りを決して制限するものであると見なすべきではない。
【実施例】
【0355】
アルコール依存症、体重調節および嗜癖障害に対する可能性のある治療としてのオンダンセトロンおよびトピラメートの併用投与についての試験
本明細書に記載した実験は、オンダンセトロンおよびトピラメートの結合作用について、これらの医薬品が併用された場合に相加および/または相乗作用を生成できるかどうかを決定するために試験した。この実験では、この併用治療の、例えばアルコール過剰摂取の2つの重要な側面:総摂取量および再発などのアルコール関連疾患または障害、ならびに体重調節を調節する能力について試験した。
【0356】
任意の特定の理論によって結び付けることを望まなくても、オンダンセトロンの作用とトピラメートの作用とを特異的に結び付けるためには直接的および間接的両方の神経化学的機序が存在する。直接的機序を支持して、基本的な研究は、側坐核内でのDA放出の強化を通してのアルコールの報酬作用の発現は、5−HT受容体の活性化を通して媒介されることを証明している。5HT受容体アンタゴニストであるオンダンセトロンは、中脳辺縁系内での基底層直上DAニューロン活性を調節するが、基底DAニューロン活性は調節しない。側坐核内へのDAインプットは、側坐核から皮質構造へ突き出ているGABAニューロンには阻害性である。このため、5−HT拮抗作用の正味の機能的作用はさらに、海馬および皮質へのGABA性アウトプットを促進するであろう。このため、トピラメートが海馬および皮質におけるGABA性伝達を促進する能力は、オンダンセトロンの能力に対して少なくとも相加性であろうと予測することが合理的であろう。
【0357】
間接的機序を支持して、5−HT拮抗作用は、VTAへ戻るGABAインプットを増強すると予測されるであろう。そこでVTAにおけるDA発火は抑制されるであろう。トピラメートによるVTAに戻るGABAアウトプットの促進は、VTAにおけるDA発火のオンダンセトロン誘導性抑制を強化すると予測されるであろう。さらに、トピラメートは、AMPA/カイニン酸グルタミン酸塩受容体を通してVTAおよび側坐核からのDA興奮性インプットを減少させ、それによりさらにGABA性機能を増強し、中脳DA神経細胞発火を抑制すると予測されるであろう。これらをまとめると、機構的提案は、アルコール依存症ならびにその他の嗜癖および強迫調節関連障害を治療するためのオンダンセトロンおよびトピラメートの併用についての信頼できて説得力のある合理的理由を提供する。当然ながら、この併用の治療作用は、オンダンセトロンがさらにおそらくセロトン性異常も改善できるEOAの中でも最も著しいと予測できる。
【0358】
この併用についてのまた別の驚くべき潜在的利点は、オンダンセトロンの作用の一部がトピラメートの有害事象を減少させる可能性があることである。例えば、オンダンセトロンは認知精神運動性能を増強できるので、オンダンセトロンは、トピラメートを摂取することから報告された認知精神運動性能の一部の減少を無効にする能力を有している。さらに、トピラメートを単独で用いると、知覚異常は、極めて頻回に発生し(50%を越える個人において発生する)、コンプライアンスを顕著に減少させる厄介な有害事象である。このため、単独で投与した場合に知覚異常とは関連していないオンダンセトロンは、現時点では未知の機序によってトピラメートからの知覚異常の発生率を減少させると思われることは興味深い;しかし、任意の特定の理論によって結び付けることを望まなくても、本明細書では、これはおそらくオンダンセトロンが抗不安特性を有するためであると提案されている。そこで、この併用は、飲酒の転帰における単純な相加または相乗性改善だけではなく、オンダンセトロンおよびトピラメートの併用を摂取することへのコンプライアンスが有害事象プロファイルの減少(下記参照)によって(特に、トピラメートのコンプライアンスに加えて)強化されるために、より一層大きな治療作用を有する可能性がある。
【0359】
驚くべきことに、以下に記載するデータは、いずれかの薬物単独と比較して、トピラメート/オンダンセトロン併用の追加の有益な作用を示唆している。
【0360】
(実施例1)
トピラメート(10mg/kg、IP)およびオンダンセトロン(0.001mg/kg、IP)がアルコール嗜好性(P)ラットにおけるアルコール摂取量に及ぼす結合作用
トピラメート単独はアルコール摂取量における穏当な減少を生じさせたが(図1A、左上パネル;例えば、ベースライン時から13%±5%の減少)、単独ではアルコール摂取量に影響を及ぼさなかった用量のオンダンセトロンと併用すると(図1B、右上パネル;例えば、ベースライン時から1%±7%の減少)、アルコール摂取量についてのベースライン時からの堅調で持続性の減少(図1C、左下パネル;例、ベースライン時から23%±5%の減少)が観察された。ビヒクル注射後(図1D、右下パネル)または他のトピラメート/オンダンセトロン併用後(データは示していない)に有意差は観察されなかった。データは、3日間のベースライン期間、オンダンセトロンおよび/またはトピラメート/オンダンセトロン併用注射が投与された試験セッション、および試験セッションに続く3セッションを含む7連続セッションにわたってプロットした。各データポイントは、17匹のラットの平均値(±SE)を表している。
【0361】
(実施例2)
トピラメート(10mg/kg、IP)およびオンダンセトロン(0.001mg/kg、IP)がアルコール嗜好性(P)ラットにおける2週間の禁酒期間後のアルコール摂取量に及ぼす結合作用
ラットには、アルコール依存を誘導するために禁酒前に少なくとも3カ月間にわたり24時間アクセス2瓶選択法下でアルコール(10%)を無制限に摂取させた。2週間の禁酒期間中、ラットは飼料および水を自由に摂取できた。引き続いて、アルコール溶液を再導入し、トピラメート単独(10mg/kg)およびオンダンセトロン(0.001mg/kg)との併用が及ぼす作用を試験した。予想通りに、ビヒクル治療群ラットは、禁酒後のアルコール摂取量の顕著な増加を示した(図2)。トピラメートは、単独でアルコール剥奪作用を減弱させた。トピラメートを、単独ではアルコール摂取量に影響を及ぼさなかった低レベルのオンダンセトロンと併用すると、アルコール剥奪作用が完全に遮断されただけではなく、この併用は摂取をベースライン時に観察されたレベルから減少させた。データは、アルコール摂取量のベースラインレベルからの変化として表示されており、各データポイントは、2〜3匹のラットの平均値を表している。
