説明

イソチアゾリン−3−オン含有抗菌組成物

本発明は、少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンと少なくとも一つのアルキルアミンを含む抗菌組成物に関する。前記アルキルアミンは、第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含有し、アルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材防腐剤として使用するための組成物及び該組成物による木材の処理法に関する。更に詳しくは、本発明は、少なくとも一つのアルキルアミンと少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンを含む組成物、及びこの組成物を用いる木材の処理法に関する。
【背景技術】
【0002】
イソチアゾリン−3−オンは、木材防腐剤としての使用に適切な公知の抗菌化合物である。例えば、Shinto Fine Co.,Ltdによる欧州特許公開EP1283096A1に、酸化銅又は銅塩及び抗真菌アゾール化合物を含む木材防腐剤組成物に防カビ効果を提供するための2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(“OIT”)及びN−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(“BBIT”)を含む組成物の使用が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許公開EP1283096A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
OIT又はBBIT、又はその組合せのようなイソチアゾリン−3−オン類を含有する木材防腐剤に付随する従来の一つの欠点は、木材防腐剤がカビの成長の阻害において費用効果的なレベルで本来所望されるより効果が少ないことである。本発明はこの問題に対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は抗菌組成物のコンセントレート(濃縮物)であり、該コンセントレートは、抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約0.1重量%〜約40重量%の量の少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オン;抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約2重量%〜約80重量%の量の少なくとも一つのアルキルアミン(前記アルキルアミンはアルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を含む);抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約1重量%〜約50重量%の量で存在する界面活性剤;及び抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約1重量%〜約30重量%の量で存在する溶媒を含む。
【0006】
本発明の別の側面は基質に抗菌効果を付与するための組成物であり、該組成物は、組成物の重量を基にして約0.001重量%〜約1.0重量%の量のイソチアゾリン−3−オン;組成物の重量を基にして約0.02重量%〜約2.0重量%の量のアルキルアミン;組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.50重量%の量の界面活性剤;及び組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.30重量%の量の溶媒を含む。
【0007】
本発明の更に別の側面は、基質を処理して該基質に抗真菌及び抗カビ成長効果を提供するための方法であり、該方法は、該基質に抗菌組成物を接触させることを含み、該抗菌組成物は、銅含有化合物;組成物の重量を基にして約0.001重量%〜約1.0重量%の量の少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オン;組成物の重量を基にして約0.02重量%〜約2.0重量%の量のアルキルアミン;組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.50重量%の量の界面活性剤;及び組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.30重量%の量の溶媒を含む。この方法において前記抗菌組成物は基質に抗真菌及び抗カビ成長効果を提供する。
【0008】
本発明の更に別の側面は防腐剤組成物であり、該組成物は、組成物の重量を基にして約0.001重量%〜約1.0重量%の量のイソチアゾリン−3−オン;組成物の重量を基にして約0.02重量%〜約2.0重量%の量のアルキルアミン;組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.50重量%の量の界面活性剤;及び組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.30重量%の量の溶媒;並びに銅含有化合物を含む。
【0009】
