説明

アルツハイマー病の治療用大環状β−セクレターゼ阻害剤

本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤であり、アルツハイマー病のようなβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療または予防において有用な化合物に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物並びにβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の予防または治療における前記化合物及び前記組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アルツハイマー病は、脳にアミロイドが細胞外プラーク及び細胞内神経原線維のもつれの形態で異常沈着していることを特徴とする。アミロイド蓄積の速度は形成、集合及び脳からの退出の速度の組合せである。通常、アミロイドプラークの主成分は非常に大きなサイズの前駆体タンパク質のタンパク質分解生成物である4kDアミロイドタンパク質(βA4、Aβ,β−タンパク質及びβAPとも呼ばれる)である。アミロイド前駆体タンパク質(APPまたはAβPP)は大きなエクトドメイン、膜貫通領域及び短い細胞質テールを有する受容体様構造を有している。AβドメインはAPPの細胞外ドメイン及び膜貫通ドメインの両方の部分を含み、よってその放出はNH末端及びCOOH末端を生じさせる2つの別々のタンパク質分解事象の存在を含む。膜からAPPを遊離させ、APPの可溶性COOH切端形態を生成する少なくとも2つの分泌メカニズムが存在する。膜からAPP及びその断片を遊離させるプロテアーゼを“セクレターゼ”と呼ぶ。Aβタンパク質内で開裂してα−APPを遊離し、無傷のAβの遊離を妨げる推定上α−セクレターゼにより多くのAPPが遊離される。APPの大部分は、APPのNH末端の近くで開裂し、全Aβドメインを含むCOOH末端断片(CTF)を生成するβ−セクレターゼ(“β−セクレターゼ”)により遊離される。
【0002】
従って、β−セクレターゼまたはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質開裂酵素(“BACE”)の活性により、アルツハイマー病気の特徴である脳におけるAPPの異常開裂、Aβの生成及びβ−アミロイドプラークの蓄積が生ずる(R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,59:1367−1368(2000年9月);H.Fukumotoら,Arch.Neurol.,59:1381−1389(2002年9月);J.T.Huseら,J.Biol.Chem.,277(18):16278−16284(2002年5月3日発行);K.C.Chen及びW.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm.,292:702−708(2002)参照)。よって、β−セクレターゼまたはBACEを阻害し得る治療薬がアルツハイマー病の治療のために有用であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の化合物は、β−セクレターゼまたはBACEの活性を阻害して、不溶性Aβの形成を防止し、Aβの生成を阻止することによりアルツハイマー病を治療するために有用である。
【0004】
本発明は、アルツハイマー病のようなβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療または予防において有用なβ−セクレターゼ酵素の阻害剤である化合物に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物並びにβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の予防または治療における前記化合物及び前記組成物の使用にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式Iを有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩に関する。
【0006】
【化11】

上記式中、

(1)水素、
(2)未置換であるかまたは
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)未置換であるかまたは(i)−C1−6アルキル、(ii)−C3−6シクロアルキル、(iii)−O−C1−6アルキル、(iv)ハロ、(v)ヒドロキシ、(vi)−CF、(vii)−OCF、(viii)−NR10及び(ix)−C
(f)−CO(ここで、Rは(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)、
(g)−NR10(ここで、R10は(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)及び
(h)−CONR10
から独立して選択される1〜7個の置換基で置換された−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニルまたは−C3−8シクロアルキル、及び
(3)未置換であるかまたは
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−フェニル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)ハロ、
(f)ヒドロキシ、
(g)−CF
(h)−OCF
(i)−NR10及び
(j)−CN
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニル
からなる群から選択され;

(1)水素、
(2)R−S(O)−(ここで、Rは(a)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(b)フェニル及び(c)ベンジルからなる群から独立して選択され、pは独立して0、1または2である)、
(3)R−S(O)N(R)−(ここで、Rは(a)水素、(b)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(c)フェニル及び(d)ベンジルからなる群から独立して選択される)、
(4)−CN、
(5)−C1−6アルキル−CN、
(6)ハロゲン、
(7)
【0007】
【化12】

(ここで、R8a及びR8bは(a)水素、(b)−CN、(c)ハロ、(d)−C1−6アルキル、(e)−O−R、(f)−S−R、(g)−CO及び(h)テトラゾリルからなる群から独立して選択される)、及び
(8)
【0008】
【化13】

(ここで、nは1、2、3または4である)
からなる群から選択され;

(1)−CH(OH)−R
(2)−C(O)R
(3)−CH(R)−NR、及び
(4)−C(O)−NR
からなる群から選択され;

(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)
【0009】
【化14】

及び
(4)
【0010】
【化15】

(ここで、Zは−C(O)−、−CH(OH)−及び
【0011】
【化16】

からなる群から選択され、qは1または2である)
からなる群から独立して選択され;

