説明

アンテナシステム及びテレビジョン受像機

【課題】アンテナの設置場所が、屋外であるか、或いは、屋内であるかを自動的に設定することにより、ユーザ等の負担が軽減できるアンテナシステム及びテレビジョン受像機を提供する。
【解決手段】アンテナシステムSを備えるSTB100において、CPU141に、アンテナ1を水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおけるアンテナシステムSによるTV放送信号の受信情報を取得させる取得プログラム143b1と、当該取得された受信情報に基づいて、アンテナ1の設置場所を判定させる判定プログラム143b2と、アンテナ1が屋外に設置されていると判定された場合には、屋外用受信プログラム143a1を設定させると共に、アンテナ1が屋内に設置されていると判定された場合には、屋内用受信プログラム143a2を設定させる設定プログラム143b3と、を備えるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナシステム及びテレビジョン受像機に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナシステムが有するアンテナが受信するテレビジョン放送信号は、水平偏波で送信されている。したがって、屋外ではテレビジョン放送信号を反射するものが少ないため、アンテナは、屋外に設置された際、水平偏波のテレビジョン放送信号を受信することとなる。一方、屋内ではテレビジョン放送信号を反射するものが多いため、アンテナは、屋内に設置された際、垂直偏波のテレビジョン放送信号を受信した方が好ましい場合がある。
【0003】
そのため、水平偏波の信号や垂直偏波の信号を受信することができるアンテナが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。また、水平偏波の信号や垂直偏波の信号を送信することができるアンテナも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−102203号公報
【特許文献2】特開2002−26601号公報
【特許文献3】特開2003−179428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したように、アンテナの設置場所によって、当該アンテナが受信すべき最適なテレビジョン放送信号の偏り等は変わってくる。したがって、アンテナを屋外に設置した場合と屋内に設置した場合とで、使用すべき、最適信号の獲得や信号の復帰のための受信アルゴリズムが変わってくるため、予め、アンテナの設置場所を当該アンテナが接続されるテレビジョン受像機などに設定しておく必要があり、煩わしいという問題があった。また、このような設定は、ユーザにとって煩わしいだけでなく、例えば、ユーザが間違えて設定してしまったにも関わらず、映像が映らないなどの苦情によって、販売店やメーカにとっても余計な対応を迫られる可能性があった。
【0005】
本発明の課題は、アンテナの設置場所が、屋外であるか、或いは、屋内であるかを自動的に設定することにより、ユーザ等の負担が軽減できるアンテナシステム及びテレビジョン受像機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナを有し、デジタル方式のテレビジョン放送信号を受信するアンテナシステムを備えるテレビジョン受像機において、前記アンテナシステムは、前記アンテナが屋外に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋外用受信プログラムと、前記アンテナが屋内に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋内用受信プログラムと、を記憶する記憶手段と、当該アンテナシステムにより受信可能な所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号毎に、前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおける当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、前記アンテナが、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定する判定手段と、前記取得手段により取得された所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号の受信情報に基づいて得られた前記判定手段による判定の結果のうち、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数
が、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数が、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された屋外用受信プログラム又は屋内用受信プログラムにより、当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信制御を行う制御手段と、を備え、前記取得手段により取得される受信情報は、前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、当該アンテナシステムによりテレビジョン放送信号が受信された際に取得される受信可能情報と、前記アンテナを水平偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第1のエラーレートと、前記アンテナを垂直偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第2のエラーレートと、を含み、前記判定手段は、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが垂直偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に前記受信可能情報が取得された場合には、前記取得手段により取得された前記第1のエラーレートから前記第2のエラーレートを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナを有し、デジタル方式のテレビジョン放送信号を受信するアンテナシステムにおいて、前記アンテナが屋外に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋外用受信プログラムと、前記アンテナが屋内に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋内用受信プログラムと、を記憶する記憶手段と、前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおける当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、前記アンテナが、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記アンテナが屋外に設置されていると判定された場合には、前記記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、前記判定手段により、前記アンテナが屋内に設置されていると判定された場合には、前記記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された屋外用受信プログラム又は屋内用受信プログラムにより、当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアンテナシステムにおいて、前記取得手段により取得される受信情報は、前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、当該アンテナシステムによりテレビジョン放送信号が受信された際に取得される受信可能情報と、前記アンテナを水平偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第1のエラーレートと、前記アンテナを垂直偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第2のエラーレートと、を含み、前記判定手段は、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合
