アンテナ装置およびアンテナ装置のインピーダンス調整方法
【課題】誘電体基板10に設けたインピーダンス調整部30を削って、アンテナ入出力インピーダンスを調整できるアンテナ装置を提供する。
【解決手段】給電部16と接地部18を備えた逆F型アンテナとして動作するチップアンテナ12を誘電体基板10に搭載し、誘電体基板10に設けられた給電点22が電気的接続される給電端子パターン24に給電部16を電気的接続し、誘電体基板10に設けられたグランド電極26が電気的接続される接地端子パターン28に接地部18を電気的接続してなるアンテナ装置において、誘電体基板10の給電端子パターン24と接地端子パターン28の間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部30を介装する。このインピーダンス調整部30を給電点22側から給電部16側に向けて適宜に削って、インダクタンス成分が大きくなるように調整して、アンテナ入出力インピーダンスを調整する。
【解決手段】給電部16と接地部18を備えた逆F型アンテナとして動作するチップアンテナ12を誘電体基板10に搭載し、誘電体基板10に設けられた給電点22が電気的接続される給電端子パターン24に給電部16を電気的接続し、誘電体基板10に設けられたグランド電極26が電気的接続される接地端子パターン28に接地部18を電気的接続してなるアンテナ装置において、誘電体基板10の給電端子パターン24と接地端子パターン28の間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部30を介装する。このインピーダンス調整部30を給電点22側から給電部16側に向けて適宜に削って、インダクタンス成分が大きくなるように調整して、アンテナ入出力インピーダンスを調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆F型アンテナを形成する放射電極を誘電体ブロックの表面に設けてなるチップアンテナを、基板に搭載して構成するアンテナ装置に関するものである。また、基板に設けたインピーダンス調整部を適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するようにしたアンテナ装置のインピーダンス調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS用やブルートゥース用のアンテナとして、直方体の誘電体ブロックの表面に逆F型アンテナを形成する放射電極を設けてなるチップアンテナを、回路基板等の基板上に搭載し、放射電極に設けた給電部を基板に設けた給電端子パターンに半田付けなどにより電気的接続させるとともに、放射電極に設けた接地部を基板に設けた接地端子パターンに半田付けなどにより電気的接続させたものが広く使用されている。このチップアンテナは、小型アンテナとして優れたものである。しかしながら、通信装置の基板に、同一のチップアンテナが組み込まれても、機種毎に異なる基板の形状などの影響を大きく受けて、機種毎にアンテナ特性およびアンテナ入出力インピーダンスが相違するという不具合があった。そこで、機種毎に基板等の影響に応じて放射電極の長さやアンテナ入出力インピーダンスを調整したチップアンテナを用意することで、所望のアンテナ特性およびアンテナ入出力インピーダンスが得られている。この結果、チップアンテナの種類が多くなり、部品の共通化を図ることができないという不具合があった。
【0003】
そこで、かかる不具合のうちのアンテナ入出力インピーダンスの問題を解消する技術として、放射電極の給電部が接続される給電マウントパターンと給電点が接続される給電パターンを、誘電体基板を介して対向するように配設し、対向する面積を適宜に調整することで静電結合容量を変化させて、アンテナ入出力インピーダンスを調整する技術が、特開2004−356971号公報に示されている。
【特許文献1】特開2004−356971号公報
【0004】
上記従来技術にあっては、予め、基板毎に給電マウントパターンと給電パターンの対向する面積を適宜に調整してインピーダンス調整された状態に設定することで、異なる基板に同一のチップアンテナを組み込むことができ、チップアンテナの共通化が図れ、部品の共通化が図れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のごとき従来技術にあっては、給電マウントパターンと給電パターンを誘電体基板の表面と裏面に対向させてそれぞれ配設されることで容量結合させており、実際の調整方法は、給電マウントパターンと給電パターンのいずれか一方または給電マウントパターンと給電パターンの双方を適宜に削り取ることで、給電マウントパターンと給電パターンの対向する面積を減少させ、もって結合容量を徐々に小さくして調整するものである。よって、上述の従来技術では、結合容量を小さくすることでアンテナ入出力インピーダンスが調整できる場合にその適用が限られる。
【0006】
本発明は、上述のごとき従来技術の事情に鑑みてなされたもので、チップアンテナが配設された基板に設けられたインピーダンス調整部を調整することで、インダクタンス成分を徐々に大きくしてアンテナ入出力インピーダンスを調整できるようにして、部品の共通化が図れるアンテナ装置を提供することを目的とする。また、基板に配設されたインピーダンス調整部を適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するアンテナ装置のインピーダンス調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明のアンテナ装置は、給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に介装された導電薄膜を調整することによりアンテナ入出力インピーダンスを調整するインピーダンス調整部を設けて構成されている。
【0008】
そして、前記インピーダンス調整部は、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に跨って設けられた導電薄膜を、前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するように構成することもできる。
【0009】
