説明

アンテナ装置

【課題】複雑な制御系やデータ処理系を伴わず、携帯電話端末内の、アンテナに割当てられる程度のスペースで、指向特性の切り替えが効果的になされ、必要に応じてマルチバンドに対応可能なアンテナ装置を構成する。
【解決手段】アンテナ素子21は基板50のグランド領域GAと非グランド領域NGAとの中間位置に配置されている。アンテナ素子21には第1の給電端22及び第2の給電端23が引き出されている。第1の給電端22及び第2の給電端23と給電回路40との間に指向性制御回路30が設けられている。指向性制御回路30が第1の給電端22側を選択しているとき、グランド領域GAより遠い側の端部が開放端となってモノポールライクな指向性を示す。指向性制御回路30が第2の給電端23側を選択しているとき、グランド領域GAの上部が開放端となって逆Lライクな指向性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話端末に備えられるアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末用のアンテナ装置において、人体の近接有無などの状態に応じてアンテナの指向特性を制御するものとして特許文献1,2が開示されている。
【0003】
特許文献1には、人体頭部が近接した状態で使用される音声通信(通話)と、頭部が離れた状態で使用されるデータ通信という二つの使用状況に応じてアンテナの指向性を切り替えるアンテナ装置が開示されている。前記音声通信では人体頭部SAR(Specific Absorption Rate)低減の観点が重視され、頭部反対方向への指向性が望まれるが、前記データ通信ではその制約が外れるため、どのような向きにおいてもなるべく確実に電波の授受ができるように無指向性であることが望まれる。この命題に対し、スイッチングで装荷/非装荷される無給電素子を設置し、無給電素子の装荷/非装荷の切り替えによって指向性を切り替えている。
【0004】
図1は特許文献1に開示されているアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置2は、長方形板状の有限地板11、この有限地板11に接続された通話用スピーカー12、有限地板11の裏側に給電点13を有する折り返しモノポールアンテナ14、有限地板11の表側にスイッチ15を介して接地される無給電逆L素子16、及び、スイッチ15を制御する機能を含む通信識別部17を有している。
【0005】
このような構成で、前記アンテナ装置2はスイッチ15の制御によって無給電逆L素子16の装荷/非装荷を切り替えてアンテナの指向性を切り替えようとしている。
【0006】
特許文献2は、アンテナ素子の底面側(=頭部側、アンテナと頭部との間に介在する位置)に、基板グランドとはリアクタンスで接続された金属板を配したアンテナ装置が開示されている。この金属板を頭部反対方向に指向性を持たせる「反射板」とする考え方もあるが、反射器として動作するにはλ/4(900MHzでは83mm)の間隔が必要ということを考慮すると、「遮蔽板」と解するほうが妥当である。すなわち、前記金属板は頭部がアンテナに与える影響、及びアンテナが頭部に与える影響を軽減する「遮蔽板」とみなせる。すなわち、実質的にグランド電極上にアンテナ素子を配置したOn−GND構成を採ることで人体影響による劣化を低減させている。
【0007】
なお「指向性を切換える」という観点では、アレーアンテナが古くから研究されている。但し制御系,データ処理系が複雑,コスト高になることや、アレーを構成させるだけのスペースが確保できないことや、マルチバンドに対応させる必要があるなどの理由で、アレーアンテナは本願の対象分野である携帯端末には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−174121号公報
【特許文献2】国際公開第2007−054616号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1の、反射器・導波器による指向性制御は、一般にλ/4以上のスペースが要るといわれている。そのため、まげて適用したとしても薄型の携帯電話端末では効果が低い、或いは携帯電話端末内に相当大きな構造物を設けることになるため、セットデザインに大きな負担となってしまう。すなわち、付加物によってスペースが占有される問題もあるが、設計段階で基板や筐体とアンテナ装置との適合設計を繰り返さなければならないことも懸念事項である。
【0010】
また反射器・導波器は一般的に、どのバンドにも指向性効果を発揮させることは困難であり、マルチバンドへの対応の難易度が高い。
【0011】
特許文献2においては、開放端位置をそのままにして、遮蔽板を配置する/しないを切り替える方法が想到されるが、On−GND状態では単指向性の効果が薄く、Non−GND状態では遮蔽版の存在で特性劣化するおそれがある。
【0012】
これを別表現に言い換えると、「アンテナに割当てられる程度のスペース内にて異なった指向性を現出させる」という観点からは、スペースを最大限に利用できていない。改善の余地があるということでもある。
