説明

アルミナ−シリカガラスおよびセラミックを製造する方法

少なくとも60重量%のAlおよび0.5〜10重量%の範囲内のSi0を含んでなる、ガラスおよびガラス−セラミックを製造するための方法。本発明に従って製造されるガラスは、ガラスビーズ、物品(例えば皿)、繊維、粒子、および薄層コーティングとされ、それらとして成形し、またはそれらに変換することができる。ガラスはフレームまたはプラズマ溶融によって製造される。本発明に従って製造されるガラス−セラミック粒子のいくつかの実施形態は、研磨粒子として特に有用であることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多数のガラスおよびガラス−セラミック材料が知られている。大多数の酸化ガラスシステムは、ガラスの形成を助けるのに、SiO、B、P、GeO、TeO、As、およびVなどの周知のガラス形成剤を使用する。これらのガラス形成剤で形成されたガラス組成物のいくつかを熱処理して、ガラス−セラミックを形成できる。このようなガラス形成剤から形成されたガラスおよびガラス−セラミックの使用温度上限は、一般に1200℃未満、典型的に約700〜800℃である。ガラス−セラミックは、それからそれらが形成されたガラスよりも耐熱性がより高い傾向がある。
【0002】
ガラスおよびガラス−セラミック材料を製造するための多様な技術があるが、さらなる新しい技術が所望される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、微粒子SiO源を使用して、AlおよびSiOを含んでなるガラスおよびガラス−セラミックを製造する方法を提供する。典型的に、本発明に従った方法によって提供されるガラスはTおよびTを有し、T−Tは少なくとも20K(いくつかの実施形態では少なくとも25K)である。
【0004】
ガラスの総重量を基準にして少なくとも60(いくつかの実施形態では少なくとも65、70、75、80、85、または少なくとも90にさえ達する)重量%のAl、0.5〜10(いくつかの実施形態では0.5〜5または1〜3)重量%の範囲内のSiO、および合計で10以下の(いくつかの実施形態では9、8、7、6、5、4、3、2、1以下の、または0にさえ達する)重量%のAs、B、GeO、P、SiO、TeO、およびVを含んでなるガラスを製造するための本発明の方法に従った例示的な一方法では、本方法は、少なくともAl源および微粒子SiO源を1つのフレームまたはプラズマの中に供給して溶融物を提供するステップと、溶融物を冷却してガラスを提供するステップと、を含んでなり、微粒子SiO源は5nm〜50μmの範囲内の(いくつかの実施形態では10nm〜20μmの範囲内の、または15nm〜1μmにさえ達する)平均粒度(微粒子が凝集体である場合、微粒子の粒度は凝集体のサイズであると理解される)を有し、少なくとも90(いくつかの実施形態では95、または100にさえ達する)重量%の微粒子SiO源は、5nm〜50μm(またはそれぞれ10nm〜20μm、または15nm〜1μm)の範囲内の少なくとも1つの粒度を有する。任意にガラスは、AlおよびSiO以外の少なくとも1つの金属酸化物(例えばY、CeO、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Pr11、Sm、Tb、Th、Tm、Yb、MgO、TiO、Cr、CuO、ZrO、SrO、LiO、NiO、Fe、およびそれらの組み合わせ)をさらに含んでなる。任意に、本方法はガラスを熱処理して、少なくともガラスの一部分をガラス−セラミックに変換するステップをさらに含んでなる。いくつかの実施形態では、ガラスはガラス粒子の形態であり、本方法はガラスを熱処理して、少なくともガラスの一部分をガラス−セラミックに変換するステップをさらに含み、研磨粒子を提供する。いくつかの実施形態では、熱処理されるガラス粒子は規定の公称等級を有する複数の粒子として提供され、少なくとも一部の粒子は複数のガラス粒子である。いくつかの実施形態では、本方法は、ガラスを熱処理して少なくともガラスの一部分をガラス−セラミックに変換するステップと、ガラス−セラミックを粉砕して研磨粒子を提供するステップと、をさらに含んでなる。いくつかの実施形態では、研磨粒子は等級付けされて、規定の公称等級を有する複数の研磨粒子が提供される。
【0005】
物品を製造するための本発明の方法に従った例示的な一方法では、本方法は、少なくともAl源および微粒子SiO源を1つのフレームまたはプラズマの中に供給して溶融物を提供するステップと、溶融物を冷却してガラスビーズを提供するステップと、ガラスビーズが合体して形状を形成するようにガラスビーズをTを超えて加熱するステップと、合体した形状を冷却してガラス物品を提供するステップを含んでなり、微粒子SiO源は、5nm〜50μmの範囲内の(いくつかの実施形態では10nm〜20μmの範囲内の、または15nm〜1μmにさえ達する)平均粒度を有し、少なくとも90(いくつかの実施形態では95、または100にさえ達する)重量%の微粒子SiO源は、5nm〜50μm(またはそれぞれ10nm〜20μm、または15nm〜1μm)の範囲内の少なくとも1つの粒度を有し、ガラスは、ガラスの総重量を基準にして少なくとも60(いくつかの実施形態では少なくとも65、70、75、80、85、または少なくとも90にさえ達する)重量%のAl、0.5〜10(いくつかの実施形態では0.5〜5または1〜3)重量%の範囲内のSiO、および合計で10以下の(いくつかの実施形態では9、8、7、6、5、4、3、2、1以下の、または0にさえ達する)重量%のAs、B、GeO、P、SiO、TeO、およびVを含んでなり、ガラスはTを有する。任意にガラスは、AlおよびSiO以外の少なくとも1つの金属酸化物(例えばY、CeO、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Prl1、Sm、Tb、Th、Tm、Yb、MgO、TiO、Cr、CuO、ZrO、SrO、LiO、NiO、Fe、およびそれらの組み合わせ)をさらに含んでなる。任意に本方法は、ガラス物品を熱処理して、少なくともガラスの一部分をガラス物品に変換して、ガラス−セラミック物品を提供するステップをさらに含んでなる。
【0006】
物品を製造するための本発明の方法に従った例示的な一方法では、方法は、少なくともAl源および微粒子SiO源を1つのフレームまたはプラズマの中に供給して溶融物を提供するステップと、溶融物を冷却してガラスビーズを提供するステップと、ガラスビーズを粉砕してガラス粉末を提供するステップと、ガラス粉末が合体して形状を形成するようにガラス粉末をTを超えて加熱するステップと、合体した形状を冷却してガラス物品を提供するステップと、を含んでなり、微粒子SiO源は、5nm〜50μmの範囲内の(いくつかの実施形態では10nm〜20μmの範囲内の、または15nm〜1μmにさえ達する)平均粒度を有し、少なくとも90(いくつかの実施形態では95、または100にさえ達する)重量%の微粒子SiO源は、5nm〜50μm(またはそれぞれ10nm〜20μm、または15nm〜1μm)の範囲内の少なくとも1つの粒度を有し、ガラスは、ガラスの総重量を基準にして少なくとも60(いくつかの実施形態では少なくとも65、70、75、80、85、または少なくとも90にさえ達する)重量%のAl、0.5〜10(いくつかの実施形態では0.5〜5または1〜3)重量%の範囲内のSiO、および合計で10以下の(いくつかの実施形態では9、8、7、6、5、4、3、2、1以下の、または0にさえ達する)重量%のAs、B、GeO、P、SiO、TeO、およびVを含んでなり、ガラスはTを有する。任意にガラスは、AlおよびSiO以外の少なくとも1つの金属酸化物(例えばY、CeO、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Pr11、Sm、Tb、Th、Tm、Yb、MgO、TiO、Cr、CuO、ZrO、SrO、LiO、NiO、Fe、およびそれらの組み合わせ)をさらに含んでなる。任意に方法は、ガラスを熱処理して、少なくともガラスの一部分をガラス物品に変換して、ガラス−セラミック物品を提供するステップをさらに含んでなる。
【0007】
本発明に従ったガラス−セラミックのいくつかの実施形態は、ガラス−セラミックの容積を基準にして例えば少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100にさえ達する容積%の量のガラスを含んでなっても良い。本発明に従ったガラス−セラミックのいくつかの実施形態は、ガラス−セラミックの容積を基準にして例えば少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、または100にさえ達する容積%の量の結晶性セラミックを含んでなっても良い。
【0008】
本願明細書中で、
「非晶質材料」とは、X線回析による測定であらゆる長距離結晶構造が欠如している、および/またはここで「示差熱分析」として述べる試験による測定で、DTA(示差熱分析)による測定で非晶質材料の結晶化に対応する発熱ピークを有する、溶融物および/または気相から誘導される材料を指し、
「セラミック」としては、ガラス、結晶性セラミック、ガラス−セラミック、およびそれらの組み合わせが挙げられ、
「複合金属酸化物」とは、2つ以上の異なる金属元素および酸素を含んでなる金属酸化物(例えばCeAl1118、DyAl12、MgAl、およびYAl12)を指し、
「複合Al金属酸化物」とは、理論的な酸化物ベースで、A1およびAl以外の1つ以上の金属元素を含んでなる複合金属酸化物(例えばCeAl1118、DyAl12、MgAl、およびYAll2)を指し、
「複合Al・Y」とは、理論的な酸化物ベースで、AlおよびYを含んでなる複合金属酸化物(例えばYAl12)を指し、
「複合Al・REO」とは、理論的な酸化物ベースで、Alおよび希土類酸化物を含んでなる複合金属酸化物(例えばCeAl1118およびDyAl12)を指し、
「ガラス」とは、ガラス遷移温度を示す非晶質の材料を指し、
「ガラス−セラミック」とは、ガラスを熱処理して形成された結晶を含んでなるセラミックを指し、
「T」とは、ここで述べる「示差熱分析」と題された試験によって測定されるガラス遷移温度を指し、
「T」とは、ここで述べる「示差熱分析」と題された試験によって測定される結晶化温度を指し、
「希土類酸化物」とは、酸化セリウム(例えばCeO)、酸化ジスプロシウム(例えばDy)、酸化エルビウム(例えばEr)、酸化ユウロピウム(例えばEu)、ガドリニウム(例えばGd)、酸化ホルミウム(例えばHo)、酸化ランタン(例えばLa)、酸化ルテチウム(例えばLu)、酸化ネオジム(例えばNd)、酸化プラセオジム(例えばPrll)、酸化サマリウム(例えばSm)、テルビウム(例えばTb)、酸化トリウム(例えばTh)、ツリウム(例えばTm)、酸化イッテルビウム(例えばYb)、およびそれらの組み合わせを指し、
「REO」とは、希土類酸化物を指す。
【0009】
さらにここでは、例えば金属酸化物(例えばAl、複合Al、金属酸化物など)が結晶性であると述べられる場合を除き、ガラス−セラミックでは、それは結晶性、または部分ガラスおよび部分結晶性であっても良いものと理解される。例えばガラス−セラミックがAlおよびZrOを含んでなる場合、AlおよびZrOはそれぞれ、ガラス状態、結晶状態、または一部がガラス状態で一部が結晶状態、または別の金属酸化物との反応生成物でさえあっても良い(例えばAlが、結晶性AlまたはAlの特定の結晶相(例えばαAl)として存在すると述べられる場合を除き、それは結晶性Alとして、および/または1つ以上の結晶性複合Al金属酸化物の一部として存在しても良い)。
【0010】
本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックのいくつかの実施形態は、ビーズ(例えば少なくとも1μm、5μm、10μm、25μm、50μm、100μm、150μm、250μm、500μm、750μm、1mm、5mmの、または少なくとも10mmにさえ達する直径を有するビーズ)、物品(例えば皿)、繊維、粒子、およびコーティング(例えば薄層コーティング)とされ、それらとして成形し、またはそれらに変換することができる。ビーズは、例えば再帰反射シート、ナンバープレート、および舗装道路マーキングなどの反射装置において有用であることができる。粒子および繊維は、例えば複合材(例えばセラミック、金属、またはポリマーマトリックス複合材)において、断熱材、充填材、または補強材料として有用である。薄層コーティングは、例えば衣類に関わる用途において、ならびに温度管理のために、保護コーティングとして有用であることができる。本発明に従って製造される物品の例としては、台所用品(例えば皿)、歯科矯正器、および補強繊維、切削工具インサート、研磨剤料、およびガス機関の構造部材(例えばバルブおよびベアリング)が挙げられる。その他の物品としては、素地の外面またはその他の基材上にガラス−セラミックの保護コーティングを有するものが挙げられる。本発明に従って製造される特定のガラス−セラミック粒子は、研磨粒子として特に有用であることができる。研磨粒子は研磨物品中に組み込むことができ、または自由な形態で使用できる。
【0011】
研磨粒子は、通常、使用前に等級付けされて、特定の粒度分布を与える。このような分布は、典型的に粗粒から細粒までの粒度の範囲を有する。研磨剤技術分野において、この範囲は「粗粒分」、「制御粒分」、および「細粒分」と称されることがある。産業で認められた等級付け基準に従って等級付けされた研磨粒子は、各公称等級について数的制限内の粒度分布を規定する。このような産業で認められた等級付け基準(すなわち規定の公称等級)としては、米国規格協会(ANSI)基準、欧州連合研磨物品製造業者(Federation of European Producers of Abrasive Products (FEPA))基準、日本工業規格(JIS)基準として知られているものが挙げられる。一態様では、本発明は規定の公称等級を有する複数の研磨粒子を提供し、複数の研磨粒子の少なくとも一部は、本発明に従って製造される研磨粒子である。いくつかの実施形態では、複数の研磨粒子の総重量を基準にして少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100にさえ達する重量%の複数の研磨粒子が、本発明に従って製造される研磨粒子である。
【0012】
別の態様では、本発明は、本発明に従って製造されるガラス−セラミックを含んでなる研磨粒子(ガラス−セラミック研磨粒子をはじめとする)を提供する。本発明はまた、規定の公称等級を有する複数の研磨粒子を提供し、少なくとも一部の複数の研磨粒子は本発明に従って製造される研磨粒子である。別の態様では、本発明はバインダーおよび複数の研磨粒子を含んでなる研磨物品(例えば結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品)を提供し、少なくとも一部の複数の研磨粒子は本発明に従って製造される研磨粒子である。
【0013】
本発明に従った研磨物品は、バインダーおよび複数の研磨粒子を含んでなり、少なくとも一部の複数の研磨粒子は本発明に従って製造される研磨粒子である。例示的な研磨物品としては、被覆研磨物品、結合研磨物品(例えばホイール)、不織研磨物品、および研磨ブラシが挙げられる。被覆研磨物品は、典型的に第1および第2の対向する主面を有する裏材料を含んでなり、バインダーおよび複数の研磨粒子が第1の主面の少なくとも一部の上に研磨剤層を形成する。