本発明のなお更なる側面は、少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オン;及び第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含む少なくとも一つのアルキルアミンを含む組成物であり、前記アルキルアミンは、アルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を含む。
【0010】
これら及びその他の側面は以下の本発明の詳細な説明を読めば明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オン(“イソチアゾロン”としても知られる)、及び第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含有する少なくとも一つのアルキルアミンを含む組成物に関し、前記アルキルアミンは、アルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の鎖長を有する。この組成物に、少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オン及び少なくとも一つのアルキルアミンのマイクロエマルション又はマイクロディスパーションを形成するのに有効な量の界面活性剤を混合することもできる。所望により、少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンと少なくとも一つのアルキルアミンを含有する組成物に有機溶媒のような溶媒を配合することもできる。
【0012】
該組成物は、イソチアゾリン−3−オン又はアルキルアミンのみを個別に含有する組成物と比べて、特にカビ成長及びその他の微生物成長の阻害において増強された抗菌効果を提供する。該組成物は木材防腐のような用途に特に適している。
【0013】
該組成物はコンセントレートとして利用でき、その後希釈されて木材防腐液のような機能液として使用するための希釈組成物となる。該組成物コンセントレートは、銅含有防腐剤化合物のような防腐剤化合物、及び水のようなその他の成分と混合できる。典型的には、該組成物コンセントレートは、水性及び/又は有機溶媒と混合することによって希釈される。組成物コンセントレート対溶媒は典型的には1:10〜1:800の比率である。好ましくは、組成物コンセントレートと溶媒は1:100の重量比である。
【0014】
希釈組成物は約0.001重量%〜1.0重量%のイソチアゾリン−3−オンを含有する。組成物コンセントレートのその他の成分もそれに比例して希釈されて、機能液として使用するための希釈組成物を形成する。
【0015】
これらの組成物中にアルキルアミンが存在すると、費用効果的レベルで所望の抗菌効果、特に抗真菌及び抗カビ効果を提供するためのイソチアゾリン−3−オンの量が、アルキルアミンの不在下で必要とされるよりも少量ですむ。これは、アルキルアミンのコストがイソチアゾリン−3−オンに付随するコストに比べて低いことを考えると特に好都合である。
【0016】
いずれのイソチアゾリン−3−オンでも本発明に使用できると考えられる。しかしながら、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以後OITと呼ぶ)及びN−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(以後BBITと呼ぶ)は、別々でも互いに組み合わせても特に有用なイソチアゾリン−3−オンの例である。
【0017】
組成物の一態様においては一つのイソチアゾリン−3−オンのみが存在する。例えば、該組成物はOIT又はBBITのいずれかを含有できる。組成物の別の態様においては二つ以上のイソチアゾリン−3−オンが使用できる。例えば、該組成物はOIT及びBBITの両方を含有できる。同様に、組成物コンセントレートは、両イソチアゾリン−3−オンの一つ又は組合せのいずれかを含有しうる。
【0018】
二つのイソチアゾリン−3−オンを組成物に利用する場合、一つのイソチアゾリン−3−オン対他のイソチアゾリン−3−オンの重量比は、組成物が利用される用途に応じて典型的には1:50〜50:1である。一つのイソチアゾリン−3−オン対他のイソチアゾリン−3−オンの重量比は1:1〜2:1であってもよい。例えば、組成物中にOITとBBITがどちらも存在する場合、上記範囲内におけるOIT対BBITの適切な重量比は2:1であろう。しかしながら、重量比は想定される用途に応じて変動しうる。
【0019】
組成物コンセントレート中にイソチアゾリン−3−オンは、典型的には組成物コンセントレートの総重量を基にして約0.1重量%〜約40.0重量%の量で存在する。機能液を作製するために組成物コンセントレートを希釈した後は、イソチアゾリン−3−オンは組成物の重量を基にして約0.001重量%〜約1.0重量%の量存在する。
【0020】
更に具体的には、OITとBBITを2:1の重量比で組み合わせて使用する場合、OITは希釈組成物中に約0.003重量%〜約0.005重量%、又は30〜50ppmの量で存在し、BBITは機能液中に約0.0015重量%〜約0.0025重量%、又は15〜25ppmの量で存在する。
【0021】
