説明

イベント通知システム、制御サーバ、イベント通知方法、及び制御プログラム

【課題】携帯情報端末がユーザの手元にない場合にも、その携帯情報端末に発生したイベントをリアルタイムにユーザに通知できるイベント通知システムを提供する。
【解決手段】検知手段81は、携帯情報端末80自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する。検知情報送信手段82は、検知手段81がイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められる検知情報を制御サーバ90に送信する。制御内容記憶手段91は、イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容を検知情報に応じて記憶する。制御手段92は、携帯情報端末80から検知情報を受信したときに、制御内容記憶手段91に記憶された検知情報に対応する制御内容に従って電気機械器具を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末に発生したイベントを他の機器に通知するイベント通知システム、およびそのイベント通知システムに適用される制御サーバ、携帯情報端末、イベント通知方法、制御方法、情報送信方法、制御プログラム及び情報送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末はコミュニケーションツールとして利用され、音声やメールの着信などでは即時の応答が求められることが多い。また、近年では携帯情報端末の多機能化が進み、携帯情報端末は、目覚まし時計として若しくは個人のスケジュールを通知するツールとして使用されている。
【0003】
また、特許文献1には屋内家電機器制御装置が記載されている。特許文献1に記載された屋内家電機器制御装置は、自動車に搭載される通信端末と携帯電話を介して無線通信が可能である。屋内家電機器制御装置には、ネットワークを介して複数の家電機器が接続され、通信端末が設定する予約に応じて家電機器の動作を制御する。また、ナビゲーション装置は、自宅への到着予定時間を算出して家電機器を動作させる時間を設定する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−64881号公報(段落0068、0075、0078、図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自宅などのプライベートな場所において、例えば、携帯情報端末を充電する場合や、部屋を移動する場合、もしくは入浴する場合など、携帯情報端末を身辺から離した場所に置くことがある。このような場合には、携帯情報端末に発生するイベント(例えば、音声やメールの着信、スケジュールアラームや目覚まし機能による鳴動など)に気付かない場合が多い。また、携帯情報端末が身辺の近くにある場合であっても、携帯情報端末のマナーモードの解除忘れなどにより、これらのイベントに気付かないこともある。
【0006】
また、特許文献1に記載された屋内家電機器制御装置は、ユーザが屋内家電機器を制御する設定を予め行った場合、その設定時刻に屋内家電機器を制御してユーザにイベントを通知できる。しかし、上記屋内家電機器制御装置は、ユーザが設定しないイベントについては屋内家電機器を制御できないため、設定されていないイベントをユーザに通知することができないという課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、携帯情報端末がユーザの手元にない場合にも、その携帯情報端末に発生したイベントをユーザにリアルタイムに通知できるイベント通知システム、およびそのイベント通知システムに適用される制御サーバ、携帯情報端末、イベント通知方法、制御方法、情報送信方法、制御プログラム及び情報送信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるイベント通知システムは、携帯情報端末と、電気機械器具を制御可能な制御サーバとを備え、携帯情報端末が、携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知手段と、検知手段がイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報を制御サーバに送信する検知情報送信手段を備え、制御サーバが、イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容を検知情報に応じて記憶する制御内容記憶手段と、携帯情報端末から検知情報を受信したときに、制御内容記憶手段に記憶された検知情報に対応する制御内容に従って電気機械器具を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明による制御サーバは、電気機械器具を制御可能な制御サーバであって、携帯情報端末が携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベントの検知若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントの検知に応じて定められた検知情報と、イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容とを対応付けて記憶する制御内容記憶手段と、携帯情報端末から検知情報を受信したときに、制御内容記憶手段に記憶された検知情報に対応する制御内容に従って電気機械器具を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明による携帯情報端末は、携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知手段と、検知手段がイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報に対しイベントを携帯情報端末のユーザに通知するために電気機械器具ごとに予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御サーバに検知情報を送信する検知情報送信手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明によるイベント通知方法は、携帯情報端末が、携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知ステップと、携帯情報端末が、検知ステップでイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報を、電気機械器具を制御可能な制御サーバに送信する検知情報送信ステップと、制御サーバが、携帯情報端末から検知情報を受信したときに、検知情報ごとにイベントを携帯情報端末のユーザに通知するために電気機械器具に対して予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明による制御方法は、電気機械器具を制御可能な制御サーバが、携帯情報端末が携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベントの検知若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントの検知に応じて定められた検知情報を携帯情報端末から受信する受信ステップと、制御サーバが、検知情報を受信したときに、イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容であって検知情報ごとに予め定められた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による情報送信方法は、携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知し、イベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報に対しイベントを携帯情報端末のユーザに通知するために電気機械器具ごとに予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御サーバに検知情報を送信することを特徴とする。