また、本発明のアンテナ装置のインピーダンス調整方法は、給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部を介装し、前記インピーダンス調整部を前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整する。
【0010】
そして、前記インピーダンス調整部を前記給電点から前記給電部の方向に向けて適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整しても良い。
【0011】
さらに、本発明のアンテナ装置は、給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置であって、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜を介装してなるインピーダンス調整部を設け、予め実験により前記導電薄膜を削ることによりアンテナ入出力インピーダンスが最適となる形状の前記導電薄膜を求め、この最適となる形状の前記導電薄膜を前記インピーダンス調整部として前記基板に設けて構成しても良い。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のアンテナ装置にあっては、基板に設けた給電端子パターンと接地端子パターンの間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部を介装しているので、このインピーダンス調整部を適宜に削ることで、給電点とグランド電極の間のインダクタンス成分が大きくなるように調整されてアンテナ入出力インピーダンスを調整し得る。
【0013】
請求項2記載のアンテナ装置にあっては、インピーダンス調整部は、基板に給電端子パターンと接地端子パターンの間に跨って導電薄膜が設けられてなり、給電点と給電部を結ぶ方向と平行に適宜に削ることで、容易にアンテナ入出力インピーダンスを調整できる。
【0014】
請求項3および4記載のアンテナ装置のインピーダンス調整方法は、基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに給電部を電気的接続し、誘電体基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、誘電体基板に給電端子パターンと接地端子パターンの間にインピーダンス調整部を介装し、このインピーダンス調整部を給電点と給電部の方向に適宜に削ることで給電点とグランド電極の間のインダクタンス成分を大きくすることができて、容易にアンテナ入出力インピーダンスを調整し得る。
【0015】
請求項5記載のアンテナ装置にあっては、予め実験的に、チップアンテナを搭載しようとする基板で、最適なアンテナ特性が得られるアンテナ入出力インピーダンスとなるインピーダンス調整部の削り量の形状を求め、基板毎に予め求められた形状のインピーダンス調整部を設けることで、異なるセットの基板に対して同じチップアンテナを用いることができる。もって、部品の共通化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施例を、図1ないし図17を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナ装置の一実施例の外観斜視図である。図2は、図1のアンテナ装置の実装状態における要部平面図である。図3は、本発明のアンテナ装置の等価回路図である。図4は、図1のA−A矢視部分端面図である。図5は、本発明のアンテナ装置におけるインピーダンス調整部を削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを示し、(a)は削る前の状態のインピーダンス調整部を示す図であり、(b)はインピーダンス調整部を1/4だけ削った状態を示す図であり、(c)はインピーダンス調整部を2/4だけ削った状態を示す図であり、(d)はインピーダンス調整部を3/4だけ削った状態を示す図であり、(e)はインピーダンス調整部を全て削った状態を示す図である。図6は、本発明のアンテナ装置をGPS用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図7は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図8は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図9は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図10は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図11は、図6ないし図10から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。図12は、本発明のアンテナ装置をブルートゥース用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図13は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図14は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図15は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図16は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図17は、図12ないし図16から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。
【0017】
