説明

イミダゾール誘導体III

本発明は、一般式(I)(式中、R、R、R及びRは明細書定義と同義である)により表わされるイミダゾール誘導体及びその薬学的に許容しうる塩、並びにその製造方法に関する。本発明はまた、前記イミダゾールを含有する医薬、及び急性及び/又は慢性の神経障害、特に不安症といったmGluR5受容体が媒介する障害の治療及び予防のための、あるいは慢性及び急性の疼痛の処置のための、医薬の製造のためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式:
【0002】
【化14】

【0003】
(式中、
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、CF、CFH、OCF、OCFH又はシアノであり;
は、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、低級アルキル、シクロアルキル、−(CH−シクロアルキル、−(CH−CN又は−(CH−O−低級アルキル、低級アルコキシアリール、F−Rであり;
ここで、Rは、低級アルキル又は低級アルケニルであり;
nは、1、2又は3であり;
は、水素、C(O)H又はCHであり、
ここで、Rは、水素、OH、C〜C−アルキル、C〜C12−シクロアルキルである)
により表わされるイミダゾール誘導体、及びその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0004】
驚いたことに、一般式Iにより表わされる化合物は代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストであることが今や見いだされた。式Iにより表わされる化合物は、有益な治療上の特性を有することにより識別される。これらは、mGluR5受容体が媒介する障害の治療又は予防に用いることができる。
【0005】
中枢神経系(CNS)では、刺激の伝達は、神経伝達物質の相互作用により行なわれ、これはニューロンにより、神経受容体により送られる。
【0006】
グルタミン酸は、脳内の主要な興奮性神経伝達物質であり、そして中枢神経系(CNS)の様々な機能において固有の役割を担っている。グルタミン酸依存性の刺激受容体は、2つの主なグループに分けられる。第1の主要なグループは、いわゆるイオンチャンネル型受容体であり、リガンドによりコントロールされるイオンチャンネルを形成する。代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)は、第2の主要なグループに属し、そしてさらに、Gタンパク質共役受容体のファミリーに属する。
【0007】
現在、これらのmGluRの8つの異なるメンバーが既知であり、さらにこれらのうちのいくつかは、サブタイプを有する。その配列ホモロジー、シグナル伝達メカニズム及びアゴニスト選択性によれば、これらの8つの受容体はさらに3つのサブグループに分けられる。
【0008】
mGluR1及びmGluR5はグループIに属し、mGluR2及びmGluR3はグループIIに属し、そしてmGluR4、mGluR6、mGluR7及びmGluR8はグループIIIに属する。
【0009】
第1のグループに属する代謝型グルタミン酸受容体のリガンドは、精神病、てんかん、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害や記憶障害といった急性及び/又は慢性の神経障害だけでなく、慢性及び急性の疼痛の治療又は予防に用いることができる。
【0010】
これに関する他の治療可能な適応としては、バイパス手術又は移植により引き起こされる脳の機能の制限、脳への血液供給の減少、脊髄損傷、頭部損傷、妊娠による低酸素状態、心停止及び低血糖症が挙げられる。さらに治療可能な適応としては、虚血、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSにより引き起こされる痴ほう、眼部損傷、網膜症、特発性パーキンソン病、又は薬により引き起こされるパーキンソン病だけでなく、例えば筋攣縮、けいれん、片頭痛、尿失禁、ニコチン中毒、鎮静剤依存症、不安症、嘔吐、運動障害やうつ病といったグルタミン酸欠乏機能に至る症状が挙げられる。
【0011】
mGluR5が全体として、又は部分的に媒介する疾患としては、例えばアルツハイマー病、老人性痴呆症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症及び多発性硬化症といった神経系の急性、外傷性及び慢性の変性過程、統合失調症及び不安症といった精神病、うつ病、疼痛並びに薬物依存症が挙げられる(Expert Opin. Ther. Patents (2002), 12, (12))。
【0012】
選択的なmGluR5のアンタゴニストは、特に不安症及び疼痛の処置に有用である。
【0013】
本発明は、式Iにより表わされる化合物及びその薬学的に許容しうる塩、薬学的活性物質としての前記化合物並びにその製造に関する。
【0014】
本発明はまた、式Iにより表わされる化合物についての前記概説した一般的手順に従って、一般式Iに記載の化合物を調製する方法にも関する。
【0015】
さらに本発明は、急性及び/又は慢性の神経障害、特に不安症、並びに慢性又は急性の疼痛といったmGluR5受容体が媒介する障害の治療及び予防のための、本発明の1つ以上の化合物及び薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬にも関する。
【0016】
本発明は、前記概説したmGluR5受容体が媒介する障害の治療及び予防のための医薬の製造のための、本発明の化合物及びその薬学的に許容しうる塩の使用にも関する。
【0017】
本明細書の記載に用いられている一般用語についての以下の定義は、問題となる用語が単独で、又は組み合わせで登場するに関わらず、適用される。
【0018】
本明細書の記載で用いられる用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチルなどを意味する。
【0019】
用語「低級アルケニル」は、2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子、及び1個以上のオレフィン二重結合、好ましくは1個のオレフィン二重結合を有する直鎖又は分岐の炭化水素基、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)又は2−ブテニル(クロチル)を意味する。
【0020】
用語「低級アルコキシ」は、アルキルが前記と同義である−O−C1〜6アルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、さらにその異性体を意味する。
【0021】
用語「アリール」は、1個の独立環からなる一価の芳香族炭素環式基を意味する。好ましいアリールは、フェニルである。
【0022】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0023】
用語「シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を含む飽和炭素環基を意味する。
【0024】
用語「薬学的に許容しうる塩」は、無機又は有機の酸又は塩基から生じる全ての塩を表わす。
【0025】
本発明には、一般式IA:
【0026】
【化15】