【0013】
そこで、この発明の目的は、複雑な制御系やデータ処理系を伴わず、携帯電話端末内の、アンテナに割当てられる程度のスペースで、指向特性の切り替えが効果的になされ、必要に応じてマルチバンドに対応可能なアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、この発明は次のように構成する。
(1)アンテナ素子と、前記アンテナ素子と給電部との間に接続されるアンテナ整合回路と、を備えたアンテナ装置であって、
前記アンテナ整合回路は、利用周波数帯域に応じて整合する可変マッチング回路で構成され、
前記アンテナ素子には、給電ポートであって、給電位置が切り替わることによって(前記アンテナ素子に近接するグランド電極に対する前記アンテナ素子の開放端の位置関係が変わることにより、)指向性が切り替わる複数の給電ポートを備え、
前記アンテナ整合回路を前記複数の給電ポートに選択的に接続するスイッチと、
前記スイッチの非接続ポートに繋がる高インピーダンス回路と、を備える。
【0015】
この構成により、給電ポートの切り替えによって指向性が制御されるので、複雑な制御系やデータ処理系が不要であり、コストメリットが高く、携帯電話端末などのセットを設計する上で取り扱いが容易となる。
【0016】
また、給電位置を切り替えた際に、非接続ポートには実質的に(高周波的に)何も接続されていない状態となる(すなわち非接続ポートと基板グランドとの間に容量が接続されたような状態にならない)ので、アンテナ素子上の電圧分布上の開放端位置に大きな乱れを生じない。そのため、指向性の切り替えを効果的に行うことができ、アンテナ効率の劣化も少ないアンテナ装置が得られる。
【0017】
(2)前記可変マッチング回路は、整合状態と高インピーダンス状態とを切り替えることを特徴とする。
この構成により、高インピーダンス負荷及びその高インピーダンス負荷で選択的に終端するためのスイッチが不要となる。
【0018】
(3)前記可変マッチング回路は、前記アンテナ素子の根元部に接続される可変リアクタンス部と、前記給電部と前記可変リアクタンス部との間に接続されるマッチング部と、を備え、
前記マッチング部は、前記給電部とグランドとの間にそれぞれシャントに接続される並列インダクタ及び並列キャパシタで構成され、
前記可変リアクタンス部は、複数の周波数帯に対応するために共振周波数を切替えると共に、人体の影響により変化する共振周波数を微調整するリアクタンス値に定められ、
前記並列インダクタは、前記給電部から前記アンテナ整合回路側を見たインピーダンスの軌跡がスミスチャートのほぼ第1象限で小円軌跡を描く値に定められ、
前記並列キャパシタは、前記小円軌跡が前記スミスチャート上の中央へ移動させる値に設定されたものとする。
【0019】
この構成により、周囲影響に応じた良好なマッチング状態を供出できる。すなわち、人体の手や躰の影響によってずれる、アンテナと給電回路とのマッチング(=アンテナの入力インピーダンス)が補正され、人体の手や躰の影響を受けた環境下でより良いVSWR特性となる。
【0020】
(4)前記可変容量素子は、例えばMEMSスイッチで構成される。
このことにより、高調波歪みの発生を抑えて整合をとることができる。
【0021】
(5)前記アンテナ整合回路を構成する回路要素の一部または全部は、例えば多層基板にパッケージ化されている。
これにより、実装先の回路基板上に実装可能な部品として扱うことができ、回路基板上の占有面積が削減できる。
【0022】
(6)前記アンテナ素子は、例えば誘電体または磁性体の基体と、前記基体の表面または前記基体の内部に配置されたアンテナ素子電極とから構成される。
この構成により、素子の小型化もさることながら実装先の回路基板上へのアンテナ整合回路用部品の実装が不要または少なくなり、その分全体の小型化が図れる。
【0023】
(7)前記アンテナ素子は、前記アンテナ整合回路のアンテナ接続部に接続可能な複数種のアンテナ素子のうち、前記アンテナ素子単体での放射Qの良好なアンテナ素子である。
この構成により、放射Qの良好なアンテナを前記アンテナ整合回路に接続することによって、効率の高いアンテナ装置が構成できる。
【0024】
(8)前記複数種のアンテナ素子の選択条件は、アンテナ素子に対する給電点の位置、アンテナ素子と対向するグランドとの間隔、アンテナ素子のサイズのいずれか又はこれらの複数の組み合わせである。
これにより、放射Qの良好なアンテナ素子を容易且つ確実に選定でき、高効率なアンテナ装置が構成できる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、人体頭部SAR(Specific Absorption Rate)低減の観点から、音声通信とデータ通信にそれぞれ適した指向性制御可能なアンテナ装置が提供できる。
【0026】
組み込み先電子機器内のアンテナに割当てられる程度のスペースに、指向性が大きく異なる少なくとも二つの状態を発現させることができる。
【0027】