図1および図2に示すごとく、本発明のアンテナ装置の一実施例にあっては、誘電体基板10の表面にチップアンテナ12が配設される。このチップアンテナ12は、直方体の誘電体ブロック14の表面でその側面と天面に跨り導電薄膜により放射電極20が設けられて、逆F型アンテナが形成されている。そして、誘電体ブロック14の側面で、放射電極20の基端部側に給電部16と接地部18が設けられる。また、誘電体基板10には、誘電体ブロック14の裏面に設けられて、固定用の導電薄膜および電気的接続用の給電部16と接地部18に対向するように、固定用のマウントおよび電気的接続用のマウントがそれぞれに設けられる。これらの固定用の導電薄膜および電気的接続用の給電部16と接地部18と、固定用のマウントおよび電気的接続用のマウントは、それぞれに半田付けにより適宜に固定される。そして、給電部16が接続されるマウントには給電端子パターン24の一端部が連続して配設され、この給電端子パターンの24の他端部に給電点22が電気的接続される。また、接地部18が接続されるマウントには接地端子パターン28の一端部が連続して配設され、この接地端子パターンの28の他端部がグランド電極26に電気的接続される。なお、このグランド電極26は、誘電体基板10の表面に配設されている。そして、給電端子パターン24と接地端子パターン28は適宜な長さで略平行に配設される。かかる構成は、従来技術と同様である。本発明にあっては、さらに、給電端子パターン24と接地端子パターン28の間に跨って、すなわち略平行に配設される給電端子パターン24と接地端子パターン28の間に、誘電体基板10の表面を覆うようにインピーダンス調整部30が配設される。これらの給電端子パターン24と接地端子パターン28とグランド電極26とマウントおよびインピーダンス調整部30は、いずれもが誘電体基板10の表面に配設された導電薄膜で形成されている。
【0018】
かかる構成の実施例において、本発明のアンテナ装置の等価回路は、図3に示すごとく、給電端子パターン24のインダクタンス成分L1が給電点22と給電部16の間に介装されるとともに、インピーダンス調整部30のインダクタンス成分L2が給電部16とグランド電極26の間に介装されたものとなる。そこで、図4に示すごとく、インピーダンス調整部30をリューター32等により、給電点22と給電部16を結ぶ方向と略平行に、給電点22側から適宜な量を削ることで、図3に示すインダクタンス成分L1、L2の大きさが大きくなるように変化させて、本発明のアンテナ装置のアンテナ入出力インピーダンスを変化させることができる。
【0019】
そこで、発明者らは、図5に示すごとく、インピーダンス調整部30を削る前の状態から、インピーダンス調整部30の削り方向の長さの1/4づつ削った状態を経て、全てを削り取った状態に到るまでのアンテナ特性の変化を実験測定した。図6ないし図10は、本発明のアンテナ装置をGPS用のアンテナ装置に適用した場合の測定結果であり、図11に示すごとく、インピーダンス調整部30を削り取る量が多くなると、VSWR特性が改善されて行くとともに、アンテナ入出力インピーダンスも約50Ωにだんだん近づいて行く。図6ないし図10の測定結果からは、インピーダンス調整部30を全て削り取ってしまった状態が、最適状態であり、搭載した誘電体基板10に実験で使用したチップアンテナ12が適合していたことを示している。また、図12ないし図16は、本発明のアンテナ装置をブルートゥース用のアンテナ装置に適用した場合の測定結果であり、図17に示すごとく、インピーダンス調整部30を2/4から3/4ほど削る途中に最適なVSWR特性とアンテナ入出力インピーダンスが得られている。図12ないし図16の測定結果からは、実験で使用した誘電体基板10に実験で使用したチップアンテナ12を搭載する場合は、インピーダンス調整部30を略5/8ほど削り取った状態で、最適な状態のアンテナ特性が得られる。
【0020】
これらの予め行われた実験結果に基づき、チップアンテナ12を搭載しようとする誘電体基板10で、最適なアンテナ特性が得られ削り量の形状にインピーダンス調整部30を設計することで、異なるセットのそれぞれの誘電体基板10に対して、同じチップアンテナ12を用いることができる。もって、部品の共通化が図れる。
【0021】
なお、上記実施例の説明において、インピーダンス調整部30を給電点22側から給電部16に向かう方向に削っているが、これに限られず、給電部16側から給電点22側に向けて削り取っても良く、また給電点22側から給電部16側と給電部16側から給電点22側の双方向から中央方向に向けて削り取っても良く、さらにはインピーダンス調整部30の途中から給電点22側と給電部16側の双方向に向けて削り取っても良い。これらの削り方の違いで等価回路は、図3に示すものと異なるが、給電点22と給電部16の間および給電点22とグランド電極26の間のインダクタンス成分の大きさが変化することは容易に理解されるであろう。そして、インピーダンス調整部30を全て削り取った状態でも、インダクタンス成分が十分でなくて、所望のアンテナ入出力インピーダンスが得られない場合には、誘電体基板10の給電点22とチップアンテナ12の給電部16の距離がより長いもの、すなわち給電端子パターン24がより長い誘電体基板10を用いて、給電点22と給電部16の間により大きなインダクタンス成分を介装させることができるようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のアンテナ装置の一実施例の外観斜視図である。
【図2】図1のアンテナ装置の実装状態における要部平面図である。
【図3】本発明のアンテナ装置の等価回路図である。
【図4】図1のA−A矢視部分端面図である。
【図5】本発明のアンテナ装置におけるインピーダンス調整部を削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを示し、(a)は削る前の状態のインピーダンス調整部を示す図であり、(b)はインピーダンス調整部を1/4だけ削った状態を示す図であり、(c)はインピーダンス調整部を2/4だけ削った状態を示す図であり、(d)はインピーダンス調整部を3/4だけ削った状態を示す図であり、(e)はインピーダンス調整部を全て削った状態を示す図である。
【図6】本発明のアンテナ装置をGPS用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図7】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図8】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図9】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図10】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図11】図6ないし図10から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。