【0362】
(実施例3)
トピラメート(5および10mg/kg、IP)およびオンダンセトロン(0.001および0.01mg/kg、IP)がWistar系ラットにおけるアルコール摂取量に及ぼす結合作用
Pラットにおける観察所見とは対照的に、Wistar系ラットからの結果は、オンダンセトロン(0.001mg/kg、低用量オンダンセトロン;および0.01mg/kg、高用量オンダンセトロン)の両方の用量は、高用量のトピラメート(10mg/kg、高用量トピラメート)と併用すると、アルコール摂取量を減弱させる(図3)。この作用は、初期の観察所見は、いずれかの薬物単独の投与後の調節の欠如を示すと思われるので、驚くべきことである(データは示していない)。これらの実験は、1つの条件に付き4〜5匹のラットを利用した。データは、アルコール摂取量のベースラインレベルからの変化として表示した。
【0363】
(実施例4)
動物モデルを使用したアルコール依存症についての可能性のある治療法としてのオンダンセトロンおよびトピラメートの併用投与の試験に関するまた別の研究
オンダンセトロンおよびトピラメートの作用を、それらがアルコール過剰摂取の2つの重要な側面:全摂取量および再発を調節する能力について試験した。全摂取量は、24時間アクセス2瓶選択法下で試験したが、このときラットはアルコール溶液(10%)および水へ無制限にアクセスできた。アルコール依存症の再発は、アルコール依存症ラットにおいて、長期の禁酒期間後のアルコール摂取量を試験することによって評価した。詳細には、アルコール依存症ラットでは、アルコールが長期の禁酒期間後に再導入されると、ラットは禁酒前の摂取量レベルと比較して摂取量の顕著な増加を示す。結果は、2つの相違するラット系において入手されている−アルコール過剰摂取に対する遺伝的脆弱性を有するアルコール嗜好性ラット系およびアルコール過剰摂取への遺伝的脆弱性を有していないWistar系ラット。本発明者らのデータは、いずれかの薬物単独と比較して、特にPラットでは、トピラメート/オンダンセトロン併用の追加の有益な作用を示唆している。
【0364】
1)トピラメートおよびオンダンセトロンの併用は、ラットにおけるエタノール摂取量を減少させる:総摂取量は、24時間アクセス2瓶選択法(10%エタノール対水)下で試験した。飲酒を誘導するために、Wistar系ラットおよびPラットは、標準スクロースフェージング法を用いてエタノールについて訓練した。Pラットでは、トピラメート単独は10mg/kg用量でのベースライン時エタノール摂取量からの有意な減少を生じさせ、この作用は数日間にわたり持続した(図4)。オンダンセトロンは単独ではエタノール摂取量に影響を及ぼさなかったが、高用量のトピラメートと結合すると、エタノール摂取量は有意に減少し、そしてトピラメート単独の作用と同様に、この作用は持続性であった。明白に、オンダンセトロンと高用量のトピラメートとの併用は、トピラメート単独と比較して摂取量の大きな減少を生じさせた。類似作用は、水に比したエタノールに対する嗜好性についても観察された。ベースライン時には、平均嗜好性は0.6±0.2であり、トピラメート単独、オンダンセトロン単独、トピラメートおよびオンダンセトロンの併用、ならびにビヒクルを用いた試験セッションで観察された平均値は、各々、0.51±0.2(−9±4%のベースライン時からの変化)、0.58±0.0(1±2%)、0.51±0.03(−11±4%)、および0.59±0.03(1%±0)であった。Wistar系ラットでは、いずれかの薬物を単独で投与された場合には摂取量への影響は観察されなかったが、2つの薬物を併用すると、有意な減少が観察された。同様に、Wistar系ラットにおいて水に比したエタノールに対する嗜好性について有意な変化は観察されなかった。ベースライン時には、平均嗜好性は0.30±0.03であり、トピラメート単独、オンダンセトロン単独、トピラメートおよびオンダンセトロンの併用、ならびにビヒクルを用いた試験セッションで観察された平均値は、各々、0.25±0.03(−6±7%のベースライン時からの変化)、0.26±0.04(2±2%)、0.31±0.02(1±3%;P<0.05)、および0.3±0.03(6%±4)であった。
【0365】
トピラメート単独はPラットにおいてはエタノール摂取量に影響を及ぼすが、Wistar系ラットでは影響を及ぼさないという観察所見は、トピラメートの有効性は遺伝的な性質に依存するという可能性を提起する。さらにまた、Pラットに比較して、Wistar系ラットでは摂取量を減少させるためにより高用量が必要になる可能性がある。しかし、Wistar系ラットにおける観察所見は予備的であることを言及しておくことが重要である(n=5)。それでもなお、これらのデータは、トピラメートおよびオンダンセトロンの併用がPラットおよびWistar系ラットの両方においてエタノールの摂取量を効果的に減少させたことを証明している。
【0366】
2)トピラメートおよびオンダンセトロンの併用は、PラットにおけるADEを遮断する:再発についての齧歯類モデルとして使用されてきた1つの実例は、アルコール剥奪モデルである。このモデルは、ベースライン時と比較した場合にエタノール摂取量の増加が生じる剥奪期間(アルコール剥奪作用、またはADEと呼ばれる)後の一貫した(ヒトおよび動物における)観察所見に基づいていた。この方法については、長期的に投与されたトピラメート、オンダンセトロン、およびそれらの併用の作用を少なくとも6カ月間にわたる維持後にエタノール摂取を試験した。エタノールは、計15日間にわたり、安定性の3日間のベースライン後に中止された。禁断期間中の8日間に、トピラメート単独、オンダンセトロン単独(Pラット単独)、それらの併用、またはビヒクルを用いた長期的な毎日の治療を開始した。第16日に、30分間の前治療後にエタノール摂取が再開された。摂取量はその後、1時間後(データは示していない)および24時間後(図5)に測定した。Pラットについては、トピラメートおよびオンダンセトロン単独の両方がADEを遮断し(P値<0.05)、そして併用すると、ADEを遮断するだけではなく(P<0.05)、摂取量もまた剥奪前のベースライン時未満のレベルへ抑制された(P<0.05)。対照的に、Wistar系ラットでは、長期的治療後には有意な作用は観察されなかったが、これはおそらく試験した用量が低すぎたため、または試験された動物数がこれまでは少な過ぎたためであった(n=5)。さらにまた、これらの医薬品の作用はPラットとWistar系ラットとの間で相違したが、これはおそらく遺伝的な差のためであるとも考えられる。
