説明

イオンビームプロファイラー

【課題】イオンビームのプロファイルを決定するためのシステム、方法及び装置が提供される。
【解決手段】装置は、イオンビーム110の経路に沿って配置される測定装置140、駆動機構175、及び駆動機構に回転可能に連結された第1プレート165を含む。駆動機構は、イオンビームの経路中、第1軸の周囲に第1プレートが回転するように操作可能であり、測定装置に達するイオンビームを選択的に阻止する。装置は、さらに、駆動機構に回転可能に連結された第2プレート193を含み、駆動機構は、第1プレートの回転から独立してイオンビームの経路中、第1軸の周囲で第2プレートが回転するように操作可能であり、さらに、測定装置に達するイオンビームを選択的に阻止する。駆動機構は、さらにイオンビーム中、第1プレート及び/あるいは第2プレートを、直線上、平行移動させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、イオン注入システムに関するものであり、特にイオンビームのプロファイルを決定するためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業において、一般的に、ワークピース(例 半導体ウエハ)上に種々の成果を実現するために、種々の製造工程がワークピースに実行される。例えば、イオン注入のような工程は、特別なタイプのイオンを注入することによって、ワークピース上に誘電体層の拡散率を制限するように、ワークピース内あるいはワークピース上で特定の特性を得るために実行される。通常、イオン注入工程は、多数のワークピースが同時に処理されるバッチ処理か、1枚のワークピースが個別に処理されるシリアル(連続)処理かの、いずれかが実行される。
【0003】
例えば、従来の高エネルギー又は高電流バッチ式イオン注入機は、多くのウエハが、ホイール(輪)又はディスク(円盤)上に配置され、ホイールは回転され、イオンビーム中で径方向に平行移動されるように、イオンビームラインを得るように操作可能である。そのようにして、工程中、さまざまの時間に、ワークピースの全ての表面をビームに曝すものである。他方、典型的なシリアル処理では、イオンビームが、静止しているウエハを二次元的に横断してスキャンする。例えば、ある従来のシリアルイオン注入システムにおいて、ワークピースは、概して、静止したイオンビームに関して二次元で移動され、そこでは、イオンからの一定線量が、一般的に望まれる。したがって、イオンビームがワークピース上に衝突する時、イオンビームとワークピース間の相対運動は、一定であることが一般的に望まれる。イオンビームとワークピース間の、そのような相対運動は、ワークピースの表面を横断して実質的に一様なイオン注入を提供するために望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ワークピースの平面で典型的なイオンビーム電流あるいはイオンビームの電荷は、ビームの断面で意味のある変化をし、そのような変化は、前記バッチ処理とシリアル処理の双方で、イオン注入での一様でない電位をもたらす。それゆえ、イオンビームがワークピース(例 ワークピースの平面)に衝突する時、イオンビームのプロファイル及び/あるいは軌道を理解しておくことが一般的に望ましい。例えば、ワークピース平面でのイオンビームの断面を横切る電荷分布及び/あるいはワークピース平面でのイオンの軌道を把握しておくことは、イオンの適切な線量を注入するため、及び/あるいはワークピースの適切な注入角度を達成するため、ワークピース表面に関してイオンビームの適切なスキャン経路を決定するために望ましい。従来、そのようなイオンビームのプロファイル測定は、厄介な、及び/あるいは時間がかかるものであり、しばしば、イオンビームが与えられた入力パラメータのセットを、いかに表すかの仮定に基づいていた。
【0005】
それゆえ、目下の必要性は、ワークピース平面でイオンビームのプロファイル及び/あるいは軌道を決定するための、装置、システム及び方法に存在し、イオンビームを横切る電荷分布は、高度に効率的なやり方で、実験的に決定されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ワークピースの平面と関連する位置の関数として、イオンビームの電荷分布を決定するための装置、システム及び方法を提供する。したがって、以下は、本発明のいくつかの特徴についての基本的理解を提供するために、本発明の簡単な要約を示している。この要約は、本発明の広範囲の要旨ではない。本発明の主要な、あるいは重要な要素を特定するものではなく、また、本発明の範囲を線引きするものでもない、ことを表している。その目的は、後に提示されるより詳細な記述の前触れとして、単純な形式で本発明のいくつかの概念を示すことである。
【0007】