小型・マルチバンド対応のための切替え機能(Reconfigurable機能)と指向性切換え機能を融合させること、又は人体の影響によるマッチングのずれに対応する機能(Adjustable機能)と指向性切換え機能とを融合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】特許文献1に開示されているアンテナ装置の構成を示す図である。
【図2】図2(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す分解斜視図、図2(B)及び図2(C)は第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図3】図3(A)は、指向性制御回路30が第1の給電端22側を選択しているときの電界ループを基板50の側面から見た図である。図3(B)は、指向性制御回路30が第2の給電端23側を選択しているときの電界ループを基板50の側面から見た図である。
【図4】図4(A)はモノポールライクの状態でのアンテナ装置に電界強度の分布を表す図である。図4(B)は逆Lライクの状態でのアンテナ装置の電界強度の分布を表す図である。
【図5】指向性制御回路30の具体的な構成例を示す斜視図上に表した図である。
【図6】指向性制御回路30の具体的な構成例を示す平面図上に表した図である。
【図7】ローバンドにおいて、マッチング部MのキャパシタC2の作用について示す図である。
【図8】ハイバンドにおいて、マッチング部MのキャパシタC2の作用について示す図である。
【図9】マッチング部MのインダクタL2(並列インダクタ)の作用について示す図である。
【図10】アンテナ装置のリターンロスの周波数特性について、ローバンドとハイバンドを共に表した図である。
【図11】第2の実施形態に係る2つのアンテナ装置の構成図である。
【図12】第3の実施形態に係る2つのアンテナ装置の構成図である。
【図13】第4の実施形態に係るアンテナ装置の構成図である。
【図14】第5の実施形態に係るアンテナ装置の二つの構成例を示す図である。
【図15】第6の実施形態に係るアンテナ装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
《第1の実施形態》
図2(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す分解斜視図、図2(B)及び図2(C)は第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す斜視図である。回路基板(以下、単に「基板」という。)50にはグランド領域GA及び非グランド領域NGAが設けられていて、この基板50上に指向性制御回路30が構成されている。そして、アンテナ素子21が基板50のグランド領域GAと非グランド領域NGAとの中間位置に(グランド領域GAと非グランド領域NGAとを跨ぐように)配置されている。
【0030】
アンテナ素子21には第1の給電端22及び第2の給電端23が引き出されている。これら第1の給電端22及び第2の給電端23と給電回路40との間に指向性制御回路30が設けられている。
【0031】
図2(B)は、前記指向性制御回路30が第1の給電端22側を選択している状態、図2(C)は、前記指向性制御回路30が第2の給電端23側を選択している状態をそれぞれ示している。図2(B),図2(C)において図中の複数の曲線は、電界の分布を示すために模式的に描いた電気力線である。
指向性制御回路30が第1の給電端22側を選択しているとき、図2(B)に表れているように、アンテナ素子21の二つの端部のうち、第1の給電端22より遠い側、すなわちグランド領域GAより遠い側が開放端(電界最大の端部)となる。
指向性制御回路30が第2の給電端23側を選択しているとき、図2(C)に表れているように、アンテナ素子21の二つの端部のうち、第2の給電端23より遠い側、すなわちグランド領域GAの上部が開放端(電界最大の端部)となる。
【0032】
図3(A)は、指向性制御回路30が第1の給電端22側を選択しているときの電界ループを基板50の側面から見た図である。図3(B)は、指向性制御回路30が第2の給電端23側を選択しているときの電界ループを基板50の側面から見た図である。
【0033】
アンテナ素子21の開放端が基板のグランド領域から遠ざかっている状態では、モノポールアンテナのように作用する。以下、この状態を「モノポールライク」と呼ぶこととする。
【0034】
アンテナ素子21の開放端が基板のグランド領域に近接している状態では、逆Lアンテナ(inverted L antenna)のように作用する。以下、この状態を「逆Lライク」と呼ぶこととする。
【0035】
図4(A)はモノポールライクの状態でのアンテナ装置に電界強度の分布を表す図である。図4(B)は逆Lライクの状態でのアンテナ装置の電界強度の分布を表す図である。
【0036】
モノポールライクの状態では、図3(A)及び図4(A)に表れているように、ほぼ無指向性となる。逆Lライクの状態では、図3(B)及び図4(B)に表れているように、基板50の裏面側(人体頭部側)を向く電界強度が、基板50のアンテナ素子21が搭載されている面側(人体頭部から離れている面側)を向く電界強度より弱い。