には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが垂直偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に前記受信可能情報が取得された場合には、前記取得手段により取得された前記第1のエラーレートから前記第2のエラーレートを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のアンテナシステムにおいて、前記取得手段は、当該アンテナシステムにより受信可能な所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号毎に、前記受信情報を取得し、前記判定手段は、前記取得手段により取得された全ての受信情報に基づいて、前記判定を行い、前記設定手段は、前記判定手段による前記判定の結果のうち、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数が、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数が、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、取得手段によって、アンテナシステムにより受信可能な所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号毎に、アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおけるアンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信情報を取得することができ、判定手段によって、取得手段により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、アンテナが、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定することができ、設定手段によって、取得手段により取得された所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号の受信情報に基づいて得られた判定手段による判定の結果のうち、アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数が、アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数が、アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定することができ、制御手段によって、設定手段により設定された屋外用受信プログラム又は屋内用受信プログラムにより、アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信制御を行うことができる。したがって、アンテナの設置場所が、屋外であるか、或いは、屋内であるかを自動的に設定することができるため、ユーザ等の負担を軽減することができる。また、数多くの判定結果に基づいて、アンテナの設置場所を判定するため、正確にアンテナの設置場所を判定することができる。さらに、アンテナの設置場所に応じた最適な受信プログラムを設定して使用することができるため、アンテナの受信性能が向上する。
【0011】
また、判定手段によって、取得手段によりアンテナが水平偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得された場合には、アンテナは屋外に設置されていると判定し、取得手段によりアンテナが垂直偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得された場合には、アンテナは屋内に設置されていると判定し、取得手段によりアンテナが水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に受信可能情報が取得された場合には、取得手段により取得された第1のエラーレートから第2のエラーレートを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合には、アンテナは屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合には、アンテナは屋内に設置されていると判定することができる。すなわち、アンテナシステムがテレビジョン放送信号を受信したか否かの実地検査に基づいて、さらに、デジタルテ
レビジョン放送を良好に視聴することができるか否かに関わるエラーレートに基づいて、アンテナの設置場所を判定するため、より正確にアンテナの設置場所を判定することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、取得手段によって、アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおけるアンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信情報を取得することができ、判定手段によって、取得手段により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、アンテナが、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定することができ、設定手段によって、判定手段により、アンテナが屋外に設置されていると判定された場合には、記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、判定手段により、アンテナが屋内に設置されていると判定された場合には、記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定することができ、制御手段によって、設定手段により設定された屋外用受信プログラム又は屋内用受信プログラムにより、アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信制御を行うことができる。したがって、アンテナの設置場所が、屋外であるか、或いは、屋内であるかを自動的に設定することができるため、ユーザ等の負担を軽減することができる。また、アンテナの設置場所に応じた最適な受信プログラムを設定して使用することができるため、アンテナの受信性能が向上する。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、判定手段によって、取得手段によりアンテナが水平偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得された場合には、アンテナは屋外に設置されていると判定し、取得手段によりアンテナが垂直偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得された場合には、アンテナは屋内に設置されていると判定し、取得手段によりアンテナが水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に受信可能情報が取得された場合には、取得手段により取得された第1のエラーレートから第2のエラーレートを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合には、アンテナは屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合には、アンテナは屋内に設置されていると判定することができる。