【0014】
いくつかの実施形態では、研磨物品中の研磨粒子の総重量に基づいて、研磨物品中の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100にさえ達する重量%の研磨粒子が、本発明に従って製造される研磨粒子である。
【0015】
本発明はまた、本発明に従って製造される研磨粒子とワークピース表面とを接触させるステップと、本発明に従って製造される研磨粒子の少なくとも1つ、または接触させた表面を移動して、本発明に従って製造される研磨粒子の少なくとも1つによって、表面の少なくとも一部を研磨するステップを含んでなる、表面を研磨する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、AlおよびSiOを含んでなるガラスおよびガラス−セラミックを製造する方法に関する。ガラスは、所望の組成および加工技術のために原材料を選択して調製される。
【0017】
本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックのいくつかの実施形態は、それぞれ互いに垂直なx、y、およびz寸法を有し、x、y、およびz寸法は、それぞれ少なくとも1、5、10、25μmである(いくつかの実施形態では少なくとも30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、75μm、100μm、150μm、200μm、250μm、500μm、1000μm、2000μm、2500μm、1mm、5mmであり、または少なくとも10mmにさえ達する)。
【0018】
(理論的な酸化物ベースの)Alの商業的供給源をはじめとする供給源としては、ボーキサイト(天然のボーキサイトおよび合成により製造されたボーキサイトの双方を含む)、焼成ボーキサイト、水酸化アルミニウム(例えばベーマイトおよびギブサイト)、アルミニウム、バイヤー法アルミナ、アルミニウム鉱石、γアルミナ、αアルミナ、アルミニウム塩、硝酸アルミニウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。Al源はAlを含有しても、またはそれのみを提供しても良い。代案としては、Al源はAlを含有しても、またはそれとAl以外の1つ以上の金属酸化物(複合Al金属酸化物(例えばDyAl12、YAl12、CeAl1118などの)材料またはそれらを含有する材料をはじめとする)を提供しても良い。
【0019】
微粒子SiOの商業的供給源をはじめとする供給源としては、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、砂、シリカゾル、シリカゲル、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸塩ミネラル(例えば滑石)、鉱石、およびケイ素が挙げられる。
【0020】
希土類酸化物の商業的供給源をはじめとする供給源としては、希土類酸化物粉末、希土類金属、希土類含有鉱石(例えばバストネサイトおよびモナザイト)、希土類塩、硝酸希土類、および炭酸希土類が挙げられる。希土類酸化物源は希土類酸化物を含有しても、またはそれのみを提供しても良い。代案としては、希土類酸化物源は、希土類酸化物を含有しても、またはそれと希土類酸化物以外の1つ以上の金属酸化物(複合希土類酸化物・他の金属酸化物(例えばDyAl12、CeAl1118などの)材料またはそれらを含有する材料をはじめとする)を提供しても良い。
【0021】
(理論的な酸化物ベースの)Yの商業的供給源をはじめとする供給源としては、イットリウム酸化物粉末、イットリウム、イットリウム含有鉱石、およびイットリウム塩(例えば炭酸−、硝酸−、塩化−、水酸化−イットリウム、およびそれらの組み合わせ)が挙げられる。Y源は、Yを含有しても、またはそれのみを提供しても良い。代案としては、Y源は、Yを含有しても、またはそれとY以外の1つ以上の金属酸化物(複合Y金属酸化物(例えばYAl12)材料またはそれらを含有する材料をはじめとする)を提供しても良い。
【0022】
(理論的な酸化物ベースの)商業的供給源をはじめとするZrOの供給源としては、酸化ジルコニウム粉末、ジルコン砂、ジルコニウム、ジルコニウム含有鉱石、およびジルコニウム塩(例えば炭酸−、酢酸−、硝酸−、塩化−、水酸化−ジルコニウム、およびそれらの組み合わせ)が挙げられる。さらに、または代案としては、ZrO源は、ZrOを含有し、またはそれとハフニアなどのその他の金属酸化物を提供しても良い。(理論的な酸化物ベースの)商業的供給源をはじめとするHfOの供給源としては、酸化ハフニウム粉末、ハフニウム、ハフニウム含有鉱石、およびハフニウム塩が挙げられる。さらに、または代案としては、HfO源はHfOを含有し、またはそれとZrOなどのその他の金属酸化物を提供しても良い。
【0023】
ZrOおよびHfOを含んでなる実施形態では、重量比ZrO対HfOは、1対0(すなわち、全てZrOと皆無のHfO)から0対1、ならびに例えば少なくとも約99、98、97、96、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、および5重量部ZrOと対応する量のHfO(例えば少なくとも約99重量部のZrOと約1重量部以下のHfO)および少なくとも約99、98、97、96、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、および5重量部のHfOと対応する量のZrOの範囲であっても良い。
【0024】
ガラスまたはガラス−セラミックに組み込まれても良いその他の金属酸化物(例えばBaO、CaO、Cr、CuO、CoO、Fe、GeO、HfO、LiO、MgO、MnO、NiO、NaO、Sc、SrO、TiO、ZnO、ZrO、およびそれらの組み合わせ)の商業的供給源をはじめとする供給源としては、酸化物それ自体、金属粉末、複合酸化物、鉱石、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物などが挙げられる。
【0025】
いくつかの実施形態では、溶融物に、金属(例えばAl、Ca、Cu、Cr、Fe、Li、Mg、Ni、Ag、Ti、Zr、およびそれらの組み合わせ)の少なくとも1つを含んでなる微粒子金属材料、酸化物形成の負のエンタルピーを有するM、またはそれらの合金を添加して、または別なやり方でそれらをその他の原材料と組み合わせて、少なくとも一部(いくつかの実施形態では10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100にさえ達する重量%)の金属酸化物源を得ることが有利かもしれない。理論による拘束は意図しないが、金属の酸化に伴う発熱反応から得られる熱は、均質な溶融物および得られるガラスの形成において有益なものと考えられる。例えば原材料中の酸化反応によって生じる追加的な熱は、不十分な熱伝達を除外または最小化し、それによって特にx、y、およびz寸法が50μmを超える(100μmを超える、または150μmすら超える)ガラスの粒子を形成する場合に、溶融物の形成と均一性を容易にすると考えられる。追加的な熱が利用できることが、様々な化学反応および物理過程(例えば高密度化および球状化加工)を完了させるのを助けると考えられる。さらにいくつかの実施形態では、酸化反応によって生じる追加的な熱の存在が、材料の高融点のためにさもなければ困難なまたはさもなければ実用的でない、溶融物の形成を事実上可能にすると考えられる。さらに酸化反応によって生じる追加的な熱の存在は、さもなければ製造できない、または所望のサイズ範囲で製造できない、ガラスの形成を事実上可能にする。本発明の別の利点としては、ガラスを形成する上で、溶融、高密度化および球状化加工などの化学および物理過程の多くが短時間で達成できるため、非常に高いクエンチ速度が達成できることが挙げられる。さらに詳しくは、2002年8月2日に出願された米国特許出願第10/211,639号明細書を有する同時係属出願を参照されたい。
【0026】
一般に金属酸化物源は、フレーム中に供給されて望ましくは同質溶融物である溶融物を形成し、次に溶融物を迅速に冷却させてガラスを提供する。
【0027】
このようなタイプの原材料を組合わせて、望ましくは実質的に均質な混合物を提供する既知の技術を使用できる。代案としては、またはさらに、既知の技術を使用して微粒子原材料の粒度を低下させることができる。原材料を共に組合わせて微粒子材料の粒度を低下させる技術の例としては、ボールミル粉砕、混合、タンブリングなどが挙げられる。ボールミル中の磨砕メディアは、金属ボール、セラミックボールなどであっても良い。セラミック磨砕メディアは、例えばアルミナ、ジルコニア、シリカ、マグネシアなどであっても良い。ボールミル粉砕は、水性環境中で、または溶剤ベース(例えばイソプロピルアルコール)環境中で乾燥しても良い。原材料バッチが金属粉末を含有する場合、一般にミル粉砕中に溶剤を使用することが所望される。この溶剤は、適切な引火点と原材料を分散または溶解する能力を有する、あらゆる適切な材料であっても良い。ミル粉砕時間は、数分間から数日間、一般に数時間から24時間であっても良い。湿潤または溶剤ベースのミル粉砕システムにおいては、典型的に乾燥によって液体メディアが除去されるので、得られる混合物は典型的に均質で実質的に水および/または溶剤を欠いている。溶剤ベースのミル粉砕システムを使用する場合、乾燥中に溶剤回収システムを用いて溶剤をリサイクルしても良い。乾燥後に得られる混合物は、「乾燥ケーク」の形態であっても良い。次にこのケーク状混合物を溶融に先だって所望の粒度に砕き、または粉砕しても良い。代案としては、例えばスプレー乾燥技術を使用しても良い。後者は典型的に、所望の酸化物混合物の球状微粒子を提供する。前駆材料はまた、沈殿およびゾル−ゲルをはじめとする湿潤化学法によって調製しても良い。このような方法は、極めて高レベルの均一性が所望される場合に有益であろう。
【0028】
微粒子原材料は、典型的に、均質な溶融物の形成が迅速に達成できるような粒度を有するように選択される。典型的にこの目的のために、比較的小さな平均粒度と狭い分布を有する原材料が使用される。さらにフレームまたはサーマルまたはプラズマスプレー装置に微粒子材料を供給して溶融物を形成する場合、微粒子原材料をある範囲内の粒度で提供することが望ましいかもしれない。理論による拘束は意図しないが、これによって供給粒子の充填密度および強度が最大化すると考えられる。原材料粉末のきめが粗すぎる場合、供給物および得られる溶融物粒子は、所望の組成または均一性を有さないかもしれない。一般に最もきめの粗い原材料粒子は、所望の溶融物またはガラス粒子のサイズより小さい。さらに理論による拘束は意図しないが、きめの粗すぎる原材料粒子は、例えばフレーム形成またはプラズマスプレーステップ中に、供給粒子中で熱応力および機械的応力を引き起こす傾向があると考えられる。このような場合の最終結果は、一般に供給粒子のより小さな断片への破壊、組成の均一性喪失、所望のガラス粒度収率の喪失、または断片が一般に熱源を外れて多数の方向に軌跡を変化させるので、不完全な溶融でもある。さらに原材料粉末が小さすぎる場合、それらは取り扱いが困難で費用がかかる。
【0029】
フレームまたはプラズマ中に供給される微粒子原材料では、粒子は典型的に250、200、150未満の、または100μm未満にさえ達する粒度を有する。微粒子SiO源を使用する実施形態は、典型的に5nm〜50μmの範囲内の(いくつかの実施形態では10nm〜20μmの、または15nm〜1μmにさえ達する範囲内の)平均粒度を有し、少なくとも90(いくつかの実施形態では95、または100にさえ達する)重量%の微粒子SiO源は、5nm〜50μm(またはそれぞれ10nm〜20μm、または15nm〜1μm)の範囲内の少なくとも1つの粒度を有する。
【0030】
ガラスは、典型的に溶融材料(すなわち溶融物)を比較的迅速に冷却して得られる。ガラスを得るためのクエンチ速度は(すなわち冷却時間)は、溶融物の化学組成、構成要素がガラスを形成する能力、溶融物および得られるガラスの熱特性、加工技術、得られるガラスの寸法および質量、および冷却技術をはじめとする多くの要素に左右される。一般に、特にSiO、B、P、GeO、TeO、As、およびVなどの既知のガラス形成剤不在下では、より多量のAl(すなわち75重量%を超えるAl)を含んでなるガラスを形成するためには、比較的より高いクエンチ速度が必要である。同様に、熱を十分早く除去することが困難なことから、溶融物をより大きな寸法のガラスに冷却することはより困難である。
【0031】
ガラスの製造において達成されるクエンチ速度は、10、10、10あるいは10℃/秒より高いと考えられる(すなわちそれぞれ1秒未満、10分の1秒未満、100分の1秒未満、さらには1000分の1秒未満内での溶融状態からの1000℃の温度低下)。溶融物を冷却する技術としては、溶融物を冷却メディア(例えば高速エアジェット、液体(例えば冷水)、金属皿(冷却金属皿をはじめとする)、金属ロール(冷却金属ロールをはじめとする)、金属ボール(冷却金属ボールをはじめとする)など)中に放出することが挙げられる。技術分野で知られているその他の冷却技術としては、ロール冷却が挙げられる。ロール冷却は、例えば金属酸化物源を典型的に融点よりも20から200℃高い温度で溶融して、(例えは空気、アルゴン、窒素などのガスを使用して)高圧下で溶融物を高速回転ロール上にスプレーして、冷却/クエンチして実施できる。典型的にロールは金属からできており水冷される。金属ブックモールドもまた、溶融物を冷却/クエンチするのに有用かもしれない。
【0032】
冷却速度は、クエンチされたガラスの特性に影響すると考えられる。例えば典型的に、ガラスのガラス遷移温度、密度、およびその他の特性は、冷却速度と共に変化する。
【0033】
迅速な冷却はまた、還元性、中性または酸化環境などの制御雰囲気下で実施して、冷却中に所望の酸化状態を維持し、および/またはそれに影響しても良い。雰囲気もまた、過冷却液体からの結晶化動態に影響することでガラス形成に影響できる。例えばアルゴン雰囲気中で、空気中でのものと比べてより大きな、結晶化のない過冷却Al溶融物が報告されている。
【0034】
フレームを使用して溶融物を形成する一技術では、金属酸化物源材料を(例えば「供給粒子」と称されることもある粒子形態で)直接バーナー(例えばメタン−空気バーナー、アセチレン−酸素バーナー、水素−酸素バーナーなど)内に供給し、次に例えば水、冷却油、空気などの中でクエンチする。供給粒子は、例えば金属酸化物源を磨砕、凝集(例えばスプレー乾燥)、溶融、または焼結して形成できる。フレームを使用した溶融物形成の詳細については、例えばキャッスル(Castle)の米国特許第6,254,981号明細書にある。
【0035】
技術分野で既知の多くをはじめとする、あらゆる多様なプラズマスプレー技術が適切かもしれない。例示的なプラズマスプレー装置が図4に図示され、プラズマスプレー装置400は、一般に、ジェット軸417に略対称のプラズマガスジェット416を生じるように適合されたプラズマスプレーガン401を含む。プラズマガスジェット416は、金属酸化物の液滴407を含有する。
【0036】