【0014】
本発明による制御プログラムは、電気機械器具を制御可能なコンピュータに搭載される制御プログラムであって、
コンピュータに、
携帯情報端末が携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベントの検知若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントの検知に応じて定められた検知情報を携帯情報端末から受信する受信処理、および、
検知情報を受信したときに、イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容であって検知情報ごとに予め定められた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御処理
を実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明による情報送信プログラムは、コンピュータに、コンピュータ自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知処理、および、検知処理でイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報に対しイベントをコンピュータのユーザに通知するために電気機械器具ごとに予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御サーバに検知情報を送信する検知情報送信処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、携帯情報端末がユーザの手元にない場合にも、その携帯情報端末に発生したイベントをユーザにリアルタイムに通知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明によるイベント通知システムの一実施形態を示すブロック図である。本実施形態におけるイベント通知システムは、ホームサーバ20と、家庭内機器群E0とを備えている。ホームサーバ20と家庭内機器群E0とは、通信ネットワーク104を介して接続される。通信ネットワーク104は、家屋内程度の範囲に構築される小規模ネットワークであり、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance )ガイドラインに準拠して構成される。また、ホームサーバ20は、インターネット101、PSTN(Public Switched Telephone Networks)102、ISP(Internet Services Provider)網103などの通信ネットワークと接続する。
【0019】
家庭内機器群E0に含まれる家庭内機器として、例えば、IP(Internet Protocol )電話機E1と、コントロールパネルE2と、パーソナルコンピュータE3と、オーディオ装置E4と、スピーカE5と、テレビジョン受像機E6と、目覚まし時計E7と、無線LANアクセスポイントE8と、冷蔵庫E9と、電子レンジE10(以下、これらIP電話機E1〜電子レンジE10をまとめて、家庭内配置機器と記す。)と、携帯情報端末E11等がある。ただし、家庭内配置機器は、上述した機器に限定されない。家庭内配置機器は、通信ネットワーク104に接続され、ホームサーバ20と通信を行う。また、携帯情報端末E11は、無線LANアクセスポイントE8と無線通信を行い、通信ネットワーク104を介してホームサーバ20と通信を行う。携帯情報端末E11は、例えば、携帯ゲーム機器E11aや携帯音楽端末E11b、携帯電話機E11cなどによって実現されるが、携帯情報端末E11はこれらの機器に限定されない。
【0020】
図2は、本発明による携帯情報端末E11の一実施形態を示すブロック図である。本実施形態における携帯情報端末E11は、無線通信部11と、メモリ部12と、制御部13と、ユーザインタフェース部14とを備えている。無線通信部11と、メモリ部12と、制御部13と、ユーザインタフェース部14とは、バス15を介して接続される。
【0021】
無線通信部11は、無線LANアクセスポイントE8及び通信ネットワーク104を介してホームサーバ20と通信を行う。また、無線通信部11は、インターネット101、PSTN102、ISP網103などの通信ネットワークと無線通信を行い、ホームサーバ20と通信を行ってもよい。
【0022】
メモリ部12は、携帯情報端末E11のユーザを識別するユーザIDや、パスワード、着信メロディなどを記憶する記憶装置である。
【0023】
制御部13は、携帯情報端末E11自身の機能に基づいて発生させたイベントを検知して、そのイベントに応じた情報(以下、検知情報と記す。)を、ホームサーバ20に送信する。例えば、携帯情報端末E11が目覚まし鳴動を行う機能を備えている場合、制御部13が、目覚まし鳴動のイベントを検知して、そのイベントを示す検知情報をホームサーバ20に送信する。
【0024】
また、制御部13は、無線通信部11が外部通信機器からの信号を受信すると、受信したイベントに応じた情報(検知情報)を、ホームサーバ20に送信する。例えば、無線通信部11が、外部の基地局(図示せず)から電子メールや音声呼を受信すると、制御部13はメール着信や音声呼を受信した旨のイベントを検知して、そのイベントの検知情報をホームサーバ20に送信する。
【0025】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit )やROM(Read Only Memory)RAM(Random Access Memory)などによって実現され、携帯情報端末E11を制御する。制御部13のCPUは、例えば、ROMなどに記憶されたプログラム(携帯プログラム)を読み込み、そのプログラムに従って動作する。
【0026】
ユーザインタフェース部14は、携帯情報端末E11のユーザが制御部13に対して指示を行う入力デバイスや、制御部13の処理結果を出力する出力装置を含む。ユーザインタフェース部14は、例えば、キーボード等の入力デバイスやディスプレイ装置等の出力装置であるが、ユーザインタフェース部14はキーボード等やディスプレイ装置等に限定されない。ユーザインタフェース部14は、例えば、タッチパネル等の入出力装置であってもよい。
【0027】
図3は、本発明によるホームサーバ20の一実施形態を示すブロック図である。本実施形態におけるホームサーバ20は、ユーザインタフェース処理部21と、認証処理部22と、データ管理処理部23と、呼制御処理部24と、インタフェース処理部25と、データベース群26とを備えている。
【0028】