すなわち、アンテナシステムがテレビジョン放送信号を受信したか否かの実地検査に基づいて、さらに、デジタルテレビジョン放送を良好に視聴することができるか否かに関わるエラーレートに基づいて、アンテナの設置場所を判定するため、正確にアンテナの設置場所を判定することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、取得手段によって、アンテナシステムにより受信可能な所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号毎に、受信情報を取得することができ、判定手段によって、取得手段により取得された全ての受信情報に基づいて、判定を行うことができ、設定手段によって、判定手段による判定の結果のうち、アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数が、アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数が、アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定することができる。すなわち、数多くの判定結果に基づいて、アンテナの設置場所を判定するため、より正確にアンテナの設置場所を判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して、本発明にかかるアンテナシステム及びテレビジョン受像機の最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
本実施形態では、テレビジョン受像機としてセットトップボックス(以下、「STB」
という。)を例示して説明することとする。
<アンテナの本体の構成>
まず、アンテナシステムSが備えるアンテナ1の本体2の構成について、図1を参照して説明する。
【0017】
なお、アンテナ1は、例えば、水平に配された水平偏波用アンテナ1Aと、互いに直交し、且つ、水平偏波用アンテナ1Aに対して垂直に配された2つの垂直偏波用アンテナ(図示省略)と、によって構成されている。水平偏波用アンテナ1Aと、垂直偏波用アンテナとは、構成が略同一であるため、図1においては、水平偏波用アンテナ1Aを例示して説明することとする。
【0018】
水平偏波用アンテナ1Aの本体2は、略八角形状に形成された偏平なものである。本体2は、90度間隔毎に、凸に湾曲した凸縁部4a〜4dを有し、凸縁部4a〜4d間それぞれを繋ぐように、凹に湾曲した凹縁部6a〜6dを有している。
【0019】
本体2内には、複数組、例えば、4組のUHF帯用八木形アンテナ8a〜8dが配置されている。八木形アンテナ8a〜8dは、例えば、470MHz〜860MHzのUHF帯でのアメリカテレビジョン放送信号受信用のものである。
【0020】
八木形アンテナ8a〜8dのうちの2つの八木形アンテナ8a,8cは、1つの平面、例えば、水平面上において、対向する2つの凸縁部4a,4c間を繋ぐ直線10aに沿って配置されている。残りの2つの八木形アンテナ8b,8dは、八木形アンテナ8a,8cが配置された水平面とは異なる高さ位置(例えば、下側位置)にある水平面上において、直線10aと直交する直線10bに沿って配置されている。
【0021】
八木形アンテナ8a,8cは、凸縁部4a,4c近傍の本体2内に、導波器12a,12cを有している。導波器12a,12cは、同一の大きさの平板形状に形成され、その表面が水平に位置するように、且つ、直線10a上にこれと直交するように配置されている。
【0022】
導波器12a,12cよりも更に内側位置には、放射器14a,14cが配置されている。放射器14a,14cは、直線10aの両側に給電点を有している。放射器14aは、給電点から直線10aに略直交するように、外方に向かって伸延し、凹縁部6a,6d近傍において内側に湾曲させられ、そのまま凹縁部6a,6dに沿って凸縁部4b,4d近傍まで伸延している。放射器14cも、同様に構成されている。
【0023】
放射器14a,14cは、平板形状に形成されている。放射器14a,14cは、導波器12a,12cがその表面を水平に配置されているのに対し、表面が垂直に配置されている。そして、放射器14a,14cの上縁部は、導波器12a,12cとほぼ同一の高さ位置にある。
【0024】
放射器14a,14cよりも更に内側位置には、反射器16a,16cが配置されている。反射器16aは、直線10aの両側に直線部を有し、この直線部の内方端部から導波器12a側に向かって湾曲した湾曲部を有している。反射器16cも、同様に構成されている。
【0025】
反射器16a,16cは、平板形状に形成され、導波器12a,12cと同一の高さ位置に配置されている。
【0026】
八木形アンテナ8b,8dも、八木形アンテナ8a,8cと同様、導波器12b,12d、放射器14b,14d、反射器16b,16dを有している。
【0027】
八木形アンテナ8b,8dは、八木形アンテナ8a、8cと直交するように、且つ、非
接触状態となるように配置されていると共に、八木形アンテナ8a,8cが配置された水平面とは異なる高さ位置(例えば、下側位置)にある水平面上に配置されている。
【0028】
具体的には、放射器14aは、放射器14b,14dと非接触状態で一部交差し、放射器14bは、放射器14a,14cと非接触状態で一部交差し、放射器14cは、放射器14b,14dと非接触状態で一部交差し、放射器14dは、放射器14a,14cと非接触状態で一部交差している。同様に、反射器16aは、反射器16b,16dと非接触状態で一部交差し、反射器16bは、反射器16a,16cと非接触状態で一部交差し、反射器16cは、反射器16b,16dと非接触状態で一部交差し、反射器16dは、反射器16a,16cと非接触状態で一部交差している。さらに、反射器16aは、放射器14b,14d及び導波器12b,12dと非接触状態で一部交差し、反射器16bは、放射器14a,14c及び導波器12a,12cと非接触状態で一部交差し、反射器16cは、放射器14b,14d及び導波器12b,12dと非接触状態で一部交差し、反射器16dは、放射器14a,14c及び導波器12a,12cと非接触状態で一部交差している。
【0029】
本体2内には、4本以上の偶数本、例えば、4本のロッドアンテナ18a〜18dが配置されている。ロッドアンテナ18a〜18dによって、VHF帯用の1つの組合せアンテナが構成されている。ロッドアンテナ18a〜18dは、54MHz〜88MHz、174MHz〜216MHzのアメリカテレビジョン放送信号受信用のものである。
【0030】
ロッドアンテナ18a〜18dは、八木形アンテナ8a,8cが設けられている面と、八木形アンテナ8b,8dが設けられている面との間の一つの水平面内に配置されている。この水平面内における直線10aに沿って、ロッドアンテナ18a,18cが配置され、この水平面内における直線10bに沿って、ロッドアンテナ18b,18dが配置されている。そして、ロッドアンテナ18a〜18dは、凸縁部4a〜4dそれぞれから外方に向かって伸張することができるようになっている。
【0031】
ロッドアンテナ18a〜18dは、その内方端部に、それぞれ2つの給電端子を有している。
<STBの構成>
次に、STB100の構成について、図2を参照して説明する。
【0032】
STB100は、水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナ1を有し、デジタル方式のテレビジョン放送信号(以下、「TV放送信号」という。)を受信するアンテナシステムSを備えると共に、出力装置200を接続している。
【0033】