【0027】
(式中、
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、CF又はシアノであり;
は、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、低級アルキル、シクロアルキル、−(CH−シクロアルキル、−(CH−CN又は−(CH−O−低級アルキルであり;
nは、1、2又は3である)
により表わされる化合物、及びその薬学的に許容しうる塩も包含される。
【0028】
特に好ましくは、Rが、−(CH−シクロアルキルであり、そしてその他の定義は前記と同義である化合物、例えば以下の化合物:
4−(1−シクロプロピルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
4−(1−シクロブチルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
2−クロロ−4−(1−シクロプロピルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン、又は
2−クロロ−4−(1−シクロブチルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
である。
【0029】
さらに特に好ましくは、Rが、低級アルキルである化合物、例えば以下の化合物:
4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
4−(1−イソプロピル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
4−(1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、又は
2−クロロ−4−(1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
である。
【0030】
さらに好ましくは、Rが、−CH−CN又は−(CH−O−低級アルキルである化合物、例えば以下の化合物:
[2−メチル−5−(2−メチル−ピリジン−4−イルエチニル)−イミダゾール−1−イル]−アセトニトリル、又は
4−[1−(2−メトキシ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン
である。
【0031】
なおもさらに好ましい化合物は、Rが、F−Rである化合物、例えば以下の化合物:
4−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン、
2−クロロ−4−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン、
4−[1−((E)−2−フルオロ−ビニル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン、
2−クロロ−4−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン、又は
2−メチル−4−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
である。
【0032】
本発明の式I又はIAにより表わされる化合物は、
(a)式II
【0033】
【化16】

【0034】
(式中、R、R及びRは、前記と同義である)により表わされる化合物を、
式III
【0035】
【化17】

【0036】
(式中、Rは、前記と同義であり、そしてZは、ハロゲン又はメチルスルホナート(OSOCH)である)で表わされる化合物と反応させること、又は
(b)式IV
【0037】
【化18】

【0038】
(式中、R、R及びRは、前記と同義である)により表わされる化合物を、
式V
【0039】
【化19】

【0040】
(式中、Rは、前記と同義であり、そしてXは、ハロゲンである)により表わされる化合物と反応させること;又は
(c)式VI
【0041】
【化20】

【0042】
(式中、R、R及びRは、前記と同義であり、そしてhalは、ハロゲンである)により表わされる化合物を、式VII
【0043】
【化21】

【0044】
(式中、Rは、前記と同義であり、そしてYは、トリメチルシリル又は水素である)により表わされる化合物と反応させること
そして所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩へ変換すること
を含む方法に従って、調製することができる。
【0045】
(a)に記載した反応は、標準の手順に従って、例えば式IIで表わされる化合物、及びZがハロゲンである式IIIで表わされる化合物を、水素化ナトリウムのような塩基と、テトラヒドロフランのような溶媒中で、加熱することにより実施するとよい。(b)に記載した反応は、式IVにより表わされる化合物と式Vにより表わされる化合物との、例えばCuI、(PhP)PdCl、EtNの存在下、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミドのような溶媒中での、ソノガシラ(Sonogashira)カップリングにより行なうことができる(Sonogashiraら、Synthesis 777 (1977))。1つの実施態様では、式Vにより表わされる化合物におけるXは、臭素又はヨウ素を意味する。前記(c)に記載した反応は、例えばCuI、(PhP)PdCl、EtN、n−BuFの存在下、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミドのような溶媒中で行なうことができる。
【0046】
塩の形態は、当業者に既知の標準的手順により作製される。
【0047】
式III及びVにより表わされる化合物は、市販で入手可能であるし、またその調製は当業者に既知である。
【0048】
一般式Iにより表わされる化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、以下に示すような、一般的手順:
a)式
【0049】
【化22】

【0050】
により表わされる化合物と、式
【0051】
【化23】

【0052】
(式中、Rは、前記と同義であり、そしてZは、ハロゲンである)により表わされる化合物とを反応させて、式
【0053】
【化24】

【0054】
(式中、R、R及びRは、前記と同義であり、そしてHalは、好ましくはクロロ、ブロモ又はヨードである)により表わされる化合物とすること、
そして所望であれば、Rが水素以外である場合は、
b)式IAにより表わされる化合物と、式:
【0055】
【化25】

【0056】
により表わされる化合物とを反応させて、式
【0057】
【化26】

【0058】
(式中、R、R、R及びRは、前記と同義である)により表わされる化合物とすること、
そして所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩へ変換すること
により、製造することができる。
【0059】
本化合物は、以下のスキーム:
【0060】
【化27】