【0037】
前記指向性制御回路30は、データ通信時に第1の給電端22を選択して、モノポールライクのアンテナとし、音声通信時に第2の給電端23を選択して、逆Lライクのアンテナとする。
【0038】
このように、アンテナ素子21が配置される、限られたアンテナスペース20内で、異なった指向性を発現させることができる。
【0039】
ところで、人体は低導電率・高誘電体であるので、人体の近接時には、人体に電気力線が吸い込まれ、電磁界エネルギーが人体内にてロスとして霧散してしまう。人体近接において逆Lライクはモノポールライクに比べ、人体内でのロス(=1/Qloss)がに少ない。したがって、逆LライクではSARが大きく低減される。但し逆Lライクのアンテナは1/Qr(Qr:放射Q)が劣化するため、必然的に帯域幅が狭くなる。しかし、前述の可変マッチング回路でマッチングさせることにより広帯域特性が維持できる。
【0040】
上述のように給電端の選択によって得られる指向性の状態は、開放端が頭部反対方向で基板グランドに対向する位置にある場合と、基板グランドからより遠ざかる位置にある場合とを切り替えるものである。この意図から、各々の給電端の位置はアンテナ素子21の開放端からほぼλ/4(×整数倍)だけ戻った位置になるように設けられる。
【0041】
図5は、前記指向性制御回路30の具体的な構成例を示す斜視図上に表した図、図6はそれを平面図上に表した図である。
前記指向性制御回路30は、4ポートのスイッチ31、高インピーダンス負荷32、可変マッチング回路33で構成されている。
【0042】
スイッチ31は、ポートP1とP3とを導通させ、且つポートP2とP4とを導通させる状態(第1の状態)と、ポートP1とP4とを導通させ、且つポートP2とP3とを導通させる状態(第2の状態)とを切り替える。第1の状態では第2の給電端23が高インピーダンス負荷32に接続され、第1の給電端22が可変マッチング回路33に接続される。第2の状態では第1の給電端22が高インピーダンス負荷32に接続され、第2の給電端23が可変マッチング回路33に接続される。
【0043】
前記高インピーダンス負荷32は、スイッチ31の非接続ポートに十分に高いインピーダンス負荷を接続して終端処理を行うために設けている。
【0044】
すなわち、限られたアンテナスペース内で開放端位置ができるだけ離れた(違った)位置になるように二つの給電端を設けているので、一方の給電端を選択したとき、他方の給電端は開放端側となる。可変マッチング回路33が接続されない側の給電端(非選択給電端)は、そのままではスイッチのオフ容量が存在し、このオフ容量を介して基板グランドと接続された状態となってしまう。つまり意図した開放端状態の位置を乱してしまう。これを防ぐために、非選択給電端を高インピーダンス負荷32で終端することにより、高周波的に“きれた”状態を現出させる。
【0045】
可変マッチング回路33は、可変リアクタンス部RC及びマッチング部Mで構成されている。可変リアクタンス部RCはインダクタL1とキャパシタC1の並列回路で構成されていて、そのLC並列回路がアンテナ素子21の根元部に直列に接続される。マッチング部MはインダクタL2(本発明に係る並列インダクタ)とキャパシタC2(本発明に係る並列キャパシタ)の並列回路で構成されていて、そのLC並列回路が給電回路40と可変リアクタンス部RCとの間でシャントに接続されている。
【0046】
前記キャパシタC1,C2はそれぞれMEMSスイッチで構成された可変容量素子である。可変リアクタンス部RCのリアクタンスによってアンテナの共振周波数がローバンド用とハイバンド用に切り替えられる。また、マッチング部MのキャパシタC2の容量の切り替えによって、ローバンドとハイバンドの何れにおいても複共振させる。
【0047】
なお、可変容量素子をMEMSスイッチで構成することによって、ロスの低減、消費電力の低減、耐電力性/耐歪性が向上する。
【0048】
図7は、マッチング部MのキャパシタC2の作用について示す図である。図7(A)はローバンド側の通信ポートから可変マッチング回路側を見たインピーダンスをスミスチャート上に表した図、図7(B)はリターンロスの周波数特性図である。
【0049】
Adjustableな作用を奏する可変マッチング回路は、マッチング部MのキャパシタC2で小円軌跡をスミスチャートの第1象限から中央(50Ω)付近に移動させることを基本とし、(1)人体影響の「無」から「有」の状態遷移と、(2)周波数帯域の切替え時の広帯域化とを、共通(兼用)のアーキテクチャで賄うことが大きな特徴である。何故(1)(2)のいずれにおいても共通のアーキテクチャ(=回路構成)で賄えるのか、以後で説明する。
【0050】
図7(A)はローバンドについて小円軌跡をスミスチャート上の第1象限から中央へ移動させる様子を示している。図7(A)において、小円軌跡SCTf0はフリー状態でのインピーダンス軌跡、小円軌跡SCTh0は人体近接状態でのインピーダンス軌跡である。また、小円軌跡SCTfは、マッチング部MのキャパシタC2によって、前記小円軌跡SCTf0の移動後の小円軌跡である。小円軌跡SCThは、マッチング部MのキャパシタC2によって、前記小円軌跡SCTh0の移動後の小円軌跡である。
