アンテナ・システム及びその送受信方法
【課題】全ての処理及びソフトウエア、並びにディジタル・ハードウエアを、種々のセル・サイトの間に分配されるよりむしろ単一の場所に設置するのを可能にし、それにより、初期設置コスト、並びにメンテナンス及びグレードアップのコストを低減させる。
【解決手段】塔頂部設備用アンテナ・システム20は、M×N個のアンテナ要素40のアンテナ・アレイ45、該アンテナ要素を作動的に相互接続するための共同給電部、地上ベース設備と通信するための逆送チャネル、及びアンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数信号を処理するための無線周波数回路を含む。無線周波数回路は、アンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数信号の処理を要求される実質的に全ての回路を含む。
【解決手段】塔頂部設備用アンテナ・システム20は、M×N個のアンテナ要素40のアンテナ・アレイ45、該アンテナ要素を作動的に相互接続するための共同給電部、地上ベース設備と通信するための逆送チャネル、及びアンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数信号を処理するための無線周波数回路を含む。無線周波数回路は、アンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数信号の処理を要求される実質的に全ての回路を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塔頂部設備用アンテナ・システム及びその送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ・システムのため、又は方向探知(DF)応用のための防衛電子機器においては方向操作型ビーム・アンテナ・システム(steered beam antenna system)が用いられてきた。これらの技術は、干渉の減少及び/又は容量の増強のため商用通信に応用されてきた。後者の産業において一般に認められた用語は、スマート・アンテナである。しかしながら、その用語は、多くの異なる技術及びテクノロジーを述べるため用いられてきた。初期のテクノロジーは、RF(無線周波数)ビームの方向操作に基づいており、それは、多数の非常に高い指向性アンテナのうちの1つを選択することを用いた。これらのテクノロジーでは、塔頂部アンテナは、通常完全に受動的であり、そしてバトラー(Butler)・マトリックスを介して、又はアンテナを個別に選択することにより形成されるビームを有した。次いで、独立のビーム信号は、基地局で実行された信号選択及びRF切り替えを用いて、基地局へ別個の同軸RF線を介して供給された。
【0003】
いずれのタイプのアンテナを塔頂部で用い且つディジタル信号処理技術(DSP)を基地局で用いてもよいディジタル適応システムが、試験され、そして市場でゆっくりと利用されつつある。しかしながら、大部分のこれらのテクノロジーは、相変わらず、受動アンテナを塔頂部に用い、且つRF信号を塔から基地局へ同軸(RF)ケーブルを介して持って来ることに基づいている。次いで、周波数変換、ディジタル変換及びビーム形成処理は、基地局で実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全ての処理及びソフトウエア、並びにディジタル・ハードウエアを、種々のセル・サイトの間に分配されるよりむしろ単一の場所に設置するのを可能にし、それにより、初期設置コスト、並びにメンテナンス及びグレードアップのコストを低減したアンテナ・システム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一局面に従ったアンテナ・システム・アーキテクチャは、RF電子機器を塔頂部でアンテナと共に、又はアンテナ・ハウジング内に設けることに基づいている。本発明のアンテナ・システム・アーキテクチャの別の局面は、
− 塔頂部電子機器と、
− 分配型(distributed)増幅器システムと、
− 塔頂部での周波数及びディジタル変換と、
− アンテナ/アレイの入力/出力が時分割多重化すること、
− 最後の多重化されたディジタル信号が光ファイバに変換されること、及び
− 逆送(backhaul)のため単一の又は複数の光ファイバ供給ケーブル、又は逆送のためマイクロ波に変換すること
を含む。
【0006】
その上、このアプローチは、以下のように、機能の基本的分割を可能にする。
− RF信号処理は、塔頂部に実行されること、及び
− ビーム形成(DSP)及びチャネル符号化は、次のような別の場所で実行されること。
【0007】
a) 塔(基地局)又はBTS(ベース送受信器システム)の底部、又は
b) MSC(移動切り替えセンター)、又は
c) CO(中央切り替え局)。
【0008】
このアプローチは、全ての処理及びソフトウエア、並びにディジタル・ハードウエアを、種々のセル・サイトの間に分配されるよりむしろ単一の場所に設置するのを可能にする。それは、初期設置コスト、並びにメンテナンス及びグレードアップのコストを低減する筈である。
【0009】
簡潔には、前述に従った、塔頂部設備のためのアンテナ・システムは、M×N個のアンテナ要素のアレイを備えるアンテナ・アレイ、地上ベース設備と通信するため前記アンテナ要素を逆送リンクと作動的に相互接続するための共同給電部、及び前記アンテナ・アレイと前記逆送リンクの間で無線周波数信号を処理する無線周波数回路を備え、前記無線周波数回路は、前記アレイと前記逆送リンクの間で無線周波数信号の処理を要求される実質的に全ての回路を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、塔頂部に取り付けられた電子機器を有する、汎用のビーム形成器/スマート・アンテナ・システムのための送信のみの構成の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図2】図2は、図1の構成要素、及びそれに対応する基地局に取り付けられた構成要素の機能ブロック図である。
【図3】図3は、スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステムのための受信のみの構成の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図4】図4は、図3と同じ基本構成であるが、各アンテナ要素に低雑音増幅器(LNA)回路/構成要素を有する基本構成を示す。
【図5】図5は、送信/受信スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステムのための第1の構成の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図6】図6は、受信モード信号(アップリンク)が共同給電回路網で加えられる前にLNAを介して増幅されることを除いて、図5に類似した構成を示す。
【図7】図7は、基本システムのアーキテクチャを示す。
【図8】図8は、マイクロ波逆送リンクを用いたシステムのためのシステム・アーキテクチャを示す。
【図9】図9は、「第3世代(3G)送信モード・アンテナ・システム用の塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図10】図10は、各分岐に対して共同給電部の出力で単一のLNAを有する「第3世代」(3G)受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図11】図11は、共同給電回路網の前に、各アンテナ要素上にLNAを有する、「第3世代」(3G)受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図12】図12は、各受信分岐上に単一のLNAを有する「第3世代」(3G)送信/受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図13】図13は、共同給電回路網の前に、各構成要素上にLNAを有する「第3世代」(3G)送信/受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで図面を参照すると、図1は、全てのRF回路のため塔頂部に取り付けられた電子機器を用いたビーム形成器/スマート・アンテナ・システムのための送信器システム構成20を示す。図示された実施形態は、ディジタルIF(中間周波数)信号を(光キャリア(optical carrier)又は光ファイバ・ケーブル22から)取り、ファイバ変換器(FC)24で光信号から高速ディジタル信号に変換し、そして高速時間マルチプレクサ(T−MUX)26で高速ディジタル信号をM個のより低い速度のディジタル信号に多重化解除する。送信器20は、次に、アナログへ、ディジタル/アナログ変換器(DAC)28を介して変換し、そしてアップコンバータ(UC)30でアナログIF信号をRFに周波数変換する。送信器20は、次いで、分配型アンテナ手法(distibuted antenna approach)により信号を増幅し、信号のビーム形成された集合をもたらす。この分配型アンテナ手法は、図1に図示された実施形態においては、パッチ/マイクロストリップ・アンテナ要素のようなアンテナ要素40のM×Nアレイと、例えば、各アンテナ要素40の給電点で各アンテナ要素40に密に結合された電力増幅器(PA)42とを備える。こうして、各アップコンバータ30は、M個の合成アンテナのうちの1つに給電する。なお、各合成アンテナは、全体でN個のアンテナ要素から成る。