【図12】本発明のアンテナ装置をブルートゥース用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図13】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図14】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図15】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図16】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図17】図12ないし図16から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
10 誘電体基板
12 チップアンテナ
14 誘電体ブロック
16 給電部
18 接地部
20 放射電極
22 給電点
24 給電端子パターン
26 グランド電極
28 接地端子パターン
30 インピーダンス調整部
32 リューター
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆F型アンテナを形成する放射電極を誘電体ブロックの表面に設けてなるチップアンテナを、基板に搭載して構成するアンテナ装置に関するものである。また、基板に設けたインピーダンス調整部を適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するようにしたアンテナ装置のインピーダンス調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS用やブルートゥース用のアンテナとして、直方体の誘電体ブロックの表面に逆F型アンテナを形成する放射電極を設けてなるチップアンテナを、回路基板等の基板上に搭載し、放射電極に設けた給電部を基板に設けた給電端子パターンに半田付けなどにより電気的接続させるとともに、放射電極に設けた接地部を基板に設けた接地端子パターンに半田付けなどにより電気的接続させたものが広く使用されている。このチップアンテナは、小型アンテナとして優れたものである。しかしながら、通信装置の基板に、同一のチップアンテナが組み込まれても、機種毎に異なる基板の形状などの影響を大きく受けて、機種毎にアンテナ特性およびアンテナ入出力インピーダンスが相違するという不具合があった。そこで、機種毎に基板等の影響に応じて放射電極の長さやアンテナ入出力インピーダンスを調整したチップアンテナを用意することで、所望のアンテナ特性およびアンテナ入出力インピーダンスが得られている。この結果、チップアンテナの種類が多くなり、部品の共通化を図ることができないという不具合があった。
【0003】
そこで、かかる不具合のうちのアンテナ入出力インピーダンスの問題を解消する技術として、放射電極の給電部が接続される給電マウントパターンと給電点が接続される給電パターンを、誘電体基板を介して対向するように配設し、対向する面積を適宜に調整することで静電結合容量を変化させて、アンテナ入出力インピーダンスを調整する技術が、特開2004−356971号公報に示されている。
【特許文献1】特開2004−356971号公報
【0004】
上記従来技術にあっては、予め、基板毎に給電マウントパターンと給電パターンの対向する面積を適宜に調整してインピーダンス調整された状態に設定することで、異なる基板に同一のチップアンテナを組み込むことができ、チップアンテナの共通化が図れ、部品の共通化が図れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のごとき従来技術にあっては、給電マウントパターンと給電パターンを誘電体基板の表面と裏面に対向させてそれぞれ配設されることで容量結合させており、実際の調整方法は、給電マウントパターンと給電パターンのいずれか一方または給電マウントパターンと給電パターンの双方を適宜に削り取ることで、給電マウントパターンと給電パターンの対向する面積を減少させ、もって結合容量を徐々に小さくして調整するものである。よって、上述の従来技術では、結合容量を小さくすることでアンテナ入出力インピーダンスが調整できる場合にその適用が限られる。
【0006】
本発明は、上述のごとき従来技術の事情に鑑みてなされたもので、チップアンテナが配設された基板に設けられたインピーダンス調整部を調整することで、インダクタンス成分を徐々に大きくしてアンテナ入出力インピーダンスを調整できるようにして、部品の共通化が図れるアンテナ装置を提供することを目的とする。また、基板に配設されたインピーダンス調整部を適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するアンテナ装置のインピーダンス調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明のアンテナ装置は、給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に介装された導電薄膜を調整することによりアンテナ入出力インピーダンスを調整するインピーダンス調整部を設けて構成されている。
【0008】
そして、前記インピーダンス調整部は、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に跨って設けられた導電薄膜を、前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するように構成することもできる。
【0009】
また、本発明のアンテナ装置のインピーダンス調整方法は、給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部を介装し、前記インピーダンス調整部を前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整する。
【0010】
そして、前記インピーダンス調整部を前記給電点から前記給電部の方向に向けて適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整しても良い。