ユーザインタフェース処理部21は、外部の装置からの入力信号を検知し、その入力信号に応じて、認証処理部22、データ管理処理部23、呼制御処理部24、インタフェース処理部25に各処理を実行させる。また、ユーザインタフェース処理部21は、これらの処理部が処理した結果や、データベース群26に記憶させる情報を入力する画面(以下、情報入力画面と記す。)などを外部の装置に出力させる。例えば、ユーザインタフェース処理部21は、コントロールパネルE2からの入力を検知して、認証処理部22、データ管理処理部23、呼制御処理部24、インタフェース処理部25に各処理を実行させてもよい。また、例えば、ユーザインタフェース処理部21は、コントロールパネルE2の表示部(図示せず)に、情報入力画面などを表示させてもよい。
【0029】
データ管理処理部23は、携帯情報端末E11が検知するイベントの情報、及びホームサーバ20に接続される家庭内配置機器の情報から情報入力画面を生成する。例えば、データ管理処理部23が情報入力画面を生成すると、ユーザインタフェース処理部21は、その情報入力画面をコントロールパネルE2の表示部(図示せず)に表示させる。また、データ管理処理部23は、例えば、その情報入力画面を介して入力された情報をデータベース群26に記憶させる。
【0030】
データベース群26は、ユーザ情報データベース(以下、DBと記す。)261と、ユーザデータDB262と、認証情報DB263と、データ管理設定DB264とを備える記憶装置である。ユーザ情報DB261は、携帯情報端末E11のユーザを識別するユーザIDなどや、ユーザのプロフィール情報などを記憶する。ユーザデータDB262は、ユーザがあらかじめ登録した画像や音楽情報、動画やアドレス帳、スケジュールデータなどを記憶する。
【0031】
認証情報DB263は、ホームサーバ20が携帯情報端末E11を認証するための認証IDやパスワードなどを記憶する。認証情報DB263は、例えば、認証IDやパスワードなどをユーザIDと対応付けて記憶する。
【0032】
データ管理設定DB264は、携帯情報端末E11から送信される検知情報に応じた家庭内配置機器の制御情報や、携帯情報端末E11の接続状態などの条件に応じた家庭内配置機器の制御情報を記憶する。制御情報は、どの家庭内配置機器に、どのような制御を行うか定義する情報である。制御情報は、例えば、コントロールパネルE2などの入力装置を介して入力される。例えば、ユーザインタフェース処理部21がコントロールパネルE2に情報入力画面を表示し、ユーザインタフェース処理部21が検知情報の入力を検知したときに、データ管理処理部23がその入力情報をデータ管理設定DB264に記憶させてもよい。
【0033】
図4は、検知情報をデータ管理設定DB264に記憶させるために表示する画面の例を示す説明図である。図4に示す画面は、例えば、ホームサーバ20が、「電話着信」と「メール着信」のイベントを示す検知情報を受信したときに、どの家庭内配置機器(「スピーカ(キッチン)」〜「目覚まし時計」)に、どのような制御(「アラーム通知」もしくは「メロディ転送」)を行うかを入力させるために使用される。例えば、ユーザインタフェース処理部21は、ユーザが検知情報を設定したことを検知すると、その入力した情報をデータ管理設定DB264に記憶させるよう、データ管理処理部23に登録処理を実行させる。
【0034】
本実施形態では、データベース群26に、ユーザ情報DB261と、ユーザデータDB262と、認証情報DB263と、データ管理設定DB264を含んでいる場合について説明しているが、データベース群26の構成は、上記内容に限定されない。
【0035】
認証処理部22は、携帯情報端末E11の認証を行い、携帯情報端末E11とホームサーバ20との接続を確立させるか否かを判断するため携帯情報端末E11を認証する。認証処理部22は、例えば、認証情報DB263に記憶される認証ID及びパスワードを使用して携帯情報端末E11の認証を行ってもよい。例えば、ホームサーバ20が携帯情報端末E11のユーザの認証ID及びパスワードを受信したときに、認証処理部22がその認証ID及びパスワードが認証情報DB263に記憶された認証ID及びパスワードと一致するか否かを判断して認証してもよい。ただし、認証処理部22が認証を行う方法は上記方法に限定されない。
【0036】
このように、あらかじめ認証情報DB263に認証に関する情報を記憶させ、認証処理部22が携帯情報端末E11を認証した場合に、ホームサーバ20は、その後の携帯情報端末E11からの通信を受け付ける。なお、以下の説明では、携帯情報端末E11が認証処理部22による認証に成功し、ホームサーバ20に接続が可能になったことを、携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属したと記すこともある。
【0037】
インタフェース処理部25は、LANや無線LANなどの通信ネットワークを介して、IP電話機E1や携帯情報端末E11、パーソナルコンピュータE3や無線LANアクセスポイントE8などと情報を送受信する。また、インタフェース処理部25は、ISP網103やインターネット101などの通信ネットワークを介して、他の装置と情報を送受信する。例えば、インタフェース処理部25が通信ネットワークを介してデータを受信すると、ユーザインタフェース処理部21、認証処理部22、データ管理処理部23及び呼制御処理部24にその受信したデータの種類に応じて処理を実行させる。また、インタフェース処理部25は、ユーザインタフェース処理部21、認証処理部22、データ管理処理部23、呼制御処理部24及びインタフェース処理部25自身が処理した結果に従い、家庭内配置機器に制御情報を送信する。
【0038】
例えば、ホームサーバ20が携帯情報端末E11から送信された検知情報を受信すると、インタフェース処理部25は、データ管理設定DB264に記憶された制御情報をもとに家庭内配置機器を制御する。例えば、ホームサーバ20が携帯情報端末E11から送信された検知情報を受信すると、データ管理処理部23がその検知情報に対応する制御情報をデータ管理設定DB264から読み取る。インタフェース処理部25は、その制御情報の内容に従って、家庭内配置機器を制御する。
【0039】
また、インタフェース処理部25は、携帯情報端末E11の接続状態などの条件に応じて家庭内配置機器を制御してもよい。例えば、条件として「携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属した場合」が設定され、その条件を満たす場合に「照明を点灯させる」とする制御情報が設定されている場合を例に説明する。この場合、携帯情報端末E11がホームサーバ20との認証に成功する(すなわち、携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属する)と、データ管理処理部23が「照明を点灯させる」旨の制御情報をデータ管理設定DB264から読み取る。インタフェース処理部25は、その内容に従い、照明を点灯させるように制御する。
【0040】
呼制御処理部24は、携帯情報端末E11から送信された着信メロディや、音声情報を家庭内配置機器に転送するための制御を行う。例えば、携帯情報端末E11が、メール着信や音声呼を受信した旨のイベントを示す検知情報とともに、そのイベント発生時に携帯情報端末E11が出力する着信メロディをホームサーバ20に送信する。このとき、呼制御処理部24は、その着信メロディを家庭内配置機器に転送するよう制御する。さらに、呼制御処理部24は、携帯情報端末と電気機械器具との通信を確立させて、携帯情報端末E11が受信した音声情報を家庭内配置機器に転送する。
【0041】