【0051】
後述するように、人体の影響は、スミスチャートの第1象限にある小円軌跡の大きさがその位置で小さくなるように作用する。
【0052】
図7(B)において、曲線RLf0は前記小円軌跡SCTf0に対応するリターンロス、曲線RLh0は前記小円軌跡SCTh0に対応するリターンロスである。また、曲線RLfは前記小円軌跡SCTfに対応するリターンロス、曲線RLhは前記小円軌跡SCThに対応するリターンロスである。
【0053】
図8は図6に示したマッチング部MのキャパシタC2の作用について示す図である。図8(A)はローバンド側の使用ポートから可変マッチング回路側を見たインピーダンスをスミスチャート上に表した図、図8(B)はリターンロスの周波数特性図である。
【0054】
図8(A)はハイバンドについて小円軌跡をスミスチャート上の第1象限から中央へ移動させる様子を示している。図8(A)において、小円軌跡SCTf0はフリー状態でのインピーダンス軌跡、小円軌跡SCTh0は人体近接状態でのインピーダンス軌跡である。また、小円軌跡SCTfは、マッチング部MのキャパシタC2によって、前記小円軌跡SCTf0の移動後の小円軌跡である。小円軌跡SCThは、マッチング部MのキャパシタC2によって、前記小円軌跡SCTh0の移動後の小円軌跡である。
【0055】
図8(B)において、曲線RLf0は前記小円軌跡SCTf0に対応するリターンロス、曲線RLh0は前記小円軌跡SCTh0に対応するリターンロスである。また、曲線RLfは前記小円軌跡SCTfに対応するリターンロス、曲線RLhは前記小円軌跡SCThに対応するリターンロスである。
【0056】
なお、前記小円軌跡SCTh0は第1象限だけでなく第2象限にもかかっているが、マッチング部MのキャパシタC2(並列C)の作用によって、スミスチャートの中心部へ近づくことになる。前記マッチング部MのインダクタL2(並列インダクタ)は、給電部から可変マッチング回路側を見たインピーダンスの軌跡がスミスチャートのほぼ第1象限で小円軌跡を描くが、小円軌跡が前記並列Cでスミスチャートの中心部へ近づく位置であればよい。すなわち、前記「ほぼ第1象限」の「ほぼ」の意味は、この意味である。
【0057】
このように、マッチング部MのインダクタL2によってインピーダンス軌跡の小円(後にスミスチャート上の中央付近で回転する小円)を描かせ、マッチング部MのキャパシタC2によってスミスチャートの第1象限から前記小円を含む軌跡の回転をスミスチャート上の中央(50Ω)付近に移動させる。すなわち、周波数変化によるスミスチャート上のインピーダンス軌跡がスミスチャートの中央で小円を描く。このことは、マッチング部Mが、給電部からアンテナ接続部の方向に見たリターンロス特性が所定の周波数帯域で複共振するインピーダンス回路を構成することを意味する。
【0058】
なお、マッチング部MのインダクタL2は、後述するように、インピーダンス軌跡を小円化するとともにスミスチャートの第1象限に位置させる作用がある。このインダクタL2は、ローバンドの共振系とハイバンドの共振系とで最適値が異なるが、ローバンド/ハイバンドの切り替えをできる限り行わなくて済むように、両者間の中間的(妥協的)な値に固定している。
【0059】
図9は、マッチング部MのインダクタL2(並列インダクタ)の作用について示す図である。(A)は給電部から可変マッチング回路側を見たインピーダンスをスミスチャート上に表した図、(B)はリターンロスの周波数特性図である。
【0060】
本発明の可変マッチング回路のアーキテクチャのもう一つの特徴は、スミスチャート上のインピーダンス軌跡を小円にするとともにスミスチャート上の第1象限に位置させることである。このことはローバンド・ハイバンドともに、人体の影響を受けた際に第1象限(初期位置)において小円がより小さくなる方向に作用するので、マッチング部MのキャパシタC2でスミスチャート上の中央を狙う場合有利に作用する。
【0061】
図9(A)において、マッチング部のインダクタL2を備えない場合は、軌跡SCT0のうち周波数1710〜2170MHzの範囲はスミスチャート上の第1象限及び第3象限に存在し、元々50Ωより低い領域にある。マッチング部インダクタL2を設けることにより、軌跡SCT0は軌跡SCT1のように小円状態になるとともにスミスチャート上の第1象限方向へ移動する。
【0062】
リターンロスで表せば、図9(B)のようにマッチング部インダクタL2がない場合のリターンロスRL0からマッチング部インダクタL2が存在する場合のリターンロスRL1に変化する。
【0063】
以上に述べたように、マッチング部MのキャパシタC2によってスミスチャートの第1象限に形成された小円軌跡を中央(50Ω)付近に移動させる際に、(1)人体影響の「無」から「有」の状態遷移と、(2)周波数帯域の切替え時の広帯域化とを、共通(兼用)のアーキテクチャで対応することができる。すなわち、Reconfigure機能とAdjust機能を併せ持つものとなる。