【0061】
(式中、定義は前記と同義である)に示した手順により、合成することができる。
【0062】
前記スキーム1を、Rが、クロロであり、Rが、メチルであり、そしてRが、イソブチルである化合物の調製に関して、より詳細に記載する。
【0063】
工程1
2−クロロ−4−ヨード−ピリジンを、THF及びトリエチルアミンに溶解する。混合物を抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去する。トリフェニルホスフィン及び塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を加え、そして反応混合物を室温で約1時間撹拌する。ヨウ化銅(I)及びトリメチルシリルアセチレンを、加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、そして慣用の様式で後処理する。所望とする生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いる。
【0064】
工程2
溶液1:工程1)に示したように、2−クロロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン及び5−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾール(合成:M.D.Cliff、S.G.Pyne、Synthesis 1994年、681〜682)を、THF及びDMFに溶解する。この混合物を抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去する。
【0065】
溶液2:トリフェニルホスフィン、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ヨウ化銅(I)及びトリエチルアミンを、THFに溶解する。この混合物も抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去する。
【0066】
溶液2を約40℃に加熱し、そして溶液1を滴下して加える。反応混合物を約60℃に加熱し、そしてフッ化テトラブチルアンモニウム溶液を45分かけて滴下して加える。次に、反応物を室温で一晩撹拌する。溶媒を、蒸発させる。残渣を後処理し、そして慣用の様式で精製する。
【0067】
工程3
水素化ナトリウムを、THFに懸濁する。THF中の2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジンの溶液を加え、そして反応混合物を室温で約30分間撹拌する。THF中の臭化イソブチルの溶液を加え、そして一晩撹拌し続ける。生成物を単離し、そして慣用の様式で精製する。
【0068】
前記スキームに従って、2つの位置異性体の混合物を最終生成物について得る場合には、この混合物をHPLC(chiralpak AD、ヘプタン/エタノール4/1)で分離することができる。
【0069】
が、クロロであり、Rが、メチルであり、Rが、シクロプロピルであり、そしてRが、メチルである化合物の調製に関して、前記スキーム2を、より詳細に記載する。
【0070】
工程1
N−アセチルグリシン及び塩化ホスホルオキシを混合し、そして5℃に冷却する。N’,N’−ジメチルアセトアミドを、ゆっくりと30分かけて5〜10℃で滴下して加える(発熱する!)。反応混合物を45℃で2.5時間撹拌し、そして次に室温に冷却する。ジクロロメタンを加え、そして混合物を氷水に注ぐ。混合物を水酸化アンモニウムでpH8に調整し、後処理し、そして慣用の様式で精製する。
【0071】
工程2
4−[1−ジメチルアミノ−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチル−4H−オキサゾール−5−オンをエタノールに溶解し、そして水素化ナトリウムを室温で加える。暗色溶液を、1時間還流する。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物をさらに精製することなく次の工程に用いる。
【0072】
工程3
(Z)−2−アセチルアミノ−3−ジメチルアミノ−ブタ−2−エン酸エチルエステル及びシクロプロピルアミンを、室温で酢酸中で2時間撹拌する。反応混合物をゆっくりと水で稀釈し、そして減圧下35℃で蒸発させる。水を残渣に加え、そして35℃で再度蒸発させる。同じ手順をトルエンを用いて2回繰り返し、粗中間体を得、それをヘキサメチルジシラザン中の微粉末硫酸アンモニウムと共に一晩145℃で還流した。反応混合物を後処理し、そして慣用の様式で精製する。
【0073】
工程4
1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルを乾燥THFに溶解し、そして0℃に冷却する。水素化アルミニウムリチウムを滴下して加え、そして0℃で1時間撹拌する。反応混合物をクエンチし、そして通常の様式で後処理する。所望とする生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いる。
【0074】
工程5
(1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)−メタノールを、ジクロロメタン中に溶解する。酸化マンガン(IV)を加え、そして反応混合物を還流して2時間撹拌する。懸濁液をdicalite speed plus padを通して濾過し、そして蒸発させて所望とする生成物を得る。
【0075】
工程6
(1−ジアゾ−2−オキソ−プロピル)−ホスホン酸ジメチルエステルを、メタノールに溶解する。炭酸カリウムを、加える。メタノール中の1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルバルデヒドの溶液を、室温で滴下して加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、後処理し、そして慣用の様式で精製する。
【0076】
工程7
2−クロロ−4−ヨード−ピリジンを、THF及びトリエチルアミンに溶解する。混合物を抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去する。トリフェニルホスフィン及び塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を加え、そして反応混合物を室温で約1時間撹拌する。ヨウ化銅(I)及び1−シクロプロピル−4−エチニル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾールを、加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、後処理し、そして慣用の様式で精製する。
【0077】
が、クロロであり、Rが、メチルであり、Rが、1,1−ジフルオロエチルであり、そしてRが、水素である化合物の調製に関して、前記スキーム3を、より詳細に記載する。
【0078】
工程1