【0011】
さらに、本発明のアンテナ装置は、給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置であって、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜を介装してなるインピーダンス調整部を設け、予め実験により前記導電薄膜を削ることによりアンテナ入出力インピーダンスが最適となる形状の前記導電薄膜を求め、この最適となる形状の前記導電薄膜を前記インピーダンス調整部として前記基板に設けて構成しても良い。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のアンテナ装置にあっては、基板に設けた給電端子パターンと接地端子パターンの間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部を介装しているので、このインピーダンス調整部を適宜に削ることで、給電点とグランド電極の間のインダクタンス成分が大きくなるように調整されてアンテナ入出力インピーダンスを調整し得る。
【0013】
請求項2記載のアンテナ装置にあっては、インピーダンス調整部は、基板に給電端子パターンと接地端子パターンの間に跨って導電薄膜が設けられてなり、給電点と給電部を結ぶ方向と平行に適宜に削ることで、容易にアンテナ入出力インピーダンスを調整できる。
【0014】
請求項3および4記載のアンテナ装置のインピーダンス調整方法は、基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに給電部を電気的接続し、誘電体基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、誘電体基板に給電端子パターンと接地端子パターンの間にインピーダンス調整部を介装し、このインピーダンス調整部を給電点と給電部の方向に適宜に削ることで給電点とグランド電極の間のインダクタンス成分を大きくすることができて、容易にアンテナ入出力インピーダンスを調整し得る。
【0015】
請求項5記載のアンテナ装置にあっては、予め実験的に、チップアンテナを搭載しようとする基板で、最適なアンテナ特性が得られるアンテナ入出力インピーダンスとなるインピーダンス調整部の削り量の形状を求め、基板毎に予め求められた形状のインピーダンス調整部を設けることで、異なるセットの基板に対して同じチップアンテナを用いることができる。もって、部品の共通化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施例を、図1ないし図17を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナ装置の一実施例の外観斜視図である。図2は、図1のアンテナ装置の実装状態における要部平面図である。図3は、本発明のアンテナ装置の等価回路図である。図4は、図1のA−A矢視部分端面図である。図5は、本発明のアンテナ装置におけるインピーダンス調整部を削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを示し、(a)は削る前の状態のインピーダンス調整部を示す図であり、(b)はインピーダンス調整部を1/4だけ削った状態を示す図であり、(c)はインピーダンス調整部を2/4だけ削った状態を示す図であり、(d)はインピーダンス調整部を3/4だけ削った状態を示す図であり、(e)はインピーダンス調整部を全て削った状態を示す図である。図6は、本発明のアンテナ装置をGPS用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図7は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図8は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図9は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図10は、図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図11は、図6ないし図10から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。図12は、本発明のアンテナ装置をブルートゥース用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図13は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図14は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図15は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図16は、図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。図17は、図12ないし図16から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。
【0017】
図1および図2に示すごとく、本発明のアンテナ装置の一実施例にあっては、誘電体基板10の表面にチップアンテナ12が配設される。このチップアンテナ12は、直方体の誘電体ブロック14の表面でその側面と天面に跨り導電薄膜により放射電極20が設けられて、逆F型アンテナが形成されている。そして、誘電体ブロック14の側面で、放射電極20の基端部側に給電部16と接地部18が設けられる。また、誘電体基板10には、誘電体ブロック14の裏面に設けられて、固定用の導電薄膜および電気的接続用の給電部16と接地部18に対向するように、固定用のマウントおよび電気的接続用のマウントがそれぞれに設けられる。これらの固定用の導電薄膜および電気的接続用の給電部16と接地部18と、固定用のマウントおよび電気的接続用のマウントは、それぞれに半田付けにより適宜に固定される。そして、給電部16が接続されるマウントには給電端子パターン24の一端部が連続して配設され、この給電端子パターンの24の他端部に給電点22が電気的接続される。また、接地部18が接続されるマウントには接地端子パターン28の一端部が連続して配設され、この接地端子パターンの28の他端部がグランド電極26に電気的接続される。なお、このグランド電極26は、誘電体基板10の表面に配設されている。そして、給電端子パターン24と接地端子パターン28は適宜な長さで略平行に配設される。かかる構成は、従来技術と同様である。本発明にあっては、さらに、給電端子パターン24と接地端子パターン28の間に跨って、すなわち略平行に配設される給電端子パターン24と接地端子パターン28の間に、誘電体基板10の表面を覆うようにインピーダンス調整部30が配設される。これらの給電端子パターン24と接地端子パターン28とグランド電極26とマウントおよびインピーダンス調整部30は、いずれもが誘電体基板10の表面に配設された導電薄膜で形成されている。