【0064】
図10は前記アンテナ装置のリターンロスの周波数特性について、ローバンドとハイバンドを共に表した図である。このように、前記可変マッチング回路33の作用によって、ローバンドとハイバンドの何れにおいても複共振(二共振)する。アンテナの指向性の切り替えはスイッチ31で行うが、モノポールライク、逆Lライクのいずれの場合でも図10に示した特性が得られる。
【0065】
《第2の実施形態》
図11(A)、図11(B)は第2の実施形態に係る2つのアンテナ装置の構成図である。
図11(A)、図11(B)の何れも、モノポールライクで使用する時に作用する可変マッチング回路33Mと逆Lライクで使用する時に作用する可変マッチング回路33Iとを備えている。
【0066】
図11(A)において、モノポールライクアンテナとして用いる場合、スイッチ31M及びスイッチ34が可変マッチング回路33M側を選択し、スイッチ31Iが高インピーダンス負荷32I側を選択するように、スイッチ31M,31I,34を制御する。また、逆Lライクアンテナとして用いる場合、スイッチ31I及びスイッチ34が可変マッチング回路33I側を選択し、スイッチ31Mが高インピーダンス負荷32M側を選択するように、スイッチ31M,31I,34を制御する。
【0067】
図11(B)は、図11(A)に示した高インピーダンス負荷32M,32Iを一つの高インピーダンス負荷32で兼用させるようにスイッチ31を構成したものである。その他の構成は図11(A)と同様である。
【0068】
このような構成により、アンテナ素子の給電端の切り替えに適した可変マッチング回路を設計して用いることができる。また、図11(A)の例では、さらに、アンテナ素子の給電端の切り替えに適した高インピーダンス負荷による終端が可能となる。
【0069】
《第3の実施形態》
図12(A)、図12(B)は第3の実施形態に係る2つのアンテナ装置の構成図である。
図12(A)、図12(B)の何れも、可変マッチング回路の可変リアクタンス部とマッチング部との間にスイッチを配置している。
【0070】
図12(A)において、可変リアクタンス部RCMとマッチング部MMとによってモノポールライク用の可変マッチング回路として作用する。また、可変リアクタンス部RCIとマッチング部MIとによって逆Lライク用の可変マッチング回路として作用する。
【0071】
モノポールライクアンテナとして用いる場合、スイッチ31M及びスイッチ34がマッチング部MM側を選択し、スイッチ31Iが高インピーダンス負荷32I側を選択するように、スイッチ31M,31I,34を制御する。また、逆Lライクアンテナとして用いる場合、スイッチ31I及びスイッチ34がマッチング部MI側を選択し、スイッチ31Mが高インピーダンス負荷32M側を選択するように、スイッチ31M,31I,34を制御する。
【0072】
図12(B)は、図12(A)に示したマッチング部MM,MIを一つのマッチング部Mで兼用させ、図12(A)に示した高インピーダンス負荷32M,32Iを一つの高インピーダンス負荷32で兼用させたものである。その他の構成は図12(A)と同様である。
【0073】
《第4の実施形態》
図13は第4の実施形態に係るアンテナ装置の構成図である。このアンテナ装置は、アンテナ素子21の二つの給電端に可変マッチング回路33M,33Iを、スイッチを介さずに接続し、給電回路40と可変マッチング回路33M,33Iとの間にスイッチ34を設けている。
【0074】
図13において、モノポールライク用の可変マッチング回路33M及び逆Lライク用の可変マッチング回路33Iは、いずれも使用周波数帯で整合状態と高インピーダンス状態とに切り替えることができる。
【0075】
スイッチ34がモノポールライク用の可変マッチング回路33Mを選択している状態で、逆Lライク用の可変マッチング回路33Iが高インピーダンス負荷として作用するように、可変マッチング回路33Iを制御する。
【0076】
また、スイッチ34が逆Lライク用の可変マッチング回路33Iを選択している状態で、モノポールライク用の可変マッチング回路33Mが高インピーダンス負荷として作用するように可変マッチング回路33Mを制御する。
このような構成により、可変マッチング回路で高インピーダンス負荷を兼用できる。
【0077】
《第5の実施形態》
図14は、第5の実施形態に係るアンテナ装置の二つの構成例を示す図である。
図14(A)の回路構成は図11(A)に示したものと同じである。指向性制御回路30をモジュール化する際、モノポールライク用の可変マッチング回路33Mと逆Lライク用の可変マッチング回路33Iをそれぞれモジュール化してもよい。この二つを一つの可変マッチング回路33としてモジュール化してもよい。また、高インピーダンス負荷32M,32Iも含めて一つのモジュール35を構成してもよい。さらには、スイッチ34も含めて指向性制御回路30全体を一つのモジュールにしてもよい。
【0078】
