説明

アンダーカット処理機構

【課題】コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易で、また構成が簡単であり組立てに手間と時間がかからず、コストダウンを実現することができ、しかも耐久性にも優れたアンダーカット処理機構を提供する。
【解決手段】可動型12内で型抜き方向に摺動可能に配されるエジェクタピン21の先端側に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部2からの逃げ方向に摺動可能に基端側が連結された状態で傾斜して延び、可動型12外に延び出る先端側にアンダーカット成形部80を設ける連結部材70を有し、可動型12内に収納したホルダ40内に、エジェクタピン21の突き出し動作に伴い前記連結部材70が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する傾斜した方向に沿って延び、該連結部材70の外周を摺動可能に案内するガイド溝42aを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンダーカット部のある成形品を、固定型および可動型によって成形する成形用金型装置において、成形品の型抜き時にアンダーカット部を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の成形用金型装置としては、コアを貫通し、その表面に対して傾斜配置された移動可能なルーズコア支持ロッドが、可動側型板と台座プレートとに係止されたガイドロッドに相対的に摺動可能にエジェクタープレートの摺動路に配置されたスライドベースの移動に連動する、ルーズコアエジェクター装置において、ガイドロッドの一端は、可動側型板の下面に形成された凹部に緊密に嵌め込まれたホルダに係止され、またルーズコア支持ロッドは、ガイドロッドとほぼ同じ傾斜角度でコアに形成された角度設定孔によってのみ傾斜角度が設定されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−326233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したような従来の技術では、ルーズコア支持ロッドのみならず、ガイドロッドも傾斜配置されており、しかも各々ロッドを同じ傾斜角度で移動させるための機構が、エジェクタープレートと可動側型板とに分散するように構成されているから、成形品のアンダーカットの抜きのために必要なアンダーカット部分形状を施した駒の移動量に比べて大きな設置スペースを要し、全体的に構造も複雑となり組立てに手間と時間がかかり、コストダウンが難しいという問題点があった。
【0005】
また、ルーズコア支持ロッドは、コアに形成された角度設定孔によってのみ傾斜角度が設定されているから、高い精度出しが要求されることにより、製造に関してなおさらコスト高を招くと共に、角度設定孔に負荷が集中しやすいので、当該部位における耐久性に関しても問題があった。
【0006】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易で、また構成が簡単であり組立てに手間と時間がかからず、コストダウンを実現することができ、しかも耐久性にも優れたアンダーカット処理機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]アンダーカット部(2〜2D)のある成形品(1〜1D)を、固定型(11)および可動型(12)によって成形する成形用金型装置(20〜20D)において、成形品(1〜1D)の型抜き時にアンダーカット部(2〜2D)を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構(30〜30E)において、
型抜き方向に駆動されて突き出し動作し、前記可動型(12)内で型抜き方向に摺動可能に配されるエジェクタピン(21)の先端側に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部(2〜2D)からの逃げ方向に摺動可能に基端側が連結された状態で傾斜して延び、前記可動型(12)外に延び出る先端側にアンダーカット成形部(80〜80D)を設ける連結部材(70〜70E)を有し、
前記可動型(12)内、または該可動型(12)内に収納したホルダ(40〜40E)内に、前記エジェクタピン(21)の突き出し動作に伴い前記連結部材(70〜70E)が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する傾斜した方向に沿って延び、該連結部材(70〜70E)の外周を摺動可能に案内するガイド溝(42a)を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構(30〜30E)。
【0008】
[2]前記連結部材(70〜70D)を、円形断面の丸棒材から形成し、前記ガイド溝(42a)を、前記丸棒材が摺動可能に挿通する円形断面の孔として形成したことを特徴とする[1]に記載のアンダーカット処理機構(30〜30E)。
【0009】
[3]前記エジェクタピン(21)の先端側に、前記可動型(12)内で型抜き方向に摺動可能に配される保持駒部(23,25)を設け、
前記連結部材(70〜70E)の基端側に、前記保持駒部(23,25)に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部(2〜2D)からの逃げ方向に摺動可能に連結される逃げ動作駒部(71)を設け、
前記保持駒部(23,25)と前記逃げ動作駒部(71)とを、互いに押し引き可能に連結したことを特徴とする[1]または[2]に記載のアンダーカット処理機構(30〜30E)。
