説明

アーク加工用電源装置

【課題】 被加工物の切断作業のとき、手ぶれによって切断トーチを形成するチップに大きな電圧が印加されてチップ等の部品が劣化する。
【解決手段】 商用交流電源を整流及び平滑して直流電圧を出力する直流電源回路と、直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ回路と、高周波交流電圧を溶接に適した交流電圧に変換する主変圧器と、主変圧器の出力を整流する2次整流回路と、整流された出力電流を検出する出力電流検出回路と、出力電流値に基づいて前記インバータ回路を制御する主制御回路と、を備えたアーク加工用電源装置において、前記主制御回路は、出力電流値が予め定めた出力電流基準値以上のとき、最大負荷電圧を予め定めた値に降圧させた最大負荷電圧特性を形成する外部特性制御を行う、ことを特徴とするアーク加工用電源装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク加工用電源装置の最大負荷電圧を切り換える技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アーク加工用電源装置(例えば、出力電流600A、無負荷電圧400Vの特性を有する大電流プラズマ切断機)で、作業者が長時間切断作業を行うと疲労で手ぶれが生じる。とくに、ロングハンドル形プラズマ切断トーチを用いると手ぶれが生じやすく、この手ぶれによりアーク長が長くなると、負荷電圧が上昇し切断トーチを構成するチップ、電極等に高い電圧が印加されて劣化を招いてしまう。
【0003】
図8は、従来技術のアーク加工用電源装置の電気接続図である。同図において、一次整流回路DR1と平滑コンデンサC1とで直流電源回路を形成し、一次整流回路DR1は、交流電源ACを整流して整流電圧を生成し、平滑コンデンサC1は、脈流を有する整流電圧を平滑して直流電圧を生成する。
【0004】
第1のスイッチング素子TR1乃至第4のスイッチング素子TR4でフル・ブリッジのインバータ回路を形成し、直流電圧を高周波交流電圧に変換して出力する。主変圧器INTは、高周波交流電圧をアーク加工に適した電圧に変換し、二次整流回路DR2は、主変圧器INTの出力を整流し、直流リアクトルLを介して直流電力を供給する。
【0005】
切換スイッチSWは、接点a、接点bの2接点を備えた切換スイッチであり、a接点を選択することにより最大負荷電圧を降圧させ、b接点を選択することにより所定の最大負荷電圧になる。
【0006】
被加工物Mを切断するとき、使用する切断トーチとしてロングハンドル形プラズマ切断トーチ、ショートハンドル形プラズマ切断トーチ等があり、例えば、ロングハンドル形プラズマ切断トーチを使用して長時間切断作業を行うと手ぶれが多々生じる。そして、この手ぶれによってアーク長が長くなると負荷電圧が上昇し、例えば、400V近傍まで上昇することもある。この上昇によってチップの劣化を招いてしまう。
【0007】
この対策として、ロングハンドル形プラズマ切断トーチ等を用いて切断作業を行うときは、切換スイッチSWを接点a側にして、主変圧器INTの2次側巻線に設けたタップaが二次整流回路DR2に接続されると、最大負荷電圧が降圧されて所定の負荷電圧になり、手ぶれによってアーク長が長くなったときの負荷電圧の上昇を抑制することで、チップの劣化を防止していた。
【0008】
特許文献1に記載されたアーク加工用電源装置では、主変圧器INTの2次側巻線に設けた各タップにサイリスタ素子を接続し、トーチの種類に応じて各サイリスタを通電し、主変圧器INTの2次側巻線に設けられた各タップを選択するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−58009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
プラズマ切断において、プラズマアークのスタート性を良くするために図4に示すように無負荷電圧が、例えば、400Vもの高い電圧を必要とする。このとき各出力電流値における最大負荷電圧も400V〜370になる。これに対して各出力電流値における標準負荷電圧は80V〜180Vと低く、図4に示すように、例えば、出力電流300Aのとき最大負荷電圧390Vと標準負荷電圧150Vとの差は約240Vにもなる。