具体的には、STB100は、例えば、図2に示すように、アンテナ1を有するチューナ110と、デコーダ120と、OSD回路130と、制御部140と、などを備えて構成される。各部は、バスBによって接続されている。そして、STB100は、出力装置200を接続している。
【0034】
ここで、アンテナシステムSは、アンテナ1を有するチューナ110と、制御部140と、を備えて構成されている。
【0035】
アンテナ1は、例えば、デジタル方式の水平偏波及び垂直偏波のTV放送信号(テレビジョン放送波)に対応している。
【0036】
なお、アンテナ1は、制御部140により、例えば、偏波面が切り替えられて、すなわち、TV放送信号受信可能なアンテナが水平偏波用アンテナ1A又は垂直偏波用アンテナ(図示省略)に切り替えられて、水平偏波のTV放送信号のみを受信するモード(以下、「水平偏波受信モード」という。)、或いは、垂直偏波のTV放送信号のみを受信するモード(以下、「垂直偏波受信モード」という。)に設定されるようになっている。そして、アンテナ1は、水平偏波設定モードに設定されている際には、垂直偏波のTV放送信号が到来しても受信せず、垂直偏波受信モードに設定されている際には、水平偏波のTV放送信号が到来しても受信しないようになっている。
【0037】
チューナ110は、例えば、制御部140からの指示に従って、アンテナ1により受信されたデジタル方式の水平偏波又は垂直偏波のTV放送信号の中から、ユーザ所望の放送番組のチャンネルに対応する周波数帯域に存在するデジタル方式のTV放送信号を受信し、当該受信したTV放送信号を中間周波信号に変換して出力する。
【0038】
ここで、アンテナ1には指向性がある。アンテナ1及びチューナ110は、EIA/CEA-909などの所定の規格に準拠しており、例えば、制御部140からの指示に従って、最適な
方向(例えば、16方向のうちの1方向)から到来した最適な偏波(水平偏波又は垂直偏波)のTV放送信号の中から一のチャンネルに対応するTV放送信号を受信することができるようになっている。アンテナ1及びチューナ110により受信可能なチャンネルは、例えば、2ch〜69chである。
【0039】
デコーダ120は、例えば、制御部140からの指示に従って、チューナ110から出力されたTV放送信号をデコードして映像信号を生成し、当該生成した映像信号を出力する。
【0040】
OSD回路130は、例えば、出力装置200の画像表示部210(後述)に所定のオンスクリーンディスプレイ(以下、「OSD」という。)表示を表示させる。
【0041】
具体的には、OSD回路130は、例えば、制御部140からの指示に従って、受信可能なチャンネル情報などに関する所定の一覧表示(OSD表示)を画像表示部210に表示させるためのOSD表示信号を出力装置200に出力する。
【0042】
制御部140は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)1
41と、RAM(Random Access Memory)142と、ROM(Read Only Memory)143と、などを備えている。
【0043】
CPU141は、ROM143に記憶されたSTB100用の各種処理プログラムに従って、各種の制御動作を行う。
【0044】
RAM142は、CPU141によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0045】
ROM143は、STB100で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU141によって演算処理された各種結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形でROM143に記憶されている。
【0046】
具体的には、ROM143は、記憶手段として、屋外用受信プログラム143a1と、屋内用受信プログラム143a2と、を記憶している。また、ROM143は、取得プログラム143b1と、判定プログラム143b2と、設定プログラム143b3と、制御プログラム143b4と、などを記憶している。
【0047】
屋外用受信プログラム143a1は、アンテナ1が屋外に設置された際に、アンテナシステムSによりTV放送信号を受信するための受信アルゴリズムをプログラミングしたものである。
【0048】
屋内用受信プログラム143a2は、アンテナ1が屋内に設置された際に、アンテナシステムSによりTV放送信号を受信するための受信アルゴリズムをプログラミングしたものである。
【0049】
具体的には、屋外用受信プログラム143a1及び屋内用受信プログラム143a2は、アンテナ1及びチューナ110に、最適信号を獲得させたり、或いは、信号を復帰させるための受信プログラムであって、STB100における初期設定に関する処理以降の通常動作時に、制御プログラム143b4を実行したCPU141(後述)によって使用される。
【0050】
取得プログラム143b1は、CPU141に、アンテナ1を水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおけるアンテナシステムSによるTV放送信号の受信情報を取得する機能を実現させる。
【0051】
なお、CPU141は、アンテナシステムS(アンテナ1及びチューナ110)により受信可能な所定数のチャンネル(例えば、全てのチャンネル(例えば、2ch〜69ch))に対応するTV放送信号毎に、受信情報を取得することとする。
【0052】
ここで、受信情報には、受信可能情報と、第1のエラーレートとしての水平ビットエラーレート(以下、「水平BER」という。)と、第2のエラーレートとしての垂直ビットエラーレート(以下、「垂直BER」という。)と、が含まれる。
【0053】
受信可能情報は、CPU141がアンテナ1を水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、アンテナ1及びチューナ110により一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信された際に、CPU141により取得される。
【0054】
水平BERは、CPU141がアンテナ1を水平偏波受信モードに設定して受信可能情報を取得した際に、CPU141により、アンテナ1及びチューナ110により受信された一のチャンネルに対応するTV放送信号から取得される。具体的には、CPU141がアンテナ1を水平偏波受信モードに設定して受信可能情報を取得し、チューナ110においてアンテナ1及びチューナ110により受信されたTV放送信号から水平BERが生成されると、CPU141は、チューナ110から、当該生成された水平BERを取得する。そして、CPU141は、当該取得した水平BERが所定値よりも大きいか否かを判断する。
【0055】
垂直BERは、CPU141がアンテナ1を垂直偏波受信モードに設定して受信可能情報を取得した際に、CPU141により、アンテナ1及びチューナ110により受信された一のチャンネルに対応するTV放送信号から取得される。具体的には、CPU141がアンテナ1を垂直偏波受信モードに設定して受信可能情報を取得し、チューナ110においてアンテナ1及びチューナ110により受信されたTV放送信号から垂直BERが生成されると、CPU141は、チューナ110から、当該生成された垂直BERを取得する。そして、CPU141は、当該取得した垂直BERが所定値よりも大きいか否かを判断する。
【0056】
CPU141は、かかる取得プログラム143b1を実行することによって、取得手段として機能する。
【0057】
判定プログラム142b2は、CPU141に、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、アンテナ1が、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定する機能を実現させる。
【0058】