プラズマスプレーガン401は、その中にノズル402が位置するハウジング403を含む。ノズル402は、プラズマガスジェット416をデリバリ方向418に方向付けて集中させるように適合された、ノズル孔405を形成する。プラズマガスジェット416を生じさせるために、プラズマスプレーガン401は様々な電極を含む。例えば図4に示される実施形態では、第1の電極404はノズル402への入り口に隣接して位置し、陰極として構成される(例えば電源(図示せず)の負極に接続される)。ノズル302それ自体が、陽極として構成された(例えば電源の陽極に接続された)第2の電極402’を形成しても良い。第1の電極404および第2の電極402’を形成するのに使用される実際の材料は異なっても良いが、プラズマスプレーガン401の例示的な一実施形態は、タングステンまたはタングステン合金からできた第1の電極404、および銅または銅合金からできた第2の電極402'(ノズル402)を使用する。
【0037】
当業者は、この電極構成が単に例示的なものであり、その他の電極構成がもちろん可能であることを理解するであろう。例えば第1および第2の電極の極性および/または材料は、上述のものと異なっても良い。代案としては、例えば第2の電極402は、ノズル402から独立していても良い。実際、本発明の範囲を逸脱することなく、許容可能なプラズマスプレーを生じるほとんどのあらゆる電極構成が可能である。
【0038】
アークガス注入口414が提供されて、ハウジング403のガスチャンバー412へのアークガス410の導入を可能にしても良い。アーク形成に補完的なほとんどのあらゆるガスが潜在的に適切であるが、好ましいアークガスとしては、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
1つ以上のキャリア導管420がハウジング403内に形成されても良い。下でさらに詳しく述べるように、キャリア導管420は、粒子430をプラズマガスジェット416にデリバリしても良い。キャリア導管420の実際の形状大きさは異なっても良いが、それらは一実施態では、ノズル孔405を交差して穿たれた孔によって形成される。図示される実施形態では、それぞれのキャリア導管420は、孔405の最小径でまたその近辺で、孔405に交差する。
【0040】
1つ以上のキャリア導管420は、それぞれ好ましくは導管軸422と対称である。それぞれの導管軸422は、75度以下の角度424でジェット軸417と交差しても良く、1つ以上のキャリア導管420は、デリバリ方向418内のジェット軸417から離れて分岐し、または広がる。いくつかの実施形態では角度424は、好ましくは45度〜75度、より好ましくは60度〜75度である。
【0041】
キャリア導管420のその他の構成もまた、本発明の範囲を逸脱することなく可能である。例えば導管420は、その他の(例えば非線形)形状を有しても良く、あるいは中心線を外れた点で孔405に貫通しても良い。これらのおよびその他の導管構成は、それらが導管420内で粒子デリバリベクター426に沿って、粒子をプラズマガスジェット416に方向付けするように動作可能であればもちろん可能であり、そこでは粒子デリバリベクター426が75度以下の角度424でジェット軸417に交差し、粒子デリバリベクター426が、デリバリ方向418と実質的に反対の方向を有するベクター構成要素426を含んでなる。ここでも、いくつかの実施形態では角度424は、好ましくは45度〜75度、より好ましくは60度〜75度である。
【0042】
「交差する」という用語がここで使用されるが、当業者は導管軸422が必ずしもジェット軸417と同一平面になくても良い(例えば片方がもう一方に対して偏っていても良い)ことを理解するであろう。このような場合「交差する」は、軸がそれら自体に平行に交差共通点へ移動する際の2軸間の角度424を示唆するものと理解される。
【0043】
プラズマガスジェット401について詳細に述べたので、ここで本発明の例示的な実施形態に従ったその操作について述べる。
【0044】
アークガス410は、上述のようにチャンバー412内に導入されて、ノズル402の集束孔405を通じて加速されても良い。第1の電極404および第2の電極402'をそれぞれの電源端子に連結すると、第1の電極404とノズル402の間に電界が作り出される。得られるプラズマガスジェット416は、実質的にノズル402の軸406に平行で同軸であるジェット軸417に沿って、デリバリ方向418にハウジング403を出て行く。図4の矢印408によって表される冷却システムを活性化して、ハウジング403の温度を所望のレベルに維持しても良い。
【0045】
液滴407の所望のスプレーを生じさせるために、キャリア導管420を通じて粒子430がプラズマガスジェット416にデリバリされる。一実施形態では、粒子430は、キャリア導管420を通ってノズル孔405に向けて移動するキャリアガス中に取り込まれる。窒素が好ましいが、その他のキャリアガスを使用しても良い。金属酸化物粒子430がプラズマガスジェット416に達すると、少なくとも一部分は少なくとも部分的に液化して、所望の液滴407を形成する。次に液滴407が冷却されて基材上に付着され、または別のやり方で収集されても良い。
【0046】
ここに示して述べるように、キャリア導管420を方向付けることで、粒子430はプラズマガスジェット416内での増大する滞留時間を達成する。より長い滞留時間により、既存の装置および方法によって生成する液滴と比べると、よりきめの粗い液滴407の生成が可能になる。
【0047】
さらにプラズマ生成および原材料(典型的に供給粒子の形態の)溶解については、多様なDC、AC、RFプラズマ処理システムが使用できる。本発明で有用な適切なプラズマシステムは典型的に約40kWの出力を有するが、例えば製造要件次第で、より小さなまたは大きなシステムも有用かもしれない。
【0048】
プラズマを生成するためのガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素、水素、およびそれらの混合物などの技術分野で知られているものが挙げられる。最も一般には、プラズマガスとしてアルゴンガスが使用されるが、エンタルピー(すなわちプラズマの熱含量)を増大させるために、ヘリウム、水素、または窒素の1つ以上を添加しても良い。
【0049】
原材料(典型的に供給粒子の形態の)は、一般にキャリアガスによってプラズマ中に導入される。原材料をプラズマガスジェットにデリバリするためのガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素、およびそれらの混合物が挙げられる。キャリアガスは、プラズマガス(すなわちアルゴン)と同一であっても良く、またはそれは第2のまたは第3のガスを提供して、プラズマのエネルギー特性を変化させても良い。例えばより大きいプラズマジェットサイズは、プラズマジェット内の原材料滞留時間を増大させる傾向があり、したがって望ましいことが多い原材料への熱伝達を高め、それは次により完全で均質な溶融物形成、およびより高密度で強固なプラズマスプレーされた材料をもたらす傾向があるので、有益である。例えば供給をプラズマジェット軸に沿って、例えば微粒子形態でまたは供給スティックとして、プラズマ中に導入することもまた可能である(供給材料はロッド形状に成形されて、ロッドの先端が溶融し液滴に分裂するにつれてプラズマ中に緩慢に供給され、それは次にプラズマジェットによってスプレーされる)。
【0050】
いくつかの実施形態では、原材料をガンのすぐ外側でプラズマ中に導入できる。理論による拘束は意図しないが、プラズマガンの陽極内に機械加工されたオリフィスを通して原材料をプラズマ中に供給することで、プラズマ中の粒子の滞留時間または相互作用を望ましく増大させると考えられる。理論による拘束は意図しないが、別の態様では場合により、オリフィスをガンの前後に向けて一定角度(例えば少なくとも10、20または30度など)で方向付けることにより、プラズマ中の原材料の滞留時間または相互作用が望ましく変化する(例えば増大する)かもしれないと考えられる。
【0051】
本発明の別の態様では、プラズマ処理を空気中で、ガスブランケット内で、より高圧またはより低圧下で、または真空下においてさえも実施しても良い。
【0052】
プラズマからの溶融物は、典型的に基材上または液体(例えば水)中にスプレーされるが、液体が基材上にあっても良い。基材または液体は溶融物を冷却するのを助ける。場合によっては、基材上にコーティングを提供することが望ましい。別な場合では、基材は引き続いて基材から除去される材料を冷却して収集する役目だけを果たしても良い(例えばバルク材料が提供される)。この場合、基材はプラズマからの熱に耐えるのに十分な完全性を持つように選択されるものと理解される。一般的基材材料は金属およびセラミックである。プラズマスプレーされた溶融物を冷却するために液体を使用する場合、結果は典型的に微粒子、最も一般的には球状またはビーズ形態のものである(例えばいくつかの実施形態では約1μmから少なくとも150μmの範囲内の直径を有する)。
【0053】
プラズマスプレーに関してさらに詳しくは、2002年8月2日に出願された米国特許出願第10/211,640号明細書を有する同時係属出願を参照されたい。
【0054】
典型的に、本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックは、それぞれ互いに垂直なx、y、およびz寸法を有し、x、y、およびz寸法のそれぞれは少なくとも10μmである。いくつかの実施形態では、x、y、およびz寸法は、合体すれば少なくとも30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、75μm、100μm、150μm、200μm、250μm、500μm、1000μm、2000μm、2500μm、1mm、5mmであり、または少なくとも10mmにさえ達する。材料のx、y、およびz寸法は、寸法の規模次第で視覚的にまたは顕微鏡を使用して測定される。報告されるz寸法は、例えば球体の直径、コーティング厚、または角柱の最短寸法である。
【0055】
特定の金属酸化物の添加が、本発明に従って製造されるセラミックの特性および/または結晶構造または微細構造、ならびにセラミックの製造における原材料および中間体の加工を変化させても良い。例えばCaO、LiO、MgO、およびNaOなどの酸化物の添加が、ガラスのTおよびT(Tは結晶化温度である)の双方を変化させることが観察されている。理論による拘束は意図しないが、このような添加がガラス形成に影響すると考えられる。さらに例えばこのような酸化物添加が、システム全体の溶融温度を低下させ(すなわちシステムをより低い共融点に向けて押しやる)、ガラス形成の容易さを低下させても良い。複数構成要素システム(四元性など)ないの複合共晶が、より良いガラス形成能力をもたらしても良い。稼働範囲内の液体溶融物粘度およびガラス粘度もまた、特定の必要な酸化物以外の金属酸化物の添加によって影響されても良い。
【0056】
ガラス−セラミックを形成するガラスの結晶化もまた、材料の添加によって影響されるかもしれない。例えば特定の金属、金属酸化物(例えばチタン酸塩およびジルコン酸塩)、およびフッ化物が、核形成剤の役割を果たして有益な結晶の異種核形成をもたらしても良い。またある種の酸化物の添加は、再加熱に際してガラスから失透する準安定相の性質を変化させるかもしれない。別の態様では、結晶性ZrOを含んでなる本発明に従って製造されるセラミックでは、ZrOの正方晶/立方形態を安定化することが知られている金属酸化物(例えばY、TiO、CeO、CaO、およびMgO)を添加することが望ましいかもしれない。
【0057】
ここで述べるガラスおよびガラス−セラミックを製造するための金属酸化物源およびその他の添加剤の特定の選択では、典型的に例えば所望の組成、微細構造、結晶化度、物理特性(例えば硬度または靭性)、望ましくない不純物の存在、およびセラミックを調製するために使用される特定工程(装置、および融合および/または固化の前および/または最中の原材料のあらゆる精製をはじめとする)の所望のまたは必要とされる特性を考慮に入れる。
【0058】
場合によっては、NaO、P、SiO、TeO、V、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される限定量の金属酸化物を組み込むことが好ましいかもしれない。商業的供給源をはじめとする供給源としては、酸化物それ自体、複合酸化物、元素(例Si)粉末、鉱石、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物などが挙げられる。これらの金属酸化物は、例えば得られるガラス−セラミックの物理的特性を変性するために、および/または加工を改善するために添加されても良い。使用される場合、これらの金属酸化物は例えば所望の特性次第で、典型的に合計でガラス−セラミックの0〜20重量%を超えて(いくつかの実施形態では合計で0〜10重量%を超えて、いくつかの実施形態では合計で0〜5重量%を超えて、または合計で0〜2重量%を超えて)添加される。
【0059】
材料の微細構造または相組成物(ガラス質/結晶性)は、いくつかのやり方で測定できる。例えば光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、示差熱分析(DTA)、およびX線回析(XRD)を使用して、様々な情報を得ることができる。
【0060】
光学顕微鏡法を使用すると、非晶質材料は結晶境界などの光拡散中心がないため、典型的に大部分透明であるのに対し、結晶性材料は結晶性構造を示し、光拡散効果のために不透明である。
【0061】
%非晶質(またはガラス)の収率は、−100+120メッシュサイズ画分(すなわち150μm開口寸法のふるいと125μm開口寸法のふるいの間で収集された画分)を使用して、粒子(例えばビーズ)などについて計算できる。測定は以下のようにして実施される。粒子、ビーズなどの単層をガラススライド上に広げる。光学顕微鏡を使用して、粒子、ビーズなどを観察する。光学顕微鏡接眼鏡の十字形をガイドとして使用して、直線に沿って並ぶ粒子、ビーズなどをそれらの光学透明度次第で非晶質または結晶性のいずれかで計数する。典型的に全部で500個の粒子、ビーズなどを計数するが、より少ない粒子、ビーズなどを使用しても良く、%非晶質収率は、計数された全粒子、ビーズなどで割った非晶質の粒子、ビーズなどの量によって定まる。方法に従った実施形態は、少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、または100%にさえ達する%非晶質(またはガラス)収率を有する。
【0062】
全ての粒子が非晶質(またはガラス)であることが所望され、得られる収率が100%未満である場合、非晶質でない(または非ガラス)粒子から、非晶質(またはガラス)粒子を分別しても良い。このような分別は、例えばビーズを密度または光学透明度に基づいて分別することをはじめとする、あらゆる従来の技術によって実施しても良い。
【0063】
DTAを使用して、対応する材料のDTAトレースが発熱結晶化事象(T)を含む場合、材料は非晶質として分類される。また同一トレースがTよりも低い温度での吸熱事象(T)も含む場合、ガラス相からなると見なされる。材料のDTAトレースがこのような事象を含まない場合、結晶相を含有すると見なされる。
【0064】
示差熱分析(DTA)は、以下の方法を使用して実施できる。DTAランは商品名「NETZSCH STA 409 DTA/TGA」の下にドイツ国セルブのネッチ(Netzsch Instruments(Selb、Germany)から得られるものなどの機器を使用して、−140+170メッシュサイズ画分(すなわち105μm開口寸法のふるいと90μm開口寸法のふるいの間で収集される画分)を使用して、実施できる。それぞれのふるい分けされた一定量のサンプル(典型的に約400mg)を100μLのAlサンプルホルダーに入れた。それぞれのサンプルを静止空気中で、10℃/分の速度で室温(約25℃)から1100℃に加熱する。