さらに組成物及び組成物コンセントレート中に含まれるのはアルキルアミンで、第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含有し、アルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素を有する。イソチアゾリン−3−オンとアルキルアミンとの間に驚くべき、そして思いがけない相乗効果が見出された。発明者らは何らかの特定の理論に拘束されることを望まないが、相乗効果の結果、イソチアゾリン−3−オンのみ又はアルキルアミンのみを含有する組成物と比べて組成物の抗菌効果が増大すると考えられる。組成物の抗菌効果は、アルキルアミンがアルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の鎖長を有する場合に増大する。
【0022】
本発明の組成物に使用するのに適切なアルキルアミンは直鎖でも分岐鎖でもよい。第一級、第二級又は第三級アルキルアミンが組成物に使用するのに適切であるが、特に有用なアルキルアミンは第三級アルキルアミンである。メチル又はエチル置換基と、アルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を有する長鎖置換基とを一緒に有する第三級アルキルアミンが有益であろう。特に好適なのはアルキル−、ジメチル−アミンで、その場合のアルキル基は1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を有する。本明細書中の実施例に示されているように、アルキル−、ジメチル−アミンを含有し、各アルキル部分が12個の炭素を有する(“C−12アルキルアミン”)本発明の組成物は、アミンを含有しない組成物と比べて増強された抗菌効果を示す。適切なアルキルアミンの例は、スイスのLonza GroupからBarlene 12Sの商品名で販売されているドデシルアルキルアミンである。同様に、別の適切なドデシルアルキルアミンが米国イリノイ州のMason ChemicalからMacat C12アミンの商品名で販売されている。
【0023】
アルキルアミンを単一のイソチアゾリン−3−オンと組み合わせて使用する場合、単一のイソチアゾリン−3−オン対アルキルアミンの重量比は1:1〜1:800である。好ましくは、イソチアゾリン−3−オン対アルキルアミンの重量比は1:1〜1:40、更に好ましくは重量比は1:6〜1:12である。
【0024】
組成物中に二つ以上のイソチアゾリン−3−オンが存在する場合、総イソチアゾリン−3−オン対アルキルアミンの重量比は1:1〜1:800である。好ましくは、組成物の一態様において、総イソチアゾリン−3−オン対アルキルアミンの重量比は約1:10〜約1:20である。
【0025】
組成物コンセントレート中にアルキルアミンは典型的には、組成物コンセントレートの総重量を基にして約2.0重量%〜約80.0重量%の量で存在する。機能液に希釈された場合、アルキルアミンは典型的には、組成物の重量を基にして約0.02重量%〜約2.0重量%の量で存在する。典型的には、アルキルアミンは希釈組成物中に約0.2重量%〜約0.3重量%、又は2000ppm〜3000ppmの量で存在する。
【0026】
組成物中に存在するイソチアゾリン−3−オンとアルキルアミンは一般的に当該技術分野で公知の手段によって混合される。組成物コンセントレートを調製するには、イソチアゾリン−3−オンとアルキルアミンを、一つ又は複数の溶媒及び界面活性剤と組み合わせて使用すればよい。溶媒及び界面活性剤は組成物コンセントレート中に1:1〜5:1の重量比で存在する。
【0027】
典型的には、溶媒及び界面活性剤は、組成物コンセントレート中に組成物コンセントレートの重量を基にして約1重量%〜約55重量%の量で存在する。同様に、希釈して機能液にする場合、組成物コンセントレートが1:100の重量比で希釈されると、溶媒及び界面活性剤は組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.55重量%の量で存在することになる。
【0028】
組成物コンセントレートは、イソチアゾリン−3−オンを溶解するのに有用な一つ又は複数の溶媒を含有しうる。有用な溶媒は、有機溶媒、例えばメタノール及びエタノールのようなアルコール、ジエタノールアミンのようなアミン、グリコール又はエトキシル化グリコール、エーテル、エステルなどである。本発明に使用される典型的な有機溶媒は、ジプロピレングリコール2−メチル−エーテル及びモノエタノールアミン(MEA)などである。典型的には、溶媒は組成物コンセントレート中に組成物コンセントレートの総重量を基にして約1重量%〜約30重量%の量で存在する。同様に、希釈して機能液にする場合、組成物コンセントレートが1:100の重量比で希釈されると、溶媒は希釈組成物の総重量を基にして0.01重量%〜約0.30重量%の量で存在することになる。
【0029】
界面活性剤は、組成物コンセントレートが希釈形で使用される場合、イソチアゾリン−3−オン/溶媒のマイクロエマルションを維持するのに役立ちうる。有用な界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの組合せなどである。有用なノニオン界面活性剤は、直鎖アルコールアルコキシレート、例えば直鎖アルコールエトキシレート、エトキシル化/プロポキシル化ブロックコポリマー、エトキシル化/プロポキシル化脂肪アルコール、及びポリオキシエチレンセチルエーテルなどである。有用な直鎖アルコールアルコキシレートは、例えばArch Corporation社製の登録商標POLY−TERGENT SL−42の名の下に市販されている。その他の有用なノニオン界面活性剤は、NEODOL 91−6(Shell Chemicalの商標登録された界面活性剤製品)として市販されているものなどである。