説明

イメージセンサ表面検査方法

【課題】従来の構成では検査できなかった、CCDセンサ表面における一様な検査を可能とすることを目的とする。
【解決手段】前述の課題を解決するために、本発明では、イメージセンサ(CCDセンサ)表面上に付着した異物としてダイシングによって生じたシリコン破片と有機物を対象とし、それらを検出する検査を行う。また、検査方法としては、検査対象の品種ごとにマスターサンプルを用意し、そのマスターサンプルの輝度分布との差を求めることで検査を行う方法を用いる。そのための検査装置13は、光源部14、補助光源部15、ステージ部16、光学系17、画像処理系18、で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサの表面を検査するものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のCCDセンサ(イメージセンサ)の生産工程を、図7(a)〜(c)を用いて説明する。
【0003】
図7(a)は、CCDセンサの生産の第1工程を示す模式図であり、図7(b)は、CCDセンサの生産の第2工程を示す模式図であり、図7(c)は、CCDセンサを示す概略図である。
【0004】
図7(a)〜(c)CCDセンサの生産工程について簡単に説明する。
【0005】
まず、CCDセンサ1は、ダイシングシート2上に貼り付けられた半導体ウエハ3をダイシングにより個々に分割したものである。そして、分割されたCCDセンサ1は、個別に分離され、トレー4に収納される(図7(a))。
【0006】
続いて、CCDセンサ1は、トレー4から取り出され、バンプボンダ5によって電気接続用のバンプが設けられた後、再度トレー4に収納される(図7(b))。
【0007】
続いて、トレー4に収納されたバンプ付きのCCDセンサ1は、基板6にガラス製の組み付け物7を介して接続されて、CCDカメラ8として完成する(図7(c))。
【0008】
前述のCCDセンサの生産ラインの工程においては、半導体ウエハ3、半導体ウエハ3のダイシング後のCCDセンサ1、トレー4へ配置後のCCDセンサ1、バンプ形成後にトレー4に再配置されたCCDセンサ1、それぞれに対して表面検査を行う必要がある。これは、前述の各工程において、ダイシング時に生じるシリコン破片や外部から進入する有機物等の異物が半導体ウエハ3やCCDセンサ1に付着し、CCDカメラ8としての性能が劣化する可能性があるためである。
【0009】
特に、CCDセンサの場合は、画素サイズが10μmから2μmとなるなどの、近年の微細化の流れにおいては、1μmオーダーの微細な異物が付着しても画像読取りの障害の原因となり、CCDカメラを不良品としてしまうため、作業ごとに検査する必要がある。
【0010】
このCCDセンサ表面の異物検査装置として、撮像用のカメラを備え、画像認識によって自動で外観検査を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
図8は、特許文献1に記載の従来の表面検査装置の概略図である。
【0012】
図8において、検査装置9は撮像用カメラ10を備えており、XYステージ11によって位置調整されたCCDセンサ12を撮像用カメラ10で撮像し、撮像した画像を画像認識することで、自動でCCDセンサ12の外観検査(表面異物検査)を行うものである。
【特許文献1】特開2007−003326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、イメージセンサ(CCDセンサ)は、その表面の反射状態が全体で不均一になることがある。この場合、RGBの各成分がほぼ均等な割合で混合されている白色光に対してRGB各成分で異なる反射率となり、イメージセンサ表面の位置によって反射光のコントラストおよび色相が大きく変化する。そのため、前述の従来の構成では、このようなイメージセンサ表面において正確な検査ができないという課題を有している。
【0014】
本発明は、前述の従来の課題を解決するためのものであり、イメージセンサ表面の反射条件に拠らず、正確な検査を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明のイメージセンサ表面検査方法は、イメージセンサの表面を撮像手段で撮像した撮像画像を複数の領域に分割する第1工程と、前記複数の領域それぞれにおいて波長毎の輝度を測定する第2工程と、前記輝度が前記撮像手段のダイナミックレンジ外となる波長の光を検出する第3工程と、前記検出された波長の光の輝度を補正する第4工程と、補正後の撮像画像に基づいて前記イメージセンサの表面の検査を行う第5工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、イメージセンサ表面の反射条件に拠らない正確な検査を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一構成には同一符号を付し、説明を省略する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の検査装置の概略構成図である。