(1)水素、
(2)未置換であるかまたは
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)未置換であるかまたは(i)−C1−6アルキル、(ii)−C3−6シクロアルキル、(iii)−O−C1−6アルキル、(iv)ハロ、(v)ヒドロキシ、(vi)−CF、(vii)−OCF、(viii)−NR10及び(ix)−CNから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニルまたはビフェニル、
(f)−CO
(g)−NR10及び
(h)−CONR10
から独立して選択される1〜7個の置換基で置換された−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニルまたは−C3−8シクロアルキル、
(3)−CHR−CONR10、及び
(4)未置換であるかまたは
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−フェニル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)ハロ、
(f)ヒドロキシ、
(g)−CF
(h)−OCF
(i)−NR10(ここで、Rは(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択され、R10は(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)及び
(j)−CN
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニル
からなる群から選択され;
mは独立して1、2、3または4である。
【0012】
本発明の実施態様において、R
(1)水素、
(2)未置換であるかまたは
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)未置換であるかまたは(i)−C1−6アルキル、(ii)−C3−6シクロアルキル、(iii)−O−C1−6アルキル、(iv)ハロ、(v)ヒドロキシ、(vi)−CF、(vii)−OCF、(viii)−NR10及び(ix)−CNから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニルまたはビフェニル、
(f)−CO(ここで、Rは(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)、
(g)−NR10(ここで、R10は(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)及び
(h)−CONR10
から独立して選択される1〜7個の置換基で置換された−C1−6アルキル、
(3)未置換であるかまたは
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−フェニル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)ハロ、
(f)ヒドロキシ、
(g)−CF
(h)−OCF
(i)−NR10及び
(j)−CN
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニル
からなる群から選択される。
【0013】
本発明の別の実施態様において、Rは(1)水素、(2)メチル、(3)イソプロピル、(4)イソブチル及び(5)フェニルからなる群から選択される。
【0014】
本発明の別の実施態様において、RはR−S(O)N(R)−(ここで、Rは(a)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(b)フェニル及び(c)ベンジルからなる群から独立して選択され、Rは(a)水素、(b)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(c)フェニル及び(d)ベンジルからなる群から独立して選択される)である。
【0015】
本発明の別の実施態様において、RはCH−S(O)N(CH)−である。
【0016】
本発明の実施態様において、Rは(1)−CH(OH)−R、(2)−C(O)R、及び(3)−CH(R)−NRからなる群から選択される。
【0017】
本発明の実施態様において、R
【0018】
【化17】

(ここで、nは2または3であり、Rは水素またはメチルである)
である。
【0019】
本発明の実施態様において、R
【0020】
【化18】

(ここで、Rは水素またはメチルであり、Zは−C(O)−、−CH(OH)−及び
【0021】
【化19】

からなる群から選択される)
である。
【0022】
本発明の別の実施態様において、Rは(1)−CH−OH及び(2)−CH−NH−CH(CHCH)−CO−NH−CHCH(CHからなる群から選択される。
【0023】
本発明の実施態様において、mは1である。
【0024】
本発明の実施態様において、mは2である。
【0025】
本発明の別の実施態様には、
【0026】
【化20】



からなる群から選択される化合物及びその医薬的に許容され得る塩が含まれる。
【0027】
本発明化合物は少なくとも1つの不斉中心を有する。分子上の各種置換基の種類に応じて追加の不斉中心が存在し得る。不斉中心を有する化合物により、エナンチオマー(光学異性体)及び/またはジアステレオマー(立体配置異性体)が生じ、混合物形態及び純粋もしくは部分的に純粋な化合物としての考えられるエナンチオマー及びジアステレオマーが本発明の範囲に包含されると解される。本発明は前記化合物の異性体形態のすべてを包含する。
【0028】
エナンチオマー的またはジアステレオマー的に濃縮した化合物の独立合成またはそのクロマトグラフ分離は本明細書に記載の方法を適当に修飾することにより当業界で公知のように達成され得る。絶対立体化学は、所要により公知の絶対立体配置を有する不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化した結晶性生成物または結晶性中間体をX線結晶学により決定することができる。
【0029】
所望により、本発明化合物のラセミ混合物は、各エナンチオマーが単離されるように分離され得る。この分離は、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後一般的方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により各エナンチオマーに分離するような当業界で公知の方法により実施され得る。カップリング反応はしばしばエナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いた塩の形成である。その後、ジアステレオマー誘導体は付加キラル残基を開裂することにより純粋なエナンチオマーに変換され得る。本発明化合物のラセミ混合物は当業界で公知のキラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法により直接分離され得る。
【0030】
また、本発明化合物のエナンチオマーは、公知の立体配置を有する光学的に純粋な出発材料または試薬を用いて当業界で公知の方法により得ることができる。
【0031】
本発明化合物はスキーム1及び2に概説する方法により製造される。
【0032】
【化21】


【0033】
スキーム1では、m−チロシンを記載されているように変換して、所望の最終生成物を得る。m−チロシンをアルコール性溶媒(例えば、メタノール)中0〜70℃で塩化チオニルと反応させると、対応のエステルが生ずる。このアミノエステル塩は、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中第3級アミン塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下でアミンをCbzクロリドまたはCbz無水物と反応させることによりベンジルオキシカルボニル基で保護されている。フェノール性ヒドロキシ基は、溶媒(例えば、THFまたはトルエン)中−15〜25℃の温度で適当に保護された(例えば、N−Boc)アミノアルコール、トリフェニルホスフィン及びジアルキルアゾジカルボキシレートを用いるミツノブエーテル化反応を用いてアルキル化される。次いで、Boc保護基を強酸で除去すると、適当なアミン塩が生ずる。このアミンを標準のアミド結合カップリング条件下で安息香酸誘導体にカップリングする。生じたアミドを溶媒(例えば、EtOAcまたはメタノール)中パラジウム触媒を用いて水素化すると、Cbz基及びベンジルエステル基が脱保護される。生じたアミノ酸のマクロラクタム化は、溶媒の希溶液(例えば、第3級アミン塩基を含有するジクロロメタン)中カップリング剤(例えば、BOP試薬)を付加することにより生ずる。生じたマクロラクタムエステルをTHF中水素化物還元剤(例えば、LiBH)を用いて還元すると、所望の第1級アルコールが生ずる。このアルコールを酸化剤(例えば、DMSO中SOピリジン)を用いて酸化してもよい。大環状アルデヒドをメタノール性溶媒中アミン及び還元剤(例えば、NaBHCN)を用いて還元アミノ化してもよい。前記アルデヒドを有機金属物質(例えば、アルキルリチウムまたはグリニヤール試薬)と反応させて対応の第2級アルコールを生じさせてもよい。
【0034】
【化22】

