アンダーカット処理機構
【課題】成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向とアンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような場合も、容易に型抜きすることができるアンダーカット処理機構を提供する。
【解決手段】アンダーカット成形コア３０を支持するスライダー４０と、スライダー４０を移動可能に連結するベース部材５０と、スライダー４０を包囲した状態で成形品Ｐの型抜き方向へ移動可能に駆動されるホルダー６０を、可動型１３に設け、ホルダー６０内に、アンダーカット部Ｐ１からの逃げ方向へスライダー４０を案内する第１ガイド手段を設け、ベース部材５０に、ホルダー６０の型抜き方向への駆動に伴いスライダー４０が第１ガイド手段を介して引かれる際、該スライダー４０が型抜き方向および逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を設けた。
【解決手段】アンダーカット成形コア３０を支持するスライダー４０と、スライダー４０を移動可能に連結するベース部材５０と、スライダー４０を包囲した状態で成形品Ｐの型抜き方向へ移動可能に駆動されるホルダー６０を、可動型１３に設け、ホルダー６０内に、アンダーカット部Ｐ１からの逃げ方向へスライダー４０を案内する第１ガイド手段を設け、ベース部材５０に、ホルダー６０の型抜き方向への駆動に伴いスライダー４０が第１ガイド手段を介して引かれる際、該スライダー４０が型抜き方向および逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の成形用金型装置としては、例えば、特許文献１に記載されたルーズコアエジェクタ装置が知られている。すなわち、成形品の内面を形成する金型のコアと、このコアを貫通してコア表面に対して傾斜配置された移動可能なルーズコア支持ロッドと、可動側型板と台座プレートとに係止されたガイド手段ロッドと、このガイド手段ロッドに対して相対的に摺動可能にエジェクタプレートの摺動路に配置されたスライドベースとを備え、ルーズコア支持ロッドがスライドベースの移動に連動するものである。
【０００３】
このようなルーズコアエジェクタ装置において、ガイド手段ロッドの一端は、可動側型板の下面に形成された凹部に緊密に嵌め込まれたホルダーに係止されており、また、ルーズコア支持ロッドは、コアにガイド手段ロッドとほぼ同じ傾斜角度で形成された挿通孔を摺動可能に挿通して、この挿通孔がルーズコア支持ロッドの傾斜角度を設定する唯一の角度設定孔となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−３２６２３３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述したような従来の技術では、ルーズコア支持ロッドのみならず、ガイド手段ロッドも傾斜配置されており、しかも、各ロッドを同じ傾斜角度で移動させるための機構が、エジェクタプレートと可動側型板とに分散するように構成されている。従って、成形品のアンダーカット部の型抜きのために必要なアンダーカット部分形状を施した駒の移動量に比べて大きな設置スペースを要し、全体的に構造も複雑となり組み立てに手間と時間がかかり、コストダウンが難しいという問題点があった。
【０００６】
また、アンダーカット部が、成形品の外側ないし内側の一方向にある場合にしか対応することができず、例えば、成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような場合には、このような成形品を型抜きすることは不可能であった。そのため、成形可能な成形品におけるアンダーカット部の形状の他、その位置や数が非常に狭い範囲に限定されるという問題点があった。
【０００７】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となり、コストダウンを実現することができ、特に成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような場合も、容易に型抜きすることができるアンダーカット処理機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
［１］固定型（１２）と可動型（１３）から成る金型（１１）において、成形品（Ｐ）の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部（Ｐ１）を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部（Ｐ１）を成形するアンダーカット成形コア（３０）と、
前記アンダーカット成形コア（３０）を支持するスライダー（４０）と、
前記可動型（１３）に固設され、前記スライダー（４０）を移動可能に連結するベース部材（５０）と、
前記可動型（１３）に設けられ、前記スライダー（４０）を包囲した状態で前記成形品（Ｐ）の型抜き方向へ移動可能に駆動され、前記成形品（Ｐ）の内面の一部を成形し、前記アンダーカット成形コア（３０）を外部へ出没させる貫通孔（６３）が形成されたホルダー（６０）と、を有して成り、
前記ホルダー（６０）内に、前記型抜き方向と交差して前記アンダーカット部（Ｐ１）が前記貫通孔（６３）より前記ホルダー（６０）内に没入する逃げ方向へ前記スライダー（４０）を移動可能に案内する第１ガイド手段を設け、
前記ベース部材（５０）に、前記ホルダー（６０）の前記型抜き方向への駆動に伴い前記スライダー（４０）が前記第１ガイド手段を介して引かれる際、該スライダー（４０）が前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【０００９】
［２］前記ホルダー（６０）は、前記ベース部材（５０）ごと前記スライダー（４０）を包囲した状態で、該ベース部材（５０）に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌しており、前記型抜き方向への駆動時に前記ベース部材（５０）に案内されることを特徴とする［１］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１０】
［３］前記ホルダー（６０）および前記スライダー（４０）の何れか一方に、前記スライダー（４０）が前記ホルダー（６０）に対して移動可能な前記逃げ方向へ延びる第１横溝（６５）を設け、
何れか他方に、同じく前記逃げ方向へ延びて前記第１横溝（６５）に摺動可能に嵌合する第１横条（４２）を設け、
前記ホルダー（６０）にある第１横溝（６５）または第１横条（４２）を、前記第１ガイド手段としたことを特徴とする［１］または［２］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１１】
［４］前記ベース部材（５０）および前記スライダー（４０）の何れか一方に、前記スライダー（４０）が前記ベース部材（５０）に対して移動可能な前記傾斜方向へ延びる第２斜溝（４１）を設け、
何れか他方に、同じく前記傾斜方向へ延びて前記第２斜溝（４１）に摺動可能に嵌合する第２斜条（５１）を設け、
前記ベース部材（５０）にある第２斜溝（４１）または第２斜条（５１）を、前記第２ガイド手段としたことを特徴とする［１］，［２］または［３］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１２】
［５］前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン（２０）を有し、該エジェクタピン（２０）の先端部に前記ホルダー（６０）を固設し、
前記ホルダー（６０）は、前記エジェクタピン（２０）の突き出し動作によって駆動されることを特徴とする［１］，［２］，［３］または［４］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１３】