【0019】
本実施の形態は、イメージセンサ(CCDセンサ)表面上に付着した異物としてダイシングによって生じたシリコン破片と有機物を対象とし、それらを検出する検査を行うものである。
【0020】
また、検査方法としては、検査対象の品種ごとにマスターサンプルを用意し、そのマスターサンプルの輝度分布との差を求めることで検査を行う方法を用いる。
【0021】
図1において、検査装置13は、光源部14、補助光源部15、ステージ部16、光学系17、画像処理系18、から構成されている。本実施の形態においては、光源部14からの光を、光学系17を介してステージ部16上の被測定物に照射し、被測定物で反射し、再び光学系17を介した光を、画像処理系18(撮像手段)にて撮像する。この時、必要に応じて、補助光源15からの光を補助光として被測定物に照射する。
【0022】
続いて、これら構成物について詳しく説明する。
【0023】
光源部14は、白色ランプ励起光源19と、この白色ランプ励起光源19からの光の調整手段として、モノクロ(白黒)のグラデーションフィルタ20、R(赤色)のグラデーションフィルタ21、G(緑色)のグラデーションフィルタ22、B(青色)のグラデーションフィルタ23と、それぞれのグラデーションフィルタ20〜23を独立に移動させるフィルタ移動機構24〜27より構成されている。
【0024】
補助光源部15は、R(赤色)のダイオード光源28、G(緑色)のダイオード光源29、B(青色)のダイオード光源30、より構成されている。
【0025】
ステージ部16は、ステージ31とスキャン用モータ32より構成され、そのステージ31上には、中に被検査物であるCCDセンサ33(イメージセンサ)を収納したトレー34が載置される。このステージ31は、図1のAで示すラインスキャン副走査方向(紙面横方向)に移動するものである。
【0026】
光学系17は、光源部14からの光をステージ部16に導くためのハーフミラー35と、補助光源部15からの光をステージ部16に導くためのハーフミラー36とから構成されている。
【0027】
画像処理系18は、顕微鏡(図示せず)と、ラインスキャンカメラ37と、ラインスキャンカメラ37によって撮像された画像が転送・処理される画像処理部38とから構成されている。このラインスキャンカメラ37は、図1のBで示すラインスキャン主走査方向(紙面垂直方向)に対してライン状にスキャンするものである。このラインスキャンカメラ37には、光源部14および補助光源部15からの光が合成された照明光に対して、ラインスキャンカメラ37の撮像CCD素子(図6にて後述)の露光時間を制御するための露光時間調整部(図示せず)と、ゲインを制御するためのゲイン調整部(図示せず)を備えている。
【0028】
また、検査装置13は、内部にダイオード光源28〜30を制御するための電気制御部を有するコントローラ39(制御装置)を備えており、そのコントローラ39は、フィルタ移動機構24〜27、ダイオード光源28〜30、スキャン用モータ32、ラインスキャンカメラ37にそれぞれ接続されており、これらを同期させて動作させることが可能なものである。
【0029】
ここで、グラデーションフィルタ20を用いて、モノクロおよび各色のグラデーションフィルタ20〜23の濃淡の程度について説明する。
【0030】
図2は、グラデーションフィルタ20の濃淡を示す図である。
【0031】
図2において、グラデーションフィルタ20は、それぞれの領域内では透過率が均一な透過領域20a〜20fを有している。この透過領域20a〜20fは、透過領域20aから透過領域20fに向けて段階的に光透過率が大きくなる構造となっている。また、本実施の形態では、それぞれの透過領域20a〜20fの幅は、少なくとも白色ランプ励起光源19の光束の幅より大きくする。これは、各透過領域20a〜20fを介した白色ランプ励起光源19からの光をできる限り均一にするためである。
【0032】
なお、図2では、グラデーションフィルタ20〜23を代表してグラデーションフィルタ20について説明したが、モノクロかRGBの各色をベースにするか、という違いを除けば、グラデーションフィルタ20〜23は同様の構造となっている。
【0033】
続いて、本実施の形態での光調整パラメータ決定方法と、CCDセンサの表面検査方法について、フローチャートを用いて説明する。
【0034】
図3は、実施の形態1の検査の光調整パラメータ決定のフローチャートを示す図であり、図4は、実施の形態1の表面検査のフローチャートを示す図である。
【0035】