なお、CPU141は、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された全ての受信情報に基づいて、判定を行うこととする。
【0059】
具体的には、CPU141は、取得プログラム143b1を実行したCPU141によりアンテナ1が水平偏波受信モードに設定された際に、アンテナ1及びチューナ110により一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信され、アンテナ1が垂直偏波受信モードに設定された際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信されなかった場合(すなわち、取得プログラム143b1を実行したCPU141により、アンテナ1が水平偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得された場合)であり、且つ、取得プログラム143b1を実行したCPU14
1により取得された水平BERが所定値よりも大きいと判断された場合には、アンテナ1は屋外に設置されていると判定する。
【0060】
また、CPU141は、取得プログラム143b1を実行したCPU141によりアンテナ1が水平偏波受信モードに設定された際に、アンテナ1及びチューナ110により一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信されず、アンテナ1が垂直偏波受信モードに設定された際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信された場合(すなわち、取得プログラム143b1を実行したCPU141により、アンテナ1が垂直偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得された場合)であり、且つ、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された垂直BERが所定値よりも大きいと判断された場合には、アンテナ1は屋内に設置されていると判定する。
【0061】
また、CPU141は、取得プログラム143b1を実行したCPU141によりアンテナ1が水平偏波受信モードに設定された際に、アンテナ1及びチューナ110により一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信され、アンテナ1が垂直偏波受信モードに設定された際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信された場合(すなわち、取得プログラム143b1を実行したCPU141により、アンテナ1が水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に受信可能情報が取得された場合)であり、且つ、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された水平BER及び垂直BERが所定値よりも大きいと判断された場合には、当該取得された水平BERから当該取得された垂直BERを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合には、アンテナ1は屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合には、アンテナ1は屋内に設置されていると判定する。
【0062】
CPU141は、かかる判定プログラム143b2を実行することによって、判定手段として機能する。
【0063】
設定プログラム143b3は、CPU141に、判定プログラム143b2を実行したCPU141により、アンテナ1が屋外に設置されていると判定された場合には、ROM143に記憶される屋外用受信プログラム143a1を設定すると共に、判定プログラム143b2を実行したCPU141により、アンテナ1が屋内に設置されていると判定された場合には、ROM143に記憶される屋内用受信プログラム143a2を設定する機能を実現させる。
【0064】
具体的には、CPU141は、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された所定数のチャンネルに対応するTV放送信号の受信情報に基づいて得られた判定プログラム143b2を実行したCPU141による判定の結果のうち、アンテナ1が屋外に設置されているとの判定結果の数が、アンテナ1が屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、ROM143に記憶される屋外用受信プログラム143a1を設定すると共に、アンテナ1が屋内に設置されているとの判定結果の数が、アンテナ1が屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、ROM143に記憶される屋内用受信プログラム143a2を設定する。
【0065】
CPU141は、かかる設定プログラム143b3を実行することによって、設定手段として機能する。
【0066】
制御プログラム143b4は、CPU141に、設定プログラム143b3を実行したCPU141により設定された屋外用受信プログラム143a1又は屋内用受信プログラム143a2により、アンテナシステムSによるTV放送信号の受信制御を行う機能を実現させる。
【0067】
なお、CPU141は、STB100における初期設定に関する処理以降の通常動作時に、制御プログラム143b4を実行して、アンテナ1及びチューナ110によるTV放送信号の受信を制御することとする。
【0068】
CPU141は、かかる制御プログラム143b4を実行することによって、制御手段として機能する。
【0069】
STB100が接続する出力装置200は、例えば、図2に示すように、画像表示部210と、音声出力部220と、などを備えている。
【0070】
画像表示部210は、例えば、液晶表示機器などであり、デコーダ120から出力された映像信号に基づく画像データに応じた画像、或いは、デコーダ120から出力された映像信号とOSD回路130により付加されたOSD表示信号とに基づく画像データに応じた画像を表示する。
【0071】
音声出力部220は、例えば、スピーカ機器などであり、デコーダ120から出力された映像信号に基づく音声データに応じた音声を出力する。
<受信プログラム設定処理>
次に、STB100による受信プログラムの設定に関する処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0072】
なお、当該受信プログラム設定処理は、例えば、STB100における初期設定に関する処理のうちの1つである。具体的には、STB100における初期設定に関する処理の際の、例えば、受信可能チャンネル選局時に、自動的に実行される。
【0073】
まず、CPU141は、アンテナ1及びチューナ110により受信可能な全てのチャンネルに対応するTV放送信号毎に、ループAの処理を繰り返して行う(ステップS11〜S31)。
【0074】
具体的には、一のチャンネルにおけるループAの処理では、まず、CPU141は、取得プログラム143b1を実行して、アンテナ1を水平偏波受信モードに設定し(ステップS12)、アンテナ1及びチューナ110による当該一のチャンネルに対応するTV放送信号の受信に最適な方向を検索する(ステップS13)。
【0075】
次いで、CPU141は、判定プログラム143b2を実行して、ステップS13での最適方向の検索の際に、取得プログラム143b1を実行したCPU141が受信可能情報を取得したか否かを判定する(ステップS14)。
【0076】
ステップS14で、受信可能情報を取得していないと判定すると(ステップS14;No)、すなわち、ステップS13での最適方向の検索の際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信されなかった場合には、CPU141は、取得プログラム143b1を実行して、アンテナ1を垂直偏波受信モードに設定し(ステップS15)、アンテナ1及びチューナ110による当該一のチャンネルに対応するTV放送信号の受信に最適な方向を検索する(ステップS16)。