ユーザインタフェース処理部21と、認証処理部22と、データ管理処理部23と、呼制御処理部24と、インタフェース処理部25とは、例えば、プログラム(制御プログラム)に従って動作するホームサーバ20のCPUによって実現される。例えば、プログラムは、ホームサーバ20のデータベース群26に記憶され、CPUは、そのプログラムを読み取り、プログラムに従ってユーザインタフェース処理部21、認証処理部22、データ管理処理部23、呼制御処理部24、及びインタフェース処理部25として動作してもよい。
【0042】
以下の説明では、携帯情報端末E11が、通信ネットワーク104に接続された無線LANアクセスポイントE8及び通信ネットワーク104を介してホームサーバ20に接続する場合について説明する。ただし、携帯情報端末E11は、通信ネットワーク104に接続されている場合に限定されない。例えば、携帯情報端末E11がインターネット101、PSTN102、ISP網103に接続され、これらの通信ネットワークを介してホームサーバ20と通信を行ってもよい。
【0043】
また、本例では、ホームサーバ20が、家庭内配置機器以外の機器の場合について説明するが、家庭内配置機器の1つ(例えば、冷蔵庫E9など)がホームサーバ20として機能してもよい。
【0044】
次に、動作について説明する。図5は、携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属する処理の例を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、データ管理設定DB264に「携帯情報端末E11のユーザが帰宅した場合に、照明を点灯させる」とする内容の制御情報が記憶されているものとする。また、携帯情報端末E11は、既に無線LANに接続が可能になっている(すなわち、携帯情報端末E11が無線LANアクセスポイントE8と接続が可能になっている)ものとする。
【0045】
例えば、携帯情報端末E11は、ホームサーバ20に帰属するため、定期的に若しくは携帯情報端末E11のユーザの明示的な指示により、ユーザIDなどを付加した接続要求信号(以下、REGISTERと記す。)をホームサーバに送信する。(ステップS11)。ホームサーバ20がREGISTERを受信すると、例えば、認証処理部22は、そのREGISTERに、認証IDやパスワードが含まれているかチェックする。例えば、REGISTERに認証IDやパスワードが含まれていない場合、認証処理部22は、認証ID等を要求するための要求信号(以下、Unauthorisedと記す。)を携帯情報端末E11に送信する(ステップS12)。携帯情報端末E11は、Unauthorisedを受信すると認証ID等を付加したREGISTERを再度ホームサーバ20に送信する(ステップS13)。ホームサーバ20がREGISTERを受信すると、認証処理部22は、そのREGISTERに、認証IDやパスワードが含まれているかチェックする。例えば、受信した認証ID及びパスワードが認証情報DB263に記憶された認証ID及びパスワードと一致する場合、認証処理部22は認証成功と判断し、成功した旨の情報を携帯情報端末E11に送信する(ステップS14)。なお、認証処理部22が認証失敗と判断した場合には、失敗した旨の情報を携帯情報端末E11に送信すればよい。
【0046】
本実施形態では、携帯情報端末E11は、家屋内の通信ネットワーク104に接続された無線LANアクセスポイントE8及び通信ネットワーク104を介してホームサーバ20に接続する。そのため、携帯情報端末E11の認証が成功し、携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属した場合、ホームサーバ20は、携帯情報端末E11のユーザが家屋内に存在している(すなわち、帰宅条件を満たす)と判断できる。そこで、インタフェース処理部25は、認証が成功したことを検知すると、携帯情報端末E11のユーザが帰宅したと判断する。データ管理処理部23は「照明を点灯させる」旨の制御情報をデータ管理設定DB264から読み取る。インタフェース処理部25は、その内容に従って制御するための情報(例えば、点灯コマンド)を家庭内配置機器に送信し、(ステップS15)照明を点灯させる(すなわち、照明のスイッチをオンにする)(ステップS16)。
【0047】
なお、ホームサーバ20に帰属した携帯情報端末E11は、ホームサーバ20に、定期的にREGISTERを送信してもよい。ホームサーバ20は、定期的にREGISTERを受信することで、携帯情報端末11がホームサーバ20に帰属していると判断できる。
【0048】
すなわち、ホームサーバ20に帰属した携帯情報端末E11が、ホームサーバ20に帰属後も定期的にホームサーバ20にREGISTERを送信することにより、ホームサーバ20は、携帯情報端末E11のユーザが在宅又は不在であると判断できる。具体的には、インタフェース処理部25は、携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属している場合に「在宅」であると判断し、携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属していない場合に「不在」であると判断することができる。
【0049】
さらに、ユーザ情報DB261が帰宅条件を別途記憶し、インタフェース処理部25がその帰宅条件を判断して、家庭内配置機器を制御してもよい。具体的には、帰宅条件として、「ホームサーバ20に帰属してすぐ(すなわち、「在宅」であることを検知してすぐ」、「ホームサーバ20に帰属して3分後(例えば、忘れ物を取りに帰った場合等を考慮)」、「ホームサーバ20に帰属後、一度帰属していることを検知できない状態(例えば、圏外など)になって、再度ホームサーバ20に帰属(例えば、カーポートでホームサーバ20に帰属し、玄関に移動するまでに一度圏外になり、再度ホームサーバ20に帰属する場合など)」等を設定してもよい。インタフェース処理部25は、これらの条件を満たす制御情報をデータ管理設定DBから読み取って家庭内配置機器を制御する。
【0050】
上記説明では、帰宅条件を満たしたときに、インタフェース処理部25が照明を点灯させる場合について説明した。他にも、帰宅条件を満たしたときに、インタフェース処理部25が空調や風呂などの家電機器を動作させてもよい。
【0051】
また、上記説明では、ユーザ情報DB261が帰宅条件を記憶し、インタフェース処理部25は、その帰宅条件に基づいて家庭内配置機器を制御する場合について説明した。ユーザ情報DB261は、他に、バッテリー切れを判断する条件や、外出時の動作を判断する条件を記憶し、インタフェース処理部25は、その条件に基づいて家庭内配置機器を制御してもよい。
【0052】
例えば、外出やバッテリー切れ等のイベントにより、ホームサーバ20に帰属していない状態(以下、帰属外れと記す。)から、一定時間が経過したときに、家庭内配置機器を動作させ(例えば、鳴動させ)、ユーザに上記イベントを通知してもよい。さらに、ユーザに通知後、一定時間内に再度ホームサーバ20に帰属していない場合、インタフェース処理部25は、ユーザが外出したと判断することができる。この場合、外出時に停止させたい家電製品(例えば、照明など)が稼働状態であれば、これを停止する制御情報をデータ管理設定DB264に設定してもよい。
【0053】