本発明の一例示的特長によれば、イオンビームプロファイリング装置は、イオン源から発射されるイオンビームのプロファイルを決定するために提供される。この装置は、イオンビームの経路に沿って配置される測定装置、第一軸の周囲のイオンビーム経路中を回転するように操作可能な第一プレート、及びイオンビームの経路中で第1プレートを回転させるように操作可能な駆動機構を含む。例えば、駆動機構は、ロータリアクチュエータあるいはモータを含む。したがって、測定装置は、第1プレートの回転中、イオンビームのビーム電流を検出するように操作可能であり、第1プレートは、その回転中、イオンビームの少なくとも一部を選択的に阻止し、また、水平方向(X方向)のイオンビームのビーム電流プロファイルが決定できる。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、駆動機構は第1プレートに操作可能に結合されるリニアアクチュエータを含み、上記リニアアクチュエータは、第1軸に沿って、あるいは平行に沿って、イオンビーム中で第1プレートを選択的にリニアに移動するように操作可能である。したがって、第1プレートは、そのリニア移動中、イオンビームを選択的に阻止し、垂直方向(Y方向)でのイオンビームのビーム電流プロファイルが決定できる。
【0009】
本発明の他の例示的特長に従えば、ビームプロファイリング装置は、さらに上記駆動機構に回転可能に結合された第2プレートを含み、上記駆動機構は、第1プレートの回転とは独立して、イオンビームの経路中、上記第1軸の周囲の第2プレートを回転するように操作可能である。例えば、そのような第2プレートの回転は、測定装置に達するイオンビームの他の部分を、少なくとも選択的に阻止し、イオンビームの捩れ角度は、最大ビーム電流が測定装置によって検知される時、第1プレート及び第2プレートの回転位置に、少なくとも一部は基づいて、決定できる。
【0010】
前記および関連する目的の達成のために、本発明は以下に完全に記載され、特に請求の範囲に指摘された特徴を含む。以下の記述と付属の図面は、本発明を確実に説明する実施形態を詳細に説明する。これらの実施形態は、しかしながら、本発明の原理が使用される種々の方法の内の、いくつかを示している。本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、図面との関連で考えられる時、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ワークピース中へのイオン注入に関連しているので、概して、イオンビームのプロファイル及び/あるいは軌道を決定するための、装置、システム、及び方法を指向するものである。したがって、本発明は図面に関連して記載されており、同じ参照番号は、初めから終わりまで、同じ要素を参照するために使用される。これら特徴は、単に説明であり、それらは制限する意味で説明されていない、ということが理解されるべきである。以下の記載で、説明の目的のために、多くの特別な詳細が、本発明の完全な理解を提供するために説明されている。しかしながら、本発明がこれら特別な詳細がなくても実施できることは、当業者には明らかであろう。
【0012】
図面を参照すると、図1は、本発明の一例示的特長に従うイオン注入システム100を説明している。図1のイオン注入システム100は、本発明の、上位のレベルの理解を提供するために説明されており、必ずしも同じ縮尺で描かれたものでないことは、注意されるべきである。したがって、種々の要素は、目的を明確にするために説明されているか、または、そうではない。さらに、描かれている種々の特徴は、種々の形状や大きさであり、あるいは全体を排除でき、すべてのそのような形状、大きさ及び排除は、本発明の範囲内に入るものと意図されていることが理解されるべきである。
【0013】
例えば、イオン注入システム100は、プロセスチャンバ105を含み、イオンビーム110は、それと関連する開口115を経由して上記プロセスチャンバに導入される。例えば、イオンビーム110は、公知のいかなる適切なイオンビーム形成システム120によって形成されてもよく、その詳細はここで議論されないが、スポットあるいはいわゆる“ペンシルビーム“の形式をとる密接な、実質的に平行な軌道に沿って共に進行する一群のイオンを含む。例えば、イオンビーム110は、プロセスチャンバ105内に配置された一般的な平面状ワークピース(図示されない)内へ、イオンを注入するために使用されることが可能である。
本発明によれば、プロセスチャンバ105は、通常、囲まれた真空室125を含み、プロセスチャンバ内の内部環境130は、プロセスチャンバ外の外部環境135から通常、隔離されるように操作可能である。例えば、真空室125は、実質的に低圧(例 真空)に内部環境130を維持するために配置され、装備される。プロセスチャンバ105は、さらに1あるいは複数のロードロック室(図示されない)に結合されてもよく、ワークピース(図示されない)は、プロセスチャンバ内の実質的な真空の損失なしに、プロセスチャンバの内部環境130と外部環境135の間を移送できる。プロセスチャンバ105は、代わりに、通常、非密閉処理空間(図示されない)から構成されてもよく、その処理空間は、通常、外部環境135と関連する。