図3において、まず、検査対象であるCCDセンサ33の寸法やアライメントマーク位置から、必要なラインスキャン撮像の回数(スキャンラインの数)を算出する。そして、それぞれのラインスキャン撮像の開始位置を決定し、光調整用のパラメータとしてスキャンライン毎の単位でコントローラ39に記憶させていく(ステップS1)。
【0036】
次に、ステップS1で決定したスキャンライン毎に、輝度分布を把握する(ステップS2)。
【0037】
次に、ステップS2の輝度分布の状態に基づいて、他と比べて輝度が異なるために輝度調整が必要な輝度調整位置を、それぞれのスキャンライン毎で決定する(ステップS3)。
【0038】
次に、ラインスキャンカメラ37による撮像視野を、ステップS3で決定した輝度調整位置へ移動させる(ステップS4)。
【0039】
次に、ステップS4での撮像視野において、グラデーションフィルタ20〜23をフィルタ移動機構24〜27で移動させて透過率を変化させ、輝度の調整を行う。この輝度の調整は、例えば、ステップS2でR(赤色)成分が他の2成分と比べて大きかった場合は、グラデーションフィルタ21をその領域毎のステップで移動させてR成分を徐々に減少させることで、RGB3色の輝度値が最も近くなるように調整するものである(ステップS5)。
【0040】
次に、ステップS5での調整後の輝度が検査装置13で検査可能な輝度範囲内となっているかを調べる(ステップS6)。
【0041】
次に、ステップS6で検査可能な輝度範囲内となった場合は、その輝度調整位置と調整パラメータ(フィルタ移動機構24〜27の移動量)を、検査装置13の記憶部(図示せず)に記憶させる(ステップS7)。
【0042】
また、ステップS6で検査可能な輝度範囲内でなかった場合は、検査可能輝度より小さければダイオード光源28〜30を用いて輝度を向上させ、検査可能輝度より大きければグラデーションフィルタ20を用いて輝度を減少させる(ステップS8)。
【0043】
次に、ステップS8での輝度調整位置と調整パラメータ(フィルタ移動機構24〜27の移動量および電気制御部の設定値)を、検査装置13の記憶部に記憶させる(ステップS9)。
【0044】
前述のステップS4〜S9の作業を、CCDセンサ33表面の輝度調整位置全てに対して実施する(ステップS10)。
【0045】
ここで、輝度調整の基準を決定するために、様々な要因下における、本実施の形態でのCCDセンサ33の反射率について検討する。
【0046】
まず、CCDセンサ33表面、検査前工程で発生するシリコン破片、有機物に対し、それぞれ白色光を照射した場合の光反射率を、それぞれRc、Rs、Roとした。そして、それらの反射率が、本実施の形態においては下記式(1)の関係が成立することを見出した。
【0047】
【数1】

【0048】
上記式(1)の関係を用いて、本実施の形態では、被検査物であるCCDセンサ33表面にシリコン破片が存在する場合は白異物として検出し、有機物が存在する場合は黒異物として検出する。そこで、ラインスキャンカメラ37での撮像結果に対して、CCDセンサ33表面を撮像している(異物が存在していない)とみなす輝度の上下限閾値を事前に定めておく。更に、CCDセンサ33の画素サイズなどから、CCDセンサ33表面に異物が存在しているとみなす面積の下限閾値を事前に定めておく。
【0049】
続いて、具体的な輝度調整の基準について説明する。輝度調整の基準として、白異物と黒異物の両方を検出するためには、異物のない状態でのCCDセンサ33表面の輝度をラインスキャンカメラ37のダイナミックレンジの中央値(8ビット255階調であれば、128付近)に調整することが望ましい。この場合は、上限閾値をラインスキャンカメラ37のダイナミックレンジの中央値の3/2の値とし、下限閾値をラインスキャンカメラ37のダイナミックレンジの中央値の1/2の値とする。
【0050】
なお、ここでは説明を簡単にするため、輝度の閾値は輝度に対する絶対値で記載をしているが、異物の無い状態でのCCDセンサ33表面の輝度を求めて、その相対値を閾値としても良い。また、面積は、画像を2値化ラベリングして、一塊のラベル面積を一つの異物とみなす手法が最も単純であるが、一定距離以下のラベルを結合して一塊のラベルとして処理を行っても良いし、一定面積以下のラベルはノイズとして消去するなどの処理を行っても良い。
【0051】
図4において、まず、ラインスキャン撮像の終了を確認する(ステップS11)。
【0052】
次に、撮像した撮像画像に2値化ラベリングなどの画像処理を行う(ステップS12)。
【0053】
次に、撮像領域内において、輝度の上限閾値以上の領域の有無を確認する(ステップS13)。
【0054】
次に、ステップS13で輝度の上限閾値以上の領域が存在した場合は、その領域の面積が面積の下限閾値以上か否かを確認する(ステップS14)。
【0055】
