説明

イオン液を用いる、エーテル製造方法のオレフィン供給材料からのアセトニトリル除去

【課題】エーテル化反応器に入る水の量を大きく減少させて、エーテル製造方法に供給する少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分中に存在するアセトニトリルを除去する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分およびアルコールからの改良エーテル製造方法は、液−液抽出によって炭化水素供給材料中に存在するアセトニトリルを除去する段階を包含し、抽出溶媒は、一般式Q(式中、Qは、アンモニウム、ホスホニウムおよび/またはスルホニウムカチオンであり、Aは、前記カチオンと液体塩を形成することが可能なアニオンである)の非水性イオン液である。有利には、エーテル化反応器入口における水の量が一般的に少なくとも2つに分割されることを可能にし、それ故に、生じたエーテルの純度が改善されることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エーテル製造方法に供給する少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分中に存在するアセトニトリルをイオン液を用いて除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料エーテルの製造方法は、従来、分枝オレフィンにアルコールを加えることからなる。その例は、メチル t−ブチルエーテル(methyl t-butyl ether:MTBE)製造方法である。当該方法では、例えば、イソブタンスチームクラッキングまたは接触分解または脱水素C4留分中に含まれるイソブテンにメタノールが加えられる。類似の方法は、エタノールおよびイソブテンからエチル t−ブチルエーテル(ethyl t-butyl ether:ETBE)を製造することを可能にするが、種々のエーテル、例えば、イソプロパノールおよびイソブテンからイソプロピル t−ブチルエーテル(isopropyl t-butyl ether:IPTBE)も生じ、過剰のFCCまたは過剰のスチームクラッカーC5留分、またはn−ペンテンの分枝異性化方法Isofiveからは、メタノールおよびイソアミレンからt−アミルメチルエーテル(t-amyl methyl ether:TAME)が生じ、あるいは、エタノールおよびイソアミレンからエチル t−アミルエーテル(ethyl t-amyl ether:ETAE)が生じる。
【0003】
一般用語において、工業的方法は、低温、例えば50℃で、連続する1以上の反応器において、イオン交換樹脂型の触媒存在下に少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分をモノアルコールと反応させることによってエーテルが液相中に生じさせられる反応セクションを含む。
【0004】
エーテル化反応は、C4留分のイソオレフィンに非常に選択的であるが、それは、反応の平衡をエーテルの生成にシフトさせるように過剰のアルコールにより行われる。C4留分の組成は、スチームクラッキングによるか、接触分解によるか、並びにイソブタンの脱水素化またはt−ブタノールの脱水であり得るその起源により変動する。それは、一般的に、50重量%未満のイソオレフィン(iso-olefin)を含有し、供給材料の残りは、エーテル化反応に不活性な炭化水素の混合物からなる。
【0005】
エーテル化反応段階に次いで、分離段階が行われる。この分離段階の目的は、形成されたエーテルフラクションと、非反応性のまたは後の使用のための未反応の炭化水素および過剰のアルコールとを分離することである。この分離セクションは、分別塔からなり得、該塔は、塔の底部においてエーテルを、頂部において炭化水素留分を収集することを可能にする。転化されなかったアルコールは、主として炭化水素留分から回収され、反応セクションから上流に再循環させられる。
【0006】
オレフィンとアルコールとの間の主反応は、水がオレフィンに付加する並行反応と競争する。例えば、イソブテンおよびエタノールからのETBE製造の場合、この並行反応により、t−ブチルアルコール(t-butylalcohol:TBA)が形成される。したがって、エーテル化反応器の供給材料中の水の割合を最小限にすることが望ましい。
【0007】
本方法において水は3つの主要な起源を有し、これは、用いられたアルコールおよびオレフィン供給材料の残留水の含有量および再循環させられたアルコールの水の含有量に対応する。実際に、再循環アルコールは、一般的に、分離セクションの出口において得られた炭化水素フラクションを水洗に付すことによって抽出される。その後、再循環アルコールは、高い水含有量を有する。この再循環処理は、反応セクションに供給する水の50%に至るまでを提供し得る。本出願人によって出願された特許文献1は、アルコールを回収するために炭化水素留分を洗浄する水の代替物を提供する。この発明は、次いで、本方法の供給材料:アルコールおよびオレフィン供給材料へのエーテル製造方法における水の送達の問題を解消する。
【0008】
オレフィン留分の水含有量は、処理に関連し、この留分は、エーテル化方法から上流に付される。実際に、オレフィン留分は、スチームクラッキング、FCC、脱水素または脱水操作にそれが由来するかどうかに応じて可変のアセトニトリル含有量を有する。この含有量は20ppm未満である。オレフィン供給材料におけるこの不純物の存在は、用いられる触媒、すなわちイオン交換樹脂の阻害の高い危険性を伴う。
【0009】