【0012】
動作において、ファイバ(光IF)からディジタルへの変換後に、選択されたデータ速度Xでの高速ディジタル信号は、X/Mのデータ速度でのディジタル信号のM個のストリームに多重化解除される。これらの信号は、(中央処理サイト−BTS、MSC又はCOで決定され且つ固定された)位相及び振幅のためのディジタル・ビーム形成重み及び調整量を含む。ディジタルIF信号は、図1及び以降に説明の図面に示されるように、光ファイバ・ケーブル及び変換器を用いるのとは異なる撚り合わせ対又は同軸ケーブルにより、T−MUXへ又はT−MUXから供給され得ることが注目されるであろう。また、DC電力を地上から塔頂部へ供給するDC電力ケーブル/システムは、単純化のため図面で省略されたが、そのようなシステムに含まれることが理解されるであろう。
【0013】
図1の図は、N個のアンテナ要素のM列がアンテナ・アレイ45を形成し、各アンテナ要素は直列の共同給電回路網を介して接続されていることを示す。並列の共同給電構成がまた、ここで及び以降で説明される実施形態の残りの部分全体にわたり用いることも可能である。共同給電回路網は、マイクロストリップ、ストリップライン又はRF同軸ケーブルであってよい。
【0014】
各アンテナ要素40は、上記で参照した同時係属出願で説明されている能動/分配型アンテナ・アーキテクチャと同様の要領で、電力増幅器(PA)モジュール42を用いて給電される。
【0015】
共通局部発振器(LO)32は、全てのアップコンバータ30のため用いられ、こうし
てM個の経路の各々に対してコヒーレントな位相を保証する。このLO
32は、固定の周波数の水晶発振器、又はシンセサイザーであってよい。
【0016】
ファイバ/ディジタル変換器(FC)24への光ファイバ入力22は、別個の線(例えば、多モード・ファイバ)又は単一の線(例えば、単一モード・ファイバ)であってよい。
【0017】
図2は、機能ブロック形式の図1の塔頂部の構成要素(図2の左手側に示される)、及び地上ベースの中央処理サイト(BTS、MSC又はCO)(図2の右手側に示される)を示す。図2において、音声及びデータ・チャネル50は、DSPブロック52に供給され、該DSPブロック52は、全てのチャネル処理(ボコーダー(vocoder)、符合拡散/符合分割多元接続(CDMA)、時間多重化/時分割多元接続(TDMA)、等化等)、及びビーム形成及び/又は空間的処理を実行する。DSPブロック52は、「共通DSPブロック」と呼ばれ得る。それは、各特定のタスク(チャネル及び空間的処理)に対してプログラムされたDSPプロセスの集合である。DSPブロック52からの出力はディジタル・ベースバンド(I及びQ−同相及び直角位相)又はディジタルIFのいずれかであるが、その出力は、光キャリアにディジタル光ファイバ(FO)変換器54を介して変換される。本発明の一実施形態において、このDSPブロック52及びFO変換器54は、塔の基底部(セル・サイト)BTS、MSC又はCO(中央局)に配置されることができる。
【0018】
次いで、ファイバ信号は、塔へ、参照番号22により示される、単一のケーブル又は多モード又は単一モード光ファイバの組合わせを介して搬送される。
図3は、スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム120のための受信のみのシステム構成を示す。RF信号は、ここではパッチ/マイクロストリップ要素の集合として示されるM×Nアレイのアンテナ要素140を介して受信される。アレイの中の各列は、直列の共同給電部を介して加えられる。なお、その直列の共同給電部は、代替として並列の共同給電部であってもよい。この特定の構成において、加えられた信号は、共同給電部の後で、低雑音増幅器(LNA)144を介して増幅される。各信号が増幅された後で、それは、ダウンコンバータ(DC)160でIFに周波数変換され、そしてアナログ/ディジタル変換器(ADC)164によりディジタル化される。次いで、ディジタル化された信号は、T−MUX 126により時分割多重化されて単一の高速ディジタル信号にされ、該単一の高速ディジタル信号は、ファイバ変換器(FC)124に供給され、該FC 124は、高速ディジタル信号を光キャリア122上へ変換/変調する。この光キャリア122は、信号をBTS、MSC又はCOへ供給するための単一の又は複数の光ファイバ・ケーブルであってよい。送信モード(図1を参照)に類似して、共通LO 132を用いて、全ての列/アレイ信号をRFからIFへコヒーレントに変換する。図1及び図3のシステムは、送信/受信システムを形成するため組み合わされてもよく、それは、次いで、本発明の一実施形態に従ったアンテナ・システム・アーキテクチャを形成するため、図2の地上ベースの構成要素と組み合わされることができる。
【0019】
図4は、図3と同じ基本的アーキテクチャ(受信のみのサブシステム120a)であるが、各アンテナ要素140にLNA回路/増幅器モジュール142を有するものを示す。従って、信号は、共同給電部を介して加えられる前に増幅される。この構成は、追加のLNA構成要素のコストに関してより高価となるが、信号が共同給電部回路におけるいずれの損失の前に増幅されるので、感度の増大(より低いシステム雑音指数)を達成するであろう。
【0020】
図5は、送信/受信スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム220の一実施形態を示す。このシステムは、図3の受信のみの構成に類似し、各分岐(即ち、M×Nアレイ
の列)に対して単一のLNA 244を利用する。各アンテナ要素240で、周波数ダイプレクサ(D)262を用いて、送信電力と受信電力とを別個の周波数帯域上に分離する。受信電力は、直列の共同給電部(並列でもよい)を介して加えられ、そして各分岐(即ち、M×Nアレイの列)の底部でLNA 244に供給される。次いで、増幅されたRF信号は、IFにダウンコンバータ(DC)260で周波数変換され、A/D変換器264でディジタル化され、そして高速T−MUX(時間領域マルチプレクサ)226に供給される。同様に、(BTS、MSC又はCOからの)送信モード信号は、FC 224、T−MUX 226、DAC 228及びUC 230で、それぞれ変換され、多重化解除され、ディジタルからアナログに変換され、そしてIFからRFへ周波数変換される。周波数変換された信号は、次いで、各分岐上の複数のアンテナ要素に共同給電部(直列又は並列)を介して分配され、そして(各アンテナ要素240で)PA 242により増幅される。増幅された信号は、周波数ダイプレクサ(D)262を介してアンテナ240に通り、空間に放射される。同じLO源232は、全ての分岐のため、高い周波数への変換及び低い周波数への変換の両方のため用いることができる。
【0021】
従って、光ファイバ・ケーブル222は、ディジタルIFを光キャリア上で両方向に搬送する。これは、単一のFO(光ファイバ)ケーブル上に波長分割多重化を介して、又は各経路に対して1つ(又はそれより多く)のケーブル当てで複数のFOケーブル上に達成することができる。
【0022】
図6は、受信モード信号(アップリンク)が共同給電回路網で加えられる前に、アンテナ要素240でLNA 244により増幅される点を除いて、送信/受信システム220aのための図5に類似するアーキテクチャを示す。これは、図4の受信のみの構成に類似している。
【0023】
図7は、図1から図6の全ての実施形態に対する、塔頂部のビーム形成器サブシステムのための基本的アーキテクチャを示す。ファイバ変換器(FC)324を有するパネル・アンテナ・システム300は、光ファイバ伝送線又はケーブル322を備えるよう示されている。サブシステム300は、FC(ファイバ変換器)324までの、図1から図6のいずれのサブシステムの全ての構成要素を含み得る。この構成の利点は、全てのRF機能がただ一つの場所で、即ち塔の頂部で実行されることである。これは、システム全体にわたってRF伝送線の長さを最小にする。例えば、RFを基地局(BTS)、MSC又はCO 310に戻すように送信する必要がない。これは、抵抗損及び電力損失を最小にし、並びにシステム全体の性能(雑音指数等)を増大することをもたらす。これはまた、静的のままで最もありそうである(即ち、性能指向の変化を要求しないことが多い)システムの部分である。