この外部特性を有するプラズマ切断機で、例えば、ロングハンドル形プラズマ切断トーチを使用して被加工物を切断するとき、アーク長は通常30mm程度にして切断する。しかし、作業者が長時間の切断作業を行うとき、アーク長を30mm程度に維持することは困難であり手ぶれが生じる。この手ぶれによってアーク長が長くなると負荷電圧が上昇し切断トーチを形成するチップ、電極等に高い電圧が印加される。更に、負荷電圧の上昇に応じてチップ、電極等の発熱が増加し熱破損を招く。
【0011】
そこで、従来技術では、高電圧の印加によるチップの劣化を防止するために、主変圧器INTの2次側巻線に設けたタップを選択する切換スイッチSWを設け、手ぶれが生じやすいロングハンドル形プラズマ切断トーチを用いて被加工物を切断するとき、主変圧器INTの出力電圧の低いタップを切換スイッチで選択して最大負荷電圧を所定の負荷電圧に降圧させ、手ぶれによってアーク長が長くなったときに生じる負荷電圧の上昇を抑制していた。
【0012】
しかし、従来技術では、使用する切断トーチの種類に応じて最大負荷電圧を降圧させることで、チップの劣化を防止できるが、最大負荷電圧が降圧することでアークのスタート性が悪くなる。さらに、主変圧器INTの2次側巻線にタップを別途必要とし、このタップを選択する切換スイッチ及びサイリスタ素子を必要とする。
【0013】
そこで、本発明では、アークのスタート性が良く、且つ、負荷電圧の上昇が主変圧器INTの2次側巻線にタップ及び切換スイッチを設けなくても抑制できるアーク加工用電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、商用交流電源を整流及び平滑して直流電圧を出力する直流電源回路と、前記直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ回路と、前記高周波交流電圧を溶接に適した交流電圧に変換する主変圧器と、前記主変圧器の出力を整流する2次整流回路と、前記整流された出力電流を検出する出力電流検出回路と、前記出力電流値に基づいて前記インバータ回路を制御する主制御回路と、を備えたアーク加工用電源装置において、
前記主制御回路は、前記出力電流値が予め定めた出力電流基準値以上のとき、最大負荷電圧を予め定めた値に降圧させた最大負荷電圧特性を形成する外部特性制御を行う、ことを特徴とするアーク加工用電源装置である。
【0015】
請求項2の発明は、前記外部特性制御を、前記インバータ回路の最大ON・Dutyを減少させることによって行う、ことを特徴とする請求項1記載のアーク加工用電源装置である。
【0016】
請求項3の発明は、前記整流された出力電圧を検出する出力電圧検出回路を設け、前記外部特性制御を、前記出力電圧値が予め定めた出力電圧基準値以上のとき定電圧制御を行う、ことを特徴とする請求項1記載のアーク加工用電源装置である。
【0017】
請求項4の発明は、前記出力電圧基準値を、出力電流設定値に基づいて設定すること、を特徴とする請求項3記載のアーク加工用電源装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1及び2によれば、出力電流値が出力電流基準値以上になると、インバータ回路の最大ON・Dutyを減少させて最大負荷電圧を所定の負荷電圧に降圧させることで、アーク長の増加に応じて生じる電極、チップ間の印加電圧の上昇が所定の値で抑制できるのでチップ、電極等の劣化が防止できると共に、アーク発生時の無負荷電圧は降圧しないのでアークのスタート性は悪くならない。そして、上記を行うために別途部品を設ける必要がないので回路構成が簡素化できる。
【0019】
本発明の請求項3及び4によれば、上記の効果に加えて、出力電圧値が出力電流設定値に基づいて設定した出力電圧基準値より大きくなったとき、定電流制御から定電圧制御に切り換わるので、チップ、電極に供給される出力電力の増加が抑制でき、この出力電力の増加抑制によって発生する熱が最適な値に抑えられ、チップ、電極等が熱の破損から防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係るアーク加工用電源装置の電気接続図である。