【0367】
3)トピラメートおよびオンダンセトロン併用の作用は、Pラットにおけるエタノール摂取量に対して選択的であると思われる:トピラメートを用いた以前の研究を前提にすると、本発明者らは飲酒行動へ非選択的に影響を及ぼすのではないかと考えてきた。しかし、図6に示したように、トピラメートは、これらの低用量では、短期的試験期間中にはPラットまたはWistar系ラットのいずれにおいても水摂取量に影響を及ぼさなかった(P値>0.05)。長期的治療期間中(ベースラインレベルと比較して;P値>0.05;ビヒクル治療群ラットおよび低用量トピラメートを摂取したラットはエタノールが再開された当日において水摂取量の減少を示したが、これはおそらくエタノール摂取量の大きな増加のためである)またはオンダンセトロンと併用した場合の短期的または長期的期間中(P値>0.05)の水摂取量にも影響を及ぼさなかった。本発明者らはさらに、トピラメート単独およびオンダンセトロンとの併用が両方の治療期間中の総液体摂取量および食物摂取量に及ぼす作用も試験し、有意な作用は見いだされなかった(データは示していない;P値>0.05)。オンダンセトロン治療後に水または総液体摂取量または食物摂取量に及ぼす作用は観察されなかった(データは示していない;P値>0.05)。
【0368】
(実施例5)
ヒトにおけるアルコール依存症、体重調節、およびその他の嗜癖障害を治療するためのオンダンセトロンおよびトピラメートの併用
オンダンセトロン(4μg/kg、1日2回)およびトピラメート(300mg/日まで)の併用の安全性を決定するために10例のアルコール依存症被験体において6週間のオープンラベルパイロット試験が実施された(American Psychiatric Association.Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版、Washington、D.C:American Psychiatric Association;1994)。プラセボ比較群が欠如するにもかかわらず、飲酒データ(図7)は、試験週間を通してベースライン時からの顕著かつ高度の減少を示すことは前途有望である。平均ベースライン時飲酒は、8.90±1.20飲酒回数/日であった。同様に、禁酒日数のパーセンテージは、4.22±1.96から78.57±7.14へ増加した(データはプロットしていない)。このオンダンセトロンおよびトピラメートの併用についての有害事象率は、一般にトピラメート単独について入手された有害事象率より低かった。例えば、目眩 − 17%対28%;知覚異常 − 17%対54%;および精神運動性能の緩徐化 − 17%対27%。オンダンセトロンおよびトピラメートの併用についてのこれらすべての有害事象は、軽度であると報告されており、併用薬または内科的介入は必要とされなかった。オンダンセトロンおよびトピラメートの併用には、任意の重篤な有害事象または試験からの被験体の酸化取り消しは結び付いていなかった。全症状は軽度であり、内科的介入の必要とをもなわずに消退した。参加者2例だけがドロップアウトした。これらのデータは、トピラメート単独に比較してオンダンセトロンおよびトピラメートの併用には少ない有害事象が結び付いていると思われることを示唆している。プラセボ群が存在しなかったために確実な有効性の結論を引き出すことができなかった、そして相違する試験を直接的に比較することはできないという前提にもかかわらず、この併用試験を通しての1日当たりの飲酒回数の平均減少が、早発性アルコール依存症においてオンダンセトロン単独が試験された場合には−3.28に過ぎなかったが、−7.95であったことは注目に値した(Johnsonら、2000、J.Am.Med.Assoc、284:963−971)。このため、これらのデータは、オンダンセトロンおよびトピラメートの治療作用が相加性であるという提言と一致している(表1)。
【0369】
【表1】

相違する試験は、様々な集団サイズおよび実験実例を有していた。Cohenの有効サイズは、2つの変数間の関係の強度を測定する。0.2、0.5、および0.8の有効サイズ(プラスまたはマイナスのいずれかの方向に)は、各々小、中、および大であった(Cohen J.Statistical Power Analysis for the Behavioral Sciences.第2版 Hillsdale、NJ:L.Erlbaum Associates;1988)。
【0370】
アルコール依存症試験において治療される被験体は、さらにトピラメートおよびオンダンセトロンの併用対トピラメートまたはオンダンセトロン単独を用いた治療の潜在的作用としての体重減少についてもまた監視された。
【0371】
注目すべきことに、トピラメートおよびオンダンセトロンの併用の試験では、33%の個人が体重減少を報告したが、他方トピラメート単独については体重減少を報告したのは19.7%に過ぎず、オンダンセトロン単独を摂取した個人については体重減少の感知可能な報告はなかった。このため、オンダンセトロンおよびトピラメートの併用が体重減少に及ぼす作用は驚くべきものであったが、それは個別医薬品単独についての総体重減少の単純な合計によって予想されるものを越えているからであり、相違する神経化学的プロセスが一緒になって相乗性応答を提供するという事実を支持している。実際に、トピラメートの主要作用はグルコースおよび脂質調節に関連する代謝プロセスに影響を及ぼすことであるが、他方オンダンセトロンは末梢超運動性を減少させ、ならびに大量飲酒への中枢神経系関連性衝撃を減少させるように作用する可能性があることは本明細書において先に詳述してきた。そこで、オンダンセトロンおよびトピラメートの併用は、中枢神経系、代謝、および末梢作用の組み合わせによって肥満の減少に予想外の強力かつ驚くべき作用を有すると提案されている。