【0014】
本発明によれば、測定装置140(例 ファラディカップ)は、イオンビーム110の経路145内に備えられ、かつ、配置され、上記測定装置は、イオンビームと関連してビーム電流150を、通常、検出するように操作可能である。ビーム電流150は、例えば、制御器155によって処理されることができ、上記制御器は、イオンビーム形成システム120へ、1あるいは複数のビーム制御信号156によって、イオンビーム110を制御及び/あるいは維持するように操作可能である。本発明の他の実施形態によれば、イオンビーム110のプロファイルを決定するためのビームプロファイラ160が備えられ、上記プロファイラは、一例では、さらに、測定装置140を含む。ビームプロファイラ160は、第1プレート165を含み、上記第1プレートは、通常、ワークピース170に沿って、あるいは近くに存在する(例 X−Y平面)。ワークピース170が、公知の技術の一つによって理解されるように、そこへイオン注入するためのプロセスチャンバ105内に配置される時、上記ワークピースは、例えば、(図示されない)ワークピースの(図示されない)表面と関連する。
【0015】
ビームプロファイラ160は、さらに、駆動機構175に結合されて操作され、上記駆動機構は、イオンビーム110の経路145内で上記第1プレート165を移動し、及び/回転するように操作可能であり、そこで、イオンビームの少なくとも一部(図示されない)が、詳細が下に記載される測定装置140に入ることあるいは達することを、選択的に阻止する。一例で、ビームプロファイラ160の駆動機構175は、プロセスチャンバ105と外部環境135の間に配置され、そのため、磨耗と汚染は内部環境130内で最小にしか起こらない。例えば、駆動機構175は、第1プレート165に操作可能に結合された第1シャフト180を含み、上記第1シャフトは、さらに、第1ロータリモータ182(例 サーボモータ)に回転可能に結合されており、上記第1ロータリモータは、第1軸184の周囲で上記第1シャフトを回転可能に操作可能であり、よって、イオンビーム中110で第1プレートを回転させる。第1シャフト180は、通常、プロセスチャンバ105と外部環境135の間で、上記第1シャフトとプロセスチャンバとに関連するシール185によって封止されており、上記プロセスチャンバ内の内部環境130は、通常、上記外部環境から隔離されている。
【0016】
本発明の他の例示的特長によれば、駆動機構175は、さらに、第1シャフト180に結合されて操作可能なリニヤアクチュエータ186を含み、このリニヤアクチュエータは、第1軸184に沿って、第1シャフトを選択的に、直線的に平行移動するように操作可能であり、通常、第1軸(例 y−軸に沿って)に平行な方向に、イオンビーム中で第1プレート165を直線的に平行移動する。リニヤアクチュエータ186は、例えば、サーボモータ、ボールスクリュー、あるいは他の並進システムを含んでよく、第1プレート165は、第1軸に沿って、あるいは平行に、円滑に移動する。したがって、イオンビーム110中で第1プレート165の回転及び/あるいは並進は、以下により詳細に述べるように、第1プレートがイオンビーム中を通過するとき、測定装置140によって検知される変化するビーム電流150に基づいて、通常、制御器がイオンビーム(例 x−y平面で)のプロファイルを決定することを可能にする。
【0017】
1あるいは複数の第1プレート165、第1シャフト180、及び第1ロータリモータ182に関連する第1エンコーダ187は、例えば、第1軸184の周囲で第1プレートの第1回転位置188を検出するように操作可能である。さらに、駆動機構175に関連するリニヤエンコーダ189は、例えば、1あるいは複数の第1プレート165及び第1シャフト180の直線上の位置190を検知するように操作可能である。そのような第1プレート165の第1回転位置155及び直線上の位置190は、例えば、第1プレートの物理的寸法(ディメンジョン)の知識と検出されたビーム電流とに基づいて、ワークピース170でイオンビーム110のプロファイル(例 イオンビームを横切るイオンビーム電流のプロファイル)を決定するために使用される。制御器155は、例えば、駆動機構175に供給される1あるいは複数の制御信号192によって、第1プレート165の回転及び並進を制御するように、さらに操作可能である。
【0018】