不可逆性の結合が、アセトニトリルと、エーテル化反応において用いられる触媒との間に観察される。したがって、オレフィン供給材料を反応セクションに送る前に存在するアセトニトリルの除去の操作を行うことが必須である。
【0010】
一般に、この不純物の除去は、この処理専用のセクションにおいて水洗によって行われる。この解決策の欠点は、オレフィン供給材料の水の飽和である。この洗浄手段によって供給される水の量は、この方法に入る水の少なくとも半分を示す。
【0011】
一般に、エーテル化反応セクションに入り、したがって、供給材料洗浄プラントにより漏れ出された捕獲量(escaped capture)を有する任意のニトリル分子は、最初の通過において触媒樹脂によって捕捉されるか(それ故に、それらの酸特性、したがって、それらの触媒活性を喪失する)、あるいは、これらのニトリルは、特許文献2に記載されるようにアルコールの再循環を通して再循環させられる。
【0012】
アセトニトリル抽出のために水以外の抽出液体を用いる方法の実施は、一般に、エーテル化反応器入口において水量を少なくとも2つに分割することを可能にする。
【特許文献1】仏国特許発明第2900924号明細書
【特許文献2】米国特許第5352848号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、エーテル化反応器に入る水の量を大きく減少させて、エーテル製造方法に供給する少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分中に存在するアセトニトリルを除去する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分およびアルコールからエーテルを製造する方法であって、エーテル化の前に、少なくとも1つの抽出帯域において行われる液−液抽出によって炭化水素供給材料中に存在するアセトニトリルを除去する段階a)を包含する方法において、抽出溶媒は、一般式Q(式中、Qは、アンモニウム、ホスホニウム、グアニジニウムおよび/またはスルホニウムカチオンであり、Aは、前記カチオンと液体塩を形成するアニオンである)の非水性イオン液であることを特徴とするものである。
【0015】
抽出帯域から排出される混合物は、アセトニトリル含有イオン液からなることが好ましい。
【0016】
抽出帯域から排出される混合物は、イオン液再生セクションに送られ、前記液体は、抽出のために再循環させられることが好ましい。
【0017】
イオン液の再生は、蒸留および/または発泡(expansion)によって行われることが好ましい。
【0018】
分離塔中の液体の流通は、向流で行われることが好ましい。
【0019】
アニオンは、ハロゲニド、ニトラート、スルファート、アルキルスルファート、ホスファート、アルキルホスファート、アセタート、ハロゲノアセタート、テトラフルオロボラート、テトラクロロボラート、ヘキサフルオロホスファート、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスファート、ヘキサフルオロアンチモナート、フルオロスルホナート、アルキルスルホナート、ペルフルオロアルキルスルホナート、ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)アミダイド、式C(CFSOのトリストリフルオロメチルスルホニル メチリド、式HC(CFSOのビストリフルオロメチルスルホニル メチリド、アレーンスルホナート(場合によっては、ハロゲンまたはハロゲノアルキル基によって置換される)、テトラフェニルボラートアニオンおよび芳香環が置換されたテトラフェニルボラートアニオン、テトラ(トリフルオロアセトキシ)ボラート、ビス(オキサラト)ボラート、ジシアナミドおよびトリシアノメチリドのアニオンからなる群の中から選択されることが好ましい。
【0020】
カチオンは、一般式:
SR3+およびC(NR)(NR)(NR
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であるが、好ましくは、1つの置換基だけが水素を示す)
の1つを満たすことが好ましい。
【0021】
カチオンは、一般式:
NR4+およびPR4+
の1つまたは一般式:
N=CR4+およびRP=CR4+
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であるが、ただし、NR4+についてのNHカチオンを除き、好ましくは、1つの置換基だけが水素を示す)
の1つを満たすことが好ましい。
【0022】
カチオンは、1、2または3個の窒素および/またはリン原子を含む窒素含有および/またはリン含有のヘテロ環に由来し、該ヘテロ環は、4〜10個の炭素原子を含むことが好ましい。
【0023】
カチオンは、一般式:R2+N=CR−R−RC=NおよびR2+P=CR−R−RC=P(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基を示し、Rは、アルキレンまたはフェニレン基を示す)の1つを有することが好ましい。
【0024】
基R、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、−COR、−C(O)R、−OR、−C(O)NRR’、−C(O)N(R)NR’R”、−NRR’、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−SOR、−CN、−N(R)P(O)R’R’、−PRR’、−P(O)RR’、−P(OR)(OR’)、−P(O)(OR)(OR’)(式中、R、R’およびR”は、同一または異なって、それぞれ、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基を示す)の中から選択される1以上の官能基を有することが好ましい。