【0372】
まとめると、これらの臨床試験データは、オンダンセトロンおよびトピラメートの併用は安全であり、薬理学的総和についての作用機序が一般化されれば、コカイン治療についても類似の所見が見られる可能性があることを示唆している。それでもなお、アルコール依存症における有効性を証明しているオンダセトロンの用量がコカイン依存症を治療するために提案されている用量とは顕著かつ驚くほど相違する−実際に体重70kgの個人についてはほぼ30分の1である(すなわち、4μg/kg対1日2回4mg)ことを理解することは極めて重要である。さらに、コカイン依存症のための治療としてトピラメートについて提案された最大用量は、アルコール依存症を治療するための最大用量の約1/3である。このため、本発明者らのデータの全体は、オンダンセトロンおよびトピラメートの併用がアルコール依存症の治療としての有用性を有すること、そしてさらにコカイン依存症、または二重アルコールおよびコカイン依存症の治療のために有効である可能性が高いことを示している。
【0373】
本明細書で言及したありとあらゆる特許、特許出願、および刊行物は、全体として本明細書に参照して組み込まれる。
【0374】
表題は、参照して、そして所定のセクションの場所を確認する際に役立つように本明細書に含まれている。これらの表題は、本明細書に記載した概念の範囲を限定することは意図しておらず、これらの概念は、全明細書を通して他のセクションにおいて適用性を有する。
【0375】
本明細書に開示した実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を作製または使用できるように提供されている。これらの実施形態への様々な変更は当業者には容易に明白になるであろう。そして本明細書に規定した一般的原理は、本発明の精神または範囲から逸脱せずに他の実施形態に適用できる。したがって、本発明は、本明細書に示した実施形態に限定することは意図しておらず、本明細書に開示した原理および新規な特徴と一致する極めて広範囲に一致するはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール関連疾患または障害を治療または予防することを必要とする被験体におけるアルコール関連疾患または障害を治療または予防するための方法であって、前記被験体にセロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、ノルエピネフリンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、グルタミンアゴニスト、グルタミンアンタゴニスト、抗痙攣薬、N−メチル−D−アスパラギン酸塩遮断薬、カルシウムチャネルアンタゴニスト、カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬、ニューロキニン、小分子剤、ペプチド、ビタミン剤、補因子、ならびにコルチコステロイド放出因子アンタゴニストからなる群から選択される有効量の少なくとも2つの化合物、またはそれらのアナログ、誘導体、修飾体、もしくは医薬上許容される塩を投与する工程を含み、それにより被験体におけるアルコール関連疾患または障害を治療または予防する方法。
【請求項2】
前記被験体は、ヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルコール関連疾患または障害は、早発性アルコール依存症、後発性アルコール依存症、妄想を伴うアルコール誘導性精神障害、アルコール過剰摂取、アルコール中毒、アルコール離脱、アルコール中毒性せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘導性持続性認知症、アルコール誘導性持続性健忘障害、アルコール依存、幻覚を伴うアルコール誘導性精神障害、アルコール誘導性気分障害、アルコール誘導性または関連性双極性障害、アルコール誘導性または関連性外傷後ストレス障害、アルコール誘導性不安障害、アルコール誘導性性機能障害、アルコール誘導性睡眠障害、アルコール誘導性または関連性賭博障害、アルコール誘導性または関連性性的障害、特定不能のアルコール関連障害、アルコール中毒、ならびにアルコール離脱からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記治療は、前記治療前の頻度と比較して、または前記治療を受けていない対照被験体と比較して、アルコール摂取の頻度を減少させる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アルコール摂取は、大量飲酒を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記治療は、前記治療前に摂取されたアルコールの量と比較して、または前記治療を受けていない対照被験体と比較して、摂取されるアルコールの量を減少させる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記アルコール摂取は、大量飲酒を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記治療は、前記治療を受けていない対照被験体と比較して、アルコール摂取と結び付いた身体的または心理的後遺症を改善する、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記治療は、前記治療を受けていない対照被験体と比較して、前記被験体の禁酒率を増加させる、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記治療は、前記治療前のレベルと比較して、または前記治療を受けていない対照被験体と比較して、アルコール摂取の平均レベルを減少させる、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記治療は、前記治療前のアルコール摂取および禁酒と比較して、または前記治療を受けていない対照被験体と比較して、アルコール摂取を減少させ、禁酒を増加させる、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記被験体は、早発性アルコール依存症または後発性アルコール依存症に対する素因を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