【0010】
[4]複数の前記エジェクタピン(21)を互いに平行に配し、各エジェクタピン(21)の先端側に亘って、連結部材(70B)の基端側を逃げ方向に摺動可能に連結したことを特徴とする[1],[2]または[3]に記載のアンダーカット処理機構(30B)。
【0011】
[5]前記アンダーカット部(2C,2D)から相反する双方向に逃げ動作を要するアンダーカット処理機構(30C,30D)において、
少なくとも前記連結部材(70C,70D)を、左右対称に向かい合わせて一対配設し、
前記可動型(12)内、または該可動型(12)内に収納したホルダ(40C,40D)内に、前記エジェクタピン(21)の突き出し動作に伴い前記各連結部材(70C,70D)が型抜き方向および相反する逃げ方向に同時に移動する傾斜した方向に沿って延び、各連結部材(70C,70D)の外周をそれぞれ摺動可能に案内する一対のガイド溝(42a)を設けたことを特徴とする[1],[2],[3]または[4]に記載のアンダーカット処理機構(30C,30D)。
【0012】
[6]前記連結部材(70〜70E)を、前記成形品(1〜1D)の型抜きのストロークに応じた長さに設定することを特徴とする[1],[2],[3],[4]または[5]に記載のアンダーカット処理機構(30〜30E)。
【0013】
前記本発明は次のように作用する。
本発明に係るアンダーカット処理機構(30〜30E)は、型抜き方向に駆動されて突き出し動作するエジェクタピン(21)に連結される連結部材(70〜70E)を、エジェクタ台板(13)や可動型(12)に分散させることなく、可動型(12)のみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となる。
【0014】
すなわち、連結部材(70〜70E)を、可動型(12)内で型抜き方向に摺動可能に配されるエジェクタピン(21)の先端側に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部(2〜2D)からの逃げ方向に摺動可能に基端側を連結した状態で傾斜させて伸ばすように配設し、可動型(12)外に延び出た先端側にアンダーカット成形部(80〜80D)を設ける。
【0015】
ここで、可動型(12)の内部に、エジェクタピン(21)の突き出し動作に伴って連結部材(70〜70E)が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動し得る空間を確保して、該可動型(12)内に連結部材(70〜70E)を直接配設しても良く、あるいは、可動型(12)の内部に収納するホルダ(40〜40E)の内部に、連結部材(70〜70E)を型抜き方向および逃げ方向に同時に移動し得る状態で配設して、該ホルダ(40〜40E)を介して連結部材(70〜70E)を可動型(12)内に配設しても良い。
【0016】
そして、可動型(12)内、または該可動型(12)内に収納したホルダ(40〜40E)内には、エジェクタピン(21)の突き出し動作に伴い連結部材(70〜70E)が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する傾斜した方向に沿って延び、該連結部材(70〜70E)の外周を摺動可能に案内するガイド溝(42a)を設ける。かかるガイド溝(42a)の容易な加工によって、連結部材(70〜70E)ないしアンダーカット成形部(80〜80D)は、確実にアンダーカット部(2〜2D)を取外し可能な状態に導くことができる。
【0017】
このようなアンダーカット処理機構(30〜30E)は、成形用金型装置(20〜20D)の型抜き動作時において、型抜き方向に駆動されるエジェクタピン(21)の突き出し動作に応じて作動する。すなわち、成形が終わり可動型(12)から固定型(11)が離れると、成形品(1〜1D)の片側が現われる。次いでエジェクタピン(21)が型抜きのために、成形品(1〜1D)を可動型(12)から離間させるように突き出し動作する。
【0018】
すると、可動型(12)内(あるいは可動型(12)に収容されているホルダ(40〜40E)内)で、エジェクタピン(21)の先端側に連結されている連結部材(70〜70E)は、エジェクタピン(21)と一緒に型抜き方向に摺動すると共に、該エジェクタピン(21)の先端側に対して、型抜き方向とは交差する逃げ方向にも同時に摺動し、エジェクタピン(21)と連結部材(70〜70E)とは相対的に変位する。
【0019】
可動型(12)内または該可動型(12)内に収納したホルダ(40〜40E)内に設けられているガイド溝(42a)によって、連結部材(70〜70E)は、その外周がガイド溝(42a)に摺動可能に嵌合して案内されつつ、連結部材(70〜70E)自体の傾斜した方向に沿うように、型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する。このように移動する連結部材(70〜70E)を介して、アンダーカット成形部(80〜80D)も型抜き方向および逃げ方向に同時に移動して、成形品(1〜1D)のアンダーカット部(2〜2D)が取外し可能な状態となり、成形品(1〜1D)を型抜きすることができる。
【0020】
アンダーカット成形部(80〜80D)の移動は、連結部材(70〜70E)の外周と可動型(12)内またはホルダ(40〜40E)内のガイド溝(42a)との嵌合関係により案内されるため、型抜き動作時における負荷が一箇所に集中することがなく分散され、耐久性が高められる。さらに、設計時における高い精度出しも緩和されるため、コストダウンが可能となる。
【0021】
成形品(1〜1D)が抜き去られると、エジェクタピン(21)が成形時の位置に戻るに従い、エジェクタピン(21)に引かれて連結部材(70〜70E)やアンダーカット成形部(80〜80D)も初期位置に戻る。また、可動型(12)も成形位置に戻って、次の成形品(1〜1D)の成形がなされることになる。