図14(B)の回路構成は図12(A)に示したものと同じである。指向性制御回路をモジュール化する際、モノポールライク用の可変マッチング回路のマッチング部MMと逆Lライク用の可変マッチング回路のマッチング部MIをそれぞれモジュール化してもよい。この二つを一つのマッチング部モジュールMとしてもよい。また、高インピーダンス負荷32M,32Iも含めて一つのモジュール36を構成してもよい。さらには、スイッチ34も含めて一つのモジュール37を構成してもよい。
【0079】
なお、前記モジュールはLTCC(低温同時焼成セラミックス)などを用いて多層プロセスでパッケージ化することができる。
また、アンテナ素子を基板を主とする構造体で構成し、その構造体に前記可変マッチング回路を内包させてもよい。
これらの構成によって、全体の小型化とともに、実装基板上の省スペースに寄与できる。また、セットメーカ先での実装時の取扱いが容易になる。
【0080】
《第6の実施形態》
図15(A)・図15(B)は第6の実施形態に係る二つのアンテナ装置の構成図である。
これらの例では、アンテナ素子21の端部のうち、逆Lライク状態のときに開放端となる位置に誘電体60を装荷している。そのため、逆Lライク状態のとき、アンテナ素子21の開放端とグランド領域GAとの間の誘電率が高くなり、基板50のアンテナ素子21の配置面側(人体頭部反対面側)を向く電界強度がより強くなる。このことにより、指向性状態を強調できる。
【0081】
特に、図15(B)に示すように、逆Lライク時に誘電体60の装荷状態をオン、モノポールライク時に誘電体60の装荷をオフするようにスイッチSWを設けてもよい。
【0082】
《第7の実施形態》
第7の実施形態では、放射Qの良いアンテナの選択について示す。
結論としては、この発明のアンテナ整合回路を適用した場合の効率は、アンテナ(共振周波数を所望の周波数帯にもってくる可変リアクタンス部以外の整合回路を含まないアンテナ素子と輻射に寄与する筐体部分とを含んだアンテナ)そのものの持つ放射Qに依存する。このアンテナにはできる限り放射Qの良いもの(値の小さなもの)を選択すべきである。
【0083】
発明者は、この効果を実験的に検証した。
まず、放射Qの異なる2種類のアンテナを準備し、各々にアンテナ整合回路を適用し、その特性を測定した。
【0084】
2種類のアンテナの何れも、共振周波数を所望の値に持ってくるよう給電端に可変リアクタンス部を挿入し、アンテナ素子に対して、図2に示したアンテナ素子の長手方向(図における左右方向)の給電位置を変えるように構成した。
【0085】
その結果、アンテナ素子に対して中央給電になるようにすることによってハイバンドに対して良好な(値の小さな)アンテナの放射Qが得られることが分かった。
また、可変マッチング回路を装荷した場合に、ハイバンドにおいてアンテナの放射Qの実力が反映され、放射Qが良好な(値が小さな)アンテナである程、高効率特性が得られた。
【0086】
上述の例では中央給電アンテナと端部給電アンテナとを比較して放射Qの良好なアンテナを選択すべきであることを示したが、単に給電形式以外に、アンテナ素子と対向するグランドとの間隔、アンテナ素子のサイズによっても放射Qは異なるので、これらのいずれか又はこれらの複数の組み合わせを選定条件として、放射Qの良好な(値の小さな)アンテナ素子を選定すればよい。
【0087】
なお、図2に示した例では、アンテナ素子21を基板のグランド領域GAと非グランド領域NGAとの中間位置に配置したが、指向性の切り替えができれば、アンテナ素子はグランド領域又は非グランド領域の何れに配置してもよい。
【0088】
前記可変マッチング回路は、二つの周波数帯で広帯域な2共振特性を有しつつ、周囲環境に応じてマッチングを調整するものであったが、本発明はこれに限らない。例えば、
(a)1共振であるもの、
(b)π型/T型のような回路構成で可変リアクタンス素子を包含するもの(Reconfigureの観点がないもの)、
(c)複数のマッチング回路を予め準備しておき、人体近接の程度に対応して、経路選択でマッチング回路を切り替える、
などに適用してもよい。
【0089】
また、アンテナ素子は誘電体の基体に電極パターンを形成したものに限らず、磁性体基体に電極パターンを形成して構成してもよい。
【0090】
また、アンテナ素子電極の構成、アンテナ素子電極と基板上の導体パターンとのインターフェースは、以上に示した各実施形態に限られるものでなく、その他の公知の構成を採用してもよい。
【0091】
また、Reconfigureの対象はローバンド[GSM800/900] / ハイバンド[DCS/PCS/UMTS]の切り替えに限らない。もっと別のシステムを追加した(WLAN/Bluetooth/Wimaxなど)であってもよいし、もっとPentabandを細かい周波数帯域分割でカバーする場合もあり得る。その際、準備する容量値は細かく設定されることとなる。
【0092】
また、アンテナ素子は、基本波・高調波が割当てられたものや、素子中にリアクタンス素子が挿入されて複数のバンドに共振点を有するものであってもよい。また導体が連続して平面に広がった形状に限らず、屈曲していてもよいし、ループ状であってもよい。
【0093】