次に、ステップS14で面積の下限閾値以上だった場合は、その領域を白異物だと判定する(ステップS15)。
【0056】
また、ステップS13で輝度の上限閾値以上の領域が存在しなかった場合と、ステップS14で面積の下限閾値より小さかった場合に、輝度の下限閾値以下の領域の有無を確認する(ステップS16)。
【0057】
次に、ステップS16で輝度の下限閾値以下の領域が存在した場合は、その領域の面積が面積の下限閾値以上か否かを確認する(ステップS17)。
【0058】
次に、ステップS17で面積の下限閾値以上だった場合は、その領域を黒異物だと判定する(ステップS18)。
【0059】
次に、ステップS16で輝度の下限閾値以下の領域が存在しなかった場合と、ステップS17で面積の下限閾値より小さかった場合は、白異物も黒異物も存在しない異物なしだと判定する(ステップS19)。
【0060】
そして、ステップS11〜S19を行った後に、次のラインスキャン画像へ移動し、同様の処理を行う(ステップS20)。
【0061】
なお、本実施の形態では、白異物の判定を行った(ステップS13〜S15)後に、黒異物の判定を行った(ステップS16〜S18)が、これらの判定の順番を逆に行っても同様の効果を奏することができる。
【0062】
前述のフローチャートの手順により、CCDセンサ33表面を撮像した撮像結果について、説明する。
【0063】
図5は、実施の形態1の検査での撮像結果の模式図である。詳しくは、本実施の形態において、白色ランプ励起光源19が光量一定の照明条件下で、ラインスキャンカメラ37によりCCDセンサ33表面を撮像した撮像結果を模式的に示す図である。ここで、異物40、41は、どちらも白異物である。
【0064】
本実施の形態での撮像結果を、図5に示す領域毎に、RGBのそれぞれの輝度分布について領域内の平均輝度を求めたものを下記表1にまとめる。表中の数字は、8ビットの場合の階調を示す(例えば、領域33cでRは、255階調)。
【0065】
【表1】

【0066】
図5および表1より、CCDセンサ33表面の領域33b、33d、33e、33f、33hについては、白異物の検出が可能な画像が得られることが分かる。それに対し、領域33a、33c、33g、33iについては、図5や表1で示しているように輝度が飽和しており、異物40(白異物)の検出が困難であることが分かる。
【0067】
発明者らは、これら領域33a、33c、33g、33iについて、輝度分布の分析による考察を行ったところ、これらの領域ではRGBのうちのR成分のみが、ラインスキャンカメラ37のダイナミックレンジを越えていることを見出した。
【0068】
この知見に基づいて、本実施の形態では、これら領域33a、33c、33g、33iを撮像するタイミングで、白色ランプ励起光源19からの白色光の内のR成分のみを一部遮断し、ラインスキャンカメラ37のダイナミックレンジ内に抑えることができた。
【0069】
続いて、これを具体化するための方法について説明する。
【0070】
実際のCCDセンサ33の検査においては、検査タクトタイムを考慮すると、ラインスキャンの1ライン当たりの主走査は0.1秒程度が要求される。しかしながら、一般的な白色ランプ励起光源19では、この時間では、その色調を電気的制御手段のみによって変更することは非常に困難である。そのため、本実施の形態では、図1に示すように、ラインスキャン撮像の主走査中に、グラデーションフィルタ20〜23を用いて、照明光の色調、光量をダイナミックに変更させている。
【0071】
ここで、本実施の形態での主走査方向と副操作方向について、補足説明を行う。
【0072】
図6は、ステージ31とラインスキャンカメラ37の要部拡大図である。これは、本実施の形態のステージ31とラインスキャンカメラ37の要部を拡大した図であり、図1と同じ方向からこれら要部を見た図である。
【0073】
図6において、ステージ31は図1のAに示す方向(副走査方向)に移動し、ラインスキャンカメラ37内の撮像用CCD素子42はAと逆の方向にCCD転送される。
【0074】
実際の生産ラインにおける検査時には、前述の方法によって設定されたラインスキャンの開始位置毎の光調整パラメータを、ラインスキャンの主走査中のCCDセンサ33表面の位置に同期させて変更していくことにより、CCDセンサ33表面の位置によるコントラストおよび色相の変化を効果的に抑制する。
【0075】
また、グラデーションフィルタ20〜23による照明の不均一を和らげるために、ステージ31と撮像用CCD素子42の電荷転送のタイミングを同期させ、撮像画像を積算する手法であるTime Delay Integration処理を施したラインスキャン撮像を行うことが望ましい。
【0076】