また、上記説明では、携帯情報端末E11が無線LANを介してホームサーバ20に帰属する場合について説明したが、携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属する方法は、無線LANを使用する場合に限定されない。例えば、通信ネットワーク104に非接触型ICカードリーダが接続され、非接触型ICカードリーダは携帯情報端末E11が備えるICカードリーダから各種情報を読み取ることにより、携帯情報端末E11をホームサーバ20に帰属させてもよい。具体的には、携帯情報端末E11のメモリ部12がICカードによって実現され、非接触型ICカードリーダがそのICカードに記憶された情報を読み取り、読み取った情報をホームサーバ20に送信して、携帯情報端末E11をホームサーバ20に帰属させてもよい。若しくは、携帯情報端末E11は、USB/UART((Universal Serial Bus/Universal Asynchronous Receiver Transmitter )による有線接続によってホームサーバ20に帰属してもよい。
【0054】
図6は、携帯情報端末E11にメール着信等のイベントが発生した場合の処理の例を示すシーケンス図である。以下の説明では、携帯情報端末E11はホームサーバ20に既に帰属している状態にあるものとする。
【0055】
携帯情報端末E11が、メールの着信を検知する(ステップS21)と、制御部13は検知情報(以下、NOTIFYと記すこともある。)をホームサーバ20に送信する(ステップS22)。ホームサーバ20は検知情報を受信すると、インタフェース処理部25は、データ管理設定DB264に設定された制御情報に従い、家屋内に配置されたスピーカE5などの家庭内配置機器を鳴動させるよう制御する(ステップS23)。インタフェース処理部25は、家庭内配置機器が予め備える機能に対して制御する。例えば、家庭内配置機器が、アラーム音を出力する機能を備えている場合、インタフェース処理部25は、アラーム音出力のオン/オフを制御する。ホームサーバ20は、制御した家庭内配置機器から受信した応答(ステップS24)を、携帯情報端末E11に送信する(ステップS25)。こうすることにより、携帯情報端末E11と異なる部屋や風呂場などにユーザがいる場合でも、メール着信等のイベントを通知することができる。
【0056】
また、インタフェース処理部25は、携帯情報端末E11自身の機能に基づいて発生させたイベントを検知して家庭内配置機器を制御してもよい。例えば、携帯情報端末E11が目覚まし機能やスケジュールアラーム機能を備えている場合、インタフェース処理部25は、それらの機能に基づいて発生させたイベントに応じた検知情報を受信し、その検知情報に応じて家庭内配置機器を制御してもよい。
【0057】
図7は、携帯情報端末E11の着信メロディを転送する場合の処理の例を示すシーケンス図である。携帯情報端末E11がメール着信等のイベントを検知する(ステップS31)と、携帯情報端末E11は、検知情報として、例えば、コーデック情報等のSDP(Session Description Protocol)を含んだセッション参加リクエスト(以下、INVITEと記す。)をホームサーバ20に送信する(ステップS32)。ホームサーバ20が検知情報を受信すると、呼制御処理部24は、例えば、ホームサーバ20から送信されるINVITEに対する最終レスポンスの確認信号(以下、ACKと記す。)により、コーデックのネゴシエーションを行う。ネゴシエーションに成功すると、呼制御処理部24は、携帯情報端末E11に成功した旨の通知を行う(ステップS33)。また、インタフェース処理部25は鳴動させるスピーカなどの家庭内配置機器の電源をオンにする(ステップS34)。
【0058】
携帯情報端末E11は、ネゴシエーションに成功した旨の通知を受信すると、例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)などの音声伝送プロトコルを使用してホームサーバ20に着信メロディを送信する(ステップS35)。呼制御処理部24は、データ管理設定DB264に設定された制御情報に従い、RTPを使用して送信された着信メロディを、そのままスピーカなどの家庭内配置機器に転送する(ステップS36)。着信メロディを受け取った家庭内配置機器は、その着信メロディを出力する(ステップS37)。
【0059】
なお、着信メロディの転送先の家庭内配置機器がRTP非対応の場合、呼制御処理部24は、RTPを終端してD/Aコンバータなどを用いてアナログ信号等に変換し、そのアナログ信号等を家庭内配置機器に転送すればよい。
【0060】
その後、例えば、携帯情報端末E11がメロディ停止の指示を検知して(ステップS38)ホームサーバ20にその旨の信号を送信する(ステップS39)と、インタフェース処理部25は鳴動させるスピーカなどの家庭内配置機器の電源をオフにする(ステップS40)。また、呼制御処理部24は、携帯情報端末E11に処理が完了した旨の通知を行う(ステップS41)。
【0061】
なお、上記説明では、音声伝送プロトコルとしてRTPを使用する場合を例に説明したが、音声伝送プロトコルはRTPに限定されない。
【0062】
携帯情報端末E11のユーザは、音声情報や電子メールの発信者に応じた着信メロディを携帯情報端末E11に出力させる設定を行うことがある。このような場合であっても、携帯情報端末E11が発信者に応じた着信メロディをホームサーバ20に送信することにより、発信者に応じた着信メロディを家庭内配置機器に出力することができる。
【0063】
図8は、携帯情報端末E11が受信する音声を家庭内配置機器に転送する場合の処理の例を示すシーケンス図である。以下の説明では、音声を転送する家庭内配置機器をIP電話機E1として説明する。携帯情報端末E11が音声呼のイベントを検知する(ステップS51)と、携帯情報端末E11は、INVITEをホームサーバ20に送信する(ステップS52)。ホームサーバ20が検知情報を受信すると、呼制御処理部24は、INVITEをIP電話機E1に転送する(ステップS53)。ホームサーバ20は、IP電話機E1がINVITEを受信し、その応答として送信する信号(例えば、Session Progressなど)を受信し(ステップS54)、その信号を携帯情報端末E11に転送する(ステップS55)。携帯情報端末E11は、その信号によりコーデックのネゴシエーションを行う。ネゴシエーションに成功すると、携帯情報端末E11は、例えば、RTPを使用し、ホームサーバ20を介して着信メロディをIP電話機E1に送信する(ステップS56)。IP電話機E1は、受信した着信メロディを着信音として再生する(ステップS57)。
【0064】
ホームサーバ20は、IP電話機E1が呼び出し中であることを携帯情報端末E11に伝えるための暫定応答(以下、Ringingと記す。)をIP電話機E1から受信すると(ステップS58)、携帯情報端末E1にその暫定応答を転送する(ステップS59)。その後、ホームサーバ20は、IP電話機E1がオフフックされ(ステップS60)、メロディ鳴動の停止を示す信号を受信する(ステップS61)と、その信号を携帯情報端末E11に転送する(ステップS62)。携帯情報端末E11は、その信号を受信すると、着信メロディの送信を停止し、音声通話に切り替える。これらの処理によって、携帯情報端末E11とIP電話機E1と通信が可能になった状態を、通信が確立した状態ということができる。携帯情報端末E11とIP電話機E1とは、例えば、RTPを使用してその音声通話を送受信する(ステップS63)。こうすることにより、外部の電話機から携帯情報端末E11宛に音声着信があってもIP電話機E1を使用して通話することができる。
【0065】
例えば、IP電話機E1が、オンフックして通話を終了させ(ステップS64)、ホームサーバ20に通話終了を示す信号(以下、BYEと記す。)を送信すると(ステップS65)、ホームサーバ20は、その信号を携帯情報端末E11に転送する(ステップS66)。携帯情報端末E11は、その信号に応答した旨の信号をホームサーバ20に送信し(ステップS67)、ホームサーバ20は、その信号をIP電話機E1に転送する(ステップS68)。なお、携帯情報端末E11がオンフックして通話を終了させた場合、携帯情報端末E11は、IP電話機E1への音声情報の転送をキャンセルするための信号をホームサーバ20へ送信してもよい。