【0025】
カチオンは、N−ブチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、ピリジニウム、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ヘキシル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム、(ヒドロキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウムカチオン、(カルボキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウムカチオン、ジエチルピラゾリウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルモルホリニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、テトラブチルホスホニウムおよびトリブチル−テトラデシル−ホスホニウムからなる群の中から選択されることが好ましい。
【0026】
イオン液は、N−ブチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスファート、トリメチルフェニルアンモニウム・ヘキサフルオロホスファート、テトラブチルホスホニウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・ヘキサフルオロアンチモナート、ブチル−3−メチル1−イミダゾリウム・トリフルオロアセタート、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・トリフラート、(ヒドロキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、(カルボキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイドおよびN−ブチル−N−メチルモルホリニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイドからなる群から選択されることが好ましい。
【0027】
段階a)の後に、
b)段階a)の後に得られた炭化水素フラクションを少なくとも1種のアルコール流と混合する段階と、
c)イオン交換樹脂の存在下に段階b)において得られた混合物を反応させることによりエーテル化反応を行って、エーテル−炭化水素−アルコールの流出物を得る段階と、
d)分別塔において、前記エーテル−炭化水素−アルコールの流出物を、エーテルに富み、過剰なアルコールの一部を含有する第1流出物、炭化水素に富み、過剰なアルコールの残りの部分を含有する第2流出物に分離する段階と
をさらに包含することが好ましい。
【0028】
オレフィン留分は、接触分解装置から来ることが好ましい。
【0029】
炭化水素フラクションは、50重量%未満のイソオレフィンを含むことが好ましい。
【0030】
アルコールはメタノールまたはエタノールであることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分およびアルコールからの改良エーテル製造方法は、液−液抽出によって炭化水素供給材料中に存在するアセトニトリルを除去する段階を包含する方法において、抽出溶媒は、一般式Q(式中、Qは、アンモニウム、ホスホニウムおよび/またはスルホニウムカチオンであり、Aは、前記カチオンと液体塩を形成することが可能なアニオンである)の非水性イオン液である。本発明の方法の抽出段階は、イオン交換樹脂の存在下に行われるエーテル化反応段階の前に行われ、エーテル化反応器に入る水の量を非常に有利に減少させ、その結果として、オレフィンの加水分解反応を制限することを可能にする。
【0032】
有利には、本発明による方法は、一般的に、エーテル化反応器入口における水の量が少なくとも2つに分割されることを可能にし、それ故に、生じたエーテルの純度が改善されることを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分とアルコールとからエーテルを製造するための改良方法であって、エーテル化の前に、少なくとも1つの抽出帯域において行われる液−液抽出によって炭化水素供給材料中に存在するアセトニトリルを除去する段階を包含し、抽出溶媒は、一般式Q(式中、Qは、アンモニウム、ホスホニウム、グアニジニウムおよび/またはスルホニウムカチオンであり、Aは、前記カチオンと液体塩を形成するアニオンである)の非水性のイオン液である、方法に関する。
【0034】
有利には、本発明による方法は、エーテル化反応器入口において少なくとも2つの水の量を少なくとも2つに分割し、それ故に、触媒の不活性化を制限することを可能にする。
【0035】
本発明は、エーテル製造方法であって、エーテル化の前に、溶媒として一般式Q(式中、Qは、アンモニウム、ホスホニウム、グアニジニウムおよび/またはスルホニウムカチオンであり、Aは前記カチオンと液体塩を形成するアニオンである)の非水性イオン液を用いた液−液抽出によって、エーテル製造のために意図される少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン供給材料中に存在するアセトニトリルを除去する段階を包含する方法を提供する。