THF中で水素化ナトリウムを懸濁する。THF中の5−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾール(合成:M.D.Cliff、S.G.Pyne、Synthesis 1994、681〜682)の溶液を加え、そして反応混合物を室温で約30分間撹拌する。THF中の2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタンの溶液を加え、一晩撹拌し続ける。生成物を単離し、そして慣用の様式で精製する。
【0079】
前記スキームに従って、2つの位置異性体の混合物を最終生物について得る場合には、この混合物をHPLC(chiralpak AD、ヘプタン/エタノール4/1)により分離することができる。
【0080】
工程2
溶液1:2−クロロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン及び1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−4−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾールを、THF及びDMFに溶解する。混合物を抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去する。
【0081】
溶液2:トリフェニルホスフィン、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ヨウ化銅(I)及びトリエチルアミンを、THFに溶解する。この混合物も抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去する。
【0082】
溶液2を約40℃に加熱し、そして溶液1を滴下して加える。反応混合物を約60℃に加熱し、そしてフッ化テトラブチルアンモニウム溶液を45分かけて滴下して加える。次に、反応物を室温で一晩撹拌する。溶媒を、蒸発させる。残渣を後処理し、そして慣用の様式で精製する。
【0083】
式Iにより表わされる化合物の薬学的に許容しうる塩は、それ自身既知の方法に従って容易に製造することができ、そして化合物の性質を考慮して塩に変換することができる。例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸又はクエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの、無機又は有機酸が、式Iにより表わされる塩基性化合物の薬学的に許容しうる塩の形成に適する。例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む化合物、塩基性アミン又は塩基性アミノ酸は、酸性化合物の薬学的に許容しうる塩の形成に適する。
【0084】
式Iにより表わされる化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、既に前記したように、代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストであり、そして急性及び/又は慢性の神経障害、認知障害や記憶障害だけでなく、急性及び慢性の疼痛といった、mGluR5受容体が媒介する障害の治療又は予防に用いることができる。処置可能な神経障害としては、例えば、てんかん、統合失調症、不安症、アルツハイマー病、老人性痴呆症、ハンチントン舞踏病、ALS、多発性硬化症といった神経系の急性、外傷性又は慢性の変成過程、AIDSにより引き起こされる痴呆、眼部損傷、網膜症、特発性パーキンソン病、又は医薬により引き起こされるパーキンソン病だけでなく、例えば筋攣縮、けいれん、片頭痛、尿失禁、エタノール中毒、ニコチン中毒、精神病、鎮静剤依存症、不安症、嘔吐、運動障害やうつ病といったグルタミン酸欠乏機能に至る症状が挙げられる。他の処置可能な適応としては、バイパス手術又は移植により引き起こされる脳の機能の制限、脳への血液供給の減少、脊髄損傷、頭部損傷、妊娠による低酸素状態、心停止及び低血糖が挙げられる。
【0085】
式Iにより表わされる化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、特に鎮痛薬として有用である。処置可能な疼痛の種類としては、関節炎やリウマチ様疾患、脈管炎といった炎症性の疼痛、三叉神経やヘルペス性の神経痛といった神経障害性の疼痛、糖尿病による神経障害性の疼痛、灼熱痛、痛覚過敏、重篤な慢性の疼痛、術後の疼痛、及び腫瘍、アンギナ、腎臓又は胆石疝痛、月経、片頭痛や痛風といった種々の症状に関する疼痛が挙げられる。
【0086】
化合物の薬理学的作用を、以下の方法を用いて試験した。
結合実験のため、ヒトmGlu5a受容体をコードするcDNAを、Shlaeger及びChristensen(Cytotechnology 15:1〜13(1998))に記載された手順を用いて、EBNA細胞へ一時的にトランスフェクションした。細胞膜のホモジネートをアッセイの日まで−80℃で保存し、アッセイでは解凍し、そしてpH7.4で15mMのTris−HCl、120mMのNaCl、100mMのKCl、25mMのCaCl、25mMのMgCl結合緩衝液に再懸濁し、そしてポリトロンに付して、最終アッセイ濃度を20μgタンパク質/ウェルとした。
4℃で1時間、12の[H]MPEP濃度(0.04〜100nM)をこれらの膜へ加えることにより(全容量は200μl)、飽和の等温線を決定した。競合実験を、[H]MPEP(2nM)の固定濃度、及び11の濃度(0.3〜10,000nM)を用いて評価する試験化合物のIC50値で、実施した。4℃で1時間、インキュベーションした。
インキュベーション終了時に、膜をunifilter(GF/Cフィルターを結合し、0.1%PEIの洗浄緩衝液中で1時間プレインキュベーションした96ウェルの白色マイクロプレート、Packard BioScience、コネチカット州メリデン)上で、Filtermate 96ハーベスター(Packard BioScience)を用いて濾過し、そしてpH7.4、50mMのTris−HClの冷緩衝液で3回洗浄した。非特異的結合を、10μMのMPEP存在下で測定した。45μlのmicroscint 40(Canberra Packard S.A.、スイス国チューリッヒ)を添加して補正をクエンチングし、20分間震盪して、フィルター上の放射活性を、パッカードトップカウントマイクロプレートシンチレーションカウンターで(3分間)カウントした。
機能的アッセイについては、[Ca2+]i測定を、HEK−293細胞の組換えヒトmGlu5a受容体について、Porterら(Br.J.Pharmacol. 128:13〜20(1999))により以前に記載されたようにして実施した。細胞に、Fluo4−AM(FLUKAにより入手可能、最終濃度0.2μM)を用いて色素負荷をした。[Ca2+]i測定を、蛍光測定画像解析用プレートリーダー(FLIPR、Molecular Devices Corporation、米国カリフォルニア州ラ・ホーヤ)を用いて実施した。アンタゴニスト評価は、試験化合物で5分プレインキュベーションし、最大下添加となるアゴニストを加えることにより、実施した。
阻害(アンタゴニスト)曲線を、IC50を与える4つのパラメータの理論方程式、及びインタラクティブの非線形曲線適合ソフトウェア(Xcelfit)を用いたHill係数と、適合させた。
結合実験で、試験化合物のKi値を得た。Ki値は、以下の式:
【0087】
【化28】