【0065】
商品名「PHILLIPS XRG 3100」の下にニュージャージー州モーウォーのフィリップス(Phillips、Mahwah、NJ)から得られるものなどの銅Kα1放射線が1.54050ÅであるX線回折計を使用して、粉末X線回析XRDを使用して、結晶化材料のXRDトレース中に存在するピークと、国際回折データセンターにより公開されるJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)データベース中で提供される結晶相のXRDパターンとを比較することで、材料中に存在する相を判定できる。さらにXRDを定性的に使用して、相のタイプを判定できる。幅広い散在性の強度ピークの存在は、材料の非晶質の性質の指標とみなされる。幅広いピークおよび境界明瞭なピーク双方の存在は、ガラスのマトリックス内の結晶性物質の存在の指標と見なされる。
【0066】
最初に形成されるガラスは、サイズが所望のものより大きくても良い。ガラスが所望の幾何学的形状および/またはサイズであれば、サイズ低減は典型的に必要ない。ガラスまたはガラスーセラミックは、ロール粉砕、ジョー粉砕、ハンマーミル粉砕、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、衝撃粉砕などをはじめとする、技術分野で知られている粉砕および/または微粉砕技術を使用して、より小さな破片に変換できる。場合によっては、2つまたは複数の粉砕ステップを有することが所望される。例えばセラミックが形成された(固化された)後、それは所望されるよりも大きい形態であっても良い。第1の粉砕するステップは、これらの比較的大きな塊または「チャンク」を粉砕して、より小さな破片を形成するステップを伴っても良い。これらのチャンクの粉砕は、ハンマーミル、衝撃破砕機またはジョー破砕機によって達成しても良い。次に引き続いてこれらのより小さな破片を破砕して、所望の粒度分布を作り出しても良い。所望の粒度分布(粗粒サイズまたは等級と称されることもある)を作り出すために、複数の粉砕ステップを実施することが必要かもしれない。一般に粉砕条件は、所望の粒子形状および粒度分布を達成するために最適化される。所望のサイズでない得られる粒子は、大きすぎる場合は再度破砕され、またはそれらが小さすぎる場合は、再溶融のために「リサイクル」されて原材料として使用されても良い。
【0067】
粒子の形状は、例えばセラミックの組成および/または微細構造、その中でそれが冷却される幾何学形状、およびセラミックが破砕されるやり方(すなわち使用される粉砕技術)に左右されることができる。一般に「ブロック型」形状が好ましい場合、より多くのエネルギーを用いてこの形状を達成しても良い。反対に「シャープな」形状が好ましい場合、より少ないエネルギーを用いてこの形状を達成しても良い。粉砕技術を変更して、異なる所望の形状を達成しても良い。いくつかの粒子では典型的に1:1〜5:1、いくつかの実施形態では1.25:1〜3:1、または1.5:1〜2.5:1にさえ達する範囲の平均アスペクト比が所望される。
【0068】
例えば物品を所望の形状に直接形成することも本発明の範囲内である。例えば所望の物品は、溶融物を鋳型内に注いでまたは成形して、形成(型込を含む)しても良い。また例えば、本願と同日に出願された、米国特許出願第10/358,772号明細書を有する出願に記載される成形技術を参照されたい。
【0069】
本発明に従って製造されるセラミックの実施形態は、寸法の制限なしに得ることができる。これは、ガラス遷移温度を超える温度で実施される融合ステップを通じて可能であることが分かった。この合体ステップは、本質的に2つ以上のより小さな粒子からより大きなサイズの物質を形成する。例えば図5から明らかなように、本発明に従って製造されるガラスは、発熱(T)よりも低い温度での吸熱(T)の存在によって立証されるように、顕著な結晶化(T)が起きる前にガラス遷移(T)を起こす。例えばセラミック(結晶化前のガラスをはじめとする)は、例えば粒子などが合体して形状を形成するように、ガラス、および/または繊維などを含んでなる粒子をTを超えて加熱して、合体した形状を冷却して提供されても良い。合体のために使用される温度および圧力は、例えばガラスの組成および得られる材料の所望の密度に左右されても良い。温度はガラス遷移温度を超えるべきである。特定の実施形態では、加熱は約850℃〜約1100℃(いくつかの実施形態では900℃〜1000℃)の範囲の少なくとも1つの温度で実施される。典型的にガラスは、合体中に圧力下(例えば0〜1GPa以上)にあって、ガラスの合体を助ける。一実施形態では、粒子などの装入物をダイに入れてガラス遷移を超える温度で熱間圧縮を実施し、粘稠なガラスのフローが比較的大きな部分への合体をもたらす。典型的な合体技術の例としては、熱間圧縮、熱間等静圧圧縮、熱間押出し、熱間圧造など(例えば焼結、プラズマ補助焼結)が挙げられる。例えば(ビーズおよび微小球をはじめとする)(例えば粉砕によって得られた)ガラス、繊維などを含んでなる粒子は、より大きい粒度に成形されても良い。合体もまた、所望の形態に成形された素地をもたらしても良い。典型的にさらなる熱処理前に、得られる合体素地を冷却することが一般に望ましい。熱処理後、所望するならば、合体素地をより小さな粒度または所望の粒度分布に破砕しても良い。
【0070】
一般に熱処理は、ガラス熱処理について技術分野で知られているものをはじめとする多様なやり方のいずれかで実施でき、ガラス−セラミックが提供される。例えば熱処理は、例えば抵抗、誘導またはガス加熱炉を使用して、バッチで実施できる。代案としては、例えば熱処理(またはその一部)を例えば回転キルンまたは振子式キルンを使用して、連続的に実施できる。回転キルン、流動床炉、または振子式キルンの場合、材料は典型的に高温で操作されるキルン内に直接供給される。流動床炉の場合、熱処理されるガラスは、典型的にガス(例えば空気、不活性、または還元ガス)中に懸濁される。高温での時間は、数秒間(いくつかの実施形態では5秒未満にさえ達する)から数分間から数時間の範囲であっても良い。温度は、典型的にガラスのTから1600℃、より典型的には900℃〜1600℃、およびいくつかの実施形態では1200℃〜1500℃の範囲である。熱処理のいずれかを複数ステップで実施することもまた、本発明の範囲内である(例えば核形成のためのステップ、および結晶成長のための別のステップ、高密度化もまた典型的に結晶成長ステップ中に起きる)。複数ステップの熱処理を実施する場合、核形成および結晶成長速度の片方または両方を制御することが典型的に所望される。一般に大部分のセラミック処理操作においては、顕著な結晶成長なしに最大の高密度化を得ることが所望される。理論による拘束は意図しないが、一般にセラミック技術分野では、より大きな結晶サイズが低下した機械的特性をもたらすのに対し、より細かい平均微結晶サイズは改善された機械的特性(例えばより高い強度およびより高い硬度)をもたらすと考えられる。特に理論密度の少なくとも90、95、97、98、99、または少なくとも100%にさえ達する密度のセラミックが形成され、平均結晶サイズが0.15μm未満、0.1μm未満にさえ達することが非常に望ましい。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、ガラスまたはガラスを含んでなるセラミックを熱処理に先だってアニールしても良い。このような場合、アニーリングは典型的に、数秒から数時間、または数日間にさえ達する時間、ガラスのT未満の温度で実施される。典型的に、アニーリングは3時間未満、または1時間未満にさえ達する期間実施される。任意に、アニーリングは空気以外の雰囲気内で実施しても良い。さらに、熱処理の異なる段階(すなわち核形成ステップおよび結晶成長ステップ)を異なる雰囲気下で実施しても良い。本発明に従ったガラスのTおよびT、ならびにT〜Tは、熱処理中に使用される雰囲気次第で移行しても良いものと考えられる。
【0072】
当業者は技術分野で知られている技術を使用して、ガラスの時間−温度−変換(TTT)研究から適切な条件を判定できる。当業者は本発明の開示を読んだ後に、本発明に従ったガラス−セラミックを製造するのに使用されるガラスについてのTTT曲線を提供し、本発明に従ったガラス−セラミックを提供する適切な核形成および/または結晶成長条件を判断できるはずである。
【0073】
熱処理は、例えば材料を直接、高温の炉内に供給して実施しても良い。代案としては、例えば材料をはるかにより低い温度(例えば室温)の炉内に供給して、次に所定の加熱速度で所望の温度に加熱しても良い。熱処理を空気以外の雰囲気内で実施することは、本発明の範囲内である。場合によっては、還元的雰囲気内で熱処理することが望ましくさえあるかもしれない。また例えば、熱間等静圧圧縮内またはガス圧力炉内などで、ガス圧力下で熱処理することが望ましいかもしれない。理論による拘束は意図しないが、雰囲気が、ガラスおよびガラス−セラミックの構成要素のいくつかの酸化状態に影響するかもしれないと考えられる。酸化状態におけるこのようなバリエーションは、ガラスおよびガラス−セラミックの様々な着色をもたらすことができる。さらに核形成および結晶化ステップは、雰囲気によって影響を受けることができる(例えば雰囲気はガラスのいくつかの化学種の原子の可動性に影響しても良い)。
【0074】
追加的な熱処理を実施して、材料の望ましい特性をさらに改善することもまた、本発明の範囲内である。例えば熱間等静圧圧縮を(例えば約900℃〜約1400℃の温度で)実施して、残留空隙を除去し材料密度を増大させても良い。
【0075】
得られる物品または熱処理された物品を変換(例えば破砕)して、粒子(例えば本発明による研磨粒子)を提供することは本発明の範囲内である。
【0076】
典型的にガラス−セラミックは、それらがそれから形成されたガラスよりも強固である。したがって例えばガラスを結晶性セラミック相に変換する程度によって、材料強度を調節しても良い。代案としては、またはさらに、材料強度は、例えば作り出される核形成部位数によって影響され、それは次に使用されて結晶相の数、および次に結晶サイズに影響しても良い。ガラス−セラミックの形成に関する詳細については、例えばP.W.マクミラン(McMillan)著「ガラス−セラミック(Glass−Ceramics)」Academic Press,Inc.、第二版、1979を参照されたい。
【0077】
多くのその他のタイプのセラミック加工(例えば焼成材料の稠密な焼結セラミック材料への焼結)と比較すると、ガラス−セラミックを形成するためのガラスの結晶化中には、比較的収縮がない(典型的に30容積%未満、いくつかの実施形態では20、10、5、または3容積%未満にさえ達する)。実際の収縮量は、例えばガラスの組成、熱処理時間、熱処理温度、熱処理圧、結晶化されるガラスの密度、形成した結晶相の相対量、および結晶化の程度に左右される。収縮量は、膨張率測定、アルキメデス法、または熱処理前後の材料寸法測定をはじめとする、技術分野で知られている従来の技術によって測定できる。場合によっては、熱処理中に揮発性化学種のいくらかの発生があっても良い。
【0078】
いくつかの実施形態では、比較的低い収縮特性が特に有利かもしれない。例えば物品をガラス相中で所望の形状および寸法(すなわちほぼ網形状)に形成し、続いて熱処理して少なくとも部分的にガラスを結晶化しても良い。その結果、結晶化材料の製造および機械加工に伴う相当な費用の節約が実現されるかもしれない。
【0079】
いくつかの実施形態では、ガラスは、それぞれが少なくとも1cmの(いくつかの実施形態では少なくとも5cmの、または少なくとも10cmにさえ達する)長さを有するx、y、z方向を有し、ガラスは容積を有し、得られるガラス−セラミックはそれぞれが少なくとも1cmの(いくつかの実施形態では少なくとも5cmの、または少なくとも10cmにさえ達する)長さを有するx、y、z方向を有し、ガラス−セラミックはガラスの少なくとも70(いくつかの実施形態では少なくとも75、80、85、90、95、96、または少なくとも97にさえ達する)%の容積を有する。
【0080】
例えばガラス−セラミックを製造するためのいくつかの例示的なガラスの熱処理中に、LaZr相、ZrOが存在する場合は、立方/正方晶ZrO相、場合によっては単斜晶ZrO相などの形成が、約900℃を超える温度で起きても良い。理論による拘束は意図しないが、ジルコニア関連相が、ガラスから核形成する最初の相であると考えられる。Al、ReAlO(式中、Reは少なくとも1つの希土類カチオンである)、ReAl1118、ReAl12、YAl12などの相の形成は、一般に約925℃を超える温度で起きると考えられる。典型的にこの核形成ステップにおける微結晶サイズは、nm単位である。例えば10〜15nm程度の小さな結晶が観察されている。少なくともいくつかの実施形態では、約1300℃で約1時間の熱処理が完全な結晶化を提供する。一般に核形成および結晶成長ステップそれぞれの熱処理時間は、数秒(いくつかの実施形態では5秒未満にすら達する)から数分間から数時間以上の範囲であっても良い。
【0081】
平均結晶サイズは、ASTM基準E112−96「平均粒度測定のための標準試験法」に従ったライン切片法によって測定ができる。典型的に直径約2.5cmおよび高さ約1.9cmの樹脂の円柱である取り付け樹脂(イリノイ州レイクブラフのビューラー(Buehler(Lake Bluff、IL)から商品名「トランスオプティックパウダー(TRANSOPTIC POWDER)」の下に得られるようなもの)に、サンプルをマウントする。ポリッシャ(イリノイ州レイクブラフのビューラー(Buehler(Lake Bluff、IL)から商品名「エコメット(ECOMET)3」の下に得られるようなもの)を使用した従来の研磨技術を使用して、マウントされたセクションを調製する。サンプルをダイヤモンドホイールで約3分間研磨し、続いてそれぞれ45、30、15、9、3、および1μmのスラリーで5分間研磨する。マウントされ研磨されたサンプルに金−パラジウムの薄層をスパッターして、走査型電子顕微鏡(マサチューセッツ州ピーボディのJEOL(JEOL(Peabody、MA)からモデルJSM 840Aの下に得られるようなもの)を使用して調べる。サンプル中に見られる微細構造の典型的な後方散乱電子(BSE)顕微鏡写真を使用して、以下のようにして平均微結晶サイズを求める。顕微鏡写真を横切って引いたランダムな直線の単位長さ(N)あたりの交差する微結晶数を計数する。平均微結晶サイズは、以下の式:
【数1】

(式中、Nは単位長さあたりの交差する微結晶数、Mは顕微鏡写真の倍率である)を使用してこの数から求める。
【0082】