【0022】
ところで、前記連結部材(70〜70D)を、円形断面の丸棒材から形成し、前記ガイド溝(42a)を、丸棒材が摺動可能に挿通する円形断面の孔として形成すれば、可動型(12)内に直接あるいはホルダ(40〜40D)内に、例えばドリルで孔を開けるだけの加工により、極めて容易に連結部材(70〜70D)が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動し得る空間を確保することができる。
【0023】
また、前記エジェクタピン(21)の先端側に、可動型(12)内で型抜き方向に摺動可能に配される保持駒部(23,25)を設け、前記連結部材(70〜70E)の基端側に、保持駒部(23,25)に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部(2〜2D)からの逃げ方向に摺動可能に連結される逃げ動作駒部(71)を設ければ、前記保持駒部(23,25)と前記逃げ動作駒部(71)とを、互いに押し引き可能な状態で相対的に変位するよう確実に連結することができる。
【0024】
また、複数のエジェクタピン(21)を互いに平行に配し、各エジェクタピン(21)の先端側に亘って、連結部材(70B)の基端側を逃げ方向に順に摺動可能に連結するようにすれば、簡易な構成で逃げ方向における大きなストロークを確保することができる。
【0025】
アンダーカット部(2C,2D)から相反する双方向に逃げ動作を要する成形品(1C,1D)を対象とするアンダーカット処理機構(30C,30D)では、少なくとも前記連結部材(70C,70D)を、左右対称に向かい合わせて一対配設しており、型抜き動作時のエジェクタピン(21)の突き出し動作に伴って、各連結部材(70C,70D)が型抜き方向に移動すると、同時に相反する逃げ方向に移動して、成形品(1C,1D)を型抜きすることができる。
【0026】
さらにまた、前記連結部材(70〜70E)を、成形品(1〜1D)の型抜きのストロークに応じた長さに設定することにより、成形品(1〜1D)の型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまで適宜対応することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るアンダーカット処理機構によれば、型抜き方向に駆動されて突き出し動作するエジェクタピンに連結される連結部材を、エジェクタ台板や可動型に分散させることなく、可動型のみに集中して配設することができるから、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となる。また、従来のアンダーカット抜き工法で使用されるアンギュラピンならびにルーズコア機構の不要化を実現し、金型製造コストを抑えることができる。
【0028】
また、可動型内、または該可動型内に収納したホルダ内には、エジェクタピンの突き出し動作に伴い連結部材が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する傾斜した方向に沿って延び、該連結部材の外周を摺動可能に案内するガイド溝を設けたから、このガイド溝の容易な加工によって、連結部材ないしアンダーカット成形部は確実にアンダーカット部を取外し可能な状態に導くことができる。
【0029】
しかも、アンダーカット成形部の移動は、連結部材の外周と可動型内またはホルダ内のガイド溝との嵌合関係により案内されるため、型抜き動作時における負荷が一箇所に集中することがなく分散され、耐久性が高められる。さらに、設計時における高い精度出しも緩和されるため、よりいっそうコストダウンが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面に基づき本発明の好適な各種の実施の形態を説明する。
図1〜図4は、本発明の第1の実施の形態を示している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る成形用金型装置20の動作を説明するための要部を示す説明図である。図2は、成形用金型装置20が有するアンダーカット処理機構30のホルダ40の縦断面図と平面図であり、図3は、アンダーカット処理機構30の動作を示す説明図である。図4は、アンダーカット処理機構30の組立て工程を示す斜視図である。
【0031】
図1に示すように、成形用金型装置20は、アンダーカット部2のある成形品1を金型10によって成形する装置である。本実施の形態に係るアンダーカット部2は、成形品1の端部のフランジに穿設する透孔である。金型10は、成形品1の主に外観部分を成形する固定型11と、成形品1の主に内面を成形する可動型12と、上下方向に駆動されるエジェクタ台板13とを備えて成る。なお、成形品1の素材は、プラスチック等の合成樹脂のみならず鉄等の金属も該当する。
【0032】
成形用金型装置20は、エジェクタ台板13の上下移動に伴い型抜き方向に駆動されて突き出し動作するエジェクタピン21と、成形品1の型抜き時にアンダーカット部2を取外し可能な状態とする本発明に係るアンダーカット処理機構30を備えている。エジェクタピン21が型抜き方向に突き出し動作するように、エジェクタピン21の基端部22がエジェクタ台板13にノックピン等で固結され、エジェクタピン21の先端側に設けられるアンダーカット処理機構30は可動型12に設けられている。
【0033】