さらに、イオン注入技術の当業者によって理解されるように、いわゆる“傾斜角度”は、ビームプロファイラ160によって特徴づけられ、第2回転プレート193は、さらに、ワークピースプレート170(例 z―方向に)に関して、イオンビーム110の軌道角度を決定するために備えられている。例えば、イオンビーム110が、非直角の角度で(図示されない)ワークピース(図示されない)に衝突する時、及び/あるいは、ワークピースに関連する結晶あるいは他の構造(例 半導体物質、あるいはその上に形成された物質)に衝突する時、傾斜角度は、イオン注入を一様にする役割を果たす。例えば、第2プレートは、駆動機構175に回転可能に結合されており、上記駆動機構は、さらにイオンビーム110の経路145を通る第1軸184の周囲で、第2プレートを回転可能に操作可能である。第2プレート193は、第1プレート165から独立して回転可能であり、上記第2プレートは、さらに、駆動機構140に達するイオンビームの少なくとも他の部分(図示されない)を、選択的に阻止するように操作可能である。
【0019】
駆動機構175は、例えばさらに、第2プレート193に操作可能に結合されている第2シャフト194を含み、上記第2シャフトは、さらに第2ロータリモータ195(例 サーボモータ)に回転可能に結合されており、上記第2ロータリモータは、第1軸184の周囲に上記第2シャフトを選択的に回転するように操作可能であり、よって、イオンビーム110中で上記第2プレートを回転する。さらに、1あるいは複数の上記第2プレート193、第2シャフト194、及び第2ロータリモータ195に関連する第2エンコーダは、例えば、第1軸184の周囲で上記第2プレートの第2回転位置197を検知するように操作可能である。他の例で、第2シャフト193は、また、プロセスチャンバ105と外部環境135との間で、シール185によって封止されており、上記プロセスチャンバ内の内部環境130は、概して、外部環境135から隔離されている。
【0020】
上記第1プレート165及び第2プレート193は、それぞれに定められた第1開口198及び第2開口199を含み、上記第1開口および第2開口は、イオンビーム中で回転可能である。上記測定装置140や制御器199とともに、第1開口198および第2開口199は、例えば、以下に論じられるように、決定されるべきワークピースの平面170に関してイオンビーム110の軌道の角度を、通常、決める。図2A−2Cは、それぞれ、図1のビームプロファイラ装置160の側部正面図200、前部正面図202、上面図204を説明しており、上述した種々の特徴がより明瞭に理解される。例えば、図2Bに説明されているように、第1プレート165に関連する第1開口198が示されており、上記第1開口は、通常、細長い第1スリット206よりなる。図2Cの第2プレート193と関連する第2開口199は、例えば、第1スリット206のそれと類似の大きさを有する細長い第2スリット208から、通常、構成することができる。
【0021】
本発明によれば、図1及び2A−2Cのビームプロファイラ装置160は、ワークピースの平面170あるいはその近くで、図1のイオンビーム110の電流プロファイル(また、ディメンジョナルプロファイルあるいは空間プロファイルと呼ばれる)の一致を得るために使用される。そのような電流プロファイルは、ワークピースへ、通常、一様なイオン線量を供給し、それによってワークピースを一様に処理するために、イオンビーム110中でのワークピースの並進速度を決定するのに、大変有利である。図3は、例えば、例となるイオンビーム210(例 X−軸に沿ってZ−軸に垂直な、図1のイオンビーム110参照)を説明しており、イオンビームを横断する電荷あるいは電流の分布は、さらに、グラフ212に説明されている(例 X−軸に沿うイオンビーム電流のプロファイル)。グラフ212に見られるように、イオンビーム200の中央領域215は、上記イオンビームの端部220より大きなビーム電流強度であり、それによって、上記イオンビームに沿う位置対ビーム電流のグラフ212で説明される、通常、釣り鐘の形をした曲線225を提供する。
【0022】
一方、図3で説明される曲線225は、イオンビーム210の中央領域215の周囲で、概して、対称的であるが、イオンビーム電流のプロファイルは、しばしば、中央領域215の周囲で対称的でない、ということに注意されるべきである。このように、図1のイオン注入システムで、ワークピース(図示されない)を均一に処理するために、例えば、ワークピースを横切る均一なイオン注入が供給され、イオンビームを横切る電流プロファイルの決定は、非常に望ましい。イオンビーム210の図3の中央分布は、X−方向及びY―方向で、外見は似ておらず、そのような電流分布は、主として、イオンビーム形成システム120の配置の要因である。
【0023】