【0066】
このような動作により、IP電話機E1は、例えば、PSTN103などの電話網を介して受信した音声着信であっても、ISP網102などのインターネット回線を介して受信したデータと判断して処理を行うことができる。すなわち、IP電話機E1は、例えば、FAX機能や自動応答機能を持つ留守番電話機能などの機能をそのまま使用できる。また、携帯情報端末E11は、例えば、FAXへのデータ転送が可能であるため、発信側は携帯情報端末E11宛にFAXを送信できるように見える。そのため、発信側が携帯情報端末E11宛にFAXを送信しても、携帯情報端末E11のユーザはデータ転送したFAXで情報を受信できる。
【0067】
なお、上記説明では、音声伝送プロトコルとしてRTPを使用する場合を例に説明したが、音声伝送プロトコルはRTPに限定されない。
【0068】
図9は、携帯情報端末E11を操作して、ホームサーバ20の制御情報等を設定する処理の例を示すシーケンス図である。例えば、ユーザインタフェース部14がホームサーバ20に対する制御情報等設定開始の要求を検知する(ステップS71)と、制御部13はホームサーバ20に情報登録に関する要求信号(以下、SUBSCRIBEと記す。)を送信する(ステップS72)。SUBSCRIBEには、端末側で設定が必要な情報(以下、端末設定情報と記す。)が含まれる。端末設定情報は、例えば、携帯情報端末E11が検知するイベントの内容などであるが、端末設定情報は、イベントの内容に限定されない。
【0069】
ホームサーバ20は、SUBSCRIBEを受信すると、データ管理処理部23は、端末設定情報とホームサーバ20に接続される家庭内配置機器の情報をもとに、例えば、図4の例に示す画面を生成する。ホームサーバ20は、例えば、作成した画面を参照可能なURL(Uniform Resource Locator)を含んだイベント通知信号(以下、NOTIFYと記す。)を携帯情報端末E11に送信する(ステップS73)。携帯情報端末E11は、このNOTIFYを受信すると、例えば、ユーザの指示に応じ、制御部13は受信したURLにアクセスして(ステップS74)、ユーザインタフェース部14にその画面を表示させる(ステップS75)。
【0070】
制御部13は、ユーザインタフェース部14を介して入力された設定情報(ステップS76)をホームサーバ20に送信する(ステップS77)。データ管理処理部23は、ホームサーバ20が受信した情報をデータベース群26の各DBに記憶させる(ステップS78,79)。
【0071】
上記説明では、携帯情報端末E11のユーザインタフェース部14を介して制御情報を入力する場合について説明したが、制御情報の入力方法は上記場合に限定されない。例えば、ホームサーバ20のユーザインタフェース処理部21がコントロールパネルE2などの出力装置に表示させた画面を介して制御情報を入力してもよい。この場合、ホームサーバ20は、携帯情報端末E11にSUBSCRIBEを送信して端末設定情報を問い合わせる。ホームサーバ20は、端末設定情報を含んだNOTIFYを受信すると、データ管理処理部23は、端末設定情報とホームサーバ20に接続される家庭内配置機器の情報をもとに、例えば、図4の例に示す画面を生成する。ユーザインタフェース処理部21は、生成した画面を、例えば、コントロールパネルE2などの出力装置に出力させる。例えば、携帯情報端末E11のユーザが上記画面を介して制御情報を入力すると、データ管理処理部23は、入力された制御情報をデータベース群26の各DBに記憶させる。また、インタフェース処理部25は、設定した情報を携帯情報端末E11に送信してもよい。
【0072】
本発明によれば、携帯情報端末E11が、携帯情報端末E11自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報を、ホームサーバ20に送信する。そして、ホームサーバ20が携帯情報端末E11から検知情報を受信すると、受信した検知情報に応じて予め定めた制御内容に従って家庭内配置機器を制御する。そのため、携帯情報端末E11を家屋内のどこに設置していても、携帯情報端末E11で発生したイベントを携帯情報端末E11のユーザに通知することができる。
【0073】
また、携帯情報端末E11が、家庭内配置機器に出力させるための着信メロディをホームサーバ20へ送信し、ホームサーバ20が、着信メロディを受信したときに、その着信メロディを家庭内配置機器に転送する。そして、インタフェース処理部25が、家庭内配置機器に転送した着信メロディをその家庭内配置機器に出力させる。そのため、音声情報や電子メールの着信に応じて携帯情報端末E11に設定した着信メロディを、家庭内配置機器でその設定のまま通知を受けることができる。
【0074】
さらに、ホームサーバ20が、転送した着信メロディに対する応答信号を家庭内配置機器から受信したときに、携帯情報端末E11と家庭内配置機器との通信を確立させ、携帯情報端末E11が、家庭内配置機器との通信が確立したときに、音声情報を家庭内配置機器に送信する。そのため、IP電話機E1は、例えば、FAX機能や自動応答機能を持つ留守番電話機能などの機能をそのまま使用できる。また、携帯情報端末E11は、例えば、FAXへのデータ転送が可能であるため、発信側は携帯情報端末E11宛にFAXを送信できるように見える。そのため、発信側が携帯情報端末E11宛にFAXを送信しても、携帯情報端末E11のユーザはデータ転送したFAXで情報を受信できる。
【0075】
さらに、ホームサーバ20が、ホームサーバ20と携帯情報端末E11との接続状態に応じて定められる制御条件を満たすときに、その制御条件に応じた制御内容に従って家庭内配置機器を制御する。そのため、例えば、ユーザの帰宅や外出に合わせて家庭内配置機器を自動制御できる。
【0076】
図10は、本発明におけるイベント通知システムの概要を示すブロック図である。本発明によるイベント通知システムは、携帯情報端末80(例えば、携帯情報端末E11)と電気機械器具を制御可能な制御サーバ90(例えば、ホームサーバ20)とを備えている。
【0077】
携帯情報端末80は、携帯情報端末80自身の機能に基づいて発生させたイベント(例えば、目覚まし鳴動)若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベント(例えば、電子メールや音声呼の受信)を検知する検知手段81(例えば、無線通信部11、制御部13)と、検知手段81がイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報を制御サーバ90に送信する検知情報送信手段82(例えば、制御部13)を備えている。
【0078】
制御サーバ90は、イベントを携帯情報端末80のユーザに通知するために行う電気機械器具(例えば、家庭内配置機器)の制御内容(例えば、照明を点灯させる、スピーカを鳴動させる、スピーカの電源をオン/オフする)を検知情報に応じて記憶する制御内容記憶手段91(例えば、データ管理設定DB264)と、携帯情報端末80から検知情報を受信したときに、制御内容記憶手段91に記憶された検知情報に対応する制御内容に従って電気機械器具を制御する制御手段92(例えば、ステップS15,S23,S34,S40を実行するインタフェース処理部25)とを備えている。
【0079】