なお、本実施の形態では、補助光源部15としてダイオード光源28〜30を用いたが、このようなダイオード光源を用いた場合に白色ランプ励起光源19と合成された照明光は、ダイオード光源の波長でピークを有するスペクトル光となる。そのため、グラデーションフィルタ20〜23のみで輝度調整が可能な場合は、できる限り補助光源部15を用いないことが望ましい。
【0077】
なお、本実施の形態では、白色ランプ励起光源19の具体事例として、ハロゲンランプを用いたが、それ以外のものを用いることも考えられる。しかしながら、メタルハライドランプや水銀ランプを用いた場合は、輝度は高くなるがランニングコストなどの面で不利であり、白色LEDを用いた場合は、ランニングコストでは有利であるが輝度面で有利とはいい難い。実際は、こういった原則をベースにしながら、波長成分や背景パターンの状況などで決めて行けばよい。なお、ここでは光学系の事例で顕微鏡を用いているが、顕微鏡以外の光学システムでも構成は可能であり、その場合など状況が異なってくることもある。
【0078】
なお、本実施の形態では、被検査物であるCCDセンサ33のカラーフィルタがCMYの補色系であったため、RGBの原色系とモノクロのグラデーションフィルタを用いたが、CCDセンサ33のカラーフィルタがRGBの原色系の場合は、CMYの補色系とモノクロのグラデーションフィルタを用いる。すなわち、CCDセンサ33のカラーフィルタの補足を用いる。
【0079】
なお、白色ランプ励起光源19により輝度が低下する場合(例えば、輝度値が128の半分の64であった場合)は、S/N(Signal/Noise)が2倍になるため、この白色ランプ励起光源19を用いずに、ダイオード光源28〜30のみを用いることで、より高精度な検査を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、被検査物の表面位置に依らず一様な異物検査ができるため、例えば、CCDセンサ表面に付着した異物を検査する検査装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施の形態1の検査装置の概略構成図
【図2】グラデーションフィルタ20の濃淡を示す図
【図3】実施の形態1の検査の光調整パラメータ決定のフローチャート
【図4】実施の形態1の表面検査のフローチャート
【図5】実施の形態1の検査での撮像結果の模式図
【図6】ステージ31とラインスキャンカメラ37の要部拡大図
【図7】(a)CCDカメラの生産の第1工程を示す模式図、(b)CCDカメラの生産の第2工程を示す模式図、(c)CCDカメラを示す概略図
【図8】特許文献1に記載の従来の表面検査装置の概略図
【符号の説明】
【0082】
13 検査装置
14 光源部
15 補助光源部
16 ステージ部
17 光学系
18 画像処理系
19 白色ランプ励起光源
20〜23 グラデーションフィルタ
24〜27 フィルタ移動機構
28〜30 ダイオード光源
31 ステージ
32 スキャン用モータ
33 CCDセンサ
34 トレー
35、36 ハーフミラー
37 ラインスキャンカメラ
38 画像処理部
39 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサの表面を撮像手段で撮像した撮像画像を複数の領域に分割する第1工程と、
前記複数の領域それぞれにおいて波長毎の輝度を測定する第2工程と、
前記輝度が前記撮像手段のダイナミックレンジ外となる波長の光を検出する第3工程と、
前記検出された波長の光の輝度を補正する第4工程と、
補正後の撮像画像に基づいて前記イメージセンサの表面の検査を行う第5工程と、を有すること
を特徴とするイメージセンサ表面検査方法。
【請求項2】
前記波長が前記イメージセンサの補色の波長であること
を特徴とする請求項1記載のイメージセンサ表面検査方法。
【請求項3】
前記第4工程は、前記検出された波長のグラデーションフィルタを用いて、前記検出された波長の光の輝度を補正する工程であること
を特徴とする請求項1または2記載のイメージセンサ表面検査方法。
【請求項4】
前記第4工程は、前記検出された波長のダイオード光源を用いて、前記検出された波長の光の輝度を補正する工程であること
を特徴とする請求項1から3いずれか記載のイメージセンサ表面検査方法。
【請求項5】
前記第4工程は、前記輝度が前記撮像手段のダイナミックレンジより大きい場合に前記グラデーションフィルタを用いる工程であること
を特徴とする請求項3記載のイメージセンサ表面検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−276108(P2009−276108A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125540(P2008−125540)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】