【0035】
スキーム2では、m−チロシンを記載されているように変換して、所望の最終生成物を得る。m−チロシンエステルを標準のアミド結合カップリング条件で安息香酸誘導体とカップリングさせると、所望のアミドエステルが生ずる。フェノール性ヒドロキシ基を非反応性溶媒(例えば、アセトニトリルまたはDMF)中アルキル化剤(例えば、N−Boc−2−ブロモエチルアミン)及び塩基(例えば、炭酸カリウム)を用いてアルキル化する。その後、Boc保護基を強酸で除去すると適当なアミン塩が生ずる。この芳香族ベンジルエステルを標準の水添分解により対応のカルボン酸に変換する。生じたアミノ酸のマクロランタム化は、溶媒の希溶液(例えば、第3級アミン塩基を含有するジクロロメタン)中カップリング剤(例えば、BOP試薬)を添加することにより生ずる。生じたマクロラクタムエステルをTHF中水素化物還元剤(例えば、LiBH)を用いて還元すると、所望の第1級アルコールが生ずる。このアルコールを酸化剤(例えば、DMSO中SOピリジン)を用いて酸化してもよい。大環状アルデヒドをメタノール性溶媒中アミン及び還元剤(例えば、NaBHCN)を用いて還元アミノ化してもよい。前記アルデヒドを有機金属物質(例えば、アルキルリチウムまたはグリニヤール試薬)と反応させて対応の第2級アルコールを生じさせてもよい。
【0036】
用語「実質的に純粋」とは、単離物質が当業界で公知の分析技術によりアッセイして少なくとも90%の純度、好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも99%の純度を有することを意味する。用語「医薬的に許容され得る塩」とは、無機または有機の酸及び無機または有機の塩基を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から作成した塩を指す。無機塩基から誘導される塩にはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第1マンガン、第2マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在し得、水和物の形態でも存在し得る。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩には第1級、第2級及び第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等が含まれる。本発明化合物が塩基性のとき、塩は無機酸及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0037】
本発明は、有効量の本発明化合物を投与することを含むβ−セクレターゼ酵素活性またはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質開裂酵素(BACE)活性の阻害を必要とする患者または対象者(例えば、哺乳動物)における前記酵素阻害剤としての本明細書に記載の化合物に使用に関する。用語「β−セクレターゼ酵素」、「β−部位アミロイド前駆体タンパク質開裂酵素」及び「BACE」は本明細書中同義的に使用される。本発明の方法に従ってヒトに加えて各種の哺乳動物が治療され得る。
【0038】
更に、本発明は、本発明化合物と共に医薬的に許容され得る担体または希釈剤を含むヒト及び動物においてβ−セクレターゼ酵素活性を阻害するための薬剤または組成物の製造方法に関する。
【0039】
本発明化合物は、アルツハイマー病またはアミロイド前駆体タンパク質(APPとも呼ばれる)の異常開裂により媒介される他の疾患、及びβ−セクレターゼの阻害により治療または予防され得る他の状態のリスクの治療、予防、緩解、コントロールまたは縮小において有用である。前記状態には軽度の認識悪化、トリソミー21(ダウン症候群)、大脳アミロイド脈管障害、進行性痴呆、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳出血(HCHWA−D)、クロイツフェルト−ヤコブ病、プリオン異常、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、卒中、ダウン症候群、膵炎、封入体性筋炎、他の末梢アミロイド症、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0040】
本発明化合物が投与される対象者または患者は通常、β−セクレターゼ酵素活性の阻害が望まれる男性または女性のヒトであるが、β−セクレターゼ酵素活性の阻害または上記疾患の治療が望まれる他の哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、家兎、サル、チンパンジー、他の類人猿または霊長類も対象となり得る。
【0041】
本発明の化合物は、該化合物が有用な疾患または状態のリスクを治療、予防、コントロル、緩解または縮小する際に1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得る。薬物と組合せると薬物単独よりも安全であるかまたはより有効となる。また、本発明化合物は、本発明化合物の副作用または毒性のリスクを治療、予防、制御、緩解または縮小する1つ以上の薬物と組合せて使用され得る。前記した他の薬物は本発明化合物と同時または逐次に通常使用されるルートまたは量で投与され得る。従って、本発明の医薬組成物には、本発明化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものが含まれる。この配合剤は単位量剤形の配合剤の一部として、または1つ以上の追加薬物を治療方式の一部として別の剤形で投与するキットまたは治療プロトコルとして投与され得る。
【0042】
単位量剤形またはキットの形態での本発明化合物と他の薬物の配合剤の例には、抗アルツハイマー剤、他のβ−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(イブプロフェンを含めた)NSAID、N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン)、CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体インバースアゴニスト、抗体(例えば、ドキシサイクリン及びリファンピン)、ビタミンE、抗アミロイド抗体、または本発明化合物の効果、安全性、便利さを改善するかまたは望ましくない副作用または毒性を低減させる他の薬物との組合せが含まれる。配合剤の上記リストは単なる例であり、決して限定するものではない。
【0043】
本明細書中、用語「組成物」は、特定成分を所定の量または比率で含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に得られる製品を包含すると解される。医薬組成物に関連して、この用語は1つ以上の活性成分と任意成分としての不活性成分からなる担体を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または凝集から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品を包含すると解される。通常、医薬組成物は活性成分を液体担体及び/または微細固体担体と均一且つ均密に混合し、その後所要により生成物を所望の製剤に成形することにより製造される。医薬組成物中には、疾患のプロセスまたは状態に対して所望の効果を与えるのに十分な量の活性化合物が含まれる。従って、本発明の医薬組成物には、本発明化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより製造される組成物が包含される。
【0044】
経口用に意図された医薬組成物は医薬組成物の製造に関して当業界で公知の方法に従って製造され得、前記組成物は医薬的に洗練された口にあう製剤を得るように甘味料、フレーバー、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の物質を含み得る。錠剤は、活性成分を錠剤の製造に適した非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤と混合して含む。前記錠剤にコーティングを被せなくても、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて長期間にわたり持続作用を与えるべく公知の技術によりコーティングを被せてもよい。