この界面活性剤は、C9〜C11直鎖第一級アルコールエトキシレートの洗剤系混合物で、アルコール1モルあたり平均6モルのエチレンオキシドを有する。その他の有用なノニオン界面活性剤は、直鎖のC9〜C11炭素鎖と1分子あたり5又は6個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド基を含有するものなどである。有用なアニオン界面活性剤は、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート、アルキルフェニルエトキシル化ホスフェートエステル、カルボキシル化直鎖アルコールアルコキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ジイソブチルスルホスクシネート、アビエチン酸及びアルキルスルホネートなどである。
【0030】
その他の有用なアニオン界面活性剤は、ポリカルボキシル化アルコールアルコキシレート、好ましくは、以下の酸又は有機もしくは無機塩からなる群から選ばれるもの、すなわちポリカルボキシル化直鎖アルコールアルコキシレート、ポリカルボキシル化分岐アルコールアルコキシレート、ポリカルボキシル化環状アルコールアルコキシレート、及びそれらの組合せである。個別的にはカチオン及び両性界面活性剤も本発明の方法に使用するのに容認可能であるが、それらは他のクラスの一つに属する少なくとも一つの界面活性剤と組み合わせて使用するのが好適である。例示的なカチオン界面活性剤は、アルキルトリアンモニウムハライド、非直鎖アルキルジメチルハライド及びアルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド含有界面活性剤などである。例示的な両性界面活性剤は、ポリグリコールエーテル誘導体、エトキシレートオキサゾリン誘導体、ラウラミドプロピルベタイン及びレシチンなどである。
【0031】
上記界面活性剤のブレンド又は組合せが本発明の組成物に使用できる。そのようなブレンドは、上記四つの界面活性剤の広範囲のクラス間又はクラス内の界面活性剤の二つ以上の界面活性剤の任意の組合せでありうる。組合せは、アニオン系とアニオン系、アニオン系とノニオン系、アニオン系とカチオン系、アニオン系と両性系、カチオン系とカチオン系、カチオン系と両性系、ノニオン系とノニオン系、ノニオン系と両性系、及び両性系と両性系のブレンドを含みうる。同様に、界面活性剤の三元及び四元ブレンドも、それぞれ上記クラス内又はクラス間から3又は4個の界面活性剤を選択することによって可能である。界面活性剤は、本発明のコンセントレート中に、組成物コンセントレートの総重量を基にして約1.0重量%〜約50重量%の量で適切に使用される。同様に、希釈して機能液にする場合、組成物コンセントレートが1:100の重量比で希釈されると、界面活性剤は希釈組成物の総重量を基にして約0.01重量%〜約0.50重量%の量で存在することになる。
【0032】
上記組成物は抗菌剤として驚くほど有効である。すなわち、該組成物は、該組成物を接触させたあらゆる製品又は材料に抗真菌特性又は殺生物特性を付与する。組成物コンセントレートは濃縮形で適用しても、使用前に希釈してもよい。組成物及び組成物コンセントレートは、水性及び/又は有機溶媒と混合することによって希釈して機能液にすることができる。機能液は、例えば、木材防腐剤、塗料又は金属加工油でありうる。
【0033】
典型的には、使用の際、組成物コンセントレートは水性溶媒及び/又は有機溶媒と混合することによって希釈される。組成物コンセントレート対溶媒の希釈重量比は典型的には1:10〜1:800である。
【0034】
さらに、希釈組成物は銅含有抗菌化合物を含有していてもよい。銅は次のうちの一つであろう。すなわち、様々な粒径分布の銅金属、酸化銅、水酸化銅、各種の無機又は有機銅錯体、例えば、Cu−エタノールアミン、Cu−ジメチル−ジチオ−カルバメート(CDDC)、Cu−スルフェート、Cu−2−エチル−ヘキサノエート、Cu−第四級アルキルアンモニウム、Cu(OH)、BCC(塩基性炭酸銅)、Cu−ニトレート、銅−8−キノリノレート、Cu−ベンタイン(Cu-bentains)、又はCu−HDOなど。銅は、約0.001ミクロン〜約10ミクロンの粒径を有しうる。あるいは、希釈組成物は、組成物の基質への適用を容易にするのに効果的な任意の成分を含有していてもよい。
【0035】
銅は典型的には希釈組成物中に希釈組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する。希釈組成物の残り部分は、典型的には水及びその他の所望による成分、例えば顔料、共殺生物剤(co-biocide)などである。
【0036】
機能液はその他の所望による添加剤を含有していてもよい。例えば、共界面活性剤;水;色素;及び共殺生物剤などであるが、これらに限定されない。適切な共殺生物剤は、例えば、テブコナゾール、プロピコナゾール又はその他のアゾール類、例えば銅アゾール;クロロタロニル、銅エタノールアミン、酸化銅、炭酸水素銅、銅−2−エチルヘキサノエート、銅−エチル−アセト−アセテート、及び銅ジメチル−ジチオ−カルバメートなどである。使用される場合、所望による共殺生物剤は、希釈組成物の総重量を基にして0.1重量%〜60重量%の量の範囲で機能液中に適切に使用される。これらの共殺生物剤の量は用途又は使用法に応じて変動しうる。
【0037】