【0036】
この抽出段階は、イオン交換樹脂の存在下に行われるエーテル化反応段階の前に行われる。したがって、それは、エーテル化反応器に入る水の量を非常に有利に減少させ、その結果として、オレフィンの加水分解反応を制限することを可能にする。
【0037】
炭化水素供給材料は、エーテル製造のために意図される50重量%未満のイソオレフィンを含む。
【0038】
この抽出を達成するために、溶媒として選択されるイオン液は、約10〜20ppmのアセトニトリルを含有する炭化水素供給材料に加えられ、その集合物は、液−液抽出塔に供給される。
【0039】
それらの性質により、イオン液は、炭化水素供給材料による分配係数を有しておらず、これらの2つの実在物は非混和性である。したがって、処理されるべき供給材料との分割を通じたイオン液の喪失を考慮する理由はない。機械的な飛沫同伴の危険性は、2相間の大きな密度差のため制限的ではない。
【0040】
これらの技術は、2種の液相の並流または向流接触からなり得る。1以上のミキサー・セトラーまたは液−液接触塔が用いられ得る。この場合、例えばディスク塔、棚段塔、パルス塔または充填塔(積層またはランダムな充填)を利用することが可能である。相間の接触を達成するために、膜接触器(membrane contactor)を用いることも考えられ得る。これらの種々の技術は、単独でまたは組み合わせて用いられ得る。好ましくは、向流技術が用いられる。
【0041】
最も適切な分離技術は、当業者に知られる規範に従って選択されるだろう。
【0042】
本発明において記載される非水性イオン液は、一般式Q(式中、Qは、アンモニウム、ホスホニウム、グアニジニウムおよび/またはスルホニウムカチオンであり、Aは、低温、すなわち100℃未満、好ましくは50℃未満で液体塩を形成する可能性のある有機または無機のあらゆるアニオンである)の液体塩から構成される群の中から選択される。
【0043】
式Qの非水性イオン液において、Aアニオンは、好ましくは、以下のアニオンの中から選択される:ハロゲニド、ニトラート、スルファート、アルキルスルファート、ホスファート、アルキルスルファート、アセタート、ハロゲノアセタート、テトラフルオロボラート、テトラクロロボラート、ヘキサフルオロホスファート、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスファート、ヘキサフルオロアンチモナート、フルオロスルホナート、アルキルスルホナート(例えばメチルスルホナート)、ペルフルオロアルキルスルホナート(例えばトリフルオロメチルスルホナート)、ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)アミダイド(例えば、式N(CFSOのビストリフルオロメチルスルホニル アミダイド)、式C(CFSOのトリストリフルオロメチルスルホニル メチリド、式HC(CFSOのビストリフルオロメチルスルホニル メチリド)、アレーンスルホナート(場合によっては、ハロゲンまたはハロゲノアルキル基によって置換される)、テトラフェニルボラートアニオンおよび芳香環が置換されたテトラフェニルボラートアニオン、テトラ(トリフルオロアセトキシ)ボラート、ビス(オキサラト)ボラート、ジシアナミドおよびトリシアノメチリド。
【0044】
カチオンは、好ましくは、ホスホニウム、アンモニウム、グアニジニウムおよび/またはスルホニウムからなる群の中から選択される。以降の式において、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ、水素(NR4+についてのNHカチオンを除き、好ましくは1つの置換基だけが水素を示し)、または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基(例えば、1〜30個の炭素原子を含む、場合によっては置換される、飽和または不飽和のアルキル基、シクロアルキルまたは芳香族、アリールまたはアラルキル)を示す。
【0045】
、R、R、R、RおよびRはまた、以下の官能基の中から選択される1以上の官能基を有するヒドロカルビル基を示し得る:−COR、−C(O)R、−OR、−C(O)NRR’、−C(O)N(R)NR’R”、−NRR’、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−SOR、−CN、−N(R)P(O)R’R’、−PRR’、−P(O)RR’、−P(OR)(OR’)、P(O)(OR)(OR’)(式中、R、R’およびR”は、同一または異なって、それぞれ、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基を示す)。
【0046】
スルホニウムおよびグアニジニウムカチオンは、好ましくは、以下の一般式の一つを満たす:SR3+またはC(NR)(NR)(NR(式中、R、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、上記に規定された通りである)。
【0047】
第4級アンモニウムおよび/またはホスホニウムQカチオンは、好ましくは、以下の一般式の1つ:NR4+およびPR4+または一般式の1つ:RN=CR4+およびRP=CR4+(式中、R、R、RおよびRは同一または異なって、上記に規定された通りである)を満たす。
【0048】
アンモニウムおよび/またはホスホニウムカチオンはまた、下記一般式の1、2または3個の窒素および/またはリン原子を含む窒素含有および/またはリン含有のヘテロ環に由来し得る:
【0049】
【化1】

【0050】