前記本発明は次のように作用する。
前記［１］に記載のアンダーカット処理機構によれば、アンダーカット成形コア（３０）はスライダー（４０）によって支持され、該スライダー（４０）は、可動型（１３）に固設されたベース部材（５０）に移動可能に連結されている。さらに、可動型（１３）には、前記スライダー（４０）を包囲した状態で型抜き方向へ駆動されるホルダー（６０）が設けられている。ホルダー（６０）は、それ自体が成形品（Ｐ）の内面の一部を成形し、また、前記スライダー（４０）と共に内部に収まる前記アンダーカット成形コア（３０）を外部へ出没させる貫通孔（６３）を備える。
【００１４】
前記ホルダー（６０）内には第１ガイド手段が設けられており、該第１ガイド手段によって前記スライダー（４０）は、前記アンダーカット部（Ｐ１）がホルダー（６０）の貫通孔（６３）より内部に没入する逃げ方向へ案内される。ここで逃げ方向は、前記型抜き方向と交差する方向となる。一方、前記ベース部材（５０）には第２ガイド手段が設けられており、該第２ガイド手段によって前記スライダー（４０）は、前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内される。
【００１５】
すなわち、成形時には、ホルダー（６０）自体も成形品（Ｐ）の内面の一部を成形し、該ホルダー（６０）の貫通孔（６３）よりアンダーカット成形コア（３０）は外部へ突出してアンダーカット部（Ｐ１）を成形する。型抜き時には、ホルダー（６０）自体が型抜き方向へ駆動され、該ホルダー（６０）の駆動に伴って前記スライダー（４０）は、第１ガイド手段および第２ガイド手段を介して前記傾斜方向へ案内される。これにより、成形品（Ｐ）の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部（Ｐ１）の逃げ方向とが互いに異なるような場合も、容易に型抜きすることが可能となる。
【００１６】
以上のようなアンダーカット処理機構によれば、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。また、前記アンダーカット成形コア（３０）を支持する部材を、エジェクタ台板（１５）や可動型（１３）に分散させることなく、ホルダー（６０）を介して可動型（１３）のみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型（１１）への加工および組み込みも容易となる。
【００１７】
前記［２］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（６０）は、ベース部材（５０）ごとスライダー（４０）を包囲した状態で、該ベース部材（５０）に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌している。そして、ホルダー（６０）は、型抜き方向への駆動時にベース部材（５０）に案内される。これにより、ホルダー（６０）を型抜き方向へ案内するための特別な構造が不要となり、かつ確実に型抜き方向へ案内することができる。
【００１８】
前記［３］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（６０）およびスライダー（４０）の何れか一方に、ホルダー（６０）に対してスライダー（４０）が移動可能な逃げ方向へ延びる第１横溝（６５）を設け、何れか他方に、同じく逃げ方向へ延びて前記第１横溝（６５）に摺動可能に嵌合する第１横条（４２）を設けて、ホルダー（６０）にある方の第１横溝（６５）または第１横条（４２）を第１ガイド手段とする。
【００１９】
この第１横溝（６５）および第１横条（４２）の嵌合関係によって、スライダー（４０）はホルダー（６０）に対して押し引き可能に連結されることになり、ホルダー（６０）の駆動に伴ってスライダー（４０）も型抜き方向へ同時に連動させることができる。さらに、スライダー（４０）をホルダー（６０）に対しては逃げ方向へも案内することができる。
【００２０】
前記［４］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ベース部材（５０）およびスライダー（４０）の何れか一方に、ベース部材（５０）に対してスライダー（４０）が移動可能な傾斜方向へ延びる第２斜溝（４１）を設け、何れか他方に、同じく傾斜方向へ延びて前記第２斜溝（４１）に摺動可能に嵌合する第２斜条（５１）を設けて、ベース部材（５０）にある方の第２斜溝（４１）または第２斜条（５１）を第２ガイド手段とする。
【００２１】
この第２斜溝（４１）および第２斜条（５１）の嵌合関係によって、スライダー（４０）は前記ホルダー（６０）の駆動に連動する際に、その移動方向が前記傾斜方向に規制される。そのため、スライダー（４０）を、アンダーカット成形コア（３０）がホルダー（６０）の貫通孔（６３）より内部に没入してアンダーカット部（Ｐ１）から離脱する位置まで案内することができる。
【００２２】
また、前記［５］に記載のアンダーカット処理機構によれば、成形品（Ｐ）の型抜き時に、型抜き方向へ駆動されるエジェクタピン（２０）の突き出し動作に応じて作動する。成形が終わり可動型（１３）から固定型（１２）が離れると、成形品（Ｐ）の外側が現われる。次いでエジェクタピン（２０）が型抜きのために、成形品（Ｐ）を可動型（１３）から離間させるように突き出し動作する。
【００２３】
エジェクタピン（２０）の突き出し動作に伴って、エジェクタピン（２０）の先端部に固設されているホルダー（６０）は、そのまま型抜き方向へ駆動されて、該ホルダー（６０）自体が成形品（Ｐ）を可動型（１３）から離間させる。これに連動してホルダー（６０）の内部では、前述したようにスライダー（４０）を介してアンダーカット成形コア（３０）が相対的に移動し、該アンダーカット成形コア（３０）がホルダー（６０）の貫通孔（６３）より内部に没入してアンダーカット部（Ｐ１）から離脱する。これにより、成形品（Ｐ）全体を金型（１１）から取り外すことができる。
【発明の効果】
【００２４】
本発明に係るアンダーカット処理機構によれば、成形品の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部がある成形品のうち、特に成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような成形品でも、容易に型抜きすることができる。
【００２５】
しかも、機構全体をコンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易で、また、構成が簡単であり組み立てに手間と時間がかからず、コストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の成形時における動作を説明する一部断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の型抜き時における動作を説明する一部断面図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の成形時における全体の外観を示す斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時における全体の外観を示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時におけるホルダー内の様子を示す斜視図である。
【図６】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の成形時におけるホルダー内の様子を示す斜視図である。