組成物コンセントレート及び機能液は、カビ又は細菌増殖の問題を経験しうるいずれかの基質、例えば、木材、木材含有製品又はその他の基質、例えば石膏、ウォールボード、ファイバーボード、プラスチック、プラスターボード、ファイバーガラスなど、及びそれらの組合せと接触又は適用することが可能である。
【0038】
組成物コンセントレートもその希釈形も、そのような製品及び材料に当該技術分野で公知のいずれかの様式で適用できる。例えば、加圧処理;真空処理;スプレー;スプリッツ(さっと振りかけること);浸漬;含浸;注入などであるが、これらに限定されない。
【0039】
あるいは、組成物、組成物コンセントレート又は希釈組成物は、真菌又は微生物からの保護を求められている材料又は製品の前駆体とブレンドしてもよい。すなわち、組成物は、材料又は製品に直接その製造中に配合してもよい。
【0040】
組成物コンセントレート及びその希釈形は、ある種の微生物、例えば各種の細菌種及びカビ種(これらに限定されない)に対して改良された効果を示した。発明者らは、本発明の機序に関して一つの理論に限定されることを望まないが、アルキルアミンは、組成物が適用される基質の中又は上に付着し、層を形成すると考えられる。アルキルアミンの基質への付着は、イソチアゾリン−3−オンの存在下で基質における微生物増殖に改良された耐性を付与することを促進する。イソチアゾリン−3−オンは、そうでなければ基質と強く結合して最終的に生物学的に不活性になる。
【0041】
第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含有するアルキルアミンと、OIT又はBBITとの組合せを含有する組成物が持つ抗菌効果を以下の実施例で示す。
本発明を以下の実施例及び比較例によってさらに詳細に説明する。別途明記しない限り、すべての部及びパーセンテージは重量により、すべての温度はセ氏である。
【実施例】
【0042】
実施例1
パートA.組成物コンセントレートの製造
組成物コンセントレートの製剤例を表1に示す。イソチアゾリン−3−オンの平均量は、組成物コンセントレートの重量を基にして約6.3重量%である。OITは組成物コンセントレートに45重量%のアルコールベース溶媒の溶液として加え、BBITは組成物コンセントレートに92重量%のアルコールベース溶媒の溶液として加えた。
【0043】
表1に示された組成物コンセントレートの製剤は溶媒と界面活性剤を含有する。この実施例では、ジプロピレングリコール2−メチルエーテルが有機溶媒として使用され、エトキシル化ヒマシ油が界面活性剤として使用されている。溶媒と界面活性剤は、室温でわずかに撹拌することにより、イソチアゾリン−3−オンを安定化し、アルキルアミンと合わせた場合に均一系を形成する。
【0044】
この実施例で組成物コンセントレートに使用されているアルキルアミンは、スイスのLonza Group社製のBarlene 12Sとして知られているC12−アルキルアミンである。
【0045】
組成物コンセントレートは水に混和性なので、業界で使用されている銅ベースの木材防腐剤系と適合可能である。
【0046】
【表1】

【0047】
パートB.組成物コンセントレートの希釈形の製造
表2では、組成物コンセントレートが、該コンセントレートを銅含有製剤及び水と混合することによって希釈されている。様々な濃度の組成物コンセントレートをわずかな撹拌下で銅含有製剤及び水に加えた。
【0048】
この希釈組成物中、イソチアゾリン−3−オンは典型的には、希釈組成物の総重量を基にして約0.035重量%〜約0.07重量%の量で存在する。
【0049】
【表2A】

【0050】
表2Aに示されているように、溶媒としてモノエタノールアミン(MEA)及び界面活性剤としてエトキシル化ヒマシ油を含有する組成物コンセントレートを銅含有製剤に加えて銅エタノールアミンを形成した。表に示されているように、イソチアゾリン−3−オン対アルキルアミンの重量比は約1:2〜約1:3である。
【0051】
目視検査したところ、組成物A0〜F0は透明又はわずかに混濁のいずれかであった。
【0052】
【表2B】

【0053】
表2Bにおいて、組成物コンセントレートは溶媒としてプロピレングリコール及び界面活性剤としてエトキシル化ヒマシ油を含有することもできる。銅含有製剤はこの機能液には加えなかった。
実施例2
アルキルアミンとOIT及び/又はBBITを組み合わせて含有する組成物の有効性を測定するために、該組成物を、アルキルアミンのみを含有する組成物又はOITもしくはBBITのみを含有する組成物と比較した。これらの組成物の効能は、該組成物をサザンイエローパイン(SYP)木材サンプルに適用することによって示した。
【0054】
SYPサンプルを評価される特別の組成物で処理した後、該サンプルを深底ペトリ皿内の支持体上に載せた。
ありふれた2種類のカビ種(アスペルギルス(Aspergillus)及びフサリウム(Fusarium))の真菌胞子懸濁液を木材サンプル上に塗り広げた。サンプル表面上の真菌の菌糸成長を週1回顕微鏡下で調べた。木材表面の菌糸体被覆率に基づく尺度は次の通りである。
【0055】
0 0%
1 <10%
2 〜10−30%
3 〜30−60%
4 >60%
アルキルアミンとOIT、BBIT、又はOIT及びBBITを組み合わせて含有する組成物の効能
ありふれたカビ種に対する組成物の有効性を評価するために、様々な濃度のBBIT、OIT及びC12−アルキルアミン、又はこれらの成分の混合物を含有する組成物をSYP木材ブロック上で上記の試験プロトコルを用いて試験した。具体的には、表2Aに示した組成物を木材ブロックに適用して組成物の抗真菌効果を測定した。