そのような構成により、携帯情報端末がユーザの手元にない場合にも、その携帯情報端末に発生したイベントをリアルタイムにユーザに通知できる。
【0080】
また、上記実施形態には、携帯情報端末80が、電気機械器具に出力させるための音情報(例えば、着信メロディ)を制御サーバ90へ送信する音情報送信手段(例えば、制御部13)を備え、制御サーバ90が、音情報を携帯情報端末80から受信したときに、その音情報を電気機械器具に転送する音情報転送手段(例えば、呼制御処理部24)を備え、制御手段92が、電気機械器具を、音情報を出力可能な状態にする(例えば、ステップS34におけるスピーカの電源をオンにする)構成が開示されている。
【0081】
また、音情報送信手段が、音声伝送プロトコル(例えば、RTP)を使用して音情報を制御サーバに90送信し、音情報転送手段が、音声伝送プロトコルを使用して音情報を電気機械器具に転送してもよい。
【0082】
また、音情報転送手段が、音声伝送プロトコルを使用して送信された音情報に電気機械器具が対応していない場合(例えば、RTP非対応の場合)、音情報をその電気機械器具が出力可能な形式の信号に変換(例えば、D/Aコンバータを用いてアナログ信号に変換)して電気機械器具に転送してもよい。
【0083】
また、上記実施形態には、制御サーバ90が、音情報転送手段が電気機械器具に音情報を転送して音情報に対する応答信号(例えば、Session Progress)を電気機械器具から受信したときに、携帯情報端末と電気機械器具との通信を確立させる通信確立手段(例えば、呼制御処理部24)を備え、携帯情報端末81が、電話機であり、電気通信確立手段が電気機械器具との通信を確立させたときに、外部の電話機から受信した音声情報を電気機械器具に送信する音声情報送信手段(例えば、制御部13)を備えた構成が開示されている。
【0084】
また、上記実施形態には、制御サーバ90が、制御サーバ90と携帯情報端末80との接続状態(例えば、携帯情報端末80が制御サーバ90に帰属しているか否かなど。)に応じて定められる電気機械器具を制御するための制御条件(例えば、帰宅条件)と、制御条件を満たす場合の制御内容とを対応付けて記憶する制御条件記憶手段(例えば、ユーザ情報DB261)を備え、制御手段91が、携帯情報端末80が制御条件を満たすときに、制御条件記憶手段に記憶された制御条件に対応する制御内容に従って電気機械器具を制御する構成が開示されている。
【0085】
また、検知情報送信手段82は、非接触型ICカードリーダを使用して検知情報を管理サーバ90に送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、携帯情報端末に発生したイベントを他の機器に通知するイベント通知システムに好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】イベント通知システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】携帯情報端末E11の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】ホームサーバ20の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】検知情報を記憶させるために表示する画面の例を示す説明図である。
【図5】携帯情報端末E11がホームサーバ20に帰属する処理の例を示すシーケンス図である。
【図6】携帯情報端末E11にメール着信等のイベントが発生した場合の処理の例を示すシーケンス図である。
【図7】携帯情報端末E11の着信メロディを転送する場合の処理の例を示すシーケンス図である。
【図8】携帯情報端末E11が受信する音声を家庭内配置機器に転送する場合の処理の例を示すシーケンス図である。
【図9】ホームサーバ20の制御情報等を設定する処理の例を示すシーケンス図である。
【図10】本発明におけるイベント通知システムの概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
11 無線通信部
12 メモリ部
13 制御部
14 ユーザインタフェース部
15 バス
20 ホームサーバ
21 ユーザインタフェース処理部
22 認証処理部
23 データ管理処理部
24 呼制御処理部
25 インタフェース処理部
26 データベース群
E0 家庭内機器群
E1 IP電話機
E2 コントロールパネル
E8 無線LANアクセスポイント
E11 携帯情報端末
101 インターネット
102 PSTN
103 ISP網
104 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末と、
電気機械器具を制御可能な制御サーバとを備え、
携帯情報端末は、
当該携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知手段と、
前記検知手段がイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報を前記制御サーバに送信する検知情報送信手段を備え、
前記制御サーバは、
前記イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容を前記検知情報に応じて記憶する制御内容記憶手段と、
携帯情報端末から前記検知情報を受信したときに、前記制御内容記憶手段に記憶された当該検知情報に対応する前記制御内容に従って電気機械器具を制御する制御手段とを備えた
ことを特徴とするイベント通知システム。
【請求項2】
携帯情報端末は、
電気機械器具に出力させるための音情報を制御サーバへ送信する音情報送信手段を備え、
制御サーバは、
前記音情報を携帯情報端末から受信したときに、当該音情報を電気機械器具に転送する音情報転送手段を備え、
制御手段は、電気機械器具を、音情報を出力可能な状態にする
請求項1記載のイベント通知システム。
【請求項3】
音情報送信手段は、音声伝送プロトコルを使用して音情報を制御サーバに送信し、
音情報転送手段は、前記音声伝送プロトコルを使用して音情報を電気機械器具に転送する
請求項2記載のイベント通知システム。
【請求項4】
音情報転送手段は、音声伝送プロトコルを使用して送信された音情報に電気機械器具が対応していない場合、当該音情報を当該電気機械器具が出力可能な形式の信号に変換して当該電気機械器具に転送する
請求項3記載のイベント通知システム。
【請求項5】
制御サーバは、
音情報転送手段が電気機械器具に音情報を転送して当該音情報に対する応答信号を電気機械器具から受信したときに、携帯情報端末と当該電気機械器具との通信を確立させる通信確立手段を備え、
携帯情報端末は、電話機であり、
前記通信確立手段が電気機械器具との通信を確立させたときに、外部の電話機から受信した音声情報を電気機械器具に送信する音声情報送信手段を備えた
請求項2から請求項4のうちのいずれか1項に記載のイベント通知システム。
【請求項6】
制御サーバは、
制御サーバと携帯情報端末との接続状態に応じて定められる電気機械器具を制御するための制御条件と、前記制御条件を満たす場合の制御内容とを対応付けて記憶する制御条件記憶手段を備え、
制御手段は、
携帯情報端末が前記制御条件を満たすときに、前記制御条件記憶手段に記憶された当該制御条件に対応する制御内容に従って電気機械器具を制御する
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のイベント通知システム。
【請求項7】
検知情報送信手段は、非接触型ICカードリーダを使用して検知情報を管理サーバに送信する