(式中、環は、4〜10個の原子、好ましくは5〜6個の原子からなり、RおよびRは、同一または異なって、上記に規定された通りである)。
【0051】
第4級アンモニウムまたはホスホニウムカチオンは、さらに、以下の一般式の1つを満たし得る:R2+N=CR−R−RC=NおよびR2+P=CR−R−RC=P(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、上記の規定の通りであり、Rは、アルキレンまたはフェニレン基を示す)。
【0052】
、R、RおよびR基の例は、以下の基である:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、第1級ブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ブチル、アミル、フェニルまたはベンジル;Rは、メチレン、エチレン、プロピレンまたはフェニレン基であり得る。
【0053】
好ましくは、アンモニウムおよび/またはホスホニウムQカチオンは、N−ブチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、ピリジニウム、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ヘキシル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム、(ヒドロキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウムカチオン、(カルボキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウムカチオン、ジエチルピラゾリウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルモルホリニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、テトラブチルホスホニウムおよびトリブチル−テトラデシル−ホスホニウムからなる群の中から選択される。
【0054】
本発明により用いられ得る塩の例は、N−ブチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスファート、トリメチルフェニルアンモニウム・ヘキサフルオロホスファート、テトラブチルホスホニウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム・ビス(トリフルオロ−メチル−スルホニル)アミダイド、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・ヘキサフルオロアンチモナート、ブチル−3−メチル1−イミダゾリウム・トリフルオロアセタート、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・トリフラート、(ヒドロキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、(カルボキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイドおよびN−ブチル−N−メチルモルホリニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイドである。これらの塩は、単独でまたは混合物で用いられ得る。
【0055】
以降の記載は、非制限的な方法で、向流分離塔を考慮する。この場合、アセトニトリル含有炭化水素供給材料は、塔底部に供給され、上向きに運転される。それ故に、それは、塔頂部において供給されるイオン液と接触させられる。イオン液は、それ故に、アセトニトリルを含有し、炭化水素供給材料は、アセトニトリルを激減させる。
【0056】
抽出セクションにおける塔底部において収集された混合物は、イオン液およびアセトニトリルからなる。それは、例えば蒸留および/または発泡(expansion)によってイオン液を再生することを目的とするセクションに送られる。イオン液とアセトニトリルとの間の沸点の差異は、2種の化合物が迅速に分離されることを可能にする。
【0057】
有利には、イオン液は、次いで、抽出のために再循環させられる。
【0058】
抽出帯域から抽出され、0.5ppm未満、好ましくは0.1ppm未満のアセトニトリルを含有する精製炭化水素供給材料は、次いで、イオン交換樹脂に損傷を与えるあらゆる危険性もなく反応セクションに送られ得る。
【0059】
水の含有量の減少は、例えば、ETBE製造の場合にt−ブチルアルコール(TBA)の形成につながる並行反応を制限することを可能にするが、樹脂の触媒活性は、それ故に、少なくとも20%まで増加させられ得る。それはまた、樹脂の要求される量を低減させることまたは既存の装置の場合により低い温度で同一の転換係数で働くことを可能にする。
【0060】
本発明による、少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン供給材料およびアルコールからエーテルを製造する方法は、
a)上記方法により炭化水素フラクション中に存在するアセトニトリルを除去する段階と、
b)段階a)の後に得られた炭化水素フラクションを少なくとも1種のアルコール流と混合する段階と、
c)イオン交換樹脂の存在下に段階b)において得られた混合物の反応によってエーテル化反応を行って、エーテル−炭化水素−アルコール流出物を得る段階と、