図4A―4Dは、第一の方向(例 y−方向)のイオンビーム110のプロファイル191の決定中、種々の位置で図1の例示的ビームプロファイラを説明している。図4A−4Dの第1プレート165及び第2プレート193は、例えば、第1の軸184の周囲で互いに関して重なる(例 図5A−5Hで説明されるように)ように配置されており、第1開口198及び第2開口199は、通常、同一直線上になく、イオンビームは、第1開口及び第2開口を介してイオンビーム形成システム120を横断できない。代わりに、第2プレート193は、上記ビームプロファイラから省略してもよく、その場合、第1プレート165は、第1開口198を含まない(例 通常、中空でない第1プレート)。
【0024】
図4A−4Dで、例えば、第1プレート165及び第2プレート193は、リニヤアクチュエータ186を経由してイオンビーム110中で、第1軸184に沿ってあるいは平行に、直線状に徐々に平行移動する。図4Aで、例えば、イオンビーム110全体は、概して、測定装置140に達することが可能である。第1プレート165及び第2プレート193は、イオンビーム110中を徐々に横断し、図4C−4Dに説明されるように、イオンビームは徐々に阻止され、対応するビーム電流は、測定装置140によって検知され、図3のグラフ212に示された類似の、y−方向のイオンビームのプロファイルを決定するために、図1の制御器155によって使用される。例えば、リニヤエンコーダ189によって確認された第1プレート165及び/あるいは第2プレート193の、図1の直線上の位置190は、ワークピース平面170でイオンビーム110のプロファイル191を決定するために、制御器155によって使用できる。
【0025】
図5A−5Hを参照すると、図1の例示されたビームプロファイラ160は、第2の方向(例 x−方向)において、イオンビーム110のプロファイル191を決定する間、さらに種々の位置で説明される。さらに、第1プレート165及び第2プレート193は、それらが重なるように、図5A−5Hで説明されるように、第1軸184の周囲に回転され、第1開口198及び第2開口199は、通常、直線上になく、イオンビームは第1開口と第2開口を介して、イオンビーム形成システム120を横断できない。さらに、代わりのものとして、第2プレート193は、ビームプロファイラから省略されてもよく、第1プレート165及び第2プレート193は、第1軸184の周囲に共に回転され、イオンビーム110は、測定装置140に達することが徐々に阻止される。
【0026】
図5E−5Hにおいて、イオンビーム110は、上記イオンビームを過ぎる第1プレート165と第2プレート193のさらなる回転によって、測定装置140に徐々に達する。そのようなイオンビーム110の徐々の阻止及び/あるいは非阻止は、例えば、図1の制御器155へ変化するビーム電流を供給し、上記制御器は、図3のグラフ212に示されるような、第2の方向にイオンビームのプロファイル191を決定するように操作可能である。第1プレート165の第1回転位置188及び/あるいは図1の第2プレート193の第2回転位置197は、例えば、イオンビーム110のプロファイルの決定において、制御器155によって、さらに、使用できる。イオンビーム110のプロファイル191の決定は、イオンビーム経路145に沿って進行するイオンビームの阻止、非阻止、あるいは阻止と非阻止の双方によって決定されることができることに、さらに注意されるべきである。
【0027】
図6A−6Cは、本発明の他の特徴を説明しており、イオンビーム(x−方向において)の傾斜角250は、ビームプロファイラ160を使用して決定できる。図6Aで説明されているように、第1プレート165及び第2プレート193は、第1軸184の周囲に回転され、その結果、イオンビーム110は、第1プレートの第1開口198中のみを通過する。例えば、第1プレート165は、測定装置140によって検知されるビーム電流が最大であるように回転され、傾斜角度を決定するための、最大ビーム電流を供給する。
図6B−6Cにおいて、第2プレート193は、イオンビーム110が関連する第2開口199中を通過するまで徐々に回転され、第2プレートは、概して第1プレート165に対向する。したがって、図1に説明されるように、第1エンコーダ187からの第1回転位置188及び第2エンコーダ196からの第2回転位置197は、上記第1回転位置及び第2回転位置での第1開口198及び第2開口199の既知の距離間隔と連動して、イオンビーム110の傾斜角度250(x−方向において)を決定するために、制御器155によって使用できる。
【0028】
本発明のさらに他の例示的特長によれば、図7は、図1−6の例のイオンビームプロファイリング装置の統合と操作を説明する例示的方法300の概略ブロックダイアグラムである。一方、例示された方法は、一連の工程あるいは事象としてここに説明され、記載されており、いくつかのステップが、本発明にしたがって、ここに記載され、示されるものと離れた他のステップと、異なる順序で及び/あるいは同じ順序で起こるかもしれないが、本発明は、そのような工程あるいは事象の説明の順序に制限されないということが理解されるであろう。さらに、説明されていないステップが、本発明に従うやり方を実行するために必要とされてもよい。さらに、上記方法は、ここに説明され、記載されたシステムばかいでなく、説明されない他のシステムと関連して、実行されてもよいことが理解されるであろう。