さらに前記被験体は、心理社会的管理プログラムを受けさせられる、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記心理社会的管理プログラムは、短期行動コンプライアンス強化治療、認知行動対処技能療法、動機付け強化療法、12ステップ促進療法、併用行動療法、内科的治療、精神分析、精神力動的治療、および生物心理社会的、報告、共感、ニーズ、直接的助言および評価からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記被験体は、催眠法または鍼療法をさらに受けさせられる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、少なくとも週1回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、少なくとも1日1回投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、セロトニン受容体アンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記セロトニン受容体は、セロトニン−3受容体である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも3つの化合物は、前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも2つの化合物は、個別に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも2つの化合物の第1化合物は、前記少なくとも2つの化合物の第2化合物が投与される前に投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも2つの化合物の第1化合物および第2化合物は、ほぼ同時に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも2つの化合物の第1化合物は、前記少なくとも2つの化合物の第2化合物の投与に引き続いて投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも2つの化合物は、1つの医薬組成物として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも2つの化合物は、経口、局所、直腸、筋肉内、粘膜内、および静脈内からなる群から選択される経路によって投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも2つの化合物は、経口経路によって投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項1に記載の少なくとも2つの化合物と、それらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、修飾体および医薬上許容される塩、ならびに医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項29】
前記組成物は、有効量のトピラメートおよびオンダンセトロン、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、修飾体、および医薬上許容される塩を含む、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、制御放出調製物として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも2つの化合物は、トピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソン、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも2つの化合物のうちの2つは、トピラメートおよびオンダンセトロン、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体である、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも2つの化合物は、トピラメートおよびオンダンセトロン、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
トピラメートは、約15mg/日〜約2,500mg/日の範囲内の用量で投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
トピラメートは、約25mg/日〜約1,000mg/日の範囲内の用量で投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
トピラメートは、約50mg/日〜約500mg/日の範囲内の用量で投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
トピラメートは、約300mg/日または約275mg/日の用量で投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
トピラメートは、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内の用量で投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
トピラメートは、少なくとも週1回投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
