説明

アルミニウム箔樹脂積層体およびその製造方法

【課題】厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔を備えたアルミニウム箔樹脂積層体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム箔樹脂積層体の製造方法は、樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが5.0μm以上300.0μm以下、引張強度が60N/mm2以上260N/mm2以下、伸び率が0.7%以上のアルミニウム箔を固着させて積層体を得る固着工程と、15%以上の圧下率で上記の積層体を圧延する圧延工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはアルミニウム箔樹脂積層体およびその製造方法に関し、特定的には、食品、化成品、医療材料等を包装する包装材料、または、電子部品を保護する外装材等に用いられるアルミニウム箔樹脂積層体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品、化成品、医療材料等を包装する包装材料、電池要素等の電子部品を保護する外装材として、基材である樹脂フィルムにアルミニウム層を積層した積層体が用いられている。
【0003】
たとえば、特開2007‐294382号公報(以下、特許文献1という)には、樹脂フィルムにアルミニウム箔を貼り合わせた積層体からなるリチウムイオン電池用包装材料が開示されている。また、特開2010−280122号公報(以下、特許文献2という)には、樹脂フィルムにアルミニウム蒸着層を積層した包装材料用のプラスチックフィルム積層体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐294382号公報
【特許文献2】特開2010−280122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された積層体では、厚みが5μm未満のアルミニウム箔を圧延加工によって得ることが困難であるので、樹脂フィルムに厚みが5μm未満のアルミニウム箔を貼り合わせた積層体を得ることができないという問題がある。また、特許文献2に開示された積層体では、厚みが0.5μm以上のアルミニウム蒸着層を形成するには長時間の蒸着工程が必要になるために製造コストが高くなるだけでなく、長時間の蒸着工程によって樹脂フィルム基材が熱収縮するために柔軟性と耐衝撃性が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔を備えたアルミニウム箔樹脂積層体およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従ったアルミニウム箔樹脂積層体の製造方法は、樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが5.0μm以上300.0μm以下、引張強度が60N/mm2以上260N/mm2以下、伸び率が0.7%以上のアルミニウム箔を固着させて積層体を得る固着工程と、15%以上の圧下率で上記の積層体を圧延する圧延工程とを備える。
【0008】
本発明のアルミニウム箔樹脂積層体の製造方法において、樹脂フィルムは、エチレンアクリル酸共重合体、アイオノマー、カルボキシル変性ポリエチレン、カルボキシル変性ポリプロピレン、および、ポリオレフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0009】
また、本発明のアルミニウム箔樹脂積層体の製造方法において、樹脂フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、塩化ビニルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0010】
上記の場合、固着工程は、樹脂フィルムとアルミニウム箔とを、接着剤を介在させて固着することを含むことが好ましい。
【0011】
本発明に従ったアルミニウム箔樹脂積層体は、上述のいずれかの特徴を有する製造方法によって製造され、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔を備える。
【0012】
なお、本発明のアルミニウム箔樹脂積層体は、樹脂フィルムと、この樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に固着された、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔とを備える。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の製造方法によれば、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔を備えたアルミニウム箔樹脂積層体を得ることができる。積層体を構成するアルミニウム箔の厚みが5.0μm未満であるので、アルミニウム箔樹脂積層体にプレス加工等の成形加工を施して所望の形状にする場合の成形性を向上させることができる。また、アルミニウム箔の厚みが5μm未満になっても、アルミニウム箔が樹脂フィルムに固着されているので、アルミニウム箔に破れ、ピンホールまたはしわの発生を抑えることができる。さらに、本発明によれば、アルミニウム蒸着層を備えた積層体に比べて、ガスバリア性、耐水性および伸び率が高いアルミニウム箔樹脂積層体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明の実施の形態としてのアルミニウム箔樹脂積層体の製造方法は、樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが5.0μm以上300.0μm以下、引張強度が60N/mm2以上260N/mm2以下、伸び率が0.7%以上のアルミニウム箔を固着させて積層体を得る固着工程と、15%以上の圧下率で上記の積層体を圧延する圧延工程とを備える。