【図７】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の成形時におけるスライダーとベース部材の相対的な位置関係を示す斜視図である。
【図８】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の要部を分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００２７】
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図１および図２は、本実施の形態に係る成形用金型装置１０を構成する金型１１およびアンダーカット処理機構の動作を説明するための縦断面図である。図１は、成形品Ｐの成形時の状態を示しており、図２は、成形品Ｐの型抜き時の状態を示している。
【００２８】
成形用金型装置１０は、アンダーカット部Ｐ１のある成形品Ｐを金型１１によって成形する装置である。本実施の形態に係る成形品Ｐは、図１に示すように全体的には板状の部材であり、その一端縁側が下方に折曲しており、該折曲した部分の下端側に円孔であるアンダーカット部Ｐ１が形成される。かかるアンダーカット部Ｐ１は、成形品Ｐの型抜き方向（上下方向）と交差する方向（左右方向）に凹んでいる。
【００２９】
成形品Ｐの一端縁側が下方に折曲した角部Ｐ２は、成形品Ｐの水平な基準面よりやや上方へ突出している。このような成形品Ｐでは、アンダーカット部Ｐ１からの逃げ方向（左右方向）と、成形品Ｐの角部Ｐ２を含む外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向（主に角部Ｐ２から離脱する方向）とが互いに異なっている。なお、成形品Ｐの材料としては、プラスチック等の合成樹脂に限られず、鉄や銅等の金属も該当する。
【００３０】
図１および図２に示すように、金型１１は、成形品Ｐの外面側を成形する固定型１２と、成形品Ｐの内面側を成形する可動型１３とから成る。アンダーカット処理機構は、前記アンダーカット部Ｐ１を成形するアンダーカット成形コア３０と、該アンダーカット成形コア３０を支持するスライダー４０と、該スライダー４０を移動可能に連結するベース部材５０と、型抜き方向へ駆動されるホルダー６０とを有する。
【００３１】
また、可動型１３の下方には可動取付板１４が設置されており、可動型１３と可動取付板１４との間に、２枚重ねの板材から成るエジェクタ台板１５が上下方向に駆動可能に配設されている。エジェクタ台板１５には、該エジェクタ台板１５の駆動に伴い、型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン２０が４本立設されている。各エジェクタピン２０は丸棒部材から形成され、それぞれ基端部２２がノックピン２１を介してエジェクタ台板１５に固定されている。
【００３２】
各エジェクタピン２０の先端部２３は、それぞれ可動型１３内を貫通してホルダー６０の下端四隅に固設されている。可動型１３には、ホルダー６０を型抜き方向に移動可能に内装するための収納部１３ａが凹設されており、該収納部１３ａの底面側に、ベース部材５０がノックピン５２を介して固設されている。ベース部材５０は、スライダー４０を移動可能に連結すると共に、該スライダー４０を包囲するホルダー６０が外嵌して型抜き方向へ案内される部材であり、図５〜図８に示すような駒型に形成されている。
【００３３】
ベース部材５０の上端側は、スライダー４０が移動可能に連結されている。かかるベース部材５０の上端側は、スライダー４０が移動する方向、すなわち型抜き方向および前記アンダーカット部Ｐ１からの逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ傾斜しており、該傾斜した上端縁に沿って、スライダー４０が移動可能に連結する第２斜条５１が設けられている。ここで第２斜条５１は、蟻溝に摺動可能に嵌合する突条として形成されている。
【００３４】
スライダー４０は、アンダーカット成形コア３０を支持する部材であり、図５〜図８に示すような駒型に形成されている。スライダー４０の下端側は、前記ベース部材５０の上端側に対して前記傾斜方向へ移動可能に連結されている。かかるスライダー４０の下端側は、該スライダー４０が前記ベース部材５０に対して移動する方向である前記傾斜方向へ傾斜しており、該傾斜した下端縁に沿って、前記第２斜条５１に摺動可能に嵌合する第２斜溝４１が設けられている。ここで第２斜溝４１は、蟻溝として形成されている。
【００３５】
スライダー４０の上端側は、ホルダー６０内で該ホルダー６０の天井側に設けられた連結部材６４に対して前記逃げ方向へ移動可能に連結されている。かかるスライダー４０の上端側は、該スライダー４０が前記ホルダー６０に対して移動する方向である前記逃げ方向と平行な左右方向に延びており、該上端縁に沿って、前記連結部材６４に摺動可能に嵌合する第１横条４２が設けられている。ここで第１横条４２は、蟻溝に摺動可能に嵌合する突条として形成されている。
【００３６】
また、スライダー４０の上端側の一側端面には、アンダーカット成形コア３０が側方へ突設されており、一体に支持されている。アンダーカット成形コア３０は、前記アンダーカット部Ｐ１を成形するための部位であり、アンダーカット部Ｐ１である円孔に合致する円柱状に形成されている。
【００３７】
ホルダー６０は、可動型１３にある収納部１３ａ内で、前記ベース部材５０ごとスライダー４０を包囲した状態で、該ベース部材５０に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌している。図３に示すように、ホルダー６０は、２つの対称な部品を組み合わせて成り、下端側が開口した内部空間６１（図８参照）を備える箱状に形成されている。
【００３８】
ホルダー６０の下端四隅には、それぞれ各エジェクタピン２０の先端部２３が固設されており、ホルダー６０は、各エジェクタピン２０によって型抜き方向へ駆動される。ホルダー６０の上端面は、前記可動型１３と共に成形品Ｐの内面側を成形する部位であり、特に上端面の一端側は、成形品Ｐの角部Ｐ２に対応して上方へ傾斜したテーパー部６２となっている。
【００３９】
ホルダー６０の一側端面には、前記アンダーカット成形コア３０を外部へ出没させる貫通孔６３が形成されている。また、ホルダー６０の一側端面と収納部１３ａの内壁との間には、アンダーカット部Ｐ１がある下方に折曲した部位を成形するための空間部分（キャビティ）に相当する隙間が設けられている。
【００４０】
ホルダー６０の内部空間６１の天井部には、前記スライダー４０を押し引き可能に連結するための連結部材６４が固設されている。この連結部材６４には、その左右方向に延びる下端縁に沿って、前記スライダー４０にある第１横条４２が摺動可能に嵌合する第１横溝６５が設けられている。ここで第１横溝６５は、蟻溝として形成されている。
【００４１】
この第１横溝６５は、ホルダー６０の内部空間６１にてスライダー４０を、成形品Ｐの型抜き方向と交差してアンダーカット部Ｐ１が貫通孔６３よりホルダー６０内に没入する逃げ方向へ移動可能に案内する第１ガイド手段を成している。なお、第１横溝６５は、ホルダー６０内にある連結部材６４と前記スライダー４０の上端縁の何れに設けても良く、何れか他方に前記第１横条４２を設けることになる。ここでホルダー６０側に設けられた第１横溝６５または第１横条４２の何れかが前記第１ガイド手段となる。
【００４２】
また、前記ベース部材５０に設けられた第２斜条５１は、ホルダー６０の型抜き方向への駆動に伴いスライダー４０が前記第１ガイド手段を介して上方へ引かれる際、該スライダー４０が前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を成している。なお、第２斜条５１は、ベース部材５０の上端縁と前記スライダー４０の下端縁の何れに設けても良く、何れか他方に前記第２斜溝４１を設けることになる。ここでベース部材５０側に設けられた第２斜条５１または第２斜溝４１の何れかが前記第２ガイド手段となる。