トピラメートは、少なくとも1日1回投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約0.01μg/kg〜約100μg/kgの範囲内の用量で投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約0.1μg/kg〜約10.0μg/kgの範囲内の用量で投与される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約1.0μg/kg〜約5.0μg/kgの範囲内の用量で投与される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約4.0μg/kgまたは1回の投与に付き約3.0μg/kgの用量で投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
オンダンセトロンは、少なくとも週1回投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
オンダンセトロンは、少なくとも1日1回投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも2つの化合物は、トピラメートおよびオンダンセトロンである、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
1回の投与に付き、トピラメートは約300mg/日の用量で投与され、オンダンセトロンは約4.0μg/kgの用量で投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
ナルトレキソンは、1回の投与に付き約1mg〜約100mgの範囲内の用量で投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項50】
ナルトレキソンは、1回の投与に付き約10mg〜約50mgの範囲内の用量で投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ナルトレキソンは、1回の投与に付き約25mgの用量で投与される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
ナルトレキソンは、少なくとも1日2回投与される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
ナルトレキソンは、1日2回投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記被験体に投与される少なくとも1つの化合物は、ジスルフィラム、アカンプロセート、セルトラリン、ガランタミン、ナルメフェン、ナロキソン、デソキシペガニン、ベンゾジアゼピン系、神経弛緩薬、リスペリドン、リモナバント、トラゾドン、およびアリピプラゾールからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項55】
前記被験体に投与される少なくとも1つの化合物は、ジスルフィラム、アカンプロセート、セルトラリン、ガランタミン、ナルメフェン、ナロキソン、デソキシペガニン、ベンゾジアゼピン系、神経弛緩薬、リスペリドン、リモナバント、トラゾドン、およびアリピプラゾールからなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項56】
アドレナリン作動薬、副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制薬、アルドステロンアンタゴニスト、アミノ酸、中枢神経興奮薬、鎮痛薬、食欲抑制剤、食欲減退薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗高血圧薬、抗炎症薬、制吐薬、抗好中球減少薬、抗強迫薬、抗パーキンソン病薬、抗精神病薬、食欲抑制剤、血糖調節剤、カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬、強心剤、心血管薬、胆汁分泌促進薬、コリン作動薬、コリン作動性アゴニスト、コリンエステラーゼ不活性化剤、認知アジュバント、認知強化剤、ホルモン剤、記憶アジュバント、精神能力強化剤、気分調節剤、神経弛緩薬、神経保護薬、向精神薬、弛緩薬、鎮痛催眠薬、刺激薬、甲状腺ホルモン、甲状腺阻害薬、甲状腺ミメティック、脳虚血薬、血管収縮剤、および血管拡張剤からなる群から選択される少なくとも1つの化合物は、前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
前記少なくとも2つの化合物の作用は、相加性である、請求項1に記載の方法。
【請求項58】
前記少なくとも2つの化合物の作用は、相乗性である、請求項1に記載の方法。
【請求項59】
前記治療は、中脳皮質辺縁系ドーパミン活性を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
前記治療は、グルタミン酸塩機能を阻害する、請求項1に記載の方法。
【請求項61】
前記治療は、γ−アミノ−酪酸活性を促進する、請求項1に記載の方法。
【請求項62】
肥満を治療することを必要とする被験体における肥満を治療する方法であって、前記被験体にセロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、抗痙攣薬、およびNMDA遮断薬からなる群から選択される有効量の少なくとも1つの化合物、ならびにそれらのアナログ、ホモログ、誘導体、修飾体、および医薬上許容される塩を投与する工程を含み、任意でそれにより肥満を治療する少なくとも1つの追加の治療活性化合物と併用して、それにより治療または予防する方法。
【請求項63】
前記少なくとも1つの追加の治療活性化合物は、抗糖尿病薬、抗脂肪血症薬、抗肥満薬、抗高血圧薬、ならびに糖尿病の結果として、または関連して発生する合併症を治療するための薬物からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記被験体は、約30.0以上のボディ・マス・インデックスを有する請求項62に記載の方法。
【請求項65】