【0024】
改善されたDSP可用性及びアルゴリズム、ソフトウエア更新等に起因して変化しそうであるビーム形成システムのセクションは、ただ一つの場所310(例えば、BS/BTS、MSC又はCO)において集中化させることができる。このセクションは、図7において参照番号352により示されるようにビーム形成器、ディジタル信号処理(DSP)及びチャネル処理構成要素を含み得る。
【0025】
ファイバ・ケーブル322の他方の端部に、ディジタルIFに変換するためのファイバ変換器(FC)354及びディジタル・マルチプレクサ312があり、それらは基地局310の一部であってもよい。上述の構成は、ビーム形成器の高コストの「ディジタル処理」セグメントを中央の場所に配置するのを可能にして、アルゴリズム及びソフトウエア更新、並びにハードウエア(DSP)の変更を容易にする。
【0026】
図8は、ファイバ接続22(122,222,322)を置換するためのマイクロ波逆
送リンク用アーキテクチャ手法を示す。前の全ての実施形態は、高速逆送リンクが光ファイバ・ケーブルを用いて実施されることを説明した。しかしながら、現在の多くのセル・サイトは、中継(trunking)/逆送(backhaul)のためのマイクロ波(2−40GHz)リンクを用いていて、これは、本発明から離れることなく前述の実施形態で示された光ファイバに取って代わり得る。
【0027】
図8において、左上に「RF回路」と示されているブロック300がある。これは、前述の実施形態に示されたアンテナ要素、LNA、PA、共同給電回路網、RFアップコンバータ及びダウンコンバータ、並びにA/D及びDACを含む。従って、ディジタル信号は、(前の実施形態に示されるような)複合高速ディジタルT−MUX 326に供給される。しかしながら、時分割ディジタル多重化された信号をファイバ変換器に供給するのとは異なり、信号は、直接に、塔頂部で、マイクロ波(MW)変換器(送受信器)313により変換され、PA(電力増幅器)317により増幅され、マイクロ波周波数ダイプレクサ(D)321を通って放射逆送アンテナ323に供給される。この逆送アンテナ323は、地上マイクロ波アンテナ、又はLMDS(ローカル・マルチポイント分配サービス)アンテナ・システムに類似している。同様に、アンテナ323から受信されたアップリンク・マイクロ波信号は、周波数ダイプレクサ(D)321を介して戻すよう供給され、マイクロ波LNA 319を介して増幅され、そしてディジタルIF(高速)に周波数変換され、高速T−MUX 326へ戻される。
【0028】
ビーム形成器/スマート・アンテナ・サブシステム320からの高速ディジタル多重化信号が、IF信号をマイクロ波伝送に対してより効率的なフォーマットに変調する中間変調器(MOD)315(破線で示す)に供給され、次いでマイクロ波変換器313に供給され得ることは任意である。
【0029】
図9から図13はそれぞれ、図1及び図3から図6に類似しているが、図9から図13は、第3世代PCS及びUMTS(汎用移動通信サービス)(3G)システムを示す。CDMA−2000及びW−CDMAとして示される2つの標準は、現在、音声及びデータ移送のための全世界ローミング又は移動(セル化された)システムとして使用のため開発されつつある。図1及び図3から図6における図とアーキテクチャ的に非常に類似しているが、図9から図13は、それらが図9から図13に示されるQPSK(横軸位相偏移変調)変調器及びRFアップコンバータ・ブロックを3G(第3世代CDMA)変調器ブロック410及びそれに対応する3G復調器ブロック510及び610として用いる点で異なる。この変調器ブロックは、ディジタル・ベースバンドI及びQを入力(出力)上に仮定する。従って、ディジタル・ベースバンド(I及びQ)信号を送ること(signaling)が、光ファイバ信号の中に埋め込まれていて、それは時分割多重化されているとする。
【0030】
図9は、3G送信モード・スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステム420を示す。高速ストリーム上を搬送されるディジタル多重化された(ベースバンドI及びQ)信号は、ファイバからディジタルにFC 424で変換され、そしてT−MUX 426でM個のより低速なストリームに多重化解除される。3G変調器ブロック410は、各分岐上で、信号をディジタルからアナログに変換し、QPSK変調を実行し、キャリアを(適切なCDMA拡散符合を介して)拡散し、RFに周波数変換する。図9の残りの部分は、図1に類似している。また、全ての3GMブロック410は、同じ局部発振器432を用いて、全ての分岐へ高い周波数の方にコヒーレントに変換する。
【0031】
図10は、各分岐に対する共同給電部の出力にLNA 544を有する受信モード構成520を示す。3G復調器ブロック510は、2つのブロック、即ち「復調器(DEMOD)」(ダウンコンバータ、CDMA符号デスプレッダ及びQPSK復調器)560とA
/D 564とに分かれている。従って、ディジタル・ベースバンド(I及びQ)出力は、T−MUX 526で時分割多重化され、そしてディジタル対ファイバ変換器(FC)524に供給され、該ディジタル対ファイバ変換器(FC)524は、多重化されたディジタル・ベースバンド信号をファイバ・キャリア522上で送る。
【0032】
図11は、各分岐上で、共同給電回路網より前において、各アンテナ要素540にLNA 544を有し、そしてその他は図10と同じである第2の受信モード構成520aを示す。
【0033】
図12及び図13は、各分岐上の各経路(双方向)上に3G復調器ブロック610及び3G変調器ブロック612を有する、送信/受信3Gビーム形成器/スマート・アンテナ・システムのための2つの構成620、620aを示す。図12は、各受信分岐上に単一のLNA 644を有する構成を示す。図13は、共同給電回路網より前の各アンテナ要素にLNA 644を有する構成を示す。図12及び図13において、前述の実施形態に用いられた構成要素と類似の構成要素は、参照番号の先頭に6を有する類似の参照番号により示される。また、図12及び図13において、3G復調器ブロック610及び3G変調器ブロック612は、それぞれ前述のように、図10の3G復調器ブロック510及び図9の3G変調器ブロック410の構成要素を含む。
【0034】
図9から図13のシステムはファイバ・キャリア422、522及び622を図示するが、それぞれは、代替として図8に示されるタイプのマイクロ波逆送リンクを用いることができる。
【0035】
本発明の特定の実施形態及び応用が図示され説明されたが、本発明は本明細書に開示された正確な構成に限定されず、種々の修正、変更及び変化が、特許請求の範囲において規定された本発明の趣旨及び範囲から離れることなく上記の記載から明らかであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0036】
20 送信器システム構成
22、222、322、522 光キャリア又は光ファイバ・ケーブル
24、124、224、324、424、524、624 ファイバ変換器(FC)
26、126、226、626 高速時間マルチプレクサ(T−MUX)
28、128、228、628 ディジタル/アナログ変換器(DAC)
30、230 アップコンバータ(UC)
32、132、232、432、532、632 共通局部発振器(LO)
40、140、240、440、540、640 アンテナ要素
42、242、317、642 電力増幅器(PA)
45 アンテナ・アレイ
50 音声及びデータ・チャネル
52 DSPブロック
54、354 ディジタル光ファイバ(FO)変換器
120、120a スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム
122 光キャリア
142 LNA回路/増幅器モジュール
144、244、442、544、644 低雑音増幅器(LNA)
160、260 ダウンコンバータ(DC)
164、564、664 アナログ/ディジタル変換器(ADC)
220、220a 送信/受信スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム
262、662、667 周波数ダイプレクサ(D)
300 パネル・アンテナ・システム、RF回路
310 基地局
312 ディジタル・マルチプレクサ
313 マイクロ波(MW)変換器(送受信器)