【００４３】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図１に示すように、成形時には、固定型１２と可動型１３との間のキャビティに溶解樹脂が充填され、アンダーカット部Ｐ１を備えた成形品Ｐが成形される。この時、可動取付板１４にエジェクタ台板１５が接しており、エジェクタ台板１５上のエジェクタピン２０によってホルダー６０は成形位置に保持され、該ホルダー６０の上端面は、テーパー部６２を除いて可動型１３の上端面と水平に連なる状態となる。
【００４４】
このような状態で、ホルダー６０のテーパー部６２を含む上端面、および可動型１３の上端面によって成形品Ｐの内面が成形され、固定型１２の下端面によって成形品Ｐの外面が成形される。また、ホルダー６０内では、ベース部材５０の傾斜した上端縁に対してスライダー４０は最も下端側に位置しており、スライダー４０に一体に支持されたアンダーカット成形コア３０は、ホルダー６０の貫通孔６３より外部へ突出してアンダーカット部Ｐ１を成形する。
【００４５】
図２に示すように、成形が終了して固定型１２が可動型１３から離れると、エジェクタ台板１５が上方に駆動される。すると、エジェクタ台板１５上に立設されている各エジェクタピン２０が、それぞれ可動型１３の底部を貫通した状態で上方に向って突き出し動作し、ホルダー６０を型抜き方向へ駆動する。
【００４６】
この時、ホルダー６０の内部空間６１では、その天井側にある連結部材６４の第１横溝６５に連結されているスライダー４０が上方へ引っ張られる。これにより、スライダー４０は型抜き方向へ移動しつつ、ホルダー６０に対しては第１ガイド手段である第１横溝６５によって逃げ方向へ案内されると同時に、ベース部材５０に対しては第２ガイド手段である第２斜条５１によって傾斜方向へ案内される。これにより、成形品Ｐの外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部Ｐ１の逃げ方向とが互いに異なるような場合も、容易に型抜きすることが可能となる。
【００４７】
また、スライダー４０の上下端における前述した第１，２ガイド手段との嵌合関係によれば、ホルダー６０内にてスライダー４０を確実かつ円滑に成形位置から離型位置まで案内することができる。しかも、成形品Ｐの型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
【００４８】
さらに、アンダーカット成形コア３０やスライダー４０を、エジェクタ台板１５や可動型１３に分散させることなく、ベース部材５０やホルダー６０を介して可動型１３のみに集中して配設することができる。これにより、成形用金型装置１０全体をコンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請にも応じることができ、金型１１への加工および組み込みが容易となる。特に、アンダーカット処理機構は、予めホルダー６０に組み込んだ形でユニットとして構成することができる。
【００４９】
図２において、成形品Ｐが抜き去られると、各エジェクタピン２０が成形時の位置に戻るのに従い、各エジェクタピン２０に引かれてホルダー６０と共にスライダー４０およびアンダーカット成形コア３０も初期位置に戻る。また、固定型１２も成形位置に戻って、次の成形品Ｐが成形されることになる。なお、ホルダー６０やスライダー４０の具体的な長さは、アンダーカット部Ｐ１を含む成形品Ｐ全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計すれば良い。
【００５０】
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、成形品Ｐやホルダー６０、それにアンダーカット成形コア３０等の具体的な形状は、図示したものに限定されるわけではない。また、前記実施の形態では、ホルダー６０を可動型１３に設けているが、可動型１３ではなく固定型１２に型抜き方向に駆動可能に設けるように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【００５１】
コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができるから、小型の金型への加工および組み込みに優れており、特に成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向とアンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような場合に適用することができる。
【符号の説明】
【００５２】
Ｐ…成形品
Ｐ１…アンダーカット部
Ｐ２…角部
１０…成形用金型装置
１１…金型
１２…固定型
１３…可動型
１３ａ…収納部
１４…可動取付板
１５…エジェクタ台板
２０…エジェクタピン
２１…ノックピン
２２…基端部
２３…先端部
３０…アンダーカット成形コア
４０…スライダー
４１…第２斜溝
４２…第１横条
５０…ベース部材
５１…第２斜条
６０…ホルダー
６１…内部空間
６２…テーパー部
６３…貫通孔
６４…連結部材
６５…第１横溝
【技術分野】
【０００１】
本発明は、固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の成形用金型装置としては、例えば、特許文献１に記載されたルーズコアエジェクタ装置が知られている。すなわち、成形品の内面を形成する金型のコアと、このコアを貫通してコア表面に対して傾斜配置された移動可能なルーズコア支持ロッドと、可動側型板と台座プレートとに係止されたガイド手段ロッドと、このガイド手段ロッドに対して相対的に摺動可能にエジェクタプレートの摺動路に配置されたスライドベースとを備え、ルーズコア支持ロッドがスライドベースの移動に連動するものである。
【０００３】
このようなルーズコアエジェクタ装置において、ガイド手段ロッドの一端は、可動側型板の下面に形成された凹部に緊密に嵌め込まれたホルダーに係止されており、また、ルーズコア支持ロッドは、コアにガイド手段ロッドとほぼ同じ傾斜角度で形成された挿通孔を摺動可能に挿通して、この挿通孔がルーズコア支持ロッドの傾斜角度を設定する唯一の角度設定孔となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−３２６２３３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述したような従来の技術では、ルーズコア支持ロッドのみならず、ガイド手段ロッドも傾斜配置されており、しかも、各ロッドを同じ傾斜角度で移動させるための機構が、エジェクタプレートと可動側型板とに分散するように構成されている。従って、成形品のアンダーカット部の型抜きのために必要なアンダーカット部分形状を施した駒の移動量に比べて大きな設置スペースを要し、全体的に構造も複雑となり組み立てに手間と時間がかかり、コストダウンが難しいという問題点があった。
【０００６】
また、アンダーカット部が、成形品の外側ないし内側の一方向にある場合にしか対応することができず、例えば、成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような場合には、このような成形品を型抜きすることは不可能であった。そのため、成形可能な成形品におけるアンダーカット部の形状の他、その位置や数が非常に狭い範囲に限定されるという問題点があった。
【０００７】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となり、コストダウンを実現することができ、特に成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような場合も、容易に型抜きすることができるアンダーカット処理機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