別の態様では、本発明に従って製造されるガラス−セラミックは、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、または100にさえ達する容積%の微結晶を含んでなっても良く、微結晶は1μm未満の平均サイズを有する。別の態様では、本発明に従って製造されるガラス−セラミックは少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、または100にさえ達する容積%の微結晶を含んでなっても良く、微結晶は0.5μm未満の平均サイズを有する。別の態様では、本発明に従って製造されるガラス−セラミックは、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、または100にさえ達する容積%の微結晶を含んでなっても良く、微結晶は0.3μm未満の平均サイズを有する。別の態様では、本発明に従って製造されたガラス−セラミックは、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、または100にさえ達する容積%微結晶を含んでなっても良く、微結晶は0.15μm未満の平均サイズを有する。
【0083】
本発明に従ったセラミック中に存在しても良い結晶相の例としては、アルミナ(例えばαおよび遷移アルミナ)と、REO(例えばLa)と、Yと、MgOと、BaO、CaO、Cr、CoO、Fe、GeO、LiO、MnO、NiO、NaO、P、Sc、SiO、SrO、TeO、TiO、V、ZnO、HfO、ZrO(例えば立方晶ZrOおよび正方晶ZrO)などの1つ以上のその他の金属酸化物と、ならびに「複合金属酸化物」(複合Al・金属酸化物(例えば複合A1・REO)をはじめとする)と、複合Al・金属酸化物(例えば複合Al・REO(例えばReAlO(例えばGdAlOLaAlO)、ReAl1118(例えばLaAl1118)と、ReAl12(例えばDyAl12))と、複合Al・Y(例えばYAl12)と、複合ZrO・REO(例えばLaZr))と、それらの組み合わせが挙げられる。典型的に本発明に従ったセラミックは、共融微細構造特徴を含まない。
【0084】
複合Al金属酸化物(例えば複合Al・REOおよび/または複合Al・Y(例えばガーネット結晶構造を示すアルミン酸イットリウム))中のアルミニウムカチオンの一部をその他のカチオンで置き換えることも本発明の範囲内である。例えば複合Al中のAlカチオンの一部をCr、Ti、Sc、Fe、Mg、Ca、Si、Co、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される元素の少なくとも1つのカチオンで置換しても良い。例えば複合AlのYカチオンの一部をCe、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Pr、Sm、Th、Tm、Yb、Fe、Ti、Mn、V、Cr、Co、Ni、Cu、Mg、Ca、Sr、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される元素の少なくとも1つのカチオンで置換しても良い。さらに例えば、複合AlREO中の希土類カチオンの一部をY、Fe、Ti、Mn、V、Cr、Co、Ni、Cu、Mg、Ca、Sr、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される元素の少なくとも1つのカチオンで置換しても良い。カチオンの置換は、上述のようにセラミックの特性(例えば硬度、靭性、強度、熱伝導率など)に影響しても良い。
【0085】
非晶質を熱処理して形成され、本発明に従って製造されるガラス−セラミックの実施形態を提供する結晶は、例えば針晶等軸、円柱状、または扁平平板状特徴であっても良い。
【0086】
本発明に従って製造されるいくつかの例示的なガラスおよびガラス−セラミックは、それぞれガラスまたはガラス−セラミックの総重量を基準にして、少なくとも75(いくつかの実施形態では少なくとも80、または少なくとも85にさえ達する)重量%のAl、0〜25(いくつかの実施形態では0〜10、または0〜5にさえ達する)重量%の範囲内のLa、5〜25(いくつかの実施形態では5〜20、または10〜20にさえ達する)重量%の範囲内のY、0〜8(いくつかの実施形態では0〜4、または0〜2にさえ達する)重量%の範囲内のMgOを含んでなる。いくつかの実施形態では、ガラスまたはガラス−セラミックは、それぞれガラスまたはガラス−セラミックの総重量を基準にして、10まで(いくつかの実施形態では0.5〜5、0.5〜2、または0.5〜1の範囲内)の重量%の量のSiOをさらに含んでなる。
【0087】
本発明に従って製造されるいくつかの例示的ガラスおよびガラス−セラミックは、それぞれガラスまたはガラス−セラミックの総重量を基準にして、少なくとも75(いくつかの実施形態では少なくとも80、85、または少なくとも90にさえ達する)重量%のAlおよび10まで(いくつかの実施形態では0.5〜5、0.5〜2、または0.5〜1の範囲内)の重量%の量のSiOを含んでなる。
【0088】
ガラスまたはガラス−セラミックはバルク材料の形態であっても良いが、本発明に従ったガラス、ガラス−セラミックなどを含んでなる複合材を提供することもまた本発明の範囲内である。このような複合材は、例えば本発明に従ったガラス、ガラス−セラミックなどの中に分散する、相または繊維(連続または不連続)または粒子(ひげ結晶をはじめとする)(例えば金属酸化物粒子、ホウ化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子、ダイヤモンド粒子、金属粒子、ガラス粒子、およびそれらの組み合わせ)、本発明または層状複合材構造(例えばガラス−セラミックおよび/またはガラス−セラミックの異なる組成物層を製造するのに使用される、ガラス−セラミックからガラスへの勾配)を含んでなっても良い。
【0089】
本発明に従って製造される特定のガラスは、例えば約750℃〜約950℃の範囲内のTを有しても良い。
【0090】
本発明に従って製造されるガラス−セラミックの平均硬度は、次のようにして測定できる。典型的に直径約2.5cmおよび高さ約1.9cmの樹脂の円柱である取り付け樹脂(イリノイ州レイクブラフのビューラー(Buehler(Lake Bluff、IL)から商品名「トランスオプティックパウダー(TRANSOPTIC POWDER)」の下に得られた)中に、材料のセクションをマウントする。イリノイ州レイクブラフのビューラー(Buehler(Lake Bluff、IL)から商品名「エコメット(ECOMET)3」の下に得られるようなポリッシャを使用した従来の研磨技術を使用して、マウントされたセクションを調製する。サンプルをダイヤモンドホイールで約3分間研磨し、続いてそれぞれ45、30、15、9、3、および1μmのスラリーで5分間研磨する。微小硬度測定は、ビッカース圧子を装着した、日本国東京のミツトヨ(Mitutoyo Corporation(Tokyo、Japan))から商品名「ミツトヨ(MITUTOYO)MVK−VL」の下に得られるような従来の微小硬度試験器を使用して、100gの圧入負荷を使用して行う。微小硬度測定は、ASTM試験法E384、材料の微小硬度試験法(1991)で述べられるガイドラインに従って行う。平均硬度値は10回の測定の平均である。
【0091】
本発明に従って製造される特定のガラスは、例えば少なくとも5GPa(より望ましくは少なくとも6GPa、7GPa、8GPa、または9GPa、典型的には約5GPa〜約10GPaの範囲内)の平均硬度を有しても良く、本発明に従って製造されるガラス−セラミックは、少なくとも5GPa(より望ましくは少なくとも6GPa、7GPa、8GPa、9GPa、10GPa、11GPa、12GPa、13GPa、14GPa、15GPa、16GPa、17GPa、または18GPa(以上)、典型的には約5GPa〜約18GPaの範囲内)の平均硬度を有しても良い。本発明に従って製造される研磨粒子は、少なくとも15GPa、いくつかの実施形態では少なくとも16GPa、少なくとも17GPa、または少なくとも18GPaにさえ達する平均硬度を有する。
【0092】
本発明に従って製造される特定のガラスは、例えば少なくとも25℃〜約900℃の温度範囲にわたり、約5×10−6/K〜約11×10−6/Kの範囲内の熱膨張係数を有しても良い。
【0093】
典型的に、および望ましくは、本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックの比重と称されることもある(真の)密度は、典型的に理論的な密度の少なくとも70%である。より望ましくは、本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックの(真の)密度は、理論的な密度の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%の、または100%にさえ達する。本発明に従って製造される研磨粒子は、理論的な密度の少なくとも85%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%の、または100%にさえ達する密度を有する。
【0094】
物品は、本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックを例えば充填材、強化材料、および/またはマトリックス材料として使用して製造できる。例えば本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックは、複合材(例えばセラミック、金属、またはポリマー(熱硬化性または熱可塑性))中で強化材料として使用するのに適した粒子および/または繊維の形態であることができる。粒子および/または繊維は、例えばマトリックス材料のモジュラス、熱抵抗性、摩耗抵抗性、および/または強度を増大しても良い。複合材を製造するのに使用される粒子および/または繊維のサイズ、形状、および量は、例えば特定のマトリックス材料および複合材の使用に左右されても良いが、強化粒子のサイズは典型的に約0.1〜1500μm、より典型的には1〜500μm、および望ましくは2〜100μmの範囲である。ポリマー用途のための粒子の量は、典型的に約0.5〜約75重量%、より典型的には約1〜約50重量%である。熱硬化性ポリマーの例としては、フェノール、メラミン、尿素ホルムアルデヒド、アクリレート、エポキシ、ウレタンポリマーなどが挙げられる。熱可塑性ポリマーの例としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。
【0095】
強化ポリマー材料(すなわちポリマー中に分散する本発明に従って製造される強化粒子)の使用例としては、例えばコンクリート、家具、床、道路、木材、木材様材料、セラミックなどのための保護コーティング、ならびに滑り止めコーティングおよび射出成形プラスチックパーツおよび構成要素が挙げられる。
【0096】
さらに例えば本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックは、マトリックス材料として使用できる。例えば本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックは、ダイヤモンド、立方晶BN、Al、ZrO、Si、およびSiCなどのセラミック材料のためのバインダーとして使用できる。このような材料を含んでなる有用な物品の例としては、複合基材コーティング、切削工具インサート、研磨凝集物、およびビトリファイド砥石車などの結合研磨物品が挙げられる。本発明に従って製造されるガラスおよびガラス−セラミックは、例えば複合材物品のモジュラス、熱抵抗性、摩耗抵抗性、および/または強度を増大させるためにバインダーとして使用できる。
【0097】
本発明に従って製造される研磨粒子は、一般に結晶性セラミック(例えば少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、または100にさえ達する容積%の結晶性セラミック)を含んでなる。別の態様では、本発明は、細粒から粗粒の範囲の粒度分布を有する複数の粒子を提供し、複数の粒子の少なくとも一部は本発明に従った研磨粒子である。別の態様では、本発明に従って製造される研磨粒子の実施形態は、一般に(例えば少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、または100にさえ達する容積%)の本発明に従って製造されるガラス−セラミックを含んでなる。
【0098】
本発明に従って製造される研磨粒子は、ANSI(米国規格協会)、FEPA(欧州連合研磨物品製造業者)、およびJIS(日本工業規格)などの業界で認められた等級付け基準の使用をはじめとする、技術分野で良く知られている技術を使用して、ふるい分けおよび等級付けできる。本発明に従って製造される研磨粒子は、典型的に約0.1〜約5000μm、より典型的には約1〜約2000μm、望ましくは約5〜約1500μm、より望ましくは約100〜約1500μmのサイズの範囲に渡る広範な粒度で使用されても良い。
【0099】
特定の粒度分布では、粗粒子から細粒子までの粒度範囲がある。研磨剤技術分野において、この範囲は、「粗粒分」、「制御粒分」、および「細粒分」と称されることがある。産業で認められた等級付け基準に従って等級付けされた研磨粒子は、各公称等級について数的制限内の粒度分布を規定する。このような産業で認められた等級付け基準としては、米国規格協会(ANSI)基準、欧州連合研磨物品製造業者(FEPA)基準、日本工業規格(JIS)基準として知られているものが挙げられる。ANSI等級名(すなわち規定の公称等級)としては、ANSI4、ANSI6、ANSI8、ANSI16、ANSI24、ANSI36、ANSI40、ANSI50、ANSI60、ANSI80、ANSI100、ANSI120、ANSI150、ANSI180、ANSI220、ANSI240、ANSI280、ANSI320、ANSI360、ANSI400、およびANSI600が挙げられる。FEPA等級名としてはP8、P12、P16、P24、P36、P40、P50、P60、P80、P100、P120、P150、P180、P220、P320、P400、P500、P600、P800、P1000、およびP1200が挙げられる。JIS等級名としてはJIS8、JIS12、JIS16、JIS24、JIS36、JIS46、JIS54、JIS60、JIS80、JIS100、JIS150、JIS180、JIS220、JIS240、JIS280、JIS320、JIS360、JIS400、JIS600、JIS800、JIS1000、JIS1500、JIS2500、JIS4000、JIS6000、JIS8000、およびJIS10,000が挙げられる。
【0100】
粉砕およびふるい分け後、典型的に多数の異なる研磨粒度分布または等級が存在するであろう。これらの多数の等級は、特定時における製造業者のまたは供給業者の要求に一致しないかもしれない。在庫を最小化するために、需要のない等級をリサイクルし溶融物に戻して、ガラスを形成することが可能である。このリサイクルは、粒子が、特定の分布にふるい分けされていない大きな塊またはより小さな破片(「微粉」とも称されることがある)状態である、粉砕ステップの後に起きても良い。
【0101】
別の態様では、本発明は、ここで述べるガラス粒子またはガラスを含んでなる粒子を熱処理して、本発明に従ったガラス−セラミックを含んでなる研磨粒子を提供するステップを含んでなる、研磨粒子を製造する方法を提供する。代案としては、例えば本発明は、ここで述べるガラスを熱処理して、得られる熱処理材料を粉砕し、本発明に従ったガラス−セラミックを含んでなる研磨粒子を提供するステップを含んでなる、研磨粒子を製造する方法を提供する。粉砕するとガラスは、顕著に結晶化したガラス−セラミックまたは結晶性材料を粉砕するよりも鋭い粒子を提供する傾向がある。
【0102】