【0045】
経口用組成物は、活性成分が不活性の固体希釈剤と混合されている硬ゼラチンカプセルまたは活性成分が水または油媒体と混合されている軟ゼラチンカプセルとしても提供され得る。水性懸濁液は、活性成分を該水性懸濁液を製造するのに適した賦形剤と混合して含む。前記賦形剤は懸濁剤、崩壊剤、湿潤剤等であり得る。水性懸濁液は1つ以上の保存剤、着色剤、フレーバーまたは甘味料をも含み得る。
【0046】
経口用組成物も油性懸濁液として、水中油型エマルションの形態で、シロップまたはエリキシルとしても製造され得る。
【0047】
医薬組成物は滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態であっても、医薬の分野の当業者の知識に従って直腸投与用座薬、局所処方物及び吸入薬の形態、または経皮パッチとして製造され得る。
【0048】
「医薬的に許容され得る」とは、担体、希釈剤または賦形剤が処方物の他の成分と相容性であり、レシピエントに対して有害でないことを意味する。
【0049】
用語「投与」または化合物を「投与する」は、治療を要する個体の身体に治療有用な形態及び治療有用な量で導入され得る形態で本発明化合物を前記個体に対して与えることを意味すると解される。前記した形態には錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等のような経口剤形;IV、IM、IP等の注射剤形;クリーム剤、ゼリー剤、散剤またはパッチ剤を含めた経皮剤形;口腔剤形;吸入用粉末、スプレー、懸濁剤等;及び直腸座薬が含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医者または他の臨床家が求めている組織、全身、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出すであろう当該化合物の量を意味する。本明細書中、用語「治療」は、医学的状態、特に疾患または障害にかかりやすい患者における治療並びに予防もしくは予防的処置の両方を指す。
【0051】
本発明化合物を含む組成物は有利には単位量剤形で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。用語「単位量剤形」は、患者または患者に薬物を投与する者が1つの容器またはパッケージを開いてそこに含まれる全用量を得ることができ、2つ以上の容器またはパッケージから成分を混合しなくてよいように活性成分及び不活性成分のすべてが適当な系で組合されている1回量を意味する。単位量剤形の典型例は、経口投与用錠剤またはカプセル剤、注射用1回量バイアル、直腸投与用坐剤である。この単位量剤形のリストは決して限定的と解されず、単位量剤形の製薬業界での典型的な例を単に示したに過ぎない。
【0052】
本発明化合物を含む組成物を活性または不活性の成分、担体、希釈剤等であり得る2つ以上の成分が患者または薬物を患者に投与する者が実際の剤形を調製するための説明書と共に用意されているキットとして提供することが便利である。前記キットには必要なすべての材料及び成分が含まれているか、または患者または患者に薬物を投与する者により独立して得られなければならない材料または成分を使用または作成するための説明書を含めてもよい。
【0053】
本発明化合物が適応されるアルツハイマー病または他の疾患のリスクを治療、予防、コントロール、緩解または縮小させる際、本発明化合物を動物の体重1kgあたり約0.1〜約100mgの1日用量を好ましくは1日1回または1日2〜6回に分けてまたは持続放出形態で投与するときに通常満足な結果が得られる。1日総用量は約1.0〜約2,000mg/kg体重、好ましくは約0.1〜約20mg/kg体重である。70kgの成人の場合、1日総用量は通常約7〜約1,400mgである。この投与方式を最適の治療応答が得られるように調節してもよい。本発明化合物は1日1〜4回、好ましくは1〜2回の投与方式で投与され得る。
【0054】
治療のために使用され得る単位量剤形として、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg及び150mgの単位量剤形が含まれる。
【0055】
しかしながら、特定患者に対する特定用量レベル及び投与頻度は変更され得、使用する特定化合物の活性、前記化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与モード及び投与時間、排泄率、薬物の組合せ、特定状態の重篤度及び治療を受ける宿主を含めた諸要因に依存する。
【0056】
本発明化合物のβ−セクレターゼ酵素活性の阻害剤としての有用性は当業界で公知の方法により立証され得る。酵素阻害は以下のように調べられる。
【0057】
FRETアッセイ:
均一終点蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイを、TAMRAからBACE 1により開裂されて蛍光を放出する基質([TAMRA−5−CO−EEISEVNLDAEF−NHQSY]QFRET)と共に用いた。この基質のKmは、この基質の溶解度の限界のために測定しない。典型的な反応物は約30nMの酵素、1.25μMの基質及び緩衝液(50mM NaOAc(pH4.5),0.1mg/ml BSA,0.2% CHAPS,15mM EDTA及び1mM デフェロキサミン)を含み、反応物の総容量は100μlとする。反応を30分間進行させ、TAMRA断片の遊離を96ウェルプレートLJL Analyst ADを用い、530nmの励起波長及び580nmの発光波長で調べる。これらの条件下で、基質の10%未満しかBACE 1によりプロセッシングされない。本研究で用いた酵素は、バキュロウイルス発現系において産生される可溶性(膜貫通ドメイン及び細胞質延長を除外する)ヒトタンパク質であった。化合物の阻害能力を測定するために、DMSO中に阻害剤を含む溶液(4種の阻害剤濃度、すなわち1mM,100μM,10μM及び1μMを用意した)を反応混合物に含めた(最終DMSO濃度は0.8%である)。実験はすべて上記した一般的な反応条件を用いて室温で実施した。化合物のIC50を測定するために、競合式V/V=1+[I]/[IC50]を用いて化合物の阻害能力を予測した。解離定数の再現誤差は通常2倍未満である。
【0058】
HPLCアッセイ:
均一終点HPLCアッセイを、BACE 1により開裂されてクマリンが結合したN末端断片を遊離する基質(クマリン−CO−REVNFEVEFR)と共に用いた。この基質のKmは100μM以上であり、この基質の溶解度の限界のために測定できない。典型的な反応物は約2nMの酵素、1.0μMの基質及び緩衝液(50mM NaOAc(pH4.5),0.1mg/ml BSA,0.2% CHAPS,15mM EDTA及び1mM デフェロキサミン)を含み、反応物の総容量を100μlとする。反応を30分間進行させ、1M トリス−HCl(pH8.0)(25μl)を添加することにより反応を停止させる。生じた反応混合物をHPLCにかけ、産物を5分直線勾配を用いて基質から分離させた。これらの条件下で、基質の10%未満しかBACE 1によりプロセッシングされない。本研究で用いた酵素は、バキュロウイルス発現系において産生される可溶性(膜貫通ドメイン及び細胞質延長を除外する)ヒトタンパク質であった。化合物の阻害能力を測定するために、DMSO中に阻害剤を含む溶液(12種の阻害剤濃度を用意し、濃度範囲はFRETにより予測される能力に依存した)を反応混合物に含めた(最終DMSO濃度は10%である)。実験はすべて上記した一般的な反応条件を用いて室温で実施した。化合物のIC50を測定するために、4つのパラメーター式を曲線の当てはめのために用いる。解離定数の再現誤差は通常2倍未満である。
【0059】
特に、下記実施例の化合物は上記アッセイにおいてβ−セクレターゼを阻害する活性を有し、通常IC50は1nM〜1μMであった。この結果は、β−セクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用する際の本発明化合物の固有の活性を示す。
【0060】
本発明化合物を製造するための幾つかの方法を下記スキーム及び実施例に示す。出発物質は当業界で公知であるか本明細書に記載されている手順に従って製造した。下記実施例は本発明がより十分に理解されるように提示する。これらの実施例は単なる例示に過ぎず、本発明を決して限定するものと解釈すべきでない。
【実施例】
【0061】
中間体1
【0062】
【化23】