【0015】
上記のアルミニウム箔は、純アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔のいずれであってもよく、純アルミニウム(JIS(AA)1000系、たとえば1N30,1N70など)、Al−Fe系合金(同8000系、たとえば8021,8079など)等の材質からなるのが好ましい。アルミニウム箔に含まれるFe、Si、Cu、Ni、Cr、Ti、Zr、ZN、MN、Mg、Ga等の成分については、JIS等で規定されている公知の含有量の範囲内であればよい。アルミニウム箔は、比抵抗が2.9μΩ・cm以上5.5μΩ・cm以下であることが好ましい。また、アルミニウム箔は、軟質材または半軟材であることが好ましく、必要に応じ、公知の方法で型付け、脱脂、洗浄、アンカーコート、オーバーコート、表面処理等を施してもよい。また、JIS(AA)3003、3004等の硬質アルミニウム箔も、焼鈍し等の熱処理によって軟化することにより用いることができる。
【0016】
樹脂フィルムは、エチレンアクリル酸共重合体、アイオノマー、カルボキシル変性ポリエチレン、カルボキシル変性ポリプロピレン、および、ポリオレフィンのうち、1種または2種以上からなることが好ましい。これらの樹脂は、アルミニウム箔に固着させるために接着剤を必ずしも必要としない。樹脂フィルムに上記の接着性樹脂を用いることにより、積層体の強度、耐突き刺し性、耐水性等を高めることができる。
【0017】
樹脂フィルムに上記の接着性樹脂を用いる場合、樹脂フィルムの両面にアルミニウム箔を貼り合わせて固着しなければ、その後の圧延工程でローラに貼り付きが生じる場合がある。そこで、アルミニウム箔と樹脂フィルムは、接着剤を介して積層されていてもよい。すなわち、アルミニウム箔を貼り合わせる樹脂フィルムの面にのみ接着剤を塗布することによって、圧延工程におけるローラへの貼り付きを防ぐことができる。
【0018】
樹脂フィルムに非接着性樹脂を用いて、接着剤を介して樹脂フィルムとアルミニウム箔とを積層する場合は、樹脂フィルムに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、塩化ビニルのうち、1種または2種以上を用いることができる。このような樹脂を樹脂フィルムに用いることによって、樹脂フィルムの片面のみにアルミニウム箔を貼り合わせて固着する場合でも、圧延工程においてローラに樹脂フィルムが貼り付くことを防ぐことができる。これらの樹脂の中でも、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体は成形性が良いため好ましい。
【0019】
なお、上記の接着剤には、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂のうち、1種または2種以上を用いることができる。具体的には、接着剤として、たとえば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖線状ポリエチレン、飽和ポリエステル、線状飽和ポリエステル、無延伸ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、アイオノマー、エチレン−エチルアクリレート、無水マレイン酸三元共重合体、ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボン酸変性ポリエチレン−酢酸ビニル、塩化ビニル、ポリスチレン等が挙げられる。これらの接着剤は1種または2種以上で用いることができる。これらの中でも特にカルボン酸変性ポリエチレンを好適に用いることができる。
【0020】
アルミニウム箔と樹脂フィルムとを貼り合わせて固着する方法は、特に限定されないが、公知の方法を適用することができる。たとえば、ポリエステルウレタン系、ポリエステル系等の2液硬化型接着剤を用いるドライラミネーション法、共押し出し法、押し出しコート法、押し出しラミネート法、ヒートシール法、アンカーコート剤を用いるヒートラミネーション法等が挙げられる。
【0021】
圧延工程では、積層体を15%以上の圧下率で圧下する。圧延前のアルミニウム箔の組成または厚み、あるいは、圧延後の所望のアルミニウム箔の厚みにもよるが、圧下率は30%以上70%未満であることが好ましい。圧下率が75%以上では、アルミニウム箔の破れ、ピンホールまたはシワの発生が生じるおそれがあるためである。
【0022】
また、樹脂フィルムに貼り合わせて固着されるアルミニウム箔は、引張強度が60N/mm2以上260N/mm2以下で伸び率が0.7%以上である。このようなアルミニウム箔を用いることによって、樹脂フィルムと貼り合わせて固着された後に圧延加工を施すと、アルミニウム箔と樹脂フィルムとが同程度に伸張し、アルミニウム箔と樹脂フィルムとの接着ズレが生じにくい。引張強度が60N/mm2未満のアルミニウム箔、または、引張強度が260N/mm2を超えるアルミニウム箔では、圧延工程においてアルミニウム箔が割れる場合がある。樹脂フィルムに貼り合わせて固着されるアルミニウム箔は、伸び率が4.2%以上であることが好ましい。この場合、圧延工程においてアルミニウム箔にひび割れが生じない。
【0023】