【0018】
かかる構成の実施例において、本発明のアンテナ装置の等価回路は、図3に示すごとく、給電端子パターン24のインダクタンス成分L1が給電点22と給電部16の間に介装されるとともに、インピーダンス調整部30のインダクタンス成分L2が給電部16とグランド電極26の間に介装されたものとなる。そこで、図4に示すごとく、インピーダンス調整部30をリューター32等により、給電点22と給電部16を結ぶ方向と略平行に、給電点22側から適宜な量を削ることで、図3に示すインダクタンス成分L1、L2の大きさが大きくなるように変化させて、本発明のアンテナ装置のアンテナ入出力インピーダンスを変化させることができる。
【0019】
そこで、発明者らは、図5に示すごとく、インピーダンス調整部30を削る前の状態から、インピーダンス調整部30の削り方向の長さの1/4づつ削った状態を経て、全てを削り取った状態に到るまでのアンテナ特性の変化を実験測定した。図6ないし図10は、本発明のアンテナ装置をGPS用のアンテナ装置に適用した場合の測定結果であり、図11に示すごとく、インピーダンス調整部30を削り取る量が多くなると、VSWR特性が改善されて行くとともに、アンテナ入出力インピーダンスも約50Ωにだんだん近づいて行く。図6ないし図10の測定結果からは、インピーダンス調整部30を全て削り取ってしまった状態が、最適状態であり、搭載した誘電体基板10に実験で使用したチップアンテナ12が適合していたことを示している。また、図12ないし図16は、本発明のアンテナ装置をブルートゥース用のアンテナ装置に適用した場合の測定結果であり、図17に示すごとく、インピーダンス調整部30を2/4から3/4ほど削る途中に最適なVSWR特性とアンテナ入出力インピーダンスが得られている。図12ないし図16の測定結果からは、実験で使用した誘電体基板10に実験で使用したチップアンテナ12を搭載する場合は、インピーダンス調整部30を略5/8ほど削り取った状態で、最適な状態のアンテナ特性が得られる。
【0020】
これらの予め行われた実験結果に基づき、チップアンテナ12を搭載しようとする誘電体基板10で、最適なアンテナ特性が得られ削り量の形状にインピーダンス調整部30を設計することで、異なるセットのそれぞれの誘電体基板10に対して、同じチップアンテナ12を用いることができる。もって、部品の共通化が図れる。
【0021】
なお、上記実施例の説明において、インピーダンス調整部30を給電点22側から給電部16に向かう方向に削っているが、これに限られず、給電部16側から給電点22側に向けて削り取っても良く、また給電点22側から給電部16側と給電部16側から給電点22側の双方向から中央方向に向けて削り取っても良く、さらにはインピーダンス調整部30の途中から給電点22側と給電部16側の双方向に向けて削り取っても良い。これらの削り方の違いで等価回路は、図3に示すものと異なるが、給電点22と給電部16の間および給電点22とグランド電極26の間のインダクタンス成分の大きさが変化することは容易に理解されるであろう。そして、インピーダンス調整部30を全て削り取った状態でも、インダクタンス成分が十分でなくて、所望のアンテナ入出力インピーダンスが得られない場合には、誘電体基板10の給電点22とチップアンテナ12の給電部16の距離がより長いもの、すなわち給電端子パターン24がより長い誘電体基板10を用いて、給電点22と給電部16の間により大きなインダクタンス成分を介装させることができるようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のアンテナ装置の一実施例の外観斜視図である。
【図2】図1のアンテナ装置の実装状態における要部平面図である。
【図3】本発明のアンテナ装置の等価回路図である。
【図4】図1のA−A矢視部分端面図である。
【図5】本発明のアンテナ装置におけるインピーダンス調整部を削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを示し、(a)は削る前の状態のインピーダンス調整部を示す図であり、(b)はインピーダンス調整部を1/4だけ削った状態を示す図であり、(c)はインピーダンス調整部を2/4だけ削った状態を示す図であり、(d)はインピーダンス調整部を3/4だけ削った状態を示す図であり、(e)はインピーダンス調整部を全て削った状態を示す図である。
【図6】本発明のアンテナ装置をGPS用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図7】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図8】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図9】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図10】図6と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図11】図6ないし図10から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。