【0063】
ステップA:
0℃においてジベンジル5−アミノイソフタレート(12.3g,34.1ミリモル)を3:1 CHCl/ピリジン(200ml)中に含むスラリーを撹拌し、ここに塩化メタンスルホニル(2.65ml,34.1ミリモル)を添加した。生じた混合物を室温で4時間撹拌した後、1N HCl(3×25ml)、水(50ml)及びブライン(25ml)で抽出した。溶液をMgSOで乾燥し、蒸発させて、粗なスルホンアミド(15.0g,100%)をオフホワイト色固体として得た。この粗生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0064】
ステップB:
スルホンアミド中間体1−A(15.0g,34.1ミリモル)及びヨードメタン(3.1ml,51.2ミリモル)をDMF(100ml)中に含む0℃溶液に水素化ナトリウム(818mg,34.1ミリモル)を添加した。1時間後、反応物をエーテル(500ml)で希釈し、1N HCl(50ml)でクエンチした。有機相を分離し、HO(7×50ml)及びブラインで順次洗浄した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、蒸発させて、N−メチルスルホンアミド(15.1g,98%)を得た。H NMR(CDCl) δ 8.61(s,1H)、8.25(s,2H)、7.55−7.23(m,10H)、5.39(s,4H)、3.37(s,3H)、2.84(s,3H)。
【0065】
ステップC:
ステップBからのジエステル(4.1g,9.05ミリモル)をTHF(90ml)中に溶解し、0℃に冷却した。0.1N LiOH(90.5ml,9.05ミリモル)を添加し、反応物を16時間かけて室温まで加温した。溶液を1N HCl(30ml)を用いて酸性化し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。95:5:1 DCM/MEOH/HOAcを溶離液としてシリカゲル上で精製して、モノ酸(2.69g,82%)を白色固体として得た。H NMR(CDCl w/5% DMSO d6) δ 8.60(s,1H)、8.21(s,2H)、7.45−7.20(m,5H)、5.35(s,2H)、3.37(s,3H)、2.84(s,3H)。
【0066】
実施例1
【0067】
【化24】