被験体が体重を増加する、または体重過剰になることを予防または阻害する方法であって、前記被験体にそれにより治療または予防するセロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、抗痙攣薬、およびN−メチル−D−アスパラギン酸塩遮断薬からなる群から選択される有効量の少なくとも1つの化合物、ならびにそれらのアナログ、ホモログ、誘導体、修飾体、および医薬上許容される塩を投与する工程を含み、任意で少なくとも1つの追加の治療活性化合物と併用して、それにより被験体が体重を増加する、または体重過剰になることを予防または阻害する方法。
【請求項66】
前記少なくとも1つの追加の治療活性化合物は、抗糖尿病薬、抗脂肪血症薬、抗肥満薬、抗高血圧薬、ならびに糖尿病の結果として、または関連して発生する合併症を治療するための薬物からなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
体重減少を誘導することを必要とする被験体における体重減少を誘導する方法であって、前記被験体にセロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、抗痙攣薬、およびN−メチル−D−アスパラギン酸塩遮断薬からなる群から選択される有効量の少なくとも2つの化合物、またはそれらのアナログ、誘導体、修飾体、もしくは医薬上許容される塩を、任意で少なくとも1つの追加の治療活性化合物と併用して投与する工程を含み、それにより体重減少を誘導することを必要とする被験体において体重減少を誘導する方法。
【請求項68】
前記少なくとも1つの追加の治療活性化合物は、抗糖尿病薬、抗脂肪血症薬、抗肥満薬、抗高血圧薬、ならびに糖尿病の結果として、または関連して発生する合併症を治療するための薬物からなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記被験体は、約25.0〜約29.9のボディ・マス・インデックスを有する、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
さらに前記被験体は、心理社会的管理プログラムを受けさせられる、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記心理社会的管理プログラムは、短期行動コンプライアンス強化治療、認知行動対処技能療法、動機付け強化療法、12ステップ促進療法、併用行動療法、内科的治療、精神分析、精神力動的治療、および生物心理社会的、報告、共感、ニーズ、直接的助言および評価からなる群から選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記被験体は、催眠法または鍼療法をさらに受けさせられる、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、少なくとも週1回投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、少なくとも1日1回投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、セロトニン受容体アンタゴニストである、請求項67に記載の方法。
【請求項76】
前記セロトニン受容体は、セロトニン−3受容体である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
少なくとも3つの化合物は、前記被験体に投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項78】
前記少なくとも2つの化合物は、個別に投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項79】
前記少なくとも2つの化合物の第1化合物は、前記少なくとも2つの化合物の第2化合物が投与される前に投与される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記少なくとも2つの化合物の第1化合物および第2化合物は、ほぼ同時に投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項81】
前記少なくとも2つの化合物の第1化合物は、前記少なくとも2つの化合物の第2化合物の投与に引き続いて投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項82】
前記少なくとも2つの化合物は、1つの医薬組成物として投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも2つの化合物は、経口、局所、直腸、筋肉内、粘膜内、鼻腔内、吸入、点眼、および静脈内からなる群から選択される経路によって投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項84】
前記少なくとも2つの化合物は、経口経路によって投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
請求項67に記載の少なくとも2つの化合物と、それらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、修飾体および医薬上許容される塩、ならびに医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項86】
前記組成物は、有効量のトピラメートおよびオンダンセトロン、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体を含む、請求項85に記載の医薬組成物。
【請求項87】
前記少なくとも2つの化合物のうちの少なくとも1つは、制御放出調製物として投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項88】
前記少なくとも2つの化合物は、トピラメート、オンダンセトロン、およびナルトレキソン、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体からなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項89】
前記少なくとも2つの化合物のうちの2つは、トピラメートおよびオンダンセトロン、ならびにそれらの生物活性アナログ、ホモログ、誘導体、および修飾体である、請求項67に記載の方法。
【請求項90】