【0077】
次いで、CPU141は、判定プログラム143b2を実行して、ステップS16での最適方向の検索の際に、取得プログラム143b1を実行したCPU141が受信可能情報を取得したか否かを判定する(ステップS17)。
【0078】
ステップS17で、受信可能情報を取得していないと判定すると(ステップS17;No)、すなわち、ステップS16での最適方向の検索の際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信されなかった場合には、CPU141は、アンテナ1及びチューナ110による当該一のチャンネルに対応するTV放送信号の受信は不可能であると判定し(ステップS18)、当該判定結果を、RAM142に記憶させた後、当該一のチャンネルにおけるループAの処理を終了する(ステップS31)。
【0079】
一方、ステップS17で、受信可能情報を取得したと判定すると(ステップS17;Yes)、すなわち、ステップS16での最適方向の検索の際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信された場合には、CPU141は、取得プログラム143b1を実行して、アンテナ1及びチューナ110により受信されたTV放送信号から、垂直BERを取得し(ステップS19)、当該取得した垂直BERが所定値よりも大きいか否かを判断する(ステップS20)。
【0080】
ステップS20で、垂直BERが所定値よりも大きくないと判断した場合には(ステップS20;No)、CPU141は、ステップS18の処理に移行する。
【0081】
一方、ステップS20で、垂直BERが所定値よりも大きいと判断した場合には(ステップS20;Yes)、CPU141は、アンテナ1は屋内に設置されていると判定し(ステップS21)、当該判定結果を、RAM142に記憶させた後、当該一のチャンネルにおけるループAの処理を終了する(ステップS31)。
【0082】
また、ステップS14で、受信可能情報を取得したと判定すると(ステップS14;Yes)、すなわち、ステップS13での最適方向の検索の際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信された場合には、CPU141は、取得プログラム143b1を実行して、アンテナ1及びチューナ110により受信されたTV放送信号から、水平BERを取得し(ステップS22)、当該取得した水平BERが所定値よりも大きいか否かを判断する(ステップS23)。
【0083】
ステップS23で、水平BERが所定値よりも大きくないと判断した場合には(ステップS23;No)、CPU141は、ステップS15の処理に移行する。
【0084】
一方、ステップS23で、水平BERが所定値よりも大きいと判断した場合には(ステップS23;Yes)、CPU141は、アンテナ1を垂直偏波受信モードに設定し(ステップS24)、アンテナ1及びチューナ110による当該一のチャンネルに対応するTV放送信号の受信に最適な方向を検索する(ステップS25)。
【0085】
次いで、CPU141は、判定プログラム143b2を実行して、ステップS25での最適方向の検索の際に、取得プログラム143b1を実行したCPU141が受信可能情報を取得したか否かを判定する(ステップS26)。
【0086】
ステップS26で、受信可能情報を取得していないと判定すると(ステップS26;No)、すなわち、ステップS25での最適方向の検索の際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信されなかった場合には、CPU141は、ステップS30の処理に移行する。
【0087】
一方、ステップS26で、受信可能情報を取得したと判定すると(ステップS26;Yes)、すなわち、ステップS25での最適方向の検索の際に、アンテナ1及びチューナ110により当該一のチャンネルに対応するTV放送信号が受信された場合には、CPU141は、取得プログラム143b1を実行して、アンテナ1及びチューナ110により受信されたTV放送信号から、垂直BERを取得し(ステップS27)、当該取得した垂直BERが所定値よりも大きいか否かを判断する(ステップS28)。
【0088】
ステップS28で、垂直BERが所定値よりも大きくないと判断した場合には(ステップS28;No)、CPU141は、ステップS30の処理に移行する。
【0089】
一方、ステップS28で、垂直BERが所定値よりも大きいと判断した場合には(ステップS28;Yes)、CPU141は、判定プログラム143b2を実行して、ステップS22で取得した水平BERから、ステップS27で取得した垂直BERを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS29)。
【0090】
ステップS29で、水平BERから垂直BERを引いた差が所定の閾値よりも大きくないと判定すると(ステップS29;No)、CPU141は、ステップS21の処理に移行する。
【0091】
一方、ステップS29で、水平BERから垂直BERを引いた差が所定の閾値よりも大きいと判定すると(ステップS29;Yes)、CPU141は、アンテナ1は屋外に設置されていると判定し(ステップS30)、当該判定結果を、RAM142に記憶させた後、当該一のチャンネルにおけるループAの処理を終了する(ステップS31)。
【0092】
次いで、アンテナ1及びチューナ110により受信可能な全てのチャンネルに対応するTV放送信号に対して、ループAの処理が終了すると(ステップS31)、CPU141は、設定プログラム143b3を実行して、RAM142に記憶されているループAの処理における全ての判定の結果のうち、アンテナ1が屋外に設置されているとの判定結果の数が、アンテナ1が屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多いか否かを判断する(ステップS32)。
【0093】
ステップS32で、アンテナ1が屋外に設置されているとの判定結果の数の方が多いと判断すると(ステップS32;Yes)、CPU141は、ROM143に記憶される屋外用受信プログラム143a1を設定し(ステップS33)、本処理を終了する。
【0094】
一方、ステップS32で、アンテナ1が屋外に設置されているとの判定結果の数の方が少ないと判断すると(ステップS32;No)、CPU141は、ROM143に記憶される屋内用受信プログラム143a2を設定し(ステップS34)、本処理を終了する。
【0095】
そして、当該受信プログラム設定処理を含むSTB100における初期設定に関する処理が終了して、STB100における通常動作に移行すると、CPU141は、制御プログラム143b4を実行して、ステップS33で設定された屋外用受信プログラム143a1又はステップS34で設定された屋内用受信プログラム143a2により、アンテナ1及びチューナ110によるTV放送信号の受信を制御する。
【0096】
以上説明した本発明のSTB100が備えるアンテナシステムSによれば、水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナ1を有するデジタル方式のTV放送信号を受信するアンテナシステムS(アンテナ1を有するチューナ110、制御部140)を備え、ROM143によって、アンテナ1が屋外に設置された際に、アンテナシステムSによりTV放送信号を受信するための屋外用受信プログラム143a1と、アンテナ1が屋内に設置された際に、アンテナシステムSによりTV放送信号を受信するための屋内用受信プログラム143a2と、を記憶することができ、取得プログラム143b1を実行したCPU141によって、アンテナシステムSにより受信可能な所定数のチャンネルに対応するTV放送信号毎に、アンテナ1を水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおけるアンテナシステムSによるTV放送信号の受信情報を取得することができ、判定プログラム143b2を実行したCPU141によって、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、アンテナ1が、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定することができ、設定プログラム143b3を実行したCPU141