319 マイクロ波LNA
321、667 マイクロ波周波数ダイプレクサ(D)
326 複合高速ディジタルT−MUX
410 3G変調器ブロック
420 3G送信モード・スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステム
422、522 ファイバ・キャリア
426 T−MUX
510、610 3G復調器ブロック
520、520a 受信モード構成
560、660 復調器
612 3G変調器ブロック
620、620a 送信/受信3Gビーム形成器/スマート・アンテナ・システム
630 変調器
【技術分野】
【0001】
本発明は、塔頂部設備用アンテナ・システム及びその送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ・システムのため、又は方向探知(DF)応用のための防衛電子機器においては方向操作型ビーム・アンテナ・システム(steered beam antenna system)が用いられてきた。これらの技術は、干渉の減少及び/又は容量の増強のため商用通信に応用されてきた。後者の産業において一般に認められた用語は、スマート・アンテナである。しかしながら、その用語は、多くの異なる技術及びテクノロジーを述べるため用いられてきた。初期のテクノロジーは、RF(無線周波数)ビームの方向操作に基づいており、それは、多数の非常に高い指向性アンテナのうちの1つを選択することを用いた。これらのテクノロジーでは、塔頂部アンテナは、通常完全に受動的であり、そしてバトラー(Butler)・マトリックスを介して、又はアンテナを個別に選択することにより形成されるビームを有した。次いで、独立のビーム信号は、基地局で実行された信号選択及びRF切り替えを用いて、基地局へ別個の同軸RF線を介して供給された。
【0003】
いずれのタイプのアンテナを塔頂部で用い且つディジタル信号処理技術(DSP)を基地局で用いてもよいディジタル適応システムが、試験され、そして市場でゆっくりと利用されつつある。しかしながら、大部分のこれらのテクノロジーは、相変わらず、受動アンテナを塔頂部に用い、且つRF信号を塔から基地局へ同軸(RF)ケーブルを介して持って来ることに基づいている。次いで、周波数変換、ディジタル変換及びビーム形成処理は、基地局で実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全ての処理及びソフトウエア、並びにディジタル・ハードウエアを、種々のセル・サイトの間に分配されるよりむしろ単一の場所に設置するのを可能にし、それにより、初期設置コスト、並びにメンテナンス及びグレードアップのコストを低減したアンテナ・システム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一局面に従ったアンテナ・システム・アーキテクチャは、RF電子機器を塔頂部でアンテナと共に、又はアンテナ・ハウジング内に設けることに基づいている。本発明のアンテナ・システム・アーキテクチャの別の局面は、
− 塔頂部電子機器と、
− 分配型(distributed)増幅器システムと、
− 塔頂部での周波数及びディジタル変換と、
− アンテナ/アレイの入力/出力が時分割多重化すること、
− 最後の多重化されたディジタル信号が光ファイバに変換されること、及び
− 逆送(backhaul)のため単一の又は複数の光ファイバ供給ケーブル、又は逆送のためマイクロ波に変換すること
を含む。
【0006】
その上、このアプローチは、以下のように、機能の基本的分割を可能にする。
− RF信号処理は、塔頂部に実行されること、及び
− ビーム形成(DSP)及びチャネル符号化は、次のような別の場所で実行されること。
【0007】
a) 塔(基地局)又はBTS(ベース送受信器システム)の底部、又は
b) MSC(移動切り替えセンター)、又は
c) CO(中央切り替え局)。
【0008】
このアプローチは、全ての処理及びソフトウエア、並びにディジタル・ハードウエアを、種々のセル・サイトの間に分配されるよりむしろ単一の場所に設置するのを可能にする。それは、初期設置コスト、並びにメンテナンス及びグレードアップのコストを低減する筈である。
【0009】
簡潔には、前述に従った、塔頂部設備のためのアンテナ・システムは、M×N個のアンテナ要素のアレイを備えるアンテナ・アレイ、地上ベース設備と通信するため前記アンテナ要素を逆送リンクと作動的に相互接続するための共同給電部、及び前記アンテナ・アレイと前記逆送リンクの間で無線周波数信号を処理する無線周波数回路を備え、前記無線周波数回路は、前記アレイと前記逆送リンクの間で無線周波数信号の処理を要求される実質的に全ての回路を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、塔頂部に取り付けられた電子機器を有する、汎用のビーム形成器/スマート・アンテナ・システムのための送信のみの構成の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図2】図2は、図1の構成要素、及びそれに対応する基地局に取り付けられた構成要素の機能ブロック図である。
【図3】図3は、スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステムのための受信のみの構成の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図4】図4は、図3と同じ基本構成であるが、各アンテナ要素に低雑音増幅器(LNA)回路/構成要素を有する基本構成を示す。
【図5】図5は、送信/受信スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステムのための第1の構成の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図6】図6は、受信モード信号(アップリンク)が共同給電回路網で加えられる前にLNAを介して増幅されることを除いて、図5に類似した構成を示す。
【図7】図7は、基本システムのアーキテクチャを示す。
【図8】図8は、マイクロ波逆送リンクを用いたシステムのためのシステム・アーキテクチャを示す。
【図9】図9は、「第3世代(3G)送信モード・アンテナ・システム用の塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図10】図10は、各分岐に対して共同給電部の出力で単一のLNAを有する「第3世代」(3G)受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図11】図11は、共同給電回路網の前に、各アンテナ要素上にLNAを有する、「第3世代」(3G)受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図12】図12は、各受信分岐上に単一のLNAを有する「第3世代」(3G)送信/受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【図13】図13は、共同給電回路網の前に、各構成要素上にLNAを有する「第3世代」(3G)送信/受信モード構成のための塔頂部構成要素の、部分的にブロック形式による単純化概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで図面を参照すると、図1は、全てのRF回路のため塔頂部に取り付けられた電子機器を用いたビーム形成器/スマート・アンテナ・システムのための送信器システム構成20を示す。図示された実施形態は、ディジタルIF(中間周波数)信号を(光キャリア(optical carrier)又は光ファイバ・ケーブル22から)取り、ファイバ変換器(FC)24で光信号から高速ディジタル信号に変換し、そして高速時間マルチプレクサ(T−MUX)26で高速ディジタル信号をM個のより低い速度のディジタル信号に多重化解除する。送信器20は、次に、アナログへ、ディジタル/アナログ変換器(DAC)28を介して変換し、そしてアップコンバータ(UC)30でアナログIF信号をRFに周波数変換する。送信器20は、次いで、分配型アンテナ手法(distibuted antenna approach)により信号を増幅し、信号のビーム形成された集合をもたらす。この分配型アンテナ手法は、図1に図示された実施形態においては、パッチ/マイクロストリップ・アンテナ要素のようなアンテナ要素40のM×Nアレイと、例えば、各アンテナ要素40の給電点で各アンテナ要素40に密に結合された電力増幅器(PA)42とを備える。こうして、各アップコンバータ30は、M個の合成アンテナのうちの1つに給電する。なお、各合成アンテナは、全体でN個のアンテナ要素から成る。
【0012】