アンダーカット処理機構30は、エジェクタピン21の先端側に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部2からの逃げ方向に摺動可能に基端側が連結された状態で傾斜して延び、可動型12の外部に延び出る先端側にアンダーカット成形部80を設けた連結部材70を有している。本実施の形態では、連結部材70とエジェクタピン21の先端側は、可動型12に内設したホルダ40に収納されているが、ホルダ40を設けずに該ホルダ40の内部と同様の空間を可動型12内に形成して、連結部材70とエジェクタピン21の先端側を、それぞれ可動型12内に直接収納するように構成しても良い。
【0034】
図1に示すように、ホルダ40は可動型12内に収容される状態で固定されている。図3、図4に示すように、ホルダ40は、円柱形の金属材に、エジェクタピン21の先端側が挿通する円形断面の縦孔41をドリルで穿設すると共に、この縦孔41に交差するように傾斜して延び、連結部材70が挿通する円形断面の斜孔42をドリルで穿設して形成されている。エジェクタピン21と連結部材70は、それぞれ円形断面の丸棒材から形成されている。
【0035】
このようにホルダ40に穿設された斜孔42の内周は、そのまま前記エジェクタピン21の突き出し動作に伴い連結部材70が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する傾斜した軸方向に沿って延び、該連結部材70の外周を摺動可能に案内するガイド溝42aを成している。なお、本実施の形態では、連結部材70が丸棒材から形成されるので、この連結部材70が挿通する斜孔42の内周をそのままガイド溝42aとしたが、連結部材70が移動し得る空間内にて、ガイド溝を別途設けるように構成しても良い。
【0036】
図4はアンダーカット処理機構30の組立て工程を示しており、同図(a)は、エジェクタピン21、連結部材70、アンダーカット成形部80の分解斜視図、同図(b)は、エジェクタピン21と連結部材70とを連結した状態を示す斜視図、同図(c)は、連結部材70の先端側にアンダーカット成形部80を取り付けた状態を示す斜視図、同図(d)は、ホルダ40を単体で示す斜視図、それに同図(e)は、アンダーカット処理機構30の構成部品を全て組み付けた状態を示す斜視図である。
【0037】
図4(a)〜(c)に示すように、上下方向に延びるエジェクタピン21の上端側には、上方に傾斜して延びる連結部材70の下端側が、型抜き方向(図中で上下方向)と交差する逃げ方向(図中で左右方向)に摺動可能に連結されている。詳しく言えば、エジェクタピン21の先端側には、ホルダ40内で型抜き方向に摺動可能に配される保持駒部23が設けられている。一方、連結部材70の基端側には、前記保持駒部23に対して、逃げ方向に摺動可能に連結される逃げ動作駒部71が設けられている。
【0038】
保持駒部23は、凸条としてエジェクタピン21の先端に形成されており、逃げ動作駒部71は、凸条に対して左右に移動可能に嵌合する蟻溝として形成されている。保持駒部23と逃げ動作駒部71とは、互いに押し引き可能に連結されており、エジェクタピン21の突き出し動作に伴い連結部材70が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動するように設定されている。また、連結部材70の先端側は、ホルダ40の上端面を貫通した斜孔42より上方へ延び出ており、該先端側には、取付ピン81を介して成形品1のアンダーカット部2を成形するためのアンダーカット成形部80が一体に連結されている。
【0039】
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
前記成形用金型装置20のアンダーカット処理機構30は、その主要部を成すエジェクタピン21やアンダーカット成形部80を、エジェクタ台板13や可動型12に分散させることなく、可動型12のみに集中して配設する。これにより、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型10への加工および組み込みが容易となる。
【0040】
図4(e)に示すように、アンダーカット処理機構30は、エジェクタピン21と併せてユニットとして構成することができ、図1に示すように、ホルダ40を介して連結部材70を可動型12内に容易に後付けすることができる。かかる構成は、可動型12が大型である場合のように、可動型12自体に連結部材70の移動空間として縦孔41や斜孔42を加工することが困難な場合に適している。
【0041】
また図示省略したが、可動型12内に別部品であるホルダ40を収容することなく、このホルダ40の内部と同様の空間である縦孔41や斜孔42を、可動型12自体に直接設けるようにして構成しても良い。これにより、ホルダ40が不要となって部品点数が削減され、成形用金型装置20全体の構成をよりいっそう簡易化することができ、コストを低減することが可能となる。かかる構成は、可動型12が小型である場合のように、可動型12自体に連結部材70の移動空間として縦孔41や斜孔42を加工することが容易な場合に適している。
【0042】
特に本実施の形態では、エジェクタピン21や連結部材70を、それぞれ円形断面の丸棒材から形成し、縦孔41や斜孔42を、それぞれ丸棒材が摺動可能に挿通する円形断面の孔として形成したので、ホルダ40内(あるいは可動型12内に直接)に、ドリルで孔を穿設するだけの加工によって極めて容易に、エジェクタピン21が突き出し動作する空間や、連結部材70が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動し得る空間を確保することができる。
【0043】
図1(a)は、成形品1の成形が完了した状態を示している。成形が終わり可動型12から固定型11が離れると、成形品1の片側(外観部分)が現われる。次いで、図1(b)に示すように、エジェクタ台板13が上方に駆動されると、エジェクタ台板13上に立設されたエジェクタピン21が型抜きのために、成形品1を可動型12から離間させるように型抜き方向(上方)に真っ直ぐに突き出し動作する。