【0068】
ステップA:
dl−m−チロシン(32.0g,177.0ミリモル)をMeOH(600ml)中に含む0℃溶液をSOCl(12.9ml,177.0ミリモル)でゆっくり処理した。次いで、反応物を16時間還流加熱し、冷却し、蒸発させて、対応のメチルエステルHCl塩(35.1g,86%)を得た。LCMS[M+1]=196.2。
【0069】
ステップB:
アミン1−A(7.6g,33ミリモル)をDCM(200ml)中に含む溶液にEtN(9.2ml,66ミリモル)及びCbz無水物(9.4g,33ミリモル)を順次添加した。17時間撹拌した後、反応混合物を1N HCl(2×50ml)、水(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄した。溶液を乾燥し、蒸発させ、7:3 ヘキサン/EtOAcを溶離液とするクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(7.27g,67%)を白色固体として得た。H NMR(CDCl) δ 7.35(m,5H)、7.13(t,J=7.8Hz,1H)、6.71(dd,J=2.1,8.0Hz,1H)、6.64(dd,J=2.1,8.0Hz,1H)、6.57(s,1H)、5.64(bs,1H)、5.25(d,J=7.8Hz,1H)、5.11(m,2H)、4.63(m,1H)、3.67(s,3H)、3.05(dq,2H)。LCMS(M−44)=286.2。
【0070】
ステップC:
フェノール1−B(5.5g,16.7ミリモル)、N−Boc−L−フェニルグリシノール(4.1g,17.2ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(6.7g,25.5ミリモル)をTHF(50ml)中に含む−15℃溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシレート(4.76g,23.6ミリモル)を滴下して処理した。反応物を室温で72時間撹拌した後、濃縮し、4:1 ヘキサン/EtOAcを溶離液とするクロマトグラフィーにかけて、所望のミツノブ生成物(4.49g,49%)を得た。LCMS[M−Boc]=449.1。
【0071】
ステップD:
boc保護アミン1−C(4.0g,7.29ミリモル)をEtOAc(100ml)中に含む0℃溶液にHClガスの定常流を5分間流した。反応物をこの温度で1時間撹拌した後、真空中で濃縮した。生じた固体(3.2g,99%)を高真空下で2日間乾燥し、更に精製することなく次ステップに使用した。H NMR(DMSO d) δ 8.64(bs,2H)、7.81(d,J=7.2Hz,1H)、7.57(d,J=6.9Hz,1H)、7.51(m,2H)、7.36−7.19(m,4H)、6.95(s,1H)、6.87(d,J=7.1Hz,1H)、4.94(q,7.3Hz,2H)、4.78(bs,1H)、4.22(bs,2H)、3.65(s,3H)、3.02(dd,J=4.7,13.7Hz,1H)、2.83(t,1H)。LCMS[M+1]=449.1。
【0072】
ステップE:
アミン1−D(1.36g,3.03ミリモル)をCHCl(30ml)中に含む溶液をBOP試薬(1.34g,3.03ミリモル)、カルボン酸中間体C(1.10g,3.03ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(1.8ml,10.6ミリモル)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した後、1N HCl(2×10ml)、飽和NaHCO(2×10ml)及びブライン(10ml)で順次洗浄した。溶媒を蒸発させ、1:1 ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、アミド1−E(2.10g,87%)を得た。LCMS[M+1]=794.0。
【0073】
ステップF:
アミド1−E(794mg,1.0ミリモル)及び10% Pd(C)(350mg)をEtOAc(20ml)及びMeOH(4ml)中に含む溶液を水素ガスバルーン下室温で4時間撹拌した。混合物をセライトパッドを介してMeOH(30ml)を用いて濾過し、濃縮して、所望のアミノ酸1−F(541mg,95%)を得た。LCMS[M+1]=570.0。
【0074】
ステップG:
アミノ酸1−F(251mg,0.44ミリモル)をDCM(250ml)中に含む希溶液にDIPEA(0.15ml,0.88ミリモル)及びBOP試薬(194mg,0.44ミリモル)を添加した。反応物を室温で72時間撹拌し、固体まで蒸発させた。7:3 ヘキサン/EtOAcを溶離液とするカラムクロマトグラフィーにかけて、大環状アミドジアステレオマー1−Gの2:1混合物(152mg,62%)を白色固体として得た。H NMR(CDCl) δ 7.92(s,0.66H)、7.89(s,0.33H)、7.85(s,1H)、7.61(s,1H)、7.51(m)、7.49(m,6H)、7.05(s,1H)、7.00−6.76(m,3H)、6.61(d,J=8.9Hz,0.66H)、6.28(d,J=9.0Hz,0.33H)、4.81(dd,J=2.3,10.1Hz,0.33H)、4.56(dd,J=3.9,10.9Hz,0.66H)、4.35(t,1H)、3.93(s,3H)、3.27(s,3H)、3.22(m,2H)、2.81(s,3H)。LCMS[M+1]=552.1。
【0075】
ステップH:
エステル1−G(52mg,0.1ミリモル)をTHF(1.0ml)中に含む溶液をTHF中2M LiBH(0.2ml,0.4ミリモル)で処理した。反応物を10分間撹拌し、MeOH(1ml)を添加してクエンチした。発泡が止まった後、溶液を逆相クロマトグラフィーにかけて、所望の大環状アルコール(39mg,75%)を白色固体として得た。H NMR(CDCl w/5% DMSO d6) δ 8.20(d,J=9.5Hz,1H)、7.78(s,1H)、7.75(s,1H)、7.59(d,J=7.3Hz,1H)、7.50−7.30(m,6H)、7.25(t,1H)、7.11(s,1H)、6.95(d,J=8.0Hz,1H)、6.81(d,J=8.0Hz,1H)、5.56(bt,1H)、4.66(dd,J=4.8,6.4Hz,1H)、4.51(dd,J=3.3,11.4Hz,1H)、4.25(m,1H)、3.84(m,1H)、3.75(m,1H)、3.31(s,3H)、3.07(m,1H)、2.90(m,1H)、2.86(s,3H)。LCMS[M+1]=524.0。
【0076】
実施例2
【0077】
【化25】