別の態様では、本発明は、それぞれがバインダーを通じて共に結合した本発明に従って製造される複数の研磨粒子を含んでなる、凝集研磨粒子を提供する。別の態様では、本発明は、バインダーおよび複数の研磨粒子を含んでなる研磨物品(例えば被覆研磨物品、結合研磨物品(ガラス状、レジノイド、および金属結合研磨ホイール、切断ホイール、軸付砥石、およびホーニング砥石)、不織研磨物品、および研磨ブラシをはじめとする)を提供し、少なくとも一部の研磨粒子は、本発明に従って製造される研磨粒子(研磨粒子が凝集するものをはじめとする)である。このような研磨物品を製造する方法、および研磨物品を使用する方法は、当業者に良く知られている。さらに本発明に従って製造される研磨粒子は、研磨化合物のスラリー(例えば研磨化合物)、ミリングメディア、ショットブラストメディア、振動ミルメディアなどの研磨粒子を使用する研磨用途において使用できる。
【0103】
被覆研磨物品は一般に、裏材料、研磨粒子、および裏材料上に研磨粒子を保持するための少なくとも1つのバインダーを含む。裏材料は、布帛、ポリマーフィルム、繊維、不織ウェブ、紙、それらの組み合わせ、およびそれらの加工バージョンをはじめとする適切な材料であることができる。バインダーは、無機または有機バインダー(熱硬化性樹脂および放射線硬化性樹脂をはじめとする)をはじめとするあらゆる適切なバインダーであることができる。研磨粒子は、被覆研磨物品の1つの層または2つの層中に存在できる。
【0104】
被覆研磨物品の例を図1に描写する。図1に関して述べると、被覆研磨物品1は、裏材料(基材)2および研磨剤層3を有する。研磨剤層3は、メイクコート5およびサイズコート6によって裏材料2の主面に固定された、本発明に従って製造される研磨粒子4を含む。場合によっては、スーパーサイズコート(図示せず)が使用される。
【0105】
結合研磨物品は典型的に、有機、金属、またはガラス状バインダーによってつなぎ合わせられた研磨粒子の成形塊を含む。このような成形塊は、例えば研磨ホイールまたは切断ホイールなどのホイールの形態であることができる。研磨ホイールの直径は、典型的に約1cmから1mを超え、切断ホイールの直径は約1cmから80cmを超える(より典型的には3cm〜約50cm)。切断ホイールの厚さは、典型的に約0.5mm〜約5cmであり、より典型的には約0.5mm〜約2cmである。成形塊はまた、例えばホーニング砥石、セグメント、軸付砥石、ディスク(例えばダブルディスクグラインダー)またはその他の従来の結合研磨剤形状の形態であることができる。結合研磨物品は、典型的に、結合研磨物品の総容積を基準にして、約3〜50容積%の結合材料、約30〜90容積%の研磨粒子(または研磨粒子配合物)、50容積%までの添加剤(研磨助剤をはじめとする)、および70容積%までの孔隙を含んでなる。
【0106】
例示的な研磨ホイールを図2に示す。図2に関して述べると、本発明に従って製造される研磨粒子11を含み、ホイールに成形されてハブ12に取り付けられた、研磨ホイール10が描写される。
【0107】
不織研磨物品は、典型的に構造全体に分布し、有機バインダーによってそこに粘着性に結合する本発明に従って製造される研磨粒子を有する開放性で多孔性の嵩高いポリマーフィラメント構造を含む。フィラメントの例としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、およびポリアラミド繊維が挙げられる。例示的な不織研磨物品を図3に示す。図3に関して述べると、典型的な不織研磨物品の約100倍に拡大された概略図が示され、基材として線維マット50を含んでなり、その上に、バインダー54によって本発明に従って製造される研磨粒子52が接着する。
【0108】
有用な研磨ブラシとしては、裏材料と一体化する複数の剛毛を有するものが挙げられる(例えばフィル(Pihl)らの米国特許第5,427,595号明細書、フィル(Pihl)らの米国特許第5,443,906号明細書、ジョンソン(Johnson)らの米国特許第5,679,067号明細書、およびイオンタ(Ionta)らの米国特許第5,903,951号明細書を参照されたい)。望ましくは、このようなブラシは、ポリマーおよび研磨粒子の混合物を射出成形して製造される。
【0109】
研磨物品を製造するための適切な有機バインダーとしては、熱硬化性有機ポリマーが挙げられる。適切な熱硬化性有機ポリマーの例としては、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ペンダントのα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂、アクリル化ウレタン、アクリル化エポキシ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。バインダーおよび/または研磨物品はまた、繊維、潤滑剤、湿潤剤、チキソトロープ材料、界面活性剤、顔料、染料、帯電防止剤(例えばカーボンブラック、酸化バナジウム、黒鉛など)、カップリング剤(例えばシラン、チタン酸塩、ジルコアルミン酸塩など)、可塑剤、懸濁剤などの添加剤を含んでも良い。これらの任意の添加剤の量は、所望の特性を提供するように選択される。カップリング剤は、研磨粒子および/または充填材に対する接着性を改善できる。バインダーの化学的性質は、熱硬化、放射線硬化またはそれらの組み合わせであっても良い。バインダーの化学的性質についてより詳しくは、コール(Caul)らの米国特許第4,588,419号明細書、トゥメイ(Tumey)らの米国特許第4,751,138号明細書、およびフォレット(Follett)らの米国特許第5,436,063号明細書にある。
【0110】
より具体的には、非晶質の構造を示し典型的に硬いガラス状結合研磨剤、ガラス状結合材料に関しては、技術分野で良く知られている。場合によっては、ガラス状結合材料は結晶相を含む。本発明に従ったガラス状結合研磨物品は、ホイール(切断ホイールをはじめとする)、ホーニング砥石、軸付砥石またはその他の従来の結合研磨剤形状の形状であっても良い。いくつかの実施形態では、本発明に従うガラス状結合研磨物品は、研磨ホイールの形態である。
【0111】
ガラス状結合材料を形成するのに使用される金属酸化物の例としては、シリカ、ケイ酸塩、アルミナ、ソーダ、カルシア、ポタシア、チタニア、酸化鉄、亜鉛酸化物、リチウム酸化物、マグネシア、ボリア、アルミニウムケイ酸塩、ボロシリケートガラス、リチウムアルミニウムケイ酸塩、それらの組み合わせなどが挙げられる。典型的にガラス状結合材料は、10〜100%のガラスフリットを含んでなる組成物から形成できるが、より典型的には、組成物は20%〜80%のガラスフリット、または30%〜70%のガラスフリットを含んでなる。ガラス状結合材料の残りの部分は、非フリット材料であることができる。代案としては、ガラス状結合は、非フリット含有組成物から誘導されても良い。ガラス状結合材料は典型的に約700℃〜約1500℃の範囲の温度、通常は約800℃〜約1300℃の範囲、場合によっては約900℃〜約1200℃の範囲、または約950℃〜約1100℃にさえ達する範囲で熟成される。結合が熟成する実際の温度は、例えば特定の結合の化学的性質に左右される。
【0112】
いくつかの実施形態ではガラス状結合材料としては、シリカ、アルミナ(望ましくは、少なくとも10重量%のアルミナ)、およびボリア(望ましくは、少なくとも10重量%のボリア)を含んでなるものが挙げられる。ほとんどの場合、ガラス状結合材料はアルカリ金属酸化物(例えばNaOおよびKO)(場合によっては少なくとも10重量%のアルカリ金属酸化物)をさらに含んでなる。
【0113】
バインダー材料はまた、典型的に微粒子材料形態の充填材材料または研磨助剤を含有しても良い。典型的に微粒子材料は無機材料である。本発明で有用な充填材の例としては、金属炭酸塩(例えば炭酸カルシウム(例えばチョーク、方解石、泥灰岩、トラバーチン、大理石、および石灰石)、炭酸カルシウムマグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム)、シリカ(例えば石英、ガラスビーズ、ガラスバブル、およびガラス繊維)ケイ酸塩(例えば滑石、粘土、(モンモリロナイト)長石、雲母、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、ナトリウムアルミノケイ酸塩、ナトリウムケイ酸塩)、金属硫酸塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウム)、石膏、バーミキュライト、木粉、アルミニウム三水和物、カーボンブラック、金属酸化物(例えば酸化カルシウム(石灰)、酸化アルミニウム、二酸化チタン)、および金属硫酸塩(例えば亜硫酸カルシウム)が挙げられる。
【0114】
一般に研磨助剤の添加は、研磨物品の可使時間を増大させる。研磨助剤は研磨の化学および物理プロセスに対して顕著な効果を有する材料であり、改善された性能をもたらす。理論による拘束は意図しないが、研磨助剤は、(a)研磨粒子と研磨されるワークピースとの間の摩擦を減少させ、(b)研磨粒子が「キャップ形成」するのを防止し(すなわち金属粒子が研磨粒子の上部に融合するのを防止する)、または少なくとも研磨粒子がキャップ形成する傾向を低下させ、(c)研磨粒子とワークピース間の境界面温度を低下させ、または(d)研磨力を減少させるものと考えられる。
【0115】
研磨助剤は多種多様な異なる材料を包含し、無機または有機ベースであることができる。研磨助剤の化学基の例としては、ワックス、有機ハロゲン化化合物、ハロゲン化塩、金属、およびそれらの合金が挙げられる。有機ハロゲン化化合物は、典型的に研磨中に分解してハロゲン酸または気体ハロゲン化化合物を放出する。このような材料の例としては、テトラクロロナフタレン、ペンタクロロナフタレン、およびポリ塩化ビニルのような塩素化ワックスが挙げられる。ハロゲン化塩の例としては、塩化ナトリウム、カリウムクリオライト、ナトリウムクリオライト、アンモニウムクリオライト、テトラフルオロホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、フッ化ケイ素、塩化カリウム、および塩化マグネシウムが挙げられる。金属の例としては、スズ、鉛、ビスマス、コバルト、アンチモン、カドミウム、および鉄チタンが挙げられる。その他の種々雑多な研磨助剤としては、硫黄、有機硫黄化合物、黒鉛、および金属硫化物が挙げられる。異なる研磨助剤の組み合わせを使用することもまた本発明の範囲内であり、場合によってはこれが相乗的効果を生じても良い。
【0116】
研磨助剤は、被覆研磨剤および結合研磨物品中で特に有用であることができる。被覆研磨物品中で、研磨助剤は典型的に研磨粒子表面に塗布されるスーパーサイズコート中で使用される。しかし場合により、研磨助剤はサイズコートに添加される。典型的に被覆研磨物品中に組み込まれる研磨助剤の量は、約50〜300g/m(望ましくは、約80〜160g/m)である。ガラス状結合研磨物品中では、典型的に研磨助剤が物品の孔隙内に含浸される。
【0117】
研磨物品は、本発明に従った研磨粒子を100%、またはこのような研磨粒子とその他の研磨粒子および/または希釈粒子との配合物を含有できる。しかし研磨物品中の少なくとも約2重量%、望ましくは少なくとも約5重量%、およびより望ましくは約30〜100重量%の研磨粒子は、本発明の方法に従って製造されるセラミック研磨粒子であるべきである。場合によっては本発明に従って製造される研磨粒子は、5対75重量%、約25対75重量%、約40対60重量%、または約50対50重量%(すなわち重量で等量)の間の比率で、別の研磨粒子および/または希釈粒子と混合されても良い。適切な従来の研磨粒子の例としては、融合酸化アルミニウム(白色融合アルミナ、熱処理酸化アルミニウム、および褐色酸化アルミニウムをはじめとする)、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、ダイヤモンド、立方ホウ素窒化物、ガーネット、融合したアルミナ−ジルコニア、およびゾル−ゲル由来研磨粒子などが挙げられる。ゾル−ゲル由来研磨粒子は、シード添加されてもされなくても良い。同様にゾル−ゲル由来研磨粒子は、ランダムな形状でもまたはロッドまたは三角形などのそれらと結びついた形状を有しても良い。ゾル−ゲル研磨粒子の例としては、ライセイセル(Leitheiser)らの米国特許第4,314,827号明細書、ライセイセル(Leitheiser)らの米国特許第4,518,397号明細書、コットリンガー(Cottringer)らの米国特許第4,623,364号明細書、シュバーベル(Schwabel)の米国特許第4,744,802号明細書、モンロー(Monroe)らの米国特許第4,770,671号明細書、ウッド(Wood)らの米国特許第4,881,951号明細書、ウォールド(Wald)らの米国特許第5,011,508号明細書、ペロー(Pellow)の米国特許第5,090,968号明細書、ウッド(Wood)の米国特許第5,139,978号明細書、バーグ(Berg)らの米国特許第5,201,916号明細書、バウアー(Bauer)の米国特許第5,227,104号明細書、ローベンホルスト(Rowenhorst)の米国特許第5,366,523ら号明細書、ラーミー(Larmie)の5,429,647号明細書、ラーミー(Larmie)の米国特許第5,498,269号明細書、およびラーミー(Larmie)の5,551,963号明細書で述べられるものが挙げられる。アルミナ粉末を原材料源として使用して製造される焼結アルミナ研磨粒子についてさらに詳しくは、例えばファルツ(Falz)の米国特許第5,259,147号明細書、モンロー(Monroe)の米国特許第5,593,467号明細書、およびモルトゲン(Moltgen)の米国特許第5,665,127号明細書にもある。融合研磨粒子についてより詳しくは、例えばコールター(Coulter)の米国特許第1,161,620号明細書、トーン(Tone)の米国特許第1,192,709号明細書、サンダース(Saunders)らの米国特許第1,247,337号明細書、アレン(Allen)の米国特許第1,268,533号明細書、およびバウマン(Baumann)らの米国特許第2,424,645号明細書、ラウズ(Rowse)らの米国特許第3,891,408号明細書、ペット(Pett)らの米国特許第3,781,172号明細書、キナン(Quinan)らの米国特許第3,893,826号明細書、ワトソン(Watson)の米国特許第4,126,429号明細書、プーン(Poon)らの米国特許第4,457,767号明細書、デュボッツ(Dubots)らの米国特許第5,023,212号明細書、ギブソン(Gibson)らの米国特許第5,143,522号明細書、およびデュボッツ(Dubots)らの米国特許第5,336,280号明細書、それぞれ2000年2月2日に出願された米国特許出願第09/495,978号明細書、同09/496,422号明細書、同09/496,638号明細書、および同09/496,713号明細書を有する出願、それぞれ2000年7月19日に出願された米国特許出願第09/618,876号明細書、同09/618,879号明細書、同09/619,106号明細書、同09/619,191号明細書、同09/619,192号明細書、同09/619,215号明細書、同09/619,289号明細書、同09/619,563号明細書、同09/619,729号明細書、同09/619,744号明細書、および同09/620,262号明細書を有する出願、2000年11月2日に出願された米国特許出願第09/704,843号明細書を有する出願、2001年1月30日に出願された米国特許出願第09/772,730号明細書を有する出願にある。セラミック研磨粒子についてより詳しくは、例えば2001年8月2日に出願され、現在は放棄された米国特許出願第09/922,526号明細書、同09/922,527号明細書、同09/922,528号明細書、および同09/922,530号明細書を有する出願、それぞれ2002年8月2日に出願された米国特許出願第10/211,597号明細書、同10/211,638号明細書、同10/211,629号明細書、同10/211,598号明細書、同10/211,630号明細書、同10/211,639号明細書、同10/211,034号明細書、同10/211,044号明細書、同10/211,628号明細書、同10/211,491号明細書、同10/211,640号明細書、および同10/211,684号明細書を有する出願、および本願と同日出願の米国特許出願第10/358,910号明細書、同10/358,855号明細書、同10/358,772号明細書、および同10/358,765号明細書を有する出願にある。場合によっては、研磨粒子配合物は、いずれかのタイプの研磨粒子を100%含んでなる研磨物品と比べて、改善された研磨性能を示す研磨物品をもたらすかもしれない。