【0044】
すると、図1(b)でわかるように、可動型12に収容されているホルダ40内で、エジェクタピン21の先端側に連結されている連結部材70は、エジェクタピン21と一緒に型抜き方向に摺動すると共に、該エジェクタピン21の先端側に対して、型抜き方向とは交差する逃げ方向にも同時に摺動し、エジェクタピン21と連結部材70とは相対的に変位する。
【0045】
本実施の形態では、エジェクタピン21の先端側に、可動型12内で型抜き方向に摺動可能に配される凸条の保持駒部23があり、連結部材70の基端側には、前記保持駒部23に対して逃げ方向に摺動可能に連結される蟻溝状の逃げ動作駒部71があるので、エジェクタピン21の先端側と連結部材70の基端側とを、互いに押し引き可能な状態で相対的に変位するよう確実に連結することができる。
【0046】
エジェクタピン21の突き出し動作に伴い連結部材70は、ホルダ40内に設けられた斜孔42の内周であるガイド溝42aに、外周が摺動可能に嵌合して案内されつつ、連結部材70自体の傾斜した軸方向に沿うように、型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する。このように移動する連結部材70を介して、アンダーカット成形部80も型抜き方向および逃げ方向に同時に移動して、成形品1のアンダーカット部2が取外し可能な状態となり、成形品1を型抜きすることができる。
【0047】
アンダーカット成形部80の移動は、図3に示した連結部材70の外周とホルダ40内の斜孔42(ガイド溝42a)との嵌合関係により案内されるため、型抜き動作時における負荷が一箇所に集中することがなく分散され、耐久性が高められる。さらに、設計時における高い精度出しも緩和されるため、コストダウンが可能となる。
【0048】
成形品1が抜き去られると、エジェクタピン21が成形時の位置に戻るに従い、エジェクタピン21に引かれて連結部材70やアンダーカット成形部80も初期位置に戻る。また、可動型12も成形位置に戻って、次の成形品1の成形がなされることになる。さらに、連結部材70を、成形品1の型抜きのストロークに応じた長さに設定することにより、成形品1の型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまで適宜対応することができる。
【0049】
図5および図6は、本発明の第2の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る成形用金型装置20A、金型10A、それにアンダーカット処理機構30Aは、基本的には前記第1実施の形態と同様に構成されているが、前記成形品1とは異なる形状のアンダーカット部2Aを含む成形品1Aを成形するために、金型10Aの形状の他、アンダーカット処理機構30Aの形状が異なっている。アンダーカット部2Aは、成形品1Aの内側面に突設するフック(図5参照)である。
【0050】
アンダーカット処理機構30Aは、ストロークは小さいが傾斜角度が大きい連結部材70Aを有しており、この連結部材70Aは、先端部72にアンダーカット成形部80Aの一端側を挟持するように取付ピン81で止める構造となっている。また、ホルダ40Aの上端面側には、アンダーカット成形部80Aの下端側が一部嵌入するための切欠部43が形成されている。
【0051】
このように、アンダーカット処理機構30Aの主要部を成す連結部材70Aやアンダーカット成形部80Aの具体的な形状は、成形品1Aおよびそのアンダーカット部2Aの形状に応じて様々な形状に設計することができる。特に本実施の形態では、ホルダ40Aに切欠部43を形成したことにより、全体的によりコンパクトに構成することができる。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0052】
図7および図8は、本発明の第3の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る成形用金型装置20B、金型10B、それにアンダーカット処理機構30Bは、前記成形品1とは異なる形状のアンダーカット部2Bを含む成形品1Bを成形するために、金型10Bの形状の他、アンダーカット処理機構30Bの構成が異なっている。アンダーカット部2Bは、成形品1Bの端部のフランジに外側に突設する管状凸部(図7参照)である。
【0053】
アンダーカット処理機構30Bは、ストロークが大きいと共に傾斜角度も大きい連結部材70Bを有しており、複数(本実施の形態では2本)のエジェクタピン21を互いに平行に配し、各エジェクタピン21の先端側に亘って、連結部材70Bの基端側を逃げ方向に摺動可能に連結している。ここで各エジェクタピン21間の間隔は、連結部材70Bの基端側にある逃げ動作駒部71が、2本のエジェクタピン21の先端側にある各保持駒部23に同時に連結し得る距離に設定されている。
【0054】
アンダーカット成形部80Bは複数部品を組み合わせて成り、連結部材70Bの先端部72は、アンダーカット成形部80Bの下端側に補強ブラケット73を介して連結される構造となっている。また、ホルダ40Bの内部には、各エジェクタピン21が別々に挿通する2つの縦孔41の他、これらの縦孔41に斜めに交差する状態で延びて、連結部材70Bを案内する斜孔42(ガイド溝42a)が穿設されている。
【0055】