【0088】
により規定されるが、ここでIC50値とは、競合する放射性リガンド([H]MPEP)の50%阻害を起こす試験化合物の濃度である。Lは、結合実験で用いた放射性リガンドの濃度であり、そして放射性リガンドのK値は、調製した各バッチの膜について経験的に決定した。
【0089】
本発明の化合物は、mGluR5a受容体アンタゴニストである。前記アッセイで測定した式Iにより表わされる化合物の活性は、K<200nMの範囲内である。
【0090】
【表1】

【0091】
式Iにより表わされる化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、例えば、薬学的製剤の形態で、医薬として用いることができる。薬学的製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし、投与はまた、例えば、座剤の剤形で直腸内にも、又は例えば、注射液の剤形で非経口的にも遂行することができる。
【0092】
式Iにより表わされる化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、薬学的製剤の製造のための、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などは、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤の担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体又は液体ポリオールなどであるが;しかし軟ゼラチンカプセル剤の場合は、活性物質の性質に応じて、通常は担体は必要とされない。液剤及びシロップ剤の製造に適した担体は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖などである。アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などのような補助剤は。式Iにより表わされる化合物の水溶性塩の水性注射液のために使用することができるが、概して必要とされない。座剤に適した担体は、例えば、天然及び硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0093】
さらに、薬学的製剤は、保存料、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含んでもよい。これらはまた、さらに他の治療上有用な物質を含んでもよい。
【0094】
すでに述べたように、式Iにより表わされる化合物又はその薬学的に許容しうる塩、並びに治療上不活性な賦形剤を含有する医薬もまた、本発明の目的であり、またそのような医薬を製造するための方法であって、式Iにより表わされる化合物又はその薬学的に許容しうる塩の1種以上と、所望により、他の治療上有用な物質1種以上とを、治療に不活性な担体1種以上とともに製剤にする方法も同様である。
【0095】
用量は、広い範囲で変化させることができ、当然ながらそれぞれ症例における個々の要件に適合させられる。一般に、経口又は非経口投与のための有効用量は、0.01〜20mg/kg/日であり、0.1〜10mg/kg/日の用量が前記全ての適応症に好ましい。従って、体重70kgである成人に対する1日用量は、0.7〜1400mg/日、好ましくは7〜700mg/日である。
【0096】
以下の実施例を提供して、本発明をさらに説明する。
【0097】
実施例1
4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
水素化ナトリウム(76mg、55%、1.57mmol)を、2mLの乾燥THFに懸濁した。8mLの乾燥THF中の2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン(150mg、0.76mmol)の溶液を加え、そして反応混合物を室温で30分間撹拌した。1mMの乾燥THF中のヨウ化メチル(142mg、1.00mmol)の溶液を加え、そして一晩撹拌し続けた。反応混合物を70mLの水に注ぎ、そして酢酸エチル(各70mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール100:0→90:10勾配)により精製し、そして2つの位置異性体の混合物を得た。この混合物はHPLC(chiralpak AD、ヘプタン/エタノール4/1)により分離でき、そして所望とする化合物を白色固体(40mg、25%)、MS:m/e=212.2(M+H)として得た。
【0098】
実施例2
4−(1−イソプロピル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=240.3(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び臭化イソプロピルから、調製した。
【0099】
実施例3
4−(1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=254.2(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び臭化イソブチルから、調製した。
【0100】
実施例4
4−(1−シクロプロピルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=252.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及びブロモメチル−シクロプロパンから、調製した。
【0101】
実施例5
4−(1−シクロブチルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=266.2(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及びブロモメチル−シクロブタンから、調製した。
【0102】
実施例6
[2−メチル−4−(2−メチル−ピリジン−4−イルエチニル)−イミダゾール−1−イル]−アセトニトリル
表題化合物、MS:m/e=237.2(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及びブロモアセトニトリルから、調製した。
【0103】
実施例7
4−[1−(2−メトキシ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=256.2(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び2−ブロモエチル−メチルエーテルから、調製した。
【0104】
実施例8
2−クロロ−4−(1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=274.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び1−ブロモ−2−メチルプロパンから、調製した。
【0105】
実施例9
2−クロロ−4−(1−シクロプロピルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=272.2(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及びブロモメチル−シクロプロパンから、調製した。
【0106】
実施例10
2−クロロ−4−(1−シクロブチルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=286.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び臭化シクロブチル−メチルから、調製した。
【0107】
実施例11
2−メチル−4−[2−メチル−1−(2−フェノキシ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=318.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び臭化2−フェノキシエチルから、調製した。
【0108】
実施例12
2−クロロ−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=232.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及びヨウ化メチルから、調製した。
【0109】
実施例13
4−(2−シクロプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
工程1:2−シクロプロピル−4−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾール
表題化合物、MS:m/e=249.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−シクロプロピル−5−ヨード−1H−イミダゾール(実施例C)及びヨードメタンから、調製した。
工程2:4−(2−シクロプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=238.1(M+H)を、実施例A、工程2の一般的方法に従って、2−クロロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン及び2−シクロプロピル−4−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾールから、調製した。
【0110】
実施例14
2−クロロ−4−(1−イソプロピル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=260.6(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び臭化イソプロピルから、調製した。
【0111】
実施例15
4−(2−シクロプロピル−1−イソプロピル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
工程1:2−シクロプロピル−4−ヨード−1−イソプロピル−1H−イミダゾール
表題化合物、MS:m/e=277.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−シクロプロピル−5−ヨード−1H−イミダゾール(実施例C)及び臭化イソプロピルから、調製した。
工程2:4−(2−シクロプロピル−1−イソプロピル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=266.3(M+H)を、実施例A、工程2の一般的方法に従って、2−メチル−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン及び2−シクロプロピル−4−ヨード−1−イソプロピル−1H−イミダゾールから、調製した。
【0112】
実施例16
4−(1−シクロブチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=252.4(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及びブロモシクロブタンから、調製した。
【0113】
実施例17
4−(1−シクロペンチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=266.3(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及びブロモシクロペンタンから、調製した。
【0114】
実施例18
4−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=262.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタンから、調製した。
【0115】
実施例19
2−クロロ−4−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
工程1:1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−4−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾール
表題化合物、MS:m/e=273.0(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、5−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾール及び2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタンから、調製した。
工程2:2−クロロ−4−[1−(2,2−ジフロロ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=282.0(M+H)を、実施例A、工程2の一般的方法に従って、2−クロロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン及び1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−4−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾールから、調製した。
【0116】
実施例20
4−[1−(E)−2−フルオロ−ビニル]−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=242.3(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び副産物である2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタンから、調製した。
【0117】
実施例21