【0029】
図7に説明されているように、上記方法300は工程305で始まり、第1プレートは、イオンビームの経路中で第1軸に沿ってあるいは平行に伸ばされる。例えば、第1プレートは、上記イオンビームの経路中で、ワークピースに沿ってあるいは近くに伸ばされる。工程310において、イオンビームの電流は、イオンビームの経路中で第1プレートの伸長中に測定され、そして、工程315において、垂直方向(y−方向)におけるイオンビームのビーム電流プロファイルは、イオンビーム中で、第1プレートの伸長中に測定されたビーム電流に、少なくとも部分的に基づき決定される。
【0030】
工程320で、第1プレートは、イオンビームの経路中で第1軸の周囲に回転され、そして、工程325で、イオンビームの電流は、イオンビームの経路中で、第1プレートの回転中に測定される。工程330において、水平方向(x−方向)でのイオンビームのビーム電流プロファイルは、イオンビーム中で、第1プレートの回転中に測定されたビーム電流に、少なくとも部分的に基づき決定される。
【0031】
図8は、ワークピース平面に関して、イオンビームの傾斜角度を決定するための他の方法400を説明している。上記方法400は、工程405で始まり、第1プレートはイオンビーム中で回転され、そして、第1プレートに関連する第1開口は、イオンビームに関して、第1プレートの回転位置に基づき、イオンビームがその中を選択的に通ることを可能にする。イオンビームの電流は、第1プレートの回転中、工程410で測定され、そして、工程415で、イオンビームが第1開口を通過する時、イオンビームの最大第1電流が決定され、上記最大第1電流は、第1プレートの第1位置に関連している。
【0032】
第1プレートは、工程420で第1位置へ回転され、そして、工程425で、第2プレートは、イオンビーム中で回転され、第2プレートに関連する第2開口は、イオンビームが第1開口を通過する時、イオンビームが選択的に第2開口を通ることを可能にする。工程430で、イオンビームの電流は、第2プレートの回転中、測定され、そして、工程435で、イオンビームが第1開口及び第2開口中を通る時、イオンビームの最大第2電流が決定され、最大第2電流は、第2プレートの第2位置に関連している。イオンビームの既知の位置に関してイオンビームの水平方向の傾斜角度は、工程440で決定され、水平方向の角度の決定は、第1プレートの第1位置と第2プレートの第2位置に、少なくとも部分的に基づいている。
【0033】
本発明は、ある好ましい1あるいは複数の実施形態に関して示され、記載されているが、等しい代替や変形が、本明細書及び付属の図面の解釈や理解に基づき当業者に思いつくことは明白である。特に、上記記載された要素(アセンブリ、装置、回路等)によってなされる種々の機能に関して、そのような要素を記述するために使用された用語(“手段”への言及を含む)は、たとい示されなくとも、記載された要素(例 機能的に等しいもの)、構造的に等しくなくても、本発明のここに説明された実施形態において機能を果たす開示された構造に等しい、特定の機能を果たす如何なる要素にも対応する。さらに、本発明の特定の構造がいくつかの実施形態の一つのみに関して開示されていた場合、そのような特徴は、所望により、また、与えられた1あるいは複数の他の実施形態の他の特徴と組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一特長による例示的なイオン注入システムの概略の斜視図である。
【図2】2A−2Cは、本発明の他の特長による図1のビームプロファイラの、それぞれ側部正面図、前部正面図、及び平面図である。
【図3】本発明の他の例示的特長による例示的なイオンビーム断面の正面図であり、ビーム電流プロファイルに関連する。
【図4】4A−4Dは、本発明の他の特長による第1寸法において、ビームプロファイルを決定するための、種々の位置での例示的なビームプロファイラ装置の部分正面図である。
【図5】5A−5Hは、本発明のさらに他の例示的特長による第2寸法において、ビームプロファイルを決定するための、種々の位置での例示的なビームプロファイラ装置の部分平面図である。
【図6】6A−6Cは、本発明の他の例示的特長によるイオンビームの傾斜角度を決定するための、種々の位置での例示的なビームプロファイラ装置の部分平面図である。
【図7】本発明の他の例示的特長によるイオンビームプロファイルを決定するための方法のブロックダイアグラムである。