このように、複数のエジェクタピン21を互いに平行に配し、各エジェクタピン21の先端側に亘って、連結部材70Bの基端側を逃げ方向に摺動可能に連結すれば、簡易な構成で逃げ方向における大きなストロークを確保することができる。また、エジェクタピン21を複数用意する代わりに、例えば1本のエジェクタピン21の先端側に、略水平に延びる保持駒部23を略T字形に設け、この保持駒部23に連結部材70Bの基端側にある逃げ動作駒部71を連結するように構成することもできる。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0056】
図9および図10は、本発明の第4の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る成形用金型装置20C、金型10C、それにアンダーカット処理機構30Cは、前記成形品1とは異なる形状のアンダーカット部2Cを含む成形品1Cを成形するために、金型10Cの形状の他、アンダーカット処理機構30Cの構成が異なっている。
【0057】
アンダーカット部2Cは、成形品1Cのフランジ下端縁の四隅より内側に折曲した突片であり(図10(e)参照)、アンダーカット処理機構30Cは、アンダーカット部2Cから相反する双方向(互いに近接する方向)に逃げ動作を要する構造となっている。連結部材70Cおよびアンダーカット成形部80C、ホルダ40C、それにエジェクタピン21を、それぞれ左右対称に向かい合わせて一対配設している。
【0058】
連結部材70Cは、その先端部72にアンダーカット成形部80Cの下端側を挟持するように取付ピン81で止める構造となっている。また、各ホルダ40Cの上端面側には、アンダーカット成形部80Cの下端側が一部嵌入するための切欠部43が形成されている。各ホルダ40Cは、それぞれの切欠部43が対向し合うように可動型12内に収納されている。
【0059】
各ホルダ40C内には、エジェクタピン21の先端側が挿通する縦孔41の他、この縦孔41に交差するように傾斜して延び、各連結部材70Cを型抜き方向および相反する逃げ方向(互いに近接する方向)に同時に摺動可能に案内する斜孔42(ガイド溝42a)が設けられている。ただし、ホルダ40Cは必ずしも一対設ける必要はなく、例えば1つのホルダ40Cの内部に、各エジェクタピン21が別々に挿通する2つの縦孔41と、同じく2つの斜孔42(ガイド溝42a)をそれぞれ左右対称に設けるように構成しても良い。
【0060】
また、エジェクタピン21も必ずしも2本用意する必要はなく、例えば1本のエジェクタピン21の先端側に、略水平に延びる保持駒部23を略T字形に設けて、この保持駒部23に連結部材70Cの基端側にある逃げ動作駒部71を連結するように構成することもできる。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0061】
このように、アンダーカット部2Cから相反する双方向(互いに近接する方向)に逃げ動作を要する成形品1Cを対象とするアンダーカット処理機構30Cでは、少なくとも連結部材70Cを、左右対称に向かい合わせて一対配設しており、型抜き動作時の各エジェクタピン21の突き出し動作に伴って、各連結部材70Cが型抜き方向に移動すると、同時に相反する逃げ方向(互いに近接する方向)に移動して、成形品1Cを型抜きすることができる。
【0062】
ところで、別の構成として、成形品1Cを多数個取りできるように、連結部材70Cおよびアンダーカット成形部80C、ホルダ40C、それにエジェクタピン21を、それぞれ左右対称に向かい合わせた一対ずつを一組として複数組配設しても良い。これにより、各エジェクタピン21の突き出し動作に伴って、各連結部材70Cを介して各アンダーカット成形部80Cが型抜き方向に移動すると共に、相反する双方向(互いに近接する方向)に移動し、一度に複数個の成形品1Cを型抜きすることが可能となる。
【0063】
図11および図12は、本発明の第5の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る成形用金型装置20D、金型10D、それにアンダーカット処理機構30Dは、前記成形品1とは異なる形状のアンダーカット部2Dを含む成形品1Dを成形するために、金型10Dの形状の他、アンダーカット処理機構30Dの構成が異なっている。
【0064】
アンダーカット部2Dは、成形品1Dの内側面に突設され、左右対称なるアンダーカット形状を有するボス(図11参照)であり、アンダーカット処理機構30Dは、アンダーカット部2Dから相反する双方向(互いに離間する方向)に逃げ動作を要する構造となっている。すなわち、連結部材70Dおよびアンダーカット成形部80D、それにエジェクタピン21を、それぞれ左右対称に向かい合わせて一対ずつホルダ40D内に配設している。
【0065】
連結部材70Dは、その先端部72にアンダーカット成形部80Dの下端側を取付ピン81を介して止める構造となっている。また、ホルダ40Dの内部には、各エジェクタピン21が別々に挿通する2つの縦孔41の他、これらの縦孔41に斜めに交差する状態で延びて、各連結部材70Dをそれぞれ案内する斜孔42(ガイド溝42a)が穿設されている。なお、ホルダ40Dを各連結部材70Dに対応させて2つに分割して設けても良い。
【0066】
また、エジェクタピン21も必ずしも2本用意する必要はなく、例えば1本のエジェクタピン21の先端側の略水平に延びる保持駒部23を略T字形に設けて、この保持駒部23に連結部材70Dの基端側にある逃げ動作駒部71を連結するように構成することもできる。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0067】
このように、アンダーカット部2Dから相反する双方向(互いに離間する方向)に逃げ動作を要する成形品1Dを対象とするアンダーカット処理機構30Dでは、少なくとも連結部材70Dを、左右対称に向かい合わせて一対配設しており、型抜き動作時の各エジェクタピン21の突き出し動作に伴って、各連結部材70Dが型抜き方向に移動すると、同時に相反する逃げ方向(互いに離間する方向)に移動して、成形品1Dを型抜きすることができる。