【図2】図1に示す主制御回路の詳細図である。
【図3】実施形態1の動作を説明するタイミング図である。
【図4】図1に示すアーク加工用電源装置の外部特性図である。
【図5】実施形態2に係るアーク加工用電源装置の電気接続図である。
【図6】図5に示す主制御回路の詳細図である。
【図7】図5に示すアーク加工用電源装置電源装置の外部特性図である。
【図8】従来技術のアーク加工用電源装置の電気接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、実施形態1のアーク加工用電源装置の電気接続図である。同図において、図8に示す従来技術のアーク加工用電源装置の電気接続図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
【0022】
図2は、実施形態1の主制御回路SCAの詳細図であり、第1の比較回路CP1、第1のデッドタイム基準回路DT1、第2のデッドタイム基準回路DT2、パルス幅変調回路PWM、三角波発生回路OSC、電流誤差増幅回路EI、第1のダイオードD1及び第2のダイオードD2にて形成し、第1の比較回路CP1は、出力電流検出信号Idの値と予め定めた出力電流基準信号Irefの値とを比較し、出力電流検出信号Idの値が出力電流基準信号Irefの値より大きいときに、第1の比較信号Cp1をHighレベルにして出力する。
【0023】
第1のデッドタイム基準発生回路DT1は、予め定めた値の第1のデッドタイム基準信号Dt1を出力し、第2のデッドタイム基準発生回路DT2は、第1の比較信号Cp1がHighレベルのとき、第1のデッドタイム基準信号Dt1の値より大きい予め定めた第2のデッドタイム基準信号Dt2を出力する。
【0024】
電流誤差増幅回路EIは、出力電流設定信号Irの値と出力電流検出信号Idの値とを比較演算して電流誤差増幅信号Eiとして出力する。
【0025】
図2に示すパルス幅変調回路PWMは、パルス周波数が一定でパルス幅を変調する制御を行い、三角波信号Oscと電流誤差増幅信号Eiの値に応じて第1の出力制御信号Sc1及び第2の出力制御信号Sc2のパルス幅を制御して出力する。
【0026】
図1に示すインバータ駆動回路DKは、第1の出力制御信号Sc1に応じて第1のインバータ駆動信号Dk1及び第4のインバータ駆動信号Dk4を出力し、第2の出力制御信号Sc2に応じて第2のインバータ駆動信号Dk2及び第3のインバータ駆動信号Dk3を出力してインバータ回路の出力電流を制御する。
【0027】
図3は、実施の形態1の動作を説明するタイミング図である。
図3において、同図(A)は、起動信号Tsを示し、同図(B)は出力電流検出信号Idを示し、同図(C)は、第1の比較信号Cp1を示し、同図(D)はデッドタイム基準信号Dtを示し、同図(E)は三角波発生信号Oscを示し、同図(F)は最大ON・Duty信号を示す。
【0028】
次に、図3及び図4を参照して本発明の実施形態1の動作について説明する。
図3に示す時刻t=t1において、起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCAのパルス幅変調回路PWMは動作を開始し、第1の比較回路CP1は、出力電流検出信号Idの値と出力電流基準信号Irefの値(例えば、50A)とを比較し、出力電流検出信号Idの値が出力電流基準信号Irefの値より小さいので、図3(A)に示す第1の比較信号Cp1はLowレベルになる。
【0029】
図2に示す第2のデッドタイム基準発生回路DT2は、第1の比較信号Cp1がLowレベルのとき第2のデッドタイム基準信号Dt2の出力を停止し、第1のダイオードD1及び第2のダイオードD2にて形成されるオアー回路によって、第1のデッドタイム基準発生回路DT1から出力される第1のデッドタイム基準信号Dt1を選択してパルス幅変調回路PWMに入力し、パルス幅変調回路PWMは、図3(F)に示す最大ON・Dutyでインバータ回路を駆動させてアークを発生させる。このとき、切断トーチESと被加工物Mとの間に図4に示す400Vの無負荷電圧が印加され、時刻t=t2においてアークが発生する。