【図8】本発明の他の例示的特長によるイオンビームの捩れ角を決定するための方法のブロックダイアグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン源から放出されるイオンビームをプロファイルするための装置であって、
イオンビームの経路に沿って配置され、イオンビームのビーム電流を検出するように操作可能である測定装置と、
駆動機構と、及び、
前記駆動機構に回転可能に結合される第1プレートとを含み、前記駆動機構は、イオンビームの経路中で第1軸の周囲で前記第1プレートを回転するように操作可能であり、前記測定装置に達するイオンビームの少なくとも一部を選択的に阻止する装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、
前記第1プレートに操作可能に連結される第1シャフトと、
第1軸の周囲で前記第1シャフトを選択的に回転可能なように、前記第1シャフトに回転可能に連結される第1回転モータとからなる請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1回転モータは、サーボモータからなる請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1軸の周囲で前記第1プレートの回転位置を検知するように回転可能であり、第1プレートに関連する第1ロータリーエンコーダからなる請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記駆動機構は、さらに、前記第1シャフトに操作可能に連結されるリニヤアクチュエ−タを含み、前記リニヤアクチュエータは、前記第1軸に沿ってあるいは平行に、イオンビーム中で前記第1プレートを、選択的に直線状に平行移動させるように操作可能である請求項2記載の装置。
【請求項6】
さらに、リニヤエンコーダを含み、前記リニヤエンコーダは、前記第1軸と関連する前記第1プレートの直線上の位置を検知するように操作可能である請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記リニヤアクチュエータは、リニヤモータを含む請求項5記載の装置。
【請求項8】
さらに前記駆動機構に回転可能に連結された第2プレートを含み、前記駆動機構は前記第1プレートの回転とは独立に、イオンビームの経路中で第1軸の周囲で第2プレートを回転するように操作可能であり、さらに前記測定装置に前記イオンビームの他の部分が達するのを少なくとも選択的に阻止するる請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記駆動機構は、さらに、前記第2プレートに操作可能に連結された第2シャフトと、
前記第2シャフトに操作可能に連結された第2ロータリーモータとを含み、前記第2ロータリーモータは、前記第1軸の周囲に前記第2プレートを選択的に回転するように操作可能である請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記第2ロータリーモータは、サーボモータを含む請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記第2プレートに関連する第2ロータリーエンコーダをさらに含み、前記第2ロータリーエンコーダは、前記第1軸の周囲で前記第2プレートの回転位置を検知するように操作可能である請求項11記載の装置。
【請求項12】
前記駆動機構は、さらに、前記第1軸と第2軸に操作可能に連結されたリニヤアクチュエータを含み、前記リニヤアクチュエータは、第1軸に沿って第1プレートと第2プレートを、選択的に直線上、平行移動するように操作可能である請求項9記載の装置。
【請求項13】
さらにリニヤエンコーダを含み、前記リニヤエンコーダは、前記第1軸に沿って前記第1プレートと前記第2プレートの直線上の位置を検知するように操作可能である請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記リニヤアクチュエータは、リニヤモータである請求項12記載の装置。
【請求項15】
前記第1プレートは、そこに定められた第1開口を含み、そして、前記第2プレートは、そこに定められた第2開口を含み、前記第1開口及び第2開口は、イオンビームの経路中で回転可能である請求項8記載の装置。
【請求項16】
前記第1開口及び第2開口は、それぞれ略前記第1軸に平行に伸びる細長い開口からなる請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記測定装置は、ファラディカップからなる請求項1記載の装置。
【請求項18】
イオンビームの経路中で、イオンビームの経路に略垂直である第1軸に沿って、あるいは平行に第1プレートを伸ばし、
前記第1軸に沿ってイオンビームの経路中で、前記第1プレートの伸展中にイオンビームの電流を測定し、そこで、第1寸法でイオンビームの電流プロファイルを決定し、