動作において、ファイバ(光IF)からディジタルへの変換後に、選択されたデータ速度Xでの高速ディジタル信号は、X/Mのデータ速度でのディジタル信号のM個のストリームに多重化解除される。これらの信号は、(中央処理サイト−BTS、MSC又はCOで決定され且つ固定された)位相及び振幅のためのディジタル・ビーム形成重み及び調整量を含む。ディジタルIF信号は、図1及び以降に説明の図面に示されるように、光ファイバ・ケーブル及び変換器を用いるのとは異なる撚り合わせ対又は同軸ケーブルにより、T−MUXへ又はT−MUXから供給され得ることが注目されるであろう。また、DC電力を地上から塔頂部へ供給するDC電力ケーブル/システムは、単純化のため図面で省略されたが、そのようなシステムに含まれることが理解されるであろう。
【0013】
図1の図は、N個のアンテナ要素のM列がアンテナ・アレイ45を形成し、各アンテナ要素は直列の共同給電回路網を介して接続されていることを示す。並列の共同給電構成がまた、ここで及び以降で説明される実施形態の残りの部分全体にわたり用いることも可能である。共同給電回路網は、マイクロストリップ、ストリップライン又はRF同軸ケーブルであってよい。
【0014】
各アンテナ要素40は、上記で参照した同時係属出願で説明されている能動/分配型アンテナ・アーキテクチャと同様の要領で、電力増幅器(PA)モジュール42を用いて給電される。
【0015】
共通局部発振器(LO)32は、全てのアップコンバータ30のため用いられ、こうし
てM個の経路の各々に対してコヒーレントな位相を保証する。このLO
32は、固定の周波数の水晶発振器、又はシンセサイザーであってよい。
【0016】
ファイバ/ディジタル変換器(FC)24への光ファイバ入力22は、別個の線(例えば、多モード・ファイバ)又は単一の線(例えば、単一モード・ファイバ)であってよい。
【0017】
図2は、機能ブロック形式の図1の塔頂部の構成要素(図2の左手側に示される)、及び地上ベースの中央処理サイト(BTS、MSC又はCO)(図2の右手側に示される)を示す。図2において、音声及びデータ・チャネル50は、DSPブロック52に供給され、該DSPブロック52は、全てのチャネル処理(ボコーダー(vocoder)、符合拡散/符合分割多元接続(CDMA)、時間多重化/時分割多元接続(TDMA)、等化等)、及びビーム形成及び/又は空間的処理を実行する。DSPブロック52は、「共通DSPブロック」と呼ばれ得る。それは、各特定のタスク(チャネル及び空間的処理)に対してプログラムされたDSPプロセスの集合である。DSPブロック52からの出力はディジタル・ベースバンド(I及びQ−同相及び直角位相)又はディジタルIFのいずれかであるが、その出力は、光キャリアにディジタル光ファイバ(FO)変換器54を介して変換される。本発明の一実施形態において、このDSPブロック52及びFO変換器54は、塔の基底部(セル・サイト)BTS、MSC又はCO(中央局)に配置されることができる。
【0018】
次いで、ファイバ信号は、塔へ、参照番号22により示される、単一のケーブル又は多モード又は単一モード光ファイバの組合わせを介して搬送される。
図3は、スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム120のための受信のみのシステム構成を示す。RF信号は、ここではパッチ/マイクロストリップ要素の集合として示されるM×Nアレイのアンテナ要素140を介して受信される。アレイの中の各列は、直列の共同給電部を介して加えられる。なお、その直列の共同給電部は、代替として並列の共同給電部であってもよい。この特定の構成において、加えられた信号は、共同給電部の後で、低雑音増幅器(LNA)144を介して増幅される。各信号が増幅された後で、それは、ダウンコンバータ(DC)160でIFに周波数変換され、そしてアナログ/ディジタル変換器(ADC)164によりディジタル化される。次いで、ディジタル化された信号は、T−MUX 126により時分割多重化されて単一の高速ディジタル信号にされ、該単一の高速ディジタル信号は、ファイバ変換器(FC)124に供給され、該FC 124は、高速ディジタル信号を光キャリア122上へ変換/変調する。この光キャリア122は、信号をBTS、MSC又はCOへ供給するための単一の又は複数の光ファイバ・ケーブルであってよい。送信モード(図1を参照)に類似して、共通LO 132を用いて、全ての列/アレイ信号をRFからIFへコヒーレントに変換する。図1及び図3のシステムは、送信/受信システムを形成するため組み合わされてもよく、それは、次いで、本発明の一実施形態に従ったアンテナ・システム・アーキテクチャを形成するため、図2の地上ベースの構成要素と組み合わされることができる。
【0019】
図4は、図3と同じ基本的アーキテクチャ(受信のみのサブシステム120a)であるが、各アンテナ要素140にLNA回路/増幅器モジュール142を有するものを示す。従って、信号は、共同給電部を介して加えられる前に増幅される。この構成は、追加のLNA構成要素のコストに関してより高価となるが、信号が共同給電部回路におけるいずれの損失の前に増幅されるので、感度の増大(より低いシステム雑音指数)を達成するであろう。
【0020】
図5は、送信/受信スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム220の一実施形態を示す。このシステムは、図3の受信のみの構成に類似し、各分岐(即ち、M×Nアレイ
の列)に対して単一のLNA 244を利用する。各アンテナ要素240で、周波数ダイプレクサ(D)262を用いて、送信電力と受信電力とを別個の周波数帯域上に分離する。受信電力は、直列の共同給電部(並列でもよい)を介して加えられ、そして各分岐(即ち、M×Nアレイの列)の底部でLNA 244に供給される。次いで、増幅されたRF信号は、IFにダウンコンバータ(DC)260で周波数変換され、A/D変換器264でディジタル化され、そして高速T−MUX(時間領域マルチプレクサ)226に供給される。同様に、(BTS、MSC又はCOからの)送信モード信号は、FC 224、T−MUX 226、DAC 228及びUC 230で、それぞれ変換され、多重化解除され、ディジタルからアナログに変換され、そしてIFからRFへ周波数変換される。周波数変換された信号は、次いで、各分岐上の複数のアンテナ要素に共同給電部(直列又は並列)を介して分配され、そして(各アンテナ要素240で)PA 242により増幅される。増幅された信号は、周波数ダイプレクサ(D)262を介してアンテナ240に通り、空間に放射される。同じLO源232は、全ての分岐のため、高い周波数への変換及び低い周波数への変換の両方のため用いることができる。
【0021】
従って、光ファイバ・ケーブル222は、ディジタルIFを光キャリア上で両方向に搬送する。これは、単一のFO(光ファイバ)ケーブル上に波長分割多重化を介して、又は各経路に対して1つ(又はそれより多く)のケーブル当てで複数のFOケーブル上に達成することができる。
【0022】
図6は、受信モード信号(アップリンク)が共同給電回路網で加えられる前に、アンテナ要素240でLNA 244により増幅される点を除いて、送信/受信システム220aのための図5に類似するアーキテクチャを示す。これは、図4の受信のみの構成に類似している。
【0023】
図7は、図1から図6の全ての実施形態に対する、塔頂部のビーム形成器サブシステムのための基本的アーキテクチャを示す。ファイバ変換器(FC)324を有するパネル・アンテナ・システム300は、光ファイバ伝送線又はケーブル322を備えるよう示されている。サブシステム300は、FC(ファイバ変換器)324までの、図1から図6のいずれのサブシステムの全ての構成要素を含み得る。この構成の利点は、全てのRF機能がただ一つの場所で、即ち塔の頂部で実行されることである。これは、システム全体にわたってRF伝送線の長さを最小にする。例えば、RFを基地局(BTS)、MSC又はCO 310に戻すように送信する必要がない。これは、抵抗損及び電力損失を最小にし、並びにシステム全体の性能(雑音指数等)を増大することをもたらす。これはまた、静的のままで最もありそうである(即ち、性能指向の変化を要求しないことが多い)システムの部分である。
【0024】
改善されたDSP可用性及びアルゴリズム、ソフトウエア更新等に起因して変化しそうであるビーム形成システムのセクションは、ただ一つの場所310(例えば、BS/BTS、MSC又はCO)において集中化させることができる。このセクションは、図7において参照番号352により示されるようにビーム形成器、ディジタル信号処理(DSP)及びチャネル処理構成要素を含み得る。
【0025】