【0078】
ステップCのミツノブ反応物質としてN−Boc−L−バリノールを用いる以外は実施例1−Hの合成に関して概説した手順に従って標記化合物を製造した。
【0079】
実施例3
【0080】
【化26】

【0081】
ステップCのミツノブ反応物質としてN−Boc−L−ロイシノールを用いる以外は実施例1−Hの合成に関して概説した手順に従って標記化合物を製造した。
【0082】
実施例4
【0083】
【化27】

【0084】
ステップEのカップリングパートナーとしてイソフタル酸モノベンジルエステルを用いる以外は実施例1−Hの合成に関して概説した手順に従って標記化合物を製造した。LCMS[M+1]=417.1。
【0085】
実施例5
【0086】
【化28】

【0087】
ステップCのミツノブ反応物質としてN−Boc−L−アラニノールを用いる以外は実施例1−Hの合成に関して概説した手順に従って標記化合物を製造した。LCMS[M+1]=462.2。
【0088】
実施例6
【0089】
【化29】

【0090】
ステップA:
実施例5(23mg,0.05ミリモル)を乾燥DMSO(1ml)中に含む溶液を過剰のEtN及びSOピリジン試薬で処理した。生じた反応混合物を室温で3時間撹拌し、EtOAc(100ml)で希釈した。溶液を水(5×5ml)及びブライン(5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、粗なアルデヒドを得た。これを更に精製することなく使用した。LCMS[M+1]=460.0。
【0091】
ステップB:
乾燥MeOH(2ml)中の実施例6−Aからの粗アルデヒド(4.6mg,0.01ミリモル)を(S)−イソブチル2−アミノ酪酸アミドHCl塩(9.7mg,0.05ミリモル)及びNaBHCN(0.60mg,0.01ミリモル)で順次処理した。反応混合物を室温で17時間撹拌し、後処理なしで逆相HPLCカラムを用いるクロマトグラフィーにかけて、所望化合物(0.71g,12%)を得た。LCMS[M+1]=602.1。
【0092】
実施例7(方法B)
【0093】
【化30】

【0094】
ステップA:
中間体1−Cからのカルボン酸(2.29g,6.29ミリモル)、(S)−m−チロシンメチルエステルHCl(1.62g,6.92ミリモル)、ベンゾトリアゾル−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(2.92g,6.92ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.44g,18.87ミリモル)をCHCl(50ml)中に含む溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を2:3 ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望アミド(1.61g,47%)を得た。LCMS[M+1]=541.1。
【0095】
ステップB:
実施例7のステップAからのアミド(1.4g,2.59ミリモル)、2−(Boc−アミノ)エチルブロミド(870mg,3.88ミリモル)及びCsCO(1.26g,3.88ミリモル)をDMF(10ml)中に含む溶液を50℃に12時間加熱した。溶液を冷却し、HO(50ml)で希釈し、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(2×50ml)及びブライン(50ml)で順次濯ぎ、MgSOで乾燥した。2:3 ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、フェニルエーテル(1.05g,59%)を得た。LCMS[M+1]=584.1。
【0096】
ステップC:
実施例7のステップBからのフェニルエーテル(1.05g,1.53ミリモルを)をMeOH(20ml)中に含む溶液を真空下で脱ガスした。Pd(OH)(500mg)を添加し、溶液をHの大気圧下で1時間撹拌した。溶液をセライトを介して濾過し、真空中で濃縮して、カルボン酸(905mg,99%)を得た。LCMS[M+1]=594.2。
【0097】
ステップD:
実施例7のステップCからの残渣をCHCl(15ml)中に溶解し、TFA(10ml)を添加した、溶液を室温で1時間撹拌した後真空中で濃縮して、アミノ酸VII−Dを得た。LCMS[M+1]=494.1。
【0098】
ステップE:
実施例7のステップDからの粗残渣をCHCl(10ml)中に溶解し、DIPEA(170mg,1.3ミリモル)で遊離塩基した。次いで、アミノ酸溶液を、BOP試薬(427mg,1.01ミリモル)及びDIPEA(170mg,1.3ミリモル)をCHCl中に含む溶液に滴下した。添加が完了したら溶液を2時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(50ml)中に溶解し、1N HCl(2×30ml)、飽和NaHCO(1×30ml)及びブライン(1×30ml)で順次洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、逆相HPLCにより精製して、所望のマクロラクタム(78mg,30%)を得た。LCMS[M+1]=490.04。
【0099】
ステップF:
実施例7のステップEからのマクロラクタムエステル(67mg,0.14ミリモル)をTHF(5ml)中に含む溶液にLiBH(0.21ml,0.42ミリモル)を添加した。溶液を50℃に30分間加熱した。MeOH(2ml)で反応をクエンチし、真空中で濃縮した。逆相HPLCにより精製して、大環状アルコール(33mg,52%)を得た。LCMS[M+1]=448.03。H NMR(CDOD) δ 7.75(d,J=12Hz,2H)、7.24(t,J=8.2Hz,1H)、7.16(s,1H)、6.95−6.88(m,3H)、4.40(t,J=8.5Hz,1H)、4.31−4.24(m,2H)、3.87(d,J=15.0Hz,1H)、3.75−3.31(m,2H)、3.34(s,3H)、3.16(dd,J=13,4.5Hz,1H)、2.89(s,3H)、2.83−2.63(m,2H)。
【0100】
実施例8
【0101】
【化31】

【0102】
ステップA:
実施例7のステップFからの大環状アルコール(10.0mg,0.022ミリモル)をDMSO:CHCl(3:1,4ml)中に含む溶液にトリエチルアミン(22mg,0.22ミリモル)及びSO・ピリジン錯体を順次添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶液をHO(30ml)で希釈し、酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。合わせた有機層を1N HCl(20ml)、HO(20ml)及びブライン(20ml)で順次洗浄した後、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な物質を更に精製することなく使用した。
【0103】
ステップB:
上記で製造した粗アルデヒドをMeOH(3ml)中に溶解した。イソブチル(S)−2−アミノ酪酸アミド及びNaCNBHを順次添加した。反応物を室温で12時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製して、大環状還元アミド(11mg,88%)を得た。LCMS[M+1]=588.2。H NMR(CDOD) δ 8.10(br,1H)、7.69(m,2H)、7.28(br,1H)、7.20(br,1H)、6.96−6.84(m,2H)、4.40(m,2H)、3.91(br,1H)、3.55(br,1H)、3.40−3.10(m,5H)、3.33(s,3H)、2.90(s,3H)、2.0(m,2H)、1.90(br,1H)、1.41−0.98(m,6H)、0.91(d,6H)。
【0104】
実施例9
【0105】
【化32】