d)分別塔において前記エーテル−炭化水素−アルコール流出物を、エーテルに富み、過剰なアルコールの一部を含有する第1流出物、炭化水素に富み、過剰なアルコールの他の部分を含有する第2流出物に分離する段階と
を包含する。
【0061】
炭化水素フラクションは、50重量%未満のイソオレフィンを含有する。
【0062】
導入されるアルコールは、メタノールまたはエタノールであり得る。
【0063】
本発明は、以下、イオン液を用いてアセトニトリルを除去する方法を示す図1(主要設備のみが図に示される)に関連して記載される。
【0064】
制限しない方法で、図1は、炭化水素供給材料より高い密度のイオン液の使用を制限しない方法で考慮することによって、液−液向流抽出塔を考慮する。
【0065】
オレフィンおよびアセトニトリルを含有する炭化水素フラクションは、ライン(1)を通じて、液−液分離塔(3)に送られる。イオン液は、ライン(9)を通じて塔頂部に供給される。塔中の流通は、向流で行われ、ライン(2)を通じて塔を出る流出物は、アセトニトリル含有イオン液からなる。
【0066】
抽出セクションにおける操作条件は、一般的に、炭化水素供給材料の利用可能な条件、すなわち、圧力:0.1〜2MPa、温度:30〜70℃である。
【0067】
必要であれば、場合によってはイオン液中に共吸着される種を塩析させるための第1の発泡が、ブローダウンドラム(4)において行われ得る。アセトニトリル含有イオン液は、次いで、ライン(5)を通じて蒸留塔またはエバポレータ(6)に送られる。操作条件は、アセトニトリルを留去するように決定される。この操作は、一般的には0.1〜2MPa、好ましくは0.1〜1MPaの圧力で行われる。
【0068】
イオン液からなる塔(6)の底部は、ライン(7)を通じて除去される。ライン(9)は、イオン液が液−液分離塔(3)に再送させられることを可能にし、それ故に、それは再循環させられる。塔頂部において、アセトニトリルは、ライン(8)を介して収集され、ライン(8’)を通じて処理プラントまたは転化プラントに送られる。
【0069】
0.5ppm未満、好ましくは0.1ppm未満のアセトニトリルを含有する炭化水素供給材料は、ライン(10)を通じて分離塔(3)から抽出され、それは、エーテル化法の反応セクションに送られ得る。
【0070】
図2は、エーテル化法の図を示す。アセトニトリル除去装置において処理された50重量%未満のイソオレフィンを含有する炭化水素フラクションは、ライン(101)を通じてエーテル化反応器(103)に供給される。この炭化水素供給材料は、その後、ライン(102)を通じて供給される外部アルコール源およびライン(105)を通じて再循環させられる、反応器を出る流出物の一部と混合される。ライン(104)を通じて反応セクションを出る流出物は、未反応のまたは非反応性の炭化水素、エーテル(反応生成物)および未反応アルコールの混合物を含む。一般に、この流出物は、エーテル10〜60%、アルコール1〜10%および炭化水素30〜80%からなり(モル比)、その圧力範囲は、0.8〜2MPaであり、その温度は、50〜90℃である。
【0071】
エーテル化反応器からの液体流出物は、次いで、分離塔(106)に送られ、一方ではエーテルフラクション、他方では、炭化水素−アルコール混合物が回収される。塔(106)は、フラクションが多かれ少なかれアルコールに富んでいるかどうかに従って、触媒塔であり得るかまたはそうでなくてもよい。
【0072】
塔(106)の頂部において、ライン(107)は、炭化水素のガス状混合物を交換器、次いで、ライン(108)を通じて凝結した蒸気を回収し、ライン(109)を通じてガスフラクションを排出することを可能にする還流ドラムに運ぶ。塔(106)の底部においてライン(110)を通じて排出された混合物は、本質的に、エーテル相およびアルコールを含む。
【0073】
以下の実施例は、あらゆる制限的な性質もなく本発明を例示する。
【0074】
(実施例)
(実施例1:本発明に合致する)
バッチ基盤について行われた種々の実験室試験は、エーテル製造方法から上流で炭化水素供給材料を処理するために水の代わりにイオン液を用いる本発明の範囲内で提供される代替解決策の有効性を示すことを可能にした。
【0075】
行われる試験のための操作方法は、次の通りである:2mLの抽出溶媒(イオン液または水)および6mLの供給材料(アセトニトリル1000重量ppmのヘプタン溶液)が、30分間にわたって攪拌される。30分のデカンテーションの後、2gの上相が取られ、200mgの標準溶液(トルエン0.2%のヘプタン溶液)が加えられ、混合物は、ガスクロマトグラフィーによって分析される。種々のイオン液が試験され、水と比較された。得られた結果は、下記表に与えられる。
【0076】
【表1】

【0077】
試験されたイオン液は、一般的に用いられる水と少なくとも同様の有効性で除去を可能にする。それらの使用は、さらに、炭化水素留分中に存在する水を除去することによって供給される反応セクションの水含有量を大きく減少させるという利点を提供する。それ故に、イオン液が水よりも有効性が低いとしても、アセトニトリル抽出のための水送達の除去は、特に、形成される副生成物の量との関連において重大な利点である。
【0078】
(実施例2:比較)
図2に示されるETBE製造プラントに基づいて、17モル%のイソブテンを含有し、1500モルppmの水含有量を有するC4炭化水素供給材料が、70℃および20バールで操作するエーテル化反応器に、580kmol/hの流量で、113kmol/hの流量の0.4%の水を含有するエタノール供給材料と共に供給される。この供給材料の水含有量は、それが反応器に供給される前に0.5ppm未満のアセトニトリルを含む炭化水素供給材料を得るために行われる水洗に起因する。反応器から来る流れは、2つの流出物に分割され、流れの60%を示す第1のものは、イソオレフィン転換係数を最適化するために882kmol/hの流量で第1反応器に再循環させられる。第2のものは、塔底部において炭化水素およびアルコールを含まないエーテル(ETBE)を得るために塔中で蒸留される。