ファイバ・ケーブル322の他方の端部に、ディジタルIFに変換するためのファイバ変換器(FC)354及びディジタル・マルチプレクサ312があり、それらは基地局310の一部であってもよい。上述の構成は、ビーム形成器の高コストの「ディジタル処理」セグメントを中央の場所に配置するのを可能にして、アルゴリズム及びソフトウエア更新、並びにハードウエア(DSP)の変更を容易にする。
【0026】
図8は、ファイバ接続22(122,222,322)を置換するためのマイクロ波逆
送リンク用アーキテクチャ手法を示す。前の全ての実施形態は、高速逆送リンクが光ファイバ・ケーブルを用いて実施されることを説明した。しかしながら、現在の多くのセル・サイトは、中継(trunking)/逆送(backhaul)のためのマイクロ波(2−40GHz)リンクを用いていて、これは、本発明から離れることなく前述の実施形態で示された光ファイバに取って代わり得る。
【0027】
図8において、左上に「RF回路」と示されているブロック300がある。これは、前述の実施形態に示されたアンテナ要素、LNA、PA、共同給電回路網、RFアップコンバータ及びダウンコンバータ、並びにA/D及びDACを含む。従って、ディジタル信号は、(前の実施形態に示されるような)複合高速ディジタルT−MUX 326に供給される。しかしながら、時分割ディジタル多重化された信号をファイバ変換器に供給するのとは異なり、信号は、直接に、塔頂部で、マイクロ波(MW)変換器(送受信器)313により変換され、PA(電力増幅器)317により増幅され、マイクロ波周波数ダイプレクサ(D)321を通って放射逆送アンテナ323に供給される。この逆送アンテナ323は、地上マイクロ波アンテナ、又はLMDS(ローカル・マルチポイント分配サービス)アンテナ・システムに類似している。同様に、アンテナ323から受信されたアップリンク・マイクロ波信号は、周波数ダイプレクサ(D)321を介して戻すよう供給され、マイクロ波LNA 319を介して増幅され、そしてディジタルIF(高速)に周波数変換され、高速T−MUX 326へ戻される。
【0028】
ビーム形成器/スマート・アンテナ・サブシステム320からの高速ディジタル多重化信号が、IF信号をマイクロ波伝送に対してより効率的なフォーマットに変調する中間変調器(MOD)315(破線で示す)に供給され、次いでマイクロ波変換器313に供給され得ることは任意である。
【0029】
図9から図13はそれぞれ、図1及び図3から図6に類似しているが、図9から図13は、第3世代PCS及びUMTS(汎用移動通信サービス)(3G)システムを示す。CDMA−2000及びW−CDMAとして示される2つの標準は、現在、音声及びデータ移送のための全世界ローミング又は移動(セル化された)システムとして使用のため開発されつつある。図1及び図3から図6における図とアーキテクチャ的に非常に類似しているが、図9から図13は、それらが図9から図13に示されるQPSK(横軸位相偏移変調)変調器及びRFアップコンバータ・ブロックを3G(第3世代CDMA)変調器ブロック410及びそれに対応する3G復調器ブロック510及び610として用いる点で異なる。この変調器ブロックは、ディジタル・ベースバンドI及びQを入力(出力)上に仮定する。従って、ディジタル・ベースバンド(I及びQ)信号を送ること(signaling)が、光ファイバ信号の中に埋め込まれていて、それは時分割多重化されているとする。
【0030】
図9は、3G送信モード・スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステム420を示す。高速ストリーム上を搬送されるディジタル多重化された(ベースバンドI及びQ)信号は、ファイバからディジタルにFC 424で変換され、そしてT−MUX 426でM個のより低速なストリームに多重化解除される。3G変調器ブロック410は、各分岐上で、信号をディジタルからアナログに変換し、QPSK変調を実行し、キャリアを(適切なCDMA拡散符合を介して)拡散し、RFに周波数変換する。図9の残りの部分は、図1に類似している。また、全ての3GMブロック410は、同じ局部発振器432を用いて、全ての分岐へ高い周波数の方にコヒーレントに変換する。
【0031】
図10は、各分岐に対する共同給電部の出力にLNA 544を有する受信モード構成520を示す。3G復調器ブロック510は、2つのブロック、即ち「復調器(DEMOD)」(ダウンコンバータ、CDMA符号デスプレッダ及びQPSK復調器)560とA
/D 564とに分かれている。従って、ディジタル・ベースバンド(I及びQ)出力は、T−MUX 526で時分割多重化され、そしてディジタル対ファイバ変換器(FC)524に供給され、該ディジタル対ファイバ変換器(FC)524は、多重化されたディジタル・ベースバンド信号をファイバ・キャリア522上で送る。
【0032】
図11は、各分岐上で、共同給電回路網より前において、各アンテナ要素540にLNA 544を有し、そしてその他は図10と同じである第2の受信モード構成520aを示す。
【0033】
図12及び図13は、各分岐上の各経路(双方向)上に3G復調器ブロック610及び3G変調器ブロック612を有する、送信/受信3Gビーム形成器/スマート・アンテナ・システムのための2つの構成620、620aを示す。図12は、各受信分岐上に単一のLNA 644を有する構成を示す。図13は、共同給電回路網より前の各アンテナ要素にLNA 644を有する構成を示す。図12及び図13において、前述の実施形態に用いられた構成要素と類似の構成要素は、参照番号の先頭に6を有する類似の参照番号により示される。また、図12及び図13において、3G復調器ブロック610及び3G変調器ブロック612は、それぞれ前述のように、図10の3G復調器ブロック510及び図9の3G変調器ブロック410の構成要素を含む。
【0034】
図9から図13のシステムはファイバ・キャリア422、522及び622を図示するが、それぞれは、代替として図8に示されるタイプのマイクロ波逆送リンクを用いることができる。
【0035】
本発明の特定の実施形態及び応用が図示され説明されたが、本発明は本明細書に開示された正確な構成に限定されず、種々の修正、変更及び変化が、特許請求の範囲において規定された本発明の趣旨及び範囲から離れることなく上記の記載から明らかであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0036】
20 送信器システム構成
22、222、322、522 光キャリア又は光ファイバ・ケーブル
24、124、224、324、424、524、624 ファイバ変換器(FC)
26、126、226、626 高速時間マルチプレクサ(T−MUX)
28、128、228、628 ディジタル/アナログ変換器(DAC)
30、230 アップコンバータ(UC)
32、132、232、432、532、632 共通局部発振器(LO)
40、140、240、440、540、640 アンテナ要素
42、242、317、642 電力増幅器(PA)
45 アンテナ・アレイ
50 音声及びデータ・チャネル
52 DSPブロック
54、354 ディジタル光ファイバ(FO)変換器
120、120a スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム
122 光キャリア
142 LNA回路/増幅器モジュール
144、244、442、544、644 低雑音増幅器(LNA)
160、260 ダウンコンバータ(DC)
164、564、664 アナログ/ディジタル変換器(ADC)
220、220a 送信/受信スマート・アンテナ/ビーム形成サブシステム
262、662、667 周波数ダイプレクサ(D)
300 パネル・アンテナ・システム、RF回路
310 基地局
312 ディジタル・マルチプレクサ
313 マイクロ波(MW)変換器(送受信器)
319 マイクロ波LNA
321、667 マイクロ波周波数ダイプレクサ(D)
326 複合高速ディジタルT−MUX
410 3G変調器ブロック
420 3G送信モード・スマート・アンテナ/ビーム形成器サブシステム
422、522 ファイバ・キャリア
426 T−MUX
510、610 3G復調器ブロック
520、520a 受信モード構成
560、660 復調器
612 3G変調器ブロック
620、620a 送信/受信3Gビーム形成器/スマート・アンテナ・システム
630 変調器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い位置にある高所設置部用アンテナ・システムであって、
M×N個のアンテナ要素のアレイを備え、高い位置に配置されるように構成されるアンテナ・アレイと、