［１］固定型（１２）と可動型（１３）から成る金型（１１）において、成形品（Ｐ）の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部（Ｐ１）を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部（Ｐ１）を成形するアンダーカット成形コア（３０）と、
前記アンダーカット成形コア（３０）を支持するスライダー（４０）と、
前記可動型（１３）に固設され、前記スライダー（４０）を移動可能に連結するベース部材（５０）と、
前記可動型（１３）に設けられ、前記スライダー（４０）を包囲した状態で前記成形品（Ｐ）の型抜き方向へ移動可能に駆動され、前記成形品（Ｐ）の内面の一部を成形し、前記アンダーカット成形コア（３０）を外部へ出没させる貫通孔（６３）が形成されたホルダー（６０）と、を有して成り、
前記ホルダー（６０）内に、前記型抜き方向と交差して前記アンダーカット部（Ｐ１）が前記貫通孔（６３）より前記ホルダー（６０）内に没入する逃げ方向へ前記スライダー（４０）を移動可能に案内する第１ガイド手段を設け、
前記ベース部材（５０）に、前記ホルダー（６０）の前記型抜き方向への駆動に伴い前記スライダー（４０）が前記第１ガイド手段を介して引かれる際、該スライダー（４０）が前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【０００９】
［２］前記ホルダー（６０）は、前記ベース部材（５０）ごと前記スライダー（４０）を包囲した状態で、該ベース部材（５０）に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌しており、前記型抜き方向への駆動時に前記ベース部材（５０）に案内されることを特徴とする［１］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１０】
［３］前記ホルダー（６０）および前記スライダー（４０）の何れか一方に、前記スライダー（４０）が前記ホルダー（６０）に対して移動可能な前記逃げ方向へ延びる第１横溝（６５）を設け、
何れか他方に、同じく前記逃げ方向へ延びて前記第１横溝（６５）に摺動可能に嵌合する第１横条（４２）を設け、
前記ホルダー（６０）にある第１横溝（６５）または第１横条（４２）を、前記第１ガイド手段としたことを特徴とする［１］または［２］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１１】
［４］前記ベース部材（５０）および前記スライダー（４０）の何れか一方に、前記スライダー（４０）が前記ベース部材（５０）に対して移動可能な前記傾斜方向へ延びる第２斜溝（４１）を設け、
何れか他方に、同じく前記傾斜方向へ延びて前記第２斜溝（４１）に摺動可能に嵌合する第２斜条（５１）を設け、
前記ベース部材（５０）にある第２斜溝（４１）または第２斜条（５１）を、前記第２ガイド手段としたことを特徴とする［１］，［２］または［３］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１２】
［５］前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン（２０）を有し、該エジェクタピン（２０）の先端部に前記ホルダー（６０）を固設し、
前記ホルダー（６０）は、前記エジェクタピン（２０）の突き出し動作によって駆動されることを特徴とする［１］，［２］，［３］または［４］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１３】
前記本発明は次のように作用する。
前記［１］に記載のアンダーカット処理機構によれば、アンダーカット成形コア（３０）はスライダー（４０）によって支持され、該スライダー（４０）は、可動型（１３）に固設されたベース部材（５０）に移動可能に連結されている。さらに、可動型（１３）には、前記スライダー（４０）を包囲した状態で型抜き方向へ駆動されるホルダー（６０）が設けられている。ホルダー（６０）は、それ自体が成形品（Ｐ）の内面の一部を成形し、また、前記スライダー（４０）と共に内部に収まる前記アンダーカット成形コア（３０）を外部へ出没させる貫通孔（６３）を備える。
【００１４】
前記ホルダー（６０）内には第１ガイド手段が設けられており、該第１ガイド手段によって前記スライダー（４０）は、前記アンダーカット部（Ｐ１）がホルダー（６０）の貫通孔（６３）より内部に没入する逃げ方向へ案内される。ここで逃げ方向は、前記型抜き方向と交差する方向となる。一方、前記ベース部材（５０）には第２ガイド手段が設けられており、該第２ガイド手段によって前記スライダー（４０）は、前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内される。
【００１５】
すなわち、成形時には、ホルダー（６０）自体も成形品（Ｐ）の内面の一部を成形し、該ホルダー（６０）の貫通孔（６３）よりアンダーカット成形コア（３０）は外部へ突出してアンダーカット部（Ｐ１）を成形する。型抜き時には、ホルダー（６０）自体が型抜き方向へ駆動され、該ホルダー（６０）の駆動に伴って前記スライダー（４０）は、第１ガイド手段および第２ガイド手段を介して前記傾斜方向へ案内される。これにより、成形品（Ｐ）の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部（Ｐ１）の逃げ方向とが互いに異なるような場合も、容易に型抜きすることが可能となる。
【００１６】
以上のようなアンダーカット処理機構によれば、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。また、前記アンダーカット成形コア（３０）を支持する部材を、エジェクタ台板（１５）や可動型（１３）に分散させることなく、ホルダー（６０）を介して可動型（１３）のみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型（１１）への加工および組み込みも容易となる。
【００１７】
前記［２］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（６０）は、ベース部材（５０）ごとスライダー（４０）を包囲した状態で、該ベース部材（５０）に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌している。そして、ホルダー（６０）は、型抜き方向への駆動時にベース部材（５０）に案内される。これにより、ホルダー（６０）を型抜き方向へ案内するための特別な構造が不要となり、かつ確実に型抜き方向へ案内することができる。
【００１８】
前記［３］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（６０）およびスライダー（４０）の何れか一方に、ホルダー（６０）に対してスライダー（４０）が移動可能な逃げ方向へ延びる第１横溝（６５）を設け、何れか他方に、同じく逃げ方向へ延びて前記第１横溝（６５）に摺動可能に嵌合する第１横条（４２）を設けて、ホルダー（６０）にある方の第１横溝（６５）または第１横条（４２）を第１ガイド手段とする。
【００１９】
この第１横溝（６５）および第１横条（４２）の嵌合関係によって、スライダー（４０）はホルダー（６０）に対して押し引き可能に連結されることになり、ホルダー（６０）の駆動に伴ってスライダー（４０）も型抜き方向へ同時に連動させることができる。さらに、スライダー（４０）をホルダー（６０）に対しては逃げ方向へも案内することができる。
【００２０】