【0056】
OITとC12−アルキルアミンを含有する組成物は、組成物A0とB0を記載の比率で混合することによって得たことに注意する。同様に、BBITとC12−アルキルアミンを含有する組成物は、組成物A0とC0の混合によって得た。
【0057】
【表3】

【0058】
異なる濃度のOIT、BBIT及びアルキルアミンを試験した。さらに、組成物の最適比率をスクリーニング及び評価するために、様々な比率のイソチアゾリン−3−オン対アミンを試験した。組成物の製造にアルキルアミンを用いた場合、OIT及びBBITはよく分散して均一溶液を形成していたことが観察された。
【0059】
表3に、アルキルアミンのみ、BBITのみ、OITのみ、又はアルキルアミンとOIT又はBBITいずれかとの組合せを含有する組成物の効能を示す。表3に示されているように、100ppmの濃度で単独のOIT、及び80ppmの濃度で単独のBBITは、殺カビ剤として有効に機能した。1000ppmの濃度で単独で使用したC12−アルキルアミンもフサリウムに対しては殺カビ剤として有効に働いたが、アスペルギルスに対してはあまり有効ではなかった。
【0060】
C12−アルキルアミンとOIT又はBBITいずれかとの組合せも殺カビ剤として有効であった。しかしながら、組み合わせて使用すると、各成分の濃度は、成分を単独で使用する場合よりも著しく減少した。
【0061】
例えば、OITとC12−アルキルアミンを重量比1:5でそれぞれ濃度75ppm及び375ppmで使用した場合、組成物は、OIT又はアルキルアミン単独で使用した場合と比べて殺カビ剤として同等に有効であった。抗真菌効果はBBITとC12−アルキルアミンの組合せを含有する組成物でも同様である。
【0062】
このように低濃度のOIT又はBBITを低濃度のアルキルアミンと組み合わせると、高濃度のアルキルアミンのみを含有する組成物又は高濃度のOITもしくはBBITのみを含有する組成物と比べた場合に、カビの制御において同等に有効な組成物が得られる。
【0063】
従って、これらの結果に基づくと、アルキルアミンを組成物に加えた場合、同じレベルの抗菌効果を得るのに必要とされるOIT又はBBITは少量で済む。組成物に使用されるOIT又はBBITの量が削減されると、これらの組成物の製造に伴うコストも削減される。
【0064】
さらに、アルキルアミンとOIT又はBBITいずれかとの組合せは、OIT又はBBITのいずれかを単独で使用した場合と比べて、アスペルギルス胞子タイプのカビに対して増大した効果を有していたことに注意する。重量比1:5のOIT対アルキルアミンをそれぞれ75ppm及び375ppmの濃度で含有する組成物の利用は、100ppmのOITのみを含有する組成物を利用するよりアスペルギルスに対してより有効であった。同様に、重量比1:12.5のBBIT対アルキルアミンを50ppm及び625ppmの濃度で含有する組成物の利用は、80ppmのBBITのみを含有する組成物を利用するよりアスペルギルスに対してより有効であった。
【0065】
以下に示す表4に、アルキルアミンとOIT及びBBIT両方との組合せを含有する組成物の効能を示す。OIT、BBIT及びアルキルアミンを含有する組成物を、対照(水)、アルキルアミンのみ、OITのみ及びBBITのみと比較する。
【0066】
【表4】

【0067】
高濃度のOITとBBITを含有する組成物は、アルキルアミンが存在しなくても、カビ成長の制御に極めて有効である。しかしながら、低濃度のOITとBBITしか含有しない組成物は、高濃度を含有する組成物ほどの効果を発揮しなかった(OIT:BBITが50:25及び33:17の組成物の結果参照)。
【0068】
低濃度のOIT:BBITしか含有しない組成物の効能は、アルキルアミンを組成物に加えると増大する。事実、低濃度のOITとBBITしか含有しない組成物の効能は、第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含有するアルキルアミンと組み合わせて使用すると、アルキルアミンを含まない高濃度のOITとBBITを含有する組成物の効能に匹敵する。同様に、アルキルアミンを単独で使用すると、そのカビ制御効果は高濃度のOITとBBITを有する組成物の効能ほど有効でない。
【0069】
このように、OIT:BBIT混合物とC12−アルキルアミンの間には明白な相乗効果が示されている。そのような相乗効果は組成物の抗菌効果を増大すると考えられる。従って、OIT:BBIT混合物と、第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含有するアルキルアミンとを含有する組成物の製造が考えられるが、これはOIT:BBIT混合物しか含有しない組成物と比べてより費用効果的な組成物である。
【0070】
概して、アルキルアミンとOIT又はBBIT又はOIT及びBBITとの組合せは効果的に働く。重量比1:5のOIT:アルキルアミンを含有する実施例及び重量比1:6.5のBBIT:アルキルアミンを含有する実施例は、試験した実施例の中で最大の抗菌効果を有するようである。三元系の場合、BBIT:OIT:アルキルアミンが(2:1):24の比率のものが最良の抗菌効果を示した。
【0071】
本発明をその態様と組み合わせて説明してきたが、当業者には前述の説明を踏まえて多様な代替、変更及び変形が可能であることは明白である。従って、すべてのそのような代替、変更及び変形も添付の特許請求の範囲の精神及び広義の範囲に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌組成物コンセントレートであって、
抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約0.1重量%〜約40重量%の量の少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンと;
抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約2重量%〜約80重量%の量の少なくとも一つのアルキルアミン(前記アルキルアミンはアルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を含む)と;
抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約1重量%〜約50重量%の量で存在する少なくとも一つの界面活性剤と;そして
抗菌組成物コンセントレートの重量を基にして約1重量%〜約30重量%の量で存在する少なくとも一つの溶媒とを含む抗菌組成物コンセントレート。
【請求項2】
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン及びN−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを1:50〜50:1の重量比で含む、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項3】
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン及びN−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが抗菌組成物中に1:1〜2:1の重量比で存在する、請求項2に記載の抗菌組成物。
【請求項4】
前記イソチアゾリン−3−オン及び前記アルキルアミンが抗菌組成物中に1:1〜1:800の重量比で存在する、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項5】
前記溶媒が、ジプロピレングリコール2−メチル−エーテル、モノエタノールアミン、プロピレングリコール及びそれらの組合せからなる群から選ばれ、前記界面活性剤が、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート、アルキルフェニルエトキシル化ホスフェートエステル、カルボキシル化直鎖アルコールアルコキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ジイソブチルスルホスクシネート、アビエチン酸、アルキルスルホネート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、エトキシル化ヒマシ油、及びそれらの組合せからなる群から選ばれ、前記溶媒と界面活性剤は抗菌組成物中に1:1〜5:1の重量比で存在する、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項6】
基質に抗菌効果を付与するための組成物であって、該組成物は、
組成物の重量を基にして約0.001重量%〜約1.0重量%の量の少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンと;
組成物の重量を基にして約0.02重量%〜約2.0重量%の量の少なくとも一つのアルキルアミン(前記アルキルアミンはアルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を含む)と;
組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.50重量%の量の少なくとも一つの界面活性剤と;そして
組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.30重量%の量の少なくとも一つの溶媒とを含む組成物。
【請求項7】
組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約5重量%の量の銅をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
銅が、組成物中に、銅金属、酸化銅、水酸化銅、各種の無機又は有機銅錯体、例えば、Cu−エタノールアミン、Cu−ジメチル−ジチオ−カルバメート(CDDC)、Cu−スルフェート、Cu−2−エチル−ヘキサノエート、Cu−第四級アルキル−アンモニウム、Cu(OH)、BCC(塩基性炭酸銅)、Cu−ニトレート、銅−8−キノリノレート、Cu−ベンタイン及びCu−HDOからなる群から選ばれる化合物で存在する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の重量を基にして約0.1重量%〜約60重量%の量の共殺生物剤をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
水をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記イソチアゾリン−3−オンが、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項1又は請求項6のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記アルキルアミンが、アルキルアミン1分子あたり12個の炭素の平均鎖長を含有する、請求項1又は請求項6のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