【0079】
炭化水素供給材料を水洗に付すことは、蒸留塔底部において76.4mol%のETBEを得ることを可能にする。
【0080】
(実施例3:本発明に合致する)
炭化水素供給材料を水洗に付す代わりに、アセトニトリルは、イオン液を用いて除去された。液−液分離塔は、洗浄後に、0.5ppm未満のアセトニトリルを含む炭化水素供給材料を得ることを可能にする十分な数のプレートを有する容積を有する。
【0081】
炭化水素供給原料が反応セクションに送られる前に該炭化水素供給材料に水が供給されないという事実は、分離塔の底部において生じたETBEの純度に関して約2%の利得を可能にする。実施例2の条件により、78.2モル%のETBEが、蒸留塔の底部において得られる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、イオン液によって炭化水素供給材料中に存在するアセトニトリルを除去する方法の図である。
【図2】図2は、イソブテンおよびエタノールからETBEを製造する方法であって、エーテル化反応器を出る流出物の一部を再循環させる工程を包含する方法の図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ライン
2 ライン
3 液−液分離塔
4 ブローダウンドラム
5 ライン
6 蒸留塔
7 ライン
8 ライン
8’ ライン
9 ライン
10 ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のイソオレフィンを含有するオレフィン留分およびアルコールからエーテルを製造する方法であって、エーテル化の前に、少なくとも1つの抽出帯域において行われる液−液抽出によって炭化水素供給材料中に存在するアセトニトリルを除去する段階a)を包含する方法において、抽出溶媒は、一般式Q(式中、Qは、アンモニウム、ホスホニウム、グアニジニウムおよび/またはスルホニウムカチオンであり、Aは、前記カチオンと液体塩を形成するアニオンである)の非水性イオン液であることを特徴とする方法。
【請求項2】
抽出帯域から排出される混合物は、アセトニトリル含有イオン液からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
抽出帯域から排出される混合物は、イオン液再生セクションに送られ、前記液体は、抽出のために再循環させられることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
イオン液の再生は、蒸留および/または発泡(expansion)によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
分離塔中の液体の流通は、向流で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
アニオンは、ハロゲニド、ニトラート、スルファート、アルキルスルファート、ホスファート、アルキルホスファート、アセタート、ハロゲノアセタート、テトラフルオロボラート、テトラクロロボラート、ヘキサフルオロホスファート、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスファート、ヘキサフルオロアンチモナート、フルオロスルホナート、アルキルスルホナート、ペルフルオロアルキルスルホナート、ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)アミダイド、式C(CFSOのトリストリフルオロメチルスルホニル メチリド、式HC(CFSOのビストリフルオロメチルスルホニル メチリド、アレーンスルホナート(場合によっては、ハロゲンまたはハロゲノアルキル基によって置換される)、テトラフェニルボラートアニオンおよび芳香環が置換されたテトラフェニルボラートアニオン、テトラ(トリフルオロアセトキシ)ボラート、ビス(オキサラト)ボラート、ジシアナミドおよびトリシアノメチリドのアニオンからなる群の中から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
カチオンは、一般式:
SR3+およびC(NR)(NR)(NR
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であるが、好ましくは、1つの置換基だけが水素を示す)
の1つを満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
カチオンは、一般式:
NR4+およびPR4+
の1つまたは一般式:
N=CR4+およびRP=CR4+
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であるが、ただし、NR4+についてのNHカチオンを除き、好ましくは、1つの置換基だけが水素を示す)
の1つを満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
カチオンは、1、2または3個の窒素および/またはリン原子を含む窒素含有および/またはリン含有のヘテロ環に由来し、該ヘテロ環は、4〜10個の炭素原子を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