イオンビームの経路中で、前記第1軸の周囲で前記第1プレートを回転し、
及び、
イオンビームの経路中で前記第1プレートの回転中、イオンビームの電流を測定し、第2寸法でイオンビームのプロファイルを決定する、
ことからなるイオンビームをプロファイルする方法。
【請求項19】
さらに、イオンビーム中で、前記第1プレートと関連する前記第1開口は、前記第1開口中をイオンビームが選択的に通ることを可能にし、
イオンビームが前記第1開口を通る時、前記第1プレートの第1位置と関連するイオンビームの最大第1電流を決定し、
前記第1プレートを第1位置に回転し、
イオンビーム中で第2プレートを回転し、前記第2プレートと関連する第2開口は、イオンビームが前記第1開口中を通る時、前記第2開口中をイオンビームが選択的に通ることを可能とし、
前記第2プレートの回転中、前記イオンビームの電流を測定し、
前記イオンビームが前記第1開口及び第2開口を通る時、前記第2プレートの第2位置と関連するイオンビームの最大第2電流を決定し、
イオンビームの既知の位置に関してイオンビームの水平角度を決定し、前記水平角度の決定は、前記第1プレートの第1の位置及び前記第2プレートの第2の位置に、少なくとも一部、基づいている、
ことをさらに含む請求項18記載のイオンビームをプロファイルする方法。
【請求項20】
イオンビーム及びワークピース平面に沿って選択的に配置されるワークピースへの注入イオンを形成するように操作可能なイオン源と、
イオンビームの経路に沿って配置され、イオンビームのビーム電流を検知するように操作可能である測定装置と、
イオンビームの経路中で第1軸の周囲に第1プレートを回転するように操作可能であり、前記測定装置に達するイオンビームの少なくとも一部を選択的に阻止し、前記駆動機構に回転可能に連結される第1プレートを含むイオンビームプロファイラと、
及び、前記ワークピース平面でイオンビームのプロファイルを決定するように操作可能であり、前記決定が前記検知されたビーム電流に少なくとも一部、基づいてなされる制御器と、
からなるイオン注入システム。
【請求項21】
前記駆動機構は、
前記第1プレートに操作可能に連結されている第1シャフトと、
前記第1シャフトに回転可能に連結され、前記第1軸の周囲で前記第1シャフトを選択的に回転するように操作可能である前記第1回転モータと、
及び、第1プレートに関連し、前記第1軸の周囲で前記第1プレートの第1回転位置を検知するように操作可能である第1ロータリエンコーダと、を含み、
前記イオンビームのプロファイルの決定は、さらに、前記第1プレートの検知された第1回転位置に基づいている、
ことからなる請求項20のイオン注入システム。
【請求項22】
前記駆動機構は、さらにリニヤアクチュエータと第1シャフトに操作可能に連結されるリニヤエンコーダとを含み、
前記リニヤアクチュエータは、前記第1軸に沿って前記第1プレートを選択的に直線上、平行移動させるように操作可能であり、また、前記リニヤエンコーダは、前記第1軸に関連する前記第1プレートの直線上の位置を検知するように操作可能である請求項20のイオン注入システム。
【請求項23】
前記駆動機構に回転可能に連結された第2プレートを、さらに含み、前記駆動機構は、前記第1プレートの回転から独立してイオンビームの経路中で、前記第1軸の周囲で前記第2プレートをさらに回転するように操作可能であり、前記測定装置に達するイオンビームの少なくとも他の部分を、さらに選択的に阻止する請求項20記載のイオン注入システム。
【請求項24】
前記駆動機構は、さらに、
前記第2プレートに操作可能に連結された第2シャフトと、
前記第2シャフトに回転可能に連結され、前記第1軸の周囲で第2プレートを選択的に回転させるように操作可能な第2ロータリモータと、及び、
前記第2プレートと関連し、前記第1軸の周囲で前記第2プレートの第2回転位置を操作可能に検知する第2ロータリエンコーダと、を含み、そして、前記イオンビームのプロファイルの決定は、さらに前記第2プレートの検知された第2回転位置に基づくことからなる請求項23記載のイオン注入システム。
【請求項25】
前記第1プレートは、そこに定められた第1開口を含み、及び、前記第2プレートは、そこに定められた第2開口を含み、
前記第1開口及び第2開口は、イオンビームの経路中で回転可能であり、そして、前記制御器は、さらに、前記第1回転位置、前記第2回転位置、およびイオンビームの既知の位置の、少なくとも一部に基づき、イオンビームの捩れ角度を決定するように操作可能である請求項24記載のイオン注入システム。

【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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