また、以上に示した例では、可変リアクタンス部を並列のLC共振回路で構成したが、これに限らない。総体としてリアクタンス可変ができればよく、LC直列共振回路や、特許文献3(特開2008−113233号公報)のようなLC共振子に+αのディスクリート素子を付加したものであってもよい。
【0094】
また、可変リアクタンス部のLC共振子のインダクタ及びマッチング部のインダクタはディスクリート素子に限らず、例えばラインパターンなどに置換してもよい。
【0095】
また、マッチング部のインダクタは、できる限り切替え動作を行わなくて済むように共通値(ローバンド/ハイバンド間の中間的[妥協的]な値)に固定する旨の説明を行ったが、これを各バンドに最適なインダクタンス値を実現するために、可変インダクタとしてもよい。そのためにLC共振回路を構成してもよい。
【符号の説明】
【0096】
GA…グランド領域
M…マッチング部
MI…マッチング部
MM…マッチング部
MM,MI…マッチング部
NGA…非グランド領域
RC…可変リアクタンス部
RCI…可変リアクタンス部
RCM…可変リアクタンス部
20…アンテナスペース
21…アンテナ素子
22…第1の給電端
23…第2の給電端
30…指向性制御回路
31…スイッチ
31M,31I,34…スイッチ
32…高インピーダンス負荷
32M,32I…高インピーダンス負荷
33…可変マッチング回路
33M,33I…可変マッチング回路
34…スイッチ
35,36,37…モジュール
40…給電回路
50…回路基板
60…誘電体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ素子と、前記アンテナ素子と給電部との間に接続されるアンテナ整合回路と、を備えたアンテナ装置であって、
前記アンテナ整合回路は、利用周波数帯域に応じて整合する可変マッチング回路で構成され、
前記アンテナ素子には、給電ポートであって、給電位置が切り替わることによって指向性が切り替わる複数の給電ポートを備え、
前記アンテナ整合回路を前記複数の給電ポートに選択的に接続するスイッチと、
前記スイッチの非接続ポートに繋がる高インピーダンス回路と、を備えた、アンテナ装置。
【請求項2】
前記可変マッチング回路は整合状態と高インピーダンス状態とを切り替える、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記可変マッチング回路は、前記アンテナ素子の根元部に接続される可変リアクタンス部と、前記給電部と前記可変リアクタンス部との間に接続されるマッチング部と、を備え、
前記マッチング部は、前記給電部とグランドとの間にそれぞれシャントに接続される並列インダクタ及び並列キャパシタで構成され、
前記可変リアクタンス部は、複数の周波数帯に対応するために共振周波数を切替えると共に、人体の影響により変化する共振周波数を微調整するリアクタンス値に定められ、
前記並列インダクタは、前記給電部から前記アンテナ整合回路側を見たインピーダンスの軌跡がスミスチャートのほぼ第1象限で小円軌跡を描く値に定められ、
前記並列キャパシタは、前記小円軌跡が前記スミスチャート上の中央へ移動させる値に設定された、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記可変マッチング回路は、MEMSスイッチで構成された可変容量素子を備える、請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナ整合回路を構成する回路要素の一部または全部が、誘電体層と導体層との積層体である多層基板にパッケージ化された、請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記アンテナ素子は誘電体または磁性体の基体と、前記基体の表面または前記基体の内部に配置されたアンテナ素子電極とから構成され、前記基体に前記アンテナ整合回路を内包させた、請求項1〜5のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記アンテナ素子は、前記アンテナ整合回路のアンテナ接続部に接続可能な複数種のアンテナ素子のうち、前記アンテナ素子の単体で放射Qの良好なアンテナ素子である、請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記複数種のアンテナ素子の選択条件は、前記アンテナ素子に対する給電点の位置、前記アンテナ素子と対向するグランドとの間隔、前記アンテナ素子のサイズのいずれか又はこれらの複数の組み合わせである、請求項7に記載のアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−55428(P2011−55428A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204811(P2009−204811)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Bluetooth
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】