【0030】
アーク発生後の時刻t=t3において、図3に示す出力電流検出信号Idの値が出力電流基準信号Irefの値より大きくなると、第1の比較回路CP1は第1の比較信号Cp1をHighレベルにして出力する。このとき第2のデッドタイム基準発生回路DT2は、第1のデッドタイム基準信号Dt1の値より大きい予め定めた第2のデッドタイム基準信号Dt2を出力する。そして、第1のダイオードD1及び第2のダイオードD2にて形成されるオアー回路は、第2のデッドタイム基準信号Dt2を選択してパルス幅変調回路PWMに入力する。
【0031】
このとき、図3(F)に示す最大ON・Dutyは、第2のデッドタイム基準信号Dt2の値に応じて減少し、図4に示す、例えば、300Aの最大負荷電圧が、390Vから290Vに降圧する。この降圧により、作業者が疲労により手ぶれが生じ、この手ぶれによってアーク長が長くなってもチップ、電極等の印加電圧の上昇が290Vに抑制できるので、チップ、電極等の劣化が防止できる。更にアーク発生時の無負荷電圧は、図4に示すように降圧しないのでアークのスタート性が悪くなることもない。
【0032】
図5は、実施形態2のアーク加工用電源装置の電気接続図である。
同図において、図1及び図10に示すアーク加工用電源装置の電気接続図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
【0033】
図5に示す出力電圧検出回路VDは、負荷電圧を検出して出力電圧検出信号Vdとして出力する。出力電流設定回路IRは、予め定めた出力電流設定値Irを設定する。
【0034】
図6は、実施形態2の主制御回路SCVの詳細図であり、同図に示す主制御回路SCVは、第2の比較回路CP2、出力電圧基準信号設定回路VREF、出力電流基準信号設定回路IREF、第1のデッドタイム基準回路DT1、パルス幅変調回路PWM、三角波発生回路OSC、電流誤差増幅回路EI、電圧誤差増幅回路EV及びダイオードD3、4にて形成する。
【0035】
出力電圧基準設定回路VREFは、出力電流設定値Irに基づいて出力電圧基準信号Vrefの値を設定する。第2の比較回路CP2は、出力電流検出信号Idの値と予め定めた出力電流電圧基準信号Irefの値(例えば、50A)とを比較し、出力電流検出信号Idの値が出力電流基準信号Irefの値より大きいときに、第2の比較信号Cp2をHighレベルにして出力する。
【0036】
電圧誤差増幅回路EVは、第2の比較信号Cp2がHighレベルになると動作し、出力電圧基準信号Vrefの値と出力電圧検出信号Vdの値とを比較演算し電圧誤差増幅信号Evとして出力する。
【0037】
次に、図5、図6及び図7を用いて実施形態2の動作について説明する。
図6に示す主制御回路SCVは、起動信号TsがHighレベルになるとパルス幅変調回路PWMは動作し、図7に示す無負荷電圧400Vを印加してアークを発生させる。そして、アーク発生後に出力電流検出信号Idの値が出力電流基準信号Irefの値(例えば、50A)より大きくなると、第2の比較回路CP2は第2の比較信号Cp2をHighレベルにして出力する。
【0038】
電圧誤差増幅回路EVは、第2の比較信号Cp2がHighレベルになると、出力電圧基準信号Vrefの値と出力電圧検出信号Vdの値とを比較演算して電圧誤差増幅信号Evとして出力する。
【0039】
アーク発生後、例えば、出力電流が300Aでアーク長が通常の状態、30mm程度で切断作業が行われると、負荷電圧は図7より150V近傍になり、このとき、電流誤差増幅信号Eiの値は電圧誤差増幅信号Evの値より大きくなり、第3のダイオードD3及び第4のダイオードD4にて形成されるオアー回路よって、電流誤差増幅信号Eiの値が選択されてパルス幅変調回路PWMは電流誤差増幅信号Eiの値に応じて定電流制御が行われる。続いて、切断作業中に作業者が疲労により手ぶれが生じ、この手ぶれによってアーク長が長くなったとき出力電圧検出信号Vdの値が増加し、この増加に応じて電圧誤差増幅信号Evの値も増加する。
【0040】
そして、電圧誤差増幅信号Evの値が電流誤差増幅信号Eiの値より大きくなると、第3のダイオードD3及び第4のダイオードD4にて形成されるオアー回路よって、電圧誤差増幅信号Evの値が選択され、パルス幅変調回路PWMは、定電流制御から電圧誤差増幅信号Evの値に応じて定電圧制御に切り換わる。