【0106】
ステップBのアルキル化剤としてヨウ化3−(boc−アミノ)プロピルを用いる以外は実施例7と同様にして標記化合物を製造した。LCMS[M+1]=462.07。
【0107】
本発明を特定の実施態様を参照して記載乃至説明してきたが、当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく手順及びプロトコルに各種の改変、変化、修飾、置換、削除または付加を加え得ることは認識するであろう。従って、本発明は請求の範囲により規定され、その請求の範囲は合理的に広義に解釈されると理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、

(1)水素、
(2)未置換であるかまたは
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)未置換であるかまたは(i)−C1−6アルキル、(ii)−C3−6シクロアルキル、(iii)−O−C1−6アルキル、(iv)ハロ、(v)ヒドロキシ、(vi)−CF、(vii)−OCF、(viii)−NR10及び(ix)−CNから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニルまたはビフェニル、
(f)−CO(ここで、Rは(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)、
(g)−NR10(ここで、R10は(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)及び
(h)−CONR10
から独立して選択される1〜7個の置換基で置換された−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニルまたは−C3−8シクロアルキル、及び
(3)未置換であるかまたは
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−フェニル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)ハロ、
(f)ヒドロキシ、
(g)−CF
(h)−OCF
(i)−NR10及び
(j)−CN
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニル
からなる群から選択され;

(1)水素、
(2)R−S(O)−(ここで、Rは(a)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(b)フェニル及び(c)ベンジルからなる群から独立して選択され、pは独立して0、1または2である)、
(3)R−S(O)N(R)−(ここで、Rは(a)水素、(b)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(c)フェニル及び(d)ベンジルからなる群から独立して選択される)、
(4)−CN、
(5)−C1−6アルキル−CN、
(6)ハロゲン、
(7)
【化2】

(ここで、R8a及びR8bは(a)水素、(b)−CN、(c)ハロ、(d)−C1−6アルキル、(e)−O−R、(f)−S−R、(g)−CO及び(h)テトラゾリルからなる群から独立して選択される)、及び
(8)
【化3】

(ここで、nは1、2、3または4である)
からなる群から選択され;

(1)−CH(OH)−R
(2)−C(O)R
(3)−CH(R)−NR、及び
(4)−C(O)−NR
からなる群から選択され;

(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)
【化4】

及び
(4)
【化5】

(ここで、Zは−C(O)−、−CH(OH)−及び
【化6】

からなる群から選択され、qは1または2である)
からなる群から独立して選択され;

(1)水素、
(2)未置換であるかまたは
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)未置換であるかまたは(i)−C1−6アルキル、(ii)−C3−6シクロアルキル、(iii)−O−C1−6アルキル、(iv)ハロ、(v)ヒドロキシ、(vi)−CF、(vii)−OCF、(viii)−NR10及び(ix)−CNから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニルまたはビフェニル、
(f)−CO
(g)−NR10及び
(h)−CONR10
から独立して選択される1〜7個の置換基で置換された−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C2−6アルキニルまたは−C3−8シクロアルキル、
(3)−CHR−CONR10、及び
(4)未置換であるかまたは
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−フェニル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)ハロ、
(f)ヒドロキシ、
(g)−CF
(h)−OCF
(i)−NR10及び
(j)−CN
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニル
からなる群から選択され;
mは独立して1、2、3または4である]
を有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】

(1)水素、
(2)未置換であるかまたは
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)未置換であるかまたは(i)−C1−6アルキル、(ii)−C3−6シクロアルキル、(iii)−O−C1−6アルキル、(iv)ハロ、(v)ヒドロキシ、(vi)−CF、(vii)−OCF、(viii)−NR10及び(ix)−CNから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニルまたはビフェニル、
(f)−CO(ここで、Rは(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)、
(g)−NR10(ここで、R10は(i)水素、(ii)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(iii)ベンジル及び(iv)フェニルから独立して選択される)及び
(h)−CONR10
から独立して選択される1〜7個の置換基で置換された−C1−6アルキル、
(3)未置換であるかまたは
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−フェニル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)ハロ、
(f)ヒドロキシ、
(g)−CF
(h)−OCF
(i)−NR10及び
(j)−CN
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニル
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が(1)水素、(2)メチル、(3)イソプロピル、(4)イソブチル及び(5)フェニルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がR−S(O)N(R)−(ここで、Rは(a)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(b)フェニル及び(c)ベンジルからなる群から独立して選択され、Rは(a)水素、(b)未置換であるかまたは1〜6個のフッ素で置換された−C1−6アルキル、(c)フェニル及び(d)ベンジルからなる群から独立して選択される)である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がCH−S(O)N(CH)−である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が(1)−CH(OH)−R、(2)−C(O)R、及び(3)−CH(R)−NRからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】

【化7】

(ここで、nは2または3であり、Rは水素またはメチルである)
である請求項1に記載の化合物。
【請求項8】

【化8】


(ここで、Rは水素またはメチルであり、Zは−C(O)−、−CH(OH)−及び
【化9】

からなる群から選択される)
である請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が(1)−CH−OH及び(2)−CH−NH−CH(CHCH)−CO−NH−CHCH(CHからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
mが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
mが2である請求項1に記載の化合物
【請求項12】
【化10】



からなる群から選択される化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
【請求項13】
有効量の請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
治療を要する哺乳動物に対して治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む哺乳動物におけるβ−セクレターゼ活性の阻害方法。
【請求項15】
治療を要する患者に対して有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む患者におけるアルツハイマー病のリスクの治療、予防、コントロール、緩解または縮小方法。

【公表番号】特表2006−515881(P2006−515881A)
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500780(P2006−500780)
【出願日】平成16年1月2日(2004.1.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/000085
【国際公開番号】WO2004/062625
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】