2−メチル−4−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルロ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=280.1(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン及び2,2−トリフルオロエチルメシラートから、調製した。
【0118】
実施例22
2−クロロ−4−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
工程1:4−ヨード−2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾール
表題化合物、MS:m/e=291.0(M+H)を、実施例1の一般的方法に従って、5−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾール及び2,2,2−トリフルオロエチルメシラートから、調製した。
工程2:2−クロロ−4−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=300.0(M+H)を、実施例A、工程2の一般的方法に従って、2−クロロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン及び4−ヨード−2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾールから、調製した。
【0119】
実施例23
2−クロロ−4−(1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=272.0(M+H)を、実施例A、工程1の一般的方法に従って、1−シクロプロピル−4−エチニル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール及び2−クロロ−4−ヨード−ピリジンから、調製した。
【0120】
実施例24
4−(1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン
表題化合物、MS:m/e=252.1(M+H)を、実施例A、工程1の一般的方法に従って、1−シクロプロピル−4−エチニル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール及び4−ヨード−2−メチル−ピリジンから、調製した。
【0121】
中間体の合成
実施例A
2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
工程1:2−クロロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン
2−クロロ−4−ヨード−ピリジン(10.0g、41.8mmol)を、200mLの乾燥THF及び17.5mLのトリエチルアミンに溶解した。この混合物を抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去した。トリフェニルホスフィン(329mg、1.25mmol)及び塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.47g、2.09mmol)を加え、そして反応混合物を室温で1時間撹拌した。ヨウ化銅(I)(239mg、1.25mmol)及びトリメチルシリルアセチレン(6.28g、6.39mmol)を、加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。溶媒を、蒸発させた。残渣を500mLの水にとり、そして酢酸エチル(各500mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル80:20)により精製した。所望とする生成物を、明褐色半固体(10g、>100%)として得た。この材料を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
工程2:2−クロロ−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
溶液1:2−クロロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン(8.9g、工程1に示したように純度<100%)及び5−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾール(13.24g、64mmol、合成:M.D.Cliff、S.G.Pyne、Synthesis 1994、681〜682)を、75mLの乾燥THF及び20mLの乾燥DMFに溶解した。この混合物を抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去した。
溶液2:トリフェニルホスフィン(233mg、0.85mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.79g、2.55mmol)、ヨウ化銅(I)(81mg、0.43mmol)及びトリエチルアミン(8.87mL、64mmol)を、75mLの乾燥THFに溶解した。この混合物も抜気し、そしてアルゴンで数回充填して、溶液から酸素を除去した。
溶液2を40℃に加熱し、そして溶液1を滴下して加えた。反応混合物を60℃に加熱し、そしてフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中1M、55mL、55mmol)を45分かけて滴下して加えた。次に、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を、蒸発させた。残渣を200mLの水にとり、そして酢酸エチル(各200mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール95:5)により精製し、そして塩化メチレン及び酢酸エチルの混合物から再結晶化した。所望とする生成物を、明褐色固体(2.89g、31%)として得た。
【0122】
実施例B
2−メチル−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
表題化合物を、実施例A(工程1及び2)の一般的方法に従って、4−ヨード−2−メチル−ピリジン及び5−ヨード−2−メチル−1H−イミダゾールから、調製した。
【0123】
実施例C
2−シクロプロピル−5−ヨード−1H−イミダゾール
工程1:2−シクロプロピル−1H−イミダゾール
表題化合物を、特許WO2002060877に従って、調製することができる。
工程2:2−シクロプロピル−5−ヨード−1H−イミダゾール
表題化合物を、Cliff&Pyne、Synthesis−Stuttgart(7)、681〜682(1994)の参考文献に従って、2−シクロプロピル−1H−イミダゾールをヨウ素と、NaOHの存在下で反応させることにより、調製した。次に、得られた4,5−ジヨード−2−シクロプロピル−1H−イミダゾールを亜硫酸ナトリウムと反応させて、表題化合物を得た。
【0124】
実施例D
1−シクロプロピル−4−エチニル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール
工程1:4−[1−ジメチルアミノ−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチル−4H−オキサゾール−5−オン
N−アセチルグリシン(40.0g、342mmol)及び塩化ホスホルオキシ(79.0ml、854mmol)を混合し、そして5℃に冷却した。N,N’−ジメチルアセトアミド(80.0ml、854mmol)を、ゆっくりと30分かけて、5〜10℃で(発熱する!)滴下して加えた。反応混合物を45℃で2.5時間撹拌し、そして次に室温に冷却した。ジクロロメタン(150ml)を加え、そして混合物を800mlの氷水に注いだ。pHを水酸化アンモニウムでpH8に調整し、そして混合物を200mlのジクロロメタンで2回抽出した。有機抽出物を150mlの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、そして所望とする化合物を橙色固体(12.5g、22%)、MS:m/e=169.2(M+H)として得た。
工程2:(Z)−2−アセチルアミノ−3−ジメチルアミノ−ブタ−2−エン酸エチルエステル
4−[1−ジメチルアミノ−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチル−4H−オキサゾール−5−オン(36.4g、216mmol)をエタノール(300ml)に溶解し、そして水素化ナトリウム(0.52g、0.022mmol)を室温で加えた。暗色溶液を、1時間還流した。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物[MS:m/e=215.5(M+H)]を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
工程3:(Z)−2−アセチルアミノ−3−シクロプロピルアミノ−ブタ−2−エン酸エチルエステル
(Z)−2−アセチルアミノ−3−ジメチルアミノ−ブタ−2−エン酸エチルエステル(4.3g、20mmol)及びシクロプロピルアミン(1.14g、20mmol)を、室温で酢酸(40ml)中で2時間撹拌した。反応混合物をゆっくりと30mlの水で希釈し、そして減圧下35℃で蒸発させた。水(30ml)を残渣に加え、そして再度35℃で蒸発させた。同じ手順をトルエン(各30ml)を用いて2回繰り返して、所望とする粗生成物を暗褐色油状物[MS:m/e=227.4(M+H)]として得、それをさらに精製することなく次の工程に用いた。
工程4:1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
微粉末硫酸アンモニウム(0.13g、1mmol)を(Z)−2−アセチルアミノ−3−シクロプロピルアミノ−ブタ−2−エン酸エチルエステル(7.0g、20mmol)及びヘキサメチルジシラザン(50ml、235ml)の懸濁液に加え、そして145℃で一晩還流した。反応混合物を蒸発させ、そして酢酸エチル及び水で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール4:1)により精製し、そして所望とする化合物を明褐色固体(1.3g、31g)、MS:m/e=209.1(M+H)として得た。
工程5:(1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)−メタノール
1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(0.7g、3mmol)を20mLの乾燥THFに溶解し、そして0℃に冷却した。水素化アルミニウムリチウム(3.4mL、THF中1M、3mmol)を滴下して加え、そして0℃で1時間撹拌した。反応混合物を0.13mlの水、0.13mlの4N水酸化ナトリウム及び0.4mlの水でクエンチした。硫酸ナトリウムを加え、10分間撹拌し、濾過し、そして蒸発乾固させて、所望とする化合物を明黄色固体(0.52g、93%)、MS:m/e=167.4(M+H)として得た。
工程6:1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルバルデヒド
(1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)−メタノール(0.52g、3mmol)を、60mlのジクロロメタンに溶解した。酸化マンガン(IV)(3g、30mmol)を加え、そして反応混合物を還流して2時間撹拌した。懸濁液をdicalite speed plus padを通して濾過し、そしてジクロロメタンで洗浄した。溶媒を蒸発させ、そして所望とする化合物を褐色固体(0.42g、82%)、MS:m/e=165.3(M+H)として得た。
工程7:1−シクロプロピル−4−エチニル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール
(1−ジアゾ−2−オキソ−プロピル)−ホスホン酸ジメチルエステル(0.6g、3mmol)を、10mlのメタノールに溶解した。カルボン酸カリウム(0.74g、5mmol)を加えた。5mlのメタノール中の1−シクロプロピル−2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルバルデヒド(0.42g、3mmol)の溶液を、室温で滴下して加えた。溶媒を、蒸発させた。残渣を15mlの水にとり、そして酢酸エチル(各15ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル80:20→0:100勾配)により精製し、そして所望とする化合物を白色固体(0.12g、30%)、MS:m/e=161.4(M+H)として得た。
【0125】
薬学的組成物の調製:
実施例I
以下の組成の錠剤を、慣用の方法で製造した:
mg/錠
有効成分 100
粉末乳糖 95
白色コーンスターチ 35
ポリビニルピロリドン 8
カルボキシメチルスターチナトリウム 10
ステアリン酸マグネシウム 2
錠剤重量 250
【0126】
実施例II
以下の組成の錠剤を、慣用の方法で製造した:
mg/錠
有効成分 200
粉末乳糖 100
白色コーンスターチ 64
ポリビニルピロリドン 12
カルボキシメチルスターチナトリウム 20
ステアリン酸マグネシウム 4
錠剤重量 400
【0127】
実施例III
以下の組成のカプセル剤を、製造した:
mg/カプセル剤
有効成分 50
結晶乳糖 60
微結晶セルロース 34
タルク 5
ステアリン酸マグネシウム 1
カプセル充填量 150
【0128】
適切な粒径を有する有効成分、結晶乳糖及び微結晶セルロースを、互いに均質に混合し、篩い、そしてその後タルク及びステアリン酸マグネシウムを混合した。最終混合物を、適切なサイズの硬ゼラチンカプセルに充填した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】