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載のイベント通知システム。
【請求項8】
電気機械器具を制御可能な制御サーバであって、
携帯情報端末が当該携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベントの検知若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントの検知に応じて定められた検知情報と、前記イベントを前記携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容とを対応付けて記憶する制御内容記憶手段と、
携帯情報端末から前記検知情報を受信したときに、前記制御内容記憶手段に記憶された当該検知情報に対応する前記制御内容に従って電気機械器具を制御する制御手段とを備えた
ことを特徴とする制御サーバ。
【請求項9】
電気機械器具に出力させるための音情報を携帯情報端末から受信したときに、当該音情報を電気機械器具に転送する音情報転送手段を備え、
制御手段は、電気機械器具を、音情報を出力可能な状態にする
請求項8記載の制御サーバ。
【請求項10】
携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知手段と、
前記検知手段がイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報に対し当該イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために電気機械器具ごとに予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御サーバに当該検知情報を送信する検知情報送信手段を備えた
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項11】
電気機械器具に出力させるための音情報を制御サーバへ送信する音情報送信手段を備えた
請求項10記載の携帯情報端末。
【請求項12】
携帯情報端末が、当該携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知ステップと、
携帯情報端末が、前記検知ステップでイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報を、電気機械器具を制御可能な制御サーバに送信する検知情報送信ステップと、
前記制御サーバが、携帯情報端末から前記検知情報を受信したときに、前記検知情報ごとに前記イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために電気機械器具に対して予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御ステップとを含む
ことを特徴とするイベント通知方法。
【請求項13】
携帯情報端末が、電気機械器具に出力させるための音情報を制御サーバへ送信する音情報送信ステップと、
制御サーバが、前記音情報を携帯情報端末から受信したときに、当該音情報を電気機械器具に転送する音情報転送ステップとを含み、
制御ステップで、電気機械器具を、音情報を出力可能な状態にする
請求項12記載のイベント通知方法。
【請求項14】
電気機械器具を制御可能な制御サーバが、携帯情報端末が当該携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベントの検知若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントの検知に応じて定められた検知情報を携帯情報端末から受信する受信ステップと、
前記制御サーバが、前記検知情報を受信したときに、前記イベントを前記携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容であって前記検知情報ごとに予め定められた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御ステップとを含む
ことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
電気機械器具に出力させるための音情報を携帯情報端末から受信したときに、当該音情報を電気機械器具に転送する音情報転送ステップを含み、
制御ステップで、電気機械器具を、音情報を出力可能な状態にする
請求項14記載の制御方法。
【請求項16】
携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知し、
イベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報に対し当該イベントを携帯情報端末のユーザに通知するために電気機械器具ごとに予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御サーバに当該検知情報を送信する
ことを特徴とする情報送信方法。
【請求項17】
電気機械器具に出力させるための音情報を制御サーバへ送信する
請求項16記載の情報送信方法。
【請求項18】
電気機械器具を制御可能なコンピュータに搭載される制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
携帯情報端末が当該携帯情報端末自身の機能に基づいて発生させたイベントの検知若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントの検知に応じて定められた検知情報を携帯情報端末から受信する受信処理、および、
前記検知情報を受信したときに、前記イベントを前記携帯情報端末のユーザに通知するために行う電気機械器具の制御内容であって前記検知情報ごとに予め定められた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御処理
を実行させるための制御プログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
電気機械器具に出力させるための音情報を携帯情報端末から受信したときに、当該音情報を電気機械器具に転送する音情報転送処理を実行させ、
制御処理で、電気機械器具を、音情報を出力可能な状態にさせる
請求項18記載の制御プログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
コンピュータ自身の機能に基づいて発生させたイベント若しくは外部通信機器から信号を受信した旨のイベントを検知する検知処理、および、
前記検知処理でイベントを検知したときに、検知したイベントに応じて定められた検知情報に対し当該イベントをコンピュータのユーザに通知するために電気機械器具ごとに予め定めた制御内容に従って電気機械器具を制御する制御サーバに当該検知情報を送信する検知情報送信処理
を実行させるための情報送信プログラム。
【請求項21】
コンピュータに、
電気機械器具に出力させるための音情報を制御サーバへ送信する音情報送信処理
を実行させる請求項20記載の情報送信プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−141732(P2010−141732A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317586(P2008−317586)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】