トピラメートは、約15mg/日〜約2,500mg/日の範囲内の用量で投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
トピラメートは、約25mg/日〜約1,000mg/日の範囲内の用量で投与される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
トピラメートは、約50mg/日〜約500mg/日の範囲内の用量で投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
トピラメートは、約300mg/日または約275mg/日の用量で投与される、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
トピラメートは、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内の用量で投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項95】
トピラメートは、少なくとも週1回投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項96】
トピラメートは、少なくとも1日1回投与される、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約0.01μg/kg〜約100μg/kgの範囲内の用量で投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項98】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約0.1μg/kg〜約10.0μg/kgの範囲内の用量で投与される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約1.0μg/kg〜約5.0μg/kgの範囲内の用量で投与される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
オンダンセトロンは、1回の投与に付き約4.0μg/kgまたは1回の投与に付き約3.0μg/kgの用量で投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
オンダンセトロンは、少なくとも週1回投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項102】
オンダンセトロンは、少なくとも1日1回投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項103】
前記少なくとも2つの化合物は、トピラメートおよびオンダンセトロンである、請求項88に記載の方法。
【請求項104】
1回の投与に付き、トピラメートは約300mg/日の用量で投与され、オンダンセトロンは約4.0μg/kgの用量で投与される、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
食欲を調節することを必要とする被験体における食欲を調節する方法であって、前記被験体にセロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、抗痙攣薬、およびN−メチル−D−アスパラギン酸塩遮断薬からなる群から選択される有効量の少なくとも2つの化合物、またはそれらのアナログ、誘導体、修飾体、もしくは医薬上許容される塩を投与する工程を含み、任意で少なくとも1つの追加の治療活性化合物と併用して、任意で少なくとも1つの追加の治療活性化合物と併用して、それにより治療または予防する方法。
【請求項106】
摂食障害、衝動調節障害、ニコチン関連障害、アンフェタミン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤使用障害、吸入剤関連障害、ベンゾジアゼピン過剰摂取または依存症関連障害、およびオピオイド関連障害からなる群から選択される嗜癖疾患または障害を治療または予防するための方法であって、前記被験体にセロトニン作動薬、セロトニンアンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、ドーパミン放出阻害薬、ドーパミンアンタゴニスト、ノルエピネフリンアンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸アゴニスト、γ−アミノ−酪酸阻害剤、γ−アミノ−酪酸受容体アンタゴニスト、γ−アミノ−酪酸チャネルアンタゴニスト、グルタミン酸塩アゴニスト、グルタミン酸塩アンタゴニスト、グルタミンアゴニスト、グルタミンアンタゴニスト、抗痙攣薬、N−メチル−D−アスパラギン酸塩遮断薬、カルシウムチャネルアンタゴニスト、カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬、ニューロキニン、ならびにコルチコステロイド放出因子アンタゴニストからなる群から選択される有効量の少なくとも2つの化合物、またはそれらのアナログ、誘導体、修飾体、もしくは医薬上許容される塩を投与する工程を含み、それにより被験体における嗜癖疾患または障害を治療または予防する方法。
【請求項107】
本発明の化合物を投与するためのキットであって、少なくとも2つの本発明の化合物、アプリケーター、およびそれらの使用のための説明用材料を含むキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−513569(P2010−513569A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543177(P2009−543177)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/088100
【国際公開番号】WO2008/077092
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(501149684)ユニバーシティ オブ バージニア パテント ファウンデーション (35)
【Fターム(参考)】