カチオンは、一般式:R2+N=CR−R−RC=NおよびR2+P=CR−R−RC=P(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基を示し、Rは、アルキレンまたはフェニレン基を示す)の1つを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
基R、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、−COR、−C(O)R、−OR、−C(O)NRR’、−C(O)N(R)NR’R”、−NRR’、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−SOR、−CN、−N(R)P(O)R’R’、−PRR’、−P(O)RR’、−P(OR)(OR’)、−P(O)(OR)(OR’)(式中、R、R’およびR”は、同一または異なって、それぞれ、水素または1〜30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基を示す)の中から選択される1以上の官能基を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
カチオンは、N−ブチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、ピリジニウム、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ヘキシル−3−メチル−1−イミダゾリウム、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム、(ヒドロキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウムカチオン、(カルボキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウムカチオン、ジエチルピラゾリウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルモルホリニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、テトラブチルホスホニウムおよびトリブチル−テトラデシル−ホスホニウムからなる群の中から選択されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
イオン液は、N−ブチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスファート、トリメチルフェニルアンモニウム・ヘキサフルオロホスファート、テトラブチルホスホニウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−ジメチル−1,2−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・テトラフルオロボラート、ブチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・ヘキサフルオロアンチモナート、ブチル−3−メチル1−イミダゾリウム・トリフルオロアセタート、エチル−3−メチル−1−イミダゾリウム・トリフラート、(ヒドロキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイド、(カルボキシ−2−エチル)−1−メチル−3−イミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイドおよびN−ブチル−N−メチルモルホリニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミダイドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
段階a)の後に、
b)段階a)の後に得られた炭化水素フラクションを少なくとも1種のアルコール流と混合する段階と、
c)イオン交換樹脂の存在下に段階b)において得られた混合物を反応させることによりエーテル化反応を行って、エーテル−炭化水素−アルコールの流出物を得る段階と、
d)分別塔において、前記エーテル−炭化水素−アルコールの流出物を、エーテルに富み、過剰なアルコールの一部を含有する第1流出物、炭化水素に富み、過剰なアルコールの残りの部分を含有する第2流出物に分離する段階と
をさらに包含する、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
オレフィン留分は、接触分解装置から来ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
炭化水素フラクションは、50重量%未満のイソオレフィンを含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
アルコールはメタノールまたはエタノールであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−143904(P2008−143904A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320684(P2007−320684)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(591007826)イエフペ (261)
【Fターム(参考)】