高い位置における前記アンテナ・アレイと、地上ベース設備の間でデジタル信号を送受信するための逆送リンクであって、当該デジタル信号が、デジタル・ベースバンド及びデジタルIFフォーマットの少なくとも1つであり、前記アレイの前記アンテナ要素に対する位相及び振幅における調整を伴ったビーム形成のためのデジタル信号を含むものと、
前記アンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数通信信号を処理する、高い位置にある前記アンテナ・アレイに近接する無線周波数回路とを備え、
前記無線周波数回路は以下の、
前記逆送リンクと前記アンテナ・アレイの間に配置されて、前記デジタル信号を処理する、多重化回路であって、当該多重化回路が、前記デジタル信号を、M個の別個の信号部分に分離するように構成され、当該信号部分の各々が、前記アンテナ・アレイのM個の別個の部分に対する位相及び振幅における調整を含むものと、
前記M個の別個の信号部分の、アナログとデジタル信号表現の間を変換するために動作可能な、前記M個の別個の信号部分の各々に対するアナログ/デジタル変換回路と、
前記M個の別個の信号部分の各々に対応し、前記アンテナ・アレイの前記通信信号のための無線周波数通信信号フォーマットと他の信号フォーマットの間を変換するために動作可能な、周波数変換回路と、
前記アンテナ要素への信号の送信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合された電力増幅回路と、
前記アンテナ要素からの信号の受信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合されたLNA回路と、
各アンテナ要素に対応し、前記アンテナ要素の送信信号と受信信号を分離するために、前記電力増幅回路とLNA回路を、前記アンテナ要素に結合するように構成される周波数ダイプレキサ回路と、
を備え、
前記無線周波数回路は、前記デジタル・ベースバンド及びデジタルIFフォーマットのうちの少なくとも1つで前記地上ベース装置と通信信号を送受信するための、前記アンテナ・アレイと前記逆送リンクとの間で無線周波数通信信号の処理を行うように構成される、
塔頂部設備用アンテナ・システム。
【請求項2】
Nが1より大きい、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項3】
Mが1より大きい、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項4】
前記デジタル信号を、光信号と電気信号の間で変換するためのファイバー変換回路を更に含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項5】
前記周波数変換回路が、IF信号とRF信号の間で変換する回路を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項6】
前記M個の別個の信号の各々に対する、前記周波数変換回路が、共通のLO信号を共有する、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項7】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイからの送信のためのM個の送信信号を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項8】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイによって受信されるM個の受信信号を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項9】
前記M個の別個の信号部分が、M個の送信信号と、M個の受信信号の双方を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項10】
前記多重化回路が、更に、M個の別個の信号部分を、逆送リンクのためのデジタル信号に結合するために動作可能である、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項11】
前記アナログ/デジタル変換回路及び周波数変換回路が、前記アンテナ・アレイからのRF信号を、デジタル・ベースバンド信号に変換するために作動可能な回路に結合される(combined in a circuit)、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項12】
高い位置にある高所設置部用アンテナ・システムであって、
M×N個のアンテナ要素のアレイを備え、高い位置に配置されるように構成されるアンテナ・アレイと、
高い位置における前記アンテナ・アレイと、地上ベース設備の間でデジタル信号を送受信するための逆送リンクであって、当該デジタル信号が、デジタル・ベースバンド・フォーマットであり、前記アレイの前記アンテナ要素に対する位相及び振幅における調整を伴ったビーム形成のための信号を含むものと、
前記アンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数通信信号を処理する、高い位置にある前記アンテナ・アレイに近接する無線周波数回路とを備え、
前記無線周波数回路は以下の、
前記逆送リンクと前記アンテナ・アレイの間に配置されて、前記デジタル信号を処理する、多重化回路であって、当該多重化回路が、前記デジタル信号を、M個の別個の信号部分に分離するように構成され、当該信号部分の各々が、M個の別個の部分に対する位相及び振幅における調整を含むものと、
前記M個の別個の信号部分の、アナログとデジタル信号表現の間を変換するために動作可能な、前記M個の別個の信号部分の各々に対するアナログ/デジタル変換回路と、
前記M個の別個の信号部分の各々に対応し、前記アンテナ・アレイの前記通信信号のための無線周波数通信信号フォーマットと他の信号フォーマットの間を変換するために動作可能な、周波数変換回路と、
前記アンテナ要素への信号の送信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合された電力増幅回路と、
前記アンテナ要素からの信号の受信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合されたLNA回路と、
各アンテナ要素に対応し、前記アンテナ要素の送信信号と受信信号を分離するために、前記電力増幅回路とLNA回路を、前記アンテナ要素に結合するように構成される周波数ダイプレキサ回路と、
を備え、
前記無線周波数回路は、前記デジタル・ベースバンド・フォーマットで前記地上ベース装置と通信信号を送受信するための、前記アンテナ・アレイと前記逆送リンクとの間で無線周波数通信信号の処理を行うように構成される、
塔頂部設備用アンテナ・システム。
【請求項13】
前記デジタル信号を、光信号と電気信号の間で変換するためのファイバー変換器を更に含む、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【請求項14】
前記周波数変換回路が、IF信号とRF信号の間で変換する回路を含む、請求項12に
記載のアンテナ・システム。
【請求項15】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイからの送信のためのM個の送信信号を含む、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【請求項16】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイによって受信されるM個の受信信号を含む、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【請求項17】
前記アナログ/デジタル変換回路及び周波数変換回路が、前記アンテナ・アレイからのRF信号を、デジタル・ベースバンド信号に変換するために作動可能な回路に結合される(combined in a circuit)、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【請求項1】
高い位置にある高所設置部用アンテナ・システムであって、
M×N個のアンテナ要素のアレイを備え、高い位置に配置されるように構成されるアンテナ・アレイと、
高い位置における前記アンテナ・アレイと、地上ベース設備の間でデジタル信号を送受信するための逆送リンクであって、当該デジタル信号が、デジタル・ベースバンド及びデジタルIFフォーマットの少なくとも1つであり、前記アレイの前記アンテナ要素に対する位相及び振幅における調整を伴ったビーム形成のためのデジタル信号を含むものと、