によって、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された所定数のチャンネルに対応するTV放送信号の受信情報に基づいて得られた判定プログラム143b2を実行したCPU141による判定の結果のうち、アンテナ1が屋外に設置されているとの判定結果の数が、アンテナ1が屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、ROM143に記憶される屋外用受信プログラム143a1を設定すると共に、アンテナ1が屋内に設置されているとの判定結果の数が、アンテナ1が屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、ROM143に記憶される屋内用受信プログラム143a2を設定することができ、制御プログラム143b4を実行したCPU141によって、設定プログラム143b3を実行したCPU141により設定された屋外用受信プログラム143a1又は屋内用受信プログラム143a2により、アンテナシステムSによるTV放送信号の受信制御を行うことができる。したがって、アンテナ1の設置場所が、屋外であるか、或いは、屋内であるかを自動的に設定することができるため、ユーザ等の負担を軽減することができる。また、数多くの判定結果に基づいて、アンテナ1の設置場所を判定するため、正確にアンテナ1の設置場所を判定することができる。さらに、アンテナ1の設置場所に応じた最適な受信プログラム(屋外用受信プログラム143a1又は屋内用受信プログラム143a2)を設定して使用することができるため、アンテナ1の受信性能が向上する。
【0097】
また、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得される受信情報は、アンテナ1を水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、アンテナシステムSによりTV放送信号が受信された際に取得される受信可能情報と、アンテナ1を水平偏波受信モードに設定して受信可能情報を取得した際に、アンテナシステムSにより受信されたTV放送信号から取得される水平BERと、アンテナ1を垂直偏波受信モードに設定して受信可能情報を取得した際に、アンテナシステムSにより受信されたTV放送信号から取得される垂直BERと、を含み、判定プログラム143b2を実行したCPU141によって、取得プログラム143b1を実行したCPU141によりアンテナ1が水平偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得され、且つ、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された水平BERが所定値よりも大きいと判断された場合には、アンテナ1は屋外に設置されていると判定し、取得プログラム143b1を実行したCPU141によりアンテナ1が垂直偏波受信モードに設定された際にのみ受信可能情報が取得され、且つ、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された垂直BERが所定値よりも大きいと判断された場合には、アンテナ1は屋内に設置されていると判定し、取得プログラム143b1を実行したCPU141によりアンテナ1が水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に受信可能情報が取得され、且つ、取得プログラム143b1を実行したCPU141により取得された水平BER及び垂直BERが所定値よりも大きいと判断された場合には、当該取得された水平BERから当該取得された垂直BERを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合は、アンテナ1は屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合は、アンテナ1は屋内に設置されていると判定することができる。すなわち、アンテナシステムSがTV放送信号を受信したか否かの実地検査に基づいて、さらに、デジタルテレビジョン放送を良好に視聴することができるか否かに関わるビットエラーレート(水平BER及び垂直BER)に基づいて、アンテナ1の設置場所を判定するため、より正確にアンテナ1の設置場所を判定することができる。
【0098】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0099】
テレビジョン受像機は、STB100の限りではなく、アンテナシステムSを備える好適なテレビジョン受像機であれば任意である。
【0100】
アンテナ1の設置場所の判定方法は、水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにお
ける受信情報に基づいて、好適にアンテナ1の設置場所が判定されるのであれば任意である。
【0101】
また、アンテナ1の設置場所の判定を受信可能な全てのチャンネルにおいて行うようにしたが、この限りではなく、判定の数は、正確に受信プログラムを設定することができるのであれば任意である。
【0102】
また、設定する受信プログラムを、屋外に設置されているとの判定結果と屋内に設置されているとの判定結果との多数決により決定するようにしたが、この限りではなく、受信プログラムの決定方法は、屋外に設置されているとの判定結果と屋内に設置されているとの判定結果とを用いて、正しく決定することができるのであれば任意である。
【0103】
受信プログラム設定処理(図3)において、水平偏波受信モードに設定した後に、垂直偏波受信モードを設定するようにしたが、逆でもよい。
【0104】
また、受信プログラム設定処理はSTB100における初期設定に関する処理に含まれるとしたが、この限りではなく、受信プログラム設定処理を行うタイミングは、好適なタイミングであれば任意である。また、ユーザによるSTB100用のリモートコントローラ(図示省略)などの操作により、CPU141に、ユーザ所望のタイミングで受信プログラム設定処理を行うよう指示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施の形態におけるアンテナシステムを構成するアンテナの本体の内部構造を説明するための図である。
【図2】本実施の形態におけるSTBの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】STBによる受信プログラムの設定に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1 アンテナ(アンテナシステム)
100 STB(テレビジョン受像機)
110 チューナ(アンテナシステム)
140 制御部(アンテナシステム)
141 CPU(取得手段、判定手段、設定手段、制御手段)
143 ROM(記憶手段)
143a1 屋外用受信プログラム
143a2 屋内用受信プログラム
143b1 取得プログラム(取得手段)
143b2 判定プログラム(判定手段)
143b3 設定プログラム(設定手段)
143b4 制御プログラム(制御手段)
200 出力装置
S アンテナシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナを有し、デジタル方式のテレビジョン放送信号を受信するアンテナシステムを備えるテレビジョン受像機において、
前記アンテナシステムは、
前記アンテナが屋外に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋外用受信プログラムと、前記アンテナが屋内に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋内用受信プログラムと、を記憶する記憶手段と、
当該アンテナシステムにより受信可能な所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号毎に、前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおける当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、前記アンテナが、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定する判定手段と、
前記取得手段により取得された所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号の受信情報に基づいて得られた前記判定手段による判定の結果のうち、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数が、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数が、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された屋外用受信プログラム又は屋内用受信プログラムにより、当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信制御を行う制御手段と、を備え、
前記取得手段により取得される受信情報は、前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、当該アンテナシステムによりテレビジョン放送信号が受信された際に取得される受信可能情報と、前記アンテナを水平偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第1のエラーレートと、前記アンテナを垂直偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第2のエラーレートと、を含み、
前記判定手段は、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが垂直偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に前記受信可能情報が取得された場合には、前記取得手段により取得された前記第1のエラーレートから前記第2のエラーレートを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定することを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項2】
水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナを有し、デジタル方式のテレビジョン放送信号を受信するアンテナシステムにおいて、
前記アンテナが屋外に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋外用受信プログラムと、前記アンテナが屋内に設置された際に、当該アンテナシステムにより前記テレビジョン放送信号を受信するための屋内用受信プログラムと、を記憶する記憶手段と、
前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、各モードにおける当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードにおける受信情報に基づいて、前記アンテナが、屋外に設置されているか、或いは、屋内に設置されているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記アンテナが屋外に設置されていると判定された場合には、前記記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、前記判定手段により、前記アンテナが屋内に設置されていると判定された場合には、前記記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された屋外用受信プログラム又は屋内用受信プログラムにより、当該アンテナシステムによるテレビジョン放送信号の受信制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とするアンテナシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナシステムにおいて、
前記取得手段により取得される受信情報は、前記アンテナを水平偏波受信モード又は垂直偏波受信モードに設定して、当該アンテナシステムによりテレビジョン放送信号が受信された際に取得される受信可能情報と、前記アンテナを水平偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第1のエラーレートと、前記アンテナを垂直偏波受信モードに設定して前記受信可能情報を取得した際に、当該アンテナシステムにより受信されたテレビジョン放送信号から取得される第2のエラーレートと、を含み、
前記判定手段は、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが垂直偏波受信モードに設定された際にのみ前記受信可能情報が取得された場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定し、前記取得手段により前記アンテナが水平偏波受信モードに設定された際及び垂直偏波受信モードに設定された際に前記受信可能情報が取得された場合には、前記取得手段により取得された前記第1のエラーレートから前記第2のエラーレートを引いた差を算出して、当該算出した差が所定の閾値よりも大きい場合には、前記アンテナは屋外に設置されていると判定し、当該算出した差が所定の閾値以下の場合には、前記アンテナは屋内に設置されていると判定することを特徴とするアンテナシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のアンテナシステムにおいて、
前記取得手段は、当該アンテナシステムにより受信可能な所定数のチャンネルに対応するテレビジョン放送信号毎に、前記受信情報を取得し、
前記判定手段は、前記取得手段により取得された全ての受信情報に基づいて、前記判定を行い、
前記設定手段は、前記判定手段による前記判定の結果のうち、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数が、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋外用受信プログラムを設定すると共に、前記アンテナが屋内に設置されているとの判定結果の数が、前記アンテナが屋外に設置されているとの判定結果の数よりも多い場合には、前記記憶手段に記憶される屋内用受信プログラムを設定することを特徴とするアンテナシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−89070(P2007−89070A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278476(P2005−278476)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】