さらに、アルミニウム箔に貼り合わせて固着される樹脂フィルムは、引張強度が10N/mm2以上で伸び率が100%以上であることが好ましい。樹脂フィルムの伸び率が100%未満であると、圧延工程においてアルミニウム箔の圧下が妨げられ、アルミニウム箔にシワまたは破れが生じるおそれがある。また、樹脂フィルムの引張強度が10N/mm2未満あると、圧延工程において破断するおそれがある。
【0024】
なお、本発明の製造方法によって得られたアルミニウム箔樹脂積層体は、樹脂フィルムと、樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に固着された、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔とを備えている。アルミニウム箔が樹脂フィルムの一方の面に固着されていれば、耐候性、耐光性、ガスバリア性を備えることができるが、アルミニウム箔が樹脂フィルムの両方の面に固着されていれば、より高い耐候性、耐光性、ガスバリア性を備えることができる。積層体には、アルミニウム箔と樹脂フィルム以外に、必要に応じて他の材料、たとえば薄紙等を積層させてもよく、また、蒸着層もしくはキーラッカー(KL)層等の公知の被膜層、コート層、または着色層を積層させてもよい。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実施例と比較例について説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
JIS−Z2241(金属材料引張試験方法)に基づく引張試験において、東洋精器株式会社製ストログラフを用いた引張速度2mm/分の引張強度(以下、引張強度という)が66.1N/mm2、0.2%耐力(以下、耐力という)が35.9N/mm2、伸び率が4.2%、厚みが15μmの1N30軟質アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を、押し出しラミネートによって、厚みが30μmのエチレンアクリル酸共重合体に貼り合わせて固着して、総厚みが60μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって70%の圧下率で圧延し、総厚みが18μmの積層体を得た。このようにして得られた積層体において、リニアゲージセンサー(小野測器株式会社製)顕微鏡による断面観察によって、片面のアルミニウム箔の厚みを測定したところ、4.5μmであった。
【0027】
(実施例2)
実施例1と同様の引張試験において引張強度が107N/mm2、耐力が78.1N/mm2、伸び率が9.9%、厚みが15μmの8021軟質アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を、厚みが50μmのアイオノマー(タマポリ株式会社製HM52)シートの両面にそれぞれ配置して、ヒートラミネーション法によって貼り合わせて固着して、総厚みが80μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって75%の圧下率で圧延し、総厚みが20μmの積層体を得た。このようにして得られた積層体において、実施例1と同様にして測定した片面のアルミニウム箔の厚みは4.0μmであった。
【0028】
(実施例3)
実施例1と同様の引張試験において引張強度が64.68N/mm2、耐力が34.33N/mm2、伸び率が4.98%、厚みが15μmの1085軟質アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を、押し出しラミネート法によって、厚みが50μmのアイオノマー(三井化学株式会社製ハイミラン)に貼り合わせて固着して、総厚みが80μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって75%の圧下率で圧延し、総厚みが20μmの積層体を得た。このようにして得られた積層体において、実施例1と同様にして測定した片面のアルミニウム箔の厚みは4.0μmであった。
【0029】
(実施例4)
実施例1と同様の引張試験において引張強度が66.1N/mm2、耐力が35.9N/mm2、伸び率が4.2%、厚みが15μmの1N30軟質アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を、厚みが30μmのエチレン酢酸ビニル共重合体シートの両面にヒートラミネーション法によって貼り合わせて固着して、総厚みが60μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって75%の圧下率で圧延し、総厚みが15μmの積層体を得た。このようにして得られた積層体において、実施例1と同様にして測定した片面のアルミニウム箔の厚みは3.0μmであった。
【0030】
(実施例5)
実施例1と同様の引張試験において引張強度が170N/mm2、耐力が160N/mm2、伸び率が0.8%、厚みが6.5μmの1N30硬質アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を、押し出しラミネート法によって、厚みが30μmのアイオノマー(三井化学株式会社製ハイミラン)に貼り合わせて固着して、総厚みが43μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって40%の圧下率で圧延し、総厚みが26μmの積層体を得た。このようにして得られた積層体において、実施例1と同様にして測定した片面のアルミニウム箔の厚みは4.0μmであった。
【0031】
(実施例6)