前記［４］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ベース部材（５０）およびスライダー（４０）の何れか一方に、ベース部材（５０）に対してスライダー（４０）が移動可能な傾斜方向へ延びる第２斜溝（４１）を設け、何れか他方に、同じく傾斜方向へ延びて前記第２斜溝（４１）に摺動可能に嵌合する第２斜条（５１）を設けて、ベース部材（５０）にある方の第２斜溝（４１）または第２斜条（５１）を第２ガイド手段とする。
【００２１】
この第２斜溝（４１）および第２斜条（５１）の嵌合関係によって、スライダー（４０）は前記ホルダー（６０）の駆動に連動する際に、その移動方向が前記傾斜方向に規制される。そのため、スライダー（４０）を、アンダーカット成形コア（３０）がホルダー（６０）の貫通孔（６３）より内部に没入してアンダーカット部（Ｐ１）から離脱する位置まで案内することができる。
【００２２】
また、前記［５］に記載のアンダーカット処理機構によれば、成形品（Ｐ）の型抜き時に、型抜き方向へ駆動されるエジェクタピン（２０）の突き出し動作に応じて作動する。成形が終わり可動型（１３）から固定型（１２）が離れると、成形品（Ｐ）の外側が現われる。次いでエジェクタピン（２０）が型抜きのために、成形品（Ｐ）を可動型（１３）から離間させるように突き出し動作する。
【００２３】
エジェクタピン（２０）の突き出し動作に伴って、エジェクタピン（２０）の先端部に固設されているホルダー（６０）は、そのまま型抜き方向へ駆動されて、該ホルダー（６０）自体が成形品（Ｐ）を可動型（１３）から離間させる。これに連動してホルダー（６０）の内部では、前述したようにスライダー（４０）を介してアンダーカット成形コア（３０）が相対的に移動し、該アンダーカット成形コア（３０）がホルダー（６０）の貫通孔（６３）より内部に没入してアンダーカット部（Ｐ１）から離脱する。これにより、成形品（Ｐ）全体を金型（１１）から取り外すことができる。
【発明の効果】
【００２４】
本発明に係るアンダーカット処理機構によれば、成形品の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部がある成形品のうち、特に成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような成形品でも、容易に型抜きすることができる。
【００２５】
しかも、機構全体をコンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易で、また、構成が簡単であり組み立てに手間と時間がかからず、コストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の成形時における動作を説明する一部断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の型抜き時における動作を説明する一部断面図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の成形時における全体の外観を示す斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時における全体の外観を示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時におけるホルダー内の様子を示す斜視図である。
【図６】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の成形時におけるホルダー内の様子を示す斜視図である。
【図７】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の成形時におけるスライダーとベース部材の相対的な位置関係を示す斜視図である。
【図８】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の要部を分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００２７】
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図１および図２は、本実施の形態に係る成形用金型装置１０を構成する金型１１およびアンダーカット処理機構の動作を説明するための縦断面図である。図１は、成形品Ｐの成形時の状態を示しており、図２は、成形品Ｐの型抜き時の状態を示している。
【００２８】
成形用金型装置１０は、アンダーカット部Ｐ１のある成形品Ｐを金型１１によって成形する装置である。本実施の形態に係る成形品Ｐは、図１に示すように全体的には板状の部材であり、その一端縁側が下方に折曲しており、該折曲した部分の下端側に円孔であるアンダーカット部Ｐ１が形成される。かかるアンダーカット部Ｐ１は、成形品Ｐの型抜き方向（上下方向）と交差する方向（左右方向）に凹んでいる。
【００２９】
成形品Ｐの一端縁側が下方に折曲した角部Ｐ２は、成形品Ｐの水平な基準面よりやや上方へ突出している。このような成形品Ｐでは、アンダーカット部Ｐ１からの逃げ方向（左右方向）と、成形品Ｐの角部Ｐ２を含む外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向（主に角部Ｐ２から離脱する方向）とが互いに異なっている。なお、成形品Ｐの材料としては、プラスチック等の合成樹脂に限られず、鉄や銅等の金属も該当する。
【００３０】
図１および図２に示すように、金型１１は、成形品Ｐの外面側を成形する固定型１２と、成形品Ｐの内面側を成形する可動型１３とから成る。アンダーカット処理機構は、前記アンダーカット部Ｐ１を成形するアンダーカット成形コア３０と、該アンダーカット成形コア３０を支持するスライダー４０と、該スライダー４０を移動可能に連結するベース部材５０と、型抜き方向へ駆動されるホルダー６０とを有する。
【００３１】
また、可動型１３の下方には可動取付板１４が設置されており、可動型１３と可動取付板１４との間に、２枚重ねの板材から成るエジェクタ台板１５が上下方向に駆動可能に配設されている。エジェクタ台板１５には、該エジェクタ台板１５の駆動に伴い、型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン２０が４本立設されている。各エジェクタピン２０は丸棒部材から形成され、それぞれ基端部２２がノックピン２１を介してエジェクタ台板１５に固定されている。
【００３２】
各エジェクタピン２０の先端部２３は、それぞれ可動型１３内を貫通してホルダー６０の下端四隅に固設されている。可動型１３には、ホルダー６０を型抜き方向に移動可能に内装するための収納部１３ａが凹設されており、該収納部１３ａの底面側に、ベース部材５０がノックピン５２を介して固設されている。ベース部材５０は、スライダー４０を移動可能に連結すると共に、該スライダー４０を包囲するホルダー６０が外嵌して型抜き方向へ案内される部材であり、図５〜図８に示すような駒型に形成されている。
【００３３】
ベース部材５０の上端側は、スライダー４０が移動可能に連結されている。かかるベース部材５０の上端側は、スライダー４０が移動する方向、すなわち型抜き方向および前記アンダーカット部Ｐ１からの逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ傾斜しており、該傾斜した上端縁に沿って、スライダー４０が移動可能に連結する第２斜条５１が設けられている。ここで第２斜条５１は、蟻溝に摺動可能に嵌合する突条として形成されている。
【００３４】
スライダー４０は、アンダーカット成形コア３０を支持する部材であり、図５〜図８に示すような駒型に形成されている。スライダー４０の下端側は、前記ベース部材５０の上端側に対して前記傾斜方向へ移動可能に連結されている。かかるスライダー４０の下端側は、該スライダー４０が前記ベース部材５０に対して移動する方向である前記傾斜方向へ傾斜しており、該傾斜した下端縁に沿って、前記第２斜条５１に摺動可能に嵌合する第２斜溝４１が設けられている。ここで第２斜溝４１は、蟻溝として形成されている。