【0118】
研磨粒子の配合物がある場合、配合物を形成する研磨粒子タイプは、同一サイズであっても良い。代案としては、研磨粒子タイプは異なる粒度であっても良い。例えばより大きなサイズの研磨粒子が本発明に従って製造される研磨粒子であり、より小さなサイズの粒子が別の研磨粒子タイプであっても良い。反対に、例えばより小さなサイズの研磨粒子が本発明に従って製造される研磨粒子であり、より大なサイズの粒子が別の研磨粒子タイプであっても良い。
【0119】
適切な希釈粒子の例としては、大理石、石膏、フリント、シリカ、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、ガラス(ガラスバブル、およびガラスビーズをはじめとする)、アルミナバブル、アルミナビーズおよび希釈凝集物が挙げられる。本発明に従って製造される研磨粒子はまた、研磨剤合体物中にまたはそれと共に組み合わせても良い。研磨剤凝集粒子は、典型的に複数の研磨粒子、バインダー、および任意の添加剤を含んでなる。バインダーは、有機および/または無機であっても良い。研磨剤凝集物は、ランダム形状でもまたはそれらと結びついた形状を有しても良い。形状は、ブロック、円柱、錐体、コイン、四角などであっても良い。研磨剤凝集物粒子は、典型的に約100〜約5000μm、典型的に約250〜約2500μmの範囲の粒度を有する。研磨剤凝集粒子についてより詳しくは、例えばクレズナー(Kressner)の米国特許第4,311,489号明細書、ブロッヒャー(Bloecher)らの米国特許第4,652,275号明細書、ブロッヒャー(Bloecher)らの米国特許第4,799,939号明細書、ホームズ(Holmes)らの米国特許第5,549,962号明細書、およびクリスチャンソン(Christianson)の米国特許第5,975,988号明細書、および2000年10月16日に出願された米国特許出願第09/688,444号明細書および同09/688,484号明細書を有する出願、2000年10月16日に出願された米国特許出願第09/688,444号明細書、同09/688,484号明細書、同09/688,486号明細書を有する出願、および2001年10月5日に出願された米国特許出願第09/971,899号明細書、同09/972,315号明細書、および同09/972,316号明細書を有する出願にある。
【0120】
研磨粒子は、研磨物品中に均一に分布しても、または研磨物品中の選択された領域または部分に集中しても良い。例えば被覆された研磨剤中に、研磨粒子の2つの層があっても良い。第1の層は、本発明の方法に従って製造される研磨粒子以外の研磨粒子を含んでなり、第2の(最も外側の)層は、本発明に従って製造される研磨粒子を含んでなる。同様に結合研磨剤中に、研磨ホイールの2つの明確なセクションがあっても良い。最も外側のセクションが本発明に従って製造される研磨粒子を含んでなるのに対し、最も内側のセクションは含まなくても良い。代案としては、本発明に従って製造される研磨粒子は、結合研磨物品全体に均一に分布しても良い。
【0121】
被覆研磨物品についてより詳しくは、例えばブロバーグ(Broberg)の米国特許第4,734,104号明細書、ラーキー(Larkey)の米国特許第4,737,163号明細書、ブキャナン(Buchanan)らの米国特許第5,203,884号明細書、ピーパー(Pieper)らの米国特許第5,152,917号明細書、カラー(Culler)らの米国特許第5,378,251号明細書、スタウト(Stout)らの米国特許第5,417,726号明細書、フォレット(Follett)らの米国特許第5,436,063号明細書、ブロバーグ(Broberg)らの米国特許第5,496,386号明細書、ベネディクト(Benedict)らの米国特許第5,609,706号明細書、ヘルミン(Helmin)の米国特許第5,520,711号明細書、ロウ(Law)らの米国特許第5,954,844号明細書、ガグリアルディ(Gagliardi)らの米国特許第5,961,674号明細書、およびクリスチャンソン(Christianson)の米国特許第5,975,988号明細書にある。結合研磨物品についてより詳しくは、例えばリュ(Rue)の米国特許第4,543,107号明細書、ナヤラナン(Narayanan)らの米国特許第4,741,743号明細書、ヘインズ(Haynes)らの米国特許第4,800,685号明細書、ヘイ(Hay)らの米国特許第4,898,597号明細書、マルコフ−メセニー(Markhoff−Matheny)らの米国特許第4,997,461号明細書、ナヤラナン(Narayanan)らの米国特許第5,037,453号明細書、ナヤラナン(Narayanan)らの米国特許第5,110,332号明細書、およびキ(Qi)らの米国特許第5,863,308号明細書にある。ガラス状結合研磨剤についてより詳しくは、例えばリュ(Rue)の米国特許第4,543,107号明細書、ヘイ(Hay)らの米国特許第4,898,597号明細書、マルコフ−メセニー(Markhoff−Matheny)らの米国特許第4,997,461号明細書、ジャイルズ・ジュニア(Giles Jr.)らの米国特許第5,094,672号明細書、シェルドン(Sheldon)らの米国特許第5,118,326号明細書、シェルドン(Sheldon)らの米国特許第5,131,926号明細書、シェルドン(Sheldon)らの米国特許第5,203,886号明細書、ウッド(Wood)らの米国特許第5,282,875号明細書、ウ(Wu)らの米国特許第5,738,696号明細書、およびキ(Qi)の米国特許第5,863,308号明細書にある。不織研磨物品についてより詳しくは、例えばフーバー(Hoover)らの米国特許第2,958,593号明細書にある。
【0122】
本発明は、本発明に従って製造される少なくとも1つの研磨粒子とワークピース表面とを接触させるステップと、少なくとも1つの研磨粒子または接触させた表面を移動して、少なくとも一部の前記表面を研磨粒子で研磨するステップを含んでなる、表面を研磨する方法を提供する。本発明に従って製造される研磨粒子によって研磨する方法は、ばりすり(すなわち高圧力高素材除去)から研磨(例えば被覆された研磨ベルトによる医学的インプラントの研磨)の範囲にわたり、後者は典型的に、より細かい等級の(例えばANSI 220およびそれより細かい)研磨粒子で行われる。研磨粒子はまた、ガラス状結合ホイールで、カム軸を研磨するなどの精密研磨用途において使用されても良い。特定の研磨用途のために使用される研磨粒子のサイズは、当業者には明らかである。
【0123】
本発明に従って製造される研磨粒子による研磨は、湿潤または乾燥で実施しても良い。湿潤研磨では、液体を軽いミストから完全なフラッド(flood)に至る形態で導入または提供しても良い。一般に使用される液体の例としては、水、水溶性油、有機潤滑剤、およびエマルジョンが挙げられる。液体は研磨に伴う熱を低下させる役割を果たしても、および/または潤滑剤として作用しても良い。液体は、殺菌薬、消泡剤などの少量の添加剤を含有しても良い。
【0124】
本発明に従って製造される研磨粒子は、例えばアルミニウム金属、炭素鋼、軟鋼、工具鋼、ステンレス鋼、硬化鋼、チタン、ガラス、セラミック、木材、木材様材料(例えば合板およびパーティクルボード)、塗料、塗装面、有機被覆面などのワークピースを研磨するのに有用かもしれない。研磨中にかけられる力は、典型的に約1〜約100kgの範囲である。
【0125】
以下の実施例によって本発明の利点および実施形態をさらに例証するが、これらの実施例で述べられるそれらの特定の材料および量、ならびにその他の条件および詳細は、本発明を不当に制限するものではない。特に断りのない限り、あらゆる部および百分率は重量による。特に断りのない限り、全ての実施例は顕著な量のSiO、B、P、GeO、TeO、As、およびVを含有しない。
【実施例】
【0126】
実施例1
250mlのポリエチレンボトル(7.3cm直径)に、50gの様々な粉末の混合物(表1(下)中のそれぞれの実施例で規定されるように、表2(下)に列挙される原材料源を使用して)、75gのイソプロピルアルコール、およびコロラド州ゴールデンのクアーズ(Coors(Golden、CO)から得られた200gのアルミナ磨砕メディア(円柱状の形状、高さおよび直径のどちらも0.635cm、アルミナ99.9%)を装入した。ポリエチレンボトルの内容を毎分回転数60(rpm)で16時間ミル粉砕した。ミル粉砕後、磨砕メディアを除去し、スラリーを暖かい(約75℃)ガラス(「パイレックス(PYREX)」)皿上に層をなして注いで、乾燥および冷却させた。比較的薄いスラリーの材料層(すなわち約3mm厚さ)と暖かい皿のために、スラリーは5分間以内にケークを形成して約30分間乾燥した。乾燥した材料を塗料ブラシの助けを借りて70メッシュのふるい(212μm開口寸法)を通して濾してすり砕いた。
【0127】
表1

すなわち、金属AlをAlに変換した場合の酸化物の相対量
【0128】
表2

【0129】
得られるふるい分けされた粒子を水素/酸素トーチフレーム内に緩慢に(約0.5g/分)供給し、それは粒子を溶融して、それらを連続的に循環する乱流水(20℃)の19L(5ガロン)円柱状容器(30センチメートル(cm)直径×34cm高さ)内に直接移動させ、溶融液滴を迅速にクエンチした。トーチは、ペンシルベニア州ヘラータウンのベスレヘム・アパレタス(Bethlehem Apparatus Co.(Hellertown、PA))から得られたベスレヘム(Bethlehem)ベンチ・バーナーPM2DモデルBであった。トーチの水素および酸素流速は、以下の通りであった。内輪では、水素流速は8標準リットル/分(SLPM)で、酸素流速は3.5SLPMであった。外輪では、水素流速は23SLPMで、酸素流速は12SLPMであった。フレームが水にあたる角度は約45°であり、バーナーから水表面までのフレーム長は約18センチメートル(cm)であった。得られた(クエンチされた)ビーズを皿の中に収集し、乾燥するまで(約30分間)電気加熱炉内で110℃で乾燥した。ビーズは形状が球状であり、サイズが数μmから約250μmまでの間で変動し、透明(すなわち非晶質)および/または不透明(すなわち結晶性)のいずれかで、サンプル内で変動した。非晶質材料(ガラス状材料をはじめとする)は、結晶境界などの光拡散中心の欠如のために典型的に大部分透明であるのに対し、結晶性粒子は結晶境界の光拡散効果のために不透明である。示差熱分析(DTA)によって非晶質でありガラスであることが証明されるまで、透明なフレーム形成ビーズは非晶質のみであると見なされた。
【0130】
−100+120メッシュサイズ画分(すなわち150μm開口寸法のふるいから125μm開口寸法のふるいの間で収集された画分)を使用して、得られたフレーム形成ビーズから%非晶質の収率を計算した。測定を以下のようにして実施した。ビーズ単層をガラススライド上に広げた。光学顕微鏡を使用して、ビーズを観察した。光学顕微鏡接眼鏡の十字形をガイドとして使用して、直線に沿った十字形と共存して水平に並ぶビーズをそれらの光学透明度次第で非晶質または結晶性のいずれかで計数した。合計500個のビーズを計数し、計数された全ビーズ数で割った非晶質のビーズの量によって%非晶質の収率を判定した。
【0131】
相組成(ガラス/非晶質/結晶性)を示差熱分析(DTA)を通じて判定した。対応する材料のDTAトレースが発熱結晶化事象(T)を含む場合、材料を非晶質として分類した。また同一トレースがTよりも低い温度での吸熱事象(T)も含む場合、ガラス相からなると見なした。材料のDTAトレースがこのような事象を含まない場合、結晶相を含有すると見なした。
【0132】
以下の方法を使用して、実施例1のビーズについて示差熱分析(DTA)を実施した。DTAランは、商品名「NETZSCH STA 409 DTA/TGA」の下にドイツ国セルブのネッチ(Netzsch Instruments(Selb、Germany)から得られた機器を使用して、−140+170メッシュサイズ画分(すなわち105μm開口寸法のふるいと90μm開口寸法のふるいの間で収集された画分)を使用して実施した。一定量のそれぞれのふるい分けされたサンプルを100μLのAlサンプルホルダーに入れた。それぞれのサンプルを静止空気中で、10℃/分の速度で室温(約25℃)から1100℃に加熱した。
【0133】
図5に示す実施例1で調製されたビーズのDTAトレースは、トレース曲線の下向き変化によって明示されるように、約894℃における吸熱事象を示した。この事象はガラス材料のガラス遷移(T)によるものと考えられる。同一材料は、トレース中の鋭角ピークによって明示されるように、温度約932℃で発熱事象を示した。この事象は材料の結晶化(T)によるものと考えられる。したがって材料はガラスと見なされた。
【0134】
実施例1で調製された約5gのガラスビーズを電気加熱炉内において、1250℃で15分間熱処理して結晶化した。得られた熱処理ビーズは光学顕微鏡を使用した観察で不透明であった(加熱処理前にビーズは透明であった)。熱処理ビーズの不透明度は、少なくともガラスの一部分の結晶化の結果であると考えられる。ガラス状材料は、結晶境界などの光拡散中心の欠如のために典型的に大部分透明であるのに対し、結晶性材料は結晶境界の光拡散効果のために不透明である。
【0135】
イリノイ州レイクブラフのビューラー(Buehler(Lake Bluff、IL)から商品名「トランスオプティックパウダー(TRANSOPTIC POWDER)」の下に得られた直径約2.5cmおよび高さ約1.9cmの樹脂の円柱である取り付け樹脂に、結晶化ビーズをマウントした。ポリッシャ(イリノイ州レイクブラフのビューラー(Buehler(Lake Bluff、IL)から商品名「エコメット(ECOMET)3」の下に得られたものなど)を使用した従来の研磨技術を使用して、マウントされたセクションを調製した。サンプルをダイヤモンドホイールで約3分間研磨し、続いてそれぞれ45、30、15、9、3、および1μmのスラリーで5分間研磨した。微小硬度測定は、ビッカース圧子を装着した従来の微小硬度試験器(日本国東京のミツトヨ(Mitutoyo Corporation(Tokyo、Japan))から商品名「MITUTOYO MVK−VL」の下に得られたものなど)を使用して、100gの圧入負荷圧入負荷を使用して行う。微小硬度測定は、ASTM試験法E384、材料の微小硬度試験法(1991)で述べられるガイドラインに従って行う。平均10回の測定に基づく実施例1の平均硬度は、18.8GPaであった。