【0068】
ところで、別の構成として、成形品1Dを多数個取りできるように、連結部材70Dおよびアンダーカット成形部80D、それにエジェクタピン21を、それぞれ左右対称に向かい合わせた一対ずつを一組として複数組配設しても良い。これにより、各エジェクタピン21の突き出し動作に伴って、各連結部材70Dを介して各アンダーカット成形部80Dが型抜き方向に移動すると共に相互に反対方向となる逃げ方向(互いに離間する方向)に移動し、一度に複数個の成形品1Dを型抜きすることが可能となる。
【0069】
図13は、本発明の第6の実施の形態を示している。
本実施の形態に係るアンダーカット処理機構30Eは、図示省略したエジェクタピン21の先端側に、略水平に延びる別部品の保持駒部25を略T字形に設け、また、連結部材70Eを、型抜き方向と交差する逃げ方向に傾斜して延びる円形断面の軸部74と、この軸部74の一端側に長手方向に沿って一体に延設された板部75とから構成されている。
【0070】
保持駒部25には凸条26が形成されており、連結部材70Eの軸部74および板部75の下端には、前記凸条26が移動可能に嵌合する蟻溝として逃げ動作駒部71が連続して設けられている。ホルダ40E内には、保持駒部25と連結部材70Eの板部75が挿通する細幅状の縦孔44の他、この縦孔44に交差するように傾斜して延び、連結部材70Eの軸部74を型抜き方向および逃げ方向に同時に摺動可能に案内する斜孔42(ガイド溝42a)が設けられている。
【0071】
このようなアンダーカット処理機構30Eによれば、連結部材70Eの逃げ方向における大きなストロークを確保することができると共に、連結部材70Eの安定した動作を実現することが可能となる。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0072】
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、成形品1〜1Dやアンダーカット部2〜2Dの形状は図示したものに限定されるものではない。
【0073】
また、前記実施の形態では、エジェクタピン21の先端側に保持駒部23を一体的に設け、連結部材70の基端側に逃げ動作駒部71を一体的に設けたが、第5実施の形態のように、保持駒部23をエジェクタピン21とは別体に設けて後から連結したり、逃げ動作駒部71を連結部材70とは別体に設けて後から連結するように構成しても良い。
【0074】
また、前記実施の形態では、連結部材70〜70Eとエジェクタピン21の先端側は、可動型12に内設したホルダ40〜40Eに収納されているが、ホルダ40〜40Eを設けずに該ホルダ40〜40Eの内部と同様の空間を可動型12内に形成して、連結部材70〜70Eとエジェクタピン21の先端側を、可動型12内に直接収納するように構成しても良い。これにより、ホルダ40〜40Eが不要となって部品点数が削減され、成形用金型装置20〜20D全体としての構成をよりいっそう簡易化することができ、コストを低減することが可能となる。
【0075】
さらに、アンダーカット部から各々一方向に逃げ動作を要する成形品を対象とするアンダーカット処理機構では、少なくとも連結部材およびアンダーカット成形部を、それぞれ同一の向きで隣り合わせて一対配設し、型抜き動作時にエジェクタピンが突き出し動作すると、該エジェクタピンに押されて従動する連結部材を介して、アンダーカット成形部が型抜き方向に移動すると共に、それぞれ同一方向となる逃げ方向に移動して、成形品を型抜きするように構成することもできる。
【0076】
この場合も、連結部材およびアンダーカット成形部を、それぞれ同一の向きで隣り合わせた一対ずつを一組として複数組配設し、1つの装置において複数組配設するように構成すれば、各々一方向に逃げ動作を要する複数組のアンダーカット部を含むような成形品を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る成形用金型装置の動作を説明するための要部を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る成形用金型装置が有するアンダーカット処理機構のホルダの縦断面図と平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る成形用金型装置が有するアンダーカット処理機構の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る成形用金型装置が有するアンダーカット処理機構の組立て工程を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る成形用金型装置の動作を説明するための要部を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る成形用金型装置が有するアンダーカット処理機構の組立て工程を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る成形用金型装置の動作を説明するための要部を示す説明図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る成形用金型装置が有するアンダーカット処理機構の組立て工程を示す斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る成形用金型装置の動作を説明するための要部を示す説明図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る成形用金型装置が有するアンダーカット処理機構の組立て工程を示す斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る成形用金型装置の動作を説明するための要部を示す説明図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る成形用金型装置が有するアンダーカット処理機構の組立て工程を示す斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の組立て工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1…成形品