(式中、
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、CF、CFH、OCF、OCFH又はシアノであり;
は、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、低級アルキル、シクロアルキル、−(CH−シクロアルキル、−(CH−CN又は−(CH−O−低級アルキル、低級アルコキシアリール、F−Rであり;
ここで、Rは、低級アルキル又は低級アルケニルであり;
nは、1、2又は3であり;
は、水素、C(O)H又はCHであり、
ここで、Rは、水素、OH、C〜C−アルキル、C〜C12−シクロアルキルである)
により表わされる化合物、及びその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
が、F−Rである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
化合物が、
4−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン、
2−クロロ−4−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン、
4−[1−((E)−2−フルオロ−ビニル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン、
2−クロロ−4−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン、又は
2−メチル−4−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−ピリジン
である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
一般式IA
【化2】


(式中、
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、CF又はシアノであり;
は、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、低級アルキル、シクロアルキル、−(CH−シクロアルキル、−(CH−CN又は−(CH−O−低級アルキルであり;
nは、1、2又は3である)
により表わされる、請求項1記載の化合物、及びその薬学的に許容しうる塩。
【請求項5】
が、−CH−シクロアルキルであり、そしてその他の定義が請求項1と同義である、請求項4記載の式Iにより表わされる化合物。
【請求項6】
化合物が、
4−(1−シクロプロピルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
4−(1−シクロブチルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
2−クロロ−4−(1−シクロプロピルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン、又は
2−クロロ−4−(1−シクロブチルメチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
である、請求項5記載の式Iにより表わされる化合物。
【請求項7】
が、低級アルキルであり、そしてその他の定義が請求項4記載と同義である、請求項4記載の式Iにより表わされる化合物。
【請求項8】
化合物が、
4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
4−(1−イソプロピル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、
4−(1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−2−メチル−ピリジン、又は
2−クロロ−4−(1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
である、請求項7記載の式Iにより表わされる化合物。
【請求項9】
が、−CH−CN又は−(CH−O−低級アルキルである、請求項4記載の式Iにより表わされる化合物。
【請求項10】
化合物が、
[2−メチル−5−(2−メチル−ピリジン−4−イルエチニル)−イミダゾール−1−イル]−アセトニトリル、又は
4−[1−(2−メトキシ−エチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−4−イルエチニル]−2−メチル−ピリジン
である、請求項9記載の式Iにより表わされる化合物。
【請求項11】
請求項1〜10記載の式Iにより表わされる化合物を調製する方法であって、
(a)式II
【化3】