【図12】本発明のアンテナ装置をブルートゥース用のアンテナ装置に適用した一例で、インピーダンス調整部を削る前の状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図13】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を1/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図14】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を2/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図15】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を3/4だけ削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図16】図12と同じ一例で、インピーダンス調整部を全部削った状態のアンテナ特性を示し、(a)はVSWR特性を示す図であり、(b)はスミスチャートである。
【図17】図12ないし図16から得られた削り量とVSWRの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
10 誘電体基板
12 チップアンテナ
14 誘電体ブロック
16 給電部
18 接地部
20 放射電極
22 給電点
24 給電端子パターン
26 グランド電極
28 接地端子パターン
30 インピーダンス調整部
32 リューター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に介装された導電薄膜を調整することによりアンテナ入出力インピーダンスを調整するインピーダンス調整部を設けて構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置において、前記インピーダンス調整部は、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に跨って設けられた導電薄膜を、前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するように構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部を介装し、前記インピーダンス調整部を前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを特徴としたアンテナ装置のインピーダンス調整方法。
【請求項4】
請求項3記載のアンテナ装置のインピーダンス調整方法において、前記インピーダンス調整部を前記給電点から前記給電部の方向に向けて適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを特徴としたアンテナ装置のインピーダンス調整方法。
【請求項5】
給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置であって、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜を介装してなるインピーダンス調整部を設け、予め実験により前記導電薄膜を削ることによりアンテナ入出力インピーダンスが最適となる形状の前記導電薄膜を求め、この最適となる形状の前記導電薄膜を前記インピーダンス調整部として前記基板に設けて構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項1】
給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に介装された導電薄膜を調整することによりアンテナ入出力インピーダンスを調整するインピーダンス調整部を設けて構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置において、前記インピーダンス調整部は、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に跨って設けられた導電薄膜を、前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整するように構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置において、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜からなるインピーダンス調整部を介装し、前記インピーダンス調整部を前記給電点と前記給電部を結ぶ方向と平行に適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを特徴としたアンテナ装置のインピーダンス調整方法。
【請求項4】
請求項3記載のアンテナ装置のインピーダンス調整方法において、前記インピーダンス調整部を前記給電点から前記給電部の方向に向けて適宜に削ってアンテナ入出力インピーダンスを調整することを特徴としたアンテナ装置のインピーダンス調整方法。
【請求項5】
給電部と接地部を備えた逆F型アンテナを形成する放射電極が誘電体ブロックの表面に設けられたチップアンテナを基板に搭載し、前記基板に設けられて給電点が電気的接続される給電端子パターンに前記給電部を電気的接続し、前記基板に設けられてグランド電極が電気的接続される接地端子パターンに前記接地部を電気的接続してなるアンテナ装置であって、前記基板に前記給電端子パターンと前記接地端子パターンの間に導電薄膜を介装してなるインピーダンス調整部を設け、予め実験により前記導電薄膜を削ることによりアンテナ入出力インピーダンスが最適となる形状の前記導電薄膜を求め、この最適となる形状の前記導電薄膜を前記インピーダンス調整部として前記基板に設けて構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−288826(P2008−288826A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131221(P2007−131221)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】
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