前記アンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数通信信号を処理する、高い位置にある前記アンテナ・アレイに近接する無線周波数回路とを備え、
前記無線周波数回路は以下の、
前記逆送リンクと前記アンテナ・アレイの間に配置されて、前記デジタル信号を処理する、多重化回路であって、当該多重化回路が、前記デジタル信号を、M個の別個の信号部分に分離するように構成され、当該信号部分の各々が、前記アンテナ・アレイのM個の別個の部分に対する位相及び振幅における調整を含むものと、
前記M個の別個の信号部分の、アナログとデジタル信号表現の間を変換するために動作可能な、前記M個の別個の信号部分の各々に対するアナログ/デジタル変換回路と、
前記M個の別個の信号部分の各々に対応し、前記アンテナ・アレイの前記通信信号のための無線周波数通信信号フォーマットと他の信号フォーマットの間を変換するために動作可能な、周波数変換回路と、
前記アンテナ要素への信号の送信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合された電力増幅回路と、
前記アンテナ要素からの信号の受信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合されたLNA回路と、
各アンテナ要素に対応し、前記アンテナ要素の送信信号と受信信号を分離するために、前記電力増幅回路とLNA回路を、前記アンテナ要素に結合するように構成される周波数ダイプレキサ回路と、
を備え、
前記無線周波数回路は、前記デジタル・ベースバンド及びデジタルIFフォーマットのうちの少なくとも1つで前記地上ベース装置と通信信号を送受信するための、前記アンテナ・アレイと前記逆送リンクとの間で無線周波数通信信号の処理を行うように構成される、
塔頂部設備用アンテナ・システム。
【請求項2】
Nが1より大きい、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項3】
Mが1より大きい、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項4】
前記デジタル信号を、光信号と電気信号の間で変換するためのファイバー変換回路を更に含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項5】
前記周波数変換回路が、IF信号とRF信号の間で変換する回路を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項6】
前記M個の別個の信号の各々に対する、前記周波数変換回路が、共通のLO信号を共有する、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項7】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイからの送信のためのM個の送信信号を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項8】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイによって受信されるM個の受信信号を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項9】
前記M個の別個の信号部分が、M個の送信信号と、M個の受信信号の双方を含む、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項10】
前記多重化回路が、更に、M個の別個の信号部分を、逆送リンクのためのデジタル信号に結合するために動作可能である、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項11】
前記アナログ/デジタル変換回路及び周波数変換回路が、前記アンテナ・アレイからのRF信号を、デジタル・ベースバンド信号に変換するために作動可能な回路に結合される(combined in a circuit)、請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項12】
高い位置にある高所設置部用アンテナ・システムであって、
M×N個のアンテナ要素のアレイを備え、高い位置に配置されるように構成されるアンテナ・アレイと、
高い位置における前記アンテナ・アレイと、地上ベース設備の間でデジタル信号を送受信するための逆送リンクであって、当該デジタル信号が、デジタル・ベースバンド・フォーマットであり、前記アレイの前記アンテナ要素に対する位相及び振幅における調整を伴ったビーム形成のための信号を含むものと、
前記アンテナ・アレイと逆送リンクの間で無線周波数通信信号を処理する、高い位置にある前記アンテナ・アレイに近接する無線周波数回路とを備え、
前記無線周波数回路は以下の、
前記逆送リンクと前記アンテナ・アレイの間に配置されて、前記デジタル信号を処理する、多重化回路であって、当該多重化回路が、前記デジタル信号を、M個の別個の信号部分に分離するように構成され、当該信号部分の各々が、M個の別個の部分に対する位相及び振幅における調整を含むものと、
前記M個の別個の信号部分の、アナログとデジタル信号表現の間を変換するために動作可能な、前記M個の別個の信号部分の各々に対するアナログ/デジタル変換回路と、
前記M個の別個の信号部分の各々に対応し、前記アンテナ・アレイの前記通信信号のための無線周波数通信信号フォーマットと他の信号フォーマットの間を変換するために動作可能な、周波数変換回路と、
前記アンテナ要素への信号の送信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合された電力増幅回路と、
前記アンテナ要素からの信号の受信を取り扱うために、各アンテナ要素に結合されたLNA回路と、
各アンテナ要素に対応し、前記アンテナ要素の送信信号と受信信号を分離するために、前記電力増幅回路とLNA回路を、前記アンテナ要素に結合するように構成される周波数ダイプレキサ回路と、
を備え、
前記無線周波数回路は、前記デジタル・ベースバンド・フォーマットで前記地上ベース装置と通信信号を送受信するための、前記アンテナ・アレイと前記逆送リンクとの間で無線周波数通信信号の処理を行うように構成される、
塔頂部設備用アンテナ・システム。
【請求項13】
前記デジタル信号を、光信号と電気信号の間で変換するためのファイバー変換器を更に含む、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【請求項14】
前記周波数変換回路が、IF信号とRF信号の間で変換する回路を含む、請求項12に
記載のアンテナ・システム。
【請求項15】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイからの送信のためのM個の送信信号を含む、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【請求項16】
前記M個の別個の信号部分が、前記アンテナ・アレイによって受信されるM個の受信信号を含む、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【請求項17】
前記アナログ/デジタル変換回路及び周波数変換回路が、前記アンテナ・アレイからのRF信号を、デジタル・ベースバンド信号に変換するために作動可能な回路に結合される(combined in a circuit)、請求項12に記載のアンテナ・システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−120187(P2012−120187A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287475(P2011−287475)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2001−95482(P2001−95482)の分割
【原出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(591032275)アンドリュー・リミテッド ライアビリティ カンパニー (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2001−95482(P2001−95482)の分割
【原出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(591032275)アンドリュー・リミテッド ライアビリティ カンパニー (22)
【Fターム(参考)】
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