1A…成形品
1B…成形品
1C…成形品
1D…成形品
2…アンダーカット部
2A…アンダーカット部
2B…アンダーカット部
2C…アンダーカット部
2D…アンダーカット部
10…金型
10A…金型
10B…金型
10C…金型
10D…金型
11…固定型
12…可動型
13…エジェクタ台板
20…成形用金型装置
20A…成形用金型装置
20B…成形用金型装置
20C…成形用金型装置
20D…成形用金型装置
21…エジェクタピン
23…保持駒部
25…保持駒部
30…アンダーカット処理機構
30A…アンダーカット処理機構
30B…アンダーカット処理機構
30C…アンダーカット処理機構
30D…アンダーカット処理機構
30E…アンダーカット処理機構
40…ホルダ
40A…ホルダ
40B…ホルダ
40C…ホルダ
40D…ホルダ
40E…ホルダ
41…縦孔
42…斜孔
42a…ガイド溝
43…切欠部
44…縦孔
70…連結部材
70…連結部材
70A…連結部材
70B…連結部材
70C…連結部材
70D…連結部材
70E…連結部材
71…逃げ動作駒部
74…軸部
75…板部
80…アンダーカット成形部
80A…アンダーカット成形部
80B…アンダーカット成形部
80C…アンダーカット成形部
80D…アンダーカット成形部
81…取付ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンダーカット部のある成形品を、固定型および可動型によって成形する成形用金型装置において、成形品の型抜き時にアンダーカット部を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構において、
型抜き方向に駆動されて突き出し動作し、前記可動型内で型抜き方向に摺動可能に配されるエジェクタピンの先端側に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部からの逃げ方向に摺動可能に基端側が連結された状態で傾斜して延び、前記可動型外に延び出る先端側にアンダーカット成形部を設ける連結部材を有し、
前記可動型内、または該可動型内に収納したホルダ内に、前記エジェクタピンの突き出し動作に伴い前記連結部材が型抜き方向および逃げ方向に同時に移動する傾斜した方向に沿って延び、該連結部材の外周を摺動可能に案内するガイド溝を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【請求項2】
前記連結部材を、円形断面の丸棒材から形成し、前記ガイド溝を、前記丸棒材が摺動可能に挿通する円形断面の孔として形成したことを特徴とする請求項1に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項3】
前記エジェクタピンの先端側に、前記可動型内で型抜き方向に摺動可能に配される保持駒部を設け、
前記連結部材の基端側に、前記保持駒部に対して、型抜き方向と交差するアンダーカット部からの逃げ方向に摺動可能に連結される逃げ動作駒部を設け、
前記保持駒部と前記逃げ動作駒部とを、互いに押し引き可能に連結したことを特徴とする請求項1または2に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項4】
複数の前記エジェクタピンを互いに平行に配し、各エジェクタピンの先端側に亘って、連結部材の基端側を逃げ方向に摺動可能に連結したことを特徴とする請求項1,2または3に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項5】
前記アンダーカット部から相反する双方向に逃げ動作を要するアンダーカット処理機構において、
少なくとも前記連結部材を、左右対称に向かい合わせて一対配設し、
前記可動型内、または該可動型内に収納したホルダ内に、前記エジェクタピンの突き出し動作に伴い前記各連結部材が型抜き方向および相反する逃げ方向に同時に移動する傾斜した方向に沿って延び、各連結部材の外周をそれぞれ摺動可能に案内する一対のガイド溝を設けたことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項6】
前記連結部材を、前記成形品の型抜きのストロークに応じた長さに設定することを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載のアンダーカット処理機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−137194(P2008−137194A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323675(P2006−323675)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【特許番号】特許第3974643号(P3974643)
【特許公報発行日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(302067947)株式会社テクノクラーツ (19)
【Fターム(参考)】