基質に抗真菌及び抗カビ成長効果を提供するために基質を処理する方法であって、該方法は、
前記基質に抗菌組成物を接触させることを含み、前記抗菌組成物は、
銅含有化合物と;
組成物の重量を基にして約0.001重量%〜約1.0重量%の量の少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンと;
組成物の重量を基にして約0.02重量%〜約2.0重量%の量の少なくとも一つのアルキルアミンと;
組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.50重量%の量の少なくとも一つの界面活性剤と;そして
組成物の重量を基にして約0.01重量%〜約0.30重量%の量の少なくとも一つの溶媒とを含み、前記抗菌組成物は基質に抗真菌及び抗カビ成長効果を提供する方法。
【請求項14】
前記イソチアゾリン−3−オンが、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アルキルアミンが、アルキルアミン1分子あたり12個の炭素の平均鎖長を含有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記溶媒が、ジプロピレングリコール2−メチル−エーテル、モノエタノールアミン、プロピレングリコール及びそれらの組合せからなる群から選ばれ、前記界面活性剤が、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート、アルキルフェニルエトキシル化ホスフェートエステル、カルボキシル化直鎖アルコールアルコキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ジイソブチルスルホスクシネート、アビエチン酸、アルキルスルホネート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、エトキシル化ヒマシ油、及びそれらの組合せからなる群から選ばれ、前記溶媒と界面活性剤は抗菌組成物中に1:1〜5:1の重量比で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
防腐剤組成物であって、
請求項6に記載の組成物と;そして
銅含有化合物と
を含む防腐剤組成物。
【請求項18】
銅が、銅金属、酸化銅、水酸化銅、各種の無機又は有機銅錯体、例えば、Cu−エタノールアミン、Cu−ジメチル−ジチオ−カルバメート(CDDC)、Cu−スルフェート、Cu−2−エチル−ヘキサノエート、Cu−第四級アルキル−アンモニウム、Cu(OH)、BCC(塩基性炭酸銅)、Cu−ニトレート、銅−8−キノリノレート、Cu−ベンタイン及びCu−HDOからなる群から選ばれる銅化合物で存在する、請求項17に記載の防腐剤組成物。
【請求項19】
銅化合物が、約0.001ミクロン〜約10ミクロンの粒径を有する、請求項18に記載の防腐剤化合物。
【請求項20】
組成物であって、
少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンと;そして
第一級、第二級又は第三級アミン官能基を含む少なくとも一つのアルキルアミンと
を含み、前記アルキルアミンはアルキルアミン1分子あたり8〜18個の炭素の平均鎖長を含む組成物。
【請求項21】
水の存在下又は所望により有機溶媒の存在下で前記少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オン及び前記少なくとも一つのアルキルアミンのマイクロエマルション又はマイクロディスパーションを形成するのに有効な量の界面活性剤をさらに含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンが組成物コンセントレートの重量を基にして約0.1重量%〜約40重量%の量で存在し;そして前記少なくとも一つのアルキルアミンが組成物コンセントレートの重量を基にして約2重量%〜約80重量%の量で存在する、組成物コンセントレートの形態の請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記少なくとも一つのイソチアゾリン−3−オンが組成物の重量を基にして約0.001重量%〜約1.0重量%の量で存在し;そして前記少なくとも一つのアルキルアミンが組成物の重量を基にして約0.02重量%〜約2.0重量%の量で存在する、請求項20に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−502707(P2010−502707A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527388(P2009−527388)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/019337
【国際公開番号】WO2008/030458
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(509067625)アーチ・ウッド・プロテクション・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】