(式中、R、R及びRは、前記と同義である)により表わされる化合物を、
式III
【化4】


(式中、Rは、前記と同義であり、そしてZは、ハロゲン又はメチルスルホナート(OSOCH)である)により表わされる化合物と反応させること、又は
(b)式IV
【化5】


(式中、R、R及びRは、前記と同義である)により表わされる化合物を、
式V
【化6】


(式中、Rは、前記と同義であり、そしてXは、ハロゲンである)により表わされる化合物と反応させること;又は
(c)式VI
【化7】


(式中、R、R及びRは、前記と同義であり、そしてhalは、ハロゲンである)により表わされる化合物を、式VII
【化8】


(式中、Rは、前記と同義であり、そしてYは、トリメチルシリル又は水素である)により表わされる化合物と反応させること
そして所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩へ変換すること
を含む方法。
【請求項12】
請求項1〜10記載の式Iにより表わされる化合物を調製する方法であって、
a)式
【化9】


により表わされる化合物と、式
【化10】


(式中、Rは、前記と同義であり、そしてZは、ハロゲンである)により表わされる化合物とを反応させて、式
【化11】


(式中、R、R及びRは、前記と同義であり、そしてHalは、好ましくはクロロ、ブロモ又はヨードである)により表わされる化合物とすること、
そして所望であれば、Rが水素以外である場合は、
b)式IAにより表わされる化合物と、式
【化12】


により表わされる化合物とを反応させて、式
【化13】


(式中、R、R、R及びRは、前記と同義である)により表わされる化合物とすること、
そして所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩へ変換すること
を含む方法。
【請求項13】
mGluR5受容体が媒介する障害の治療及び予防のための、請求項1〜10のいずれか1項記載の1つ以上の化合物、及び薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬。
【請求項14】
急性及び/又は慢性の神経障害、特に不安症の治療及び予防のための、あるいは慢性及び急性の疼痛の処置のための、請求項13記載の医薬。
【請求項15】
mGluR5受容体が媒介する障害の治療又は予防に用いるための、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物及びその薬学的に許容しうる塩。
【請求項16】
mGluR5受容体が媒介する障害の治療及び予防のための医薬を製造するための、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物及びその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項17】
急性及び/又は慢性の神経障害、特に不安症の治療及び予防のための、あるいは慢性及び急性の疼痛の処置のための医薬を製造するための、請求項16記載の使用。
【請求項18】
前記記載の発明。

【公表番号】特表2009−500291(P2009−500291A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518089(P2006−518089)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007177
【国際公開番号】WO2005/003117
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】