【0136】
硬度測定に使用したマウントされ研磨されたサンプルに、金−パラジウムの薄層をスパッターして、マサチューセッツ州ピーボディのJEOL(JEOL(Peabody、MA))からの走査型電子顕微鏡(モデルJSM 840A)を使用して調べた。平均粒度は、ASTM基準E112−96「平均粒度測定のための標準試験法」に従ったライン切片法によって測定した。サンプル中に見られる微細構造の典型的な後方散乱電子(BSE)顕微鏡写真を使用して、以下のようにして平均粒度を測定した。顕微鏡写真を横切って引いたランダムな線の単位長さ(N)あたりの交差する粒子数を計数した。次に平均微結晶サイズは、以下の式:
【数2】

(式中、Nは単位長さ毎に交差する微結晶数であり、Mは顕微鏡写真の倍率である)を使用してこの数から求めた。
【0137】
実施例1で測定された平均微結晶サイズは142nmであった。
【0138】
実施例2〜3
使用した原材料の量が下の表3に列挙するようであり、ジルコニア(ZrO)粒子(平均粒度2μm)がジョージア州マリエッタのジルコニアセールス(Zirconia Sales、Inc.(Marietta、GA))から商品名「DK−2」の下に得られたこと以外は、実施例1で上述したようにして実施例2〜3のビーズを調製した。
【0139】
表3

すなわち、金属AlをAlに変換した場合の酸化物の相対量
【0140】
上の実施例1で述べたようにして、得られたフレーム形成ビーズから%非晶質収率を計算した。上の実施例1で述べたようにしてDTAを実施した。%非晶質収率データ、ガラス遷移温度(T)、および結晶化温度(T)を上の表3に報告する。
【0141】
約5gの実施例2および3のガラスビーズを大気圧(すなわち、約1気圧)において、電気加熱炉内で1250℃で15分間熱処理して結晶化した。得られた熱処理ビーズは光学顕微鏡を使用した観察で不透明であった(加熱処理前にビーズは透明であった)。熱処理ビーズの不透明度は、少なくともガラスの一部分の結晶化の結果であると考えられる。
【0142】
実施例2および3それぞれの平均硬度および平均微結晶サイズを実施例1(上)で述べたようにして測定し、下の表4で報告する。
【0143】
表4

【0144】
実施例4〜7
使用した原材料量が下の表5に報告されるようであり、原材料源が下の表6に報告されるようである以外は、実施例1で上述したようにして、実施例4〜7のビーズを調製した。実施例4〜7は同一組成物を有するが、異なる平均粒度を有する異なるシリカ源を有する。
【0145】
表5

すなわち、金属AlをAlに変換した場合の酸化物の相対量
【0146】
表6

【0147】
上の実施例1で述べたようにして、%非晶質の収率を得られたフレーム形成ビーズから計算した。上の実施例1で述べたようにしてDTAを実施した。実施例4〜7のガラス遷移温度(T)および結晶化温度(T)を上の表5に報告する。%非晶質の収率データを下の表7に報告する。
【0148】
表7

【0149】
表7(上)について述べると、実施例4〜7の非晶質収率は同様であったが、実施例4および5は、実施例6および7と比べてどちらもより多量の粗粒ガラスビーズを生じたことが観察された。理論による拘束は意図しないが、実施例6および7で使用されたSiO源のより大きい粒度は、フレーム中で供給粒子のより小さい粒子への割れを引き起こしたと考えられる。理論による拘束は意図しないが、SiO粒子のより大きい粒度が(不均一な膨張、伝導性のために)熱応力をもたらして割れを引き起こし、不均一な溶融をも引き起こしたかもしれないと考えられる。この効果は、SiO源の粒度が50μmより大きい場合により顕著であることが観察された。さらにSiO粒子の粒度が約5nm未満の場合、SiO供給粒子は取り扱いがより困難であることが観察された(すなわち供給粒子の流れ特性が望ましくない傾向があった)。
【0150】
本発明の範囲と精神を逸脱しない本発明の様々な修正と変更は、当業者には明らかであり、本発明はここで述べる例証的な実施形態によって不当に制限されないものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明に従った研磨粒子を含む、被覆研磨物品の断片的横断面概略図である。
【図2】本発明に従った研磨粒子を含む、結合研磨物品の斜視図である。
【図3】本発明に従った研磨粒子を含む、不織研磨物品の拡大概略図である。
【図4】本発明の実施形態を実施するための例示的なプラズマスプレー装置概略図である。
【図5】実施例1で調製された材料のDTAである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともAl源および微粒子SiO源をフレームまたはプラズマの1つの中に供給して溶融物を提供するステップと、
前記溶融物を冷却してガラスを提供するステップと、
を含んでなるガラスを製造する方法であって、
前記ガラスが、前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも60重量%のA1および0.5〜10重量%の範囲内のSiO、および合計で10重量%以下のAs、B、GeO、P、SiO、TeO、およびVを含んでなり、
前記微粒子SiOが5nm〜50μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、方法。
【請求項2】
少なくとも95重量%の前記微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ガラスがY、CeO、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Pr11、Sm、Tb、Th、Tm、Yb、MgO、TiO、Cr、CuO、ZrO、SrO、LiO、NiO、ZrO、およびFeよりなる群から選択される少なくとも1つの金属酸化物さらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも60重量%のAlを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも70重量%のAlを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも80重量%のAlを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして0.5〜5重量%の範囲のSiOを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ガラスを熱処理して、少なくとも前記ガラスの一部分をガラス−セラミックに変換するステップをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ガラスが、Y、CeO、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Pr11、Sm、Tb、Th、Tm、Yb、MgO、TiO、Cr、CuO、ZrO、SrO、LiO、NiO、ZrO、およびFeよりなる群から選択される少なくとも1つの金属酸化物をさらに含んでなる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも60重量%のAlを含んでなる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも70重量%のAlを含んでなる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも80重量%のAlを含んでなる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして0.5〜5重量%の範囲のSiOを含んでなる、請求項9に記載の方法、
【請求項15】
前記ガラスがガラス粒子の形態であり、前記方法が前記ガラスを熱処理して、少なくとも前記ガラスの一部分を前記ガラス−セラミックに変換するステップをさらに含んでなり、研磨粒子を提供する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記研磨粒子を等級付けして、規定の公称等級を有する複数の研磨粒子を提供するステップをさらに含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
熱処理される前記ガラス粒子が規定の公称等級を有する複数の粒子として提供され、少なくとも一部の前記粒子が前記複数のガラス粒子である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記研磨粒子を研磨物品に組み込むステップをさらに含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ガラスを熱処理して少なくとも前記ガラスの一部分をガラス−セラミックに変換するステップと、前記ガラス−セラミックを粉砕して前記研磨粒子を提供するステップとをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記研磨粒子を等級付けして、規定の公称等級を有する複数の研磨粒子を提供するステップをさらに含んでなる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記研磨粒子を研磨物品に組み込むステップをさらに含んでなる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくともAl源および微粒子SiO源が前記フレーム中に供給されて前記溶融物を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくともAl源および微粒子SiO源が前記プラズマ中に供給されて前記溶融物を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
少なくともAl源および微粒子SiO源をフレームまたはプラズマの1つの中に供給して溶融物を提供するステップと、
前記溶融物を冷却してガラスビーズを提供するステップと、
前記ガラスビーズが合体して形状を形成するようにガラスビーズをTを超えて加熱するステップと、
前記合体した形状を冷却してガラス物品を提供するステップと
を含んでなる物品を製造する方法であって、
前記微粒子SiOが5nm〜50μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有し、
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも60重量%のA1、0.5〜10重量%の範囲内のSiO、および合計で10重量%以下のAs、B、GeO、P、SiO、TeO、およびVを含んでなり、前記ガラスがTを有する、方法。
【請求項25】
少なくとも95重量%の前記微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記ガラス物品を熱処理して少なくとも前記ガラスの一部分をガラス−セラミックに変換し、前記ガラス−セラミック物品を提供するステップをさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
少なくともAl源および微粒子SiO源をフレームまたはプラズマの1つの中に供給して溶融物を提供するステップと、
前記溶融物を冷却してガラスビーズを提供するステップと、
前記ガラスビーズを粉砕してガラス粉末を提供するステップと、
前記ガラス粉末が合体して形状を形成するように前記ガラス粉末をTを超えて加熱するステップと、
前記合体した形状を冷却してガラス物品を提供するステップと、
を含んでなる物品を製造する方法であって、
前記微粒子SiOが5nm〜50μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有し、
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも60重量%のA1、0.5〜10重量%の範囲内のSiO、および合計で10重量%以下のAs、B、GeO、P、SiO、TeO、およびVを含んでなり、前記ガラスが前記Tを有する、方法。
【請求項29】
少なくとも95重量%の前記微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ガラス物品を熱処理して少なくとも前記ガラスの一部分をガラス−セラミックに変換するステップと、ガラス−セラミック物品を提供するステップとをさらに含んでなる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
少なくともAl源および微粒子SiO源をフレームまたはプラズマの1つの中に供給して溶融物を提供するステップと、
前記溶融物を冷却してガラスビーズを提供するステップと、
前記ビーズを粉砕してガラス粉末を提供するステップと、
前記ガラス粉末が合体して形状を形成するように前記ガラス粉末をTを超えて加熱するステップと、
前記合体した形状を冷却して前記ガラス物品を提供するステップと
を含んでなる物品を製造する方法であって、
前記微粒子SiOが5nm〜50μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有し、
前記ガラスが前記ガラスの総重量を基準にして少なくとも60重量%のA1、0.5〜10重量%の範囲内のSiO、および合計で10重量%以下のAs、B、GeO、P、SiO、TeO、およびVを含んでなり、前記ガラスが前記Tを有する、方法。
【請求項33】
少なくとも95重量%の前記微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記ガラス物品を熱処理して少なくとも前記ガラスの一部分をガラス−セラミックに変換し、ガラス−セラミック物品を提供するステップをさらに含んでなる、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも95重量%の前記微粒子SiO源が5nm〜50μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の平均粒度を有し、少なくとも90重量%の前記微粒子SiO源が10nm〜20μmの範囲内の少なくとも1つの粒度を有する、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−516523(P2006−516523A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568340(P2004−568340)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/040985
【国際公開番号】WO2004/071976
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
パイレックス
PYREX
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】