実施例1と同様の引張試験において引張強度が170N/mm2、耐力が160N/mm2、伸び率が0.8%、厚みが6.5μmの1N30硬質アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を厚みが20μmのポリプロピレンシートの両面に、それぞれ、ウレタン系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA910)を介在して、ドライラミネーション法によって貼り合わせて固着して、総厚みが34μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって17%の圧下率で圧延し、総厚みが28μmの積層体を得た。このようにして得られた積層体において、実施例1と同様にして測定した片面のアルミニウム箔の厚みは4.5μmであった。
【0032】
(実施例7)
実施例1と同様の引張試験において引張強度が250.3N/mm2、耐力が221.8N/mm2、伸び率が2.28%、厚みが20μmの3000系アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を、厚みが50μmのアイオノマー(タマポリ株式会社製HM52)シートの両面にそれぞれ配置して、ヒートラミネーション法によって貼り合わせて固着して、総厚みが90μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって64%の圧下率で圧延し、総厚みが32μmの積層体を得た。このようにして得られた積層体において、実施例1と同様にして測定した片面のアルミニウム箔の厚みは4.9μm、もう一方の面のアルミニウム箔の厚みは8.0μmであった。
【0033】
(比較例1)
実施例1と同様の引張試験において引張強度が295.1N/mm2、耐力が253.9N/mm2、伸び率が2.4%、厚みが15μmの3003硬質アルミニウム箔を2枚準備した。これらのアルミニウム箔を厚みが50μmのアイオノマー(タマポリ株式会社製HM52)に95℃の温度にて貼り合わせて固着した後、150℃の温度でアフターヒートを施した。このようにして、ヒートラミネート法によって、総厚みが80μmの積層体を作製した。さらに、この積層体を2段圧延機によって30%の圧下率で圧延したところ、総厚みが56μmのときにアルミニウム箔に割れが発生した。このときのアルミニウム箔の厚みは10μmであった。
【0034】
本発明の実施例1〜7では、厚みが5.0μm以上300.0μm以下、引張強度が60N/mm2以上260N/mm2以下、伸び率が0.7%以上のアルミニウム箔を用いることにより、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔樹脂積層体を得ることができた。
【0035】
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものと意図される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔を備えたアルミニウム箔樹脂積層体を得ることができるので、アルミニウム蒸着層を備えた積層体に比べて、ガスバリア性、耐水性および伸び率が高く、電池要素等の電子部品を保護する外装材等に適したアルミニウム箔樹脂積層体を得ることができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが5.0μm以上300.0μm以下、引張強度が60N/mm2以上260N/mm2以下、伸び率が0.7%以上のアルミニウム箔を固着させて積層体を得る固着工程と、
15%以上の圧下率で前記積層体を圧延する圧延工程と、
を備えた、アルミニウム箔樹脂積層体の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂フィルムは、エチレンアクリル酸共重合体、アイオノマー、カルボキシル変性ポリエチレン、カルボキシル変性ポリプロピレン、および、ポリオレフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載のアルミニウム箔樹脂積層体の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、塩化ビニルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載のアルミニウム箔樹脂積層体の製造方法。
【請求項4】
前記固着工程は、前記樹脂フィルムと前記アルミニウム箔とを、接着剤を介在させて固着することを含む、請求項3に記載のアルミニウム箔樹脂積層体の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の製造方法によって製造され、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔を備えた、アルミニウム箔樹脂積層体。
【請求項6】
樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に固着された、厚みが0.5μm以上5.0μm未満のアルミニウム箔と、
を備えた、アルミニウム箔樹脂積層体。


【公開番号】特開2012−176540(P2012−176540A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40565(P2011−40565)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(399054321)東洋アルミニウム株式会社 (179)
【Fターム(参考)】