【0041】
上述より、作業者がロングハンドル形プラズマ切断トーチを用いて切断作業中に疲労で手ぶれが生じ、この手ぶれによってアーク長が長くなり出力電圧値が出力電圧基準値(例えば、300V)より大きくなったときに、定電流制御から定電圧制御に切り換えて最大負荷電圧を300Vにすることで、チップ、電極等の印加電圧の上昇抑制に加えて、チップ、電極に供給される電力の増加が抑制でき、この電力増加の抑制によって発生する熱が最適な値に抑えられるのでチップ、電極等が熱の破損からも防止できる。
【符号の説明】
【0042】
C1 平滑コンデンサ
CP1 第1の比較回路
Cp1 第1の比較信号
CP2 第2の比較回路
Cp2 第2の比較信号
D1 第1のダイオード
D2 第2のダイオード
D3 第3のダイオード
D4 第4のダイオード
DK インバータ駆動回路
Dk1 第1のインバータ駆動信号
Dk2 第2のインバータ駆動信号
Dk3 第3のインバータ駆動信号
Dk4 第4のインバータ駆動信号
DCL 直流リアクトル
DR1 1次整流回路
DR2 2次整流回路
DT1 第1のデッドタイム基準発生回路
Dt1 第1のデッドタイム基準信号(第1のデッドタイム基準値)
DT2 第2のデッドタイム基準発生回路
Dt2 第2のデッドタイム基準信号(第2のデッドタイム基準値)
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
ES 切断トーチ
ID 出力電流検出回路
Id 出力電流検出信号
INT 主変圧器
IR 出力電流設定回路
Ir 出力電流設定信号(出力電流設定値)
IREF 出力電流基準回路
Iref 出力電流基準回路
M 被加工物
OSC 三角波発生回路
Osc 三角波発生信号
PWM パルス幅変調回路
SC 主制御回路
Sc1 第1の出力制御信号
Sc2 第2の出力制御信号
SCA 主制御回路
SCV 主制御回路
SW 切換スイッチ
TR1 第1のスイッチング素子
TR2 第2のスイッチング素子
TR3 第3のスイッチング素子
TR4 第4のスイッチング素子
VD 出力電圧検出回路
Vd 出力電圧検出信号
VREF 出力電圧基準回路
Vref 出力電圧基準信号(出力電圧基準値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用交流電源を整流及び平滑して直流電圧を出力する直流電源回路と、前記直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ回路と、前記高周波交流電圧を溶接に適した交流電圧に変換する主変圧器と、前記主変圧器の出力を整流する2次整流回路と、前記整流された出力電流を検出する出力電流検出回路と、前記出力電流値に基づいて前記インバータ回路を制御する主制御回路と、を備えたアーク加工用電源装置において、
前記主制御回路は、前記出力電流値が予め定めた出力電流基準値以上のとき、最大負荷電圧を予め定めた値に降圧させた最大負荷電圧特性を形成する外部特性制御を行う、ことを特徴とするアーク加工用電源装置。
【請求項2】
前記外部特性制御を、前記インバータ回路の最大ON・Dutyを減少させることによって行う、ことを特徴とする請求項1記載のアーク加工用電源装置。
【請求項3】
前記整流された出力電圧を検出する出力電圧検出回路を設け、前記外部特性制御を、前記出力電圧値が予め定めた出力電圧基準値以上のとき定電圧制御を行う、ことを特徴とする請求項1記載のアーク加工用電源装置。
【請求項4】
前記出力電圧基準値を、出力電流設定値に基づいて設定すること、を特徴とする請求項3記載のアーク加工用電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240347(P2011−240347A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111750(P2010−111750)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】