【００３５】
スライダー４０の上端側は、ホルダー６０内で該ホルダー６０の天井側に設けられた連結部材６４に対して前記逃げ方向へ移動可能に連結されている。かかるスライダー４０の上端側は、該スライダー４０が前記ホルダー６０に対して移動する方向である前記逃げ方向と平行な左右方向に延びており、該上端縁に沿って、前記連結部材６４に摺動可能に嵌合する第１横条４２が設けられている。ここで第１横条４２は、蟻溝に摺動可能に嵌合する突条として形成されている。
【００３６】
また、スライダー４０の上端側の一側端面には、アンダーカット成形コア３０が側方へ突設されており、一体に支持されている。アンダーカット成形コア３０は、前記アンダーカット部Ｐ１を成形するための部位であり、アンダーカット部Ｐ１である円孔に合致する円柱状に形成されている。
【００３７】
ホルダー６０は、可動型１３にある収納部１３ａ内で、前記ベース部材５０ごとスライダー４０を包囲した状態で、該ベース部材５０に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌している。図３に示すように、ホルダー６０は、２つの対称な部品を組み合わせて成り、下端側が開口した内部空間６１（図８参照）を備える箱状に形成されている。
【００３８】
ホルダー６０の下端四隅には、それぞれ各エジェクタピン２０の先端部２３が固設されており、ホルダー６０は、各エジェクタピン２０によって型抜き方向へ駆動される。ホルダー６０の上端面は、前記可動型１３と共に成形品Ｐの内面側を成形する部位であり、特に上端面の一端側は、成形品Ｐの角部Ｐ２に対応して上方へ傾斜したテーパー部６２となっている。
【００３９】
ホルダー６０の一側端面には、前記アンダーカット成形コア３０を外部へ出没させる貫通孔６３が形成されている。また、ホルダー６０の一側端面と収納部１３ａの内壁との間には、アンダーカット部Ｐ１がある下方に折曲した部位を成形するための空間部分（キャビティ）に相当する隙間が設けられている。
【００４０】
ホルダー６０の内部空間６１の天井部には、前記スライダー４０を押し引き可能に連結するための連結部材６４が固設されている。この連結部材６４には、その左右方向に延びる下端縁に沿って、前記スライダー４０にある第１横条４２が摺動可能に嵌合する第１横溝６５が設けられている。ここで第１横溝６５は、蟻溝として形成されている。
【００４１】
この第１横溝６５は、ホルダー６０の内部空間６１にてスライダー４０を、成形品Ｐの型抜き方向と交差してアンダーカット部Ｐ１が貫通孔６３よりホルダー６０内に没入する逃げ方向へ移動可能に案内する第１ガイド手段を成している。なお、第１横溝６５は、ホルダー６０内にある連結部材６４と前記スライダー４０の上端縁の何れに設けても良く、何れか他方に前記第１横条４２を設けることになる。ここでホルダー６０側に設けられた第１横溝６５または第１横条４２の何れかが前記第１ガイド手段となる。
【００４２】
また、前記ベース部材５０に設けられた第２斜条５１は、ホルダー６０の型抜き方向への駆動に伴いスライダー４０が前記第１ガイド手段を介して上方へ引かれる際、該スライダー４０が前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を成している。なお、第２斜条５１は、ベース部材５０の上端縁と前記スライダー４０の下端縁の何れに設けても良く、何れか他方に前記第２斜溝４１を設けることになる。ここでベース部材５０側に設けられた第２斜条５１または第２斜溝４１の何れかが前記第２ガイド手段となる。
【００４３】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図１に示すように、成形時には、固定型１２と可動型１３との間のキャビティに溶解樹脂が充填され、アンダーカット部Ｐ１を備えた成形品Ｐが成形される。この時、可動取付板１４にエジェクタ台板１５が接しており、エジェクタ台板１５上のエジェクタピン２０によってホルダー６０は成形位置に保持され、該ホルダー６０の上端面は、テーパー部６２を除いて可動型１３の上端面と水平に連なる状態となる。
【００４４】
このような状態で、ホルダー６０のテーパー部６２を含む上端面、および可動型１３の上端面によって成形品Ｐの内面が成形され、固定型１２の下端面によって成形品Ｐの外面が成形される。また、ホルダー６０内では、ベース部材５０の傾斜した上端縁に対してスライダー４０は最も下端側に位置しており、スライダー４０に一体に支持されたアンダーカット成形コア３０は、ホルダー６０の貫通孔６３より外部へ突出してアンダーカット部Ｐ１を成形する。
【００４５】
図２に示すように、成形が終了して固定型１２が可動型１３から離れると、エジェクタ台板１５が上方に駆動される。すると、エジェクタ台板１５上に立設されている各エジェクタピン２０が、それぞれ可動型１３の底部を貫通した状態で上方に向って突き出し動作し、ホルダー６０を型抜き方向へ駆動する。
【００４６】
この時、ホルダー６０の内部空間６１では、その天井側にある連結部材６４の第１横溝６５に連結されているスライダー４０が上方へ引っ張られる。これにより、スライダー４０は型抜き方向へ移動しつつ、ホルダー６０に対しては第１ガイド手段である第１横溝６５によって逃げ方向へ案内されると同時に、ベース部材５０に対しては第２ガイド手段である第２斜条５１によって傾斜方向へ案内される。これにより、成形品Ｐの外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向と、アンダーカット部Ｐ１の逃げ方向とが互いに異なるような場合も、容易に型抜きすることが可能となる。
【００４７】
また、スライダー４０の上下端における前述した第１，２ガイド手段との嵌合関係によれば、ホルダー６０内にてスライダー４０を確実かつ円滑に成形位置から離型位置まで案内することができる。しかも、成形品Ｐの型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
【００４８】
さらに、アンダーカット成形コア３０やスライダー４０を、エジェクタ台板１５や可動型１３に分散させることなく、ベース部材５０やホルダー６０を介して可動型１３のみに集中して配設することができる。これにより、成形用金型装置１０全体をコンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請にも応じることができ、金型１１への加工および組み込みが容易となる。特に、アンダーカット処理機構は、予めホルダー６０に組み込んだ形でユニットとして構成することができる。
【００４９】
図２において、成形品Ｐが抜き去られると、各エジェクタピン２０が成形時の位置に戻るのに従い、各エジェクタピン２０に引かれてホルダー６０と共にスライダー４０およびアンダーカット成形コア３０も初期位置に戻る。また、固定型１２も成形位置に戻って、次の成形品Ｐが成形されることになる。なお、ホルダー６０やスライダー４０の具体的な長さは、アンダーカット部Ｐ１を含む成形品Ｐ全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計すれば良い。
【００５０】
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、成形品Ｐやホルダー６０、それにアンダーカット成形コア３０等の具体的な形状は、図示したものに限定されるわけではない。また、前記実施の形態では、ホルダー６０を可動型１３に設けているが、可動型１３ではなく固定型１２に型抜き方向に駆動可能に設けるように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【００５１】
コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができるから、小型の金型への加工および組み込みに優れており、特に成形品の外面ないし内面の凹凸形状の逃げ方向とアンダーカット部の逃げ方向とが互いに異なるような場合に適用することができる。
【符号の説明】
【００５２】
Ｐ…成形品
Ｐ１…アンダーカット部
Ｐ２…角部
１０…成形用金型装置
１１…金型
１２…固定型
１３…可動型
１３ａ…収納部
１４…可動取付板
１５…エジェクタ台板
２０…エジェクタピン
２１…ノックピン
２２…基端部
２３…先端部
３０…アンダーカット成形コア
４０…スライダー
４１…第２斜溝
４２…第１横条
５０…ベース部材
５１…第２斜条
６０…ホルダー
６１…内部空間
６２…テーパー部
６３…貫通孔
６４…連結部材
６５…第１横溝
【特許請求の範囲】
【請求項１】
固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部を成形するアンダーカット成形コアと、
前記アンダーカット成形コアを支持するスライダーと、
前記可動型に固設され、前記スライダーを移動可能に連結するベース部材と、
前記可動型に設けられ、前記スライダーを包囲した状態で前記成形品の型抜き方向へ移動可能に駆動され、前記成形品の内面の一部を成形し、前記アンダーカット成形コアを外部へ出没させる貫通孔が形成されたホルダーと、を有して成り、
前記ホルダー内に、前記型抜き方向と交差して前記アンダーカット部が前記貫通孔より前記ホルダー内に没入する逃げ方向へ前記スライダーを移動可能に案内する第１ガイド手段を設け、
前記ベース部材に、前記ホルダーの前記型抜き方向への駆動に伴い前記スライダーが前記第１ガイド手段を介して引かれる際、該スライダーが前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【請求項２】
前記ホルダーは、前記ベース部材ごと前記スライダーを包囲した状態で、該ベース部材に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌しており、前記型抜き方向への駆動時に前記ベース部材に案内されることを特徴とする請求項１に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項３】
前記ホルダーおよび前記スライダーの何れか一方に、前記スライダーが前記ホルダーに対して移動可能な前記逃げ方向へ延びる第１横溝を設け、
何れか他方に、同じく前記逃げ方向へ延びて前記第１横溝に摺動可能に嵌合する第１横条を設け、
前記ホルダーにある第１横溝または第１横条を、前記第１ガイド手段としたことを特徴とする請求項１または２に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項４】
前記ベース部材および前記スライダーの何れか一方に、前記スライダーが前記ベース部材に対して移動可能な前記傾斜方向へ延びる第２斜溝を設け、
何れか他方に、同じく前記傾斜方向へ延びて前記第２斜溝に摺動可能に嵌合する第２斜条を設け、
前記ベース部材にある第２斜溝または第２斜条を、前記第２ガイド手段としたことを特徴とする請求項１，２または３に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項５】
前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピンを有し、該エジェクタピンの先端部に前記ホルダーを固設し、
前記ホルダーは、前記エジェクタピンの突き出し動作によって駆動されることを特徴とする請求項１，２，３または４に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項１】
固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ凹んだアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部を成形するアンダーカット成形コアと、
前記アンダーカット成形コアを支持するスライダーと、
前記可動型に固設され、前記スライダーを移動可能に連結するベース部材と、
前記可動型に設けられ、前記スライダーを包囲した状態で前記成形品の型抜き方向へ移動可能に駆動され、前記成形品の内面の一部を成形し、前記アンダーカット成形コアを外部へ出没させる貫通孔が形成されたホルダーと、を有して成り、
前記ホルダー内に、前記型抜き方向と交差して前記アンダーカット部が前記貫通孔より前記ホルダー内に没入する逃げ方向へ前記スライダーを移動可能に案内する第１ガイド手段を設け、
前記ベース部材に、前記ホルダーの前記型抜き方向への駆動に伴い前記スライダーが前記第１ガイド手段を介して引かれる際、該スライダーが前記型抜き方向および前記逃げ方向へ同時に移動する傾斜方向へ案内する第２ガイド手段を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【請求項２】
前記ホルダーは、前記ベース部材ごと前記スライダーを包囲した状態で、該ベース部材に対して型抜き方向へ移動可能に外嵌しており、前記型抜き方向への駆動時に前記ベース部材に案内されることを特徴とする請求項１に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項３】
前記ホルダーおよび前記スライダーの何れか一方に、前記スライダーが前記ホルダーに対して移動可能な前記逃げ方向へ延びる第１横溝を設け、
何れか他方に、同じく前記逃げ方向へ延びて前記第１横溝に摺動可能に嵌合する第１横条を設け、
前記ホルダーにある第１横溝または第１横条を、前記第１ガイド手段としたことを特徴とする請求項１または２に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項４】
前記ベース部材および前記スライダーの何れか一方に、前記スライダーが前記ベース部材に対して移動可能な前記傾斜方向へ延びる第２斜溝を設け、
何れか他方に、同じく前記傾斜方向へ延びて前記第２斜溝に摺動可能に嵌合する第２斜条を設け、
前記ベース部材にある第２斜溝または第２斜条を、前記第２ガイド手段としたことを特徴とする請求項１，２または３に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項５】
前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピンを有し、該エジェクタピンの先端部に前記ホルダーを固設し、
前記ホルダーは、前記エジェクタピンの突き出し動作によって駆動されることを特徴とする請求項１，２，３または４に記載のアンダーカット処理機構。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１１−６８０４０（Ｐ２０１１−６８０４０Ａ）
【公開日】平成２３年４月７日（２０１１．４．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２２１３８４（Ｐ２００９−２２１３８４）
【出願日】平成２１年９月２５日（２００９．９．２５）
【出願人】（３０２０６７９４７）株式会社テクノクラーツ (19)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年４月７日（２０１１．４．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年９月２５日（２００９．９．２５）
【出願人】（３０２０６７９４７）株式会社テクノクラーツ (19)
【Ｆターム（参考）】
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